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JP4438222B2 - 物理量検出装置 - Google Patents

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JP4438222B2 JP2000371929A JP2000371929A JP4438222B2 JP 4438222 B2 JP4438222 B2 JP 4438222B2 JP 2000371929 A JP2000371929 A JP 2000371929A JP 2000371929 A JP2000371929 A JP 2000371929A JP 4438222 B2 JP4438222 B2 JP 4438222B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物理量に応じた出力を発生させる物理量検出装置に関するもので、特に、車両搭載用のピエゾ抵抗式の半導体圧力センサや半導体加速度センサ等に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
通常の車載用システムで使われる圧力センサでは、電源電圧は5Vが一般的であり、図9のように圧力に対する出力電圧は0.5〜4.5Vに対応させている。さらに、0V〜0.3V程度と4.7V程度〜5.0Vはダイアグ領域として設定されている。
【0003】
車載用システムで圧力センサが使われる場合の接続状態を図6、図7に示す。図6と図7の違いはセンサ出力を受けるシステム制御回路内のプルアップ抵抗108とプルダウン抵抗105の位置の違いのみである。圧力センサとシステム制御回路とを接続する配線の断線検出には、通常、図6、図7いずれかの回路構成が用いられる。
【0004】
例えば、図7に示す回路構成においては、システム制御回路104のうち製品出力Voutが入力されるラインとGNDに接続されるラインとの間にプルダウン抵抗105が配置され、電源電圧Vccや製品出力Voutが入力される各端子もしくはワイヤハーネス103a、103bが断線した時には製品出力Voutがゼロとなり、GNDに接続される各端子もしくはワイヤハーネス103cが断線したときには圧力センサ100の内部抵抗とプルダウン抵抗105との分圧の設定によって製品出力Voutが4.7V程度以上となるように構成されている。そして、これらの電圧がダイアグ信号(異常検出信号)となって、A/D変換器106を介してCPU107などに送られ、断線検出が成されるようになっている。なお、図6に示す回路構成については詳述しないが、この回路構成に備えられたプルアップ抵抗108を用いて、図7に示す回路構成と同様の手法により、断線検出が成される。
【0005】
図8に従来の圧力センサの回路例を示す。図8中の抵抗Ra、Rb、Rc、Rdは歪ゲージであり、Siチップの裏面中央にエッチングによって形成された薄肉部の表面に形成されている。圧力が増加すると抵抗Ra、Rdの抵抗値が減少、抵抗Rb、Rcの抵抗値が増加するように構成され、これら各抵抗Ra〜Rdでホイートストンブリッジ回路が形成されている。
【0006】
これら抵抗Ra〜Rd以外の抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6、R71、R72、R81、R82、R9、R10、R11、R12はCrSi等の薄膜抵抗であり、抵抗温度係数TCRがほぼゼロとなっている。
【0007】
抵抗R1、R2は電源電圧Vccを分圧しており、これによって形成される抵抗R1、R2間の中間電圧がOP1、OP4の基準電圧として使用されている。
【0008】
オペアンプOP1及び抵抗R1、R2、R5によって、歪ゲージで構成されたホイートストンブリッジ回路を定電流駆動するための定電流回路を形成している。この定電流回路は、抵抗R5のTCRがほぼゼロのため温度変化に対しても定電流動作を行う。
【0009】
歪ゲージは定電流駆動されると圧力に対する感度が温度補償される特性を有しており、歪ゲージを不純物濃度が約1020cm-3となるp型拡散抵抗で形成すると、この特性が得られることはよく知られている。なお、抵抗R71、R72、R81、R82はホイートストンブリッジ自体の零点調整に使用されており、抵抗R71、R72、R81、R82をレーザトリミングすることで零点調整を行っている。また、感度の温度特性の微調整用抵抗として抵抗R6がホイートストンブリッジ回路に並列に接続されている。
【0010】
オペアンプOP2、OP3はホイートストンブリッジ回路の各中点電圧の出力用として、ボルテージ・フォロワ動作しており、オペアンプOP2の出力にはトランジスタT1、T2がダーリントン接続されている。オペアンプOP4は増幅および加算器として動作する。オペアンプOP4の圧力信号に対するゲインはR12/R9であり、抵抗R11を介して電源電圧Vccに接続されているのでR11をトリミングすることで、センサ出力Voutの零点を調整できる。抵抗R10、R3、R4は零点の温度補償に用いられており、抵抗R3あるいは抵抗R4をトリミングすることで調整している。なお、抵抗R10は抵抗R3、R4に比して大きく設定されている。
【0011】
この回路は電源電圧Vccを分圧することで上記基準電圧を発生させ、これをもとに動作させているため、電源電圧Vccの多少の変動範囲であれば出力電圧も電源電圧に比例して変動するという特性をもっている。すなわち、システム制御回路内A/D変換器106に供給する電源電圧と同一電源電圧を基準電圧形成に用いることで、電源電圧Vccの変動による圧力計測誤差(デジタル値に変換後)をなくすという思想でシステムが構成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図10に、センサ回路110とシステム制御回路111との接続状態の模式図を示す。図10に示すように、車載用のシステムではセンサ回路110とシステム制御回路111とが離れた場所に置かれることが多く、各回路に備えられた端子間をコネクタ112、113及びワイヤハーネス114a〜114cで結んでいる。このとき、通常、コネクタ112、113内での金属端子同士の接触は極めて小さな接触抵抗となっており、センサ信号の伝達への影響は無視できる。
【0013】
しかしながら、経時変化によって金属端子表面に酸化膜が形成されたり、温度変化や振動等によって金属端子が微妙に変位した際に接触面積が極端に減少したりして、上記した接触抵抗が極端に大きくなる場合がある。
【0014】
このような場合に、システム制御回路111側からセンサ出力がどのように計測されるかを検討してみる。各接触抵抗は次のようにまとめられる。
【0015】
【数1】
V=RV1+RV2
【0016】
【数2】
O=RO1+RO2
【0017】
【数3】
G=RG1+RG2
ただし、RVはセンサ回路110とシステム制御回路111の両Vcc端子(電源端子)110a、111a間の配線抵抗、ROはセンサ回路110の出力端子110bとシステム制御回路111のうちセンサ回路110からの出力を受け取る入力端子111bとの間の配線抵抗、RGはセンサ回路110とシステム制御回路111の両GND端子110c、111c間の配線抵抗を示している。また、RV1、RV2、RO1、RO2、RG1、RG2は各コネクタ112、113における金属端子の接触抵抗を示している。
【0018】
ここで、システム制御回路の電源電圧をVcc、接触抵抗が無視できる場合のセンサ出力をVoutとすると、図6でのプルアップ抵抗108を用いたシステム制御回路の入力Vinは、次式のように表される。なお、Rpull−upはプルアップ抵抗108の抵抗値、IV、IGはワイヤハーネス103a、103cに流れる電流、Vxはシステム制御回路のGNDを基準としたセンサ出力電圧である。
【0019】
【数4】
Figure 0004438222
【0020】
【数5】
Figure 0004438222
【0021】
一方、図7に示したプルダウン抵抗105を用いたシステム制御回路111の入力Vinは、次式で示される。なお、Rpull−downはプルダウン抵抗105の抵抗値を示している。
【0022】
【数6】
Figure 0004438222
【0023】
また、Vxに関しては数5に示した式が適用できる。なお、数5の第1項はセンサが電源電圧Vccに比例した出力を出す特性に基づくものである。
【0024】
単純にRV、RO、RGが個別に発生したとすると、RV発生時はVinを低下させ、ROでは上昇させる。RO発生時は図6の回路構成か図7の回路構成かによって異なり、図6の回路構成では上昇、図7の回路構成では低下させる。
【0025】
そして、図9のように車載用圧力センサを用いるシステムでは、4.7V以上と0.3V以下にダイアグ領域を設定しているので、接触抵抗増大時にこの範囲の電圧が出力されれば異常として検出される。しかしながら、そうでない出力電圧では、正常な圧力信号と区別できないという問題がある。
【0026】
本発明は上記点に鑑みて、センサ部とシステム制御回路との間の接触抵抗増大に起因するセンサ出力計測値、すなわちシステム制御回路入力Vinの異常を的確に検出できるようにすることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、測定対象となる物理量に相当する出力電圧を出力するセンサ部(1)を有し、システム制御回路(50)によって形成される電圧をセンサ部の電源電圧(Vcc)として印加するように構成された物理量検出装置であって、システム制御回路にはセンサ部に印加する電源電圧を変化させる機能が備えられており、センサ部は、電源電圧が所定範囲の電圧であると、測定対象となる物理量に相当する出力電圧を出力し、電源電圧が所定範囲外であると、物理量とは関係のない予め設定された電圧を出力すようになっていることを特徴としている。
【0028】
このように、故障診断時には、センサ部に通常の物理量検出時とは異なる電圧が印加されるようにし、センサ部から物理量に応じた出力電圧ではなく、予め設定された出力電圧が出力されるようにすることで、その予め設定された出力と実際の出力とを比較することで異常検出を行うことができる。
【0029】
具体的には、請求項に示すように、センサ部に、物理量に応じた出力を発生させるブリッジ回路(Ra〜Rd)と、ブリッジ回路の出力が入力されるボルテージ・フォロワ回路(OP2、OP3)と、ボルテージ・フォロワ回路の出力を制御する制御手段(Q1)とを備え、制御手段によって、電源電圧が所定範囲の電圧であると、ボルテージ・フォロワ回路がブリッジ回路の出力に応じた出力を発生するように制御し、電源電圧が所定範囲外であると、圧力信号伝達用のボルテージ・フォロワ回路がブリッジ回路の出力に関係ない出力を発生するように制御している。
【0030】
具体的には、請求項に示すように、制御手段としては、電源電圧に基づいてオン/オフ駆動される第1のトランジスタ(Q1)を適用でき、電源電圧が所定範囲の電圧であると、第1のトランジスタがオフ状態とされ、電源電圧が所定範囲外の電圧であると、第1のトランジスタがオン状態とされてボルテージ・フォロワ回路の出力を低電位レベルにするように構成される。
【0031】
請求項に記載の発明においては、センサ部には、オペアンプ(OP4)と該オペアンプの反転入力端子と出力端子との間を連結するように設けられた第1の抵抗(R12)とを有し、ボルテージ・フォロワ回路の出力がオペアンプの反転入力端子に入力されると共に、電源電圧を分圧して形成した基準電圧がオペアンプの非反転入力端子に入力されるように構成された加算器と、電源電圧が所定範囲外の電圧であるときに、第1の抵抗を通じて反転入力端子と出力端子との間に流れる電流を変更する電流変更手段(Q2、Roffset)とが備えられていることを特徴としている。
【0032】
このように、電流変更手段を備えておくことにより、ボルテージ・フォロワ回路の動作に伴ってボルテージ・フォロワ回路の出力端子側に流れなくなった電流が第1の抵抗を通じてオペアンプの反転入力端子と出力端子との間に流れることを防止することができる。
【0033】
具体的には、請求項に示すように、電流制限手段としては、電源電圧に基づいてオン/オフ駆動される第2のトランジスタ(Q2)と、該第2のトランジスタとオペアンプの反転入力端子との間を連結するように設けられた第2の抵抗(Roffset)を適用できる。この場合、第2のトランジスタは、電源電圧が所定範囲外の電圧であるときにオン状態となって、第2の抵抗に電流を流すように構成される。
【0034】
請求項6に記載の発明においては、システム制御回路にはセンサ部に印加する電源電圧を変化させる機能が備えられており、センサ部は、電源電圧が第1の電圧であると、測定対象となる物理量に相当する出力電圧を出力し、電源電圧が第1の電圧とは異なる第2の電圧であると、物理量とは関係のない予め設定された電圧を出力すようになっていることを特徴としている。このような構成によっても請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本発明の一実施形態を適用した圧力センサ(センサ部)1の回路構成を示し、図2に、図1に示す圧力センサ1をシステム制御回路に接続したときの概略構成を示す。以下、図1、図2に基づき、本実施形態における圧力センサ1について説明する。
【0037】
図1に示す圧力センサ1は、上記図8に示した従来の圧力センサ1に対して、電源電圧Vccを分圧する分割抵抗ROFF1、ROFF2及び、抵抗ROFF1、ROFF2によって形成された電圧Vsに基づいてオン/オフ駆動されるトランジスタQ1、Q2、オペアンプOP4の反転入力端子とトランジスタQ2のコレクタとの間に配置された抵抗Roffsetを加えると共に、オペアンプOP2、OP3の内部における回路構成を変更したものである。なお、圧力センサ1のうち、上記した以外の構成については図5に示す従来の圧力センサ1と同様であるため、説明を省略する。
【0038】
オペアンプOP2とオペアンプOP3とは同様の回路構成を有しており、図3の回路構成となっている。この図に示すオペアンプOP2、OP3は通常のオペアンプに対してトランジスタ25a、25、26及び抵抗27を加えたものであり、抵抗27を介してトランジスタ25aのコレクタが図1に示すトランジスタQ1のコレクタと接続されるように構成されている。
【0039】
これらオペアンプOP2、OP3は、トランジスタQ1を制御手段として、トランジスタQ1のオン/オフ状態に応じて異なる動作を行う。まず、トランジスタQ1がオフ状態の場合の動作を説明する。
【0040】
オペアンプOP2、OP3においては、トランジスタ12、13によってカレントミラー回路が構成されている。トランジスタ12及び抵抗14によって基準電流値が決定されると、抵抗15の抵抗値に応じた電流がトランジスタ13にも流れる。
【0041】
そして、非反転入力端子11及び反転入力端子16からトランジスタ17、18に対して差動入力が成されると、各端子11、16間の電位差に基づいてトランジスタ19とトランジスタ20のコレクタ電流値が若干変動する。これにより、トランジスタ21の電流値が変動すると共に、トランジスタ22の電流値も変動し、トランジスタ23に流れるコレクタ電流値が調整される。
【0042】
これにより、電源電圧Vccから抵抗24による電位降下分を差し引いた電位が出力端子Voutから出力されるというボルテージ・フォロワ動作を行うようになっている。
【0043】
これに対し、トランジスタQ1がオン状態になると、トランジスタ25aがオンされると共に、トランジスタ25、26もオンされる。このため、上述したトランジスタ23の動作状態に関わらず、オペアンプOP2、OP3の出力が強制的に低電位状態(トランジスタのVce(sat)≒0.2V以下)にされる。
【0044】
これにより、ダーリントン接続されたトランジスタT1、T2がオフ状態となるため、図1における圧力信号および零点の温度補償信号は遮断され、オペアンプOP4にとっての信号は抵抗R11からの零点信号のみとなる。ただし、本回路構成の場合には抵抗R10に流れる零点温度補償信号には零点信号も事実上重畳されている。よって、トランジスタQ2をオンさせ、抵抗Roffsetで制限される電流信号を加算する。これらトランジスタQ2と抵抗Roffsetとが電流変更手段に相当する。
【0045】
これにより、圧力検出時において抵抗10に流れていた電流が抵抗Roffsetに流れ込み、オペアンプOP4及びこのオペアンプOP4の反転入力端子と出力端子との間を連結するように設けられたフィードバック抵抗R12とによって構成される加算器のうち、抵抗R12を通じて反転入力端子と出力端子との間に流れる電流が変更される。
【0046】
この場合、接触抵抗がほとんどない正常時でのセンサ出力Voutは、次式で表される。
【0047】
【数7】
Figure 0004438222
【0048】
ただし、Vref=Vcc・R2/(R1+R2)である。
【0049】
なお、Vce(sat)Q1は、トランジスタQ1のVce(sat)であり、通常0.2V程度以下である。
【0050】
従って、接触抵抗が大きくなると、数7で示されたセンサ出力Voutからズレが生じ、センサ出力をシステム回路側で確認することで、接触抵抗が増大したことを検出することができる。
【0051】
このように、異常検出時には、圧力センサ1に通常の圧力検出時とは異なる電圧が印加されるようにし、圧力センサ1から圧力に応じた出力電圧ではなく、予め設定された出力電圧が出力されるようにすることで、その予め設定された出力と実際の出力との比較により異常検出を行うことができる。
【0052】
このような圧力センサ1への印加電圧の切替えはシステム制御回路によって行われる。図2に基づいてシステム制御回路側の説明を行う。
【0053】
圧力センサ1には、電源電圧Vccが印加される端子1a、製品出力Voutを出力する端子1b、GNDに接続される端子1cの3端子が備えられているが、これら3つの端子1a〜1cがコネクタ51、52及びワイヤハーネス53a〜53cを介してシステム制御回路50に接続される。
【0054】
システム制御回路50には、電源電圧Vccを形成している電源回路54が備えられている。この電源回路54には、所定電圧を発生させる第1の定電圧回路55と、第1の定電圧回路55が発生させた電圧に基づいて圧力センサ1への印加電圧を形成する第2の定電圧回路56という2系統の定電圧回路が備えられている。この第2の定電圧回路56には電圧切替機能が備えられており、通常時(圧力検出時)には圧力検出に使用される所定範囲の電圧(第1の電圧)が電源電圧Vccとして圧力センサ1に印加されるようにし、故障診断時には上記所定範囲外の電圧(第2の電圧)が電源電圧Vccとして、具体的には通常時よりも高電圧が圧力センサ1に印加されるようになっている。例えば、第2の定電圧回路56に設けられたオペアンプ(図示せず)の増幅率を切替えることにより、出力電圧が切替えられるようにしている。なお、この通常時と異常検出時の切替えは後述する電圧切替制御信号に基づいて行われるようになっている。
【0055】
また、システム制御回路50には、抵抗57及びコンデンサ58で構成されたフィルタと、このフィルタを介して圧力センサ1の出力信号が入力されるA/D変換器59とが備えられていると共に、A/D変換器59からの情報を受け取るCPU60、制御プログラムや制御に必要な定数の記憶装置であるROM61、制御過程で行った演算結果の一時記憶装置であるRAM62、さらに、システム制御回路50には、各種スイッチやセンサ信号を取り込むための入力ポート63、CPU62での処理にしたがって各種アクチュエータへの駆動信号を出力する出力ポート64が備えられている。この出力ポート64から電圧切替制御信号が発せられ、第2の定電圧回路56における電圧切替え制御が行われるようになっている。
【0056】
ただし、本システム制御回路50では、もともとA/D変換器59とセンサ側を同一電圧で使うことで誤差を低減しているので、A/D変換器59側に印加される電源電圧Vccの情報はセンサ側の第2の定電圧回路5にも反映されるようにする必要がある。また、このような構成では故障診断時のセンサ出力がA/D変換器59の入力範囲を越えないように設定する必要があることはいうまでもない。
【0057】
なお、システム制御回路50には、製品出力Voutが入力されるラインとGNDに接続されるラインとの間を連結するようにプルダウン抵抗65が備えられているが、このプルダウン抵抗65は従来と同様の役割を果たすものである。
【0058】
このような構成により、圧力センサ1に対して故障診断時に通常時よりも高電圧を印加することができることから、故障診断時に圧力に基づかない出力電圧を発生させられ、この出力電圧に基づいて異常検出を行うことができる。
【0059】
(第2実施形態)
図4に本発明の第2実施形態における圧力センサ1の回路構成を示す。また、図5に、図4に示す圧力センサ1のオペアンプOP2、OP3の回路構成を示す。なお、本実施形態における圧力センサ1の基本構成は第1実施形態と同様であるので、同様の部分については同じ符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0060】
本実施形態の圧力センサ1は、第1実施形態におけるトランジスタQ1に代えてトランジスタQ1’を適用していることが異なる。つまり、第1実施形態ではトランジスタQ1をnpnトランジスタで構成しているが、本実施形態ではトランジスタQ1’をpnpトランジスタで構成している。
【0061】
このため、電源電圧Vccを分割抵抗ROFF1’、ROFF2’、ROFF3’によって分圧すると共に、抵抗ROFF1’と抵抗ROFF2’との間の電圧Vs1をトランジスタQ1’のベース駆動用電圧に用い、抵抗ROFF2’と抵抗ROFF3’との間の電圧Vs2をトランジスタQ2のベース駆動用電圧に用いている。
【0062】
このような構成とすると、図5に示すように、トランジスタQ1’のコレクタとオペアンプOP2、OP3内のトランジスタ26のベースとを抵抗28を介して接続することにより、トランジスタ26のオン/オフ駆動を行うことができる。このため、第1実施形態に対してオペアンプOP2、OP3内におけるトランジスタの数を省略することが可能となる。
【0063】
このようにすれば、第1実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、オペアンプOP2、OP3の回路構成の簡略化も図ることが可能となる。
【0064】
(他の実施形態)
上記実施形態では圧力センサ1を例に回路構成を示したが、物理量に対する抵抗値変化を利用した物理量検出装置、例えば加速度センサに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における圧力センサ1の回路構成を示す図である。
【図2】図1に示す圧力センサ1をシステム制御回路50に接続したときの概略構成を示した図である。
【図3】図1に示すオペアンプOP2、OP3の回路構成を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態における圧力センサ1の回路構成を示す図である。
【図5】図4に示すオペアンプOP2、OP3の回路構成を示す図である。
【図6】従来のプルアップ抵抗を備えた圧力センサとシステム制御回路との接続構成を示す図である。
【図7】従来のプルダウン抵抗を備えた圧力センサとシステム制御回路との接続構成を示す図である。
【図8】従来の圧力センサの回路例を示した図である。
【図9】車載用圧力センサにおける圧力と圧力信号との関係を示す図である。
【図10】従来のセンサ回路とシステム制御回路との接続状態の模式図である。
【符号の説明】
1…圧力センサ、50…システム制御回路、54…電源回路、
55、56…第1、第2の定電圧回路、Ra〜Rd…歪ゲージ、
OP1〜OP4…オペアンプ、Q1、Q2…トランジスタ、Roffset…抵抗。

Claims (4)

  1. 測定対象となる物理量に相当する出力電圧を出力するセンサ部(1)を有し、システム制御回路(50)によって形成される電圧を前記センサ部の電源電圧(Vcc)として印加するように構成された物理量検出装置であって、
    前記システム制御回路には前記センサ部に印加する電源電圧を変化させる機能が備えられており、
    前記センサ部は、前記電源電圧が所定範囲の電圧であると、前記測定対象となる物理量に相当する出力電圧を出力し、前記電源電圧が前記所定範囲外であると、前記物理量とは関係のない予め設定された電圧を出力するようになっており、
    前記センサ部には、
    前記物理量に応じた出力を発生させるブリッジ回路(Ra〜Rd)と、
    前記ブリッジ回路の出力が入力されるボルテージ・フォロワ回路(OP2、OP3)と、
    前記ボルテージ・フォロワ回路の出力を制御する制御手段(Q1)とが備えられており、
    前記制御手段は、前記電源電圧が前記所定範囲の電圧であると、前記ボルテージ・フォロワ回路が前記ブリッジ回路の出力に応じた出力を発生するように制御し、前記電源電圧が前記所定範囲外であると、前記ボルテージ・フォロワ回路が前記ブリッジ回路の出力に関係ない出力を発生するように制御するようになっていることを特徴とする物理量検出装置。
  2. 前記制御手段は、前記電源電圧に基づいてオン/オフ駆動される第1のトランジスタ(Q1)であり、前記電源電圧が前記所定範囲の電圧であると、前記第1のトランジスタがオフ状態とされ、前記電源電圧が前記所定範囲外の電圧であると、前記第1のトランジスタがオン状態とされて前記ボルテージ・フォロワ回路の出力を低電位レベルにするように構成されていることを特徴とする請求項に記載の物理量検出装置。
  3. 前記センサ部には、
    オペアンプ(OP4)と該オペアンプの反転入力端子と出力端子との間を連結するように設けられた第1の抵抗(R12)とを有し、前記ボルテージ・フォロワ回路の出力が前記オペアンプの反転入力端子に入力されると共に、前記電源電圧を分圧して形成した基準電圧が前記オペアンプの非反転入力端子に入力されるように構成された加算器と、
    前記電源電圧が前記所定範囲外の電圧であるときに、前記抵抗を通じて前記反転入力端子と前記出力端子との間に流れる電流を変更する電流変更手段(Q2、Roffset)とが備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物理量検出装置。
  4. 前記電流変更手段は、前記電源電圧に基づいてオン/オフ駆動される第2のトランジスタ(Q2)と、該第2のトランジスタと前記オペアンプの反転入力端子との間を連結するように設けられた第2の抵抗(Roffset)であり、
    前記第2のトランジスタは、前記電源電圧が前記所定範囲外の電圧であるときにオン状態となって、前記第2の抵抗に電流を流すようになっていることを特徴とする請求項に記載の物理量検出装置。
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