JP4438207B2 - 表面処理シリカ粉末及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに用いる記録材に添加する表面処理シリカ粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンタは、低価格、静音性、低ランニングコスト、高印字品質などの利点により、家庭用及びオフィス用として広く利用されている。インクジェットプリンタの目覚ましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が得られるようになってきていること、カラーレーザープリンタと比較して値段が安いことなどが要因である。今後、さらなるコンピューターの普及に伴い、インクジェットプリンタの需要がますます高まるものと考えられる。
インクジェットプリンタは、コンピュータからの電気信号に従い、インクタンク内のインク色素が小滴となってノズルから噴出し、記録材上に書体または画像を記録するものである。インクジェットプリンタ記録材は基材シートに透明な受容層を一層コーティングして形成される。基材シートは合成紙、ポリエチレンテレフタレート製フィルムなどが挙げられる。受容層はバインダ、無機酸化物、水等を母材として用い、これらを混合してスラリー状に形成される。バインダの材質はポリビニルアルコールであり、無機酸化物にはシリカ、アルミナなどが挙げられる。受容層にインク色素が接触すると、バインダがインクの吸収をし、無機酸化物がインクの滲みを抑制する役目をする。
インクジェットプリンタ記録材に要求される特性として、インクの吸収が早いこと、インクの滲みがないこと、色調が明るく、鮮やかであることなどが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最近になり、画像の高精細化への要求が高まってきているが、特に写真を印刷する場合など、現状のインクジェットプリンタ用記録材ではインクの滲み、色調などの点で問題があった。
本発明の目的は、インク色素の吸着能に優れた表面処理シリカ粉末及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、基材シートに透明な受容層を一層コーティングして形成されたインクジェットプリンター用記録材の受容層を形成する母材に添加剤として使用され、複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物により表面処理されたシリカ粉末であって、エポキシ化合物が2つ以上のエポキシ環を有するグリシジルエーテル類であり、エポキシ化合物の1つ以上のエポキシ基が開環してシリカ粉末の表面に結合し、エポキシ化合物の残りのエポキシ基がアミン化合物と反応し結合したことを特徴とする表面処理シリカ粉末である。
請求項1に係る発明では、複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物の1つ以上のエポキシ基が開環してシリカ粉末の表面に結合し、エポキシ化合物の残りのエポキシ基がアミン化合物と反応し結合して表面にアミノ基が形成された表面処理シリカ粉末をインクジェットプリンタ記録材の添加剤として用いることにより、インクの吸着性が高まり、インクの滲みも抑制できる。
【0005】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、エポキシ化合物が金属を含有しない化合物であり、かつ200〜1000の範囲内の分子量である表面処理シリカ粉末である。
請求項2に係る発明では、エポキシ化合物は金属を含有しない。エポキシ化合物に金属を含有すると、シリカ粉末表面に対する金属の表面占有率が高くなるため、多くのエポキシ基を粉末表面に付与できない。エポキシ化合物の分子量は200〜1000である。好ましくは200〜700である。1000を越える分子量のエポキシ化合物は粘度が高いので、噴霧時に大量の溶媒で希釈する必要性を生じるため、多くのエポキシ基をシリカ粉末に付与できない。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、シリカ粉末の一次平均粒径が5〜50nmである表面処理シリカ粉末である。
請求項3に係る発明では、シリカ粉末の一次平均粒径は5〜50nmである。好ましくは5〜7nmである。一次平均粒径が50nmを越えると、インクジェットプリンター用記録材の母材として用いた場合、インクの吸着能が低下し、にじみの原因となる。
【0007】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、アミン化合物が脂肪族系であり、かつ窒素原子を少なくとも1つ以上含有するアミンである表面処理シリカ粉末である。
請求項4に係る発明では、アミン化合物は1分子中に2つ以上の窒素原子を含有するアミンが好ましい。このアミン化合物を用いて製造したシリカ粉末は表面に多くの非共有電子対を有するため、インク吸着能が向上する。
【0008】
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明であって、比表面積が50〜380m2/gである表面処理シリカ粉末である。
請求項5に係る発明では、比表面積は50〜380m2/gである。好ましくは300〜380m2/gである。比表面積が50m2/g未満のシリカ粉末を記録材の母材に用いると、シリカ粉末のインク吸着量が少なくなり、インクによる滲みを生じるため不鮮明になる。380m2/gを越えるとシリカ粉末の分散性が悪くなる不具合を生じる。
【0009】
請求項6に係る発明は、請求項1に係る発明であって、アミノ基当量が6.0×10-6〜1.2×10-2mol/gである表面処理シリカ粉末である。
請求項6に係る発明では、アミノ基当量は6.0×10-6〜1.2×10-2mol/gである。好ましくは4.0×10-4〜1.2×10-2mol/gである。アミノ基当量が6.0×10-6mol/g未満のシリカ粉末を記録材の母材に用いると、シリカ粉末のインク吸着量が少なくなり、インクによる滲みを生じるため不鮮明になる。1.2×10-2mol/gを越えるとシリカ粉末の分散性が悪くなる不具合を生じる。
【0010】
請求項7に係る発明は、基材シートに透明な受容層を一層コーティングして形成されたインクジェットプリンター用記録材の受容層を形成する母材に添加剤として使用される請求項1ないし6いずれか1項に記載の表面処理シリカ粉末を製造する方法であって、シリカ粉末を2つ以上のエポキシ環を有するグリシジルエーテル類であるエポキシ化合物とアミン化合物を用いて表面処理することを特徴とする表面処理シリカ粉末の製造方法である。
請求項7に係る発明では、上記方法を用いることにより、吸着能に優れた表面処理シリカ粉末を製造できる。
【0011】
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明であって、図1(a)及び(b)に示すように、流動状態に保持したシリカ粉末10に複数のエポキシ基を有する液状のエポキシ化合物11を滴下又は噴霧する工程と、エポキシ化合物11を滴下又は噴霧したシリカ粉末10を流動状態で90〜200℃に加熱して一次処理物12を得る工程と、流動状態の一次処理物12に液状のアミン化合物13を滴下又は噴霧する工程と、アミン化合物13を滴下又は噴霧した一次処理物12を流動状態で90〜200℃に加熱して処理する工程とを含む表面処理シリカ粉末の製造方法である。
請求項8に係る発明では、エポキシ化合物は反応性に富むため、シリカ粉末表面に存在する水酸基と開環反応して、粉末表面と結合する。次に、エポキシ基を有する一次処理物の表面とアミン化合物とが反応する。上記方法により表面にアミノ基を有する表面処理シリカ粉末を製造できる。表面処理温度は90〜200℃である。90℃未満であるとエポキシ化合物の粉末表面への反応が十分に進行しない、第1溶媒及び第2溶媒を用いた場合、溶媒が完全に蒸発せずに残留して粉末の性能を妨害するなどの不具合を生じる。200℃を越えるとエポキシ化合物やアミン化合物が熱分解してしまうおそれがある。
【0012】
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明であって、請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明であって、液状のエポキシ化合物がエポキシ化合物を第1溶媒により溶解して調製され、液状のアミン化合物がアミン化合物を第2溶媒により溶解して調製された表面処理シリカ粉末の製造方法である。
請求項9及び12に係る発明では、エポキシ化合物及びアミン化合物をそれぞれ第1溶媒及び第2溶媒により溶解して液状にして滴下又は噴霧することにより、シリカ粉末表面に均一に付着する。
【0013】
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明であって、請求項13に係る発明は、請求項12に係る発明であって、第1溶媒及び第2溶媒が、それぞれアセトン、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジイソプロピルエーテル又はテトラヒドロフランである表面処理シリカ粉末の製造方法である。
請求項10及び13に係る発明では、第1溶媒はエポキシ化合物と反応せず、かつ有害性が少なく安価なアセトンが好ましい。また、第2溶媒は有害性が少なく安価なテトラヒドロフラン(以下、THFという。)やアセトンが好ましい。
【0014】
請求項11に係る発明は、請求項7に係る発明であって、流動状態に保持したシリカ粉末に複数のエポキシ基を有する液状のエポキシ化合物及び液状のアミン化合物を同時に滴下又は噴霧する工程と、エポキシ化合物及びアミン化合物を滴下又は噴霧したシリカ粉末を流動状態で90〜200℃に加熱して処理する工程とを含む表面処理シリカ粉末の製造方法である。
請求項11に係る発明では、エポキシ化合物とアミン化合物の双方で同時に表面処理する。上記方法ではアミン化合物に比べ反応性の富むエポキシ基が優先的に粉末表面と結合するため請求項8と同様の表面処理シリカ粉末が得られる。
【0015】
請求項14に係る発明は、請求項8又は11に係る発明であって、シリカ粉末の表面処理をシリカ粉末100重量部に対してそれぞれエポキシ化合物0.1〜60重量部及びアミン化合物0.1〜50重量部の配合割合で行う表面処理シリカ粉末の製造方法である。
請求項14に係る発明では、エポキシ化合物の配合割合は0.1〜60重量部である。好ましくは20〜60重量部である。0.1重量部未満ではシリカ粉末の表面に未反応の水酸基が残ってしまう。60重量部を越えるとシリカ粉末が凝集するおそれがある。アミン化合物の配合割合は0.1〜50重量部である。好ましくは5〜50重量部である。0.1重量部未満ではアミノ基が粉末表面に充分に付与されない。50重量部を越えるとシリカ粉末が凝集するおそれがある。
【0016】
請求項15に係る発明は、請求項8又は11に係る発明であって、エポキシ化合物が2つ以上のエポキシ基を有し、金属を含有しない化合物であり、かつ200〜1000の範囲内の分子量である表面処理シリカ粉末の製造方法である。
請求項15に係る発明では、エポキシ化合物の有するエポキシ基が1つのみであると、エポキシ基は粉末表面との結合で開環反応してしまうため、アミン化合物がシリカ粉末に修飾されない。
【0017】
請求項16に係る発明は、請求項8又は11に係る発明であって、シリカ粉末又は一次処理物の表面処理を不活性ガス雰囲気下で行う表面処理シリカ粉末の製造方法である。
請求項16に係る発明では、不活性ガス雰囲気下で表面処理することが好ましい。不活性ガス雰囲気下以外で表面処理するとエポキシ基は反応性に富むため開環反応を起こすおそれがある。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明において表面処理されるシリカ粉末は、湿式法又は乾式法により製造される。また、本発明の製造方法に用いられるエポキシ化合物としては2つ以上のエポキシ環を有するグリシジルエーテル類(グリセロールトリグリシジルエーテル(図2(a))、グリセロールジグリシジルエーテル(図2(b))、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(図2(c))、エチレングリコールジグリシジルエーテル(図2(d))、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(図2(e))、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(図2(f))、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(図2(g))など)が例示される。更にアミン化合物としては、ジエチルアミン((C2H5)2NH))、ジエタノールアミン((C2H4OH)2NH)、N−メチルエタノールアミン(CH3NHCH2CH2OH)、エチレンジアミン(H2NCH2CH2NH2)、ジエチレントリアミン((H2NCH2CH2)2NH)、テトラエチレンペンタミンなどが例示される。
【0019】
本実施の形態における製造方法について図1に基づいて説明する。
先ず、図1(a)に示すように、一次平均粒径が5〜50nmのシリカ粉末10をエポキシ化合物11により表面処理する。
シリカ粉末が乾式法により製造された場合は、乾式法で製造されたシリカ粉末固有の特性、特に凝集しておらず、分散性に優れているという特性を損なわないために、エポキシ化合物による表面処理も乾式法で行うことが好ましい。乾式法による表面処理は、この利点に加えて、表面処理に用いるエポキシ化合物、アミン化合物の量が少量で済み、その付着量の制御が容易であり、更に湿式法では必要な処理後の粉末の分離が不要であるという利点もある。
なお、エポキシ化合物によるシリカ粉末の表面処理は、エポキシ化合物を適当な溶媒に溶解させた溶液中にシリカ粉末を懸濁させる湿式法で行うことも可能である。
【0020】
エポキシ化合物の乾式法によるシリカ粉末の表面処理方法について説明する。先ずシリカ粉末10を容器内で高速攪拌機などにより流動状態に保持する。次いでエポキシ化合物11が粘性の低い液体である場合には、流動状態に保持したシリカ粉末に対して液状のエポキシ化合物を滴下又は噴霧する。また、エポキシ化合物が固体又は粘性が高い液体である場合には、エポキシ化合物を第1溶媒により溶解した希釈液を流動状態に保持したシリカ粉末に対して滴下又は噴霧する。これにより、シリカ粉末表面にエポキシ化合物が均一に付着する。次にシリカ粉末を90〜200℃の温度に加熱して、反応を十分に進行させることにより一次処理物12が得られる。エポキシ化合物が粘度の低い液体の場合でも、エポキシ化合物を第1溶媒により溶解した希釈液にしてシリカ粉末に対して滴下又は噴霧することが好ましい。これによりシリカ粉末表面にエポキシ化合物をより均一に付着させることができる。第1溶媒は、使用するエポキシ化合物を溶解できるものであれば特に限定されない。具体的には、アセトン、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジイソプロピルエーテル、THFなどが挙げられる。
【0021】
この表面処理により、エポキシ化合物が持っている複数のエポキシ基の1つ以上がシリカ粉末の表面に存在する水酸基と反応して開環するが、残りのエポキシ基は未反応のまま残り、少なくとも1つの未反応のエポキシ基が残留した状態でエポキシ化合物がエポキシ基の開環反応によってシリカ粉末に化学的に結合し、粉末表面に効果的にエポキシ基を付与することができる。即ち、シリカ粉末は、粉末表面に化学的に結合したエポキシを含有する有機物で被覆されるようになり、多量のエポキシ基を粉末表面に付与することが可能となる。表面処理に使用するエポキシ化合物は、2個以上のエポキシ基を有している有機化合物であればよい。分子中のエポキシ基の結合位置も特に限定されないが、分子の両端に2個のエポキシ基が存在する化合物が好ましい。
【0022】
次に図1(b)に示すように、一次処理物12をアミン化合物13により更に表面処理する。この表面処理により未反応のまま粉末表面に残留しているエポキシ基とアミン化合物とが反応して表面にアミノ基を有するシリカ粉末となる。即ち、表面に残留しているエポキシ基とアミン化合物とが開環反応を起こし、表面にアミノ基を有する二次処理物14を得る。
シリカ粉末が乾式法により製造された場合は、前述したエポキシ化合物によるシリカ粉末の表面処理と同様に、乾式法で製造されたシリカ粉末が凝集しておらず、分散性に優れているという特性を損なわないために、乾式法で表面処理することが好ましい。
なお、アミン化合物による一次処理物の表面処理は湿式法で行うことも可能である。
【0023】
アミン化合物の乾式法による一次処理物の表面処理方法について説明する。先ず一次処理物12を容器内で高速攪拌機などにより流動状態に保持する。次いでアミン化合物13が粘性の低い液体である場合には、流動状態に保持した一次処理物に対して液状のアミン化合物を滴下又は噴霧する。また、アミン化合物が固体又は粘性が高い液体である場合には、アミン化合物を第2溶媒により溶解した希釈液を流動状態に保持した一次処理物に対して滴下又は噴霧する。これにより、一次処理物表面にアミン化合物が均一に付着する。次に一次処理物を90〜200℃の温度に加熱して、反応を進行させてアミン化合物を一次処理物に固定化して二次処理物14を得る。アミン化合物が粘度の低い液体の場合でも、アミン化合物13を第2溶媒により溶解した希釈液にして一次処理物に対して滴下又は噴霧することが好ましい。これにより一次処理物表面にアミン化合物をより均一に付着させることができる。第2溶媒は、使用するアミン化合物を溶解できるもので、なおかつエポキシ化合物と反応しないものであれば特に限定しない。代表例としては、アセトン、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジイソプロピルエーテル、THFなどが挙げられる。
【0024】
シリカ粉末表面に存在する水酸基とエポキシ化合物の1つ以上のエポキシ基との反応、残りのエポキシ基とアミン化合物との反応をそれぞれ進行させるため、シリカ粉末を加熱する。この熱処理は、エポキシ化合物の酸化を防ぐため不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。また、熱処理時間は熱処理温度やエポキシ化合物、アミン化合物の種類によっても異なるが、好ましくは1〜6時間、より好ましくは1〜3時間である。熱処理時間が短すぎると、熱処理温度が低すぎる場合と同様にエポキシ化合物の粉末表面への反応が十分に進行しない、溶媒が完全に蒸発せずに残留して粉末の性能を妨害するなどの不具合を生じる。
【0025】
上記方法により製造された表面処理シリカ粉末をインクジェットプリンター用記録材の受容層を形成する母材として使用すると、アミノ基が有する非共有電子対にプロトン化(protonation)が起こるため、シリカ粉末表面は電気的にプラスとなる。一方、インク色素成分(シアン、マゼンタ、イエローの3原色及びブラック)を形成するアニオン化合物は発色をする原子団が電気的にマイナスイオンを持つため、アミノ基が有するプラスイオンと引合いシリカ粉末表面に捕獲される。その結果、インク色素成分はバインダに分散しないので、鮮やかな色彩が得られる。
【0026】
本発明により製造された表面処理シリカ粉末表面に付与されているアミノ基をアミノ基当量として測定する。ここでアミノ基当量とは粉末1g当たりについているアミノ基のモル数である。アミノ基当量の測定方法はまずクロロホルム:酢酸=1:2の混合液40ml、0.1mol/lの過塩素酸−酢酸溶液を用意する。次に表面処理したシリカ粉末1gをクロロホルム−酢酸混合液40ml、回転子とともにビーカに入れ、スターラにて液を撹拌しながら電位差滴定装置により過塩素酸−酢酸溶液で滴定する。得られた滴定曲線の変曲点を滴定の終点とし、滴定量(ml)に基づいて下記式(1)によりアミノ基当量が求められる。
アミノ基当量=((過塩素酸の濃度)×(過塩素酸のファクタ)×(滴定量))/1000…(1)
【0027】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
比表面積が130m2/gのシリカ粉末(日本アエロジル社製アエロジル#130)を100g用意した。エポキシ化合物にグリセロールトリグリシジルエーテル(ナガセ化成製EX−314)31gを、第1溶媒にアセトンをそれぞれ用意した。このエポキシ化合物をアセトンに溶解してエポキシ希釈液を調製した。アミン化合物にジエチルアミン22gを、第2溶媒にアセトンをそれぞれ用意した。このアミン化合物をアセトンに溶解してアミン希釈液を調製した。
先ずシリカ粉末をミキサーに入れ、撹拌して流動状態に保持した。次いでエポキシ希釈液を上記流動状態にあるシリカ粉末に対して添加し、シリカ粉末にエポキシ化合物を均一に付着させた。エポキシ化合物を付着させたシリカ粉末を不活性ガス雰囲気の気流下で温度180℃で加熱し、そのまま1時間保持して一次処理物を得た。次にこの一次処理物を流動状態に保持したまま、アミン希釈液を上記流動状態にあるシリカ粉末に対して更に添加し、一次処理物にアミン化合物を均一に付着させた。アミン化合物を付着させた一次処理物を不活性ガス雰囲気の気流下で温度180℃で加熱し、そのまま2時間保持して二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0028】
<実施例2>
アミン化合物にジエタノールアミン8gを用いた以外は実施例1と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例1と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例3>
アミン化合物にジエタノールアミン23gを、第2溶媒にTHFをそれぞれ用意し、このアミン化合物をTHFに溶解してアミン希釈液を調製した以外は実施例1と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例1と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例4>
アミン化合物にN−メチルエタノールアミン6gを、第2溶媒にTHFをそれぞれ用意し、このアミン化合物をTHFに溶解してアミン希釈液を調製し、一次処理物を150℃で加熱した以外は実施例1と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例1と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0029】
<実施例5>
比表面積が380m2/gのシリカ粉末(日本アエロジル社製アエロジル#380S)を100g用意した。エポキシ化合物にグリセロールトリグリシジルエーテル(ナガセ化成製EX−314)45gを、第1溶媒にアセトンをそれぞれ用意した。このエポキシ化合物をアセトンに溶解してエポキシ希釈液を調製した。アミン化合物としてジエタノールアミン24gを、第2溶媒にアセトンをそれぞれ用意した。このアミン化合物をアセトンに溶解してアミン希釈液を調製した。
先ずシリカ粉末をミキサーに入れ、撹拌して流動状態に保持した。次いでエポキシ希釈液を上記流動状態にあるシリカ粉末に対して添加し、シリカ粉末にエポキシ化合物を均一に付着させた。エポキシ化合物を付着させたシリカ粉末を不活性ガス雰囲気の気流下で温度180℃で加熱し、そのまま1時間保持して一次処理物を得た。次にこの一次処理物を流動状態に保持したまま、アミン希釈液を上記流動状態にあるシリカ粉末に対して更に添加し、一次処理物にアミン化合物を均一に付着させた。アミン化合物を付着させた一次処理物を不活性ガス雰囲気の気流下で温度180℃で加熱し、そのまま2時間保持して二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0030】
<実施例6>
アミン化合物にジエチルアミン22gを、第2溶媒にTHFをそれぞれ用意し、このアミン化合物をTHFに溶解してアミン希釈液を調製した以外は実施例5と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例7>
アミン化合物にエチレンジアミン13gを、第2溶媒にトルエンをそれぞれ用意し、このアミン化合物をトルエンに溶解してアミン希釈液を調製した以外は実施例5と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例8>
エチレンジアミン5gを用意し、一次処理物を110℃で加熱した以外は実施例7と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例7と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0031】
<実施例9>
エチレンジアミン16gを用意し、一次処理物を150℃で加熱した以外は実施例7と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例7と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例10>
エチレンジアミン16gを用意し、一次処理物を150℃で加熱し、そのまま1時間保持した以外は実施例7と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例7と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例11>
一次処理物を90℃で加熱した以外は実施例9と同一のシリカ粉末、エポキシ化合物及びアミン化合物を用意し、実施例9と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0032】
<実施例12>
一次処理物を90℃で加熱した以外は実施例10と同一のシリカ粉末、エポキシ化合物及びアミン化合物を用意し、実施例10と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例13>
アミン化合物にジエチレントリアミン16gを用意し、一次処理物を130℃で加熱した以外は実施例5と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例14>
アミン化合物にテトラエチレンペンタミン20gを、第2溶媒にTHFをそれぞれ用意して、このアミン化合物をTHFに溶解してアミン希釈液を調製し、一次処理物を130℃で加熱した以外は実施例5と同一のシリカ粉末及びエポキシ化合物を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0033】
<実施例15>
エポキシ化合物にペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成製EX−411)60g、アミン化合物にエチレンジアミン13gをそれぞれ用意し、一次処理物を110℃で加熱し、そのまま1時間保持した以外は実施例5と同一のシリカ粉末を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例16>
エポキシ化合物にトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業製SR−TMP)44g、アミン化合物にエチレンジアミン13gをそれぞれ用意し、一次処理物を110℃で加熱し、そのまま1時間保持した以外は実施例5と同一のシリカ粉末を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例17>
エポキシ化合物にポリグリセロールポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業製SR−4GL)45g、アミン化合物にエチレンジアミン13gを、第2溶媒にTHFをそれぞれ用意して、このアミン化合物をTHFに溶解してアミン希釈液を調製し、一次処理物を110℃で加熱し、そのまま1時間保持した以外は実施例5と同一のシリカ粉末を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0034】
<実施例18>
実施例5と同一のシリカ粉末を100g用意した。エポキシ化合物にグリセロールトリグリシジルエーテル(ナガセ化成製EX−314)45gを用意した。アミン化合物にエチレンジアミン5gを用意した。このエポキシ化合物をアセトンに溶解してエポキシ希釈液を調製し、更にアミン化合物をエポキシ希釈液に溶解して混合液を調製した。
先ずシリカ粉末をミキサーに入れ、撹拌して流動状態に保持した。次いで混合液を上記流動状態にあるシリカ粉末に対して添加し、シリカ粉末にエポキシ化合物及びアミン化合物を均一に付着させた。シリカ粉末を不活性ガス雰囲気の気流下で温度150℃で加熱し、そのまま2時間保持して二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例19>
シリカ粉末を180℃で加熱した以外は実施例18と同一のシリカ粉末、エポキシ化合物及びアミン化合物を用意し、実施例18と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0035】
<実施例20>
エポキシ化合物にグリセロールトリグリシジルエーテル(ナガセ化成製EX−314)60g、アミン化合物にN−メチルエタノールアミン0.2gをそれぞれ用意し、一次処理物を160℃で加熱した以外は実施例5と同一のシリカ粉末を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
<実施例21>
エポキシ化合物にグリセロールトリグリシジルエーテル(ナガセ化成製EX−314)0.1g、アミン化合物にエチレンジアミン45gを、第2溶媒にTHFをそれぞれ用意して、このアミン化合物をTHFに溶解してアミン希釈液を調製し、一次処理物を150℃で加熱した以外は実施例5と同一のシリカ粉末を用意し、実施例5と同様の条件で反応を行って二次処理物である表面処理シリカ粉末を得た。
【0036】
<比較例1>
実施例5と同一のシリカ粉末を100g用意し、表面処理せずにアニオン吸着能を評価した。
<比較評価>
実施例1〜21で得られた二次処理物である表面処理シリカ粉末及び比較例1のシリカ粉末を下記の方法を用いてアニオン吸着能を評価した。
シリカ粉末2gに10mmol/lの2−ナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液を100ml添加して混合液とした。この混合液を5分間撹拌して粉末にアニオン種を吸着させた。このアニオン種を吸着させた混合液をろ過し、ろ液の1mlをメスフラスコに取り、100mlの水で希釈した。得られた希釈液を紫外分光光度計で測定し、表面処理したシリカ粉末のアニオン吸着能を評価した。また、表面処理したシリカ粉末のアミノ基当量を前述した方法により測定した。実施例1〜12を表1に、実施例13〜21及び比較例1を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
表1及び表2より明らかなように、表面処理を行っていない比較例1に対して実施例1〜21はアニオンの吸着率が高いことが判る。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明ではエポキシ化合物の1つのエポキシ基が開環してシリカ粉末の表面に結合し、エポキシ化合物の残りの1つ又は2つ以上のエポキシ基が開環してアミン化合物と結合したことにより、表面にアミノ基が付与されたシリカ粉末である。この表面処理シリカ粉末をインクジェットプリンター用記録材の受容層を形成する母材として使用すると、シリカ粉末表面に付与されたアミノ基は電気的にプラスを有するため、電気的にマイナスを有するインク色素をシリカ粉末表面に捕獲できる。インク色素成分はバインダに分散しないので、鮮やかな色彩が得られる。従って、インク色素の吸着能に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表面にアミノ基を有する表面処理シリカ粉末を製造する順序を示す図。
【図2】 本発明の製造方法に用いられるエポキシ化合物を示す化学式。
【符号の説明】
10 シリカ粉末
11 エポキシ化合物
12 一次処理物
13 アミン化合物
14 二次処理物
Claims (16)
- 基材シートに透明な受容層を一層コーティングして形成されたインクジェットプリンター用記録材の前記受容層を形成する母材に添加剤として使用され、複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物(11)により表面処理されたシリカ粉末(10)であって、
前記エポキシ化合物(11)が2つ以上のエポキシ環を有するグリシジルエーテル類であり、
前記エポキシ化合物(11)の1つ以上のエポキシ基が開環して前記シリカ粉末(10)の表面に結合し、
前記エポキシ化合物(11)の残りのエポキシ基がアミン化合物(13)と反応し結合したことを特徴とする表面処理シリカ粉末。 - エポキシ化合物(11)が金属を含有しない化合物であり、かつ200〜1000の範囲内の分子量である請求項1記載の表面処理シリカ粉末。
- シリカ粉末(10)の一次平均粒径が5〜50nmである請求項1記載の表面処理シリカ粉末。
- アミン化合物(13)が脂肪族系であり、かつ窒素原子を少なくとも1つ以上含有するアミンである請求項1記載の表面処理シリカ粉末。
- 比表面積が50〜380m2/gである請求項1記載の表面処理シリカ粉末。
- アミノ基当量が6.0×10-6〜1.2×10-2mol/gである請求項1記載の表面処理シリカ粉末。
- 基材シートに透明な受容層を一層コーティングして形成されたインクジェットプリンター用記録材の前記受容層を形成する母材に添加剤として使用される請求項1ないし6いずれか1項に記載の表面処理シリカ粉末を製造する方法であって、
シリカ粉末(10)を2つ以上のエポキシ環を有するグリシジルエーテル類であるエポキシ化合物(11)とアミン化合物(13)を用いて表面処理することを特徴とする表面処理シリカ粉末の製造方法。 - 流動状態に保持したシリカ粉末(10)に複数のエポキシ基を有する液状のエポキシ化合物(11)を滴下又は噴霧する工程と、
前記エポキシ化合物(11)を滴下又は噴霧したシリカ粉末(10)を流動状態で90〜200℃に加熱して一次処理物(12)を得る工程と、
前記流動状態の一次処理物(12)に液状のアミン化合物(13)を滴下又は噴霧する工程と、
前記アミン化合物(13)を滴下又は噴霧した一次処理物(12)を流動状態で90〜200℃に加熱して処理する工程と
を含む請求項7記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。 - 液状のエポキシ化合物がエポキシ化合物を第1溶媒により溶解して調製され、液状のアミン化合物がアミン化合物を第2溶媒により溶解して調製された請求項8記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。
- 第1溶媒及び第2溶媒が、それぞれアセトン、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジイソプロピルエーテル又はテトラヒドロフランである請求項9記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。
- 流動状態に保持したシリカ粉末(10)に複数のエポキシ基を有する液状のエポキシ化合物(11)及び液状のアミン化合物(13)を同時に滴下又は噴霧する工程と、
前記エポキシ化合物(11)及び前記アミン化合物(13)を滴下又は噴霧したシリカ粉末(10)を流動状態で90〜200℃に加熱して処理する工程と
を含む請求項7記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。 - 液状のエポキシ化合物がエポキシ化合物を第1溶媒により溶解して調製され、液状のアミン化合物がアミン化合物を第2溶媒により溶解して調製された請求項11記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。
- 第1溶媒及び第2溶媒が、それぞれアセトン、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジイソプロピルエーテル又はテトラヒドロフランである請求項12記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。
- シリカ粉末の表面処理をシリカ粉末100重量部に対してそれぞれエポキシ化合物0.1〜60重量部及びアミン化合物0.1〜50重量部の配合割合で行う請求項8又は11記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。
- エポキシ化合物(11)が2つ以上のエポキシ基を有し、金属を含有しない化合物であり、かつ200〜1000の範囲内の分子量である請求項8又は11記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。
- シリカ粉末(10)又は一次処理物(12)の表面処理を不活性ガス雰囲気下で行う請求項8又は11記載の表面処理シリカ粉末の製造方法。
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