JP2007056264A - ナノスケールの粉末と分散剤とからなるペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】従って、公知技術水準に対して改善された性質を示すペースト系の要求が高まっている。即ち、ペースト中に存在する粒子の再凝集を回避させ、環境汚染を揮発性の有機成分(VOC)によって減少させるかまたは完全に阻止し、ペーストが高い充填度を有し、十分な貯蔵安定性を示すようする。
【解決手段】固体相として少なくとも1つのナノスケールの粉末を含有し、液体相として少なくとも1つの分散剤を含有するペーストにおいて、それぞれペーストの全体量に対して、ナノスケールの粉末の含量が30〜95質量%であり、液体相の含量が少なくとも5質量%であり、前記ペーストが水3質量%未満の含水量を有し、前記液体相が10g/l未満のVOC含量を有する。
【選択図】なし
【解決手段】固体相として少なくとも1つのナノスケールの粉末を含有し、液体相として少なくとも1つの分散剤を含有するペーストにおいて、それぞれペーストの全体量に対して、ナノスケールの粉末の含量が30〜95質量%であり、液体相の含量が少なくとも5質量%であり、前記ペーストが水3質量%未満の含水量を有し、前記液体相が10g/l未満のVOC含量を有する。
【選択図】なし
Description
ナノスケールの粉末と分散剤とからなるペースト本発明は、固体相としてのナノスケールの粉末および液相としての分散剤を含有するペーストに関する。
顔料ペーストは、通常、水および/または有機溶剤、少なくとも1つの顔料、少なくとも1つの結合剤ならびに場合によっては他の有機溶剤、湿潤剤および別の、顔料ペーストにとって常用の添加剤からなる(Volker Radke, "Pigmente fur Anstrichmittel", Technische Akademie Esslingen, Kap.7, Dispergierung von Pigmenten, Export-Verlag, 1990)。
更に、水および/または有機溶剤、少なくとも1つの顔料、少なくとも1つの分散剤、ならびに場合によっては他の有機溶剤、湿潤剤および別の、顔料ペーストにとって常用の添加剤からなる結合剤不含のペースト系も公知である。
顔料ペーストができるだけ多くの分野に亘って使用可能であり、こうして多数の部分的にまさに異なる被覆、染料および/またはラッカーの安価な製造を可能にするために、前記顔料ペーストは、できるだけ高い充填度を有し、できるだけ多数の被覆系、染料系およびラッカー系と調和されていなければならない。
記載された要件は、一般に多数の問題、例えば顔料ペーストの高い粘度、顔料ペーストの不十分な貯蔵安定性(一般に、室温での貯蔵の際に少なくとも6ヶ月間または40℃での貯蔵の際に1ヶ月間の顔料ペーストの貯蔵安定性が望ましい)または劣悪な分散可能性(即ち、分散のために特殊な高いエネルギー搬入量が必要とされるかまたは分散工程中に顔料ペーストの濃縮化が生じるかまたは沈殿傾向が存在する)をまねく。
上記したように、公知技術水準に相当する顔料ペーストは、水または有機溶剤を含有し、顔料ペーストの粘度をできるだけ低く維持するが、しかし、高い充填度を実現させる。
しかし、殊に水および/または有機溶剤は、顔料ペーストの多くの分野に亘っての使用可能性を明らかに制限する。
水は、非極性の有機ラッカー系中で混濁および支障をまねきうる。水は、反応性の2成分系のイソシアネート架橋性ラッカー系中でしばしば望ましくない副作用、例えば気泡形成またはフォーム形成をまねく。
反対に、有機溶剤は、水性の染料系およびラッカー系中で非相容性をまねく。殊に、低分子量の易揮発性化合物は、ペースト系のための溶剤として制限されてのみ適当である。それというのも、この易揮発性化合物は、臭いおよび/または揮発性溶剤成分(VOC"volatile organic compounds")によって環境を汚染し、爆発性のガス混合物が形成する危険性をはらんでいるからである。
VOC含量を全ての被覆系、染料系およびラッカー系中でさらに減少させる努力がなされている("Chemikalienrechtliche Verordnung zur Begrenzung der Emissionen fluchtiger organischer Verbindungen (VOC) durch Beschraenkung des Inverkehrbringens losemittelhaltiger Farben und Lacke (Losemittelhaltiger Farben- und Lack-Verordnung - ChemVOCFarbV)"および"31. BImSchV-Verordnung zur Begrenzung der Emissionen fluchtiger organischer Verbindungen bei der Verwendung organischer Losemittel in bestimmten Anlagen"参照)。
Volker Radke, "Pigmente fur Anstrichmittel", Technische Akademie Esslingen, Kap.7, Dispergierung von Pigmenten, Export-Verlag, 1990 Chemikalienrechtliche Verordnung zur Begrenzung der Emissionen fluchtiger organischer Verbindungen (VOC) durch Beschraenkung des Inverkehrbringens losemittelhaltiger Farben und Lacke (Losemittelhaltiger Farben- und Lack-Verordnung - ChemVOCFarbV) 31. BImSchV-Verordnung zur Begrenzung der Emissionen fluchtiger organischer Verbindungen bei der Verwendung organischer Losemittel in bestimmten Anlagen
Volker Radke, "Pigmente fur Anstrichmittel", Technische Akademie Esslingen, Kap.7, Dispergierung von Pigmenten, Export-Verlag, 1990 Chemikalienrechtliche Verordnung zur Begrenzung der Emissionen fluchtiger organischer Verbindungen (VOC) durch Beschraenkung des Inverkehrbringens losemittelhaltiger Farben und Lacke (Losemittelhaltiger Farben- und Lack-Verordnung - ChemVOCFarbV) 31. BImSchV-Verordnung zur Begrenzung der Emissionen fluchtiger organischer Verbindungen bei der Verwendung organischer Losemittel in bestimmten Anlagen
従って、公知技術水準に対して改善された性質を示すペースト系の要求が高まっている。殊に、例えば被覆、染料、印刷インキ、接着剤のような使用の大きなスペクトルで使用可能であるペースト系は、著しく重要である。前記の全ての使用において、ペーストの性質は、例えばペーストをラッカー系中に混入した際に得ることができる。即ち、ペースト中に存在する粒子の再凝集は、回避されるはずである。更に、ペーストは、環境汚染が揮発性の有機成分(VOC)によって減少されるかまたは完全に阻止され、ペーストが高い充填度を有し、十分な貯蔵安定性を示すように得ることができるはずである。
前記の課題は、
それぞれペーストの全体量に対して、ナノスケールの粉末の含量が30〜95質量%であり、液体相の含量が少なくとも5質量%であり、
前記ペーストが水3質量%未満の含水量を有し、
前記液体相が10g/l未満のVOC含量を有することによって特徴付けられる、固体相として少なくとも1つのナノスケールの粉末を含有し、液体相として少なくとも1つの分散剤を含有するペーストによって解決される。
それぞれペーストの全体量に対して、ナノスケールの粉末の含量が30〜95質量%であり、液体相の含量が少なくとも5質量%であり、
前記ペーストが水3質量%未満の含水量を有し、
前記液体相が10g/l未満のVOC含量を有することによって特徴付けられる、固体相として少なくとも1つのナノスケールの粉末を含有し、液体相として少なくとも1つの分散剤を含有するペーストによって解決される。
定義
本発明の範囲内のペーストは、少なくとも1つのナノスケールの粉末および少なくとも1つの分散剤を含有するが、しかし、溶剤を含有しないかまたはペーストのVOC含量が1質量%未満であるような量でのみ含有する固−液系である。
本発明の範囲内のペーストは、少なくとも1つのナノスケールの粉末および少なくとも1つの分散剤を含有するが、しかし、溶剤を含有しないかまたはペーストのVOC含量が1質量%未満であるような量でのみ含有する固−液系である。
分散剤は、分散剤中、分散液の液相中での粒子の分散を界面張力の減少によって簡易化する薬剤である。本発明によるペーストが次の工程で水性液体または有機液体で分散液に変換される場合には、分散剤の性質は、固体相と液体相との間の界面張力の減少によって粒子の分散を簡易化することが判明する。分散剤は、凝集体の破壊を促進し、界面活性剤として分散すべき粒子の表面を湿潤させるかまたは被覆し、前記表面を望ましくない再凝集に抗して安定させる。
本発明の範囲内の分散液は、固体相がナノスケールの粉末を含有し、液相が少なくとも1つの分散剤および少なくとも1つの溶剤を含有するような固−液系である。分散液のVOC含量は、溶剤の選択に応じて1質量%より大きくともよいし、小さくともよい。溶剤は、水、極性および/または非極性の有機溶剤であることができる。
揮発性の有機化合物(VOC)は、293.15Kで0.01kPa以上の蒸気圧を有する全ての有機化合物であることができる。
有機化合物は、少なくとも元素が炭素およびさらに水素、ハロゲン、酸素、硫黄、燐、珪素または窒素を含む全ての化合物であり、但し、二酸化炭素および無機炭酸塩および重炭酸塩を除外するものとする。
本発明の範囲内でナノスケールの粉末は、凝集体の平均寸法または凝集塊の平均寸法1000nm以下および/または一次粒径100nm以下を有する粉末である。
粒子に結合した水とは、粒子表面に吸着結合した水のことである。含量は、適当な方法によって減少させることができる。
平衡に調節することとは、粒子に結合された水を本発明によるペーストの固体相と液体相との間に分布させることである。
本発明の対象は、固体相として少なくとも1つのナノスケールの粉末を含有し、液体相として少なくとも1つの分散剤を含有するペーストであり、この場合
それぞれペーストの全体量に対して、ナノスケールの粉末の含量は、30〜95質量%であり、液体相の含量は、少なくとも5質量%であり、
前記ペーストは、水3質量%未満の含水量を有し、
前記液体相は、10g/l未満のVOC含量を有する。
それぞれペーストの全体量に対して、ナノスケールの粉末の含量は、30〜95質量%であり、液体相の含量は、少なくとも5質量%であり、
前記ペーストは、水3質量%未満の含水量を有し、
前記液体相は、10g/l未満のVOC含量を有する。
液体相のVOC含量は、有利に1g/l未満であることができる。
更に、本発明によるペーストの液体相が0.1質量%未満の水の含水量を有することは、好ましい。
更に、本発明によるペーストのナノスケールの粉末が平衡に調節することにより粒子に結合された水を最大3質量%まで含有することは、好ましい。
ナノスケールの粉末の含量は、ペーストの全体量に対して有利に60〜90質量%、特に有利に75〜85質量%である。
更に、ナノスケールの粉末は、十分に均一にペースト中に分布されている。ペーストの種々の個所でナノスケールの粉末の含量を測定した場合には、測定値は、一般に平均値の±5%以下で相違する。好ましくは、この値は、±1%以下で相違し、この場合には、±0.1%の範囲が特に好ましい。
本発明によるペースト中でのナノスケールの粉末の平均直径は、有利に300nm未満、特に有利に200nmである。
本発明によるペースト中に存在するナノスケールの粉末の種類および出所は、制限されていない。しかし、好ましくは、ナノスケールの粉末は、金属、金属酸化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属炭酸塩、金属窒化物、金属リン酸塩、金属カルコゲン化物、金属硫酸塩および/または金属ハロゲン化物の形で存在することができる。
金属は、有利にLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Te、Se、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sbおよび/またはBiであることができる。本発明の範囲内で、非金属B、SiおよびPは、一緒に考慮に入れてもよい。
殊に、元素Si、Al、Ti、Fe、Ce、In、Sb、Sn、Zn、Yおよび/またはZrを含有する金属酸化物は、好ましい。特に、本発明によるペーストが、例えば欧州特許出願公開第1284485号明細書または欧州特許出願公開第1468962号明細書中に記載されているような金属混合酸化物、例えばインジウム錫オキシド、アンチモン錫オキシド、マトリックス−ドメイン構造を有する混合酸化物を含有することは、好ましい。
殊に、本発明によるペーストは、例えばWO 00/14017の記載と同様に、沈殿によって製造された金属酸化物を含有していてもよい。
更に、本発明によるペーストは、表面変性されたナノスケールの粉末、殊に金属酸化物を含有することができる。表面変性は、無機試薬および/または有機試薬の吸着、表面上の反応または錯化を含むかまたは無機試薬および/または有機試薬での吸着、表面上の反応または錯化を含む。本発明によるペーストは、例えばナノスケールの酸化セリウム粉末を含有することができ、この粉末の表面は、カーボネート基を有する。このような粉末は、出願番号102005038136.7および出願日2005年8月12日のドイツ連邦共和国特許出願中に開示されている。
表面変性は、生物有機化学的材料、例えば核酸または多糖類の吸着も含む。
本発明によるペーストは、ナノスケールの粉末とともに、少なくとも1つの分散剤も含有する。
好ましくは、本発明によるペーストは、ランダムな分布を有する、スチレンオキシドをベースとするポリアルキレンオキシドであるかまたは一般式1
R1O(SO)a(EO)b(PO)c(BO)dR2 (1)
〔式中、R1は、8〜13個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状または脂環式の基であり、R2は、水素、1〜8個のC原子を有するアシル基、アルキル基またはカルボン酸基であり、SOは、酸化スチレンであり、EOは、酸化エチレンであり、POは、酸化プロピレンであり、BOは、酸化ブチレンであり、aは、1〜5であり、bは、3〜50であり、cは、0〜3であり、dは、0〜3であり、この場合bは、a+c+d以上である〕のブロックコポリマーである分散剤を含有することができる。
R1O(SO)a(EO)b(PO)c(BO)dR2 (1)
〔式中、R1は、8〜13個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状または脂環式の基であり、R2は、水素、1〜8個のC原子を有するアシル基、アルキル基またはカルボン酸基であり、SOは、酸化スチレンであり、EOは、酸化エチレンであり、POは、酸化プロピレンであり、BOは、酸化ブチレンであり、aは、1〜5であり、bは、3〜50であり、cは、0〜3であり、dは、0〜3であり、この場合bは、a+c+d以上である〕のブロックコポリマーである分散剤を含有することができる。
aが1〜1.9であるような分散剤は、欧州特許出願公開第1078946号明細書中に記載されている。
更に、本発明によるペーストは、一般式2
〔式中、Rは
であり、
xは、1または2であり、
nは、2〜18の数であり、
mおよびoは、2〜100の数であり、
kは、2〜4の数であり、
R’’は、hであるかまたは場合によっては付加的な官能基で置換されていてよい線状または分枝鎖状のアルキル基であり、
R’は、アルキル基、アルカリール基、アルケニル基またはスルホプロピル基である〕のリン酸エステルである分散剤を含有することができる。
xは、1または2であり、
nは、2〜18の数であり、
mおよびoは、2〜100の数であり、
kは、2〜4の数であり、
R’’は、hであるかまたは場合によっては付加的な官能基で置換されていてよい線状または分枝鎖状のアルキル基であり、
R’は、アルキル基、アルカリール基、アルケニル基またはスルホプロピル基である〕のリン酸エステルである分散剤を含有することができる。
好ましくは、R’’は、Hである。R’は、一般に出発アルコールとして酸化スチレンおよび酸化アルキレンの重合に作用するアルコールR’OHに由来する。基R’の例は、メチル基、ブチル基、ステアリル基、アリル基、ヘキセニル基、ノニルフェニル基またはオレイル基である。R’にとって好ましいのは、メチル基およびブチル基である。このような分散剤は、例えば欧州特許出願公開第940406号明細書中に記載されている。
末端のOH基は、アニオン性に変性されて存在していてもよく、例えばスルフェート化、スルホン化、ホスホリル化(一般式2参照)またはカルボキシ変性されていてよい。
更に、本発明によるペーストは、一般式2a
[R1O(SO)a(EO)b(CH2CHCH3O)c(BO)d]xP(=O)(OH)3-x 2a
〔式中、R1は、1〜22個の炭素原子を有する直鎖状、分枝鎖状または脂環式の基であり、SOは、酸化スチレンであり、EOは、酸化エチレンであり、BOは、酸化ブチレンであり、aは、1〜2未満であり、bは、0〜100であり、cは、0〜10であり、dは、0〜3であり、この場合bは、a+c+d以上である〕のブロックコポリマーおよびその塩を含有する分散剤を含有することができる。
[R1O(SO)a(EO)b(CH2CHCH3O)c(BO)d]xP(=O)(OH)3-x 2a
〔式中、R1は、1〜22個の炭素原子を有する直鎖状、分枝鎖状または脂環式の基であり、SOは、酸化スチレンであり、EOは、酸化エチレンであり、BOは、酸化ブチレンであり、aは、1〜2未満であり、bは、0〜100であり、cは、0〜10であり、dは、0〜3であり、この場合bは、a+c+d以上である〕のブロックコポリマーおよびその塩を含有する分散剤を含有することができる。
更に、本発明によるペーストは、
A)1つ以上のアミノ官能価ポリマーと
B)一般式(3)/(3a)
T−C(O)−[O−A−C(O)]x−OH (3)、
T−O−[C(O)−A−O−]y−Z (3a)
の1つ以上のポリエステルおよび
C)一般式(4)/(4a)
T−C(O)−B−Z (4)、T−O−B−Z (4a)
の1つ以上のポリエーテルとを部分的または完全に反応させることによって得ることができる分散剤を含有することができ、
上記式中、Tは、水素基および/または場合によっては置換された、1〜24個の炭素原子を有する線状または分枝鎖状のアリール基、アリールアルキル基、アルキル基またはアルケニル基であり、
Aは、線状炭化水素、分枝鎖状炭化水素、環式炭化水素および芳香族炭化水素の群から選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、
Zは、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、カルボン酸、イソシアネート、エポキシド、殊にリン酸および(メタ)アクリル酸の群から選ばれた少なくとも1個基であり、
Bは、一般式(5)の基であり、
−(C1H21O)a−(CmH2mO)b−(CnH2nO)c−(SO)d− (5)
a、b、cは、互いに独立に0〜100の値であり、但し、この場合、a+b+cの総和は、0以上、特に5〜35、殊に10〜20であり、a+b+c+dの総和は、0を上廻り、dは、0以上、特に1〜5であり、l、m、nは、互いに独立に2以上、特に2〜4であり、
x、yは、互いに独立に2以上である。
A)1つ以上のアミノ官能価ポリマーと
B)一般式(3)/(3a)
T−C(O)−[O−A−C(O)]x−OH (3)、
T−O−[C(O)−A−O−]y−Z (3a)
の1つ以上のポリエステルおよび
C)一般式(4)/(4a)
T−C(O)−B−Z (4)、T−O−B−Z (4a)
の1つ以上のポリエーテルとを部分的または完全に反応させることによって得ることができる分散剤を含有することができ、
上記式中、Tは、水素基および/または場合によっては置換された、1〜24個の炭素原子を有する線状または分枝鎖状のアリール基、アリールアルキル基、アルキル基またはアルケニル基であり、
Aは、線状炭化水素、分枝鎖状炭化水素、環式炭化水素および芳香族炭化水素の群から選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、
Zは、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、カルボン酸、イソシアネート、エポキシド、殊にリン酸および(メタ)アクリル酸の群から選ばれた少なくとも1個基であり、
Bは、一般式(5)の基であり、
−(C1H21O)a−(CmH2mO)b−(CnH2nO)c−(SO)d− (5)
a、b、cは、互いに独立に0〜100の値であり、但し、この場合、a+b+cの総和は、0以上、特に5〜35、殊に10〜20であり、a+b+c+dの総和は、0を上廻り、dは、0以上、特に1〜5であり、l、m、nは、互いに独立に2以上、特に2〜4であり、
x、yは、互いに独立に2以上である。
反応生成物は、アミドおよび/または相応する塩の形で存在することができる。例えば末位のOH基が不飽和酸、例えば(メタ)アクリル酸でエステル化されているようなポリエーテルおよびアルコールで開始されるポリエステルの場合と同様に、分子部分"Z"が1個の多重結合を有する場合には、この結合は、二重結合へのNH官能基のマイケル付加により行なわれる。
アミノ官能価ポリマーの例は、アミノ官能価ポリアミノ酸、例えばAldrich Chemical Co.社のポリリシン;Degussa AG社の商品名Tegomer(登録商標)ASi2122で入手可能なアミノ官能価シリコーン;Aldrich Chemical Co.社の商品名Polypox(登録商標)、Aradur(登録商標)または"Starburst(登録商標)"で入手可能なポリアミドアミン;Nitto Boseki社の商品名PAAで入手可能なポリ(N−アルキル)アリルアミン;BASF AG社の商品名Lupamin(登録商標)で入手可能なポリビニルアミン;商品名Epomin(登録商標)(Nippon Shokubai Co., Ltd.), Lupasol(登録商標)(BASF AG)で入手可能なポリアルキレンイミン、例えばポリエチレンイミン;DSM AG社の商品名Astramol(登録商標)で入手可能なポリプロピレンイミンである。更に、アミノ官能価ポリマーの例は、アミン反応性基との架橋による上記系である。架橋反応は、例えば多官能価イソシアネート、カルボン酸、(メタ)アクリレートおよびエポキシドにより行なわれる。更に、例には、ポリ(メタ)アクリレート−ポリマー、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド(Degussa AG)またはジメチルアミノエチルメタクリレート(Degussa AG)がモノマーとして含まれている。
典型的には、400g/mol〜600000g/molの分子量を有するアミノ官能価ポリマーが使用される。
基Tの例は、1〜24個の炭素原子を有する、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基である。24個までの炭素原子を有する、置換されていてもよいアリール基またはアリールアルキル基の例は、フェニル基、ベンジル基、トルイル基またはフェネチル基である。
ポリエステル基−[O−A−C(O)]x−および-[C(O)−A−O−]yは、平均で2個を上廻るエステル基を有し、100〜5000g/molの平均分子量Mnを有する。特に好ましいのは、Mn=200〜2000g/molの値である。
本発明の特に好ましい実施態様は、ポリエステル基を自体公知の方法によって出発分子、例えばT−CH2−OHまたはT−COOHおよび1つ以上のラクトン、例えばβ−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、2−メチルカプロラクトン、5−ヒドロキシドデカン酸−ラクトン、12−ヒドロキシドデカン酸ラクトン、12−ヒドロキシ−9−オクタ−デセン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸での開環重合によって得ることができることによって特徴付けられる。
開始剤分子、例えばT−COOH−ならびにこれから製造可能な脂肪アルコールT−CH2−OH−は、単独でかまたはグリセリド、メチルエステルまたはエチルエステルの形で使用されてもよいし、遊離酸として使用されてもよい、特に6〜24個の炭素原子、殊に12〜18個の炭素原子を有する天然の植物性油脂または動物性油脂をベースとする、前記分野で公知の通常の一塩基性脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ペトロセリン酸、エライジン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ガドレイン酸(Gadoleinsaure)、ナタネ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ならびに圧力分解の際に生じる工業用混合物である。原理的には、類似した鎖分布を有する全ての脂肪酸が適当である。
飽和された含量に対するぜんきの脂肪酸または脂肪酸エステルの含量は、これが必要である限り、公知の接触水素化法によって望ましい沃素価に調節されるかまたは完全に水素化された脂肪成分と水素化されていない脂肪成分との混合によって達成される。
脂肪酸の平均飽和度の測定値としての沃素価は、二重結合を飽和させるために化合物100gによって吸収される沃素量である。
脂肪酸ならびに生じるアルコールは、酸化アルキレン、殊に酸化エチレンおよび/または酸化スチレンを付加することによって変性されることができる。
Bのポリエーテル構成成分の例は、アルキレンオキシド、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチレン、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、2,3−メチルオキシラン、シクロペンテンオキシド、1,2−エポキシペンタン、2−イソプロピルオキシラン、グリシジルメチルエステル、グリシジルイソプロピルエステル、エピクロロヒドリン、3−メトキシ−2,2−ジメチルオキシラン、8−オキサビシクロ[5.1.0]オクタン、2−ペンチルオキシラン、2−メチル−3−フェニルオキシラン、2,3−エポキシプロピルベンゼン、2−(4−フルオロフェニル)オキシラン、テトラヒドロフラン、ならびにこれらの純粋な対のエナンチオマーまたはエナンチオマー混合物である。
基Zは、カルボン酸無水物、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸または無水フタル酸の付加生成物から形成されていてよい。
本発明による分散樹脂中でのポリエステル対ポリエーテルの質量比は、50:1〜1:9、特に40:1〜1:5、特に有利に30:1〜1:1である。
更に、本発明によるペーストは、一般式6
〔式中、基
R1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であるが、しかし、基R3の少なくとも80%は、メチル基であり、分子中のR2は、同一かまたは異なり、次の意味を有することができる:
a)
(式中、
R3は、水素基またはアルキルであり、R4は、水素基、アルキル基またはカルボキシル基であり、cは、1〜20の数であり、dは、0〜50の数であり、eは、0〜50の数である)
または
b)−(CH2−)fOR5
(式中、R5は、水素基、アルキル基、カルボキシル基または場合によってはエーテル基を含有するジメチロールプロパン基であり、fは、2〜20の数である)
または
c)−(CH2−)g(OC2H4−)h(OC3H6−)i(OC4H8)j(OCH2CH(C6H5))kOR6
(式中、R6は、水素基、アルキル基またはカルボキシル基であり、gは、2〜6の数であり、hは、0〜20の数であり、iは、1〜50の数であり、jは、0〜10の数であり、kは、0〜10の数である)
または
d)基R1に相当し、但し、この場合には、平均的分子中で少なくとも1個の基R2は、(a)の意味を有し、この場合aは、1〜500、特に1〜200、殊に1〜50の数であり、bは、0〜10、特に5未満、殊に0の数である〕のオルガノポリシロキサンである分散剤を含有することができる。
R1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であるが、しかし、基R3の少なくとも80%は、メチル基であり、分子中のR2は、同一かまたは異なり、次の意味を有することができる:
a)
R3は、水素基またはアルキルであり、R4は、水素基、アルキル基またはカルボキシル基であり、cは、1〜20の数であり、dは、0〜50の数であり、eは、0〜50の数である)
または
b)−(CH2−)fOR5
(式中、R5は、水素基、アルキル基、カルボキシル基または場合によってはエーテル基を含有するジメチロールプロパン基であり、fは、2〜20の数である)
または
c)−(CH2−)g(OC2H4−)h(OC3H6−)i(OC4H8)j(OCH2CH(C6H5))kOR6
(式中、R6は、水素基、アルキル基またはカルボキシル基であり、gは、2〜6の数であり、hは、0〜20の数であり、iは、1〜50の数であり、jは、0〜10の数であり、kは、0〜10の数である)
または
d)基R1に相当し、但し、この場合には、平均的分子中で少なくとも1個の基R2は、(a)の意味を有し、この場合aは、1〜500、特に1〜200、殊に1〜50の数であり、bは、0〜10、特に5未満、殊に0の数である〕のオルガノポリシロキサンである分散剤を含有することができる。
特に、R1は、メチル基であってよく、aは、1〜50であってよく、bは、0であってよい。特に、R3は、水素であってよい。特に、R4は、水素またはアクリル基であってよい。特に、指数cは、1または2であってよく、dおよびeは、互いに無関係に0〜10であってよい。
このような分散剤は、例えば欧州特許出願公開第1382632号明細書中に記載されている。
更に、本発明によるペーストは、分散剤として、
a)式7a、7b、7cおよび/または7d
〔式中、
R1は、H、1〜5個のC原子を有する脂肪族炭化水素基であり、pは、1〜4であり、qは、0〜6であり、tは、0〜4であり、iは、1〜6であり、lは、1〜2であり、mは、2〜18であり、この場合H原子上の指数は、lとmとの積によって形成され、nは、0〜100であり、oは、0〜100であり、SOは、酸化スチレンであり、この場合(SO)iと酸化アルキレン誘導体は、ランダムにかまたはブロック状にポリエーテル中に分布されていてよいが、しかし、有利には、前記の基は、ブロック状で形成されており、−(SO)i−[(CmHlmO)n−(CmHlmO)o]−R2の順序で存在する。
a)式7a、7b、7cおよび/または7d
R1は、H、1〜5個のC原子を有する脂肪族炭化水素基であり、pは、1〜4であり、qは、0〜6であり、tは、0〜4であり、iは、1〜6であり、lは、1〜2であり、mは、2〜18であり、この場合H原子上の指数は、lとmとの積によって形成され、nは、0〜100であり、oは、0〜100であり、SOは、酸化スチレンであり、この場合(SO)iと酸化アルキレン誘導体は、ランダムにかまたはブロック状にポリエーテル中に分布されていてよいが、しかし、有利には、前記の基は、ブロック状で形成されており、−(SO)i−[(CmHlmO)n−(CmHlmO)o]−R2の順序で存在する。
R2は、H、1〜20個のC原子を有する脂肪族の、場合によっては枝分かれされた炭化水素基、5〜8個のC原子を有する脂環式炭化水素基、6〜14個のC原子を有するアリール基であり、この基は、場合によっては置換されているかまたは燐酸エステル誘導体、(特にモノエステル)、スルフェート誘導体またはスルホネート誘導体であってよい〕の構成成分の基からの少なくとも1つ1〜80モル%、
b)式8
〔式中、
Sは、−H、−COOMa、−COOR3を表わし、
Mは、水素、一価または二価の金属カチオン、アンモニウムイオン、有機アミン基を表わし、
aは1であり、Mが二価の金属カチオンである場合には、aは1/2であり、
R3は、1〜20個のC原子を有する脂肪族の、場合によっては枝分かれした炭化水素基、5〜8個のC原子を有する脂環式炭化水素基、6〜14個のC原子を有するアリール基であり、
Tは、−U1−R4または−U1−(CmH1mO)n−(CmHlmO)o−R2であり、
U1は、−COO−、−CONH−、−CONR3−、−O−、−CH2O−であり、
R4は、H、Ma、R3または−Q1−NQ2Q3であり、
この場合Q1は、2〜24個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
Q2およびQ3は、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族アルキル基および/または脂環式アルキル基であり、場合によっては
−Q1−N(+)O(-)Q2Q3
に酸化されており、m、n、l、o、R1およびR2は、上記の意味を有する〕の構成成分の基1〜90モル%、
c)式9
〔式中、
T1は、−U1−(CmHlmO)n−(CmHlmO)o−R5を表わし、
R5は、R4または
であり、
この場合、U2は、−OOC−、−NHOC−、−O−、−O−CH2−であり、
m、n、l、o、S、R1、R2およびU1は、上記の意味を有する〕の構成成分の基0〜10モル%を有する、スチレンオキシドをベースとするオキシアルキレングリコール−アルケニルエーテルまたはポリアルキレンオキシド−アルケニルエーテルおよび不飽和カルボン酸、特にジカルボン酸誘導体をベースとするコポリマーを含有していてよい。
b)式8
Sは、−H、−COOMa、−COOR3を表わし、
Mは、水素、一価または二価の金属カチオン、アンモニウムイオン、有機アミン基を表わし、
aは1であり、Mが二価の金属カチオンである場合には、aは1/2であり、
R3は、1〜20個のC原子を有する脂肪族の、場合によっては枝分かれした炭化水素基、5〜8個のC原子を有する脂環式炭化水素基、6〜14個のC原子を有するアリール基であり、
Tは、−U1−R4または−U1−(CmH1mO)n−(CmHlmO)o−R2であり、
U1は、−COO−、−CONH−、−CONR3−、−O−、−CH2O−であり、
R4は、H、Ma、R3または−Q1−NQ2Q3であり、
この場合Q1は、2〜24個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
Q2およびQ3は、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族アルキル基および/または脂環式アルキル基であり、場合によっては
−Q1−N(+)O(-)Q2Q3
に酸化されており、m、n、l、o、R1およびR2は、上記の意味を有する〕の構成成分の基1〜90モル%、
c)式9
T1は、−U1−(CmHlmO)n−(CmHlmO)o−R5を表わし、
R5は、R4または
この場合、U2は、−OOC−、−NHOC−、−O−、−O−CH2−であり、
m、n、l、o、S、R1、R2およびU1は、上記の意味を有する〕の構成成分の基0〜10モル%を有する、スチレンオキシドをベースとするオキシアルキレングリコール−アルケニルエーテルまたはポリアルキレンオキシド−アルケニルエーテルおよび不飽和カルボン酸、特にジカルボン酸誘導体をベースとするコポリマーを含有していてよい。
このような分散剤は、例えば欧州特許出願公開第10348825号明細書中に記載されている。
好ましくは、本発明によるペーストは、少なくとも1のナノスケールの粉末からの固体相と少なくとも1つの分散剤からの液相とからなることができる。
更に、ナノスケールの粉末からの固体相と分散剤からの液相とからなる、本発明によるペーストは、好ましい。
更に、本発明の対象は、ナノスケールの粉末を1回連続的にかまたは回分的に分散条件下で液相中に混入するような本発明によるペーストの製造法である。分散は、例えば乳鉢、シリンダーミル、ボールミル、回転子−固定子、遊星型混練機または当業者に公知の別の分散装置で行なうことができる。
更に、本発明の対象は、本発明によるペーストおよび溶剤から得ることができる分散液である。溶剤は、水、1つ以上の極性の有機溶剤および/または1つ以上の非極性の有機溶剤であることができる。
好ましくは、ナノスケールの粉末の含量は、分散液に対して0.5〜50質量%である。
更に、本発明の対象は、ペーストを攪拌または振盪によって溶剤または溶剤混合物と混合することにより、本発明による分散液を製造する方法である。
更に、本発明の対象は、ラッカー、(印刷)インキ、被覆、接着剤および成形部材を製造するための本発明によるペーストの使用である。
実施例
分析
VOC含量は、DIN EN ISO 11890−1により測定される。VOC含量の計算は、水なしで方法8.4の記載により行なわれる。水の含量は、滴定でKarl Fischer法(ISO 760)により測定される。
分析
VOC含量は、DIN EN ISO 11890−1により測定される。VOC含量の計算は、水なしで方法8.4の記載により行なわれる。水の含量は、滴定でKarl Fischer法(ISO 760)により測定される。
PCSによる粒径測定
粒径の測定は、動的光散乱により1%の分散液中で行なわれる。分散は、攪拌、浸透または超音波によって行なわれる。粒径分析器として、装置HORIBA LB−500が使用される。粒径分布を正確に測定するために、粒子および分散媒体の温度、粘度および屈折率は、公知でなければならない。
粒径の測定は、動的光散乱により1%の分散液中で行なわれる。分散は、攪拌、浸透または超音波によって行なわれる。粒径分析器として、装置HORIBA LB−500が使用される。粒径分布を正確に測定するために、粒子および分散媒体の温度、粘度および屈折率は、公知でなければならない。
ペーストの固体含量の測定ペースト約0.2〜0.3gを、正味質量を分銅によって補正されたガラス中に計量供給する。ガラスと一緒に最初の試料質量の正確な質量を記録し、このガラスをペーストと一緒に400℃で1時間、カーボライト(Carbolite)炉中で灼熱した。このガラスをペースト残分と一緒に冷却し、これを再び計量する。最終的な試料質量を最初の試料質量によって除算し、100倍し、こうして百分率でペーストの固体含量を得ることができる。
測定のために、種々の位置でペーストの含量を測定する。
粉末
酸化亜鉛(WO 2005/028565の記載による):亜鉛粉末(510g/時間)を窒素流(4.2Nm3/時間)により還元蒸発帯域中に移し、そこで水素/空気火炎(水素:4.0Nm3/時間、空気:8.0Nm3/時間)を燃焼させる。この場合、亜鉛粉末が蒸発される。亜鉛蒸気、水素、窒素および水からの反応混合物は、酸化帯域中に流入し、そこで空気20Nm3/時間は添加される。
酸化亜鉛(WO 2005/028565の記載による):亜鉛粉末(510g/時間)を窒素流(4.2Nm3/時間)により還元蒸発帯域中に移し、そこで水素/空気火炎(水素:4.0Nm3/時間、空気:8.0Nm3/時間)を燃焼させる。この場合、亜鉛粉末が蒸発される。亜鉛蒸気、水素、窒素および水からの反応混合物は、酸化帯域中に流入し、そこで空気20Nm3/時間は添加される。
酸化空気の添加前の温度は、956℃である。引続き、空冷空気10Nm3/時間を添加する。急冷空気の添加前の温度は、648℃である。得られた酸化亜鉛粉末を濾過によってガス流と分離する。
酸化亜鉛粉末のBET表面積は、27m2/gである。
WO 00/14017の記載のインジウム錫オキシド:塩化インジウム(+III)140g(無水0.63mol)、塩化錫(+HV)×5H2O18gおよびカプロラクタム5.6gを水1400ml中に供給し、攪拌する。澄明な溶液が生じた後に、この溶液を50℃に加熱し、次に25%の水酸化アンモニウム溶液105mlを滴加する。この分散液を50℃の温度で24時間攪拌する。引続き、水酸化アンモニウム溶液280mlを添加する。白色の沈殿物を真空乾燥箱中で190℃で遠心分離し、粉末の淡黄色の呈色を確認することができるまで乾燥させる。乾燥させた沈殿物を微細に乳鉢で粉砕し、化成ガス炉中に置く。この炉を排気し、次に窒素を注入する。この炉を250℃/時間の加熱速度で200リットル/時間の窒素流で250℃に加熱する。この温度を化成ガス雰囲気下で300リットル/時間のガス流で60分間維持する。その後に、この炉を窒素雰囲気下で室温に冷却する(時間:約5時間)。このことから、暗青色の粉末が生じる。
こうして製造されたインジウム錫オキシド粉末を実施例ITO−1〜ITO−12で使用する。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10311645号明細書に記載のインジウム錫オキシド塩化インジウム(III)88.9g/lおよび塩化錫(IV)8.4gを含有する水溶液を、圧縮空気およびノズル(直径0.8mm)を用いて1500ml/時間の搬送速度で反応管中に噴霧する。ここで水素5mVhと空気15m3/時間とからなる爆鳴気の火炎が燃焼する。この火炎の0.5m下方の温度は、750℃である。火炎の2.5m下方で化成ガス10m3/時間が供給され、温度は、添加位置の情報で約450℃である。反応混合物は、長さ2mの滞留時間区間を14秒間で通過する。引続き、固体は、フィルターによりガス状物質と分離され、250℃の温度で15分間に亘って化成ガスの供給を継続させながら処理される。In2O3/SnO2の比は、94/6であり、BET表面積は、53m3/gである。
こうして製造されたインジウム錫オキシド粉末を実施例ITO−13およびITO−14で使用する。
分散剤
分散剤として次のものを使用する:LA-D 1045、Dispers 650、Twin 4000、Dispers 650-carboxy、Dispers 655、LA-D 868、LA-D 869、全てのTEGO、全てのVOC 10g/l未満。
分散剤として次のものを使用する:LA-D 1045、Dispers 650、Twin 4000、Dispers 650-carboxy、Dispers 655、LA-D 868、LA-D 869、全てのTEGO、全てのVOC 10g/l未満。
ペーストの製造
1.乳鉢を用いた場合:製造された酸化亜鉛およびインジウム錫オキシド粉末および分散剤を乳鉢中に入れ、乳棒で10〜15分間混合する。
1.乳鉢を用いた場合:製造された酸化亜鉛およびインジウム錫オキシド粉末および分散剤を乳鉢中に入れ、乳棒で10〜15分間混合する。
2.Exakt社のロールミル 型Exakt80Eを用いた場合。このロールミルは、対向して回転する3本のロールからなる。中央のロールと後方のロールとは、相互に回転し、一方で、前方のロールは、中央のロールと反対方向に回転する。後方のロール上に酸化亜鉛92.82gおよびTwin 4000 7.18gを搬入する(ZnO−6)。ロール帯域を設けるために、後方間隙で制限エレメントを装備された取付棒中に導入する。制限エレメントが標識部に至るまで取付部中に挿入された場合には、この制限エレメントは、最適になるように調整されている。大量の材料を加工する場合には、この材料は、さらに取付部中に挿入されてよい。前方のロールを用いて、材料を中央のロールから取出し、再び剪断し、取出しブレード上に移す。
分散液の製造
本発明よるペーストを電磁攪拌機での攪拌(最高速の設定で10分間)、振盪または超音波処理によって溶剤と混合する。
本発明よるペーストを電磁攪拌機での攪拌(最高速の設定で10分間)、振盪または超音波処理によって溶剤と混合する。
実施例ZnO−1、ZnO−7、ZnO−8、ITO−1、ITO−5、ITO−7およびITO−9からの本発明によるペーストを用いて、非極性溶剤および極性溶剤を有する分散液を製造することができる。
実施例ZnO−2、ZnO−4、ZnO−6およびITO−3からの本発明によるペーストを用いて、水および極性の有機溶剤を有する分散液を製造することができる。
実施例ITO−2からの本発明によるペーストを用いて、水、極性の有機溶剤および非極性の有機溶剤を有する分散液を製造することができる。
本発明によるペーストは、次の利点を有する:
この本発明によるペーストは、極めて低いVOC含量を有する。
この本発明によるペーストは、極めて低いVOC含量を有する。
溶剤の添加は、安定した分散液を生じる(再凝集なし)。
ペーストから出発して、極性の水性分散液または有機分散液ならびに非極性の水性分散液または有機分散液を得ることができる。
ペーストから出発して、簡単な攪拌、振盪または超音波処理によって分散液を得ることができる。
Claims (22)
- 固体相として少なくとも1つのナノスケールの粉末を含有し、液体相として少なくとも1つの分散剤を含有するペーストにおいて、
それぞれペーストの全体量に対して、ナノスケールの粉末の含量が30〜95質量%であり、液体相の含量が少なくとも5質量%であり、
前記ペーストが水3質量%未満の含水量を有し、
前記液体相が10g/l未満のVOC含量を有することを特徴とする、固体相として少なくとも1つのナノスケールの粉末を含有し、液体相として少なくとも1つの分散剤を含有するペースト。 - 液体相が1g/l未満のVOC含量を有する、請求項1記載のペースト。
- 液体相が0.1質量%未満の水の含量を有する、請求項1または2記載のペースト。
- ナノスケールの粉末が平衡に調節することにより粒子に結合された水を、ペーストに対して3質量%まで含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のペースト。
- ナノスケールの粉末の含量がペーストの全体量に対して60〜90質量%である、請求項1から4までのいずれか1項に記載のペースト。
- ナノスケールの粉末がペースト中に均一に分布されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載のペースト。
- ナノスケールの粉末の平均直径が300nm未満である、請求項1から6までのいずれか1項に記載のペースト。
- ナノスケールの粉末が、金属、金属酸化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属炭酸塩、金属窒化物、金属リン酸塩、金属カルコゲン化物、金属硫酸塩および/または金属ハロゲン化物である、請求項1から7までのいずれか1項に記載のペースト。
- 金属酸化物が、元素Si、Al、Ti、Fe、Ce、In、Sb、Sn、Zn、Yおよび/またはZrを含有する、請求項8記載のペースト。
- ペーストが、無機試薬および/または有機試薬の吸着、表面上の反応または錯化によって変性されているかまたは無機試薬および/または有機試薬での吸着、表面上の反応または錯化で変性されている、請求項1から9までのいずれか1項に記載のペースト。
- 分散剤が、ランダムな分布を有する、スチレンオキシドをベースとするポリアルキレンオキシドであるかまたは一般式1
R1O(SO)a(EO)b(PO)c(BO)dR2 (1)、
〔式中、R1は、8〜13個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状または脂環式の基であり、R2は、水素、1〜8個のC原子を有するアシル基、アルキル基またはカルボン酸基であり、SOは、酸化スチレンであり、EOは、酸化エチレンであり、POは、酸化プロピレンであり、BOは、酸化ブチレンであり、aは、1〜5であり、bは、3〜50であり、cは、0〜3であり、dは、0〜3であり、この場合bは、a+c+d以上である〕のブロックコポリマーである、請求項1から10までのいずれか1項に記載のペースト。 - 分散剤は
A)1つ以上のアミノ官能価ポリマーと
B)一般式(3)/(3a)
T−C(O)−[O−A−C(O)]x−OH (3)、
T−O−[C(O)−A−O−]y−Z (3a)
の1つ以上のポリエステルと
C)一般式(4)/(4a)
T−C(O)−B−Z (4)、
T−O−B−Z (4a)
の1つ以上のポリエーテルとを部分的または完全に反応させることによって得ることができたものであり、
上記式中、Tは、水素基および/または場合によっては置換された、1〜24個の炭素原子を有する線状または分枝鎖状のアリール基、アリールアルキル基、アルキル基またはアルケニル基であり、
Aは、線状炭化水素、分枝鎖状炭化水素、環式炭化水素および芳香族炭化水素の群から選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、
Zは、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、カルボン酸、イソシアネート、エポキシド、殊にリン酸および(メタ)アクリル酸の群から選ばれた少なくとも1個の基であり、
Bは、一般式(5)、
−(ClH2lO)a−(CmH2mO)b−(CnH2nO)c−(SO)d− (5)
(式中、a、b、cは、互いに独立に0〜100の値であり、但し、この場合、a+b+cの総和は、0以上、特に5〜35、殊に10〜20であり、a+b+c+dの総和は、0を上廻り、dは、0以上、特に1〜5であり、l、m、nは、互いに独立に2以上、特に2〜4である)の基であり、
x、yは、互いに独立に2以上である、請求項1から12までのいずれか1項に記載のペースト。 - 分散剤が一般式6
R1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であるが、しかし、基R1の少なくとも80%は、メチル基であり、
分子中のR2は、同一かまたは異なり、次の意味を有することができる:
a)
dは、0〜50の数であり、eは、0〜50である)、
または
b)−(CH2−)fOR5
(式中、R5は、水素基、アルキル基、カルボキシル基または場合によってはエーテル基を含有するジメチロールプロパン基であり、fは、2〜20の数である)、
または
c)−(CH2−)g(OC2H4−)h(OC3H6−)i(OC4H8)j(OCH2CH(C6H5))kOR6
(式中、R6は、水素基、アルキル基またはカルボキシル基であり、gは、2〜6の数であり、hは、0〜20の数であり、iは、1〜50の数であり、jは、0〜10の数であり、kは、0〜10の数である)、
または
d)基R1に相当し、但し、
この場合、平均的分子中で少なくとも1個の基R2は、(a)の意味を有し、この場合aは、1〜500、特に1〜200、殊に1〜50の数であり、bは、0〜10、特に5未満、殊に0の数である〕のオルガノポリシロキサンである、請求項1から13までのいずれか1項に記載のペースト。 - 分散剤が
A)式7a、7b、7cおよび/または7d
R1は、H、1〜5個のC原子を有する脂肪族炭化水素基であり、
pは、1〜4であり、qは、0〜6であり、tは、0〜4であり、iは、1〜6であり、lは、1〜2であり、mは、2〜18であり、
この場合H原子上の指数は、lとmとの積によって形成され、
nは、0〜100であり、oは、0〜100であり、SOは、酸化スチレンであり、
この場合(SO)iと酸化アルキレン誘導体は、ランダムにかまたはブロック状にポリエーテル中に分布されていてよいが、しかし、有利には、前記基は、ブロック状で形成されており、−(SO)i−[(CmHlmO)n−(CmHlmO)o]−R2の順序で存在し、
R2は、H、1〜20個のC原子を有する脂肪族の、場合によっては枝分かれされた炭化水素基、5〜8個のC原子を有する脂環式炭化水素基、6〜14個のC原子を有するアリール基であり、この基は、場合によっては置換されているかまたは燐酸エステル誘導体、(特にモノエステル)、スルフェート誘導体またはスルホネート誘導体であってよい〕の構成成分の群からの少なくとも1つ1〜80モル%、
B)式8
Sは、−H、−COOMa、−COOR3を表わし、
Mは、水素、一価または二価の金属カチオン、アンモニウムイオン、有機アミン基を表わし、
aは1であり、Mが二価の金属カチオンである場合には、aは1/2であり、
R3は、1〜20個のC原子を有する脂肪族の、場合によっては枝分かれした炭化水素基、5〜8個のC原子を有する脂環式炭化水素基、6〜14個のC原子を有するアリール基であり、
Tは、−U1−R4または−U1−(CmH1mO)n−(CmHlmO)o−R2であり、
U1は、−COO−、−CONH−、−CONR3−、−O−、−CH2O−であり、
R4は、H、Ma、R3または−Q1−NQ2Q3であり、
この場合Q1は、2〜24個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
Q2およびQ3は、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族アルキル基および/または脂環式アルキル基であり、場合によっては
−Q1−N(+)O(-)Q2Q3
に酸化されており、m、n、l、o、R1およびR2は、上記の意味を有する〕の構成成分の基1〜90モル%、
C)式9
T1は、−U1−(CmHlmO)n−(CmHlmO)o−R5を表わし、
R5は、R4または
U2は、−OOC−、−NHOC−、−O−、−O−CH2−であり、
この場合m、n、l、o、S、R1、R2およびU1は、上記の意味を有する〕の構成成分の基0〜10モル%を有する、スチレンオキシドをベースとするオキシアルキレングリコール−アルケニルエーテルまたはポリアルキレンオキシド−アルケニルエーテルおよび不飽和カルボン酸、特にジカルボン酸誘導体をベースとするコポリマーである、請求項1から14までのいずれか1項に記載のペースト。 - 固体相が少なくとも1つのナノスケールの粉末からなり、液体相が少なくとも1つの分散剤からなる、請求項1から15までのいずれか1項に記載のペースト。
- 固体相がナノスケールの粉末からなり、液体相が分散剤からなる、請求項1から16までのいずれか1項に記載のペースト。
- 請求項1から17までのいずれか1項に記載のペーストの製造法において、ナノスケールの粉末を1回連続的にかまたは回分的に分散条件下で液体相中に混入することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載のペーストの製造法。
- 請求項1から18までのいずれか1項に記載のペーストと1つ以上の溶剤とから得ることができる分散液。
- ナノスケールの粉末の含量が、分散液に対して0.5〜50質量%である、請求項19記載の分散液。
- 請求項19または20記載の分散液の製造法において、ペーストを攪拌または振盪によって溶剤または溶剤混合物と混合することを特徴とする、請求項19または20記載の分散液の製造法。
- ラッカー、(印刷)インキ、被覆、接着剤および成形部材を製造するための請求項1から17までのいずれか1項に記載のペーストの使用。
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