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JP4433875B2 - 発熱部品の放熱構造と、この放熱構造における放熱部材の製造方法 - Google Patents

発熱部品の放熱構造と、この放熱構造における放熱部材の製造方法 Download PDF

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JP4433875B2 JP2004145567A JP2004145567A JP4433875B2 JP 4433875 B2 JP4433875 B2 JP 4433875B2 JP 2004145567 A JP2004145567 A JP 2004145567A JP 2004145567 A JP2004145567 A JP 2004145567A JP 4433875 B2 JP4433875 B2 JP 4433875B2
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Description

本発明は、温度調節器等の電子機器の発熱部品、例えば発熱素子から発熱された熱を効率良く放熱させる発熱部品の放熱構造と、この放熱構造における放熱部材の製造方法に関するものである。
温度調節器等の電子機器の開発では、より高機能のものを作ることを目的として研究が行われており、その中で、電子機器をより小型化、高性能化するのに障害となっているのは熱問題である。すなわち、電子機器の高機能化により電子機器の消費電力が上昇し、これに伴ない、電子部品の温度が上昇して電子部品の耐熱温度を超える、換言すれば、所定性能が出せなくなってしまうという課題がある。また、小型化においても、同量の熱をより小さい体積で放熱しなければならなくなり、機器内に熱がこもりやすくなり電子部品の温度が上昇し、電子部品の耐熱温度を超えるという同様の課題がある。
また、電子機器としての温度調節器にあっては、その電源部分が最も発熱量が大きく、かつ電源部分には、発熱量の大きい部品が複数使用されている。このため、部品間の熱の影響を無くすために、部品間の距離をあける必要があり小型化を行うことが難しく、また、発熱量の大きい複数の部品全てに熱対策を行うと工程が複雑になり、生産効率上の障害となっている。
このように、電源部分を如何に生産効率がよく、小型で放熱効率のよいものにするかが今後の課題であり、そこで、電源部分をモジュール化するという中で、放熱技術を制御する観点での開発が望まれている。
また、従来の発熱部品(発熱素子)の放熱構造としては、印刷配線基板に、この印刷配線基板に実装された個々の発熱素子の熱を放熱するために、それぞれに放熱器を設けた構成のものがある。すなわち、印刷配線基板に貫通穴と複数のネジ穴を設けると共に、印刷配線基板の一方の面に、貫通穴に相応して発熱素子を実装し、また、放熱器には、透孔を有する突起部とねじ係止孔とを設けて、貫通穴に突起部を挿入して、放熱器を発熱素子の位置に相応して印刷配線基板に配設し、そして、ねじ穴を介して挿入されたねじをねじ係止穴に係止することで、放熱器を印刷配線基板に取付け、透孔を介して熱伝導性接着剤を突起部と発熱素子の素子パッケージとの間の隙間に、例えば注入器によって充填したものがある(特許文献1参照)。
実開平06−45393号公報
上記した従来の発熱部品の放熱構造にあっては、発熱素子単体に対する放熱構造であって、尚且つ、印刷配線基板と放熱器とをねじで付けているので、発熱素子から発生する熱というのは、印刷配線基板に伝わる熱もあって、放熱器に伝わり難い。また、印刷配線基板に対して放熱器がねじ止めされているために、印刷配線基板と放熱器の間の接触圧が弱く、このために、発熱素子から発生する熱が放熱器に伝わり難いという問題が生じていた。
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、その第1の目的とするところは、単一の放熱部材で、複数の発熱部品から発熱された熱を、周囲への熱影響がない個所に効率よく誘導し放熱させることができ、また、複数の発熱部品から印刷配線基板に伝わった熱も上記と同じく放熱させることができる発熱部品の放熱構造を提供することである。
また、本発明の第2の目的とするところは、印刷配線基板に応じた放熱部材を安価で製造することができる放熱部材の製造方法を提供することである。
上記の第1の目的を達成するために、本発明に係る発熱部品の放熱構造は、印刷配線基板に実装された複数の発熱部品が発する熱を放熱させる発熱部品の放熱構造であって、複数の発熱部品に対して単一の放熱部材を用い、この放熱部材を印刷配線基板に接触させることで発熱部品が発する熱を放熱させるべく、印刷配線基板に、発熱部品に対応する貫通穴を設け、放熱部材に貫通穴に対応する放熱用凸部を設け、これらの放熱用凸部を貫通穴に挿入して放熱用凸部と発熱部品との間に熱伝導材を介在させて、発熱部品が発する熱を、熱伝導材を介して放熱部材に誘導するように構成し、且つ、放熱部材は、貫通穴に対応する穴部を設けた放熱部材本体を有していて、放熱部材を印刷配線基板に接合して貫通穴に穴部を一致させてブロック挿入部を構成し、これらのブロック挿入部に放熱用ブロックを挿入すると共に、これらの放熱用ブロックを熱伝導性連結部材を介して放熱部材本体に連結し、放熱用ブロックと発熱部品との間に熱伝導材を介在させて、発熱部品が発する熱を、熱伝導材を介して放熱用ブロック及び放熱部材に誘導し放熱させるようにしたことを特徴とするものである。
かかる構成により、発熱部品から発熱された熱は、熱伝導材を介して放熱用ブロック、熱伝導性連結部材を介して放熱部材に熱伝導されて、この放熱部材全体に拡散して放熱される。このように、複数の放熱部品から発熱された熱を、周囲への熱影響がない個所に効率よく誘導し放熱させることができる。また、複数の放熱部品から印刷配線基板に伝わった熱も上記と同じく放熱させることができる。また、放熱部材と印刷配線基板と複数の発熱部品とを1度で組立てることができるようになって、高い生産性を得ることができる。
また、かかる構成により、発熱部品から発熱された熱は、熱伝導材を介して放熱用凸部から放熱部材に熱伝導されてこの放熱部材全体に拡散して放熱される。
ここで、発熱部品とは、例えば、電子機器の消費電力が上昇するに伴い、発熱する発熱素子が該当し、単一の放熱部材とは、例えば、アルミニウムを主成分とする板材、銅を主成分とする板材、熱を主成分とする板材が該当する。
ここで、熱伝導部材とは、発熱素子と放熱部材とを熱的に接触させるものであり、熱伝導材は容易に変形するものが良く、熱伝導材を発熱素子と放熱部材間で挟んだ際に広がり、接触面積を大きくすることにより熱伝導を高めるものが良く、ペースト状の熱伝導性樹脂が適している。この熱伝導性樹脂は、熱硬化性エポキシ樹脂に熱伝導フィラーを混入したもの等である。
上記の第2の目的を達成するために、本発明に係る放熱部材の製造方法は、印刷配線基板に、当該印刷配線基板に実装された複数の発熱部品に対応する貫通穴を設け、これらの貫通穴に放熱用凸部を挿入して放熱用凸部と発熱部品との間に熱伝導材を介在させて、発熱部品が発する熱を、熱伝導材及び放熱用凸部を介して放熱させる放熱部材の製造方法であって、放熱部材は、貫通穴に対応する穴部を設けた放熱部材本体を有していて、放熱部材を印刷配線基板に接合して貫通穴に前記穴部を一致させてブロック挿入部を構成し、これらのブロック挿入部に放熱用ブロックを挿入すると共に、これらの放熱用ブロックを熱伝導性連結部材を介して放熱部材本体に連結することで、放熱用ブロックで放熱用凸部を形成するようにしたことを特徴とする。
したがって、印刷配線基板に応じた放熱部材を安価で製造することができる。
本発明に係る発熱部品の放熱構造によれば、発熱部品から発熱された熱は、熱伝導材を介して放熱部材に熱伝導されてこの放熱部材全体に拡散して放熱される。このように、単一の放熱部材で、複数の発熱部品から発熱された熱を、周囲への熱影響がない個所に効率よく誘導し放熱させることができる。また、複数の発熱部品から印刷配線基板に伝わった熱も上記と同じく放熱させることができる。また、放熱部材と印刷配線基板と複数の発熱部品とを1度で組立てることができるようになって、高い生産性を得ることができる。
また、本発明に係る放熱部材の製造方法によれば、印刷配線基板に応じた放熱部材を安価で製造することができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照して参考例1〜3を説明した後、詳述する。
(参考例1)
本発明の参考例1を図1乃至図8に示す。図1は本発明に係る発熱部品の放熱構造の参考例1の組立説明図、図2は図1のX−X線に沿う断面図、図3は本発明に係る発熱部品の放熱構造の参考例1の縦断面図である。
図1乃至図3において、10は印刷配線基板(以下基板と言う)であり、20は放熱部材であり、30は熱伝導材である。
基板10には複数(3個)の貫通穴11、12、13が形成してある。そして、基板10の一方の面部10aには、貫通穴11に対応して発熱部品である発熱素子14が、また、貫通穴12に対応して発熱部品である発熱素子15が、更に貫通穴13に対応して発熱部品である発熱素子16がそれぞれ配設してあり、これらの発熱素子14、15、16は、それぞれのリード端子14A、15A、16Aを、基板10に形成された印刷パッド(図示せず)にはんだ付けされることで基板10に実装してある。
この場合、発熱素子14の素子パッケージ14Bの底面部14Cが貫通穴11の直上に位置しており、発熱素子15の素子パッケージ15Bの底面部15Cが貫通穴12の直上に位置しており、発熱素子16の素子パッケージ16Bの底面部16Cが貫通穴13の直上に位置している。
また、放熱部材20は、アルミニウム製の放熱プレート21と、複数(3個)のアルミニウム製の凸部形成用個片部材22、23、24とで構成してあり、凸部形成用個片部材22は貫通穴11に対応するものであり、貫通穴11にはまる範囲内で任意の大きさ、高さに設定できる。また、凸部形成用個片部材23は貫通穴12に対応するものであり、この貫通穴12に隙間なく嵌入できる寸法であって、その高さ寸法は基板10の厚さ寸法とほぼ等しくしてある。また、凸部形成用個片部材24は貫通穴13に対応するものであり、この貫通穴13に隙間なく嵌入できる寸法であって、その高さ寸法は基板10の厚さ寸法とほぼ等しくしてある。
そして、凸部形成用個片部材22、23、24は放熱プレート21の一方の面部21aに接着してあって、それぞれが放熱用凸部25、26、27を構成している。
発熱素子14、15、16から基板10に伝わった熱の影響範囲を図4に示す。この熱の影響する範囲(熱の広がる方向)は、基板10の横方向(基板10の面部に平行する方向)の熱伝導率のベクトルaと、基板10の縦方向(基板10の面部に垂直な方向)の熱伝導率のベクトルbの合成ベクトルcと定義される。
したがって、図3に示すように、少なくとも、放熱部材20は合成ベクトルcが表す影響する範囲を包含する大きさであり、放熱部材20の端部は合成ベクトルc外に位置している。
熱伝導材30は、発熱素子14、15、16と放熱部材20とを熱的に接触させるものであり、熱伝導材30は容易に変形するものが良く、熱伝導材30を発熱素子14、15、16と放熱部材30間で挟んだ際に広がり、接触面積を大きくすることにより熱伝導を高めるものが良く、ペースト状の熱伝導性樹脂が適している。この熱伝導性樹脂は、熱硬化性エポキシ樹脂に熱伝導フィラーを混入したもの等である。
そして、この熱伝導性樹脂に熱硬化性の性質を加えることで、放熱部材20と発熱素子14、15、16とを固定することで熱伝導に加えて発熱素子14、15、16のはんだ付け接合の信頼性を高めることもできる。なお、熱伝導材30としては、上記した熱伝導ぺ−ストをシート状に加工した熱伝導シートを用いてもよい。
また、基板10と放熱部材20を接触させる接触手段としては、接着性のある熱伝導材、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂に熱伝導フィラーが混入した熱伝導性接着剤40が使用できる。
そして、図3に示すように、放熱プレート21のそれぞれの放熱用凸部25、26、27の面部に熱伝導材30を載せると共に、放熱プレート21の一方の面部21aに熱伝導性接着剤40を塗布し、基板10の貫通穴11、12、13に放熱用凸部25、26、27を挿入し、放熱プレート21の一方の面部21aを基板10の他方の面部10bに接着してあり、この場合、放熱用凸部25、26、27は熱伝導材30を押し潰していて、熱伝導材30は、放熱用凸部25、26、27と、発熱素子14、15、16の素子パッケージ14B、15B、16Bの底面部14C、15C、16Cとに、それぞれ面接触している。
上記した本発明の参考例1では、発熱素子14、15、16から発熱された熱は、熱伝導材30を介して放熱用凸部25、26、27から放熱部材20に熱伝導されて、この放熱部材20全体に拡散して放熱される。
このように、一つの放熱部材20で、複数の発熱素子14、15、16から発熱された熱を、周囲への熱影響がない個所に効率よく誘導し放熱させることができる。また、複数の発熱素子14、15、16から基板10に伝わった熱も上記と同じく放熱させることができる。また、放熱部材20と基板10と複数の発熱素子14、15、16とを1度で組立てることができるようになって、高い生産性を得ることができる。
また、本発明の参考例1では、基板10に放熱部材20を熱伝導性接着剤40で接着するようにしたことから、発熱素子14、15、16から基板10へ伝わった熱、すなわち、発熱素子14、15、16のリード端子14A、15A、16Aから基板10に伝わった熱も高い熱伝導率で放熱部材20へ誘導することができる。
また、本発明の参考例1では、放熱用凸部25、26、27は、発熱素子14、15、16の大きさに対応した大きさ及び発熱素子14、15、16の形状に対応した形状に選択されていることから、複数の発熱素子14、15、16の熱を、熱伝導性の高い放熱用凸部25、26、27を介して放熱個所まで熱伝導させ、放熱個所から空気中に放熱することにより、高い放熱効果が得られる。
また、本発明の参考例1では、放熱部材20は、放熱プレート21と、複数の凸部形成用個片部材22、23、24とを有していて、これらの凸部形成用個片部材22、23、24を放熱プレート21の面部21aに接着して(貼り付けて)、凸部形成用個片部材22、23、24のそれぞれで放熱用凸部25、26、27を形成するようにしたことから、基板10に応じた安価な放熱部材20が提供できる。
なお、上記した本発明の参考例1において、放熱部材20を、放熱プレート21の一方の面部21aに凸部形成用個片部材22、23、24を接着して構成して、凸部形成用個片部材22、23、24で放熱用凸部25、26、27を形成するようにしたが、図5に示すように放熱プレート21の一方の面部21aに、この放熱プレート21と一体に放熱用凸部25、26、27を形成するようにしてもよいし、また、図6及び図7に示すように、複数の凸部成型部42を有する金型41を使用し、アルミニウム製の放熱用板材(板状の放熱部材)43をプレス加工することで放熱プレート部44に、この放熱プレート部44と一体に複数の放熱用凸部45を形成するようにしてもよい。
また、上記した本発明の参考例1において、基板10に放熱部材20を接触させる接触手段として熱伝導性接着剤40を使用したが、機械的な接合、例えば、ねじ止め、はんだ付け、クリップ止め等我を実施するようにして基板10と放熱部材20を接触させるようにしてもよい。また、はんだ付けによる接合では、図8に示すように、放熱部材20の端部に突起46を設けて、突起46を基板10の端部にはんだ付け47を行うようにしてもよいし、また、突起46を基板10のスルーホール(図示せず)に挿入してはんだ付けを行うようにしてもよい。
(参考例2)
本発明の参考例2を図9乃至図11に示す。
本発明の参考例2は、基板10に発熱素子14、15、16と共に、コンデンサーのような熱を受けたくない電子部品18が実装してある場合における放熱構造である。
すなわち、基板10には複数貫通穴11、12、13が形成してあり、基板10の一方の面部10aには、貫通穴11に対応して発熱部品である発熱素子14が、また、貫通穴12に対応して発熱部品である発熱素子15が、更に貫通穴13に対応して発熱部品である発熱素子16がそれぞれ配設してあるし、また、基板10の一方の面部10aには熱を受けたくない電子部品18が配設してある。そして、これらの発熱素子14、15、16及び電子部品18は、それぞれのリード端子14A、15A、16A、18Aを、基板10に形成された印刷パッド(図示せず)にはんだ付けされることで基板10に実装してある。
また、放熱部材20は、上記した本発明の参考例1における放熱部材20の構成に加えて、放熱プレート21の放熱面を構成する他方の面部21bに、放熱用凸部25、26、27に対応する部位25b、26b、27bの中間に位置させて、熱の伝導を妨げる凹部29が形成してある。
そして、図11に示すように、放熱プレート21のそれぞれの放熱用凸部25、26、27の面部に熱伝導材30を載せると共に、放熱プレート21の一方の面部21aに熱伝導性接着剤40を塗布し、基板10の貫通穴11、12、13に放熱用凸部25、26、27を挿入し、放熱プレート21の一方の面部21aを基板10の他方の面部10bに接着してあり、この場合、放熱用凸部25、26、27は熱伝導材30を押し潰していて、熱伝導材30は、放熱用凸部25、26、27と、発熱素子14、15、16の素子パッケージ14B、15B、16Bの底面部14C、15C、16Cとに、それぞれ面接触している。
また、図11に示すように、放熱部材20の端部20cは、合成ベクトルcで示される熱が影響する範囲を越え、且つ熱を受けたくない電子部品18は熱が影響する範囲外に位置している。
上記したように、本発明の参考例2によれば、発熱素子14、15、16から発熱された熱は、熱伝導材30を介して放熱用凸部25、26、27から放熱部材20に熱伝導されてこの放熱部材20全体に拡散して放熱される一方、発熱素子14、15、16から発熱された熱は熱を受けたくない電子部品18に影響することがない。
このように、一つの放熱部材20で、複数の発熱素子14、15、16から発熱された熱を、周囲への熱影響がない個所に効率よく誘導し放熱させることができる。また、複数の発熱素子14、15、16から基板10に伝わった熱も上記と同じく放熱させることができる。
また、本発明の参考例2によれば、放熱プレート21の他方の面部21bに、放熱用凸部25、26、27に対応する部位25b、26b、27bの中間に位置させて、熱の伝導を妨げる凹部29が形成してあるために、発熱素子14、15、16のそれぞれの間による熱のやり取りが減少するようになる。
また、本発明の参考例2によれば、発熱素子14、15、16から基板10に伝わった熱の影響範囲は、基板10の面部に平行する方向の熱伝導率のベクトルaと、面部に直交する方向の熱伝導率のベクトルbとの合成ベクトルcの方向であって、少なくとも、熱の影響範囲外に放熱部材20の端部20cが位置していることから、基板10の熱を受けたくない個所には放熱部材20を接触させないようにすることができる。
また、本発明の参考例2によれば、基板10には、発熱素子14、15、16の他に熱を受けたくない電子部品18が実装してあって、この熱を受けたくない電子部品18は、熱の影響範囲外に位置してあることから、熱の影響を受けることを無くすことができる。
(参考例3)
本発明の参考例3を図12に示す。
本発明の参考例3は、上記した本発明の参考例2の構成において、凹部29を除いた状態で、放熱プレート21の他方の面部21bにおける放熱用凸部25、26、27に対応する部位25b、26b、27bに、それぞれに放熱用フィン50を接合した放熱構造である。
これらの放熱用フィン50は、それぞれの大きさにより放熱量が決められていて、発熱素子14、15、16の発熱量に応じて選択されている。
上記した本発明の参考例3によれば、発熱素子14、15、16から発熱された熱は、熱伝導材30を介して放熱用凸部25、26、27から放熱部材20に熱伝導されて、この放熱部材20全体に拡散して放熱される一方、個々の放熱用フィン50により放熱される。このために、発熱素子14、15、16から発熱された熱は受熱部品18に影響することがない。
このように、一つの放熱部材20で、複数の発熱素子14、15、16から発熱された熱を、周囲への熱影響がない個所に効率よく誘導し放熱させることができる。また、複数の発熱素子14、15、16から基板10に伝わった熱も上記と同じく放熱させることができる。特に、放熱用フィン50の存在により、発熱素子14、15、16の熱を放熱個所から空気中に放熱することにより、より高い放熱効果が得られる。
また、上記した本発明の参考例3によれば、放熱用フィン50は、それぞれの大きさにより放熱量が決められていて、複数の発熱素子14、15、16の発熱量に応じて選択されていることから、高い放熱効果が得られる。
(実施例)
本発明の実施例を図13及び図14に示す。
本発明の実施例では、放熱部材20は、貫通穴11、12に対応する穴部51、52を設けた放熱部材本体20−1を有していて、放熱部材20を印刷配線基板10に接合して貫通穴11、12に穴部51、52を一致させてブロック挿入部53を構成し、これらのブロック挿入部53に放熱用ブロック54を挿入すると共に、これらの放熱用ブロック54を熱伝導性連結部材55を介して放熱部材本体20−1に連結し、放熱用ブロック54と発熱部品20との間に熱伝導材30を介在させて、発熱素子14、15が発する熱を、熱伝導材30を介して及び放熱部材20に誘導し放熱させるようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例では、基板10には、複数の貫通穴11、12が形成してある。そして、基板10の一方の面部10aには、貫通穴11に対応して発熱部品である発熱素子14が、また、貫通穴12に対応して発熱部品である発熱素子15がそれぞれ配設してあり、これらの発熱素子14、15は、それぞれのリード端子14A、15Aを、基板10に形成された印刷パッド(図示せず)にはんだ付けされることで基板10に実装してある。
また、放熱部材20は、アルミニウム製の放熱部材本体20−1と、複数のアルミニウム製の放熱用ブロック54と、これらの放熱用ブロック54を保持する熱伝導性連結部材55とで構成してある。
放熱部材本体20−1には、貫通穴11、12に対応する穴部51、52が形成してある。また、放熱用ブロック54は貫通穴11、12に対応していて、この貫通穴11、12に嵌入できる寸法であって、放熱用ブロック54の高さ寸法は基板10の厚さ寸法より大きくしてある。
熱伝導性連結部材55は放熱用ブロック54を嵌合する嵌合凹部57を備えており、放熱用ブロック54は、それぞれに嵌合凹部57に嵌合された状態で熱伝導性連結部材55に保持されるものである。
そして、図13に示すように、放熱部材本体20−1に熱伝導性接着剤40を塗布して、この放熱部材本体20−1を基板10に接着する。この場合、貫通穴11、12に穴部51、52が一致してブロック挿入部53が形成される。
そして、熱伝導性連結部材55で放熱用ブロック54を保持した状態で、これらの放熱用ブロック54の面部に熱伝導性接着剤40を塗布して、放熱用ブロック54をブロック挿入部53に挿入し、放熱用ブロック54の面部を発熱素子14、15の素子パッケージ14B、15Bの底面部に接着させ、熱伝導性連結部材55を放熱プレート21の貫通穴11、12に嵌合することで放熱用ブロック54が放熱プレート21に付けてある。
上記した本発明の実施例によれば、発熱素子14、15から発熱された熱は、熱伝導性接着剤40を介して放熱用ブロック54から熱伝導性連結部材55を経て放熱部材20に熱伝導されてこの放熱部材20全体に拡散して放熱される。
このように、一つの放熱部材20で、複数の発熱素子14、15から発熱された熱を、周囲への熱影響がない個所に効率よく誘導し放熱させることができる。また、複数の発熱素子14、15から基板10に伝わった熱も上記と同じく放熱させることができる。
また、上記した本発明の実施例によれば、放熱部材20を印刷配線基板10に接合して貫通穴11、12に穴部51、52を一致させてブロック挿入部53を構成し、これらのブロック挿入部53に放熱用ブロック54を挿入すると共に、これらの放熱用ブロック54を熱伝導性連結部材55を介して放熱部材本体20−1に連結し、放熱用ブロック54と発熱部品20との間に熱伝導材30を介在させて放熱部材20が製造してあり、基板10に応じた放熱部材20を安価で製造することができる。
本発明に係る発熱部品の放熱構造は、発熱部品から発熱された熱が、熱伝導材を介して放熱部材に熱伝導されてこの放熱部材全体に拡散して放熱され、このように、単一の放熱部材で、複数の発熱部品から発熱された熱を、周囲への熱影響がない個所に効率よく誘導し放熱させることができ、また、複数の発熱部品から印刷配線基板に伝わった熱も上記と同じく放熱させることができ、また、放熱部材と印刷配線基板と複数の発熱部品とを1度で取付けることができるようになって、高い生産性を得ることができる。かかる効果を有することから、本発明は、温度調節器等の電子機器の発熱部品の放熱構造等に有用である。
本発明に係る発熱部品の放熱構造の参考例1の組立説明図である。 図1のX−X線に沿う断面図である。 本発明に係る発熱部品の放熱構造の参考例1の縦断面図である。 発熱素子から印刷配線基板に伝わった熱の影響範囲を表すベクトル図である。 放熱部材の変形例の縦断面図である。 放熱部材の製造方法の説明図である。 放熱部材の他の変形例の縦断面図である。 放熱部材の印刷配線基板へのはんだ付けによる接合の説明図である。 本発明に係る発熱部品の放熱構造の参考例2の平面図である。 同発熱部品の放熱構造の参考例2の裏面図である。 図9のY−Y線に沿う断面図である。 本発明に係る発熱部品の放熱構造の参考例3の縦断面図である。 本発明に係る発熱部品の放熱構造の実施例において、放熱部材を印刷配線基板に接合した状態の構成説明図である。 本発明に係る発熱部品の放熱構造の実施例の縦断面図である。
10 印刷配線基板(基板)
11、12、13 貫通穴
14、15、16 発熱素子(発熱部品)
18 熱を受けたくない電子部品
20 放熱部材
20−1 放熱部材本体
21 放熱プレート
22、23、24 凸部形成用個片部材
29 凹部
30 熱伝導材
40 熱伝導性接着剤
50 放熱用フィン
51、52 穴部
53 ブロック挿入部
54 放熱用ブロック
55 熱伝導性連結部材

Claims (2)

  1. 印刷配線基板に実装された複数の発熱部品が発する熱を放熱させる発熱部品の放熱構造であって、複数の前記発熱部品に対して単一の放熱部材を用い、
    この放熱部材を前記印刷配線基板に接触させることで前記発熱部品が発する熱を放熱させるべく、前記印刷配線基板に、前記発熱部品に対応する貫通穴を設け、前記放熱部材に前記貫通穴に対応する放熱用凸部を設け、これらの放熱用凸部を前記貫通穴に挿入して前記放熱用凸部と前記発熱部品との間に熱伝導材を介在させて、前記発熱部品が発する熱を、前記熱伝導材を介して前記放熱部材に誘導するように構成し、
    且つ、前記放熱部材は、前記貫通穴に対応する穴部を設けた放熱部材本体を有していて、前記放熱部材を前記印刷配線基板に接合して前記貫通穴に前記穴部を一致させてブロック挿入部を構成し、これらのブロック挿入部に放熱用ブロックを挿入すると共に、これらの放熱用ブロックを熱伝導性連結部材を介して前記放熱部材本体に連結し、前記放熱用ブロックと前記発熱部品との間に熱伝導材を介在させて、前記発熱部品が発する熱を、前記熱伝導材を介して前記放熱用ブロック及び前記放熱部材に誘導し放熱させるようにしたことを特徴とする発熱部品の放熱構造。
  2. 印刷配線基板に、当該印刷配線基板に実装された複数の発熱部品に対応する貫通穴を設け、これらの貫通穴に放熱用凸部を挿入して前記放熱用凸部と前記発熱部品との間に熱伝導材を介在させて、前記発熱部品が発する熱を、前記熱伝導材及び前記放熱用凸部を介して放熱させる放熱部材の製造方法であって、
    前記放熱部材は、前記貫通穴に対応する穴部を設けた放熱部材本体を有していて、前記放熱部材を前記印刷配線基板に接合して前記貫通穴に前記穴部を一致させてブロック挿入部を構成し、これらのブロック挿入部に放熱用ブロックを挿入すると共に、これらの放熱用ブロックを熱伝導性連結部材を介して前記放熱部材本体に連結することで、前記放熱用ブロックで前記放熱用凸部を形成するようにしたことを特徴とする放熱部材の製造方法。
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