JP4433251B2 - 交流点灯用メタルハライドランプおよび照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる垂直点灯される交流点灯用メタルハライドランプおよび照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタルハライドランプは、高効率、高演色であるなどの特長を備えていることから店舗照明、道路照明などの一般照明用などに広く普及している。しかし、近年の省エネルギー指向の観点から、さらなる高効率、長寿命のものが要求されている。
【0003】
ところで、メタルハライドランプの効率を上げるためには、発光管の温度を上げることが有効である。これは、メタルハライドランプの中に封入された水銀およびハロゲン化金属の蒸発を促進し、発光に寄与させるためである。
【0004】
しかし、発光管の温度を上げることによって、発光管に封止されている電極の温度もまた上昇する。このため電極材料が飛散して、発光管に付着し早期黒化の原因となっていた。
【0005】
そのため、特開平5−283039号公報には、電極の少なくとも先端部を二次再結晶させて早期黒化を抑制し、光束維持率を改善しようとする金属蒸気放電灯(従来例1)が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メタルハライドランプを垂直点灯する場合、上側に位置する電極の温度が放電空間内の対流によって上昇し、このため特に上側に位置する電極物質が飛散し、特に発光管の上側に位置する範囲での黒化が発生するなどの不具合が発生する。
【0007】
また、このような電極温度の上昇による電極材料の飛散を抑制するため、比較的電極物質の飛散が少ないドープトタングステンを用いることもできる。しかし、発光管の下側に位置する電極は上側に位置する電極と比較して、発光管内部に封入されているガスの対流によって温度が上昇することが少ないため、下側電極に電子放射性が比較的良好ではないドープトタングステンからなる電極を用いた場合には、熱電子の放射が悪化し高圧放電ランプが立消え、放電アークのちらつきを起こすなどの不具合が発生する。
【0008】
本発明は、このような早期黒化の問題と立消えの問題を解決するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の交流点灯用メタルハライドランプは、電子放射性物質を含む高融点金属にて形成された第1の電極と;点灯時に第1の電極の上側に位置され、電子放射性物質を含まない高融点金属にて形成された第2の電極と;第1の電極および第2の電極がそれぞれ気密に封止され内部に少なくともハロゲン化金属および希ガスが封入された透光性放電容器と;を具備している。
【0010】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0011】
電子放射性物質は、電子放射の容易である性質を有するもので例えば、トリウム、セリウム、ランタン、イットリウムなどの酸化物を許容する。高融点金属は、例えばタングステン、レニウムなどを許容する。電子放射性物質を含む高融点金属は、高融点金属に例えば0.3%から5%程度の電子放射性物質を混入させ焼結するなどして形成されたものである。
【0012】
電子放射性を含まない高融点金属は、上記のように純粋なタングステン、レニウムなどを許容するが、高温での強度をさらに高めるために、アルミニウム、シリコン、カリウムなどのドープ剤を添加したドープトタングステンなどを用いることもできる。
【0013】
ハロゲン化金属は、スカンジウムなどの希土類金属およびナトリウムなどのアルカリ金属の沃化物および臭化物を許容し、希ガスは、アルゴンガス、キセノンガスを許容する。他に所望により水銀などの金属、他のハロゲン化金属を封入することもできる。
【0014】
透光性放電容器は、その材質としては、石英ガラスなどの硬質ガラス、透光性セラミックなどを許容する。
【0015】
請求項1の発明によれば、交流点灯用メタルハライドランプは点灯時に下側に位置する電極に電子放射性物質を含む高融点金属を用いている。このような材質の電極を用いることによって、相対的に温度が低くても安定的に電子放射を行うことができる。相対的に温度が低くなっているため、電極材料の飛散が少なく、黒化が生じる虞が少ない。
【0016】
また、上側に位置する電極には電子放射性物質を含まない高融点金属を用いている。このような材質の電極を用いることによって、高温にさらされても比較的電極材料が飛散することが低減される。このとき、上側に位置する電極は高温状態にあるため熱電子の放射が容易であり、安定的に電子放射を行うことができるので立消えなどが生じる虞は少ない。
【0017】
これらの作用によって、高温にさらされる上側の電極の電極材料の飛散を低減させ、早期黒化を抑制するとともに、比較的低温となる下側の電極からの熱電子の放射を安定的にでき、立消え、ちらつきなどを抑制する交流点灯用メタルハライドランプを提供することができる。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1記載の交流点灯用メタルハライドランプであって、第1の電極は電子放射性物質を含む高融点金属にて形成される軸部および電子放射性物質を含まない高融点金属からなるコイル部を有し、第2の電極は電子放射性物質を含まない高融点金属にて形成される軸部およびコイル部を有している。
【0019】
請求項2の発明によれば、コイル部を有していることで電極の温度を低減させる作用があり、さらに早期黒化を抑制することができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2記載の交流点灯用メタルハライドランプであって、第2の電極の軸部の直径は第1の電極の軸部の直径よりも大である。
【0021】
請求項3の発明によれば、点灯時に上側に位置する電極の軸の直径を大きくすることにより、高温にさらされる上側の電極温度低減がなされ、電極材料の飛散をさらに抑制することができる。また、下側に位置する電極は温度が低減し過ぎないために、一定以上の温度が確保でき安定的に熱電子の放射を行うことができ立消えなどを低減することができる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の交流点灯用メタルハライドランプであって、第2の電極は、第1の電極よりも熱伝導性が大きいことを特徴とする。
【0023】
熱伝導性を大きくするとは、電極の先端部の温度が低減できるように電極を形成することである。その手段は、例えば電極の大きさを大きくする、電極が軸部およびコイル部で構成されるときには、コイルのターン数を増やす、軸部の先端からコイル部までの距離(電極先端距離)を短くするなどによって、電極の先端部の温度を低減させる方法などを用い得る。
【0024】
請求項4の発明によれば、点灯時に上側に位置する電極の熱伝導性を大きくすることにより、高温にさらされる上側電極の特に、電極軸の先端部の温度低減がなされ電極材料の飛散をさらに低減することができ早期黒化を抑制できる。また、下側に位置する電極の熱伝導性を小さくすることによって、下側電極の過度の温度低減を抑えることができ、一定以上の温度を確保して安定的に熱電子の放射を行うことができるため立消えなどを抑制することができる。
【0025】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか一記載の交流点灯用メタルハライドランプであって透光性放電容器の第2の電極が封止された封止部は、第1の電極が封止された封止部よりも熱伝導性が大きいことを特徴とする。
【0026】
封止部の熱伝導を大きくする手段としては、封止部の大きさを大きく形成する、封止部の形状を上側は円状に形成し、下側はV字に形成する、または、封止部の下側にアルミナなどの保温膜を塗布し保温性を向上することで下側の封止部の熱伝導性を小さくするなどの方法を用い得る。
【0027】
請求項5の発明によれば、封止部の熱伝導性を上側が大きく、下側を小さく形成することによって、上側封止部の放熱性を上げ、電極の先端部の温度をさらに低減させることができ、また、下側封止部の温度低減を緩和することによって、下側の電極の温度を所要の温度に保つことが可能となり、早期黒化を低減し、立消えも低減できる交流点灯用メタルハライドランプを提供できる。
【0028】
請求項6の発明の照明装置は、照明装置本体と;請求項1から5のいずれか一記載の交流点灯用メタルハライドランプと;交流点灯用メタルハライドランプを安定的に点灯させる高圧水銀灯適合安定器と;を具備している。
【0029】
本発明において、照明装置とはメタルハライドランプの発光を利用するあらゆる装置を含む概念である。たとえば、屋内用照明器具、屋外用照明器具そのほか、画像投射装置、光化学装置などに用いることができる。
【0030】
また、高圧水銀灯適合安定器は、入力電圧が商用電源の100Vまたは200Vで、二次電圧が定格200Vから220Vであり、交流電源およびメタルハライドランプの間に介在して、メタルハライドランプに定格電圧を印加し、安定的に点灯を行うものである。
【0031】
請求項6の発明によれば、高効率、高寿命の交流点灯用メタルハライドランプを安価で汎用的に利用されている高圧水銀灯用安定器にて点灯できる照明装置を提供できるため、トータルコストを低減することができる。
【0032】
【発明の実施形態】
本発明の実施形態を図1を参照を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の交流点灯用メタルハライドランプの一実施形態の正面図、図2は、同じく交流点灯用メタルハライドランプの発光管の拡大断面図、図3は、同じく交流点灯用メタルハライドランプの電極概略を拡大して示す断面図である。
【0034】
本実施形態は、定格電力250Wタイプの交流点灯用メタルハライドランプであり、口金を上側に垂直点灯を行うタイプのものである。
【0035】
図1において、1は発光管、2は外管、3は口金、4は下部支持体、5は上部支持体、6はパルス発生器である。
【0036】
発光管1は、石英ガラスからなる透光性放電容器1a、第2の電極7a、第1の電極7bがそれぞれ1対の封止部1b1、1b2で封止されて構成されている。なお、1cは発光管の排気チップ部、1dは補助電極をしめす。
【0037】
第2の電極7aは、点灯時に第1の電極7bの上側になるように配置されており、本実施形態では、口金に近い封止部1b1に第2の電極7aが、対向する位置にある封止部1b2に第1の電極7bがそれぞれ、モリブデン箔1e1、1e2、導入線1f1、1f2を備えて封止されている。また、補助電極1dは、第2の電極7aの近傍にモリブデン箔1e3、導入線1f3を備えて封止されている。また、封止部1b2には保温膜1gが塗布されている。
【0038】
透光性放電容器1a内部には、放電媒体として水銀、希ガスおよびハロゲン化金属が所定量封入されて、外部と気密性を保っている。
【0039】
外管2は、硬質ガラスからなり一対の導入線2a1、2a2を気密に導入しており、内部には、不活性ガスである窒素が封入されている。また、外管2はフッ素樹脂2bでコーティングされており、万一の落下に備えて外管2の飛散を抑制する。
【0040】
口金3は、E39型口金であり、外管2に固着され一対の導入線2a1、2a2が接続され、内部の発光管1およびパルス発生器6に通電を行う役割を担っている。
【0041】
上部支持体4は、発光管1の上部を支持するとともに第2の電極7aを電気的に接続するもので、枠形導体4aおよび金属バンド4bを備えている。枠形導体4aは導入線2a1と発光管1の上部導入線1f1を接続している。金属バンド4bは、封止部1b1を抱持することにより、発光管1の上側を支持するように枠形導体4aに溶接されている。
【0042】
下部支持体5は、発光管1の下部を支持するとともに第1の電極7bを電気的に接続するもので、枠形導体5a、金属バンド5bおよびスプリング片5cを備えている。枠形導体5aは導入線2a2を接続導体5eを介して、発光管1の下部導入線1f2と接続している。金属バンド5bは、封止部1b2を抱持することにより、発光管1の下側を支持するように枠形導体5aに溶接されている。スプリング片5cは、枠形導体5aに溶接され、先端が外管2の頂部内面に対して弾力的に当接して下部支持体5を外管2内の所定の位置に保持する。また、枠形導体5aにはゲッター5dが接続されており寿命中に発生する不純ガスの吸着に利用している。
【0043】
パルス発生器6は、熱応動スイッチ6a、点灯管6bおよび加熱抵抗6cを直列に備え、安定器と協働して高電圧パルスを発生させて発光管1の始動を行う。また、補助電極1dには、限流抵抗6dが接続されて始動の補助を行っている。
【0044】
第2の電極7a、第1の電極7bの概略は、図3に示すように電極軸部71a(b)、およびコイル部72a(b)から構成されている。第2の電極7aの電極軸部71a、コイル部72aおよび第1の電極7bのコイル部72bは、ドープトタングステンを用いている。ドープトタングステンは、タングステンに微量のアルミニウム、ケイ素およびカリウムなどを添加したもので、再結晶温度が高くなりノンザグ性にすぐれた効果を持つものである。また、第1の電極7bの電極軸部71bはトリエーテッドタングステンを用いている。ここでのトリエーテッドタングステンは、タングステンに電子放射性物質である酸化トリウムを1.7%含有したもので、熱電子の放射性に優れたものである。
【0045】
第2の電極7aおよび第1の電極7bの各コイル部72a、72bには、エミッタ剤が混入され発光管の始動性を向上させている。
【0046】
図3にしめす各電極の寸法は次のとおり。なお、電極の全長は、それぞれ12mm一定とし、電極の寸法以外の電極材質、発光管形状などは、全て同一とした。
【0047】
(実施例1)は、第2の電極7aと第1の電極7bは同一寸法である。なお、電極の材質は上記実施形態と同一仕様である。
第2の電極7aおよび第1の電極7b:
電極軸径(a)0.6mm、コイル線径(b)0.4mm、コイル部長(c)3.2mm、電極先端距離(d)2.0mm
【0048】
(実施例2)は、第2の電極7aは、第1の電極7bの電極より熱伝導性を大きくするため、第2の電極7aは第1の電極7bよりも大きな形状としている。なお、電極の材質は上記実施形態と同一仕様である。
第2の電極7a:
電極軸径(a)0.7mm、コイル線径(b)0.5mm、コイル部長(c)4.0mm、電極先端距離(d)2.0mm
第1の電極7b:
電極軸径(a)0.6mm、コイル線径(b)0.4mm、コイル部長(c)3.2mm、電極先端距離(d)2.0mm
【0049】
(実施例3)は、第2の電極7aは、第1の電極7bの電極より熱伝導性を実施例2と比較してさらに大きくするため、第2の電極7aは電極先端距離(d)を短く形成している。これは、電極先端距離(d)を短く形成することによって電極先端部とコイル部の距離を近づけることになり、コイルの放熱効果によって電極先端の温度を低減させるものである。なお、電極の材質は上記実施形態と同一仕様である。
第2の電極7a:
電極軸径(a)0.7mm、コイル線径(b)0.5mm、コイル部長(c)4.0mm、電極先端距離(d)1.0mm
第1の電極7b:
電極軸径(a)0.6mm、コイル線径(b)0.4mm、コイル部長(c)3.2mm、電極先端距離(d)2.0mm
【0050】
図4は、本発明の光束維持率特性を比較例のそれと対比して示したグラフである。
【0051】
なお、比較例1は上下の電極ともに電極軸の材質にトリエーテッドタングステンを用い、コイル部は、ドープトタングステンを用いている。比較例1の電極の寸法は、実施例1の電極の寸法と同一である。
【0052】
図4において、横軸は点灯時間(h)を、縦軸は光束維持率(%)をそれぞれ示す。曲線Bは実施例1、曲線Aは実施例2、曲線A’は実施例3、曲線Cは比較例1を示す。
【0053】
図4より、実施例1(曲線B)にあるように第2の電極軸にドープトタングステン、第1の電極軸にトリエーテッドタングステンを用いることによって、比較例1(曲線C)に対して上下の電極の電極軸をともにトリエーテッドタングステンを用いた場合よりも光束維持率特性を向上することができる。また、実施例2(曲線A)にあるように第2の電極の大きさを大きく形成することによって、さらに光束維持率特性が向上する。実施例3(曲線A’)にあるように第2の電極の電極先端距離を短く形成することによって、さらに光束維持率特性が向上する。
【0054】
これは、高温になりやすい上側に位置する電極の電極先端の温度が低減できたことによって、電極材料の飛散が抑制でき、ランプの黒化などを低減できたためである。
【0055】
また、図5は寿命初期でのランプの立消え特性を比較例のそれと対比して示したグラフである。
【0056】
立消え電圧とは、ランプを定格の電源電圧にて点灯を行い、安定点灯状態において、電源電圧を単位時間(1秒)あたり6V毎低減させていき、ランプが消灯する電源電圧を測定したものである。この立消え電圧が上昇すると電源電圧が正常であっても消灯してしまうという不具合となる。
【0057】
図5において横軸はランプ電圧(V)を縦軸は立消え電圧(V)をそれぞれ示す。直線Eは実施例1、実施例2、実施例3および比較例1、直線Dは、比較例2を示す。
【0058】
なお、比較例2は上下の電極ともに電極軸およびコイル部の材質にドープトタングステンを用いている。比較例2の電極の寸法は、実施例1の電極の寸法と同一である。
【0059】
図5より、実施例1、実施例2および実施例3(曲線E)にあるように第1の電極軸にドープトタングステン、第2の電極軸にトリエーテッドタングステンを用いることによって、比較例2(曲線D)にあるように上下の電極の電極軸にドープトタングステンを用いた場合よりも立消え電圧を低下させることができる。初期での立消え電圧を低下させることによって、寿命中のランプ電圧の上昇による立消えを抑制する効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、交流点灯用メタルハライドランプは点灯時に下側に位置する電極に電子放射性物質を含む高融点金属を用いている。このような材質の電極を用いることによって、温度が低くなっても安定的に電子放射をすることができる。また、上側に位置する電極には電子放射性物質を含まない高融点金属を用いている。このような材質の電極を用いることによって、高温にさらされても比較的電極材料が飛散することを低減できる。これらによって、高温にさらされる上側の電極の電極材料の飛散を低減させ比較的低温となる下側の電極からの電子放射を安定的にでき、早期黒化を抑制するとともに立消えなどを抑制した、交流点灯用メタルハライドランプを提供することができる。
【0061】
請求項2の発明によれば、コイル部を備えることで電極の温度を低減させる作用があり、さらに早期黒化を抑制することができる。
【0062】
請求項3の発明によれば、点灯時に上側に位置する電極の軸の直径を大きくすることにより、高温にさらされる上側の電極温度低減がなされ、電極材料の飛散をさらに抑制することができ、下側に位置する電極の過度の温度低減を抑えることもでき、安定的に電子放射を行うことができ立消えなどを低減することができる。
【0063】
請求項4の発明によれば、点灯時に上側に位置する電極の軸の直径を大きくすることにより、高温にさらされる上側の電極温度低減がなされ、電極材料の飛散をさらに抑制することができ、下側に位置する電極の温度低減を抑えることもでき、安定的に電子放射を行うことができ立消えなどを低減することができる。
【0064】
請求項5の発明によれば、封止部の熱伝導性を上側が大きく、下側を小さく形成することによって、封止部の上側の放熱性を上げ、電極の先端部の温度をさらに低減させることができ、封止部下側の温度を所要に保つことが可能となり、さらに早期黒化および立消えを抑制できる。
【0065】
請求項6の発明によれば、高効率、高寿命の交流点灯用メタルハライドランプを安価で汎用的に利用されている高圧水銀灯用安定器にて点灯できる照明装置を提供できるため、トータルコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す交流点灯用メタルハライドランプの正面図
【図2】同じく交流点灯用メタルハライドランプの発光管の拡大断面図。
【図3】同じく交流点灯用メタルハライドランプの電極の断面図。
【図4】同じく交流点灯用メタルハライドランプの光束維持率特性を示すグラフ
【図5】同じく交流点灯用メタルハライドランプの立消え特性を示すグラフ
【符号の説明】
1…発光管
2…外管
3…口金
6…パルス発生器
7a…第2の電極
7b…第1の電極
Claims (6)
- 電子放射性物質を含む高融点金属にて形成された第1の電極と;点灯時に第1の電極の上側に位置され、電子放射性物質を含まない高融点金属にて形成された第2の電極と;
第1の電極および第2の電極がそれぞれ気密に封止され内部に少なくともハロゲン化金属および希ガスが封入された透光性放電容器と;
を具備していることを特徴とする交流点灯用メタルハライドランプ。 - 第1の電極は電子放射性物質を含む高融点金属にて形成される軸部および電子放射性物質を含まない高融点金属からなるコイル部を有し、第2の電極は電子放射性物質を含まない高融点金属にて形成される軸部およびコイル部を有していることを特徴とする請求項1に記載の交流点灯用メタルハライドランプ。
- 第2の電極の軸部の直径は第1の電極の軸部の直径よりも大であることを特徴とする請求項2に記載の交流点灯用メタルハライドランプ。
- 第2の電極は、第1の電極よりも熱伝導性が大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の交流点灯用メタルハライドランプ。
- 透光性放電容器の第2の電極が封止された封止部は、第1の電極が封止された封止部よりも熱伝導性が大きいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の交流点灯用メタルハライドランプ。
- 照明装置本体と;
請求項1から5のいずれか一記載の交流点灯用メタルハライドランプと;
交流点灯用メタルハライドランプを安定的に点灯させる高圧水銀灯適合安定器と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
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