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JP2000243349A - メタルハライドランプ、放電ランプ点灯装置および照明装置 - Google Patents

メタルハライドランプ、放電ランプ点灯装置および照明装置

Info

Publication number
JP2000243349A
JP2000243349A JP11040317A JP4031799A JP2000243349A JP 2000243349 A JP2000243349 A JP 2000243349A JP 11040317 A JP11040317 A JP 11040317A JP 4031799 A JP4031799 A JP 4031799A JP 2000243349 A JP2000243349 A JP 2000243349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lamp
metal halide
halide lamp
lighting
lighting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11040317A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoya Matsumoto
直也 松本
Kazuo Takita
和雄 瀧田
Shinji Inukai
伸治 犬飼
Shinji Atago
慎司 愛宕
Hisanori Sano
久則 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP11040317A priority Critical patent/JP2000243349A/ja
Publication of JP2000243349A publication Critical patent/JP2000243349A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小形であってもランプ効率を所要の程度以上
に確保しながら、寿命を改善し、さらにはトータルコス
トを低減可能にできるメタルハライドランプ、これを用
いた放電ランプ点灯装置および照明装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも点灯中下側に位置する封止部
の径を放電空間の中央部の外径より小さく形成した透光
性放電容器の内部に、少なくともSc−Naを含む発光
金属のハロゲン化物を水銀および希ガスとともに封入
し、ハロゲンとしてIおよびBrをモル比(%)で1〜
50、好ましくは1〜30、最適には1〜20に割合で
含み、管壁負荷が10〜17W/cm、定格ランプ電
力が75〜125Wの発光管を具備しているメタルハラ
イドランプである。 ランプ効率が70lm/W以上、
光束維持率が80%以上で、水銀灯安定器適合形のメタ
ルハライドランプが得られる。 また、点灯3000時
間までタングステン電極の侵食は見られない。 さら
に、Naの消失を大幅に抑制して立ち消え電圧の上昇を
防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタルハライドラ
ンプ、これを用いた放電ランプ点灯装置および照明装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、高ランプ効率
で、しかも高演色であるという特徴を備えていて、広く
普及しているが、近年の省エネルギー指向の観点からさ
らなる高ランプ効率、長寿命への要求が大きくなってい
る。
【0003】ランプ電力100Wクラスの小形で、高ラ
ンプ効率、かつ高演色のメタルハライドランプが店舗な
どの低天井に多く用いられるようになってきている。
【0004】従来のこのクラスのランプは発光金属にD
yを用いてその連続発光を利用するように構成されてい
るものが主流であるが、ランプ力率が悪いため専用安定
器を用いて点灯するものが多く、ランプ効率は75lm
/W程度である。また、発光金属にSc−Naを用いて
いて平均演色評価数Raを80程度まで高めたものもあ
るが、これも専用安定器を用いる構成である。
【0005】小形のメタルハライドランプにおいてもト
ータルコストが低くて、ランプ効率が高く、かつ光束維
持率特性の良好なものが要求されている。
【0006】水銀灯安定器適合形に構成することによ
り、トータルコストを低減することができるが、そのた
めにはランプ力率をある程度高い値にする必要がある。
これは水銀灯安定器は二次電圧があまり高くないので、
寿命中のアークの立ち消えの問題が生じるからである。
この問題は、発光金属としてSc−Naを用いることに
より、再点弧電圧を低くして解決することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発光金属とし
てSc−Naを用いたメタルハライドランプは、石英ガ
ラス管の両端をそのままピンチシールした、いわゆるフ
ルプレスタイプであり、封止部が比較的大きいために、
最冷部温度が低くなる傾向にある。このため、発光金属
の蒸気圧が高くならないので、十分高いランプ効率を得
ることができない。特にランプ電力100Wクラスの小
形のメタルハライドランプにおいては、製造設備などの
関係で封止部の大きさを比例的に小さくできないため
に、ランプ効率がさらに低くなる。たとえば、現在市販
されている発光金属にSc−Naを用いた水銀灯安定器
適合形の100Wタイプにおいては、ランプ効率が70
lm/Wである。
【0008】また、発光金属にNaを用いているメタル
ハライドランプを点灯すると、外管内の金属枠などの金
属部分が発光管から放射される特に短波長の光で照射さ
れることによって光電子を放出し、この光電子が発光管
の外面に付着して発光管の外面が負電位に帯電する、い
わゆる光電子効果によってNaイオンが吸引されて発光
管内から消失する。このため、発光管内にフリーヨウ素
が増加してランプ電圧が上昇していき、ランプ力率が低
下していくために、立ち消え電圧が上昇して不点になる
という問題もある。
【0009】本発明は、小形であってもランプ効率を所
要の程度以上に確保しながら、寿命を改善したメタルハ
ライドランプ、これを用いた放電ランプ点灯装置および
照明装置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、トータルコストを低減し
た小形のメタルハライドランプ、これを用いた放電ラン
プ点灯装置および照明装置を提供することを他の目的と
する。
【0011】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明のメタル
ハライドランプは、長手方向の両端が一対の封止部で、
それらの間に放電空間部があり、少なくとも点灯中下側
に位置する封止部の放電空間部側の径が放電空間部の長
手方向の中央部の外径より小さく形成されている石英ガ
ラスからなる透光性放電容器、透光性放電容器の封止部
に封装されて放電空間部内に臨在する一対の電極、なら
びに透光性放電容器内に封入された発光金属のハロゲン
化物、水銀および希ガスを含み、発光金属は少なくとも
ScおよびNaを含み、ハロゲンはIおよびBrをモル
比R(%)が1≦R≦50の範囲になるように含んでい
るイオン化媒体を備え、管壁負荷G(W/cm2)が1
0≦G≦17で、定格ランプ電力が75〜125Wの発
光管を具備していることを特徴としている。
【0012】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0013】透光性放電容器は、石英ガラス管の両端を
ピンチシールにより封止するとともに、点灯中下側の封
止部の径を小さく整形した構造であることを許容する。
透光性放電容器をこのような構成にすることは、特開昭
57−53062号公報に開示されている。
【0014】また、透光性放電容器は、放電空間部の両
端部近傍の内径が中央部の内径より小さい構造であって
もよい。このようにすることにより、封止部の電極根本
周辺部径を放電空間部の中央部の外径より小さくするこ
とができるからである。この場合の放電空間部の形状と
しては、たとえば回転楕円体、紡錘形、回転菱形体など
の形状を含む。なお、回転菱形体とは、一対の円錐体の
底面を接合して一体化した基本形状を有している形状を
いう。
【0015】点灯中下に位置する封止部の径とは、封止
部の放電空間部に接合する部分すなわち基部の径をい
う。
【0016】さらに、少なくとも点灯中下になる封止部
は、他方の封止部との相対関係において下になることを
意味しており、発光管が鉛直になるように規制されるも
のではない。したがって、発光管が適当な角度傾斜した
状態で点灯されるのであってもよい。
【0017】一対の電極は、透光性放電容器両端の一対
の封止部に封装されて透光性放電容器の内部に臨在して
いて、電極の構造は、特に限定されないが、一般的には
タングステンの軸とその先端部に巻装されたタングステ
ンのコイルとによって構成される。
【0018】透光性放電容器の両端の封止部は、ピンチ
シールによる構造を採用することができる。ピンチシー
ル構造の封止部には、内部にモリブデン箔が気密に埋設
され、モリブデン箔の一端に電極の軸の基端が溶接さ
れ、他端には導入線が溶接される。
【0019】発光金属は、Sc−Na以外に他の金属を
副成分として含んでいてもよい。
【0020】ハロゲンのうちBrのモル比Rが1%未満
であると、光束維持率改善の効果が十分でない。また、
50%を超えていると、ランプ効率の低下が著しくな
る。
【0021】管壁負荷Gは、石英ガラス管の両端をピン
チシールなどにより封止した発光管の場合には、定格ラ
ンプ電力(W)を電極間距離の対向する部分の放電空間
部の内表面積(cm2)で除した値で近似的に求めるこ
とができる。すなわち、透光性放電容器の内径を2r
(cm)とし、電極間距離をd(cm)とし、定格ラン
プ電力をWL(W)とすれば、管壁負荷はWL/2πr
d(W/cm2)である。また、放電空間部が回転楕円
体、紡錘形、回転菱形など非円筒状の形状の場合には、
定格ランプ電力(W)を放電空間部の全内表面積(cm
2)で除した値とする。たとえば、放電空間部が回転楕
円体形状である場合、楕円内表面の長軸径を2a、短軸
径を2bとすると、管壁負荷は、回転楕円体の表面積を
求める数式を用いて下式により近似できる。
【0022】WL/{2π〔b2+〈a2b/(a2−
b2)1/2〉cos−1b/a〕} 発光管は、たとえば一般照明用として用いる場合のよう
に、必要に応じて外管内に収納することができる。この
場合、外管内は真空またはわずかな酸素分圧の真空に近
い雰囲気にすることができる。外管の一端または両端に
受電手段たとえば口金を装着することができる。なお、
口金が一端にのみ装着する片口金の場合、口金を点灯中
上にするか、下にするかは、専ら使用目的に応じて任意
に設定することができる。
【0023】外管内にパルス発生装置を配設することが
できる。この場合のパルス発生装置は、それ自体が高電
圧パルスを発生するのではなく、主としてスイッチング
手段を含み、そのスイッチングによって安定器に流れる
電流の急激な遮断を行い、安定器のインダクタンスから
高電圧パルスを発生させて、発光管の電極に印加して、
発光管内を絶縁破壊してメタルハライドランプを始動さ
せるように作用するものであることを許容する。
【0024】次に、本発明の作用について説明する。
【0025】本発明においては、発光金属としてSc−
Naを用いているので、再点弧電圧を低くして水銀灯安
定器適合形に構成しやすくなる。
【0026】また、透光性放電容器の点灯中下に位置す
る封止部の放電空間部側の径が放電空間部の中央部の外
径より小さくしたことにより、封止部の電極根本周辺部
側の断面積を小さくできる。これにより封止部の熱損失
が少なくなるので、最冷部の温度が上昇して発光金属ハ
ロゲン化物の蒸気圧が高くなり、ランプ効率が向上す
る。
【0027】封止部の大きさを小さくして封止部の熱損
失を少なくする点については、既述のように特開昭57
−53062号公報に記載されているが、これだけでは
発光金属ハロゲン化物が高い蒸気圧を示すとともに、発
光管が小形であるため、早期に光束維持率が悪化してし
まう。
【0028】本発明においては、さらにハロゲンとして
IおよびBrを前記の所定範囲の割合で封入することに
より、放電空間部内のハロゲンサイクルが活発化して光
束維持率が改善される。
【0029】従来、メタルハライドランプにおいて臭化
物は、管壁温度で安定であることが知られているが、ア
ーク内においても安定であり過ぎる傾向がある。このた
め、発光金属の蒸気圧を高くするのが困難となる。
【0030】また、Brは、タングステンの電極を侵食
することで知られている。
【0031】以上の理由から、メタルハライドランプに
おいては、実際上ハロゲンとしてBrは使用されていな
かった。(第7回瀬戸内海光源研究会「メタルハライド
ランプの封入物」参照)これに対して、本発明において
は、前記したようにBrの封入比を適正化するととも
に、管壁負荷を相対的に高い範囲に設定したことによ
り、従来とほぼ同様のランプ効率を得ることができる。
【0032】また、特筆すべきは電極のタングステンの
侵食についても、点灯3000時間まで観測されていな
い。その理由は詳でないが、Brのハロゲンサイクルが
活発な領域は約1000〜1500(K)であるとされ
ているのに対して、本発明においては点灯中下に位置す
る封止部の電極周辺部側の断面積が相対的に小さくなっ
ていることから、封止部の温度が上昇し、これに伴って
最冷部温度が上昇するとともに、さらに加えて管壁温度
が相対的に大きいために、温度分布が改善されたものと
考える。
【0033】そうして、本発明によれば、ランプ電力7
5W〜125Wにおいて、ランプ効率が70W/cm2
以上でありながら光束維持率特性を改善して点灯200
0時間で80%以上のメタルハライドランプを得ること
ができる。
【0034】また、本発明によれば、Brを封入するこ
とにより、Naの消失に対しても効果的で、立ち消え電
圧上昇を抑制することができる。
【0035】さらに、水銀灯安定器適合形として構成す
ることができるので、トータルコストを低減することが
できる。
【0036】請求項2の発明のメタルハライドランプ
は、請求項1記載のメタルハライドランプにおいて、B
rをモル比R(%)が1≦R≦30の範囲になるように
含んでいることを特徴としている。
【0037】Brのモル比について、請求項1では一般
的な発明の成立範囲を規定しているのに対して、本発明
はBrのより好ましい封入比範囲を規定している。
【0038】そうして、本発明によれば、ランプ効率が
85lm/W以上でありながら光束維持率を改善して点
灯2000時間で80%以上のメタルハライドランプを
得ることができる。
【0039】請求項3の発明のメタルハライドランプ
は、請求項1または2記載のメタルハライドランプにお
いて、Brをモル比R(%)が1≦R≦20の範囲にな
るように含んでいることを特徴としている。
【0040】本発明は、Brの最適な封入比範囲を規定
している。
【0041】そうして、本発明によれば、ランプ効率が
90lm/W以上でありながら光束維持率を改善して点
灯2000時間で80%以上のメタルハライドランプを
得ることができる。
【0042】請求項4の発明のメタルハライドランプ
は、石英ガラスからなる透光性放電容器、透光性放電容
器に封装された一対の電極、ならびに透光性放電容器内
に封入された少なくとも発光金属のハロゲン化物および
希ガスを含み、発光金属は少なくともNaを含み、ハロ
ゲンはIおよびBrを含んでいるイオン化媒体を備えた
発光管を具備していることを特徴としている。
【0043】イオン化媒体は、少なくとも発光金属とし
てNaのハロゲン化物および希ガスを含んでいる。
【0044】発光金属としては、少なくともNaは用い
るのに加えて、所要により希土類金属好ましくはScが
用いられる。
【0045】ハロゲンは、IおよびBrを適当な割合で
封入することができるが、好適にはBrをモル比で1〜
30%にする。
【0046】さらに好適には、水銀をバッファガスとし
てイオン化媒体に加える。
【0047】そうして、本発明においては、ハロゲンと
してBrをIと併用することにより、ハロゲンサイクル
が活発化して発光管内面付近におけるNa原子やNaイ
オンの存在確率が小さくなり、その結果Naの消失が防
止される。これにより、フリーハロゲンが低減し、ラン
プ電圧の上昇を抑制するとともに、ランプ力率の変化が
少なくなるので、長寿命化が図れる。
【0048】また、Brをモル比で1〜30%の割合と
することにより、上記の効果が十分に得られるととも
に、ランプ効率の低下をBrを封入しない場合の90%
以上に維持することができる。金属臭化物の蒸気圧は金
属ヨウ化物のそれより低いので、Brの封入割合が大き
い割にランプ効率の低下が少ない。
【0049】さらに、本発明の作用は、定格ランプ電力
の大小に関係なく得られる。しかし、特に400Wクラ
ス以下のメタルハライドランプに対して一層効果的であ
る。
【0050】請求項5の発明の放電ランプ点灯装置は、
請求項1ないし4のいずれか一記載のメタルハライドラ
ンプと;二次電圧が210Vまたは220Vで、定格電
圧が100Vまたは200Vであり、交流電源およびメ
タルハライドランプの間に直列に介在する安定器と;を
具備していることを特徴としている。
【0051】メタルハライドランプを水銀安定器適合形
に構成する場合には、これを点灯する安定器に水銀灯安
定器を用いる。したがって、高ランプ効率でありながら
長寿命の放電ランプ点灯装置を低いトータルコストで得
ることができる。
【0052】請求項6の発明の照明装置は、照明装置本
体と;照明装置本体にメタルハライドランプが支持され
た請求項5記載の放電ランプ点灯装置と;を具備してい
ることを特徴としている。
【0053】本発明において、「照明装置」とは、メタ
ルハライドランプの発光を何らかの目的で利用するあら
ゆる装置を含む概念であり、たとえば照明器具、移動体
用ヘッドライト、光ファイバー用光源装置、画像投射装
置、光化学装置などに用いることができる。なお、「照
明装置本体」とは、上記照明装置からメタルハライドラ
ンプを備えた放電ランプ点灯装置を除いた残余の部分を
いう。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0055】図1は、本発明のメタルハライドランプの
第1の実施形態における発光管を示す正面図である。
【0056】発光管1は、透光性放電容器1a、一対の
電極1b、図示しないイオン化媒体、モリブデン箔1c
および導入線1dを備えている。
【0057】透光性放電容器1aは、石英ガラスからな
り、放電空間部1a1および一対の封止部1a2、1a
2を備えている。
【0058】放電空間部1a1は、回転楕円体形状を備
えている。
【0059】一対の封止部1a2、1a2は、放電空間
部1a1の回転楕円体形状の長軸の両端に接合されてい
る。
【0060】一対の電極1bは、タングステンからな
り、軸1b1とその先端部に巻装されたコイル1b2と
を備えている。そして、軸1b1の基端がそれぞれ封止
部1a2内に埋設され、モリブデン箔1cに溶接されて
いる。
【0061】モリブデン箔1cは、封止部1a2内に気
密に埋設されている。
【0062】導入線1dは、モリブデン箔1cに先端が
溶接され、封止部1a2から外部に導出されている。
【0063】イオン化媒体は、発光金属のハロゲン化
物、希ガスおよび水銀からなる。
【0064】発光金属のハロゲン化物は、ScI3、N
aIおよびNaBrである。
【実施例1】定格ランプ電圧:100W 発光金属のハロゲン化物:ScI3=1.7mg、Na
I=8.3mg、NaBr(臭素比(モル%)を表1〜
3に示すように変化させた。) 希ガス:Ar=6666Pa 下側封止部の断面積:20mm2 管壁負荷:表1〜3に示すように変化させた。
【0065】ランプ効率:表1に示す(単位:lm/
W)。
【0066】光束維持率:点灯2000時間の結果を表
2に示す(単位:%)。
【0067】立ち消え電圧上昇値:表3に示す(単位:
V)。
【0068】
【表1】 Br比(%) 0 5 15 20 30 50 21W/cm2 90 98.1 95.3 93.0 91 89 17W/cm2 96.4 96 91.9 90 87 84.2 10W/cm2 94.4 93.3 90 88 85 70.2 7W/cm2 85.9 79.7 72.4 70
【0069】
【表2】 Br比(%) 0 1 15 20 30 50 21W/cm2 60 63.1 70.6 75.7 77 80 17W/cm2 73 80 85 90 90 91 10W/cm2 75 85 92 95 95 98 7W/cm2 80 88.4 98 98
【0070】
【表3】 Br比(%) 0 0.5 1 12 15 20 30 50 21W/cm2 6.85 7 3 1 1 0 1 -1.3 17W/cm2 5.73 5 1 2 0.55 0 1 0 10W/cm2 2 4 0 -1 1 -1 -1 0 7W/cm2 3 3 -1 -1 0 -1 図2は、本発明のメタルハライドランプの第1の実施形
態におけるBr比に対するランプ効率の変化を示すグラ
フである。
【0071】図3は、同じくBr比に対する光束維持率
の変化を示すグラフである。
【0072】図4は、同じくBr比に対する立ち消え電
圧上昇の変化を示すグラフである。
【0073】各図において、横軸はBr比(モル%)
を、縦軸は図2がランプ効率(lm/W)を、図3が光
束維持率(%)を、図4が立ち消え電圧上昇(V)を、
それぞれ示す。
【0074】なお、図2は表1のデータに基づいて、図
3は表2のデータに基づいて、図4は表3のデータに基
づいて、それぞれ作成したものである。また、図中曲線
Aは管壁負荷21W/cm2、曲線Bは管壁負荷17W
/cm2、曲線Cは管壁負荷10W/cm2、曲線Dは
管壁負荷7W/cm2の場合を、それぞれ示す。
【0075】また、立ち消え電圧は、毎秒6Vずつ印加
電圧を低下させて測定している。
【0076】各図から、管壁負荷10および17W/c
m2の場合に、Brが1ないし50%の範囲でランプ効
率、光束維持率および立ち消え電圧のいずれにおいても
効果的であることが分かる。
【0077】また、Brが1〜30%において、好まし
い効果が得られることが分かる。
【0078】さらに、Brが1〜20%の範囲におい
て、最適な効果が得られることが分かる。
【0079】図5は、本発明の第2の実施形態における
発光管を拡大して示す拡大正面図である。
【0080】図において、図1と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0081】本実施形態は、下側封止部1a3の断面積
を所定範囲に小さく整形しており、断面が円形をなして
いる。
【0082】また、下側封止部における電極1bの放電
空間部1a内への突出長を短く設定している。
【0083】そうして、下側封止部1a3を上記のよう
に構成していることにより、最冷部温度が上昇して発光
金属のハロゲン化物の蒸気圧が高くなり、ランプ効率が
向上する。そして、ハロゲンとしてIおよびBrを封入
したことにより、光束維持率が改善される。
【0084】図6は、本発明のメタルハライドランプの
第3の実施形態を示す正面図である。
【0085】図7は、同じく発光管を拡大して示す拡大
正面図である。
【0086】各図において、1は発光管、2は外管、3
は口金、4は下部支持構体、5は上部支持構体、6は接
続導体、7はパルス発生装置である。
【0087】発光管1は、透光性放電容器1a、一対の
電極1b、図示しないイオン化媒体、モリブデン箔1c
および導入線1dを備えている。
【0088】透光性放電容器1aは、石英ガラス管の両
端を封止して構成され、放電空間部1a1および一対の
封止部1a2、1a3を備えている。なお、1a11
は、排気チップオフ部である。
【0089】封止部1a2は、点灯中上側となり、放電
空間部1a1の上端部が半球状をなすようにピンチシー
ルにより形成されている。すなわち、放電空間部1a1
の内径を2rとし、半球状部分の深さをlとしたとき、
r=lになっている。
【0090】封止部1a3は、点灯中下側に位置し、放
電空間部1a1の下端部が切頭円錐形状をなすようにピ
ンチシールにより形成されている。そして、切頭円錐形
状の開角が70゜に設定されている。
【0091】一対の電極1bは、タングステンからな
り、軸1b1とその先端部に巻装されたコイル1b2と
を備えている。そして、軸1b1の基端がそれぞれ封止
部1a2、1a3内に埋設され、モリブデン箔1cに溶
接されている。
【0092】モリブデン箔1cは、封止部1a2、1a
3内に気密に埋設されている。
【0093】導入線1dは、モリブデン箔1cに先端が
溶接され、封止部1a2、1a3から外部に導出されて
いる。
【0094】イオン化媒体は、少なくともNaを含む発
光金属のハロゲン化物、希ガスおよび水銀からなる。ハ
ロゲンは、IおよびBrである。
【0095】外管2は、硬質ガラスからなり、ネック部
にフレアステム2aを封着して備えている。フレアステ
ム2aは、一対の導入線2a1、2a2を気密に導入し
ている。
【0096】口金3は、E26形口金であり、外管2の
ネック部2aに固着され、一対の導入線2a1、2a2
の一方がシェル部に、他方がセンターコンタクトに、そ
れぞれ接続している。
【0097】下部支持構体4は、発光管1の下部を支持
するとともに、下側の電極1bに電気的に接続するもの
で、枠形導体4aおよび金属バンド4bを備えている。
【0098】枠形導体4aは、導入線2a1に溶接され
ている。発光管1の下部の導入線1dは、枠形導体4a
に溶接されている。
【0099】金属バンド4bは、封止部1a3を抱持す
ることにより、発光管1の下側を支持するとともに、枠
形導体4aに溶接されている。
【0100】上部支持構体5は、枠形導体5a、金属バ
ンド5bおよびスプリング片5cを備えている。
【0101】金属バンド5bは、封止部1a2を抱持す
ることにより、発光管1の上側を支持するとともに、枠
形導体5aに溶接されている。
【0102】スプリング片5cは、基端が枠形導体5a
に溶接され、先端が外管2の頂部内面に対して弾力的に
当接して上部支持構体5を外管2内の所定の位置に保持
する。
【0103】発光管1の上部の導入線1dは、枠形導体
5aに溶接されている。
【0104】接続導体6は、下端が導入線2a2に溶接
され、中間が外管2の内面側に沿って湾曲して延在する
とともに、上端が上部支持構体5の枠形導体5aに溶接
されている。
【0105】パルス発生装置7は、バイメタル接点7a
および点灯管7bを直列に備え、始動時にのみ作動して
図示しない安定器と協働して高電圧パルスを発生して、
発光管1に印加する。
【0106】バイメタル接点7aは、図示の部分がセラ
ミックス基板であり、この基板の背面に装着されてい
る。
【0107】図8は、本発明のメタルハライドランプの
第2の実施形態における点灯時間に対する立ち消え電圧
の変化を比較例のそれとともに示すグラフである。
【0108】図9は、同じく点灯時間に対するランプ力
率の変化を比較例のそれとともに示すグラフである。
【0109】各図において、横軸は点灯時間(h)を、
縦軸は図8が立ち消え電圧(V)を、図9がランプ力率
(%)を、それぞれ示す。
【0110】図中、曲線Eは本実施形態、曲線Fは比較
例である。なお、比較例は、ハロゲンがIのみである以
外は同一仕様のメタルハライドランプである。
【0111】本発明によれば、Brを含むことにより、
寿命中の立ち消え電圧の上昇が少なくて、ランプ力率の
変化が少ないことが各図から理解できる。
【実施例2】定格ランプ電力:400W 金属ハロゲン化物:ScI3+NaI=30mg、Na
Br=2.7mg Br/(I+Br)=0.114 電極間距離:36mm 発光管内径:20mm 図10は、実施例2を含み、さらにBrの比率を変化さ
せたときのランプ効率の変化を示すグラフである。
【0112】図において、横軸はBr/(I+Br)
を、縦軸はランプ効率(相対値)を、それぞれ示す。
【0113】図から理解できるように、Brの封入比率
が増加するにしたがってランプ効率が低下するが、Br
/(I+Br)が0.3以下であれば、Brを封入しな
いときの90%以上を確保できる。
【0114】図11は、実施例2を含み、さらにBrの
比率の異なるメタルハライドランプについて点灯時間に
対する立ち消え電圧の変化を比較例のそれとともに示す
グラフである。
【0115】図12は、同じく点灯時間に対するランプ
力率の変化を比較例のそれとともに示すグラフである。
【0116】各図において、横軸は点灯時間(h)を、
縦軸は図11が立ち消え電圧(V)を、図12がランプ
力率(%)を、それぞれ示す。なお、比較例は、Iのみ
でBrを封入していない以外同一仕様のメタルハライド
ランプである。
【0117】図中、曲線GはBr/(I+Br)が0.
01、曲線Hは同じく0.04、曲線Iは同じく0.1
1、曲線Jは同じく0.14、曲線Kは比較例である。
【0118】Brを封入したことにより、立ち消え電圧
上昇が少なくなり、また封入比率が大きいほど立ち消え
電圧上昇が少ないことが分かる。
【0119】同様に、Brを封入したことにより、ラン
プ力率の変化が少なくなり、また封入比率が大きいほど
変化が少ない。
【0120】図13は、本発明の放電ランプ点灯装置の
一実施形態を示す回路図である。
【0121】図において、図6同一部分については同一
符号を付して説明は省略する。また、図中、11は交流
電源、12は水銀灯用安定器、13はメタルハライドラ
ンプである。
【0122】交流電源11は、商用200V電源であ
る。
【0123】水銀灯用安定器12は、チョークコイル1
2aおよび力率改善用コンデンサ12bから構成されて
いる。
【0124】チョークコイル12aは、交流電源11に
対して、限流インピーダンスとしてメタルハライドラン
プ13と直列に接続される。
【0125】力率改善用コンデンサ12bは、交流電源
11に対して、チョークコイル12aおよびメタルハラ
イドランプ13の直列回路と並列に接続されて、そこを
流れる進相電流によって遅相の始動電流を相殺して低始
動電流化を図る。
【0126】メタルハライドランプ13は、本発明の各
実施形態のものを用いる。
【0127】図14は、本発明の照明装置の一実施形態
としてのダウンライトを示す断面図である。
【0128】図において、21はダウンライト本体、2
2はランプソケット、23はメタルハライドランプであ
る。
【0129】ダウン来と本体21は、枠体21aおよび
反射板21bを備えている。
【0130】枠体21aは、天井に装着される。
【0131】反射板21bは、枠体21a内に着脱可能
に装着される。
【0132】ランプソケット22は、枠体21aに装着
される。
【0133】メタルハライドランプ23は、本発明の各
実施形態のものを用いる。
【0134】
【発明の効果】請求項1ないし3の各発明によれば、点
灯中下側に位置する封止部の径を放電空間部の中央部の
外径より小さくした透光性放電容器の放電空間部に発光
金属としてSc−Naを含み、ハロゲンとしてIおよび
Brをモル比(%)で1〜50になるように含んでいる
とともに、管壁負荷が10〜17W/cm2で、ランプ
電力が75〜125Wの発光管を具備していることによ
り、ランプ効率が高く、しかも光束維持特性が優れると
ともに、水銀灯安定器適合形にしてトータルコストの低
減を図ることが可能になるランプ電力が100Wクラス
のメタルハライドランプを提供することができる。
【0135】請求項2の発明によれば、加えてBrのモ
ル比(%)が1〜30であることにより、ランプ効率が
85lm/W以上、光束維持率が点灯2000時間で8
0%以上のメタルハライドランプを提供することができ
る。
【0136】請求項3の発明によれば、加えてBrのモ
ル比(%)が1〜20であることにより、ランプ効率が
90lm/W以上、点灯2000時間の光束維持率80
%以上のメタルハライドランプを提供することができ
る。
【0137】請求項4の発明によれば、発光金属として
Naを含み、ハロゲンとしてIおよびBrを封入するこ
とにより、Naの消失が抑制されて、立ち消え電圧の上
昇およびランプ力率の変化が少なくて長寿命化を図った
メタルハライドランプを提供することができる。
【0138】請求項5の発明によれば、二次電圧が21
0VまたH220Vで、定格電圧が100Vまたは20
0Vの安定器を具備していることにより、水銀灯安定器
で点灯可能なコストの低い放電ランプ点灯装置を提供す
ることができる。
【0139】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
4の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルハライドランプの第1の実施形
態における発光管を拡大してを示す拡大正面図
【図2】本発明のメタルハライドランプの第1の実施形
態におけるBr比に対するランプ効率の変化を示すグラ
【図3】同じくBr比に対する光束維持率の変化を示す
グラフ
【図4】同じくBr比に対する立ち消え電圧上昇の変化
を示すグラフ
【図5】本発明の第2の実施形態における発光管を拡大
して示す拡大正面図
【図6】本発明のメタルハライドランプの第3の実施形
態を示す正面図
【図7】同じく発光管を拡大して示す拡大正面図
【図8】本発明のメタルハライドランプの第2の実施形
態における点灯時間に対する立ち消え電圧の変化を比較
例のそれとともに示すグラフ
【図9】同じく点灯時間に対するランプ力率の変化を比
較例のそれとともに示すグラフ
【図10】実施例2を含み、さらにBrの比率を変化さ
せたときのランプ効率の変化を示すグラフ
【図11】実施例2を含み、さらにBrの比率の異なる
メタルハライドランプについて点灯時間に対する立ち消
え電圧の変化を比較例のそれとともに示すグラフ
【図12】同じく点灯時間に対するランプ力率の変化を
比較例のそれとともに示すグラフ
【図13】本発明の放電ランプ点灯装置の一実施形態を
示す回路図
【図14】本発明の照明装置の一実施形態としてのダウ
ンライトを示す断面図
【符号の説明】
1…発光管 1a…透光性放電容器 1a1…放電空間部 1a2…封止部 1b…電極 1b1…軸 1b2…コイル 1c…モリブデン箔 1d…導入線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月11日(1999.3.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【書類名】 明細書
【発明の名称】メタルハライドランプ、放電ランプ点灯
装置および照明装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタルハライドラ
ンプ、これを用いた放電ランプ点灯装置および照明装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、高ランプ効率
で、しかも高演色であるという特徴を備えていて、広く
普及しているが、近年の省エネルギー指向の観点からさ
らなる高ランプ効率、長寿命への要求が大きくなってい
る。
【0003】ランプ電力100Wクラスの小形で、高ラ
ンプ効率、かつ高演色のメタルハライドランプが店舗な
どの低天井に多く用いられるようになってきている。
【0004】従来のこのクラスのランプは発光金属にD
yを用いてその連続発光を利用するように構成されてい
るものが主流であるが、ランプ力率が悪いため専用安定
器を用いて点灯するものが多く、ランプ効率は75lm
/W程度である。また、発光金属にSc−Naを用いて
いて平均演色評価数Raを80程度まで高めたものもあ
るが、これも専用安定器を用いる構成である。
【0005】小形のメタルハライドランプにおいてもト
ータルコストが低くて、ランプ効率が高く、かつ光束維
持率特性の良好なものが要求されている。
【0006】水銀灯安定器適合形に構成することによ
り、トータルコストを低減することができるが、そのた
めにはランプ力率をある程度高い値にする必要がある。
これは水銀灯安定器は二次電圧があまり高くないので、
寿命中のアークの立ち消えの問題が生じるからである。
この問題は、発光金属としてSc−Naを用いることに
より、再点弧電圧を低くして解決することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発光金属とし
てSc−Naを用いたメタルハライドランプは、石英ガ
ラス管の両端をそのままピンチシールした、いわゆるフ
ルプレスタイプであり、封止部が比較的大きいために、
最冷部温度が低くなる傾向にある。このため、発光金属
の蒸気圧が高くならないので、十分高いランプ効率を得
ることができない。特にランプ電力100Wクラスの小
形のメタルハライドランプにおいては、製造設備などの
関係で封止部の大きさを比例的に小さくできないため
に、ランプ効率がさらに低くなる。たとえば、現在市販
されている発光金属にSc−Naを用いた水銀灯安定器
適合形の100Wタイプにおいては、ランプ効率が70
lm/Wである。
【0008】また、発光金属にNaを用いているメタル
ハライドランプを点灯すると、外管内の金属枠などの金
属部分が発光管から放射される特に短波長の光で照射さ
れることによって光電子を放出し、この光電子が発光管
の外面に付着して発光管の外面が負電位に帯電する、い
わゆる光電子効果によってNaイオンが吸引されて発光
管内から消失する。このため、発光管内にフリーヨウ素
が増加してランプ電圧が上昇していき、ランプ力率が低
下していくために、立ち消え電圧が上昇して不点になる
という問題もある。
【0009】本発明は、小形であってもランプ効率を所
要の程度以上に確保しながら、寿命を改善したメタルハ
ライドランプ、これを用いた放電ランプ点灯装置および
照明装置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、トータルコストを低減し
た小形のメタルハライドランプ、これを用いた放電ラン
プ点灯装置および照明装置を提供することを他の目的と
する。
【0011】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明のメタル
ハライドランプは、長手方向の両端が一対の封止部で、
それらの間に放電空間部があり、少なくとも点灯中下側
に位置する封止部の放電空間部側の径が放電空間部の長
手方向の中央部の外径より小さく形成されている石英ガ
ラスからなる透光性放電容器、透光性放電容器の封止部
に封装されて放電空間部内に臨在する一対の電極、なら
びに透光性放電容器内に封入された発光金属のハロゲン
化物、水銀および希ガスを含み、発光金属は少なくとも
ScおよびNaを含み、ハロゲンはIおよびBrをモル
比R(%)が1≦R≦50の範囲になるように含んでい
るイオン化媒体を備え、管壁負荷G(W/cm)が1
0≦G≦17で、定格ランプ電力が75〜125Wの発
光管を具備していることを特徴としている。
【0012】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0013】透光性放電容器は、石英ガラス管の両端を
ピンチシールにより封止するとともに、点灯中下側の封
止部の径を小さく整形した構造であることを許容する。
透光性放電容器をこのような構成にすることは、特開昭
57−53062号公報に開示されている。
【0014】また、透光性放電容器は、放電空間部の両
端部近傍の内径が中央部の内径より小さい構造であって
もよい。このようにすることにより、封止部の電極根本
周辺部径を放電空間部の中央部の外径より小さくするこ
とができるからである。この場合の放電空間部の形状と
しては、たとえば回転楕円体、紡錘形、回転菱形体など
の形状を含む。なお、回転菱形体とは、一対の円錐体の
底面を接合して一体化した基本形状を有している形状を
いう。
【0015】点灯中下に位置する封止部の径とは、封止
部の放電空間部に接合する部分すなわち基部の径をい
う。
【0016】さらに、少なくとも点灯中下になる封止部
は、他方の封止部との相対関係において下になることを
意味しており、発光管が鉛直になるように規制されるも
のではない。したがって、発光管が適当な角度傾斜した
状態で点灯されるのであってもよい。
【0017】一対の電極は、透光性放電容器両端の一対
の封止部に封装されて透光性放電容器の内部に臨在して
いて、電極の構造は、特に限定されないが、一般的には
タングステンの軸とその先端部に巻装されたタングステ
ンのコイルとによって構成される。
【0018】透光性放電容器の両端の封止部は、ピンチ
シールによる構造を採用することができる。ピンチシー
ル構造の封止部には、内部にモリブデン箔が気密に埋設
され、モリブデン箔の一端に電極の軸の基端が溶接さ
れ、他端には導入線が溶接される。
【0019】発光金属は、Sc−Na以外に他の金属を
副成分として含んでいてもよい。
【0020】ハロゲンのうちBrのモル比Rが1%未満
であると、光束維持率改善の効果が十分でない。また、
50%を超えていると、ランプ効率の低下が著しくな
る。
【0021】管壁負荷Gは、石英ガラス管の両端をピン
チシールなどにより封止した発光管の場合には、定格ラ
ンプ電力(W)を電極間距離の対向する部分の放電空間
部の内表面積(cm)で除した値で近似的に求めるこ
とができる。すなわち、透光性放電容器の内径を2r
(cm)とし、電極間距離をd(cm)とし、定格ラン
プ電力をWL(W)とすれば、管壁負荷はWL/2πr
d(W/cm)である。また、放電空間部が回転楕円
体、紡錘形、回転菱形など非円筒状の形状の場合には、
定格ランプ電力(W)を放電空間部の全内表面積(cm
)で除した値とする。たとえば、放電空間部が回転楕
円体形状である場合、楕円内表面の長軸径を2a、短軸
径を2bとすると、管壁負荷は、回転楕円体の表面積を
求める数式を用いて下式により近似できる。
【0022】WL/{2π〔b+〈ab/(a
1/2〉cos−1b/a〕} 発光管は、たとえば一般照明用として用いる場合のよう
に、必要に応じて外管内に収納することができる。この
場合、外管内は真空またはわずかな酸素分圧の真空に近
い雰囲気にすることができる。外管の一端または両端に
受電手段たとえば口金を装着することができる。なお、
口金が一端にのみ装着する片口金の場合、口金を点灯中
上にするか、下にするかは、専ら使用目的に応じて任意
に設定することができる。
【0023】外管内にパルス発生装置を配設することが
できる。この場合のパルス発生装置は、それ自体が高電
圧パルスを発生するのではなく、主としてスイッチング
手段を含み、そのスイッチングによって安定器に流れる
電流の急激な遮断を行い、安定器のインダクタンスから
高電圧パルスを発生させて、発光管の電極に印加して、
発光管内を絶縁破壊してメタルハライドランプを始動さ
せるように作用するものであることを許容する。
【0024】次に、本発明の作用について説明する。
【0025】本発明においては、発光金属としてSc−
Naを用いているので、再点弧電圧を低くして水銀灯安
定器適合形に構成しやすくなる。
【0026】また、透光性放電容器の点灯中下に位置す
る封止部の放電空間部側の径が放電空間部の中央部の外
径より小さくしたことにより、封止部の電極根本周辺部
側の断面積を小さくできる。これにより封止部の熱損失
が少なくなるので、最冷部の温度が上昇して発光金属ハ
ロゲン化物の蒸気圧が高くなり、ランプ効率が向上す
る。
【0027】封止部の大きさを小さくして封止部の熱損
失を少なくする点については、既述のように特開昭57
−53062号公報に記載されているが、これだけでは
発光金属ハロゲン化物が高い蒸気圧を示すとともに、発
光管が小形であるため、早期に光束維持率が悪化してし
まう。
【0028】本発明においては、さらにハロゲンとして
IおよびBrを前記の所定範囲の割合で封入することに
より、放電空間部内のハロゲンサイクルが活発化して光
束維持率が改善される。
【0029】従来、メタルハライドランプにおいて臭化
物は、管壁温度で安定であることが知られているが、ア
ーク内においても安定であり過ぎる傾向がある。このた
め、発光金属の蒸気圧を高くするのが困難となる。
【0030】また、Brは、タングステンの電極を侵食
することで知られている。
【0031】以上の理由から、メタルハライドランプに
おいては、実際上ハロゲンとしてBrは使用されていな
かった。(第7回瀬戸内海光源研究会「メタルハライド
ランプの封入物」参照)これに対して、本発明において
は、前記したようにBrの封入比を適正化するととも
に、管壁負荷を相対的に高い範囲に設定したことによ
り、従来とほぼ同様のランプ効率を得ることができる。
【0032】また、特筆すべきは電極のタングステンの
侵食についても、点灯3000時間まで観測されていな
い。その理由は詳でないが、Brのハロゲンサイクルが
活発な領域は約1000〜1500(K)であるとされ
ているのに対して、本発明においては点灯中下に位置す
る封止部の電極周辺部側の断面積が相対的に小さくなっ
ていることから、封止部の温度が上昇し、これに伴って
最冷部温度が上昇するとともに、さらに加えて管壁温度
が相対的に大きいために、温度分布が改善されたものと
考える。
【0033】そうして、本発明によれば、ランプ電力7
5W〜125Wにおいて、ランプ効率が70W/cm
以上でありながら光束維持率特性を改善して点灯200
0時間で80%以上のメタルハライドランプを得ること
ができる。
【0034】また、本発明によれば、Brを封入するこ
とにより、Naの消失に対しても効果的で、立ち消え電
圧上昇を抑制することができる。
【0035】さらに、水銀灯安定器適合形として構成す
ることができるので、トータルコストを低減することが
できる。
【0036】請求項2の発明のメタルハライドランプ
は、請求項1記載のメタルハライドランプにおいて、B
rをモル比R(%)が1≦R≦30の範囲になるように
含んでいることを特徴としている。
【0037】Brのモル比について、請求項1では一般
的な発明の成立範囲を規定しているのに対して、本発明
はBrのより好ましい封入比範囲を規定している。
【0038】そうして、本発明によれば、ランプ効率が
85lm/W以上でありながら光束維持率を改善して点
灯2000時間で80%以上のメタルハライドランプを
得ることができる。
【0039】請求項3の発明のメタルハライドランプ
は、請求項1または2記載のメタルハライドランプにお
いて、Brをモル比R(%)が1≦R≦20の範囲にな
るように含んでいることを特徴としている。
【0040】本発明は、Brの最適な封入比範囲を規定
している。
【0041】そうして、本発明によれば、ランプ効率が
90lm/W以上でありながら光束維持率を改善して点
灯2000時間で80%以上のメタルハライドランプを
得ることができる。
【0042】請求項4の発明のメタルハライドランプ
は、石英ガラスからなる透光性放電容器、透光性放電容
器に封装された一対の電極、ならびに透光性放電容器内
に封入された少なくとも発光金属のハロゲン化物および
希ガスを含み、発光金属は少なくともNaを含み、ハロ
ゲンはIおよびBrを含んでいるイオン化媒体を備えた
発光管を具備していることを特徴としている。
【0043】イオン化媒体は、少なくとも発光金属とし
てNaのハロゲン化物および希ガスを含んでいる。
【0044】発光金属としては、少なくともNaは用い
るのに加えて、所要により希土類金属好ましくはScが
用いられる。
【0045】ハロゲンは、IおよびBrを適当な割合で
封入することができるが、好適にはBrをモル比で1〜
30%にする。
【0046】さらに好適には、水銀をバッファガスとし
てイオン化媒体に加える。
【0047】そうして、本発明においては、ハロゲンと
してBrをIと併用することにより、ハロゲンサイクル
が活発化して発光管内面付近におけるNa原子やNaイ
オンの存在確率が小さくなり、その結果Naの消失が防
止される。これにより、フリーハロゲンが低減し、ラン
プ電圧の上昇を抑制するとともに、ランプ力率の変化が
少なくなるので、長寿命化が図れる。
【0048】また、Brをモル比で1〜30%の割合と
することにより、上記の効果が十分に得られるととも
に、ランプ効率の低下をBrを封入しない場合の90%
以上に維持することができる。金属臭化物の蒸気圧は金
属ヨウ化物のそれより低いので、Brの封入割合が大き
い割にランプ効率の低下が少ない。
【0049】さらに、本発明の作用は、定格ランプ電力
の大小に関係なく得られる。しかし、特に400Wクラ
ス以下のメタルハライドランプに対して一層効果的であ
る。
【0050】請求項5の発明の放電ランプ点灯装置は、
請求項1ないし4のいずれか一記載のメタルハライドラ
ンプと;二次電圧が210Vまたは220Vで、定格電
圧が100Vまたは200Vであり、交流電源およびメ
タルハライドランプの間に直列に介在する安定器と;を
具備していることを特徴としている。
【0051】メタルハライドランプを水銀安定器適合形
に構成する場合には、これを点灯する安定器に水銀灯安
定器を用いる。したがって、高ランプ効率でありながら
長寿命の放電ランプ点灯装置を低いトータルコストで得
ることができる。
【0052】請求項6の発明の照明装置は、照明装置本
体と;照明装置本体にメタルハライドランプが支持され
た請求項5記載の放電ランプ点灯装置と;を具備してい
ることを特徴としている。
【0053】本発明において、「照明装置」とは、メタ
ルハライドランプの発光を何らかの目的で利用するあら
ゆる装置を含む概念であり、たとえば照明器具、移動体
用ヘッドライト、光ファイバー用光源装置、画像投射装
置、光化学装置などに用いることができる。なお、「照
明装置本体」とは、上記照明装置からメタルハライドラ
ンプを備えた放電ランプ点灯装置を除いた残余の部分を
いう。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0055】図1は、本発明のメタルハライドランプの
第1の実施形態における発光管を示す正面図である。
【0056】発光管1は、透光性放電容器1a、一対の
電極1b、図示しないイオン化媒体、モリブデン箔1c
および導入線1dを備えている。
【0057】透光性放電容器1aは、石英ガラスからな
り、放電空間部1a1および一対の封止部1a2、1a
2を備えている。
【0058】放電空間部1a1は、回転楕円体形状を備
えている。
【0059】一対の封止部1a2、1a2は、放電空間
部1a1の回転楕円体形状の長軸の両端に接合されてい
る。
【0060】一対の電極1bは、タングステンからな
り、軸1b1とその先端部に巻装されたコイル1b2と
を備えている。そして、軸1b1の基端がそれぞれ封止
部1a2内に埋設され、モリブデン箔1cに溶接されて
いる。
【0061】モリブデン箔1cは、封止部1a2内に気
密に埋設されている。
【0062】導入線1dは、モリブデン箔1cに先端が
溶接され、封止部1a2から外部に導出されている。
【0063】イオン化媒体は、発光金属のハロゲン化
物、希ガスおよび水銀からなる。
【0064】発光金属のハロゲン化物は、ScI、N
aIおよびNaBrである。
【実施例1】定格ランプ電圧:100W 発光金属のハロゲン化物:ScI=1.7mg、Na
I=8.3mg、NaBr(臭素比(モル%)を表1〜
3に示すように変化させた。) 希ガス:Ar=6666Pa 下側封止部の断面積:20mm 管壁負荷:表1〜3に示すように変化させた。
【0065】ランプ効率:表1に示す(単位:lm/
W)。
【0066】光束維持率:点灯2000時間の結果を表
2に示す(単位:%)。
【0067】立ち消え電圧上昇値:表3に示す(単位:
V)。
【0068】
【表1】 Br比(%) 0 5 15 20 30 50 21W/cm 90 98.1 95.3 93.0 91 89 17W/cm 96.4 96 91.9 90 87 84.2 10W/cm 94.4 93.3 90 88 85 70.2 7W/cm 85.9 79.7 72.4 70
【0069】
【表2】 Br比(%) 0 1 15 20 30 50 21W/cm 60 63.1 70.6 75.7 77 80 17W/cm 73 80 85 90 90 91 10W/cm 75 85 92 95 95 98 7W/cm 80 88.4 98 98
【0070】
【表3】 Br比(%) 0 0.5 1 12 15 20 30 50 21W/cm 6.85 7 3 1 1 0 1 -1.3 17W/cm 5.73 5 1 2 0.55 0 1 0 10W/cm 2 4 0 -1 1 -1 -1 0 7W/cm 3 3 -1 -1 0 -1 図2は、本発明のメタルハライドランプの第1の実施形
態におけるBr比に対するランプ効率の変化を示すグラ
フである。
【0071】図3は、同じくBr比に対する光束維持率
の変化を示すグラフである。
【0072】図4は、同じくBr比に対する立ち消え電
圧上昇の変化を示すグラフである。
【0073】各図において、横軸はBr比(モル%)
を、縦軸は図2がランプ効率(lm/W)を、図3が光
束維持率(%)を、図4が立ち消え電圧上昇(V)を、
それぞれ示す。
【0074】なお、図2は表1のデータに基づいて、図
3は表2のデータに基づいて、図4は表3のデータに基
づいて、それぞれ作成したものである。また、図中曲線
Aは管壁負荷21W/cm、曲線Bは管壁負荷17W
/cm、曲線Cは管壁負荷10W/cm、曲線Dは
管壁負荷7W/cmの場合を、それぞれ示す。
【0075】また、立ち消え電圧は、毎秒6Vずつ印加
電圧を低下させて測定している。
【0076】各図から、管壁負荷10および17W/c
の場合に、Brが1ないし50%の範囲でランプ効
率、光束維持率および立ち消え電圧のいずれにおいても
効果的であることが分かる。
【0077】また、Brが1〜30%において、好まし
い効果が得られることが分かる。
【0078】さらに、Brが1〜20%の範囲におい
て、最適な効果が得られることが分かる。
【0079】図5は、本発明の第2の実施形態における
発光管を拡大して示す拡大正面図である。
【0080】図において、図1と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0081】本実施形態は、下側封止部1a3の断面積
を所定範囲に小さく整形しており、断面が円形をなして
いる。
【0082】また、下側封止部における電極1bの放電
空間部1a内への突出長を短く設定している。
【0083】そうして、下側封止部1a3を上記のよう
に構成していることにより、最冷部温度が上昇して発光
金属のハロゲン化物の蒸気圧が高くなり、ランプ効率が
向上する。そして、ハロゲンとしてIおよびBrを封入
したことにより、光束維持率が改善される。
【0084】図6は、本発明のメタルハライドランプの
第3の実施形態を示す正面図である。
【0085】図7は、同じく発光管を拡大して示す拡大
正面図である。
【0086】各図において、1は発光管、2は外管、3
は口金、4は下部支持構体、5は上部支持構体、6は接
続導体、7はパルス発生装置である。
【0087】発光管1は、透光性放電容器1a、一対の
電極1b、図示しないイオン化媒体、モリブデン箔1c
および導入線1dを備えている。
【0088】透光性放電容器1aは、石英ガラス管の両
端を封止して構成され、放電空間部1a1および一対の
封止部1a2、1a3を備えている。なお、1a11
は、排気チップオフ部である。
【0089】封止部1a2は、点灯中上側となり、放電
空間部1a1の上端部が半球状をなすようにピンチシー
ルにより形成されている。すなわち、放電空間部1a1
の内径を2rとし、半球状部分の深さをlとしたとき、
r=lになっている。
【0090】封止部1a3は、点灯中下側に位置し、放
電空間部1a1の下端部が切頭円錐形状をなすようにピ
ンチシールにより形成されている。そして、切頭円錐形
状の開角が70゜に設定されている。
【0091】一対の電極1bは、タングステンからな
り、軸1b1とその先端部に巻装されたコイル1b2と
を備えている。そして、軸1b1の基端がそれぞれ封止
部1a2、1a3内に埋設され、モリブデン箔1cに溶
接されている。
【0092】モリブデン箔1cは、封止部1a2、1a
3内に気密に埋設されている。
【0093】導入線1dは、モリブデン箔1cに先端が
溶接され、封止部1a2、1a3から外部に導出されて
いる。
【0094】イオン化媒体は、少なくともNaを含む発
光金属のハロゲン化物、希ガスおよび水銀からなる。ハ
ロゲンは、IおよびBrである。
【0095】外管2は、硬質ガラスからなり、ネック部
にフレアステム2aを封着して備えている。フレアステ
ム2aは、一対の導入線2a1、2a2を気密に導入し
ている。
【0096】口金3は、E26形口金であり、外管2の
ネック部2aに固着され、一対の導入線2a1、2a2
の一方がシェル部に、他方がセンターコンタクトに、そ
れぞれ接続している。
【0097】下部支持構体4は、発光管1の下部を支持
するとともに、下側の電極1bに電気的に接続するもの
で、枠形導体4aおよび金属バンド4bを備えている。
【0098】枠形導体4aは、導入線2a1に溶接され
ている。発光管1の下部の導入線1dは、枠形導体4a
に溶接されている。
【0099】金属バンド4bは、封止部1a3を抱持す
ることにより、発光管1の下側を支持するとともに、枠
形導体4aに溶接されている。
【0100】上部支持構体5は、枠形導体5a、金属バ
ンド5bおよびスプリング片5cを備えている。
【0101】金属バンド5bは、封止部1a2を抱持す
ることにより、発光管1の上側を支持するとともに、枠
形導体5aに溶接されている。
【0102】スプリング片5cは、基端が枠形導体5a
に溶接され、先端が外管2の頂部内面に対して弾力的に
当接して上部支持構体5を外管2内の所定の位置に保持
する。
【0103】発光管1の上部の導入線1dは、枠形導体
5aに溶接されている。
【0104】接続導体6は、下端が導入線2a2に溶接
され、中間が外管2の内面側に沿って湾曲して延在する
とともに、上端が上部支持構体5の枠形導体5aに溶接
されている。
【0105】パルス発生装置7は、バイメタル接点7a
および点灯管7bを直列に備え、始動時にのみ作動して
図示しない安定器と協働して高電圧パルスを発生して、
発光管1に印加する。
【0106】バイメタル接点7aは、図示の部分がセラ
ミックス基板であり、この基板の背面に装着されてい
る。
【0107】図8は、本発明のメタルハライドランプの
第2の実施形態における点灯時間に対する立ち消え電圧
の変化を比較例のそれとともに示すグラフである。
【0108】図9は、同じく点灯時間に対するランプ力
率の変化を比較例のそれとともに示すグラフである。
【0109】各図において、横軸は点灯時間(h)を、
縦軸は図8が立ち消え電圧(V)を、図9がランプ力率
(%)を、それぞれ示す。
【0110】図中、曲線Eは本実施形態、曲線Fは比較
例である。なお、比較例は、ハロゲンがIのみである以
外は同一仕様のメタルハライドランプである。
【0111】本発明によれば、Brを含むことにより、
寿命中の立ち消え電圧の上昇が少なくて、ランプ力率の
変化が少ないことが各図から理解できる。
【実施例2】定格ランプ電力:400W 金属ハロゲン化物:ScI+NaI=30mg、Na
Br=2.7mg Br/(I+Br)=0.114 電極間距離:36mm 発光管内径:20mm 図10は、実施例2を含み、さらにBrの比率を変化さ
せたときのランプ効率の変化を示すグラフである。
【0112】図において、横軸はBr/(I+Br)
を、縦軸はランプ効率(相対値)を、それぞれ示す。
【0113】図から理解できるように、Brの封入比率
が増加するにしたがってランプ効率が低下するが、Br
/(I+Br)が0.3以下であれば、Brを封入しな
いときの90%以上を確保できる。
【0114】図11は、実施例2を含み、さらにBrの
比率の異なるメタルハライドランプについて点灯時間に
対する立ち消え電圧の変化を比較例のそれとともに示す
グラフである。
【0115】図12は、同じく点灯時間に対するランプ
力率の変化を比較例のそれとともに示すグラフである。
【0116】各図において、横軸は点灯時間(h)を、
縦軸は図11が立ち消え電圧(V)を、図12がランプ
力率(%)を、それぞれ示す。なお、比較例は、Iのみ
でBrを封入していない以外同一仕様のメタルハライド
ランプである。
【0117】図中、曲線GはBr/(I+Br)が0.
01、曲線Hは同じく0.04、曲線Iは同じく0.1
1、曲線Jは同じく0.14、曲線Kは比較例である。
【0118】Brを封入したことにより、立ち消え電圧
上昇が少なくなり、また封入比率が大きいほど立ち消え
電圧上昇が少ないことが分かる。
【0119】同様に、Brを封入したことにより、ラン
プ力率の変化が少なくなり、また封入比率が大きいほど
変化が少ない。
【0120】図13は、本発明の放電ランプ点灯装置の
一実施形態を示す回路図である。
【0121】図において、図6同一部分については同一
符号を付して説明は省略する。また、図中、11は交流
電源、12は水銀灯用安定器、13はメタルハライドラ
ンプである。
【0122】交流電源11は、商用200V電源であ
る。
【0123】水銀灯用安定器12は、チョークコイル1
2aおよび力率改善用コンデンサ12bから構成されて
いる。
【0124】チョークコイル12aは、交流電源11に
対して、限流インピーダンスとしてメタルハライドラン
プ13と直列に接続される。
【0125】力率改善用コンデンサ12bは、交流電源
11に対して、チョークコイル12aおよびメタルハラ
イドランプ13の直列回路と並列に接続されて、そこを
流れる進相電流によって遅相の始動電流を相殺して低始
動電流化を図る。
【0126】メタルハライドランプ13は、本発明の各
実施形態のものを用いる。
【0127】図14は、本発明の照明装置の一実施形態
としてのダウンライトを示す断面図である。
【0128】図において、21はダウンライト本体、2
2はランプソケット、23はメタルハライドランプであ
る。
【0129】ダウン来と本体21は、枠体21aおよび
反射板21bを備えている。
【0130】枠体21aは、天井に装着される。
【0131】反射板21bは、枠体21a内に着脱可能
に装着される。
【0132】ランプソケット22は、枠体21aに装着
される。
【0133】メタルハライドランプ23は、本発明の各
実施形態のものを用いる。
【0134】
【発明の効果】請求項1ないし3の各発明によれば、点
灯中下側に位置する封止部の径を放電空間部の中央部の
外径より小さくした透光性放電容器の放電空間部に発光
金属としてSc−Naを含み、ハロゲンとしてIおよび
Brをモル比(%)で1〜50になるように含んでいる
とともに、管壁負荷が10〜17W/cmで、ランプ
電力が75〜125Wの発光管を具備していることによ
り、ランプ効率が高く、しかも光束維持特性が優れると
ともに、水銀灯安定器適合形にしてトータルコストの低
減を図ることが可能になるランプ電力が100Wクラス
のメタルハライドランプを提供することができる。
【0135】請求項2の発明によれば、加えてBrのモ
ル比(%)が1〜30であることにより、ランプ効率が
85lm/W以上、光束維持率が点灯2000時間で8
0%以上のメタルハライドランプを提供することができ
る。
【0136】請求項3の発明によれば、加えてBrのモ
ル比(%)が1〜20であることにより、ランプ効率が
90lm/W以上、点灯2000時間の光束維持率80
%以上のメタルハライドランプを提供することができ
る。
【0137】請求項4の発明によれば、発光金属として
Naを含み、ハロゲンとしてIおよびBrを封入するこ
とにより、Naの消失が抑制されて、立ち消え電圧の上
昇およびランプ力率の変化が少なくて長寿命化を図った
メタルハライドランプを提供することができる。
【0138】請求項5の発明によれば、二次電圧が21
0VまたH220Vで、定格電圧が100Vまたは20
0Vの安定器を具備していることにより、水銀灯安定器
で点灯可能なコストの低い放電ランプ点灯装置を提供す
ることができる。
【0139】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
4の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルハライドランプの第1の実施形
態における発光管を拡大してを示す拡大正面図
【図2】本発明のメタルハライドランプの第1の実施形
態におけるBr比に対するランプ効率の変化を示すグラ
【図3】同じくBr比に対する光束維持率の変化を示す
グラフ
【図4】同じくBr比に対する立ち消え電圧上昇の変化
を示すグラフ
【図5】本発明の第2の実施形態における発光管を拡大
して示す拡大正面図
【図6】本発明のメタルハライドランプの第3の実施形
態を示す正面図
【図7】同じく発光管を拡大して示す拡大正面図
【図8】本発明のメタルハライドランプの第2の実施形
態における点灯時間に対する立ち消え電圧の変化を比較
例のそれとともに示すグラフ
【図9】同じく点灯時間に対するランプ力率の変化を比
較例のそれとともに示すグラフ
【図10】実施例2を含み、さらにBrの比率を変化さ
せたときのランプ効率の変化を示すグラフ
【図11】実施例2を含み、さらにBrの比率の異なる
メタルハライドランプについて点灯時間に対する立ち消
え電圧の変化を比較例のそれとともに示すグラフ
【図12】同じく点灯時間に対するランプ力率の変化を
比較例のそれとともに示すグラフ
【図13】本発明の放電ランプ点灯装置の一実施形態を
示す回路図
【図14】本発明の照明装置の一実施形態としてのダウ
ンライトを示す断面図
【符号の説明】 1…発光管 1a…透光性放電容器 1a1…放電空間部 1a2…封止部 1b…電極 1b1…軸 1b2…コイル 1c…モリブデン箔 1d…導入線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 犬飼 伸治 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 愛宕 慎司 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 佐野 久則 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 Fターム(参考) 5C015 QQ03 QQ14 QQ34 QQ35 RR04 SS03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向の両端が一対の封止部で、それら
    の間に放電空間部があり、少なくとも点灯中下側に位置
    する封止部の放電空間側の径が放電空間部の長手方向の
    中央部の外径より小さく形成されている石英ガラスから
    なる透光性放電容器、透光性放電容器の封止部に封装さ
    れて放電空間部内に臨在する一対の電極、ならびに透光
    性放電容器内に封入された発光金属のハロゲン化物、水
    銀および希ガスを含み、発光金属は少なくともScおよ
    びNaを含み、ハロゲンはIおよびBrをモル比R
    (%)が1≦R≦50の範囲になるように含んでいるイ
    オン化媒体を備え、管壁負荷G(W/cm2)が10≦
    G≦17で、定格ランプ電力が75〜125Wの発光管
    を具備していることを特徴とするメタルハライドラン
    プ。
  2. 【請求項2】Brをモル比R(%)が1≦R≦30の範
    囲になるように含んでいることを特徴とする請求項1記
    載のメタルハライドランプ。
  3. 【請求項3】Brをモル比R(%)が1≦R≦20の範
    囲になるように含んでいることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のメタルハライドランプ。
  4. 【請求項4】石英ガラスからなる透光性放電容器、透光
    性放電容器に封装された一対の電極、ならびに透光性放
    電容器内に封入された少なくとも発光金属のハロゲン化
    物および希ガスを含み、発光金属は少なくともNaを含
    み、ハロゲンはIおよびBrを含んでいるイオン化媒体
    を備えた発光管を具備していることを特徴とするメタル
    ハライドランプ。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか一記載のメタ
    ルハライドランプと;二次電圧が210Vまたは220
    Vで、定格電圧が100Vまたは200Vであり、交流
    電源およびメタルハライドランプの間に直列に介在する
    安定器と;を具備していることを特徴とする放電ランプ
    点灯装置。
  6. 【請求項6】照明装置本体と;照明装置本体にメタルハ
    ライドランプが支持された請求項5記載の放電ランプ点
    灯装置と;を具備していることを特徴とする照明装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056469A1 (fr) * 2006-11-09 2008-05-15 Harison Toshiba Lighting Corp. Lampe à halogénure métallisé
JP2008123742A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Harison Toshiba Lighting Corp メタルハライドランプ
WO2014083896A1 (ja) * 2012-11-30 2014-06-05 東芝ライテック株式会社 放電ランプおよび車両用灯具

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