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JP4421783B2 - 水方式空調システム - Google Patents

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JP4421783B2
JP4421783B2 JP2001056813A JP2001056813A JP4421783B2 JP 4421783 B2 JP4421783 B2 JP 4421783B2 JP 2001056813 A JP2001056813 A JP 2001056813A JP 2001056813 A JP2001056813 A JP 2001056813A JP 4421783 B2 JP4421783 B2 JP 4421783B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷水や温水といった水熱媒を生成して搬送する熱源機と、これによって供給される水熱媒によって冷・暖房を行う利用側機器とにより構成された水方式空調システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水方式空調システムは、不凍液等の水熱媒を一機の熱源機により生成し、これを室内ユニットや床暖房器やパネルヒータあるいはファンコンベクターといった放熱用の熱交換器を備えた暖房機器に循環させて室内空調を行うものである。利用側機器が、冷暖房機能を果す室内ユニットと、暖房機能のみを果す床暖房器やパネルヒータ等で構成されている場合、冷房時に暖房機能のみを果す床暖房器やパネルヒータ等に水熱媒をさせることは、エネルギーの効率的利用の観点に立てば得策ではない。
【0003】
特開平2―225924号公報や特開平2―101356号公報には、床暖房器に対して休止バルブを接続し、夏季には休止バルブを締めておくようにする技術や、切換弁でリヒート装置と床暖房器の回路を切換える技術が示されている。水方式空調システムにこのような手法を採用すれば、夏季には使わない床暖房器には水熱媒を循環させなくでき、エネルギーの効率的利用を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した冷房時には、床暖房器側には熱媒の供給を停止する技術は、エネルギーの効率的利用の観点からは有効であるが、結露の防止に関しては必ずしも有効ではない。夏季冬季を問わず室温より低温の水熱媒を床暖房器やパネルヒータ等に流通させると、それらを構成しているパイプ系の表面に結露が発生する。特に床下に設置される床暖房器では、パイプ系の表面に生じる結露は、使用者には分からず、住居の構造自体に深刻な打撃を与えてしまうこともある。
【0005】
本発明は、係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その課題とするところは、結露の発生を防止でき、エネルギーの有効利用も図ることができる水方式空調システムを得ることであり、その水方式空調システムの利便性を高めることや施工性を良くすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために請求項1の発明は、冷暖又は暖房のための水熱媒を生成し搬送する熱源機と、この熱源機に接続され搬送されてくる水熱媒により冷房又は暖房を行う利用側機器とを備え、その利用側機器が冷暖房機能を果す室内ユニットと、これに並列接続されたパイプ系で構成された暖房機能を果す暖房機器とを含む構成の水方式空調について、その暖房機器への水熱媒の流通を制御手段により開閉制御される開閉手段によって断続できるようにし、制御手段は、この開閉手段の開放を、室温と水熱媒温度の比較結果によって禁止又は許可する処置をするようにする手段を採用する。
【0007】
前記課題を達成するために請求項2の発明は、請求項1に係る前記手段における制御手段の開閉手段の開放の禁止及び許可に関する判定に、暖房機器のパイプ系付近の湿度条件も採入れる手段を採用する。
【0008】
前記課題を達成するために請求項3の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る前記手段における、室温や水熱媒温度を熱源機あるいは利用側機器に具備されている温度検知手段から得るようにする手段を採用する。
【0009】
前記課題を達成するために請求項4の発明は、請求項1〜請求項3までのいずれかに係る前記手段における開閉手段を、熱源機に組込む手段を採用する。
【0010】
前記課題を達成するために請求項5の発明は、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記手段における制御手段による開閉手段の開放禁止処置を、利用者に報知する表示手段を設ける手段を採用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図4によって示す本実施の形態は、冷水や温水といった不凍液による水熱媒を生成して搬送する熱源機1で構成される熱源側熱媒サイクルと、これによって供給される水熱媒によって冷・暖房を行う利用側機器2で構成される利用側サイクルとにより構成された水方式空調システムに関するものである。熱源機1は、図1に示すように水熱媒を貯留するタンク3と、タンク3の水熱媒を循環させる循環ポンプ4と、タンク3の水熱媒を熱交換器5を介して加熱又は冷却するヒートポンプによる冷凍サイクルを構成する一機以上の室外に設置される室外ユニット6を備えている。
【0012】
タンク3の底部には往き側接続口が、中間部には熱交換接続口がそれぞれ設けられていて、往き側接続口は、循環ポンプ4の吸込側に配管接続され、熱交換接続口は、採熱用の熱交換器5の戻り側に配管接続されている。循環ポンプ4の吐出側には二系統に分岐した往き側接続管7が設けられ、この往き側接続管7の一方の管路には開閉弁8が接続され、流路の開閉が可能になっている。熱交換器5のタンク3側とは反対側には戻り側接続管9が接続され、室外ユニット6の冷凍サイクルの熱媒とタンク3側の水熱媒とは相互に独立し、混じり合うことはないが熱交換器5により熱的には接続している。上記構成の熱源機1は、室外ユニット6を除き熱交換ユニット10として単一のケーシングに収められ、室外又は室内に設置される。
【0013】
利用側機器2は、冷暖房機能を果す一機又は複数機の室内ユニット11と、これに並列接続されたパイプ系で構成された専ら暖房機能を果す床暖房器やパネルヒータあるいはファンコンベクターといった一台又は複数台の暖房機器12とから構成されている。室内ユニット11は、ヘッダー13を介して熱交換ユニット10の開閉弁8のない往き側接続管7にそのパイピングの往き側が接続され、戻り側がヘッダー13を介して熱交換ユニット10の戻り側接続管9に接続されている。専ら暖房機能を果す暖房機器12は、ヘッダー13を介して熱交換ユニット10の開閉弁8を備えた往き側接続管7にそのパイピングの往き側が接続され、戻り側がヘッダー13を介して熱交換ユニット10の戻り側接続管9に接続されている。
【0014】
熱交換ユニット10には、図2に示すように循環ポンプ4や開閉弁8、室外ユニット6を制御する制御手段14が搭載されており、この制御手段14に冷房モードや暖房モードの設定を行う設定スイッチや、LEDや液晶等により運転状態等を表示する表示手段15を備えたコントローラ16が信号線又は赤外線信号により信号のやりとりを可能に接続されている。
【0015】
室内ユニット11には、コントローラ17及び室温を検知する室温センサー18が備えられ、コントローラ17の操作によって水熱媒の流量をそれ自体に設けられた流量調節弁19を動かして、室温が設定温度になるようにフィードバック制御を行うとともに、熱交換ユニット10の制御手段14に運転情報や制御情報を送信する。暖房機器12にも、コントローラ20及び周囲温度を検知する温度センサー21が備えられ、コントローラ20の操作によって水熱媒の流量をそれ自体に設けられた流量調節弁22を動かして、周囲温度が設定温度になるようにフィードバック制御を行うとともに、熱交換ユニット10の制御手段14に運転情報や制御情報を送信する。
【0016】
熱交換ユニット10のコントローラ16により、暖房モードが設定されると、制御手段14は室外ユニット6の冷凍サイクルを暖房用のサイクルに切換え、利用側機器2のコントローラ17,20からの運転情報の取込みを行う。利用側機器2のいずれかの室内ユニット11及びいずれかの暖房機器12から運転要求の信号が入ると、利用側機器2に送る水熱媒の温度を暖房できる例えば50℃になるように、室外ユニット6を制御する。利用側機器2側からの運転要求の信号が一つもない場合には、循環ポンプ4は停止状態におかれ、開閉弁8は閉止状態におかれ、利用側機器2側からの運転要求の信号が一つでもあれば、循環ポンプ4は運転され、開閉弁8は開放状態におかれる。ここで、熱交換ユニット10の制御手段14が、室内ユニット11からの運転要求の信号と暖房機器12からの運転要求の信号を判別可能な構成となっている場合は、いずれかの室内ユニット11からの運転要求の信号が入り、かつ暖房機器12からの運転要求の信号が一つもない場合には、開閉弁8は閉止状態としてよい。これによって、運転要求のあった室内ユニット11又は暖房機器12に暖房に必要な熱を持った水熱媒が熱源機1から搬送され、当該室内がそのコントローラ17,20での設定に応じた温度状態になるように暖房される。
【0017】
また、熱交換ユニット10のコントローラ16により、冷房モードが設定されると、制御手段14は室外ユニット6の冷凍サイクルを冷房用のサイクルに切換え、室内ユニット11のコントローラ17からの運転情報の取込みを行う。室内ユニット11のいずれかのコントローラ17から運転要求の信号が入ると、室内ユニット11に送る水熱媒の温度を冷房できる例えば7℃になるように、室外ユニット6を制御する。室内ユニット11からの運転要求の信号が一つもない場合には、循環ポンプ4は停止状態におかれ、室内ユニット11からの運転要求の信号が一つでもあれば、循環ポンプ4は運転される。これによって、運転要求のあった室内ユニット11に冷房に必要な熱を持った水熱媒が熱源機1から搬送され、当該室内がそのコントローラ17での設定に応じた温度状態になるように冷房される。
【0018】
熱交換ユニット10の制御手段14は、室内ユニット11及び暖房機器12からの運転情報を取込み、それに応じた水熱媒を生成し搬送する制御を行うとともに開閉弁8の開放禁止処置と開放許可処置を行う。この二つの処置は、基本的には室温と水熱媒温度との比較によって行われる。室温の情報は、暖房機器12や室内ユニット11に備えられている室温センサー21や室温センサー18の検知信号の取込みによって行われ、水熱媒温度は熱交換ユニット10に備えられている温度センサーや暖房機器12や室内ユニット11に備えられている温度センサー23の検知信号の取込みによって行われる。
【0019】
開閉弁8の制御に特記して示した図3の制御フローによって制御手段14の開閉弁8に対する制御動作を説明する。制御手段14は、図3におけるステップ♯1において暖房機器12から運転要請があるかどうかを判定し、あればステップ♯2へ進み、なければステップ♯1へ戻る。ステップ♯2において熱交換ユニット10のコントローラ16により暖房モードに設定されていればステップ♯3へ進む。ステップ♯3において室温T1≧水熱媒温度T2であればステップ♯4へ進む。ステップ♯4では開閉弁8の開放を禁止に設定し、ステップ♯5で例えばコントローラ16の表示手段15やコントローラ20の表示手段に「暖房機器運転準備(運転禁止)中」を示す表示を行う処理をしてステップ♯1に戻る。ステップ♯3においてT1≧T2でなければ、ステップ♯6において開閉弁8の開放を許可に設定し、ステップ♯1へ戻る。ステップ♯2において熱交換ユニット10のコントローラ16により暖房モードに設定されていなければ(すなわち冷房モードに設定されていれば)、ステップ♯7において開閉弁8の開放を禁止に設定し、ステップ♯8で例えばコントローラ16の表示手段15やコントローラ20の表示手段に「運転モード不一致」を示す表示を行う処理をしてステップ♯1へ戻る。ステップ♯8で表示を行っているときにおいても、室内ユニット11からの冷房運転要請があれば室内ユニット11への水熱媒供給は可能である。すなわち室内ユニット11による冷房運転は可能である。
【0020】
室温T1≧水熱媒温度T2の条件が満たされているときに、床暖房器やパネルヒータ等のパイプ系に水熱媒を導通するとパイプ系の表面に結露が発生する恐れがある。そこで、この条件が満たされている場合には開閉弁8を閉止して床暖房器やパネルヒータ等への水冷媒の導通を禁止し、結露の発生を未然に防止する。冷房待機時や室内ユニット11による冷房運転時には、床暖房器やパネルヒータ等のコントローラ20から暖房運転の要請が有っても、開閉弁8の開放は禁止され、運転モードが冷房中であるため暖房機器の運転不可であることを利用者に報知する。暖房待機時や暖房運転時でも、室温T1≧水熱媒温度T2の条件が満たされていれば、床暖房器やパネルヒータ等のコントローラ20から暖房運転の要請が有っても、開閉弁8は閉止され、水熱媒の導通が制限される。
【0021】
特に、床下に設置される床暖房器においては、そのパイプ系の表面に生じる結露は使用者には分からず、知らずに放置していると住居の構造自体に深刻な打撃を与えてしまうことにもなり得るが、本実施の形態の水方式空調システムでは、こうした結露を未然に防止でき、不要な水熱媒の循環も抑えエネルギーの有効利用も図ることができる。
【0022】
室温T1≧水熱媒温度T2の条件が満たされているときでも、室内の湿度が極めて低い場合には結露は殆ど発生しない。従って、図4に示すように暖房機器12のパイプ系付近の湿度を検知する湿度センサー24を設け、この湿度センサー24の検知湿度が、例えば50%以上で、室温T1≧水熱媒温度T2の条件が満たされた場合に、結露の要件が整ったとして開閉弁8の開放を禁止するようにしてもよい。また、室温T1≧水熱媒温度T2という条件には適当な補正値を設けてT1≧T2+αとしてもよい。
【0023】
開閉弁8は、熱交ユニット10と暖房機器12とを接続する配管の途中に設けても良いが、熱交換ユニット10の内部に設ける方が、配管作業がし易く施工性が良い。また、室温や水熱媒温度の検知手段は、もともと熱交換ユニット10や室内ユニット11や暖房機器12に備えられるものであり、それらの信号を制御手段14に採入むようにすることで、コストの上昇を抑えることができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、結露の発生を防止でき、エネルギーの有効利用も図ることができる水方式空調システムを得ることができる。
【0025】
請求項2の発明によれば、結露の発生を防止でき、エネルギーの有効利用も図ることができる水方式空調システムを得ることができる。
【0026】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2のいずれかに係る前記効果とともに、コストを抑制できる。
【0027】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3までのいずれかに係る前記効果とともに施工性が良くなる。
【0028】
請求項5の発明によれば、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記効果とともに、水方式空調システムの利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の水方式空調システムを示すブロック構成図である。
【図2】 実施の形態の水方式空調システムの制御系を示すブロック構成図である。
【図3】 実施の形態の水方式空調システムの制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態の水方式空調システムの他の制御系を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1 熱源機、 2 利用機器、 8 開閉弁、 11 室内ユニット、 12暖房機器、 14 制御手段、 15 表示手段、 18 室温センサー、 21 室温センサー、 23 温度センサー、 24 湿度センサー。

Claims (5)

  1. 冷暖又は暖房のための水熱媒を生成し搬送する熱源機と、この熱源機に接続され搬送されてくる水熱媒により冷房又は暖房を行う利用側機器とを備え、その利用側機器が冷暖房機能を果す室内ユニットと、これに並列接続されたパイプ系で構成された暖房機能を果す暖房機器とを含む構成の水方式空調システムであって、
    前記暖房機器への水熱媒の流通を制御手段により開閉制御される開閉手段によって断続できるようにし、
    前記制御手段は、前記暖房機器から運転要請があったとき、
    室温≧水熱媒温度であれば、前記開閉手段の開放を禁止し、室温≧水熱媒温度でなければ、許可して前記開閉手段を開放する水方式空調システム。
  2. 請求項1に記載の水方式空調システムであって、制御手段の開閉手段の開放の禁止及び許可に関する判定に、暖房機器のパイプ系付近の湿度条件も採入れた水方式空調システム。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の水方式空調システムであって、室温や水熱媒温度を熱源機あるいは利用側機器に具備されている温度検知手段から得るようにした水方式空調システム。
  4. 請求項1〜請求項3までのいずれかに記載の水方式空調システムであって、開閉手段を熱源機に組込んだ水方式空調システム。
  5. 請求項1〜請求項4までのいずれかに記載の水方式空調システムであって、制御手段による開閉手段の開放禁止処置を報知する表示手段を設けた水方式空調システム。
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