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JP4409305B2 - 平板状プラテン及びそれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

平板状プラテン及びそれを用いたインクジェット記録装置 Download PDF

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JP4409305B2 JP2004021370A JP2004021370A JP4409305B2 JP 4409305 B2 JP4409305 B2 JP 4409305B2 JP 2004021370 A JP2004021370 A JP 2004021370A JP 2004021370 A JP2004021370 A JP 2004021370A JP 4409305 B2 JP4409305 B2 JP 4409305B2
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Description

本発明は、搬送される記録媒体の側端部を検知して印字を行うインクジェット記録装置に設けられて印字の際に記録媒体を支持する平板状プラテンに関する。また本発明は、搬送される記録媒体の側端部を検知して印字を行うインクジェット記録装置に関する。
プリンタやファクシミリ装置等の従来のインクジェット記録装置は特許文献1に開示されている。このインクジェット記録装置は搬送される記録媒体を水平方向に案内する平板状プラテン及び記録媒体の搬送方向に垂直な方向に移動可能な印字ヘッドを有している。平板状プラテン上に配される記録媒体を搬送して記録媒体に対向配置された印字ヘッドが移動しながら印字が行われる。
印字ヘッドには、記録媒体の幅検出用に、LEDから成る発光素子とフォトトランジスタから成る受光素子が設けられる。前記記録媒体の搬送方向に垂直な方向に印字ヘッドを移動させながら発光素子を駆動して、該移動発光素子から出射された光が記録媒体で反射して受光素子で捉えられるか否かによって搬送される記録媒体の搬送方向に平行な側端部が検出される。これにより、印字ヘッドの走査方向の印字開始位置及び印字終了位置を位置決めできるようになっている。
特開2000−109243号公報(第4頁〜第6頁、第3図)
しかしながら、上記従来のインクジェット記録装置によると、発光素子から出射した光が平板状プラテンで反射して、受光素子により所定量を超えて捉えられることがあり、その様な場合には記録媒体がない位置を記録媒体の側端部として誤検出する虞れがあった。記録媒体の側端部が誤検出されると、記録媒体の存在していない箇所に印字ヘッドからインクが吐出される可能性がある。そのような場合には平板状プラテンがインクで汚れてしまい、次の記録媒体が平板状プラテンを通過するときに汚れてしまう等によって、インクジェット記録装置の印字品質が低下する問題があった。
本発明は、印字品質を向上できる平板状プラテン及びそれを用いたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本願発明に係る平板状プラテンは、所定方向に搬送される記録媒体に対向した発光素子及び受光素子を前記所定方向と直交する方向に移動させながら前記発光素子から記録媒体に向かって光を出射して記録媒体の側端部を検出する側端部検出手段を備えたインクジェット記録装置に用いられる平板状プラテンであって、記録用紙に対向すると共に前記記録媒体を支持する対向面を有し、前記発光素子から出射されて前記対向面で反射し、前記受光素子へと導かれる光を減少させる反射防止処理を、前記対向面の少なくとも前記出射光が照射される領域に施し、前記反射防止処理は、前記対向面に配設された傾斜面から構成されていることを特徴としている。
この構成によると、搬送される記録媒体の搬送方向に直交する方向に発光素子及び受光素子から成る側端部検出手段が駆動されつつ移動する。側端部検出手段は発光素子から光を出射し、記録媒体で反射した光を受光素子で捉えて記録媒体の側端部を検出する。側端部検出手段に対向して記録媒体を支持する平板状プラテンには、記録媒体との対向面に配設された傾斜面から構成されている反射防止処理が施されており、発光素子から平板状プラテンの上面に出射された光は、反射防止処理によって光素子に導かれる光が抑制される。よって、誤検出が低減され、記録媒体の側端部を正確に検出することができる。
この構成によると、発光素子の出射光は傾斜面で、受光素子の存在しない方向へ積極的に反射されるので、受光素子に導かれない。
また本発明は、上記構成の平板状プラテンにおいて、前記傾斜面は、前記対向面に設けられている溝部に配設されて成ることを特徴としている。この構成によると、溝部が形成されることにより平板状プラテンの剛性を高めることが出来、歪みの発生を防止できる。
また本発明は、上記構成の平板状プラテンにおいて、前記傾斜面は、前記対向面に設けられている突部に配設されて成ることを特徴としている。この構成によると、突部が形成されることにより平板状プラテンの剛性を高めることが出来、歪みの発生を防止できる。
また本発明は、上記構成の平板状プラテンにおいて、搬送される定型サイズの記録媒体の側端部の直下に前記リブを配置しないことを特徴としている。この構成によると、使用頻度の高い定型サイズの記録媒体の印字の際に、発光素子から出射され、リブで反射して受光素子で捉えられる光が低減される。
また本発明は、上記構成の平板状プラテンにおいて、搬送される定型サイズの記録媒体の側端部の直下から記録媒体の外方に向かって2mm以内に前記リブを配置しないことを特徴としている。この構成によると、使用頻度の高い定型サイズの記録媒体の印字の際に発光素子から出射され、リブで反射して受光素子で捉えられる光がより低減される。
また本発明は、上記構成の平板状プラテンにおいて、前記傾斜面は、滑らかな表面を有することを特徴とする。この構成によると、傾斜面で反射された光は、受光素子のある方向とは全く外れた方向へ進むことになるので、側端部検出手段による検出精度をより向上させることができる。
また本発明は、上記構成の平板状プラテンのうち何れかひとつを備え、この平板状プラテンにより支持された記録媒体にインク滴を吐出して画像を形成する印字ヘッドを有することを特徴とするインクジェット記録装置として実現される。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態のインクジェット記録部を備えた多機能装置を示す斜視図である。多機能装置1は、ファクシミリ機能、電話機能、コピー機能を有し、更にパーソナルコンピュータ等との接続によるスキャナ機能、プリンタ機能を有する複合機になっている。
多機能装置1の本体部5はインクカートリッジ(不図示)を備えた印字部20(図2、図3参照)が内装され、搬送される紙やフィルム等の記録媒体上にインクを吐出する事で印字を行う。本体部5の背後には本体部5内に記録媒体を供給する給紙部2が設けられ、本体部5の前部には印字部20により印字された記録媒体を排出する排出口6が設けられている。また、本体部5の側部には送受話器7が配され、電話による送受話が可能になっている。
本体部5の上方には上部カバー8の開閉により原稿を設置して原稿の画像イメージを読み取る読取部3が配置される。読取部3の前部には電話番号入力等のユーザ操作を行う操作パネル4が設けられている。読取部3は本体部5に対して回動して開閉可能になっており、読取部3を開くことによって、本体部5内に設けられた印字部20や記録媒体の搬送路にアクセス可能となり、ジャム時の用紙除去を行うことができるようになっている。
図2は多機能装置1において給紙及び印字を行う部位を主とする側面断面図を示している。前面が給紙カバー11で覆われた給紙部2内には、記録媒体の背面を支持して搬送方向へ案内する案内板15と、当該案内板15に載置された記録媒体の最上面に当接可能な給紙ローラ12とが配され、給紙ローラ12の回転により記録媒体を上面から1枚づつ送り出す。案内板15の前方には、記録媒体の先端分離を促す給紙パッド13及び給紙部2から給紙シュート14が配され、送り出された記録媒体を印字部20に案内する。
印字部20はメインフレーム24上に各種ローラ、プラテン、ヘッドや駆動機構等の印字用の各部品が取り付けられて構成され、上部がアッパーフレーム32で覆われている。給紙シュート14から送られる記録媒体は傾斜可能な押えローラホルダ21により印字部20内に案内されるようになっている。
図3、図4はそれぞれ印字部20の詳細を示す側面断面図及び斜視図である。印字部20内の前記記録媒体の搬送方向上流にはメインフレーム24により両端が支持されたメインローラ22及びガイドシャフト30が配されている。メインローラ22は押えローラホルダ21に支持された押えローラ23に当接して配され、紙送りモータ34によりベルト35及び減速プーリ36を介して回転駆動される。これにより、メインローラ22及び押えローラ23に挟持された記録媒体が搬送される。
ガイドシャフト30は、ヘッド駆動モータ33により駆動される印字ヘッド31を記録媒体の搬送方向に直交する方向に案内する。印字ヘッド31には、記録媒体の搬送方向にノズルが配列された複数のノズル列を有し、ノズル列よりインクを吐出する事で画像を形成する。また、印字ヘッド31はインクを貯蔵したインクカートリッジ(不図示)と接続されている。また、印字ヘッドは、記録媒体の搬送方向に平行な側端部を検出するメディアセンサ28(側端部検出手段)を備えている。
メディアセンサ28はLED等の発光素子とフォトトランジスタ等の受光素子とを有する反射型センサから成っている。発光素子から記録媒体及び平板状プラテン25に向かって出射された光を受光素子で受光することにより記録媒体の有無が検知でき、前記ガイドシャフト30に沿って移動しながら動作させることで、記録媒体の側端部が検出される。これにより、印字ヘッド31の移動方向における印字の開始位置及び印字の終了位置が位置決めされる。
押えローラホルダ21の前方、即ち用紙搬送方向の下流側には、印字の際に記録媒体を支持するとともに印字後の記録媒体を排出口6(図1参照)に向けて略水平方向に導く平板状プラテン25が配されている。平板状プラテン25の両端部には、平板状プラテン25上に進入する記録媒体の位置を整える金属製のペーパープレート40が載置されている。
減速プーリ36にはベルト37を介して伝達プーリ38が連結されている。伝達プーリ38はベルト37を介して回転駆動するプーリ部と歯車とを有しており、平板状プラテン25の前方に配された排紙ローラ26に圧入された排紙ギヤ39と連結して回転力を伝達する。これにより、紙送りモータ34の駆動によって排紙ローラ26が回転する。
メインフレーム24の前部には拍車ローラ27を有するフロントフレーム29が取り付けられる。図10に示すように、排紙ローラ26には複数の拍車ローラ27が当接し、排紙ローラ26及び拍車ローラ27に挟持された印字後の記録媒体を排出口6(図1参照)に送り出す。尚、図10では拍車ローラ27が水平方向にある程度の厚みを備えているように記載されているが、実際の拍車ローラ27は薄板状である。
拍車ローラ27はテフロン(R)を配合したホモポリマのPOM(ポリアセタール)から構成されている。拍車ローラ27を樹脂製にすることにより金属製よりも安価に形成することができ、ホモポリマのPOMはコポリマのPOM等よりも耐摩耗性が高いため耐久性を確保することができる。また、テフロン(R)を配合することによってインクの付着を低減することができ、例えばデュポン社製デルリンAF−500(R)等を用いることができる。
排紙ローラ26は金属製のシャフトの周面に30〜35μm程度の膜厚のウレタンコーティングを施して形成されている。排紙ローラ26を薄膜のウレタンコーティングで形成することで、従来から使用されている厚肉のゴム製の排紙ローラよりも線膨張係数の影響を小さくすることができ、環境変化による外径変化を低減して安定した記録媒体の送り量を確保することができる。また、ウレタンコーティングによって樹脂製の拍車ローラ27の摩耗を低減することができる。
図5、図6、図7は平板状プラテン25の斜視図、正面断面図及び側面断面図を示している。平板状プラテン25は樹脂成形品から成り、記録媒体に対向する対向面51上に複数のリブ52、56が突設されている。平板状プラテン25の裏面には格子状のリブ54が突設されている。
前記リブ54によって薄板状に形成される平板状プラテン25の強度を確保し、該平板上プラテン25のソリを抑制するようになっている。また、平板状プラテン25の長手方向の略中央にはリブ54から更に突出した突起部55が設けられる。これにより、平板状プラテン25に加わる過大な荷重や経年変化によるソリが発生しても突起部55がメインフレーム24(図3参照)と当接してソリを抑制できるようになっている。
リブ52、56は、前記平板状プラテン25の対向面51に記録媒体の搬送方向に延びて形成され、該搬送方向に直交する方向に並設されている。平板状プラテン25に搬送される記録媒体は、リブ52,56の上端と接触して、これらに支持される。リブ52、56(接触面積削減部材)によって平板状プラテン25と記録媒体との接触面積を削減して摩擦を低減し、記録媒体の搬送をスムーズに行うことができるようになっている。
リブ52は印字ヘッド31のメディアセンサ28が走査される範囲(図8のD参照)を含んだ平板状プラテン25の後部(記録媒体の搬送方向における上流側の部分)に配される。リブ56は間隙部57によりリブ52と分断され、平板状プラテン25の前部(記録媒体の搬送方向における下流側の部分)に配される。また、リブ56はリブ52よりも高さが低くなっている。また、平板状プラテン25上に設けられているリブ56の数は、リブ52の数より少なくなるように配設されている。但し、各リブ56が配設された部位の搬送方向における延長線上には、間隙部57を挟んでリブ52がそれぞれ位置するように設けられている。
リブ52上で印字された記録媒体はインクの吸収によって撓みが発生する。上方に凸状態で前後方向に撓んだ記録媒体の先端が間隙部57(図3、図5参照)に入り込むことによって記録媒体の浮き上がりを低減して印字品質の劣化を防止するようになっている。また、記録媒体の先端は印字領域から遠ざかると高さの低いリブ56上を摺動し、印字領域の記録媒体の浮き上がりを抑制するとともにスムースな搬送を行うことができるようになっている。
図8は平板状プラテン25の平面図を示している。メディアセンサ28の走査範囲Dを含む平板状プラテン25の後部、即ち用紙搬送方向の上流側の対向面51上には図中、ハッチングで示す反射防止処理が施された反射防止処理部51aが形成されている。メディアセンサ28の発光素子から出射された光は、平板状プラテン25または記録媒体の表面で反射して受光素子に入射する。
しかし、平板状プラテン25の反射防止処理部51aに反射された光は乱反射や吸収等によって受光素子に入射する光が極端に少なくなる。従って、平板状プラテン25からの反射光が抑制または防止されるようになっている。一方、記録媒体上で反射された光は受光素子に多量に入射する。このため、センサメディアセンサ28が受光する光量に基づいて多機能装置1の制御部(不図示)が記録媒体の存在有無を確実に検知できるので、記録媒体の側端部を正確に判断することが可能になる。
具体的には、例えば、反射防止処理部51aはマット処理による非光沢面を形成して反射防止処理が施されていてもよい。マット処理はサンドブラスト加工やシボ加工により形成することができる。シボ加工は成形金型の表面の面粗度をエッチング等により粗して成形品の表面にシボを形成する。このため、平板状プラテン25の成形加工時に同時にマット処理を施して工数を削減することができる。本実施形態ではシボのパターンとして(株)日本エッチング製HM3013(つやなし)を用いている。
メディアセンサ28の走査範囲Dにマット処理を施すことによってメディアセンサ28の発光素子から出射された光が反射防止処理部51aで乱反射する。これにより、対向面51で反射して受光素子で捉えられる光を抑制し、記録媒体が存在しない位置でのメディアセンサ28の誤検出が無くなる。つまり、記録媒体の側端部の検出精度を向上させることができる。その結果、印字ヘッドの移動方向における印字開始位置及び印字終了位置の位置決め精度を向上させることができる。
また、平板状プラテン25の両端に配されるペーパープレート40(図4参照)は記録媒体が印字ヘッド20側へ浮き上がらないようにするためと、記録媒体をプラテン25上へ案内する役目を持つ。そして、印字ヘッド20とプラテン25に挟まれた狭い領域に配置されることから金属製で薄く形成されている。また、発光素子の出射光の反射を回避するため、ペーパープレート40におけるメディアセンサ28の走査範囲Dに相当する部位に凹部40a(図4参照)が形成されている。平板状プラテン25には凹部40aに対応する位置に凹部53が形成され、凹部53内及びそれを囲む側壁にマット処理が施されている。これにより、平板状プラテン25の両端部での光の反射が抑制されている。
また、平板状プラテン25の凹部53の形状に沿って凹部40aに対応する位置にはリブ53aが配置され、リブ53aによりペーパープレート40のエッジが覆われる。これにより、メディアセンサ28の発光素子から出射された光がペーパープレート40のエッジで反射して受光素子で捉えることによる記録媒体の側端部の誤検出を防止することができる。更に、リブ53aにマット処理等の反射防止処理を施すと記録媒体の側端部の誤検出防止の効果が向上する。
前記反射防止処理部51aは、少なくとも定型サイズの記録媒体の側端部の下方近傍に設けられていればよい。ここで、下方近傍とは、図11に示すように、平板状プラテン25上に記録媒体Pが存在するときにメディアセンサ28の走査範囲D(図8参照)内において、記録媒体Pの側端部Peの鉛直下方に相当する平板状プラテン25の対向面51の部分51bの近傍51cを意味する。
定型サイズの記録媒体として、図9に示すように、JIS規格や北米規格等によるレターサイズ、A4サイズ、B5サイズ、A5サイズ、B6サイズ、はがきサイズ、写真用L判サイズ等が挙げられる。また、インクジェット記録装置1が大型の場合はB4サイズ、A3サイズ等も挙げることができる。
定型サイズの記録媒体の側端部の下方近傍に反射防止処理部51aが形成されていれば、使用頻度の高い定型サイズの記録媒体の印字の際に印字ヘッド31の位置決め精度を向上させることができる。この時、記録媒体の搬送時の位置決めのばらつきや受光素子の感度によって反射防止処理部51aを形成する範囲を決めることができる。
例えば、設計上配置される各定型サイズの記録媒体の側端部に対して外側及び内側に少なくとも2mm以内の範囲に反射防止処理部51aを設けることによって、記録媒体の位置決めのばらつき等があっても側端部の誤検出を防止することができる。
尚、記録媒体と摺動するリブ52の上面に上記マット処理を行うと記録媒体との摩擦力が大きくなりスムーズな記録媒体の搬送を行うことができない。従って、リブ52の上面は光を反射し易くなっている。このため、図9に示すように、定型サイズの記録媒体の側端部の鉛直下方となる直下にはリブ52の上面が位置しないように構成されている。これにより、リブ52の上面で反射して受光素子で捉えられる光を低減して、使用頻度の高い定型サイズの記録媒体の印字の際に印字ヘッド31の移動方向における印字開始位置及び印字終了位置の位置決め精度を向上させることができる。
また、定型サイズの記録媒体の側端部から外側の近傍にリブ52が配されると記録媒体の搬送時の位置決めのばらつきや受光素子の感度によって発光素子からリブ52に到達した光が受光素子で捉えられる場合がある。このため、側端部の直下から外側に向かって2mm以内にリブ52を設けないようにするとより望ましい。
また、リブ52の高さを2mm以上に高くすることによって、対向面51で反射して受光素子で捉えられる光を減らすことができる。対向面51に上記いずれかの反射防止処理部51aを形成するとともにリブ52の高さを2mm以上にするとより望ましい。
前述の図6に示すように、リブ52は高さの異なる2種類のリブ52a、52bが記録媒体の搬送方向に直交する方向に並設されている。高さの高いリブ52aは記録媒体と摺動して印字された記録媒体を案内する。高さの低いリブ52bは印字によってインクを吸収して搬送方向に垂直な方向に撓んだ記録媒体を持ち上げる。これにより、記録媒体の撓みを抑制して品質の高い印字を行うことができる。
また、記録媒体の撓みにより側端部が対向面51と接触するとインクが対向面51を汚して記録媒体に再付着する。このため、図11に示すように定型サイズの記録媒体の側端部の内側に高さの低いリブ52bを設けることによって、記録媒体Pの側端部を持ち上げて対向面51の汚染を防止することができる。
メディアセンサ28の走査範囲Dに設けられる反射防止処理部51aは前述したように、メディアセンサ28の発光素子から出射し、平板状プラテン25で反射して受光素子に入射する光を抑制または防止すればよい。このため、上述のマット処理の代わりに、対向面51上に光を吸収するシート状の光吸収体を貼着してもよい。これにより、発光素子の出射光は光吸収体により吸収され、反射光を低減することができる。
また、前記マット処理や光吸収体の貼付の代わりに、平板状プラテン25上における搬送される定型サイズの記録媒体の側端部近傍に開口部を形成してもよい。これにより、定型サイズの記録媒体を印字する際に発光素子の出射光を通過させて平板状プラテン25による反射を防止することができる。
また、図12〜図14に示すように、前記マット処理や光吸収体の貼付の代わりに、平板状プラテン25上におけるメディアセンサ28の走査領域に、記録媒体の搬送方向に直交する方向に伸張した、傾斜面58aを含む溝部58が形成されているものであってもよい。前記傾斜面58aは、メディアセンサ28の発光素子の光が照射される領域に配置され、記録媒体の搬送方向に向かって傾斜するよう形成されている。この傾斜面58aの幅は2mm〜10mm程度であり、この傾斜面58aとメディアセンサ28の発光素子の光照射方向とがなす傾斜角度は20°〜70°となるようにされている。図示した平板状プラテン28では、一例として、傾斜面58aの長さが6mm、発光素子の光照射方向とがなす傾斜角度が45°となるようにされている。
また、この実施形態では、溝部58の傾斜面58aにメディアセンサ28の発光素子の光が照射されなければならないので、図14に示すように、図11までに記載した実施形態よりもメディアセンサ28が印字ヘッド31のガイドシャフト30側(記録媒体Pの搬送方向における上流側)に配置されていなければならない。従って、図11までの実施形態では凹部53が平板状プラテン25の記録媒体Pの搬送方向における略中央部に設けられているが、この実施形態では、図12に示すように、凹部60は溝部58の近傍に設けられている。尚、この実施形態においては、傾斜部58aの表面はマット処理やシボ加工などはせず、滑らかな表面とすることが好ましい。
この様な傾斜部58aを有する溝部58を形成することによって、記録媒体が存在しない位置では、メディアセンサ28の発光素子から出射された光が傾斜面58aで反射する。この傾斜面58aで反射された光は、メディアセンサ28の受光素子のある方向とは全く外れた方向(具体的には用紙搬送方向の上流側へ向かう方向)へ進むことになる。一方、記録媒体が存在する部位では、記録媒体が前記溝部58を覆うので、メディアセンサ28の発光素子から出射された光は記録媒体上で反射し、反射光は受光素子へ導かれる。このように、対向面51にて光をメディアセンサ28のある方向とは違う方向に積極的に反射することで該メディアセンサ28の受光素子で捉えられる光を抑制するので、記録媒体が存在しない位置でのメディアセンサ28の誤検出が無くなる。つまり、記録媒体の側端部の検出精度を向上させることができる。その結果、印字ヘッドの移動方向における印字開始位置及び印字終了位置の位置決め精度を向上させることができる。
また、平板状プラテン25に溝部58が形成されることにより、薄板状に形成される平板状プラテン25の強度が確保され、該平板上プラテン25の長手方向におけるソリを抑制するようになっている。その為、この実施形態では、平板状プラテン25の裏面に設けられていたリブ54を省略化したり用紙搬送方向に伸張するリブのみに簡略化したりすることができる。また、リブ54の代わりに、記録媒体の搬送方向に直交する方向に伸張した溝部を複数、平板状プラテン25に、該記録媒体の搬送方向に並設するものであっても、平板状プラテン25の強度を充分確保することが出来る。
尚、上述の構成では、平板状プラテン25上におけるメディアセンサ28の走査領域に、傾斜面58aを含む溝部58が形成されているものであったが、図15に示すように、逆に、平板状プラテン25上におけるメディアセンサ28の走査領域に、傾斜面59aを含む突部59が形成されているものであっても良い。傾斜面59aの位置や幅、傾斜角度は前述の傾斜面58aと同条件でよいが、この場合では、前記突部59の高さはリブ52より高くならない様に制限され、記録媒体の搬送の妨げにならないようにする必要がある。
また、図14及び図15に示す傾斜面58a及び59aは、図中に矢印で示す用紙搬送方向の上流側に向かって低くなるような傾斜を有するものであったが、逆に、用紙搬送方向の下流側に向かって低くなるような傾斜を有するものであっても良い。
以上、本願発明の好適な実施形態について説明したが、本願発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、様々な設計変更が可能である。例えば、上述の多機能装置1で使用される記録媒体のサイズが、図9に示される種類であり、最小のサイズがL判である場合には、反射防止処理部51aや傾斜部58a,59aを有する溝部58や突部59はL判が通過する領域には設けずに、L判サイズをこえる両脇にのみ設けるものであっても良い。また、使用される記録用紙のサイズが限定できる場合には、各用紙のサイズを超える両脇の所定幅の領域2mm〜5mm程度に前記反射防止処理部51aや傾斜部58a,59aを設けるものであっても良い。
上述したような本願発明の実施形態によれば、記録媒体に対向する平板状プラテン25の対向面51には反射防止処理若しくは傾斜面58a,59aが施され、メディアセンサ28の発光素子から出射して反射によって受光素子に捉えられる光を抑制または防止するので、記録媒体の側端部を正確に検出することができる。従って、印字ヘッド31を高精度に位置決めして高品質の印字を行うことができる。
また、マット処理、光吸収体の配設、開口部の配設、傾斜部58a,59aの形成により平板状プラテン28に容易に反射防止処理を施すことができる。マット処理をシボ加工によるシボの形成により行うと平板状プラテン25の成形時に同時に反射防止処理を施すことができる。また、平板状プラテン25の成形時に開口部又は傾斜面を有する溝部や突部を形成して反射防止処理を同時に施すこともできる。開口部又は傾斜面を有する溝部や突部は、平板状プラテン25と共に同時に樹脂成形にて形成することもできる。
また、上述の実施形態によると、記録媒体と平板状プラテン25の対向面51との接触面積を削減するリブ52,56を備えたので、搬送される記録媒体と平板状プラテン25との摩擦力が低減され、スムースな搬送が可能となる。リブ52,56は、平板状プラテン25と共に同時に樹脂成形にて形成することもできる。
また、上述の実施形態によると、平板状プラテン25の対向面からリブを2mm以上突出させたので、発光素子から出射され、平板状プラテン25で反射して受光素子で捉えられる光が低減される。
また、記録媒体の側端部の直下または直下から外側に2mm以内にリブを配置しないので、使用頻度の高い定型サイズの記録媒体の印字の際に、発光素子から出射され、リブで反射して受光素子で捉えられる光が低減される。
また、リブが少なくとも高さの異なる2種類のリブ52,56から構成されるので、高さの高いリブにより低い摩擦力で記録媒体を搬送するとともに、インクの吸収により部分的に撓んだ記録媒体を高さの低いリブ56により持ち上げて撓みを抑制できる。これにより、印字の品質の劣化を防止することができる。
は、本発明の一実施形態の多機能装置を示す斜視図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置を示す側面断面図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の印字部を示す側面断面図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の印字部を示す斜視図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の平板状プラテンを示す斜視図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の平板状プラテンを示す正面断面図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の平板状プラテンを示す側面断面図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の平板状プラテンを示す平面図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の平板状プラテンを示す平面図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の排紙ローラ及び拍車を示す正面図である。 は、本発明の一実施形態の多機能装置の平板状プラテンの要部を示す正面図である。 は、本発明の変形例の多機能装置の平板状プラテンを示す斜視図である。 は、本発明の変形例の多機能装置の平板状プラテンを示す側面断面図である。 は、本発明の変形例の多機能装置の平板状プラテンとメディアセンサとの配置関係を示す模式図である。 は、本発明の他の変形例の多機能装置の平板状プラテンとメディアセンサとの配置関係を示す模式図である。
符号の説明
1 多機能装置
2 給紙部
3 読取部
4 操作パネル
5 本体部
6 開口部
7 送受話器
8 上部カバー
12 給紙ローラ
20 印字部
22 メインローラ
23 押えローラ
24 メインフレーム
25 平板状プラテン
26 排紙ローラ
27 拍車ローラ
28 メディアセンサ
30 ガイドシャフト
31 印字ヘッド
33 ヘッド駆動モータ
34 紙送りモータ
51 対向面
51a 反射防止処理部
52、52a、52b、54、56 リブ
55 突起部
58 溝部
58a 傾斜面
59 突部
59a 傾斜面

Claims (8)

  1. 所定方向に搬送される記録媒体に対向した発光素子及び受光素子を前記所定方向と直交する方向に移動させながら前記発光素子から記録媒体に向かって光を出射して記録媒体の側端部を検出する側端部検出手段を備えたインクジェット記録装置に用いられる平板状プラテンであって、
    記録用紙に対向すると共に前記記録媒体を支持する対向面を有し、
    前記発光素子から出射されて前記対向面で反射し、前記受光素子へと導かれる光を減少させる反射防止処理を、前記対向面の少なくとも前記出射光が照射される領域に施し
    前記反射防止処理は、前記対向面に配設された傾斜面から構成されていることを特徴とする平板状プラテン。
  2. 前記傾斜面は、前記対向面に設けられている溝部に配設されて成ることを特徴とする請求項1に記載の平板状プラテン。
  3. 前記傾斜面は、前記対向面に設けられている突部に配設されて成ることを特徴とする請求項1に記載の平板状プラテン。
  4. 前記傾斜面の幅は2mm〜10mm程度であり、この傾斜面と前記発光素子の光照射方向とがなす傾斜角度が20°〜70°であることを特徴とする請求項2又は3に記載の平板状プラテン。
  5. 前記対向面上には複数のリブが突設されており、搬送される定型サイズの記録媒体の側端部の直下に前記リブを配置しないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の平板状プラテン。
  6. 搬送される定型サイズの記録媒体の側端部の直下から記録媒体の外方に向かって2mm以内に前記リブを配置しないことを特徴とする請求項5に記載の平板状プラテン。
  7. 前記傾斜面は、滑らかな表面を有することを特徴とする請求項1〜6の何れかひとつに記載の平板状プラテン。
  8. 請求項1〜7の何れかひとつに記載の平板状プラテンを備え、
    この平板状プラテンにより支持された記録媒体にインク滴を吐出して画像を形成する印字ヘッドを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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