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JP4496693B2 - 靴底用ゴム組成物 - Google Patents

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、軽量で配合物の寸法安定性が優れ、加硫物の引裂き強度や耐摩耗性が改善された靴底用ゴム組成物に関するもので、紳士靴、婦人靴、スポーツシューズ等の履物底材やベルト、ホース、防振ゴムなどの工業用品にも用いる事ができる。
【0002】
【従来の技術】
一般にゴム履物は、配合物を平ロールや彫刻ロールなどで圧延したゴムシートやゴム板を裁断、貼り合せなどをしてから加硫して製造されており、配合物の寸法安定性(ダイスウェル)が悪いと歪んだり、厚みにバラツキがでたりする。
また、加硫物は軽量且つ適度な硬度で耐摩耗性や引裂き強度などの耐久性が求められ、例えば、特開平3−86740号公報には、無機補強剤やハイスチレンゴムや樹脂類などで補強したゴム組成物が提案されている。
しかしながら、無機補強剤を増量すると、配合物のスウェルは低下するが粘度が上昇したり製品が重くなる可能性があり、低融点のSPBやハイスチレンゴムは耐摩耗性や引裂き強度に対する補強性が十分でない場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術の問題点を解決し、軽量且つ適度な硬度で配合物の寸法安定性が優れ、耐摩耗性や引裂き強度などの耐久性に優れた、ホース、ベルト、防振ゴムなどの工業用品及び紳士靴、婦人靴、スポーッシューズなどの履物底材に好適なゴム組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)加硫可能なゴム50〜95重量部、
(B)還元粘度が0.1〜4のシンジオタクティク1.2ポリブタジエン(SPB)が5〜50重量部、及び
(A)+(B)=100重量部に対して、(C) 無機補強剤が0〜30重量部 とが配合されたゴム組成物であって、JIS−K6253の引裂き強度が60N/mm以上であることを特徴とする靴底用ゴム組成物に関する。
【0005】
また、本発明は、(B)のSPBの13C−NMRよる1.2結合含量が70%以上で且つ1.2結合中のシンジオタクシティーが90%以上であることを特徴とする上記の靴底用ゴム組成物に関する。
【0006】
また、本発明は、(B)のSPBの融点が110℃以上であることを特徴とする上記の靴底用ゴム組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、(C)の無機補強剤がシリカであることを特徴とする上記の靴底用ゴム組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)加硫可能なゴムとしては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、ポリイソプレン、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらの中でも天然ゴムが好ましい。又、これらゴムの誘導体、例えば錫化合物で変性されたポリブタジエンゴムやこれらのゴムをエポキシ変性したものや、シラン変性、或いはマレイン化したものも用いられる。これらのゴムは単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
【0009】
本発明の(B)還元粘度が0.1〜4のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)は、融点が110℃以上のものが好ましい。より好ましくは110〜200℃、特に好ましくは130〜160℃のものを用いることができる。また本発明のSPBは、13C−NMRによる1,2結合含量が70%以上で且つ1.2結合中のシンジオタクシティーが90%以上であることが好ましい。
【0010】
本発明のSPBは、例えば、特開平9−20811号公報に記載されている懸濁重合法によって製造できる。すなわち、ブタジエンの存在下、コバルト化合物、第I〜III族の有機金属化合物または水素化金属化合物、並びにケトン、カルボン酸エステル、ニトリル、スルホキシド、アミド及び燐酸エステルからなる群から選ばれた化合物を接触させて得られた熟成液(A成分)、並びに、二硫化炭素、イソチオシアン酸フェニル及びキサントゲン酸化合物からなる群から選ばれた化合物(B成分)からなる触媒を用いて製造できる。融点は、ケトン、カルボン酸エステル、ニトリル、スルホキシド、アミド及び燐酸エステルからなる群から選ばれた化合物によって調節することができる。
また、可溶性コバルト−有機アルミニウム化合物−二硫化炭素−融点調節剤からなる触媒系からなる溶液重合法を用いてもよい。
【0011】
本発明の(C) 無機補強剤としては、シリカ、各種のカーボンブラック、ホワイトカーボン、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等などが挙げられる。特に好ましくは、シリカが挙げられる。
【0012】
本発明のゴム組成物の配合割合は、(A)加硫可能なゴム50〜95重量部、好ましくは、60〜95重量部、
(B)還元粘度が0.1〜4のシンジオタクティク1.2ポリブタジエン(SPB)が5〜50重量部、好ましくは、5 〜40重量部、及び
(A)+(B)=100重量部に対して、(C) 無機補強剤が0〜30重量部、好ましくは、5〜30重量部である。
【0013】
本発明のゴム組成物は、前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。
【0014】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
【0015】
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
【0016】
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
【0017】
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
【0018】
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
【0019】
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
【0020】
また、本発明のゴム組成物は、JIS−K6253の引裂き強度が60N/mm以上であり、65N/mm以上であることが特に好ましい。
【0021】
【実施例】
SPBの1,2結合含量及びシンジオタクシティーは、13C−NMRによって測定した。
【0022】
還元粘度は、SPB0.2gをo−ジクロロベンゼン100ccに溶解し、135℃の温度でウベローデ粘度計にて測定した。
【0023】
靴底用ゴム組成物の特性は次のように評価した。
【0024】
ダイスウェル指数は、MPT(モンサント社製加工性試験機)により温度100℃、ダイ(D=2mm,L/D=16)、150/Secの条件で押出した時の押出し物のダイスウェルを測定し、比較例1を100として指数表示した指数が小さいほど良好である。
【0025】
硬度は、JIS−K−6253に規定されている測定法に従ってデュロメーター式で測定した。
【0026】
【0027】
引張特性(M300(300%引張応力),Tb(破断強度)、Eb(破断伸び))は、JIS−K−6251に規定されている測定法に従って、ダンベル3号で引張り速度500mm/minで測定した。
【0028】
TR(引裂き強度)JIS−K−6252に規定されている切込無しアングル型で測定した。
【0029】
アクロン摩耗指数:JIS−K−6252に規定されている測定法に従って、荷重27N、摩耗輪1000回転当たりの摩耗容積を測定し、比較例1を100として指数表示した指数が大きいほど良好である。
【0030】
(参考例1)SPB−1の製造
(熟成液の調製) 窒素置換した400mL オートクレーブ熟成槽にブタジエン 150g( 2.8モル)を注入する。コバルトオクトエートを 0.6ミリモルおよびトリエチルアルミニウム 1.8ミリモルを添加して 室温で 5時間攪拌した。
(重合)窒素置換した 1.5L のオートクレーブにイオン交換水 600mL、ポリビニルアルコール 2g 、塩化メチレン 120mL及びアセトン0.477モルを添加して、攪拌しながら10℃に温度設定した。前記で調製した熟成液をオートクレーブ中に添加して10℃で10分間分散させた後、二硫化炭素 0.8ミリモルを添加して重合を開始した。30℃で60分間重合した。重合後、未反応モノマーを開放し、老化防止剤を添加し、ポリビニルアルコールを水洗浄し、ペーパーフィルターで濾過後、乾燥してSPBを得た。SPBの収量は130gであり、SPBの融点は150℃であった。還元粘度は、1.2であった。13C−NMRによる1,2結合含量は、85%、1.2結合中のシンジオタクシティーは100%であった。
【0031】
(参考例2)アセトンを1.2モル添加した以外は、参考例2と同様にした。SPBの収量は120g であり、SPBの融点は130℃であった。還元粘度は、1.3であった。13C−NMRによる1,2結合含量は、82%、1.2結合中のシンジオタクシティーは100%であった。
【0032】
(実施例1〜4)(比較例1〜2)
参考例1及び2のSPBを用い、表1に示す配合処方に従って、1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用し天然ゴムとブタジエンゴム及びシリカ等を混練してから加硫剤をオープンロールで混合した。
【0033】
次いで、温度160℃で8分間プレス加硫し、得られた加硫試験片により物性を評価した。表1に結果をまとめた。
【0034】
【表1】
Figure 0004496693
【0035】
靴底用組成物は、ダイスウェルが小さく、硬度が高く引裂強度や耐摩耗性が優れており押出し加工性と耐久性が高度にバランスしている。
【0036】
比較例のSPBを含まない組成物においては、ダイスウェルが大きく、引裂強度や耐摩耗性も劣っていた。
【0037】
【発明の効果】
本発明において、押出し加工性や耐久性に優れる紳士靴、婦人靴、スポーツシューズなどの履物底材に好適なゴム組成物を提供される。

Claims (4)

  1. (A)加硫可能なゴム50〜95重量部、(B)シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)が5〜50重量部、及び(A)+(B)=100重量部に対して、(C)無機補強剤が0〜30重量部とが配合されたゴム組成物であって、
    JIS−K6253の引裂き強度が60N/mm以上であり、
    前記SPBは、懸濁重合法によって製造され、SPB0.2gをo−ジクロロベンゼン100ccに溶解し、135℃の温度でウベローデ粘度計にて測定した還元粘度が0.1〜4であり、融点が130〜160℃であることを特徴とする靴底用ゴム組成物。
  2. 該(B)のSPBの13C−NMRよる12結合含量が70%以上で且つ12結合中のシンジオタクシティーが90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の靴底用ゴム組成物。
  3. 該(B)のSPBの融点が110℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の靴底用ゴム組成物。
  4. (C)の無機補強剤がシリカであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の靴底用ゴム組成物。
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