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JP4483382B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

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JP4483382B2 JP2004110628A JP2004110628A JP4483382B2 JP 4483382 B2 JP4483382 B2 JP 4483382B2 JP 2004110628 A JP2004110628 A JP 2004110628A JP 2004110628 A JP2004110628 A JP 2004110628A JP 4483382 B2 JP4483382 B2 JP 4483382B2
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Description

この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用自動変速装置を構成する変速ユニットとして、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する。
特許文献1、非特許文献1、2等の多くの刊行物に記載されている様に、自動車用自動変速装置の変速ユニットとして、トロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。図2〜3は、この様なトロイダル型無段変速機のうちのダブルキャビティ型と呼ばれるものであり、特許請求の範囲に記載した回転軸である入力回転軸1の周囲に、それぞれが特許請求の範囲に記載した外側ディスクである1対の入力側ディスク2a、2bを支持している。これら両入力側ディスク2a、2bは、上記入力回転軸1に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する入力側内側面3、3同士を互いに対向させた状態で、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持している。
これら両入力側ディスク2a、2bのうちの一方(図2の右方)の入力側ディスク2aは、ボールスプライン5により上記入力回転軸1の一端寄り部分(図2の右端寄り部分)に、軸方向の変位を自在に支持されている。これに対して、他方(図2の左方)の入力側ディスク2bは、その内径寄り部分に設けた段差面4aを、上記入力回転軸1の他端寄り部分(図2の左端寄り部分)の外周面に設けた段差面4bに当接させた状態で、上記入力回転軸1にスプライン係合により支持されている。従って、上記他方の入力側ディスク2bは、上記各段差面4a、4b同士が当接した状態からそれ以上の軸方向他方(図2の左方)への変位を阻止された状態で、上記入力回転軸1に支持されている。そして、上記両入力側ディスク2a、2bのうちの一方の入力側ディスク2aを、油圧式の押圧装置6により上記他方の入力側ディスク2bに向け押圧自在としている。
又、上記入力回転軸1はケーシング7に、その一端部(図2の右端部)を円筒ころ軸受9により軸方向の変位を許容する状態で、その他端部(図2の左端部)を複列アンギュラ型の玉軸受8により軸方向の変位を阻止した状態で、それぞれ回転自在に支持している。又、上記入力回転軸1の中間部に、特許請求の範囲に記載した内側ディスクに相当する出力側ディスク10を、ラジアルニードル軸受11、11により相対回転及び軸方向の変位自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面であって特許請求の範囲に記載した軸方向両側面に相当する、上記各出力側ディスク10の各出力側内側面12、12が、上記各入力側内側面3、3に対向する。又、上記出力側ディスク10の外周面に直接形成した出力歯車13を、図示しない出力回転軸に固定した別の出力歯車に噛合させ、この出力歯車13の動力をこの出力回転軸に伝達自在としている。
又、上記入力回転軸1の周囲で上記入力側、出力側両内側面3、12同士の間部分(キャビティ)に、それぞれ複数個(一般的には2個又は3個)ずつのパワーローラ14、14を配置している。これら各パワーローラ14、14はそれぞれ、上記入力側、出力側両内側面3、12に当接する周面15、15を球状凸面としたもので、トラニオン16、16の内側面に、特許請求の範囲に記載した偏心軸に相当する支持軸17、17と、ラジアルニードル軸受18、18と、特許請求の範囲に記載した第一のスラスト軸受に相当するスラスト玉軸受19、19と、同じく第二のスラスト軸受に相当するスラストニードル軸受20、20とにより、回転及び若干の揺動変位自在に支持されている。即ち、上記各支持軸17、17は基半部と先半部とが互いに偏心した偏心軸であり、このうちの基半部を上記各トラニオン16、16の中間部に、別のラジアルニードル軸受21、21により、揺動変位自在に支持している。上記各パワーローラ14、14は、この様な支持軸17、17の先半部に、上記ラジアルニードル軸受18、18と上記スラスト玉軸受19、19とにより、回転自在に支持している。又、構成各部材の弾性変形に基づく、上記入力回転軸1の軸方向に関する上記各パワーローラ14、14の変位を、上記各スラストニードル軸受20、20と上記別のラジアルニードル軸受21、21とにより、自在としている。
又、上記各トラニオン16、16は、それぞれの長さ方向(図2の表裏方向、図3の上下方向)両端部にこれら各トラニオン16、16毎に互いに同心に設けられた枢軸22、22を中心として揺動変位自在である。変速時には、各アクチュエータ23、23への圧油の給排により、上記各トラニオン16、16を上記各枢軸22、22の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ14、14の周面15、15と上記入力側、出力側各ディスク2a、2b、10の入力側、出力側各内側面3、12との転がり接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化し、上記各トラニオン16、16が上記各枢軸22、22を中心として揺動変位する。上記各パワーローラ14、14の周面15、15を、上記各入力側ディスク2a、2bの入力側内側面3、3の径方向外寄り部分と、上記出力側ディスク10の出力側内側面12、12の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、上記両ディスク2a、2b、10同士の間の変速比が増速側になる。これに対して、上記各パワーローラ14、14の周面15、15を、上記各入力側ディスク2a、2bの入力側内側面3、3の径方向内寄り部分と、上記出力側ディスク10の出力側内側面12、12の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、上記両ディスク同士の間の変速比が減速側になる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時、前記押圧装置6により上記1対の入力側ディスク2a、2bを互いに近づく方向に押圧しつつ、これら入力側両ディスク2a、2bの回転を、上記各パワーローラ14、14を介して上記出力側ディスク10に伝達する。上記押圧装置6は、1対の油圧室24a、24b内に圧油を導入する事により、上記一方の入力側ディスク2aを上記他方の入力側ディスク2bに向け押圧する。又、上記各油圧室24a、24bのうちの一方(図2の右方)の油圧室24a内に、皿板ばね等の予圧ばね25を設け、上記両油圧室24a、24b内に油圧を導入していない状態でも、上記入力側、出力側各ディスク2a、2b、10の入力側、出力側各内側面3、12と各パワーローラ14、14の周面15、15との転がり接触部の面圧を、最低限確保できる様にしている。
ところで、上述の様なトロイダル型無段変速機の場合、運転時に上記押圧装置6の発生する押圧力に基づいて構成各部材が弾性変形すると、これら構成各部材の変位を吸収すべく、上記各パワーローラ14、14が支持軸17、17の基半部を中心に揺動(円弧運動)する。しかも、上述の図2〜3に示した様な、一方(図2の右方)の入力側ディスク2aだけでなく、出力側ディスク10も上記入力回転軸1の軸方向に変位させると共に、他方(図2の左方)の入力側ディスク2bの軸方向位置を固定した構造の場合、上記各パワーローラ14、14の揺動量(円弧運動量)が、それぞれのキャビティ(図2の左右のキャビティ)26a、26b同士の間で互いに異なる。より具体的には、一方(図2の右方)のキャビティ26aの各パワーローラ14、14の揺動量が、他方(図2の左方)のキャビティ26bの各パワーローラ14、14の揺動量よりも大きくなる。この理由は、上記一方の入力側ディスク2a及び出力側ディスク10が上記入力回転軸1の軸方向に変位するのに対し、上記各パワーローラ14、14を支持する各トラニオン16、16及び他方の入力側ディスク2bが、上記入力回転軸1の軸方向に変位しない為である。
一方、図4の(A)〜(D)にそれぞれ示す様に、上記各パワーローラ14が傾斜した状態(トロイダル型無段変速機の変速比が1からずれた状態)で、これら各パワーローラ14が上記押圧装置6の発生する押圧力の増減に基づき上記支持軸17の基半部を中心に揺動すると、この揺動に基づき上記各パワーローラ14は、同図にそれぞれ矢印で示す方向に変位する。尚、この図4は、前述した図2の各パワーローラ14、14のうちの右上のパワーローラ14の傾斜状態と揺動方向との関係を示している。例えば、この図4の(A)に示す様に、上記パワーローラ14が減速時に上記出力側ディスク10に向けて揺動する場合には、このパワーローラ14は同図の斜め左上に変位する。又、上記図4の(B)に示す様に、同じく減速時に上記入力側ディスク2aに向けて揺動する場合には、上記パワーローラ14は同図の斜め右下に変位する。一方、上記図4の(C)に示す様に、増速時に上記出力側ディスク10に向けて揺動する場合には、上記パワーローラ14は同図の斜め左下に、同じく(D)に示す様に、増速時に上記入力側ディスク2aに向けて揺動する場合には、上記パワーローラ14は同図の斜め右上に、それぞれ変位する。
この様な図4から明らかな様に、上記パワーローラ14が傾斜した状態で揺動すると、このパワーローラ14は上記入力回転軸1の軸方向に変位するだけでなく、上記各ディスク2a、10の径方向にも変位する。そして、この様なパワーローラ14の変位に基づいて、このパワーローラ14の周面15と上記入力側、出力側各ディスク2a、10の入力側、出力側各側面3、12との転がり接触部(トラクション部)イの位置は、上記図4の実線で示す位置から鎖線で示す位置に変位する。即ち、上記パワーローラ14が上述の様に入力回転軸1の軸方向に関する変位だけでなく各ディスク2a、10の径方向にも変位するのに対し、これら各ディスク2a、10は軸方向にのみ変位する為、上記各転がり接触部イの位置はこれら各ディスク2a、10の径方向(パワーローラ14の軸方向)に変位する。特に図4の(A)及び(D)に示す様に、上記パワーローラ14が、上記各ディスク2a、10の径方向外方(図4の上方)にも変位する方向に揺動する場合には、上記各転がり接触部イの位置が、上記各ディスク2a、10の径方向外方(パワーローラ14の軸方向基端側)、即ち、上記パワーローラ14の半頂角γA (開き角θA )が開く方向に変位する。この様な各転がり接触部イの変位は、同一キャビティ26a(26b)では上記各ディスク2a、2b、10の径方向に関しそれぞれ同方向になる。又、異なるキャビティ26a、26b同士の間では、各パワーローラ14、14の揺動量が大きくなる側のキャビティである一方のキャビティ26aで、径方向に関しても大きく変位する。
そして、上述の様に各転がり接触部イが上記半頂角γA の開く方向に変位すると、これら各転がり接触部イに形成される接触楕円が上記各パワーローラ14の周面15及び各ディスク2a、10の端縁に達し易くなり、これら各パワーローラ14並びに各ディスク2a、10にエッジロードに基づく損傷を生じ易くする。特に、上記図4の(A)に示す様な、減速状態で、且つ、前記押圧装置6の発生する押圧力の増大に基づき、上記各パワーローラ14が上記出力側ディスク10側に向けて揺動する場合には、上記各転がり接触部イの面圧が増大する。この様に各転がり接触部イの面圧が増大する状態で、上述の様に接触楕円が各パワーローラ14の周面15及び各ディスク2a、10の端縁に達する事は、特に好ましくない。又、この様な各転がり接触部イの面圧が増大する状態で、それぞれのキャビティ26a、26b同士の間で各転がり接触部イ、ロの位置が、上記各ディスク2a、2b、10の径方向に関して大きく相違すると、これら各転がり接触部イ、ロの滑り量が増大し、耐久性や伝達効率が低下する可能性もある。
特開平6−280959号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三雄社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の様な事情に鑑みて、回転軸の軸方向に関し、一方の外側ディスク及び内側ディスクが変位する構造で、耐久性並びに伝達効率の向上を図るべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した図2〜3に示す構造と同様に、回転軸と、1対の外側ディスクと、内側ディスクと、複数個のトラニオンと、複数個のパワーローラと、押圧装置とを備える。
このうちの回転軸は、ケーシング内に回転自在に且つ軸方向の変位を阻止された状態で支持されている。
又、上記各外側ディスクは、それぞれが断面円弧形の凹面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で上記回転軸の軸方向2個所位置に、この回転軸と同期した回転を自在として支持されている。
又、上記内側ディスクは、上記回転軸の中間部周囲に、断面円弧形の凹面である軸方向両側面を上記各外側ディスクの軸方向片側面に対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、軸方向に関して上記内側ディスクの軸方向両側面と各外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各トラニオンに回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向両側面と各外側ディスクの軸方向片側面とに当接させている。
又、上記押圧装置は、上記各外側ディスクと上記内側ディスクとを互いに近付ける方向に押圧するものである。
そして、上記各外側ディスクのうちの一方の外側ディスク並びに上記内側ディスクを、上記回転軸の周囲に直接或は他の部材を介してこの回転軸の軸方向に変位可能に設けると共に、他方の外側ディスクを上記回転軸の周囲にこの回転軸の軸方向の変位を阻止した状態で設けている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記押圧装置が押圧力を発生しない状態で、上記一方の外側ディスクと内側ディスクとの間部分である一方のキャビティに存在する各パワーローラの周面と上記各ディスクの軸方向各側面との転がり接触部の位置を、上記他方の外側ディスクと内側ディスクとの間部分である他方のキャビティに存在する各パワーローラの周面と上記各ディスクの軸方向各側面との転がり接触部の位置よりも、これら各ディスクの径方向に関して内方に位置させている。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、各パワーローラの揺動量が大きくなる側のキャビティである、一方のキャビティの各転がり接触部(トラクション部)を、各ディスクの径方向(各パワーローラの軸方向)に関して外方(基端側)に変位しにくくできる。即ち、上記一方のキャビティの各転がり接触部の位置を、他方のキャビティの各転がり接触部の位置に比べ、上記各ディスクの径方向内方に位置させる分、上記一方のキャビティの各転がり接触部を上記各ディスクの径方向外方へ変位しにくくできる{各パワーローラの半頂角(開き角)を開きにくくできる}。この為、上記各転がり接触部の面圧が増大する状態で、且つ、上記一方のキャビティの各パワーローラがこの一方のキャビティの各転がり接触部を上記各ディスクの径方向外方に変位させる方向(半頂角の開く方向)に揺動する場合でも、この一方のキャビティの各転がり接触部の接触楕円を上記各パワーローラの周面や各ディスクの端縁に達しにくくできる。又、上記各転がり接触部の面圧が中間の状態(各転がり接触部の面圧が最大となる状態と最小となる状態との間の中間の状態)で、それぞれのキャビティ同士の間で各転がり接触部の位置を上記各ディスクの径方向に関して一致させれば、これら各転がり接触部で生じる滑りを低減し、耐久性や伝達効率の向上を図れる。
尚、上述の様に一方のキャビティの各転がり接触部の位置を各ディスクの径方向内方に位置させる分、この一方のキャビティの各パワーローラがこの一方のキャビティの各転がり接触部を上記各ディスクの径方向内方に変位させる方向(半頂角の閉じる方向)に揺動する場合に、これら各転がり接触部がこれら各ディスクの径方向内方に変位し易くなる(各パワーローラの半頂角が閉じ易くなる)。但し、この様に各転がり接触部が各ディスクの径方向内方に変位する(各パワーローラの半頂角が閉じる)分には、これら各転がり接触部の接触楕円が上記各パワーローラの周面や各ディスクの端縁に達し易くなる事はない為、特に問題にならない。又、上述の様に一方のキャビティの各転がり接触部の位置を各ディスクの径方向内方に位置させる分、それぞれのキャビティ同士の間で各転がり接触部の位置が上記各ディスクの径方向に関して不一致になり易くなる。但し、上述の様に各転がり接触部の面圧が中間の状態で、上記各キャビティ同士の間で各転がり接触部の位置を一致させれば、耐久性や伝達効率に及ぼす影響は小さく済む。又、それぞれのキャビティ同士の間で各転がり接触部の位置が不一致になる場合でも、上記各パワーローラを支持するトラニオンを変位させて上記各ディスク同士の間の変速比を変えるアクチュエータが、上記各転がり接触部の伝達トルクをそれぞれのキャビティで一致する様に上記各トラニオンを変位させる為、上記転がり接触部で過度の滑りは生じにくくできる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、各パワーローラを、各トラニオンの中間部にその基半部を枢支すると共に、その先半部をこれら各トラニオンの内側面から突出させた偏心軸のうちの先半部周囲に回転自在に支持する。又、これら各パワーローラと上記各トラニオンの内側面との間には、これら各パワーローラの側から順番に、これら各パワーローラに加わるスラスト荷重を支承しつつこれら各パワーローラの回転を許容する第一のスラスト軸受と、この第一のスラスト軸受を構成する外輪が上記各偏心軸の基半部を中心として揺動変位する事を許容する第二のスラスト軸受とを設ける。そして、一方のキャビティに存在する各パワーローラと各トラニオンの内側面との間に設ける第二のスラスト軸受の、これら各パワーローラの軸方向に関する寸法を、他方のキャビティに存在する各パワーローラと各トラニオンの内側面との間に設ける第二のスラスト軸受の、これら各パワーローラの軸方向に関する寸法よりも大きくする。
この様に構成すれば、パワーローラやトラニオン、更には各ディスク等、比較的コストが嵩む部材に関しては、各キャビティ同士の間で同一仕様(同一形状且つ同一寸法)のものを使用できる。この為、構成部材の製造コストの増大を抑えられる。
又、上述の様な請求項2に係る発明を実施する場合に、更に好ましくは、請求項3に記載した様に、第二のスラスト軸受を、スラストレースと複数のニードルとを備えたスラストニードル軸受とする。そして、一方のキャビティに存在するスラストニードル軸受のスラストレースの厚さ寸法を、他方のキャビティに存在するスラストニードル軸受のスラストレースの厚さ寸法よりも大きくする。
この様な構成を採用すれば、単純な形状(単なる平板状)で低コストで造れる部材の厚さを変えるのみで済む為、本発明を最も低コストで実施できる。
図1は、請求項1〜3の総てに対応する、本発明の実施例を示している。尚、本実施例の特徴は、出力側ディスク10の軸方向変位を許容して回転自在に支持した構造で、耐久性並びに伝達効率を確保すべく、各パワーローラ14、14の揺動量が大きくなる側のキャビティである、一方(図1の右方)のキャビティ26aの各転がり接触部(トラクション部)イ、イの位置を、各ディスク2a、2b、10の径方向外方(各パワーローラ14、14の軸方向基端側)に変位しにくくする点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図2〜3に示した構造と同様であるから、重複する図示及び説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合、押圧装置6が押圧力を発生しない状態で、一方のキャビティ26aの各転がり接触部イ、イの位置を、他方(図1の左方)のキャビティ26bの各転がり接触部ロ、ロの位置よりも、上記各ディスク2a、2b、10の径方向に関して内方{各パワーローラ14、14の軸方向に関して先端側(トラニオン16、16の内側面から遠い側、支持軸17、17の先半部の先端側)}に位置させている。即ち、上記押圧装置6が押圧力を発生しない状態で、上記一方のキャビティ26aの転がり接触部イ、イのそれぞれの法線α、αの交点A、Aを、他方のキャビティ26bの転がり接触部ロ、ロのそれぞれの法線β、βの交点B、Bよりも、上記各ディスク2a、2b、10の径方向に関して内側に位置させている。言い換えれば、上記押圧装置6が押圧力を発生しない状態で、上記一方のキャビティ26aの各パワーローラ14、14の開き角(接触角)θA を、上記他方のキャビティ26bの各パワーローラ14、14の開き角θB よりも小さく(θA <θB )なる様にしている。
この為に本実施例の場合には、上記一方のキャビティ26aに存在する各パワーローラ14、14と各トラニオン16、16の内側面との間に設ける各スラストニードル軸受20a、20aの厚さ寸法T20を、上記他方のキャビティ26bに存在する各パワーローラ14、14と各トラニオン16、16の内側面との間に設ける各スラストニードル軸受20、20の厚さ寸法t20よりも大きく(T20>t20)している。この為に、上記一方のキャビティ26aに存在する上記各スラストニードル軸受20a、20aを構成する各スラストレース27a、27aの厚さ寸法T27を、上記他方のキャビティ26bに存在するスラストニードル軸受20、20を構成する各スラストレース27、27の厚さ寸法t27よりも大きく(T27>t27)している。上記各トラニオン6、6の両端部に設けた枢軸22、22(図3参照)の、入力回転軸1からの距離は、上記両キャビティ26a、26b同士の間で互いに同じとしている。
尚、上述の様な各スラストプレート27、27aの厚さの差(=各交点A、Bの位置の差S)は、前記押圧装置6が発生する押圧力が中間の状態(各転がり接触部イ、ロの面圧が中間の状態)で、それぞれのキャビティ26a、26b同士の間で各転がり接触部イ、ロの位置が、上記各ディスク2a、2b、10の径方向に関して一致する様に規制する事が好ましい。言い換えれば、上記各転がり接触部イ、ロの面圧が中間の状態で、それぞれのキャビティ26a、26bの各開き角θA 、θB が一致する様に規制する事が好ましい。
上述の様に構成する本実施例のトロイダル型無段変速機によれば、上記各パワーローラ14、14の揺動量が大きくなる側のキャビティである、上記一方のキャビティ26aの各転がり接触部イ、イを、各ディスク2a、2b、10の径方向(各パワーローラ14、14の軸方向)に関して外方(基端側)に変位しにくくできる。即ち、上記一方のキャビティ26aの各転がり接触部イ、イの位置を、上記他方のキャビティ26bの各転がり接触部ロ、ロの位置に比べ、上記各ディスク2a、2b、10の径方向内方に位置させた分、上記一方のキャビティ26aの各転がり接触部イ、イを上記各ディスク2a、2b、10の径方向外方へ変位しにくくできる{各パワーローラ14、14の半頂角γA (開き角θA )を開きにくくできる}。この為、前述の図4の(A)に示す様な、減速状態で、且つ、前記押圧装置6の発生する押圧力の増大に基づき上記各パワーローラ14、14が上記出力側ディスク10側に向けて揺動する{各パワーローラ14、14が半頂角γA (開き角θA )の開く方向に揺動する}場合でも、上記各転がり接触部イ、イの接触楕円を上記各パワーローラ14、14の周面15、15や各ディスク2a、2b、10の端縁に達しにくくできる。又、上記各転がり接触部イ、ロの面圧が中間の状態で、それぞれのキャビティ26a、26b同士の間で各転がり接触部イ、ロの位置を、上記各ディスク2a、2b、10の径方向に関して一致させている為、これら各転がり接触部イ、ロで生じる滑りを低減し、耐久性や伝達効率の向上を図れる。
尚、上述の様に一方のキャビティ26aの各転がり接触部イ、イの位置を各ディスク2a、2b、10の径方向内方に位置させる分、前述の図4の(B)、(C)に示す状態で、これら各転がり接触部イ、イが更に内方へ位置する{各パワーローラ14、14の半頂角γA (開き角θA )が更に閉じる}事になる。但し、この様に各転がり接触部イ、イが各ディスク2a、2b、10の径方向内方に変位する{各パワーローラ14、14の半頂角γA (開き角θA )が更に閉じる}分には、これら各転がり接触部イ、イの接触楕円が上記各パワーローラ14、14の周面15、15や各ディスク2a、2b、10の端縁に達し易くなる事はない為、特に問題にならない。又、上述の様に一方のキャビティ26aの各転がり接触部イ、イの位置を上記各ディスク2a、2b、10の径方向内方に位置させる分、それぞれのキャビティ26a、26b同士の間で各転がり接触部イ、ロの位置が上記各ディスク2a、2b、10の径方向に関して不一致になり易くなる。但し、これら各転がり接触部イ、ロの面圧が中間の状態で、これら各転がり接触部イ、イの上記各ディスク2a、2b、10の径方向に関する位置を一致させる為、耐久性や伝達効率に及ぼす影響は小さく済む。又、それぞれのキャビティ26a、26b同士の間で各転がり接触部イ、ロの位置が不一致になる場合でも、上記各パワーローラ14、14を支持するトラニオン16、16を変位させて上記入力側、出力側各ディスク2a、2b、10の間の変速比を変えるアクチュエータ23(図3参照)が、上記各転がり接触部イ、ロの伝達トルクをそれぞれのキャビティ26a、26bで一致する様に上記各トラニオン16、16を変位させる為、上記転がり接触部イ、ロで過度の滑りは生じにくくできる。
本発明の実施例を、押圧装置が押圧力を発生していない状態で示す断面図。 従来構造の1例を、押圧装置が押圧力を発生していない状態で示す断面図。 図2のX−X断面図。 各パワーローラの傾斜状態と揺動方向との関係の4例を示す、図2のY部に相当する図。
符号の説明
1 入力回転軸
2a、2b 入力側ディスク
3 入力側内側面
4a、4b 段差面
5 ボールスプライン
6 押圧装置
7 ケーシング
8 玉軸受
9 円筒ころ軸受
10 出力側ディスク
11 ラジアルニードル軸受
12 出力側内側面
13 出力歯車
14 パワーローラ
15 周面
16 トラニオン
17 支持軸
18 ラジアルニードル軸受
19 スラスト玉軸受
20、20a スラストニードル軸受
21 ラジアルニードル軸受
22 枢軸
23 アクチュエータ
24a、24b 油圧室
25 予圧ばね
26a、26b キャビティ
27、27a スラストレース

Claims (3)

  1. ケーシング内に回転自在に且つ軸方向の変位を阻止された状態で支持された回転軸と、それぞれが断面円弧形の凹面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態でこの回転軸の軸方向2個所位置に、この回転軸と同期した回転を自在として支持された1対の外側ディスクと、この回転軸の中間部周囲に、断面円弧形の凹面である軸方向両側面を上記各外側ディスクの軸方向片側面に対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に支持された内側ディスクと、軸方向に関してこの内側ディスクの軸方向両側面と各外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられたトラニオンと、これら各トラニオンに回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向両側面と各外側ディスクの軸方向片側面とに当接させたパワーローラと、上記各外側ディスクと上記内側ディスクとを互いに近付ける方向に押圧する押圧装置とを備え、上記各外側ディスクのうちの一方の外側ディスク並びに上記内側ディスクを、上記回転軸の周囲に直接或は他の部材を介してこの回転軸の軸方向に変位可能に設けると共に、他方の外側ディスクを上記回転軸の周囲にこの回転軸の軸方向の変位を阻止した状態で設けたトロイダル型無段変速機に於いて、上記押圧装置が押圧力を発生しない状態で、上記一方の外側ディスクと内側ディスクとの間部分である一方のキャビティに存在する各パワーローラの周面と上記各ディスクの軸方向各側面との転がり接触部の位置を、上記他方の外側ディスクと内側ディスクとの間部分である他方のキャビティに存在する各パワーローラの周面と上記各ディスクの軸方向各側面との転がり接触部の位置よりも、これら各ディスクの径方向に関して内方に位置させた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 各パワーローラは、各トラニオンの中間部にその基半部を枢支すると共に、その先半部をこれら各トラニオンの内側面から突出させた偏心軸のうちの先半部周囲に回転自在に支持されており、これら各パワーローラと上記各トラニオンの内側面との間には、これら各パワーローラの側から順番に、これら各パワーローラに加わるスラスト荷重を支承しつつこれら各パワーローラの回転を許容する第一のスラスト軸受と、この第一のスラスト軸受を構成する外輪が上記各偏心軸の基半部を中心として揺動変位する事を許容する第二のスラスト軸受とが設けられており、一方のキャビティに存在する各パワーローラと各トラニオンの内側面との間に設ける第二のスラスト軸受の、これら各パワーローラの軸方向に関する寸法を、他方のキャビティに存在する各パワーローラと各トラニオンの内側面との間に設ける第二のスラスト軸受の、これら各パワーローラの軸方向に関する寸法よりも大きくした、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 第二のスラスト軸受が、スラストレースと複数のニードルとを備えたスラストニードル軸受であり、一方のキャビティに存在するスラストニードル軸受のスラストレースの厚さ寸法が、他方のキャビティに存在するスラストニードル軸受のスラストレースの厚さ寸法よりも大きい、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機。
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