JP2001050360A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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- JP2001050360A JP2001050360A JP11219040A JP21904099A JP2001050360A JP 2001050360 A JP2001050360 A JP 2001050360A JP 11219040 A JP11219040 A JP 11219040A JP 21904099 A JP21904099 A JP 21904099A JP 2001050360 A JP2001050360 A JP 2001050360A
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- trunnions
- raceway
- circumferential direction
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 伝達効率を低下させる事なく、パワーローラ
を支承するスラスト玉軸受26を構成するセパレータの
損傷を防止する。 【解決手段】 このセパレータとして、玉30、30と
同数の素子37、37から成る、間隔体36を使用す
る。これら各玉30、30の公転速度がばらつき、これ
ら各玉30、30が上記各素子37、37を押した場合
でも、これら各素子37、37に、損傷に結び付く様な
無理な力が加わる事はない。
を支承するスラスト玉軸受26を構成するセパレータの
損傷を防止する。 【解決手段】 このセパレータとして、玉30、30と
同数の素子37、37から成る、間隔体36を使用す
る。これら各玉30、30の公転速度がばらつき、これ
ら各玉30、30が上記各素子37、37を押した場合
でも、これら各素子37、37に、損傷に結び付く様な
無理な力が加わる事はない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の変速機の変速ユニット
として、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ
利用する。
無段変速機は、例えば自動車用の変速機の変速ユニット
として、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ
利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図2〜3に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に、請求項に記載した第一のディスクである
入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置
した出力軸3の端部に、請求項に記載した第二のディス
クである出力側ディスク4を固定している。トロイダル
型無段変速機を納めたケーシングの内側には、上記入力
軸1並びに出力軸3の中心軸に対して交差する事はない
が、この中心軸の方向に対して直角若しくは直角に近い
方向である捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺
動するトラニオン6、6を設けている。
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に、請求項に記載した第一のディスクである
入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置
した出力軸3の端部に、請求項に記載した第二のディス
クである出力側ディスク4を固定している。トロイダル
型無段変速機を納めたケーシングの内側には、上記入力
軸1並びに出力軸3の中心軸に対して交差する事はない
が、この中心軸の方向に対して直角若しくは直角に近い
方向である捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺
動するトラニオン6、6を設けている。
【0003】即ち、これら各トラニオン6、6は、それ
ぞれの両端部外面に上記枢軸5、5を、互いに同心に設
けている。又、これら各トラニオン6、6の中間部には
変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心
として上記各トラニオン6、6を揺動させる事により、
上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としてい
る。上記各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の
周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支
持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、
上記入力側、出力側両ディスク2、4の、互いに対向す
る内側面2a、4a同士の間に挟持している。これら各
内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5を中
心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い曲線を、上記
入力軸1及び出力軸3の中心軸の回りに回転させて得ら
れる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成した上
記各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側
面2a、4aに当接させている。
ぞれの両端部外面に上記枢軸5、5を、互いに同心に設
けている。又、これら各トラニオン6、6の中間部には
変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心
として上記各トラニオン6、6を揺動させる事により、
上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としてい
る。上記各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の
周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支
持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、
上記入力側、出力側両ディスク2、4の、互いに対向す
る内側面2a、4a同士の間に挟持している。これら各
内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5を中
心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い曲線を、上記
入力軸1及び出力軸3の中心軸の回りに回転させて得ら
れる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成した上
記各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側
面2a、4aに当接させている。
【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装
置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器
11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)の
ローラ12、12とから構成している。上記カム板10
の片側面(図2〜3の左側面)には、円周方向に亙る凹
凸面である駆動側カム面13を形成し、上記入力側ディ
スク2の外側面(図2〜3の右側面)にも、同様の形状
を有する被駆動側カム面14を形成している。そして、
上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心
に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支持してい
る。
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装
置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器
11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)の
ローラ12、12とから構成している。上記カム板10
の片側面(図2〜3の左側面)には、円周方向に亙る凹
凸面である駆動側カム面13を形成し、上記入力側ディ
スク2の外側面(図2〜3の右側面)にも、同様の形状
を有する被駆動側カム面14を形成している。そして、
上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心
に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支持してい
る。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、駆動側カム面13が複数個のローラ12、12
を、入力側ディスク2の外側面に形成した被駆動側カム
面14に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2
が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時
に、上記駆動側、被駆動側両カム面13、14と複数個
のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記
入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディ
スク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、8を介し
て出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4
に固定の出力軸3が回転する。
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、駆動側カム面13が複数個のローラ12、12
を、入力側ディスク2の外側面に形成した被駆動側カム
面14に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2
が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時
に、上記駆動側、被駆動側両カム面13、14と複数個
のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記
入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディ
スク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、8を介し
て出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4
に固定の出力軸3が回転する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として
前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そし
て、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図2
に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り
部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分と
にそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜さ
せる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5
を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺動
させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8
a、8aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面
2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの
中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位
軸7、7を傾斜させる。これら各変位軸7、7の傾斜角
度を図2と図3との中間にすれば、入力軸1と出力軸3
との間で、中間の変速比を得られる。
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として
前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そし
て、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図2
に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り
部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分と
にそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜さ
せる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5
を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺動
させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8
a、8aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面
2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの
中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位
軸7、7を傾斜させる。これら各変位軸7、7の傾斜角
度を図2と図3との中間にすれば、入力軸1と出力軸3
との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】又、図4〜5は、実願昭63−69293
号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに
記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機
の1例を示している。入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニード
ル軸受16、16を介して回転自在に支持している。
又、カム板10は上記入力軸15の端部(図4の左端
部)外周面にスプライン係合させ、鍔部17により上記
入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止してい
る。そして、このカム板10とローラ12、12とによ
り、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側ディス
ク2を、上記出力側ディスク4に向け押圧しつつ回転さ
せる、ローディングカム式の押圧装置9を構成してい
る。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー1
9、19により結合し、これら出力側ディスク4と出力
歯車18とが同期して回転する様にしている。
号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに
記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機
の1例を示している。入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニード
ル軸受16、16を介して回転自在に支持している。
又、カム板10は上記入力軸15の端部(図4の左端
部)外周面にスプライン係合させ、鍔部17により上記
入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止してい
る。そして、このカム板10とローラ12、12とによ
り、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側ディス
ク2を、上記出力側ディスク4に向け押圧しつつ回転さ
せる、ローディングカム式の押圧装置9を構成してい
る。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー1
9、19により結合し、これら出力側ディスク4と出力
歯車18とが同期して回転する様にしている。
【0008】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに枢軸5、5の軸方向
(図4の表裏方向、図5の左右方向)に亙る変位自在に
支持している。そして、上記各トラニオン6、6の中間
部に形成した円孔21、21部分に、変位軸7、7を支
持している。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且
つ偏心した支持軸部22、22と枢支軸部23、23と
を、それぞれ有する。このうちの各支持軸部22、22
を上記各円孔21、21の内側に、ラジアルニードル軸
受24、24を介して、回転自在に支持している。又、
上記各枢支軸部23、23の周囲にパワーローラ8、8
を、別のラジアルニードル軸受25、25を介して、回
転自在に支持している。
支持板20、20に、揺動並びに枢軸5、5の軸方向
(図4の表裏方向、図5の左右方向)に亙る変位自在に
支持している。そして、上記各トラニオン6、6の中間
部に形成した円孔21、21部分に、変位軸7、7を支
持している。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且
つ偏心した支持軸部22、22と枢支軸部23、23と
を、それぞれ有する。このうちの各支持軸部22、22
を上記各円孔21、21の内側に、ラジアルニードル軸
受24、24を介して、回転自在に支持している。又、
上記各枢支軸部23、23の周囲にパワーローラ8、8
を、別のラジアルニードル軸受25、25を介して、回
転自在に支持している。
【0009】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部23、23が各支持
軸部22、22に対し偏心している方向は、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向
(図5で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上
記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向として
いる。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力
軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。
この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大き
な荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因し
て、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方
向(図4の左右方向、図5の表裏方向)に変位する傾向
となった場合でも、上記構成各部品に無理な力を加える
事なく、この変位を吸収できる。
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部23、23が各支持
軸部22、22に対し偏心している方向は、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向
(図5で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上
記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向として
いる。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力
軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。
この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大き
な荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因し
て、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方
向(図4の左右方向、図5の表裏方向)に変位する傾向
となった場合でも、上記構成各部品に無理な力を加える
事なく、この変位を吸収できる。
【0010】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26と、スラストニードル軸受35、35等の
スラスト軸受とを設けている。このうちのスラスト玉軸
受26、26は、上記各パワーローラ8、8に加わるス
ラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ
8、8の回転を許容するものである。この様な各スラス
ト玉軸受26、26を構成する為、上記各パワーローラ
8、8の外端面に、深溝型或はアンギュラ型の内輪軌道
27、27を形成している。又、上記各トラニオン6、
6の内側面に上記各スラストニードル軸受35、35を
介して支持した、外輪28、28の内側面に、深溝型或
はアンギュラ型の外輪軌道29、29を形成している。
そして、この外輪軌道29、29と上記内輪軌道27、
27との間にそれぞれ複数個ずつの玉30、30を、転
動自在に設けている。これら各玉30、30は、請求項
に記載したセパレータに相当する保持器31、31によ
り、円周方向に亙って互いに離隔させた状態で転動自在
に保持している。
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26と、スラストニードル軸受35、35等の
スラスト軸受とを設けている。このうちのスラスト玉軸
受26、26は、上記各パワーローラ8、8に加わるス
ラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ
8、8の回転を許容するものである。この様な各スラス
ト玉軸受26、26を構成する為、上記各パワーローラ
8、8の外端面に、深溝型或はアンギュラ型の内輪軌道
27、27を形成している。又、上記各トラニオン6、
6の内側面に上記各スラストニードル軸受35、35を
介して支持した、外輪28、28の内側面に、深溝型或
はアンギュラ型の外輪軌道29、29を形成している。
そして、この外輪軌道29、29と上記内輪軌道27、
27との間にそれぞれ複数個ずつの玉30、30を、転
動自在に設けている。これら各玉30、30は、請求項
に記載したセパレータに相当する保持器31、31によ
り、円周方向に亙って互いに離隔させた状態で転動自在
に保持している。
【0011】又、上記各スラストニードル軸受35、3
5或は滑り軸受等のスラスト軸受は、上記各パワーロー
ラ8、8から上記各スラスト玉軸受26、26を構成す
る外輪28、28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、
前記各枢支軸部23、23及び上記外輪28、28が、
前記支持軸部22、22を中心に揺動する事を許容す
る。
5或は滑り軸受等のスラスト軸受は、上記各パワーロー
ラ8、8から上記各スラスト玉軸受26、26を構成す
る外輪28、28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、
前記各枢支軸部23、23及び上記外輪28、28が、
前記支持軸部22、22を中心に揺動する事を許容す
る。
【0012】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図5の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド32、32を
結合し、これら各駆動ロッド32、32の中間部外周面
に駆動ピストン33、33を固設している。そして、こ
れら各駆動ピストン33、33を、それぞれ駆動シリン
ダ34、34内に油密に嵌装している。
(図5の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド32、32を
結合し、これら各駆動ロッド32、32の中間部外周面
に駆動ピストン33、33を固設している。そして、こ
れら各駆動ピストン33、33を、それぞれ駆動シリン
ダ34、34内に油密に嵌装している。
【0013】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合には、入力軸15の回転は、押圧装置9を介
して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して
出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディスク4
の回転が、出力歯車18より取り出される。入力軸15
と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、
上記1対の駆動ピストン33、33を互いに逆方向に変
位させる。これら各駆動ピストン33、33の変位に伴
って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に
変位し、例えば図5の下側のパワーローラ8が同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、そ
れぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、
8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側
ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、
接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向き
の変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持板2
0、20に枢支された枢軸5、5を中心として、互いに
逆方向に揺動する。この結果、前述の図2〜3に示した
様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上
記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力
軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
速機の場合には、入力軸15の回転は、押圧装置9を介
して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して
出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディスク4
の回転が、出力歯車18より取り出される。入力軸15
と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、
上記1対の駆動ピストン33、33を互いに逆方向に変
位させる。これら各駆動ピストン33、33の変位に伴
って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に
変位し、例えば図5の下側のパワーローラ8が同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、そ
れぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、
8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側
ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、
接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向き
の変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持板2
0、20に枢支された枢軸5、5を中心として、互いに
逆方向に揺動する。この結果、前述の図2〜3に示した
様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上
記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力
軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0014】尚、この様に上記入力軸15と出力歯車1
8との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の
弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記
入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ
8、8を枢支している前記各変位軸7、7が、前記各支
持軸部22、22を中心として僅かに回動する。この回
動の結果、前記各スラスト玉軸受26、26の外輪2
8、28の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面と
が相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前
記各スラストニードル軸受35、35が存在する為、こ
の相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各
変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて
済む。
8との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の
弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記
入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ
8、8を枢支している前記各変位軸7、7が、前記各支
持軸部22、22を中心として僅かに回動する。この回
動の結果、前記各スラスト玉軸受26、26の外輪2
8、28の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面と
が相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前
記各スラストニードル軸受35、35が存在する為、こ
の相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各
変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて
済む。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用するトロイダル型無段変速機の場合には、各パワーロ
ーラ8、8を回転自在に支持する為のスラスト玉軸受2
6、26を構成する保持器31、31に大きな力が加わ
り易く、これら各保持器31、31の耐久性を確保する
事が難しい。この理由は、上記各スラスト玉軸受26、
26を構成する複数の玉30、30の公転速度がばらつ
く為である。特に、トロイダル型無段変速機に組み込む
スラスト玉軸受26、26は、次のの様な、トロイ
ダル型無段変速機特有の問題として、上記公転速度のば
らつきが大きくなる。
用するトロイダル型無段変速機の場合には、各パワーロ
ーラ8、8を回転自在に支持する為のスラスト玉軸受2
6、26を構成する保持器31、31に大きな力が加わ
り易く、これら各保持器31、31の耐久性を確保する
事が難しい。この理由は、上記各スラスト玉軸受26、
26を構成する複数の玉30、30の公転速度がばらつ
く為である。特に、トロイダル型無段変速機に組み込む
スラスト玉軸受26、26は、次のの様な、トロイ
ダル型無段変速機特有の問題として、上記公転速度のば
らつきが大きくなる。
【0016】 上記各スラスト玉軸受26、26と共
に上記各パワーローラ8、8を回転自在に支持するラジ
アルニードル軸受25、25の内部隙間が大きい。即
ち、上記各パワーローラ8、8は、それぞれの周面8
a、8aを、入力側ディスク2の内側面2aと出力側デ
ィスク4の内側面4aとに均等に当接させる必要があ
る。この為、上記各パワーローラ8、8の微妙な且つ迅
速な変位を可能にすべく、上記各ラジアルニードル軸受
25、25の内部隙間を大きくしている。この結果、上
記各スラスト玉軸受26、26を構成する、上記各パワ
ーローラ8、8の中心軸と各外輪28、28の中心軸と
が不一致になり易い。そして、これら両中心軸同士が不
一致になった場合には、上記各スラスト玉軸受26、2
6を構成する複数の玉30、30の接触角が互いに異な
ってしまう。周知の様に、玉30、30等、転がり軸受
を構成する転動体の公転速度はその接触角により変化す
るので、同一のスラスト玉軸受26、26を構成する複
数個の玉30、30同士の接触角が異なると、これら各
玉30、30の公転速度が互いに異なってしまう。
に上記各パワーローラ8、8を回転自在に支持するラジ
アルニードル軸受25、25の内部隙間が大きい。即
ち、上記各パワーローラ8、8は、それぞれの周面8
a、8aを、入力側ディスク2の内側面2aと出力側デ
ィスク4の内側面4aとに均等に当接させる必要があ
る。この為、上記各パワーローラ8、8の微妙な且つ迅
速な変位を可能にすべく、上記各ラジアルニードル軸受
25、25の内部隙間を大きくしている。この結果、上
記各スラスト玉軸受26、26を構成する、上記各パワ
ーローラ8、8の中心軸と各外輪28、28の中心軸と
が不一致になり易い。そして、これら両中心軸同士が不
一致になった場合には、上記各スラスト玉軸受26、2
6を構成する複数の玉30、30の接触角が互いに異な
ってしまう。周知の様に、玉30、30等、転がり軸受
を構成する転動体の公転速度はその接触角により変化す
るので、同一のスラスト玉軸受26、26を構成する複
数個の玉30、30同士の接触角が異なると、これら各
玉30、30の公転速度が互いに異なってしまう。
【0017】 上記各パワーローラ8、8が、円周方
向に亙って不均一に弾性変形する。即ち、これら各パワ
ーローラ8、8の周面8a、8aは上記入力側、出力側
両ディスク2、4の内側面2a、4aに、円周方向反対
側(直径方向両端側)2個所位置で当接し、これら両側
面2a、4aから大きな押圧力を受ける。この為、トロ
イダル型無段変速機の運転時に上記各パワーローラ8、
8は、楕円形に弾性変形する。この様な弾性変形に基づ
き、上記各スラスト玉軸受26、26を構成する内輪軌
道27、27の形状も楕円形に弾性変形し、これら各内
輪軌道27、27と当接しつつ転動する、上記各玉3
0、30の公転速度が互いに異なる。
向に亙って不均一に弾性変形する。即ち、これら各パワ
ーローラ8、8の周面8a、8aは上記入力側、出力側
両ディスク2、4の内側面2a、4aに、円周方向反対
側(直径方向両端側)2個所位置で当接し、これら両側
面2a、4aから大きな押圧力を受ける。この為、トロ
イダル型無段変速機の運転時に上記各パワーローラ8、
8は、楕円形に弾性変形する。この様な弾性変形に基づ
き、上記各スラスト玉軸受26、26を構成する内輪軌
道27、27の形状も楕円形に弾性変形し、これら各内
輪軌道27、27と当接しつつ転動する、上記各玉3
0、30の公転速度が互いに異なる。
【0018】何れにしても、トロイダル型無段変速機を
構成するスラスト玉軸受26、26の場合には、複数の
玉30、30の公転速度がばらつき、しかもそのばらつ
きの程度が一般的な転がり軸受の場合に比べて著しくな
る。この様に、上記各玉30、30の公転速度が互いに
異なると、円周方向に隣り合う玉30、30同士の距離
が変化する。図6は、上記スラスト玉軸受26、26を
構成する玉30、30の円周方向位置(方位角)が、基
準位置(公転速度がばらつかずに一定であると仮定した
場合の位置)に比べてどの様にずれるかを表している。
この図6から明らかな様に、上記スラスト玉軸受26、
26を構成する玉30、30の公転速度は、円周方向位
置に応じて早くなったり遅くなったりする。
構成するスラスト玉軸受26、26の場合には、複数の
玉30、30の公転速度がばらつき、しかもそのばらつ
きの程度が一般的な転がり軸受の場合に比べて著しくな
る。この様に、上記各玉30、30の公転速度が互いに
異なると、円周方向に隣り合う玉30、30同士の距離
が変化する。図6は、上記スラスト玉軸受26、26を
構成する玉30、30の円周方向位置(方位角)が、基
準位置(公転速度がばらつかずに一定であると仮定した
場合の位置)に比べてどの様にずれるかを表している。
この図6から明らかな様に、上記スラスト玉軸受26、
26を構成する玉30、30の公転速度は、円周方向位
置に応じて早くなったり遅くなったりする。
【0019】この様に、上記スラスト玉軸受26、26
を構成する玉30、30の公転速度が変化すると、これ
ら各玉30、30の転動面が、保持器31のポケットの
内周面の円周方向一端側にぶつかったり、離れたり、円
周方向他端側にぶつかったりする事を繰り返す。この結
果、上記保持器31の一部に繰り返し曲げ応力が加わ
り、長期間に亙る使用に伴って、この保持器31に亀裂
等の損傷が発生する可能性がある。保持器31を省略す
る事は、円周方向に隣り合う上記各玉30、30の転動
面同士が当接し、互いに逆方向に変位する転動面同士が
強く擦れ合って、トルク損失が大きくなる為、採用でき
ない。本発明は、トルク損失の増大を防止しつつ、上述
の様な原因で生じる保持器31の損傷を防止して、優れ
た伝達効率及び耐久性を有するトロイダル型無段変速機
を実現するものである。
を構成する玉30、30の公転速度が変化すると、これ
ら各玉30、30の転動面が、保持器31のポケットの
内周面の円周方向一端側にぶつかったり、離れたり、円
周方向他端側にぶつかったりする事を繰り返す。この結
果、上記保持器31の一部に繰り返し曲げ応力が加わ
り、長期間に亙る使用に伴って、この保持器31に亀裂
等の損傷が発生する可能性がある。保持器31を省略す
る事は、円周方向に隣り合う上記各玉30、30の転動
面同士が当接し、互いに逆方向に変位する転動面同士が
強く擦れ合って、トルク損失が大きくなる為、採用でき
ない。本発明は、トルク損失の増大を防止しつつ、上述
の様な原因で生じる保持器31の損傷を防止して、優れ
た伝達効率及び耐久性を有するトロイダル型無段変速機
を実現するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様に、互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに
同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持された第
一、第二のディスクと、それぞれがこれら第一、第二の
ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある互いに同心の
1対の枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、
それぞれの一部をこれら各トラニオンの内側面から突出
させた状態でこれら各トラニオンに支持された複数の変
位軸と、これら各変位軸の一部でこれら各トラニオンの
内側面から突出した部分の周囲にラジアルニードル軸受
により回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の
両ディスク同士の間に挟持された複数のパワーローラ
と、これら各パワーローラの外端面と上記各トラニオン
の内側面との間に設けて、これら各パワーローラに加わ
るスラスト荷重を支承する複数のスラスト玉軸受とを備
える。そして、これら各スラスト玉軸受は、上記各パワ
ーローラの外端面に形成された内輪軌道と、上記各トラ
ニオンの内側面に支持された外輪の内側面に形成された
外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自
在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を円周方向に
亙って互いに離隔させるセパレータとを備えたものであ
る。特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いて
は、このセパレータは、上記各玉と同数の互いに独立し
た素子を、円周方向に隣り合う玉同士の間に1個ずつ配
置すると共に、これら各素子を上記内輪軌道と外輪軌道
とのうちの少なくとも一方の軌道に、当該軌道に沿った
円周方向に亙る変位自在に、且つ上記パワーローラ及び
外輪の直径方向に亙る変位不能に係合させた間隔体であ
る。
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様に、互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに
同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持された第
一、第二のディスクと、それぞれがこれら第一、第二の
ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある互いに同心の
1対の枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、
それぞれの一部をこれら各トラニオンの内側面から突出
させた状態でこれら各トラニオンに支持された複数の変
位軸と、これら各変位軸の一部でこれら各トラニオンの
内側面から突出した部分の周囲にラジアルニードル軸受
により回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の
両ディスク同士の間に挟持された複数のパワーローラ
と、これら各パワーローラの外端面と上記各トラニオン
の内側面との間に設けて、これら各パワーローラに加わ
るスラスト荷重を支承する複数のスラスト玉軸受とを備
える。そして、これら各スラスト玉軸受は、上記各パワ
ーローラの外端面に形成された内輪軌道と、上記各トラ
ニオンの内側面に支持された外輪の内側面に形成された
外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自
在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を円周方向に
亙って互いに離隔させるセパレータとを備えたものであ
る。特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いて
は、このセパレータは、上記各玉と同数の互いに独立し
た素子を、円周方向に隣り合う玉同士の間に1個ずつ配
置すると共に、これら各素子を上記内輪軌道と外輪軌道
とのうちの少なくとも一方の軌道に、当該軌道に沿った
円周方向に亙る変位自在に、且つ上記パワーローラ及び
外輪の直径方向に亙る変位不能に係合させた間隔体であ
る。
【0021】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様の作用に基づき、第一のディスクと第二のディスクと
の間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオンの傾斜角
度を変える事により、これら両ディスクの回転速度比を
変える。特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合
には、円周方向に隣り合う玉同士を離隔させる為のセパ
レータとして、各玉と同数の互いに独立した素子から成
る間隔体を使用しているので、これら各玉の公転速度の
ばらつきに基づき、これら各玉がセパレータを押して
も、このセパレータに無理な応力が加わる事はない。
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様の作用に基づき、第一のディスクと第二のディスクと
の間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオンの傾斜角
度を変える事により、これら両ディスクの回転速度比を
変える。特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合
には、円周方向に隣り合う玉同士を離隔させる為のセパ
レータとして、各玉と同数の互いに独立した素子から成
る間隔体を使用しているので、これら各玉の公転速度の
ばらつきに基づき、これら各玉がセパレータを押して
も、このセパレータに無理な応力が加わる事はない。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1
例を示している。尚、本発明の特徴は、パワーローラ
8、8を、これら各パワーローラ8、8に加わる大きな
スラスト荷重を支承しつつ回転自在に支持する為のスラ
スト玉軸受26、26(図4〜5参照)部分の構造にあ
る。その他の部分の構造及び作用に就いては、前述の図
4〜5に示した従来構造と同様である為、同等部分に関
する重複する図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、
以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
例を示している。尚、本発明の特徴は、パワーローラ
8、8を、これら各パワーローラ8、8に加わる大きな
スラスト荷重を支承しつつ回転自在に支持する為のスラ
スト玉軸受26、26(図4〜5参照)部分の構造にあ
る。その他の部分の構造及び作用に就いては、前述の図
4〜5に示した従来構造と同様である為、同等部分に関
する重複する図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、
以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0023】本発明のトロイダル型無段変速機に於いて
は、上記各スラスト玉軸受26、26に組み込んで、各
玉30、30を円周方向に亙って互いに離隔させるセパ
レータとして、分割型の間隔体36を利用している。こ
の間隔体36は、それぞれが合成樹脂、含油メタル等の
滑り易い材料により造られた、上記各玉30、30と同
数の互いに独立した素子37、37から成る。上記間隔
体36は、この様な素子37、37を、円周方向に隣り
合う玉30、30同士の間に1個ずつ配置している。
は、上記各スラスト玉軸受26、26に組み込んで、各
玉30、30を円周方向に亙って互いに離隔させるセパ
レータとして、分割型の間隔体36を利用している。こ
の間隔体36は、それぞれが合成樹脂、含油メタル等の
滑り易い材料により造られた、上記各玉30、30と同
数の互いに独立した素子37、37から成る。上記間隔
体36は、この様な素子37、37を、円周方向に隣り
合う玉30、30同士の間に1個ずつ配置している。
【0024】又、この状態で上記各素子37、37を、
上記各スラスト玉軸受26、26を構成する内輪軌道2
7、27及び外輪軌道29、29(図4〜5)に、これ
ら各軌道27、29に沿った円周方向に亙る変位自在
に、且つ上記各パワーローラ8、8及び外輪28、28
(図4〜5)の直径方向に亙る変位不能に係合させてい
る。従って、上記各パワーローラ8、8及び外輪28、
28の軸方向に関して、上記各素子37、37の両端部
には、上記各内輪軌道27、27及び外輪軌道29、2
9にがたつきなく、且つ摺動自在に係合する係合部を設
けている。
上記各スラスト玉軸受26、26を構成する内輪軌道2
7、27及び外輪軌道29、29(図4〜5)に、これ
ら各軌道27、29に沿った円周方向に亙る変位自在
に、且つ上記各パワーローラ8、8及び外輪28、28
(図4〜5)の直径方向に亙る変位不能に係合させてい
る。従って、上記各パワーローラ8、8及び外輪28、
28の軸方向に関して、上記各素子37、37の両端部
には、上記各内輪軌道27、27及び外輪軌道29、2
9にがたつきなく、且つ摺動自在に係合する係合部を設
けている。
【0025】上述の様に本発明のトロイダル型無段変速
機の場合には、上記各スラスト玉軸受26、26を構成
し、円周方向に隣り合う玉30、30同士を離隔させる
為のセパレータとして、一般的な保持器ではなく、これ
ら各玉30、30と同数の互いに独立した素子37、3
7から成る間隔体36を使用している。この為、これら
各玉30、30の公転速度のばらつきに基づき、これら
各玉30、30がセパレータである間隔体36を押して
も、この間隔体36に無理な応力が加わる事はない。即
ち、上記各玉30、30の公転速度がばらついて、これ
ら各玉30、30が上記各素子37、37を押しても、
これら各素子37、37が上記各軌道27、29に沿っ
て円周方向に変位するのみである。言い換えれば、上記
各素子37、37は、円周方向に隣り合う玉30、30
同士の間で挟持される事はあっても、曲げ応力等、亀裂
等の損傷に結び付く力を受ける事はない。この為、長期
間に亙る使用によっても、上記間隔体36が損傷する事
はない。
機の場合には、上記各スラスト玉軸受26、26を構成
し、円周方向に隣り合う玉30、30同士を離隔させる
為のセパレータとして、一般的な保持器ではなく、これ
ら各玉30、30と同数の互いに独立した素子37、3
7から成る間隔体36を使用している。この為、これら
各玉30、30の公転速度のばらつきに基づき、これら
各玉30、30がセパレータである間隔体36を押して
も、この間隔体36に無理な応力が加わる事はない。即
ち、上記各玉30、30の公転速度がばらついて、これ
ら各玉30、30が上記各素子37、37を押しても、
これら各素子37、37が上記各軌道27、29に沿っ
て円周方向に変位するのみである。言い換えれば、上記
各素子37、37は、円周方向に隣り合う玉30、30
同士の間で挟持される事はあっても、曲げ応力等、亀裂
等の損傷に結び付く力を受ける事はない。この為、長期
間に亙る使用によっても、上記間隔体36が損傷する事
はない。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、優れた伝達効率及び耐久性を有するトロイダ
ル型無段変速機を実現できる。
用する為、優れた伝達効率及び耐久性を有するトロイダ
ル型無段変速機を実現できる。
【図1】本発明の実施の形態の1例を、一部を省略して
示す、図4のA−A断面に相当する図。
示す、図4のA−A断面に相当する図。
【図2】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図3】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図4】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】スラスト玉軸受を構成する玉の円周方向に関す
る基準位置とのずれを表す線図。
る基準位置とのずれを表す線図。
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13 駆動側カム面 14 被駆動側カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 円孔 22 支持軸部 23 枢支軸部 24 ラジアルニードル軸受 25 ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 内輪軌道 28 外輪 29 外輪軌道 30 玉 31 保持器 32 駆動ロッド 33 駆動ピストン 34 駆動シリンダ 35 スラストニードル軸受 36 間隔体 37 素子
Claims (1)
- 【請求項1】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
互いに同心に、且つ互いに独立した回転自在に支持され
た第一、第二のディスクと、それぞれがこれら第一、第
二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある互いに同
心の1対の枢軸を中心として揺動する複数のトラニオン
と、それぞれの一部をこれら各トラニオンの内側面から
突出させた状態でこれら各トラニオンに支持された複数
の変位軸と、これら各変位軸の一部でこれら各トラニオ
ンの内側面から突出した部分の周囲にラジアルニードル
軸受により回転自在に支持された状態で、上記第一、第
二の両ディスク同士の間に挟持された複数のパワーロー
ラと、これら各パワーローラの外端面と上記各トラニオ
ンの内側面との間に設けて、これら各パワーローラに加
わるスラスト荷重を支承する複数のスラスト玉軸受とを
備え、これら各スラスト玉軸受は、上記各パワーローラ
の外端面に形成された内輪軌道と、上記各トラニオンの
内側面に支持された外輪の内側面に形成された外輪軌道
と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設け
られた複数個の玉と、これら各玉を円周方向に亙って互
いに離隔させるセパレータとを備えたものであるトロイ
ダル型無段変速機に於いて、このセパレータは、上記各
玉と同数の互いに独立した素子を、円周方向に隣り合う
玉同士の間に1個ずつ配置すると共に、これら各素子を
上記内輪軌道と外輪軌道とのうちの少なくとも一方の軌
道に、当該軌道に沿った円周方向に亙る変位自在に、且
つ上記パワーローラ及び外輪の直径方向に亙る変位不能
に係合させた間隔体である事を特徴とするトロイダル型
無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11219040A JP2001050360A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11219040A JP2001050360A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | トロイダル型無段変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001050360A true JP2001050360A (ja) | 2001-02-23 |
Family
ID=16729326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11219040A Pending JP2001050360A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001050360A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6749343B2 (en) | 2001-10-05 | 2004-06-15 | Nsk Ltd. | Power roller bearing for toroidal-type continuously variable transmission |
US6800046B2 (en) | 2000-09-19 | 2004-10-05 | Nsk Ltd. | Toroidal-type continuously variable transmission |
US7033302B2 (en) * | 2000-09-19 | 2006-04-25 | Nsk Ltd. | Toroidal-type continuously variable transmission |
US7104919B2 (en) | 2002-08-29 | 2006-09-12 | Nsk Ltd. | Toroidal-type continuously variable transmission |
JP2012140982A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Nsk Ltd | スラスト玉軸受 |
-
1999
- 1999-08-02 JP JP11219040A patent/JP2001050360A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6800046B2 (en) | 2000-09-19 | 2004-10-05 | Nsk Ltd. | Toroidal-type continuously variable transmission |
US7033302B2 (en) * | 2000-09-19 | 2006-04-25 | Nsk Ltd. | Toroidal-type continuously variable transmission |
US6749343B2 (en) | 2001-10-05 | 2004-06-15 | Nsk Ltd. | Power roller bearing for toroidal-type continuously variable transmission |
US7036992B2 (en) | 2001-10-05 | 2006-05-02 | Nsk Ltd. | Power roller bearing for toroidal-type continuously variable transmission |
US7104919B2 (en) | 2002-08-29 | 2006-09-12 | Nsk Ltd. | Toroidal-type continuously variable transmission |
JP2012140982A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Nsk Ltd | スラスト玉軸受 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090623 |
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A02 | Decision of refusal |
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