JP4482744B2 - 無電解銅めっき液、無電解銅めっき方法、配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に電子部品の配線形成に用いる無電解銅めっき液,それを用いる無電解銅めっき方法,配線板の製造方法に係り、特に、銅イオンの還元剤に揮発性の高いホルムアルデヒドを用いず、グリオキシル酸を用いる場合のめっき液およびめっき技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
無電解銅めっき液は、通常、銅イオン,銅イオンの錯化剤,銅イオンの還元剤,およびpH調整剤を含んでいる。
【0003】
銅イオンの還元剤としては、ホルムアルデヒド,グリオキシル酸およびその塩が一般的に用いられる。めっき液中には、還元剤の酸化体イオンが蓄積する。銅イオンの還元剤としてホルムアルデヒドを用いた場合の蓄積物は、ぎ酸イオンであり、グリオキシル酸を用いた場合の蓄積物は、しゅう酸イオンである。
【0004】
一方、無電解銅めっき液のpH調整剤としては、NaOHを用いるのが一般的である。
【0005】
NaOHをpH調整剤として、グリオキシル酸を還元剤とした場合に問題が生じる。問題は、しゅう酸ナトリウムの溶解度が小さく、めっき途中でしゅう酸ナトリウムの沈殿がめっき液中に発生することである。このような固体沈殿が発生し、被めっき物に付着した場合、固体が付着した部分にめっきが析出せず、いわゆる「ボイド」となる。
【0006】
そこで、例えば、特開平7−268638号公報に記載されている通り、しゅう酸ナトリウムの沈殿が被めっき物に付着しないように、めっき液をろ過しながらめっきする方法が提案されている。
【0007】
無電解銅めっき液の還元剤としてグリオキシル酸を用いる技術は、特開昭61−183474号公報に記載されている。この文献は、無電解銅めっき液のpHをアルカリ性にするため、NaOHまたはKOHを用いることを記載している。特に、グリオキシル酸の酸化体であるしゅう酸塩の溶解度として、しゅう酸ナトリウムよりもしゅう酸カリウムの方が溶解度が大きいため、KOHの方が好適であると述べている。
【0008】
グリオキシル酸を用いた場合、めっき液中にしゅう酸が蓄積する原因には、めっき反応の他に、カニッツァーロ反応もある。グリオキシル酸の場合、カニッツァーロ反応は、以下に示す反応である。
2CHOCOOH+2OH−
→C2O4 2−+HOCH2COOH+H2O
【0009】
この反応の反応速度は、めっき液温度の上昇とともに速くなるので、めっき液温度を低温に制御すると、カニッツァーロ反応量を抑制できる。特開2000−144438号公報は、めっきを施すチャンバとめっき液を循環させる循環槽とを備え、めっき液を蓄えておく循環槽の液温度を常時低く保ち、カニッツァーロ反応を抑制するめっき装置を開示している。
【0010】
また、この文献には、ホルムアルデヒドに対してかグリオキシル酸に対してかは不明であるが、カニッツァーロ反応に起因するめっき液の劣化を防ぐために、めっき液にメタノールを添加する場合もあると記載されている。
【0011】
しかし、メタノールを添加する方法は、カニッツァーロ反応そのものを抑制するのではなく、その効果には、一定の限界があったと記されている。すなわち、従来において、無電解銅めっき液を実用化する上で、メタノールによりカニッツァーロ反応を抑制する技術は、成功していない。
【0012】
また、グリオキシル酸を還元剤とした無電解銅めっき液で、pH調整剤としてKOHを用いると、pH調整剤としてNaOHを用いた場合よりもカニッツァーロ反応を抑制できることが『表面技術』vol.42, No.9,913〜917頁(1991)と『プリント回路実装学会第6回学術講演大会予稿集』101〜102頁に開示されている。さらに、この報告では、しゅう酸塩の溶解度が、しゅう酸ナトリウムと比較して、しゅう酸カリウムの方が大きいことにも言及している。
【0013】
ただし、この場合、『表面技術』vol.42, No.9,913〜917頁(1991)または『プリント回路実装学会第6回学術講演大会予稿集』101〜102頁のTable 1に記載されているように、めっき液建浴時にpHをアルカリ性(pH=12.5)とするためにNaOHを用いており、めっき液建浴初期にめっき液中に含まれるナトリウムイオン量に相当するしゅう酸ナトリウムの沈殿は、避けられない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
無電解銅めっき液の還元剤としてグリオキシル酸を用いた場合には、還元剤としてホルムアルデヒドを用いた場合よりもカニッツァーロ反応量が多く、めっき液が不安定であり、また、コスト増になるという問題があった。
【0015】
めっき液の安定性に関しては、カニッツァーロ反応量が多く、めっき液中の塩濃度が上昇したため、めっき液中の溶存酸素濃度が減少し、めっき液が不安定になるという現象が考えられる。
【0016】
さらに、グリオキシル酸を用いた場合、カニッツァーロ反応またはめっき反応で、グリオキシル酸の酸化体であるしゅう酸がめっき液中に蓄積する。無電解銅めっきでは、めっき液をアルカリ性に保つため、NaOHを添加しながらめっきをするのが通常である。しゅう酸ナトリウムの溶解度が小さく、めっき液中にしゅう酸ナトリウムの結晶が沈殿し、それが基板に付着した場合には、めっきが析出しないめっきボイドとなる問題があった。
【0017】
このような、めっき液中の塩濃度の上昇やしゅう酸ナトリウムの沈殿形成を避けるため、めっき処理中にめっき液に添加しpHをアルカリ性に保つpH調整剤としてKOHを用いる方法が検討された。
【0018】
しかし、この場合も『表面技術』vol.42, No.9, 913〜917頁(1991)に記載のように、NaOHに比較して、KOHを用いた場合のカニッツァーロ反応抑制効果は、わずか15〜40%であった。めっき開始1時間後には、NaOHに比較して、40%抑制していた。しかし、めっき開始5時間後では、その抑制効果は、15%に減少してしまっている(『表面技術』vol.42, No.9,915頁,本文16行)。通常、無電解銅めっき液は、長時間にわたり使用するのが一般的でなので、時間とともに抑制効果が減少するという傾向は、致命的である。
【0019】
また、『表面技術』vol.42, No.9, 913〜917頁(1991)および特開昭61−183474号公報に記載されているように、しゅう酸カリウムの溶解度がしゅう酸ナトリウムの溶解度に比べて大きく、しゅう酸塩の沈殿に対しpH調整剤にKOHを用いることが有利であると考えられる。
【0020】
しかし、めっき液中では、他の塩(錯化剤,添加剤,銅イオンの対アニオンなど)が多量に存在するため、純水中への飽和溶解度よりも少ない量でしゅう酸カリウムの沈殿が生じ得る。
【0021】
また、『表面技術』vol.42, No.9, 913〜917頁(1991)の実験方法の項目、または『プリント回路実装学会第6回学術講演大会予稿集』101〜102頁のTable 1に記されているように、めっき液建浴時にpHをアルカリ性(pH=12.5)とするためにNaOHを用いており、めっき液建浴初期にめっき液中に含まれるナトリウムイオン量に相当するしゅう酸ナトリウムの沈殿は、避けられず、めっきボイドなどを引き起こすことが問題となる。
【0022】
さらに、特開昭61−183474号公報の実施例22,実施例24,実施例25,実施例30には、グリオキシル酸を還元剤とし、めっき液中に実質的にナトリウムを含まない無電解銅めっき液が記載されている。これらのめっき液では、同様な組成でめっき液中にナトリウムを含む場合と比べて、めっき液の安定性が向上し、めっき液の寿命も長くなっていると考えられる。それは、しゅう酸ナトリウムの溶解度に比べてしゅう酸カリウムの溶解度が、大きいためであり、めっき液中にしゅう酸塩が浮遊,沈殿し始めるまでのめっき時間が、長くなるからである。
【0023】
しかし、しゅう酸カリウムの溶解度は、しゅう酸ナトリウムの溶解度よりも確かに大きいが、ホルムアルデヒドを用いた場合の酸化体であるぎ酸塩よりは遙かに小さく、しゅう酸カリウムがめっき液中に浮遊,沈殿し始めるまでのめっき液寿命は、ホルムアルデヒドを用いた場合よりも短いという問題がある。
【0024】
実質的にナトリウムを含まない無電解銅めっき液を用いた場合でも、ホルムアルデヒドを還元剤とした一般的な無電解銅めっき液に比べて、そのめっき液寿命は、1/2以下の短寿命である。
【0025】
これは、めっき液に使用する材料費の増加,めっき液更新作業に関わる人件費の増加,めっき液寿命が短いための廃棄物の増加という弊害をもたらす。
【0026】
結局、従来のKOHをpH調整剤とした無電解銅めっき液では、めっき5時間後には、カニッツァーロ反応の抑制効果は、わずか15%となってしまい、この程度の抑制効果では、数十時間から数千時間にわたり使用することが前提の無電解銅めっき液として、不十分である。
【0027】
また、メタノール添加によりめっき液を安定化させる方法は、カニッツァーロ反応そのものを抑制しておらず、グリオキシル酸を還元剤とした無電解銅めっき液では、カニッツァーロ反応によるしゅう酸の蓄積が、めっき液寿命を決める一因であるので、メタノールのみ添加する方法は、不適である。
【0028】
これらの問題が、グリオキシル酸を還元剤とした無電解銅めっき技術が工業的に広く用いられるに至っていない原因であった。
【0029】
本発明の目的は、還元剤としてグリオキシル酸を用いた無電解銅めっき液で、カニッツァーロ反応量が少なく、かつ、めっき反応およびカニッツァーロ反応により無電解銅めっき液中に蓄積する塩の沈殿が起こりにくく、長期にわたり安定に使用可能な無電解銅めっき液を提供することである。
【0030】
本発明の他の目的は、還元剤としてグリオキシル酸を用いた無電解銅めっき液により長期間にわたり安定してめっき可能な無電解銅めっき方法を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、還元剤としてグリオキシル酸を用いた無電解銅めっき液により長期間にわたり安定してめっき可能な配線板の製造方法を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、銅イオン,銅イオンの錯化剤,銅イオン還元剤,およびpH調整剤を含む無電解銅めっき液において、銅イオン還元剤がグリオキシル酸またはその塩であり、pH調整剤が水酸化カリウムであり、さらに、前記無電解銅めっき液中に0.0001mol/L以上のりん酸,りん酸塩,バナジン酸,バナジン酸塩,すず酸,すず酸塩のうち少なくとも1種を含む無電解銅めっき液を提供する。
【0034】
上記無電解銅めっき液は、さらに、無電解銅めっき液中に2,2'−ビピリジル,1,10−フェナントロリン,2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコールの少なくとも1種を含むことができる。
【0035】
上記いずれかの無電解銅めっき液において、無電解銅めっき液中に含まれるナトリウムイオン,鉄イオン,硝酸イオン,亜硝酸イオンは、それぞれ10mg/L以下とする。
【0036】
本発明は、上記他の目的を達成するために、上記いずれかの無電解銅めっき液を用いる無電解銅めっき方法であって、めっき液建浴後、被めっき体のめっき処理に先立ち、めっき液を連続的に循環ろ過する無電解銅めっき方法を提供する。
【0037】
めっき液建浴後、被めっき体のめっき処理に先立ち、めっき液を連続的に循環ろ過する時間Tは、めっき液量をV,単位時間あたりの循環量をYとしたとき、Y・T>3Vとなる時間とする。
【0038】
本発明は、上記別の目的を達成するために、上記いずれかの無電解銅めっき液を用いる配線板の製造方法であって、めっき液建浴後、基板のめっき処理に先立ち、めっき液を連続的に循環ろ過する配線板の製造方法を提供する。
【0039】
この場合も、めっき液建浴後、被めっき体のめっき処理に先立ち、めっき液を連続的に循環ろ過する時間Tは、めっき液量をV,単位時間あたりの循環量をYとしたとき、Y・T>3Vとなる時間とすることが望ましい。
【0040】
本発明は、また、上記別の目的を達成するために、上記いずれかの無電解銅めっき液を用いて銅膜を形成した後、銅膜を給電膜として電気めっきする配線板の製造方法を提供する。
【0041】
本明細書中で、りん酸,りん酸塩と記載した化合物は、五酸化りん(P2O5)が種々の程度に水化して生ずる一連の酸P2O5・nH2Oおよびその塩の総称である。例えば、オルトりん酸およびその塩,メタりん酸およびその塩,イソポリりん酸およびその塩,二りん酸(ピロりん酸)およびその塩など、多くのものを含む。また、りん酸塩の場合、例えばりん酸三カリウム(K3PO4),りん酸水素二カリウム(K2HPO4)など、多くの形態を示すものを含む。バナジン酸,メタ珪酸,すず酸もりん酸と同様であり、種々の形態を示す化合物の総称である。これらの詳細は、例えば(株)岩波書店発行の『岩波理化学辞典』などに記載されている通りである。
【0042】
【発明の実施の形態】
銅イオン,銅イオンの錯化剤,銅イオン還元剤,およびpH調整剤を含む無電解銅めっき液において、銅イオン還元剤がグリオキシル酸またはその塩であり、pH調整剤が水酸化カリウムである場合について述べる。
【0043】
無電解銅めっき反応は、下記反応式のように考えられている。
Cu2+(EDTA)4−+2CHOCOO−+4OH−
→Cu+2(COO)2 2−+2H2O+H2+EDTA4−
【0044】
めっき反応の進行に伴い、めっき液中には、しゅう酸イオンが蓄積する。さらに、無電解銅めっき液中では、めっき液がアルカリ性水溶液であるため、下記反応式に示すカニッツァーロ反応が進行し、しゅう酸イオンとグリコール酸イオンが蓄積する。
2CHOCOO−+OH−
→(COO)2 2−+CH2OHCOO−
【0045】
我々が実験的に求めた結果では、しゅう酸濃度が約0.6mol/Lになるとしゅう酸塩の沈殿が生じ、めっき液は、不安定となり被めっき物表面以外のめっき槽壁面やめっき液を循環している配管内に銅が析出し始め、それ以上のめっき液使用が不可能となる。しゅう酸塩の沈殿が生じるしゅう酸濃度およびめっき液が不安定となるしゅう酸濃度は、めっき液組成およびめっき条件により異なるが、概ね0.5〜0.8mol/L程度であると考えられる。
【0046】
本明細書中においては、しゅう酸塩が沈殿し始めた時またはめっき液が不安定になった時を「めっき液の寿命」と表現する。ここでは、0.6mol/Lのしゅう酸イオンが蓄積した時がめっき液の寿命であるとする。カニッツァーロ反応が起こらず、全てのグリオキシル酸がめっき反応で消費されたと仮定すると、めっき液1リットルあたりめっき被膜として銅を0.3mol/L析出させたことになる。これは、上記めっき反応式より、銅イオン1molに対し、グリオキシル酸2molが反応当量であるためである。これは、めっき浴負荷を2dm2/Lとした場合、100μmに相当する量である。
【0047】
しかし、従来、実際には、カニッツァーロ反応が進行し、めっき反応以外でもしゅう酸が生成されて、めっき膜厚として30μm程度しかめっきできないという問題であった。カニッツァーロ反応は、めっき液寿命を縮めるだけではなく、めっき工程のコストアップにもつながるという問題もあった。
【0048】
そこで、我々は、めっき液中に添加するとカニッツァーロ反応を抑制する添加剤について検討した。
【0049】
なお、ここで明確に認識するべきことは、グリオキシル酸を使用する限りしゅう酸は、発生し、そのしゅう酸塩のめっき液中への飽和溶解度は、めっき液組成により決まることである。その量は、概ね0.5〜0.8mol/Lであり、本発明のカニッツァーロ反応抑制剤を添加しためっき液は、この飽和溶解度を大きくする効果を示すものではない。本発明の目的は、カニッツァーロ反応を抑制し、めっき反応に対するグリオキシル酸の使用効率を向上させ、結果としてめっき液単位容量あたりの被めっき体のめっき処理可能量を増大させることである。
【0050】
めっき液中に添加しカニッツァーロ反応を抑制する添加剤として、メタノール,第1級アミン,第2級アミン,メタ珪酸,メタ珪酸塩,りん酸,りん酸塩,二酸化ゲルマニウム,バナジン酸,バナジン酸塩,すず酸,すず酸塩が有効であることを見いだした。これらカニッツァーロ反応を抑制する添加剤を、メタノール,第1級アミン,第2級アミンでは0.001mol/L以上、メタ珪酸,メタ珪酸塩,りん酸,りん酸塩,二酸化ゲルマニウム,バナジン酸,バナジン酸塩,すず酸,すず酸塩では0.0001mol/L以上めっき液中に添加すると、カニッツァーロ反応の抑制に効果を発揮することを見いだした。
【0051】
ここで、第1級アミンとは、メチルアミン,エチルアミン,プロピルアミン,イソプロピルアミン,ベンジルアミンなどである。第2級アミンとは、ジメチルアミン,ジエチルアミン,メチルエチルアミンなどである。
【0052】
ここでは、第1級アミン,第2級アミンについて、その全てを列挙しないが、これらを添加してカニッツァーロ反応抑制するメカニズムとしては、これらアミン基が電子供与性基であることに起因する。すなわち、これらアミン基は、アルカリ性水溶液中においてグリオキシル酸のカルボニル炭素に付加反応により結合していると考えられる。この時、アミン基は、電子供与性であるため、グリオキシル酸のカルボニル炭素をマイナス側にシフトさせる。
【0053】
カニッツァーロ反応が進行するのは、グリオキシル酸のカルボニル炭素が電子吸引性であり、プラスの電荷を帯びているためでると考えられるので、アミン基が付加し、グリオキシル酸のカルボニル炭素の電子吸引性が緩和された場合、カニッツァーロ反応は、抑制されることになる。
【0054】
したがって、原理的には、グリオキシル酸のカルボニル炭素に付加反応することが可能で、かつ、電子供与性を示す化合物は、カニッツァーロ反応を抑制する効果を有すると考えられる。
【0055】
第3級アミンにおいては、グリオキシル酸のカルボニル炭素に付加反応できないため、カニッツァーロ反応を抑制する効果を示さない。
【0056】
これら添加剤は、従来用いてきためっき液に添加するのみでよい。例えば、従来以下に記すめっき液を用いてきた場合を考える。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[従来のめっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・2,2’−ビピリジル 0.0002mol/L
・ポリエチレングリコール 0.03mol/L
(平均分子量600)
[従来のめっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0057】
本発明においては、例えばジメチルアミンを0.02mol/L添加し、以下のめっき液組成とする。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[本発明のめっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・2,2’−ビピリジル 0.0002mol/L
・ポリエチレングリコール 0.03mol/L
(平均分子量600)
・ジメチルアミン 0.02mol/L
[本発明のめっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0058】
このように従来のめっき液組成に単にジメチルアミンを添加した。この場合、めっき速度,得られるめっき膜物性その他めっき特性は、ほとんど変化しない。めっきをしている間のカニッツァーロ反応量は、ジメチルアミンを添加しない従来の約40%であり、すなわち60%のカニッツァーロ反応低減効果を達成できる。また、上記の従来めっき液中で、2,2'−ビピリジル,ポリエチレングリコールは、めっき膜物性を向上させる目的で添加しているめっき膜物性向上剤である。
【0059】
本発明のカニッツァーロ反応抑制添加剤とこれらめっき膜物性向上剤との組み合わせは、任意である。本発明に記載のカニッツァーロ反応抑制添加剤との組み合わせにより、従来とほぼ同等のめっき速度やめっき膜物性が得られるめっき膜物性向上剤としては、2,2'−ビピリジル,1,10−フェナントロリン,2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン,メタ珪酸,メタ珪酸塩,二酸化ゲルマニウム,ゲルマニウム酸塩,りん酸,りん酸塩,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコールについて確認している。すなわち、これらのめっき膜物性向上剤と本発明のカニッツァーロ反応抑制添加剤を組み合わせた場合、めっき速度やめっき膜物性などのめっき特性は、ほとんど変化せず、良好なままで、かつ、カニッツァーロ反応のみ抑制可能である。
【0060】
また、メタ珪酸,メタ珪酸塩,二酸化ゲルマニウム,ゲルマニウム酸塩,りん酸,りん酸塩,バナジン酸,バナジン酸塩,すず酸,すず酸塩に関しては、還元剤にグリオキシル酸,pH調整剤に水酸化カリウムを用いた場合、カニッツァーロ反応抑制効果とめっき膜物性向上効果とを併せ持つ。
【0061】
一方、本発明に記載のカニッツァーロ反応抑制添加剤との組み合わせでは、膜物性の向上が認められない膜物性向上剤も多々ある。例えば、チオ尿素,フェリシアン化カリウム,チオフェン,ベンゾトリアゾールと本発明のカニッツァーロ反応抑制添加剤とを同時にめっき液中に添加した場合には、めっき速度は、非常に小さくなり、かつ、めっき膜物性も延性の小さな、信頼性に劣る膜となる。
【0062】
上記カニッツァーロ反応抑制剤を用いる場合、めっき液中には、ナトリウムイオンが少ないことが望ましく、10mg/L以下でめっき液寿命は、最長となる。これは、しゅう酸ナトリウムの溶解度が小さいためである。例えば、ナトリウムイオン濃度を10mg/L以下にするため、上記[本発明のめっき液組成]では、ナトリウム塩は、一切用いておらず、また、めっき液の調整には、イオン交換水を用いる。
【0063】
また、めっき液中に含まれる不純物として、上記ナトリウム以外に、硝酸塩(硝酸イオン),亜硝酸塩(亜硝酸イオン),鉄塩(鉄イオン)が、めっき特性に悪影響を及ぼす。硝酸イオン,亜硝酸イオンの不純物は、めっき膜品質を低下させるだけではなく、カニッツァーロ反応を主とするめっき液中でのグリオキシル酸の副反応量を増大させる。このグリオキシル酸副反応量の増大は、グリオキシル酸消費量の増大に伴うめっき液コストの上昇,しゅう酸イオン生成量の増大に伴うめっき液寿命の短寿命化,それに伴う廃棄物量の増大をもたらし、好ましくない。
【0064】
これらを避けるため、硝酸イオン,亜硝酸イオンの含有量としては、めっき液中濃度として10mg/L以下とすることが、望ましい。めっき液中に含まれる硝酸イオン,亜硝酸イオンの含有量を10mg/Lとすると、めっき膜品質の向上のみではなく、めっき液寿命の長寿命化や廃棄物量の削減という効果が得られる。
【0065】
また、鉄イオンの混入は、被めっき体以外への銅析出が発生するまでの時間を短縮し、結果としてめっき液寿命を縮めることになる。
【0066】
上記めっき液を用いためっき方法で、被めっき製品にめっき処理を施す前に、めっき液を予め循環ろ過することは、良好なめっき膜品質のめっき膜を得る上で非常に効果的である。この効果は、めっき膜品質,めっき速度などめっき特性にマイナスの効果を示す種々の不純物を除去する結果である。
【0067】
不純物には、環境から混入した塵埃もある。しかし、本発明で特徴的な不純物としては、めっき液中で発生する固体浮遊物があることであり、特に、めっき液建浴直後に発生する固体浮遊物である。めっき膜品質やめっき特性に悪影響を及ぼす不純物成分には、上記ナトリウム,鉄,硝酸の他に、カルシウム,バリウム,クロム,亜鉛,マンガンなどの金属イオンがある。
【0068】
本発明のめっき液で還元剤として用いるグリオキシル酸の酸化体は、しゅう酸であり、上記金属イオンのしゅう酸塩の溶解度は、きわめて小さい。めっき液建浴直後、十分に循環ろ過しないで被めっき製品にめっき処理を施した場合、上記不純物金属がめっき膜中に混入し、めっき膜は、脆く物性の劣る膜となる。不純物金属がめっき膜中に取り込まれる取り込まれ方としては、電気化学的に還元されて析出する場合と、めっき液中で発生したしゅう酸などのアニオンと難溶性塩を生じ、沈殿析出する場合が考えられる。
【0069】
被めっき製品に実際にめっき処理を施す前にめっき液を十分に循環ろ過すると、めっき液中でグリオキシル酸のカニッツァーロ反応により少量発生したしゅう酸イオンと難溶性塩を生じる不純物金属イオンは、除去可能である。すなわち、めっき前に、めっき膜品質やめっき特性に悪影響を及ぼす不純物金属イオンなどをしゅう酸塩の固体浮遊物として発生させ、これを循環ろ過してめっき液中から除去する。この不純物の除去により、建浴直後のめっき液から得られる初期のめっき膜品質やめっき特性を向上させ、さらに、めっき液中には、カニッツァーロ反応を抑制する添加剤を添加すると、長期にわたり良好なめっき膜品質,めっき特性を確保できる。
【0070】
本発明のめっき液は、カニッツァーロ反応抑制添加剤を含み、従来のこれらカニッツァーロ反応抑制添加剤を含まないめっき液に比べて、しゅう酸イオンの発生量が少ないので、しゅう酸イオンと難溶性塩を生じる不純物金属イオンは、十分除去可能である。また、めっき途中にめっき液中に補給する補給薬品からの上記不純物イオンの汚染を避けるため、めっき液は、循環ろ過しながらめっき処理する。このように、めっき前予め十分に循環ろ過しためっき液を用いてめっき処理を施した配線板は、スルーホールなどめっき金属により配線を形成した部分で良好な信頼性を示す。
【0071】
【実施例】
次に、図1〜図4を参照して、本発明による無電解銅めっき液、無電解銅めっき方法、配線板の製造方法の実施例を説明する。比較例は、従来の無電解銅めっき液および無電解銅めっき方法の例である。
【0072】
なお、図1〜図4は、特許出願図面の解像度の限界との関係から、本来は1枚の図表を4枚に分割して拡大したものである。図1〜図4は、図5に連結状況を示したように、1枚の図表として参照されたい。
【0073】
【実施例1】
銅イオン源として硫酸銅,錯形成剤としてエチレンジアミン四酢酸,銅イオン還元剤としてグリオキシル酸を用い、pH調整剤として水酸化カリウムを用いた。カニッツァーロ反応抑制剤として、ジメチルアミンをめっき液中に添加した。
【0074】
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.02mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0075】
上記無電解銅めっき液で、試験基板上に無電解銅めっきによりパターンを形成し、銅の異常析出の有無からめっき液の寿命およびめっき膜品質を評価した。また、使用しためっき液中のしゅう酸イオン量およびグリコール酸イオン量を定量し、カニッツァーロ反応量を求めた。試験基板の作成法は、以下に示す。また、めっき膜の物性も同時に評価した。
【0076】
[試験基板作成法]
スルーホール接続信頼性を評価するために、以下に示す工程により両面配線基板を作成した。厚み1.6mmのガラスエポキシ基材の両表面に、18μmの厚みの銅を積層した両面銅張積層板に直径φ0.3mmのスルーホールをドリル加工により形成した。ドリル加工時に生じる加工残さを当業者周知の方法のアルカリ性過マンガン酸カリウム水溶液で除去した。次いで、日立化成工業社製のクリーナコンディショナ(商品名:CLC−601),プリディップ(商品名:PD301),増感処理剤(商品名:HS−202B),密着促進処理剤(商品名:ADP−601)を用いて、定法によりスルーホール内壁面に触媒を付与した。
【0077】
この基板に本実施例1のめっき液を用いて、無電解銅めっき処理を施した。無電解銅めっき膜厚は、本実施例1の無電解銅めっきのみでスルーホール接続のための銅膜形成を終了する場合には、20μmとし、本実施例1の無電解銅めっき処理に引き続き電気銅めっきによりスルーホール接続のための銅膜を形成する場合には、0.3μmとした。なお、本実施例1の無電解銅めっきに引き続き電気銅めっきを実行する場合には、電気銅めっきの膜厚を20μmとした。
【0078】
無電解銅めっきまたは電気銅めっきにより厚み20μmの銅膜を形成した後、基板全面に感光性ドライフィルム型エッチングレジストを形成し、露光現像処理により配線パターン部をエッチングレジストで覆った。硫酸および過酸化水素を主成分とした銅エッチング液で配線基板を処理し、露出した銅膜を溶解除去した。この時形成した配線は、幅100μmの配線であり、スルーホール500個がチェーン状に連なったいわゆるスルーホールチェーンを形成した。
【0079】
このように作成した試験基板と同時に、ステンレス板をめっき液中に浸漬し、めっき液1Lに対する被めっき面積を表すめっき浴負荷100cm2(=1dm2)/Lで無電解銅めっきを施した。ステンレス板は、予め17%塩酸水溶液中に2分間浸漬し、次いで上述の増感処理溶液に10分間浸漬した後水洗し、上述の密着促進処理を3分間施した後、水洗した物を用いた。
【0080】
めっき中は、常時空気を吹き込んでめっき液を撹拌した。めっき中、銅イオン濃度,グリオキシル酸(銅イオン還元剤)濃度およびpHが一定になるように、随時補給した。補給に用いた補給液を以下に示す。
【0081】
ステンレス板上および試験基板のパターン部に30μmの厚さにめっきすることを、めっき1回とした。各回が終了する毎に、ステンレス板よりめっき皮膜を剥離して、1.25cm×10cmの大きさに切断し、めっき皮膜の機械的強度を通常の引っ張り試験機で測定した。
【0082】
また、カニッツァーロ反応量の測定には、めっき液をサンプリングし、めっき液中に含まれるしゅう酸およびグリコール酸量をイオンクロマトグラフィ法により定量して求めた。しゅう酸は、めっき反応およびカニッツァーロ反応により生成され、グリコール酸は、カニッツァーロ反応でのみ生成される。したがって、めっき液中のグリコール酸量がめっき液中でのカニッツァーロ反応量に相当する。定量されたグリコール酸の2倍mol量がカニッツァーロ反応によって消費されたグリオキシル酸量である。
【0083】
めっき液寿命としては、上記のめっき実験で、被めっき基板以外への銅の析出が発生し始めた時点で寿命と判断した。
【0084】
本実施例1で用いためっき液のめっき析出速度は、11.4μm/hであった。したがって、厚み30μmのめっきを施すのに要した時間は、約2時間40分である。
【0085】
被めっき基板以外への銅の析出が開始したのは、銅の析出量が0.29mol/Lに達した時であり、この時点でめっき液寿命であると判断した。さらに、寿命となっためっき液中のグリコール酸量を測定した結果、0.01mol/Lであった。したがって、カニッツァーロ反応で消費したグリオキシル酸は、0.02mol/Lであった。
【0086】
0.29mol/Lの銅を析出させるために反応したグリオキシル酸量は、0.58mol/Lであり、カニッツァーロ反応で消費されたグリオキシル酸量は、0.02mol/Lであるので、カニッツァーロ反応で消費されたグリオキシル酸の割合は、全グリオキシル酸量の約3.3%であった。
【0087】
このように、本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が約3.3%と少なく、めっき液1Lあたり寿命内で析出可能な銅量も0.29mol/Lと多いことがわかり、ジメチルアミンをめっき液中に添加すると、カニッツァーロ反応を抑制できるという本実施例1の効果を確認できた。
次に、本実施例1で得られためっき膜の機械的物性を測定した。引っ張り試験の結果、伸び率は1〜2%であり、引っ張り強度は、280MPaであった。無電解銅めっき液をプリント基板などの配線基板の配線形成に適用する場合、2つの方法が考えられる。
【0088】
第1の方法は、絶縁樹脂の表面に、厚み約0.1〜1μm程度の厚みで薄く析出させ、続く電気めっきによる配線形成の下地膜として用いる方法である。一般的に薄付け無電解銅めっき技術と呼ばれる。薄付け技術では、次いで形成される電気めっき膜が厚いため、下地となる無電解銅めっき膜の物性は、配線基板の配線接続信頼性に大きな影響を与えない場合が多い。
【0089】
第2の方法は、無電解銅めっきのみで10〜30μm程度の厚みのめっき膜を形成し、配線とする方法である。一般的に厚付け無電解銅めっき技術と呼ばれる。厚付け無電解銅めっきでは、無電解銅めっきで得られためっき膜がそのまま配線となるため、配線基板の配線接続信頼性を確保するためには、良好なめっき膜物性を示すめっき膜を用いる必要がある。
【0090】
本実施例1で得られためっき膜は、伸び率が小さいため上記厚付けめっき用への適用は、困難である。しかし、薄付けめっき用としては、十分であると考えられる。そこで、前記試験基板を作成した。本実施例1の無電解銅めっき液を用いて膜厚約0.3μmの銅膜を形成し、次いで電気めっきにより厚み20μmの銅膜を形成した。
【0091】
電気銅めっき液およびめっき条件は、以下の通りである。
[電気銅めっき液]
・硫酸銅5水和物 0.3mol/L
・硫酸 1.9mol/L
・塩素イオン 60mg/L
・添加剤 5mL/L
(上村工業社製:スルカップAC−90)
[めっき条件]
・めっき液温度 25℃
・陰極電流密度 30mA/cm2
・撹拌 空気撹拌
【0092】
上記めっき条件で銅膜を形成した後、前記した要領で配線を形成し、スルーホールの接続信頼性を評価する試験基板を作成した。熱衝撃試験および半田耐熱試験により、この基板のスルーホール接続信頼性を評価した。評価条件を以下に示す。
【0093】
[熱衝撃試験]
−65℃に120分保持し、室温に戻して5分間保持し、次いで+125℃で120分保持し、更に室温に戻して5分間保持することを1サイクルとした。上記した試験基板で、500個のスルーホールをチェーン状につなげたスルーホールチェーンで、電気抵抗が当初の抵抗より10%上昇したサイクル数までを計測し、熱衝撃試験に対する寿命と判断した。
【0094】
[半田耐熱試験]
280℃の溶融半田に試験基板を10秒間浸し、取り出す作業を半田耐熱試験1回とした。半田耐熱試験を5回実施後、試験基板を断面観察用埋め込み樹脂(ビューラ社:エポミックス)に埋め込み、スルーホール断面部を削りだし30個のスルーホール断面を顕微鏡により観察した。この時、試料断面は、鏡面仕上げとし、研磨時のダレを取り除くため、硫酸および過酸化水素を含むエッチング液で銅をソフトエッチング処理した後、顕微鏡で観察した。クラックが発生していない場合には、半田耐熱性は、良好であると判断した。
【0095】
本実施例1の無電解銅めっき液で約0.3μmの銅膜を形成した後、上記の電気銅めっき液で約20μmの銅膜を形成した試験基板の熱衝撃試験では、電気抵抗上昇率が10%となったのは、155サイクル後であり、熱衝撃試験結果は、良好であった。また、半田耐熱試験後にもクラックの発生は、認められなかった。
したがって、本実施例1で試作した試験基板のスルーホール接続信頼性は、良好であり、本実施例1の無電解銅めっき液は、電気めっき用下地膜を形成する無電解銅めっき液として十分な機能を有することがわかり、本実施例1の効果を確認できた。
【0096】
上記試験の結果を図1および図2にまとめて示した。図1および図2で、添加剤の濃度は、めっき液中での濃度である。めっき速度は、基板に析出しためっき膜の厚みを基板断面の観察から見積もり、それをめっき時間で除した値である。
【0097】
Na濃度,Fe濃度,硝酸イオン濃度,亜硝酸イオン濃度は、めっき液中に含まれた濃度であり、めっき液建浴直後にめっき液を分取し、原子吸光法,イオンクロマトグラフィ法で定量した値である。
【0098】
寿命時銅析出量は、被めっき体以外の部分に銅の析出が認められるめっき液の寿命までに、被めっき体に析出した全銅の量をめっき液量で除した値である。
カニッツァーロ反応量は、カニッツァーロ反応で消費されたグリオキシル酸量のことであり、めっき液中のグリコール酸をイオンクロマトグラフィ法により定量し、その2倍mol量とした。めっき液1Lあたりの量である。
【0099】
カニッツァーロ反応の割合は、カニッツァーロ反応で消費されたグリオキシル酸量を全グリオキシル酸量で除した値である。ここでは、便宜上以下の式で求めた。
カニッツァーロ反応の割合
=カニッツァーロ反応量
/(カニッツァーロ反応量+寿命時銅析出量×2)
【0100】
厚付けめっき熱衝撃試験は、各実施例および比較例のめっき液でめっきした試験基板を前述の熱衝撃試験にかけた際に、抵抗変化率が10%を越えるに至ったサイクル数である。
【0101】
厚付けめっき半田耐熱試験は、各実施例および比較例のめっき液でめっきした試験基板を前述の半田耐熱試験にかけた際、クラックが発生したか否かである。クラックが認められない場合は、良好として、クラックが認められた場合には、不良とした。
【0102】
薄付けめっき熱衝撃試験は、各実施例および比較例のめっき液で厚み約0.1〜1.0μmのめっきを施した試験基板にさらに前述の電気銅めっきを実行し、その試験基板を前述の熱衝撃試験にかけた際、抵抗変化率が10%を越えるに至ったサイクル数である。
【0103】
薄付けめっき半田耐熱試験は、各実施例および比較例のめっき液で厚み約0.1〜1.0μmのめっきを施した試験基板にさらに前述の電気銅めっきを実行し、その試験基板を前述の半田耐熱試験にかけた際、クラックが発生したか否かである。クラックが認められない場合は、良好として、クラックが認められた場合には、不良とした。
【0104】
めっきボイドは、各実施例および比較例の薄付けめっきが終了した時点で、試験基板表面を顕微鏡により観察し、観察しためっき膜中に認められたボイド数である。観察した面積は、一律100cm2(=1dm2)とした。
【0105】
【実施例2】
本実施例2では、カニッツァーロ反応抑制剤としてメチルアミンを用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・メチルアミン 0.06mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0106】
本実施例2の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にメチルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例2の効果を確認できた。
【0107】
【実施例3】
本実施例3では、カニッツァーロ反応抑制剤としてベンジルアミンを用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ベンジルアミン 0.02mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0108】
本実施例3の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にベンジルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例3の効果を確認できた。
【0109】
【実施例4】
本実施例4では、カニッツァーロ反応抑制剤として実施例3と同様なベンジルアミンを用い、実施例1と同様の試験を実施した。実施例3との違いは、ベンジルアミンの濃度が小さいことである。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ベンジルアミン 0.001mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0110】
本実施例4の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にベンジルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例4の効果を確認できた。
【0111】
【実施例5】
本実施例5では、カニッツァーロ反応抑制剤としてヘキサメチレンジアミンを用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ヘキサメチレンジアミン 0.02mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0112】
本実施例5の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にヘキサメチレンジアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例5の効果を確認できた。
【0113】
【実施例6】
本実施例6では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジエチレントリアミンを用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジエチレントリアミン 0.02mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0114】
本実施例6の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にジエチレントリアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例6の効果を確認できた。
【0115】
【実施例7】
本実施例7では、カニッツァーロ反応抑制剤としてメタノールを用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・メタノール 1.0mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0116】
本実施例7の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にメタノールを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例7の効果を確認できた。
【0117】
【実施例8】
本実施例8では、カニッツァーロ反応抑制剤としてメタ珪酸ナトリウムを用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・メタ珪酸ナトリウム 0.003mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0118】
本実施例8の試験結果を図1および図2に示した。
さらに、本実施例8のめっき液で得られためっき膜の伸び率は12.3%であり、引っ張り強度は315MPaと良好であったため、本実施例8のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にメタ珪酸ナトリウムを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例8の効果を確認できた。
【0119】
【実施例9】
本実施例9では、カニッツァーロ反応抑制剤としてりん酸を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・りん酸 0.02mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0120】
本実施例9の試験結果を図1および図2に示した。
さらに、本実施例9のめっき液で得られためっき膜の伸び率は5.3%であり、引っ張り強度は360MPaと良好であったため、本実施例9のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にりん酸を添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例9の効果を確認できた。
【0121】
【実施例10】
本実施例10では、カニッツァーロ反応抑制剤として二酸化ゲルマニウムを用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・二酸化ゲルマニウム 0.001mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0122】
本実施例10の試験結果を図1および図2に示した。
さらに、本実施例10のめっき液で得られためっき膜の伸び率は11.8%であり、引っ張り強度は、328MPaと良好であったため、本実施例10のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中に二酸化ゲルマニウムを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例10の効果を確認できた。
【0123】
【実施例11】
本実施例11では、カニッツァーロ反応抑制剤としてメタバナジン酸(HVO3)を用い、実施例1と同様の試験を実施した。なお、実施例3との違いは、めっき液温度が低いことである。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・メタバナジン酸 0.0001mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0124】
本実施例11の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にメタバナジン酸を添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例11の効果を確認できた。
【0125】
【実施例12】
本実施例12では、カニッツァーロ反応抑制剤としてすず酸カリウム(K2SnO3)を用い、実施例1と同様の試験を実施した。なお、実施例3との違いは、めっき液温度が低いことである。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・すず酸カリウム 0.02mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0126】
本実施例12の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にすず酸カリウムを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例12の効果を確認できた。
【0127】
【実施例13】
本実施例13では、カニッツァーロ反応抑制剤としてベンジルアミンを用い、実施例1と同様の試験を実施した。なお、実施例3との違いは、めっき液温度が低いことである。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.3mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ベンジルアミン 0.02mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 26℃
【0128】
本実施例13の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にベンジルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例13の効果を確認できた。
【0129】
【実施例14】
本実施例14では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、実施例1と同様の試験を実施した。なお、実施例1との相違は、ジメチルアミンをめっき液中に単独で添加して用いるのではなく、グリオキシル酸水溶液にジメチルアミンを加え、それをめっき液に添加したことである。また、めっき液中のグリオキシル酸濃度を一定に所望の濃度範囲に保つために、めっき液中に補給する補給用のグリオキシル酸水溶液中にもジメチルアミンを添加した。
めっき液の組成、めっき条件および補給に用いたグリオキシル酸水溶液の組成を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成(建浴時)]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.03mol/L
(ただし、グリオキシル酸と同時に添加)
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
[グリオキシル酸補給溶液]
・グリオキシル酸 5.0mol/L
・ジメチルアミン 5.0mol/L
【0130】
本実施例14の試験結果を図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、ジメチルアミンを予め添加したグリオキシル酸を用いることにより、めっき液中にジメチルアミンが添加され、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例14の効果を確認できた。
【0131】
【実施例15】
本実施例15では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤として2,2'−ビピリジルを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.02mol/L
・2,2'−ビピリジル 0.0002mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0132】
本実施例15の試験結果を図1および図2に示した。
さらに、本実施例15のめっき液で得られためっき膜の伸び率は18.3%であり、引っ張り強度は、315MPaと良好であったため、本実施例15のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にジメチルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例15の効果を確認できた。また、めっき膜物性を向上させる添加剤を併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られるという本実施例15の効果を確認できた。
【0133】
【実施例16】
本実施例16では、カニッツァーロ反応抑制剤としてベンジルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤として2,2'−ビピリジルを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ベンジルアミン 0.02mol/L
・2,2'−ビピリジル 0.0002mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0134】
本実施例16の試験結果を図1および図2に示した。
さらに、本実施例16のめっき液で得られためっき膜の伸び率は13.8%であり、引っ張り強度は、308MPaと良好であったため、本実施例16のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にベンジルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例16の効果を確認できた。また、めっき膜物性を向上させる添加剤を併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られるという本実施例16の効果を確認できた。
【0135】
【実施例17】
本実施例17では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤として1,10−フェナントロリンを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.02mol/L
・1,10−フェナントロリン
0.0005mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0136】
本実施例17の試験結果を図1および図2に示した。
さらに、本実施例17のめっき液で得られためっき膜の伸び率は13.9%であり、引っ張り強度は、325MPaと良好であったため、本実施例17のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にジメチルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例17の効果を確認できた。また、めっき膜物性を向上させる添加剤を併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られるという本実施例17の効果を確認できた。
【0137】
【実施例18】
本実施例18では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤として2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリンを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.02mol/L
・2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン
0.0005mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0138】
本実施例18の試験結果を図1および図2に示した。
さらに、本実施例18のめっき液で得られためっき膜の伸び率は12.6%であり、引っ張り強度は、333MPaと良好であったため、本実施例18のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にジメチルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例18の効果を確認できた。また、めっき膜物性を向上させる添加剤を併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られるという本実施例18の効果を確認できた。
【0139】
【実施例19】
本実施例19では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤としてポリエチレングリコールを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.02mol/L
・ポリエチレングリコール 0.001mol/L
(平均分子量:1000)
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0140】
本実施例19の試験結果を図1および図2に示した。
さらに、本実施例19のめっき液で得られためっき膜の伸び率は8.6%であり、引っ張り強度は、312MPaと良好であったため、本実施例19のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図1および図2に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にジメチルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例19の効果を確認できた。また、めっき膜物性を向上させる添加剤を併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られるという本実施例の効果を確認できた。
【0141】
【実施例20】
本実施例20では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤としてポリエチレングリコールを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.02mol/L
・ポリエチレングリコール 0.015mol/L
(平均分子量:600)
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0142】
本実施例20の試験結果を図3および図4に示した。
さらに、本実施例20のめっき液で得られためっき膜の伸び率は8.8%であり、引っ張り強度は、322MPaと良好であったため、本実施例20のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図3および図4に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にジメチルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例20の効果を確認できた。また、めっき膜物性を向上させる添加剤を併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られるという本実施例20の効果を確認できた。
【0143】
【実施例21】
本実施例21では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤としてポリプロピレングリコールを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.02mol/L
・ポリプロピレングリコール0.0005mol/L
(平均分子量:2000)
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0144】
本実施例21の試験結果を図3および図4に示した。
さらに、本実施例21のめっき液で得られためっき膜の伸び率は6.2%であり、引っ張り強度は、300MPaと良好であったため、本実施例21のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図3および図4に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にジメチルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例21の効果を確認できた。また、めっき膜物性を向上させる添加剤を併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られるという本実施例21の効果を確認できた。
【0145】
【実施例22】
本実施例22では、カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤としてポリエチレングリコールを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。実施例19との相違点は、めっき液温度が低い点である。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.3mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.02mol/L
・ポリエチレングリコール 0.015mol/L
(平均分子量:600)
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 26℃
【0146】
本実施例22の試験結果を図3および図4に示した。
この条件では、めっき速度が小さいため、厚付けめっきの評価は、実施しなかった。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にジメチルアミンを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例22の効果を確認できた。
【0147】
【実施例23】
本実施例23では、カニッツァーロ反応抑制剤としてメタ珪酸ナトリウムを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤として2,2'−ビピリジルを添加しためっき液を用い、実施例1と同様の試験を実施した。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・メタ珪酸ナトリウム 0.0025mol/L
・2,2'−ビピリジル 0.00025mol/L
・ポリエチレングリコール 0.001mol/L
(平均分子量:1000)
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0148】
本実施例23の試験結果を図3および図4に示した。
さらに、本実施例23のめっき液で得られためっき膜の伸び率は18.9%であり、引っ張り強度は、325MPaと良好であったため、本実施例23のめっき液を用いて厚付けめっきを実行し、試験基板を作成し、スルーホールの接続信頼性を評価した。この結果もまとめて図3および図4に示した。
本発明のめっき液では、カニッツァーロ反応で消費されるグリオキシル酸の割合が少なく、めっき液中にメタ珪酸ナトリウムを添加すると、カニッツァーロ反応を抑制するという本実施例23の効果を確認できた。また、めっき膜物性を向上させる添加剤として2,2'−ビピリジル,ポリエチレングリコールを併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られるという本実施例23の効果を確認できた。
【0149】
【実施例24〜34】
本実施例24〜34では、めっき液中に含まれる不純物とめっき特性の関係を検討した。カニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用いた場合、およびカニッツァーロ反応抑制剤としてジメチルアミンを用い、さらにめっき膜物性を向上させる添加剤として2,2'−ビピリジルを添加した場合で検討した。
それぞれのめっき液組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、いずれも、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成1]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.005mol/L
[めっき液組成2]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・ジメチルアミン 0.01mol/L
・2,2'−ビピリジル 0.0004mol/L
[めっき条件(共通)]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0150】
上記めっき液を用いて、不純物濃度を変化させたときのめっき特性を図3および図4に示した。カニッツァーロ反応量は、不純物濃度に大きく影響され、ナトリウムイオン,硝酸イオン(亜硝酸イオン)濃度が、10mg/L以上となると、カニッツァーロ反応量が増加する。また、鉄イオンの混入により、めっき液寿命が短くなることがわかった。
【0151】
グリオキシル酸を還元剤としためっき液では、めっき液中の不純物であるナトリウムイオン,鉄イオン,硝酸イオン,亜硝酸イオン濃度をそれぞれ10mg/L以下に保つと、ジメチルアミンによるカニッツァーロ反応抑制効果が向上するという本実施例24〜34の効果を確認できた。さらに、めっき膜物性を向上させる添加剤を併用すると、カニッツァーロ反応を抑制し、かつ、機械的物性に優れためっき膜を得られることがわかった。
【0152】
【比較例1】
本比較例1では、めっき液中にカニッツァーロ反応抑制剤を添加しない場合について述べる。めっき膜物性を向上させる添加剤として2,2'−ビピリジルを添加した。
めっき液組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
【0153】
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.03mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・2,2'−ビピリジル 0.0005mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 70℃
【0154】
本比較例の試験結果を図3および図4に示した。
被めっき体以外の部分に銅の析出が起こるめっき液の寿命までにめっき皮膜として析出した銅は、0.1mol/Lであった。これは、本発明の各実施例に比べて最も少ない量である。一方、カニッツァーロ反応により消費されたグリオキシル酸は、0.41mol/Lであり、本発明の各実施例に比べて著しく大きな値であった。
これらの結果より、めっき液中に投入したグリオキシル酸の約67.2%がめっき反応以外のカニッツァーロ反応で消費されたことになり、グリオキシル酸の使用効率が、本発明の各実施例に比べて大変低いことがわかった。
【0155】
また、めっき膜物性を向上させる添加剤を添加しているにも関わらず、厚付けめっきをした際の熱衝撃試験、半田耐熱試験の結果は、悪い結果となった。これは、得られためっき膜にボイドが多数発生したためであると考えられる。
さらに、薄付けめっきに適用した場合も熱衝撃試験、半田耐熱試験に結果は悪く、詳細な断面観察の結果、薄付けめっきに存在するめっきボイドから厚付けした電気銅めっき膜にクラックが発生していることがわかった。
【0156】
その結果、本比較例のカニッツァーロ反応抑制剤を含まないめっき液を薄付けめっきに適用した場合、薄付けめっきのボイドを起点にめっき膜にクラックが発生し、信頼性が低下することがわかった。
したがって、カニッツァーロ反応抑制剤を含まないめっき液のめっき特性は、悪いことがわかった。このことから本発明の優位性を確認できた。
【0157】
【比較例2】
本比較例2では、めっき液中にカニッツァーロ反応抑制剤を添加しない場合について述べる。めっき膜物性を向上させる添加剤として、2,2'−ビピリジルを添加した。比較例1と異なる点は、めっき液温度が低く、グリオキシル酸濃度が高いことである。
めっき液組成およびめっき条件を以下に示す。ただし、水酸化カリウム濃度は、pH=12.4になるように調整した。
[めっき液組成]
・硫酸銅5水和物 0.04mol/L
・エチレンジアミン四酢酸 0.1mol/L
・グリオキシル酸 0.3mol/L
・水酸化カリウム 0.01mol/L
・2,2'−ビピリジル 0.0005mol/L
[めっき条件]
・pH 12.4
・液温 26℃
【0158】
本比較例の試験結果を図3および図4に示した。
被めっき体以外の部分に銅の析出が起こるめっき液の寿命までにめっき皮膜として析出した銅は、0.105mol/Lであった。これは、本発明の各実施例に比べて少ない量である。一方、カニッツァーロ反応により消費されたグリオキシル酸は、0.41mol/Lであり、本発明の各実施例に比べて著しく大きな値であった。
これらの結果、めっき液中に投入したグリオキシル酸の約66.1%がめっき反応以外のカニッツァーロ反応で消費されたことになり、グリオキシル酸の使用効率が、本発明の各実施例に比べて大変低いことがわかった。
【0159】
また、薄付けめっきに適用した場合の熱衝撃試験,半田耐熱試験の結果は悪く、詳細な断面観察の結果、薄付けめっきに存在するめっきボイドから厚付けした電気銅めっき膜にクラックが発生していることがわかった。
【0160】
その結果、本比較例のカニッツァーロ反応抑制剤を含まないめっき液を薄付けめっきに適用した場合、薄付けめっきのボイドを起点にめっき膜にクラックが発生し,信頼性が低下することがわかった。
【0161】
したがって、カニッツァーロ反応抑制剤を含まないめっき液のめっき特性は、悪いことがわかった。このことから本発明の優位性を確認できた。
【0162】
【実施例35】
ここでは,本発明のめっき方法および配線板の製造方法について述べる。
本発明では、めっき液建浴後、被めっき基板を投入するまでの間、めっき液を十分に循環ろ過することを特徴とする。めっき液としては、実施例26と同様のめっき液を用いた。すなわち、めっき液中にはFeイオンが11mg/L混入しており、そのままめっきした場合には、めっき液寿命となるまでの銅析出量は、図3および図4より0.18mol/Lである。本実施例35では、被めっき体を めっき液中に投入する前、めっき液を以下の条件で循環ろ過した。
[ろ過条件]
・循環速度 100L/分
・ろ過フィルタ 日本ポール社製ポールフィルタ
ポア径1μm
【0163】
この時使用しためっき槽の容量は100Lであるので、1分でめっき液が一巡することになる。めっきに先立ち、循環ろ過を3分間実施した。その結果、めっき液寿命時Cu析出量は、0.26mol/Lとなり、Feイオン濃度が10mg/L未満の実施例22とほぼ同様となった。また、めっき後、フィルタを取り出し、20%塩酸+5%過酸化水素水溶液でフィルタを洗浄し、洗浄液を原子吸光で分析したところ、鉄が検出された。以上の分析結果によって、めっき液中のFeイオンがろ過されていることがわかった。
【0164】
したがって、めっき液建浴後、被めっき体を投入する前にめっき液を十分に循環ろ過し、めっき液中の不純物を除去すると、めっき液の長寿命化を達成できるという本実施例35の効果を確認できた。
【0165】
【発明の効果】
本発明によれば、グリオキシル酸を還元剤とした無電解銅めっき液中で進行するカニッツァーロ反応を抑制でき、長期間にわたり良好なめっき特性を示すめっき液が得られ、信頼性に優れた配線板を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1ないし19のめっき液組成およびめっき条件を示す図表である。
【図2】本発明の実施例1ないし19のめっき結果などを示す図表である。
【図3】本発明の実施例20ないし34および比較例のめっき液組成およびめっき条件を示す図表である。
【図4】本発明の実施例20ないし34および比較例のめっき結果などを示す図表である。
【図5】図1〜図4を連結して1枚の図表にする状況を示す図である。
Claims (8)
- 銅イオン,銅イオンの錯化剤,銅イオン還元剤,およびpH調整剤を含む無電解銅めっき液において、
銅イオン還元剤がグリオキシル酸またはその塩であり、
pH調整剤が水酸化カリウムであり、
さらに、前記無電解銅めっき液中に0.0001mol/L以上のりん酸,りん酸塩,バナジン酸,バナジン酸塩,すず酸,すず酸塩のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする無電解銅めっき液。 - 請求項1に記載の無電解銅めっき液において、
さらに、前記無電解銅めっき液中に2,2'−ビピリジル,1,10−フェナントロリン,2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコールの少なくとも1種を含むことを特徴とする無電解銅めっき液。 - 請求項1又は2に記載の無電解銅めっき液において、
前記無電解銅めっき液中に含まれるナトリウムイオン,鉄イオン,硝酸イオン,亜硝酸イオンがそれぞれ10mg/L以下であることを特徴とする無電解銅めっき液。 - 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の無電解銅めっき液を用いる無電解銅めっき方法であって、
めっき液建浴後、被めっき体のめっき処理に先立ち、めっき液を連続的に循環ろ過することを特徴とする無電解銅めっき方法。 - 請求項4に記載の無電解銅めっき液を用いる無電解銅めっき方法において、
めっき液建浴後、被めっき体のめっき処理に先立ち、めっき液を連続的に循環ろ過する時間Tが、めっき液量をV,単位時間あたりの循環量をYとしたとき、Y・T>3Vとなる時間であることを特徴とする無電解銅めっき方法。 - 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の無電解銅めっき液を用いる配線板の製造方法であって、
めっき液建浴後、基板のめっき処理に先立ち、めっき液を連続的に循環ろ過することを特徴とする配線板の製造方法。 - 請求項6に記載の無電解銅めっき液を用いる配線板の製造方法において、
めっき液建浴後、基板のめっき処理に先立ち、めっき液を連続的に循環ろ過する時間Tが、めっき液量をV,単位時間あたりの循環量をYとしたとき、Y・T>3Vとなる時間であることを特徴とする配線板の製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の無電解銅めっき液を用いて銅膜を形成した後、
前記銅膜を給電膜として電気めっきすることを特徴とする配線板の製造方法。
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