以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による経路生成システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す経路生成システムは、ロケーションサーバ10と、MCU装置20−1と、MCU装置20−2と、MCU装置20−3と、MCU装置20−4と、MCU装置20−5と、MCU装置20−6と、端末30−1と、端末30−2と、端末30−3と、端末30−4と、端末30−5と、端末30−6とを備える。
図1において、ネットワークが拠点に分散され、さらにファイヤウォールやルータによってインターネット、イントラネット、イントラネット内のサブネットに分割されている。例えば、図1に示すように、ロケーションサーバ10、MCU装置20−6および端末30−6は、インターネット上に設置される。また、ファイヤウォール等によってイントラネットから分割された拠点Aに、MCU装置20−1,20−2,20−3および端末30−1,30−2が設置され、ファイヤウォール等によってインターネットから分割された拠点BにMCU装置20−4,20−5および端末30−3,30−4,30−5が設置される。拠点AのMCU装置20−1および端末30−1,30−2と、拠点BのMCU装置20−5および端末30−4,30−5とは、それぞれファイヤウォール等によってサブネットに分割される。
ロケーションサーバ10は、インターネット上やイントラネット内に設置され、ネットワークにおける各端末や各MCU装置の位置(場所、所在地)や接続状況(物理的な通信回線の接続状況)、ファイヤウォール等の設置位置を認識し、グループ通信を実行するときの通信経路を管理する。ロケーションサーバ10は、全てのMCU装置20−1〜20−6および全ての端末30−1〜30−6から参照される。ロケーションサーバ10は、例えば、WEBサーバなどで実現される。したがって、インターネットに接続可能で、WEBサーバにアクセス可能な全ての装置および端末から参照することができる。ロケーションサーバ10は、後述するネットワークの制約のもとで経路制御を実施する。
MCU装置はインターネットやイントラネット内に複数配置され、MCU装置同士およびMCU装置と端末が接続される。端末30−1〜30−6はいずれかのMCU装置に接続して、MCU装置を介した端末間の通信が可能となっている。
一般的に、ネットワークの下位から上位への接続は、NAT変換やファイヤウォールのトンネリングによって、接続することが可能である。しかし、逆方向に接続するには、特殊な設定をしなければならず、また、特殊な設定を行うとセキュリティ上も問題となる。したがって、本発明では、下位のネットワークから上位のネットワークの方向に接続可能とし、異なるサブネット、イントラネット間では直接通信せずに、必ず上位のMCU装置を経由することを前提とする。
例えば、図1においては、イントラネット内に拠点Aと拠点Bの二つの拠点、およびインターネット上の不特定な拠点が存在している。これらの拠点間の通信は、一般的に帯域に制限がある。ロケーションサーバ10は、余分なデータ通信は行わないように、MCU装置間の通信について拠点間で1つになるように制御する。
図2は、ロケーションサーバ10、MCU装置20−1および端末30−1の一実施の形態を示すブロック図である。なお、図1における全てのMCU装置および端末は、図2に示すMCU装置20−1および端末30−1と同様の構成であるものとする。図2には、端末30−1はMCU装置20−1と接続し、MCU装置20−1は別のMCU装置20−2および別の端末30−2と接続し、MCU網を構成することができることを例示しているが、図1に示すその他のMCU装置および端末とも図1に例示するように接続されているものとして以下の説明を行う。
ロケーションサーバ10は、MCU装置20−1および端末30−1と、経路生成のためのコマンドの送受信を行う。ロケーションサーバ10は、予定経路管理手段101と、経路優先度決定手段102と、拠点情報蓄積部103と、MCU管理情報蓄積部104と、MCU利用リスト蓄積部(MCU利用予定リスト蓄積部)105とを含む。予定経路管理手段101、経路優先度決定手段102は、CPUなどの演算制御部が記憶手段に記憶された制御プログラムに従って動作することにより実現される。拠点情報蓄積部103、MCU管理情報蓄積部104およびMCU利用予定リスト蓄積部105は、例えば、ハードディスクなどの記憶装置で構成される。
ここで、図3を参照して、本実施の形態で使用する識別子について説明する。図3は、拠点識別子、拠点間接続情報、ノード識別子、MCU利用リスト(MCU利用予定リスト)、MCU管理情報の例を示す説明図である。識別子として、図3に示すように、拠点識別子とノード識別子が存在する。
拠点識別子は、MCU装置および端末がどこの拠点に存在しているのかを示す情報である。拠点が細かく細分化されている場合は、詳細な拠点単位に指定することができ、細かい拠点をひとつの大きな拠点として統合して、ひとつの拠点識別子で表現することもできる。拠点識別子は、例えば、NEC(登録商標)の多摩川にある拠点を「Tamagawa.nec」、NEC(登録商標)の多摩川の第9セクションにある拠点を「9.Tamagawa.nec」、NEC(登録商標)の関西にある拠点を「Kansai.nec」などで表現される。各端末および各MCU装置は、それぞれの記憶装置(図示せず。)に自身の拠点識別子を記憶する。各MCU装置の拠点識別子は、MCU管理情報として、ロケーションサーバ10のMCU管理情報蓄積部104に記憶される。
拠点間接続情報は、ロケーションサーバ10の拠点情報蓄積部103に記憶される情報であって、拠点間の接続情報を示す。拠点間接続情報は、拠点識別子と、拠点識別子と、帯域とを含む情報であって、拠点識別子と拠点識別子とで示された拠点間において所定の帯域で接続されていることを示す。拠点間接続情報を複数用いることで、複雑な拠点ネットワーク網を表現することができる。拠点間接続情報は、例えば、「Tamagawa.nec−Kansai.nec:10M」「Tamagawa.nec−Mita.nec:10M」などの情報である。
ノード識別子は、ノード名とドメインとを含む情報である。各端末および各MCU装置は、それぞれの記憶装置に自身のノード識別子を記憶する。ノード識別子は、例えば、「MCU001@nec.internet」「MCU002@inlab.nec.internet」などの情報である。ここで、「MCU001」などはノード名を示し、「nec.internet」などはドメイン名を示す。
ノード名は、端末およびMCU装置の名前を表現する。ドメインは、インターネット上のネットワークに付けられる識別子であって、インターネット上の住所の役割を果たす。ドメインによってどのファイヤウォール内のネットワークに属しているかが判断される。
ドメインが、複数のドメインの結合として指定されているときは、複数のファイヤウォールに入れ子状に属していることを示している。例えば、図3に示すように、ドメインが、ドメインn,ドメインn−1,・・・,ドメイン1の結合である場合には、ドメイン1は最上位のドメインを示す。このようにドメインによってネットワークが上位、同位、下位であるかを判断することができる。同一のドメインを有する端末およびMCU装置は、相互に接続することでき、上位のドメインを有する端末およびMCU装置には、下位のドメインを有する端末およびMCU装置から接続することができるものとする。
MCU管理情報は、各MCU装置のノード識別子と、拠点識別子と、IPアドレスとを含む情報であって、ロケーションサーバ10のMCU管理情報蓄積部104にMCU装置ごとに記憶される情報である。MCU管理情報は、例えば、各MCU装置の起動時にMCU管理情報蓄積部104に記憶される。MCU管理情報は、例えば、「MCU001@nec.internet;Tamagawa.nec;192.168.10.10」などの情報である。
MCU利用予定リストは、会議サーバとして動作する端末30−1が利用する予定のMCU装置のノード識別子と、通信グループを識別可能な通信グループIDと、そのMCU装置から受信した接続先取得要求の種別がリスニングであるか否かを示すセッション種別とを含む情報である。MCU利用予定リストとしては、例えば、「MCU001@nec.internet;100;リスニング」などの情報が複数並べられたリストである。
通信グループIDは、会議ごとに一意な情報である。通信クループIDによってMCU装置において各グループ通信を識別し、通信中のデータを適正な利用者の端末に送信することができる。すなわち、パケットデータ内の通信グループIDにもとづいて、パケットデータを送信すべき1または複数の端末を認識し、その端末にパケットデータを送信することができる。例えば、4台の端末間における会議形式の通信の場合は、それぞれの端末からのパケットデータを他の3台の端末に送信することになる。
MCU利用予定リストのノード識別子および通信グループIDは、会議サーバとして動作する端末30−1によってロケーションサーバ10に送信され、MCU利用予定リスト蓄積部105に記憶される。MCU利用予定リストのセッション種別は、該当するMCU装置から、後述するリスニング接続先取得要求およびログイン接続先取得要求が送信された場合に登録される。なお、会議サーバは、ロケーションサーバに対し、後述する情報取得要求を送信することにより、会議を開催するための処理を開始する端末(例えば、図1に示す端末30−1〜30−6のいずれかの端末)である。
図2の説明に戻ると、ロケーションサーバ10の予定経路管理手段101は、会議サーバが、複数あるMCU装置から通信に利用するMCU装置を限定するための処理を行う。以下、端末30−1が会議サーバとして動作する場合を例示して説明する。
予定経路管理手段101は、会議サーバとして動作する端末30−1から送信された情報取得要求にしたがって、拠点情報蓄積部103が記憶する拠点間接続情報と、MCU管理情報蓄積部104が記憶するMCU管理情報とを全て取得し、会議サーバとして動作する端末30−1に送付する。なお、情報取得要求は、送信元すなわち会議サーバのノード識別子と、通信グループIDとを含む情報である。
そして、予定経路管理手段101は、会議サーバとして動作する端末30−1から送付されるMCU利用予定リストを、MCU利用予定リスト蓄積部105に記憶する。ロケーションサーバ10は、MCU利用予定リスト蓄積部105に記憶されたMCU利用予定リストを参照することにより、構築予定のMCU網を特定することができる。上記の予定経路管理手段101の動作によって、会議サーバとして動作する端末30−1は、利用する予定のMCU装置を限定することができる。したがって、端末のグループの接続トポロジに特化したMCU網を、あらかじめ指定しておくことができる。なお、以下の説明では、会議サーバとして動作する端末30−1が、図1に示すMCU装置20−1〜20−6を含むMCU利用予定リストを送信したものとする。
経路優先度決定手段102は、端末およびMCU装置からの問い合わせ(接続先取得要求)に応じて、それぞれの装置がMCU網の経路生成時に次に接続するべきMCU装置の候補リストを返答する。経路生成は、会議サーバとなる端末からの待ち受け(リスニング)に関する接続先取得要求を受信する場合と、会議端末となる端末からの接続要求(ログイン)に関する接続先取得要求を受信する場合とで異なる動作をする。
接続先取得要求は、端末またはMCUによって送信される情報であって、セッション種別、送信元ノード識別子、送信元拠点識別子および通信グループIDを含む情報である。セッション種別は、接続先取得要求がリスニングを行う場合に送信されたものかログインを行う場合に送信されたものであることを示す情報である。送信元ノード識別子および送信元拠点識別子は、接続先取得要求を送信する端末またはMCU装置自身のノード識別子および拠点識別子を示す情報である。以下、セッション種別がリスニングである接続先取得要求をリスニング接続先取得要求と表記し、セッション種別がログインである接続先取得要求をログイン接続先取得要求と表記するものとする。
なお、リスニングとは、会議サーバがMCU利用予定リストにおいて指定したMCU装置の接続によって構築されたMCU網を介して、指定されたMCU装置のうち最上位のMCU装置に、会議サーバからリスニング要求が送信された状態をいう。ログインとは、MCU網を介して、会議端末から会議サーバにログイン要求が送信された状態をいう。リスニング要求およびログイン要求については後述する。
まず、リスニングを行う場合の経路優先度決定手段102の動作について説明する。
経路優先度決定手段102は、会議サーバおよびMCU装置からリスニング接続先取得要求を受信すると、MCU利用予定リスト蓄積部105に記憶されるMCU利用予定リストの中から会議サーバおよびMCU装置のドメインと同じかまたは上位のドメインを有するMCU装置を検索する。
そして、対応するMCU管理情報を参照し、リスニング接続先取得要求の送信元の装置から、リスニングの方向すなわちMCU利用予定リストのうち最上位MCU装置がある方向に近いMCU装置の順にMCU候補リストを生成して、端末30−1に返答する。
例えば、端末30−1が会議サーバとしてリスニング接続先取得要求を送信すると、経路優先度決定手段102は、MCU利用リスト中の各MCU装置のノード識別子にもとづいて、会議サーバのドメインと同位または上位のドメインを有するMCU装置を検索する。なお、このとき、図1に示す例では、会議サーバと同位のドメインのMCU装置が存在するので、その同位のドメインのMCU装置が検索される。セキュリティの関係上、ネットワークはファイヤウォール等によって通信経路が制限されているので、下位のネットワーク内の端末が直接上位のネットワークのMCU装置に接続するのは好ましくないからである。経路優先度決定手段102は、会議サーバとなる端末30−1が最上位MCU装置(例えば、MCU装置20−6)までMCU網を下位から上位に接続するための情報として、同位のドメインを有するMCU装置20−1を示すMCU候補リストを端末30−1に送信する。端末30−1がMCU装置20−1に接続する(リスニングセッションを確立する)と、次に、MCU装置20−1がロケーションサーバ10にリスニング接続先取得要求を送信する。
経路優先度決定手段102は、MCU装置20−1からリスニング接続先取得要求を受信すると、MCU利用リスト中の各MCU装置のノード識別子にもとづいて、MCU装置20−1のドメインと同位または上位のドメインを有するMCU装置を検索する。なお、このとき、通常は、MCU装置20−1の上位のドメインのMCU装置を検索する。そして、上位のドメインを有するMCU装置(例えば、MCU装置20−2)をMCU候補とする。なお、MCU装置20−1の上位のドメインを有するMCU装置が複数存在する場合(例えば、拠点AにMCU装置20−2以外のMCU装置が存在する場合)は、それら複数のMCU装置をMCU候補とすることができるが、MCU装置20−1が接続するMCU装置として優先順位を付けるのが好ましい。さらに、経路優先度決定手段102は、MCU利用予定リストにおけるMCU装置20−1のセッション種別を「リスニング」と登録する。また、経路優先度決定手段102は、上位のドメインを有するMCU装置20−2を示すMCU候補リストをMCU装置20−1に送信する。
MCU装置20−1がMCU装置20−2に接続すると、次に、MCU装置20−2がロケーションサーバ10にリスニング接続先取得要求を送信する。同様にして、MCU装置20−2がMCU装置20−6に接続すると、次に、MCU装置20−6がロケーションサーバ10にリスニング接続先取得要求を送信する。
経路優先度決定手段102は、リスニング接続先取得要求を最上位のMCU装置(例えば、MCU装置20−6)から受信した場合には、MCU利用予定リストにおける最上位のMCU装置のセッション種別を「リスニング」と登録するとともに、空データのMCU候補リストを生成して最上位のMCU装置に送信する。最上位のMCU装置が受信するMCU候補リストは、空データであるため、最上位のMCU装置は、どこにも接続せずリスニングに関する一連の処理を終了する。
経路優先度決定手段102が、会議サーバおよび各MCU装置からのリスニング接続先取得要求に基づいて、上記の動作を最上位のドメインに到達するまで繰り返すことによって、会議サーバとなる端末30−1がMCU利用予定リストにおいて指定した最上位のドメインのMCU装置まで接続することができる。
次に、会議端末がログインを行う場合の経路優先度決定手段102の動作について説明する。
経路優先度決定手段102は、会議端末からログイン接続先取得要求を受信すると、MCU利用予定リスト蓄積部105に記憶されるMCU利用予定リストの中から、同一拠点で会議端末のドメインと同じかまたは上位のドメインを有する直近のMCU装置を検索する。
また、経路優先度決定手段102は、MCU装置からログイン接続先取得要求を受信すると、MCU利用予定リスト蓄積部105に記憶されるMCU利用予定リストの中から、同一拠点でログイン接続先取得要求の送信元のMCU装置のドメインと同じかまたは上位のドメインを有する直近のMCU装置を検索する。ログイン接続先取得要求の送信元のMCU装置が、拠点で最上位のMCU装置である場合には、MCU利用予定リストのセッション種別を参照して、拠点間でリスニング動作しているMCU装置の方向にある直近のMCU装置を選択する。
例えば、図1に示す端末30−4が会議端末としてログイン接続先取得要求を送信すると、経路優先度決定手段102は、同一拠点で同一ドメインのMCU装置20−5を示すMCU候補リストを端末30−4に送信する。端末30−4がMCU装置20−5に接続すると、次に、MCU装置20−5がロケーションサーバ10にログイン接続先取得要求を送信する。経路優先度決定手段102は、MCU装置20−5からログイン接続先取得要求を受信すると、MCU装置20−5と同一拠点で上位ドメインを有するMCU装置(例えば、MCU装置20−4)を検索してMCU候補リストを生成する。経路優先度決定手段102は、MCU装置20−4を示すMCU候補リストをMCU装置20−5に送信する。MCU装置20−5がMCU装置20−4に接続すると、次に、MCU装置20−4がロケーションサーバ10にログイン接続先取得要求を送信する。
MCU装置20−4が拠点Bで最上位のMCU装置であるため、経路優先度決定手段102は、MCU利用予定リストのセッション種別を参照して、リスニング動作しているMCU装置を認識し、拠点間接続情報にもとづいて、リスニング動作しているMCU装置の方向にある直近のMCU装置を選択する。ここで、図1に示す例では、リスニング動作しているMCU装置のうち直近のものはMCU装置20−2であるため、経路優先度決定手段102は、MCU装置20−2を示すMCU候補リストをMCU装置20−4に送信する。なお、拠点Aと拠点Bとが複数の経路で接続されている場合は、帯域の大きな経路を優先的に選択するのが好ましい(つまり、帯域の大きな経路で拠点Aとつながっている拠点BのMCU装置を選択するのが好ましい)。
上記の動作によって、拠点内にてツリー構造でMCU網を構築することができ、各拠点において、全端末から接続できる上位ドメインにMCU装置が最低ひとつ存在すれば、拠点間の接続を一つだけにすることができる。
拠点情報蓄積部103は、拠点間接続情報を記憶している。拠点間接続情報はあらかじめ設定されている。予定経路管理手段101が、拠点間接続情報を取得して会議サーバに送信することにより、会議サーバは、拠点間接続情報をMCU利用予定リストの構築に利用することができる。また、経路優先度決定手段102は、拠点間接続情報を参照することにより、会議端末やMCU装置が次に接続するべきMCU装置を、MCU利用予定リスト等の経路に関する情報から割り出すことができる。なお、拠点情報蓄積部103は、各端末の拠点識別子も記憶してもよい。
MCU管理情報蓄積部104は、MCU管理情報を記憶している。MCU管理情報は、例えば、それぞれのMCU装置の設定時や起動時に登録される。予定経路管理手段101が、MCU管理情報を取得して会議サーバに送信することにより、会議サーバは、MCU利用予定リストの構築に利用することができる。また、経路優先度決定手段102がMCU管理情報を参照することにより、会議端末やMCU装置が次に接続するべきMCU装置を、ノード識別子のドメインの上下関係から割り出すことができる。端末およびMCU装置は、経路優先度決定手段102からMCU候補リストを送信されると、MCU装置のIPアドレスに対して接続する。
MCU装置20−1は、接続先取得手段201と、通信手段202と、グループ管理手段203とを含み、記憶装置としてセッション管理部204を含む。接続先取得手段201、通信手段202およびグループ管理手段203は、CPUなどの演算制御手段が記憶手段に記憶された制御プログラムに従って動作することにより実現される。また、セッション管理部204は、ハードディスクなどの記憶手段で構成される。これらの手段はそれぞれ次のように動作する。
通信手段202は、例えば、接続される端末30−1,30−2と、接続されるMCU装置20−2および接続するMCU装置20−2に対応して複数存在し、グループ管理手段203がそれぞれの送受信を中継してグループ通信を行う。通信手段202は、最初に経路生成のための通信を行う。すなわち、通信手段202は、端末またはMCU装置から、リスニング要求およびログイン要求を受信する。
リスニング要求およびログイン要求は、セッション種別、送信元ノード識別子、当初送信元ノード識別子、最終宛先ノード識別子および通信グループを含む情報である。
リスニング要求は、セッション種別がリスニングである情報である。リスニング要求は、会議サーバによって生成され、各MCU装置を経由して、最終的に最上位のMCU装置にまで送信される情報である。したがって、リスニング要求の当初送信元ノード識別子は会議サーバのノード識別子であり、最終宛先ノード識別子は最上位のMCU装置のノード識別子である。
ログイン要求は、セッション種別がログインである情報である。ログイン要求は、会議端末によって生成され、各MCU装置を経由して、最終的に会議サーバにまで送信される情報である。したがって、ログイン要求の当初送信元ノード識別子は会議端末のノード識別子であり、最終宛先ノード識別子は会議サーバのノード識別子である。
通信手段202は、リスニング要求を受信したら、グループ管理手段203にリスニング要求を通知し、リスニングに対応した次の接続処理を依頼し、ログイン要求を受信したら、グループ管理手段203にログイン要求を通知して、ログインに対応した次の接続処理を依頼する。また、ログイン要求を受信した会議サーバから、MCU網を介してログイン完了通知あるいはログイン不完了通知が送付されてきたら、該当の端末装置、すなわちログイン要求を送信した会議端末に対して転送するための処理を行う。
ログイン完了通知およびログイン不完了通知は、ログイン要求を受信した会議サーバがログイン要求を送信した会議端末に送信する情報であって、セッション種別、送信元ノード識別子、当初送信元ノード識別子、最終宛先ノード識別子および通信グループを含む情報である。
ログイン完了通知およびログイン不完了通知は、セッション種別がそれぞれログイン完了またはログイン不完了である情報である。ログイン完了通知およびログイン不完了通知は、会議サーバによって生成され、各MCU装置を経由して、最終的に会議端末にまで送信される情報である。したがって、ログイン完了通知およびログイン不完了通知の当初送信元ノード識別子は会議サーバのノード識別子であり、最終宛先ノード識別子は会議端末のノード識別子である。
グループ管理手段203は、グループ通信の管理と、次に接続するべきMCU装置の接続制御を行う。グループ管理手段203は、通信手段202から通知されるメッセージを、セッション管理部204が記憶する情報であって通信先が記述されたセッション情報に基づいて、指定された別端末30−2あるいは別MCU装置20−2に転送する。
グループ管理手段203は、MCU装置の接続制御として、通信手段202から送られてくるリスニング要求、ログイン要求、ログイン完了通知およびログイン不完了通知に基づいて、セッション管理部204にセッション情報を記憶する。
セッション情報は、セッション種別、送信元ノード識別子、当初送信元ノード識別子、最終宛先ノード識別子および通信グループを含む情報である。セッション情報において、セッション種別は、少なくともリスニングまたはログイン完了を示す情報である。以下、セッション種別が「リスニング」であるセッション情報を「リスニングセッション」と表記し、セッション種別が「ログイン完了」であるセッション情報を「ログイン完了セッション」と表記する場合がある。
まず、グループ管理手段203は、リスニング要求が送信された場合には、セッション管理部204にリスニング要求をセッション情報として記憶させる。また、グループ管理手段203は、接続先取得手段201に、リスニング時に次に接続するべきMCU装置(リスニング要求の送信先のMCU装置)を、ロケーションサーバからMCU候補リストを取得させることにより特定し、新たな通信手段202を生成して、別MCU装置20−2にリスニング要求を送信する。
グループ管理手段203は、ログイン完了通知を受信した場合には、セッション管理部204にログイン完了通知をセッション情報として記憶させる。また、グループ管理手段203は、MCU装置20−1に接続している該当の装置にログイン完了通知あるいはログイン不完了通知を転送する。すなわち、ログイン完了通知、ログイン不完了通知の転送先は、対応するログイン要求の送信元ノード識別子が示す装置である。
グループ管理手段203は、リスニングセッションおよびログイン完了セッションに関しては、セッションをアクティブにして、アプリケーションの自由な通信を可能とする。
グループ管理手段203は、ログイン要求が送信された場合には、セッション管理部204が記憶するセッション情報を検索し、リスニングセッションがあるかどうかを調べる。
リスニングセッションが存在すれば、該当するセッション情報の「送信元ノード識別子」が示すMCU装置または端末にログイン要求を転送する。
リスニングセッションがなく、ほかのMCU装置に接続している場合、すなわちログイン完了セッションがある場合には、該当するセッション情報の「送信元ノード識別子」が示すMCU装置にログインを転送する。
リスニングセッションがなく、ほかのMCU装置に接続していない場合、すなわちリスニングセッションもログイン完了セッションもない場合には、新たに接続しなければならないので、接続先取得手段201に、ログイン時に次に接続するべきMCU装置、すなわちログイン要求の送信先のMCU装置を、ロケーションサーバからMCU候補リストを取得させることにより特定し、新たな通信手段202を生成して、別MCU装置20−2に接続する。
リスニングセッションが、会議サーバとなる端末の直近のMCU装置から、最上位のドメインのMCU装置まで階層的に設置されることにより、会議端末となる端末は、直近のMCU装置等を介して、リスニングセッションにより接続されたいずれかのMCU装置に接続すれば、会議サーバと通信できる。また、会議サーバとなる端末と同一のファイヤウォール配下の端末、すなわち会議サーバと同一のドメインを有する会議端末からのログインの処理は、最上位のMCU装置を通過する必要がないため、最上位のMCU装置の負荷を軽減することができる。
接続先取得手段201は、リスニング要求が送信された場合や、ログイン要求が送信された場合であって、リスニングセッションもログイン完了セッションもない場合に、次に接続するべきMCU装置をロケーションサーバに問い合わせる。すなわち、グループ管理手段203からの要求により、経路優先度決定手段102にMCU装置20−1のノード識別子を送信元ノード識別子としたリスニング接続先要求を送信して、次に接続するべきMCU装置を問い合わせる。他のMCU装置との間の接続には、リスニング要求を転送する場合とログイン要求を転送する場合があり、それぞれ接続するべきMCU装置を示すMCU候補リストが返答される。それを元に通信手段202の接続先を指定する。
セッション管理部204は、セッション情報を記憶し、通信手段202がどの装置と接続していて、その接続がリスニングセッションであるか、ログイン完了セッションであるかを管理している。すなわち、セッション管理部204は、グループ管理手段204からの要求にしたがって、通信手段202の各セッションが、どこに接続しているのか、どこの通信グループに属しているのか、リスニングセッションであるか、ログイン完了であり通信可能であるかを記憶している。
端末30−1は、予定経路決定手段301と、接続先取得手段302と、アプリケーション303と、通信手段304と、ユーザ管理手段305とを含み、記憶装置として、参加者情報管理部306を含む。予定経路決定手段301、接続先取得手段302、アプリケーション303、通信手段304およびユーザ管理手段305は、CPUなどの演算制御手段が記憶手段に記憶された制御プログラムに従って動作することにより実現される。また、参加者情報管理部306は、ハードディスクなどの記憶手段で構成される。端末30−1は、会議サーバとして動作する場合と会議端末として動作する場合とで、使用する手段が異なる。これらの手段はそれぞれ次のように動作する。
予定経路決定手段301は、端末30−1が会議サーバとして動作する場合に、最初にアプリケーション303からの会議開催要求(情報取得要求)により、どのMCU装置を利用するのかを限定する動作をする。
予定経路決定手段301は、ロケーションサーバ10から、MCU管理情報および拠点間接続情報を取得する。次に、予定経路決定手段301は、どの拠点から何台の端末がログインしてくるかといった利用シーンの計画と取得した情報とに基づいて、最適なMCU装置を選択し、MCU利用予定リストとしてロケーションサーバ10に送信する。予定経路決定手段301は、予め定められた条件に基づいて自動的に最適なMCU装置を選択してMCU利用予定リストを送信してもよく、使用者が指定したMCU装置を示すMCU利用予定リストを送信してもよい。また、MCU装置が選択されなかった場合には、全てのMCU装置を含むMCU利用予定リストを送信してもよい。なお、予定経路決定手段301が最適なMCU装置を選択するためには、会議に参加するユーザ(利用者)の会議端末がどのネットワークに属し、そのネットワーク内の端末から最も近いMCU装置がどれかを認識する必要がある。このような情報は、あらかじめ各端末が保持していてもよく、また、グループ通信を開始する度に、ロケーションサーバから端末(会議サーバ)に送信されるように構成されていてもよい。
MCU利用予定リストにおいて指定されるMCU装置は、端末がリスニングするときおよびログインするときにはじめて利用されるので、余計に指定しておいてもかまわない。しかし、例えば、ある拠点から1端末しか参加しない場合に、拠点内の階層化されたドメインに複数のMCU装置が存在していると、それらをすべて経由してくる可能性があるので、MCU装置を限定しておくと効率的な通信が可能となる。逆に、ある拠点にMCU装置がひとつもないと、各端末が拠点間通信をして外部拠点のMCU装置に接続することとなるので、最低でも各拠点においてひとつのMCU装置を選択するものとする。予定経路決定手段301において、会議開催時にMCU網で利用するMCU装置の候補を選択することができ、実際に利用するか否かは、実行時に決定されるので、無駄にMCU装置を経由することがなくなる。
接続先取得手段302は、会議サーバとなる端末、および会議端末となる端末のいずれもが利用する。接続先取得手段302は、最初に接続するべきMCU装置20−1をロケーションサーバ10に問い合わせて選択する。すなわち、接続先取得手段302は、アプリケーション303からの接続要求にしたがって、リスニングかログインかの種別を示すセッション種別、送信元ノード識別子、送信元拠点識別子および通信グループIDとを含む接続先取得要求をロケーションサーバ10に送信し、接続可能でもっとも近いMCU装置を示すMCU候補リストを受信する。接続先取得手段302は、受信したMCU候補リストを参照して、優先度の高いMCU装置を選択する。なお、選択したMCU装置に接続できなかった場合などには、次の候補のMCU装置を選択してもよい。また、ロケーションサーバ10から受信したMCU候補リストによらずに、自ら設定したMCU装置に接続することもできる。
アプリケーション303は、最初の経路生成とアプリケーションとしての動作およびほかの端末とのアプリケーションとしての通信を行う。端末が会議サーバとして動作する場合に、アプリケーション303は、予定経路決定手段301に情報取得要求を送信して、MCU利用予定リストをロケーションサーバ10に登録させる。また、接続先取得手段302に接続先取得要求を出力して、リスニング要求の送信時に最初に接続するMCU装置(例えば、MCU装置20−1)を特定させる。そして、アプリケーション303は、通信手段304を起動して、MCU装置20−1に接続し、リスニング要求をMCU装置20−1に対して送付する。なお、前述したように、リスニング要求には、最終宛先ノード識別子としてどのドメインのMCU装置まで転送するかを指定するMCU装置のノード識別子が含まれる。
端末が会議端末として動作した場合には、アプリケーション303は、接続先取得手段302に接続先取得要求を出力して、ログイン要求の送信時に最初に接続するMCU装置(例えば、MCU装置20−1)を特定させる。そして、アプリケーション303は、通信手段304を起動して、MCU装置20−1に接続させ、ログイン要求をMCU装置20−1に対して送付する。
ログイン要求が会議サーバまで転送され、会議サーバから送信されたログイン完了通知を受信すると、会議端末はログイン完了となる。ログイン完了通知を転送した各MCU装置は、セッション管理部にセッション情報としてログイン完了通知を記憶し、会議サーバと会議端末との通信が可能であると判断する。
例えば、ログインが完了した端末30−1のアプリケーション303は、MCU装置をひとつあるいは複数経由して、ほかの端末と通信することができる。通信の方式としては、送信先を特定したユニキャスト通信とグループに対して行うマルチキャスト通信がある。マルチキャスト通信の場合はMCU網で段階的に配信するので配信効率が高い。
通信手段304は、アプリケーション303からの要求にしたがって、MCU装置20−1に接続してリスニング要求およびログイン要求を送信することにより、アプリケーション303によるデータ送受信を中継する。
通信手段304は、端末が会議サーバとして動作する場合には、リスニング要求をMCU装置に送信する。また、MCU装置20−1から送信されるログイン要求を受信してユーザ管理手段350に出力し、ユーザ管理手段350がログイン可能と判断した場合には、ログイン完了通知を送信する。
通信手段304は、端末が会議端末として動作する場合には、ログイン要求をMCU装置に送信する。また、MCU装置20−1から送信されるログイン完了通知を受信して、アプリケーション303に通知する。
ユーザ管理手段305は、端末が会議サーバとして動作するときに有効となり、通信手段304から出力されるログイン要求を受信する。ユーザ管理手段305は、会議サーバとして、ログイン要求を最初に送信した会議端末(ログイン要求の当初送信元ノード識別子が示す端末)がログイン可能かどうかを、参加者情報管理部306を参照して判断する。ログイン可能であった場合には、ログイン完了通知を、各MCU装置を介してログイン要求先の会議端末に送信する。ログイン不可能であった場合には、ログイン不完了通知を、各MCU装置を介してログイン要求先の会議端末に送信する。
ユーザ管理手段305の処理により、会議サーバとなる端末30−1においてユーザ管理を行うことができ、MCU装置20−1の負荷を軽減することが可能となり、たとえMCU装置20−1をインターネット上に設置しても、参加者情報を会議サーバとなるイントラネット内の端末30−1に格納しておくことができる。
参加者情報管理部306は、会議の参加者に関するユーザ情報(参加者情報)を記憶する。参加者情報管理部306が記憶する参加者情報は、ユーザ管理手段305によって参照され、ログイン要求を送信した会議端末がログイン可能かどうか判定される。
次に、図2および図4を参照して本実施の形態の全体の動作について説明する。図4は、本実施の形態の経路生成システムの動作を示すフローチャートである。以下の説明では、経路生成システムは、リスニングして会議サーバとなる端末30−1、ログインして会議端末となる端末30−2、ロケーションサーバ10、MCU装置20−1,20−2で構成されているものとし、リスニングして会議サーバとなる端末をリスニング端末30−1、ログインして会議端末となる端末をログイン端末30−2と表記する場合がある。
まず、ステップS1において、ロケーションサーバ10は、所定のMCU装置の起動直後にあらかじめ定義されている拠点間接続情報を読み取り、拠点情報蓄積部103に記憶する。そしてステップS2において、ロケーションサーバ10は、所定のMCU装置のMCU管理情報を読み取り、MCU管理情報蓄積部104に記憶する。これまでが準備段階となり、この準備段階が完了し、MCU装置が起動すると、いつでも通信を開始することが可能となる。
次に、ステップS3において、リスニング端末30−1からの要求にしたがって、ロケーションサーバ10は、拠点間接続情報およびMCU管理情報の一覧の送付を行う。リスニング端末30−1は、ステップS4において、利用する予定のMCU装置を取捨選択し、ステップS5において、ロケーションサーバ10にMCU利用予定リストを登録する。ステップS3からステップS5の動作によって、MCU網の骨格を決定するが、MCU網の構築はまだ行われていない。
次にステップS6において、リスニング端末30−1がロケーションサーバ10にリスニング接続先取得要求を送信し、リスニング要求の送信時に接続するべきMCU装置を問い合わせると、ロケーションサーバ10はMCU候補リストを送信する。
ステップS7において、リスニング端末30−1は、MCU候補リストを参照してMCU装置20−1を特定して接続し、リスニング要求の最終宛先ノード識別子として最上位のMCU装置20−2のノード識別子を指定して、MCU装置20−1に対して発行する。
ステップS8において、MCU装置20−1は、リスニング要求をセッション情報として記憶する。ステップS9において、MCU装置20−1は、ロケーションサーバ10に、次に接続するべきMCU装置を問い合わせて接続する。同様にして、MCUサーバ間の接続を繰り返し、リスニング要求に指定された最終宛先ノード識別子のMCU装置まで接続されると、複数のドメインにおいてリスニングセッションが複数生成される。ステップS6からステップS9の一連の動作によって、会議サーバとしての待ち受けの最小限のMCU網、すなわちリスニングセッションのみによるMCU網が完成する。
次にステップS10において、会議端末となる端末30−2からログインが開始される。まず、ログイン端末30−2は、ロケーションサーバ10に、自身のノード識別子と拠点識別子とを含むログイン接続先取得要求を送信して、接続するべきMCU装置の候補をロケーションサーバ10から取得する。ステップS11において、ログイン端末30−2は、接続先を特定しMCU装置20−1に接続する。そして直ちにステップS12において、ログイン要求をMCU装置20−1に送信する。
通常、MCU装置では、リスニングセッションが存在している場合には、そのセッションにログイン要求を転送し、既に上位にMCU装置が接続している場合すなわちログイン完了セッションが存在する場合には、その経路にログイン要求を転送する。どちらも存在していない場合は、ステップS13において、ロケーションサーバ10に問い合わせて、ログインにおいて次に接続するべきMCU装置を問い合わせる。各MCU装置がこの動作を繰り返すことで、経路を生成しながら、ログイン要求がリスニング端末30−1に転送されて、ステップS14において、リスニング端末30−1においてログインの許可判定がなされる。なお、図2に示す例では、MCU装置20−1には、リスニング端末30−1とのリスニングセッションがすでに存在するので、ログイン端末30−2からのログイン要求はリスニング端末30−1に転送される。
リスニング端末30−1において、ログインが許可されたら、ステップS15において、ログイン完了通知がMCU装置20−1に送信され、ログイン端末30−2に転送されていく。ログイン端末30−2が直接接続しているMCU装置20−1では、ログインが許可されたセッション(ログイン完了セッション)をアクティブにして、通信可能にする。
ステップS16において、ログイン完了通知を受信したログイン端末30−2は、今後、グループ通信を行うことが可能となる。ステップS10からステップS16の一連の動作によって、MCU網を構築しながら、ログインの処理が行われ、今後のアプリケーションのデータの送受信が可能となる。
次に、本実施の形態の効果について説明する。本実施の形態では、端末がロケーションサーバに次に接続するMCU装置を問い合わせる構成をとっており、それぞれノード識別子および拠点識別子をもってロケーションサーバに問い合わせ、ロケーションサーバに蓄積された拠点間接続情報とノード識別子のドメインの関係から接続可能な最適なMCU装置を選択できるように構成されているため、イントラネットやインターネット、サブネットに分割されてファイヤウォールに守られているネットワークにおいても、接続可能な最短なMCU装置を選択することができる。
本実施の形態では、さらに、MCU装置がロケーションサーバに次に接続するMCU装置を問い合わせる構成をとっており、それぞれノード識別子および拠点識別子をもってロケーションサーバに問い合わせ、ロケーションサーバに蓄積された拠点間接続情報とノード識別子のドメインの関係から接続可能な最適なMCU装置を選択できるように構成されているため、イントラネットやインターネット、サブネットに分割されてファイヤウォールに守られているネットワークにおいても、それぞれのMCU装置の接続動作によって、動的に最良なMCU網を構築することができる。
また、本実施の形態では、さらに、リスニングする端末において、参加者情報を管理し、最上位のMCU装置が全ての管理情報を持たない構成となっているために、MCU装置に負荷をかけずにすむとともに、最上位のMCU装置をセキュリティが弱いインターネット上においても、管理情報を危険にさらすことがなくなるという効果がある。
次に、具体的な実施例を用いて本発明を実施するための最良の形態の動作を説明する。
図5から図9は、本発明による経路生成システムの構成例を示すブロック図である。図5〜図9に示す経路生成システムは、ロケーションサーバ11と、ロケーションサーバ12と、MCU装置21と、MCU装置22と、MCU装置23と、MCU装置24と、MCU装置25と、MCU装置26と、MCU装置27と、端末31と、端末32と、端末33と、端末34と、端末35と、端末36と、端末37と、端末38と、端末39と、端末40とを備える。図5〜図9は、全て同じ構成である。
図5から図9に示すような、ネットワーク網とMCU装置、端末が配置される場合について説明する。
図10は、各拠点におけるMCU装置の配置状況および拠点間の接続状況の一例を示す説明図である。図10に示すように、拠点Aに、MCU装置21,23,26が設置され、拠点Bに、MCU装置22,24が設置され、拠点Cに、MCU装置25が設置される。また、MCU装置27は、インターネット上に設置される。
図5〜図9に示す経路生成システムは、インターネット、イントラネット、イントラネット内の複数のサブネットに分かれている。また、各ネットワークにはファイヤウォール(図示せず。)が設置されている。インターネットのドメイン名は「i」、イントラネットのドメイン名は「x.i」、サブネットは、「p.x.i」、「q.x.i」、「r.x.i」の3つのドメインに分かれている。さらに、ドメイン「p.x.i」の中に、ドメイン「a.p.x.i」のサブネットがあり、「q.x.i」の中に、ドメイン「q.p.x.i」のサブネットがある。
ロケーションサーバ11はイントラネット内に存在し、ロケーションサーバ12はインターネット上に存在する。ロケーションサーバ11は、MCU装置21〜26および端末31〜39から参照可能であり、ロケーションサーバ12は、MCU装置27および端末40から参照可能であるものとする。
それぞれの端末とMCU装置にはノード識別子が割り当てられ、記憶されている。ノード識別子は、「ノード名@ドメイン」で表現されるものとする。図5〜図9に示すように、MCU装置21には「m1@x.i」、MCU装置22には「m2@x.i」、MCU装置23には「m3@p.x.i」、MCU装置24には「m4@q.x.i」、MCU装置25には「m5@r.x.i」、MCU装置26には「m6@a.p.x.i」、MCU装置27には「m7@i」、端末31には「t1@p.x.i」、端末32には「t2@p.x.i」、端末33には「t3@a.p.x.i」、端末34には「t4@a.p.x.i」、端末35には「t5@q.x.i」、端末36には「t6@q.x.i」、端末37には「t7@b.q.x.i」、端末38には「t8@r.x.i」、端末39には「t9@r.x.i」、端末39には「t10@i」が記憶される。
まず、図5を参照して、イントラネット内の全拠点の全端末31〜39が会議を実施する場合について、リスニングからログインまでの過程を説明する。端末31〜39が会議参加するので、MCU装置21〜26を中継することにする。
図5に示す例では、端末33が、リスニングを開始する会議サーバとなるものとする。まず、端末33は、ロケーションサーバ11に情報取得要求を送信して拠点間接続情報とイントラネット内のすべてのMCU装置のMCU管理情報とを取得し、MCU利用予定リストにすべてのMCU装置を指定してロケーションサーバ11に送信する。
次に、端末33は、リスニングを開始するためにロケーションサーバ11にリスニング接続先取得要求を送信してMCU候補リストを受信し、直近のMCU装置26を選択する。その次に、端末33は、イントラネット内の最上位ドメインである「x.i」ドメインのMCU装置21を最上位のMCU装置(最終宛先ノード識別子)に指定して、リスニング要求を送信する。ここで、端末33が送信するリスニング要求は、セッション種別が「リスニング」、送信元ノード識別子が「t3@a.p.x.i」、当初送信元ノード識別子が「t3@a.p.x.i」、最終宛先ノード識別子が「m1@x.i」の情報である。
端末33が、MCU装置26に接続してリスニング要求を送信すると、MCU装置26は、受信したリスニング要求に基づいて、セッション情報としてリスニングセッションを作成する。MCU装置26は、リスニング要求で指定された最上位ドメインのMCU装置(最終宛先ノード識別子が示すMCU装置21)ではないので、ロケーションサーバ11に問い合わせてリスニング接続先取得要求を送信する。
ロケーションサーバ11は、MCU装置26からリスニング接続先取得要求を受信すると、MCU利用予定リスト蓄積部105に記憶するMCU利用予定リストにおけるMCU装置26に対応する「セッション種別」に「リスニング」と記憶するとともに、MCU装置26にMCU候補リストを送信する。
MCU装置26は、ロケーションサーバ11からMCU候補リストを受信し、さらに上位のMCU装置であるMCU装置23を選択する。MCU装置26は、選択したMCU装置23に接続してリスニング要求を転送する。ここで、MCU装置26が転送するリスニング要求は、端末33から受信したリスニング要求に対し、送信元ノード識別子のみを自身のノード識別子「m6@a.p.x.i」に変えたものである。
MCU装置23は、MCU装置26からのリスニング要求を受信してリスニングセッションを作成し、ロケーションサーバ11にリスニング接続先取得要求を送信する。ロケーションサーバ11は、MCU利用予定リストにおけるMCU装置23に対応する「セッション種別」に「リスニング」と記憶するとともに、MCU装置23にMCU候補リストを送信する。MCU装置23は、ロケーションサーバ11からMCU候補リストを受信し、さらに上位のMCU装置21を選択してリスニング要求を転送する。ここで、MCU装置23が転送するリスニング要求は、MCU装置26から受信したリスニング要求に対し、送信元ノード識別子のみを自身のノード識別子「m3@p.x.i」に変えたものである。
MCU装置21は、MCU装置23からのリスニング要求を受信して、セッション情報としてリスニングセッションを作成し、ロケーションサーバ11にリスニング接続先取得要求を送信する。
ロケーションサーバ11は、MCU利用予定リストにおけるMCU装置21に対応する「セッション種別」に「リスニング」と記憶する。ロケーションサーバ11は、MCU装置21が最上位のMCU装置であると判断し、MCU装置21に空のMCU候補リストを送信する。
MCU装置21は、空のMCU候補リストを受信した場合には、リスニング要求を送信しないため、一連のリスニング動作が完了する。以上に説明した動作により、MCU装置26,23,21において、セッション情報としてリスニングセッションが記憶され、リスニング状態になる。
次に、各会議端末がログインする場合について説明する。まず、端末31がログイン動作を行う場合について説明する。
端末31は、ロケーションサーバ11にログイン接続先取得要求を送信してMCU候補リストを受信し、直近のMCU装置として同一ドメイン、同一拠点のMCU装置23を選択する。端末31は、MCU装置23に対し、セッション種別が「ログイン」、送信元ノード識別子が「t1@p.x.i」、当初送信元ノード識別子が「t1@p.x.i」、最終宛先ノード識別子が会議サーバ端末33のノード識別子「t3@a.p.x.i」であるログイン要求を送信する。
MCU装置23は、端末31からのログイン要求を受信すると、セッション管理部204が記憶するセッション情報を検索する。ここで、MCU装置23は、送信元ノード識別子が「m6@a.p.x.i」であるリスニングセッションを記憶していることから、MCU装置26とのリスニングセッションがあると判断し、端末31からのログイン要求をMCU装置26に転送する。
MCU装置26は、MCU装置23からのログイン要求を受信すると、セッション情報を検索する。MCU装置26は、送信元ノード識別子が「t3@a.p.x.i」であるリスニングセッションを記憶していることから、端末33とのリスニングセッションがあると判断し、MCU装置23からのログイン要求を端末33に転送する。
端末31が送信したログイン要求が会議サーバである端末33にまで転送され、端末33からのログイン完了通知を端末31が受信することにより、端末31のログインが完了する。
端末32がログインする場合も、端末31がログインする場合と同様の処理により、ロケーションサーバ11からのMCU候補リストに基づいてMCU装置23が選択され、会議サーバである端末33にまでログイン要求が転送されて、ログインが完了する。
端末34がログインする場合は、MCU装置26が直近のMCU装置となるので、端末34は、ロケーションサーバ11からのMCU候補リストに基づいてMCU装置26にログイン要求を送信する。MCU装置26は、端末33とのリスニングセッションを記憶していることから、端末34からのログイン要求を会議サーバである端末33に転送する。
次に、端末35がログインする場合について説明する。端末35の直近のMCU装置はMCU装置24なので、端末35は、ロケーションサーバ11からのMCU候補リストに基づいてMCU装置24にログイン要求を送信する。
MCU装置24は、リスニングセッションもログイン完了セッションも記憶しておらず、どこにもつながっていないので、ロケーションサーバ11にログイン接続先要求を送信してMCU候補リストを受信し、同一拠点の上位のMCU装置であるMCU装置22にログイン要求を転送する。
MCU装置22も、リスニングセッションもログイン完了セッションも記憶しておらず、どこにも接続していない。MCU装置22がロケーションサーバ11にログイン接続先要求を送信すると、ロケーションサーバ11は、MCU装置22が拠点Bで最上位のMCU装置であるので、MCU利用予定リストのセッション種別を参照して、リスニングしている拠点AのMCU装置のうち、直近の接続可能なMCU装置21を選択し、MCU候補リストをMCU装置22に送信する。MCU装置22は、受信したMCU候補リストに基づいてMCU装置21にログイン要求を転送する。
MCU装置21は、送信元ノード識別子が「m3@p.x.i」であるリスニングセッションを記憶していることから、MCU装置23とのリスニングセッションがあると判断し、MCU装置22からのログイン要求をMCU装置23に転送する。MCU装置23に転送されたログイン要求が会議サーバである端末33まで転送される処理は、端末31,32からのログイン要求が転送される処理と同様であるため、説明を省略する。
会議サーバである端末33は、ログイン完了通知を送信する。MCU装置22は、MCU装置26,23,21を介してログイン完了通知を受信する。MCU装置22は、MCU装置21から、送信元ノード識別子が「m1@x.i」であるログイン完了通知を受信し、セッション情報として記憶するとともに、送信元ノード識別子を「m2@x.i」としたログイン完了通知をMCU装置24に転送する。MCU装置24は、MCU装置22から、送信元ノード識別子が「m2@x.i」であるログイン完了通知を受信し、セッション情報として記憶するとともに、送信元ノード識別子を「m4@q.x.i」としたログイン完了通知を端末35に転送する。
端末35のログイン動作によって、MCU装置22と24が動作し、リスニングセクションと接続した。すなわち、MCU装置22は、送信元ノード識別子が「m1@x.i」であるログイン完了セッションを記憶していることから、リスニングセッションを有するMCU装置21とのセッションが可能となる。同様に、MCU装置24は、送信元ノード識別子が「m2@x.i」であるログイン完了セッションを記憶していることから、MCU装置22とのセッションが可能となる。
次に、端末36がログインする場合について説明する。端末36は、端末35と同様にMCU装置24にログイン要求を送信する。MCU装置24には、MCU装置22とのログイン完了セッションがあり、MCU装置22には、MCU装置21とのログイン完了セッションがあることから、会議サーバである端末33までの接続がすでに成立している。したがって、端末36からのログイン要求は、既存の接続網を経由して会議サーバある端末33に転送される。
次に、端末37がログインする場合について説明する。端末37が所属するドメインにはMCU装置が存在しないので、ロケーションサーバ11は、端末37の上位のドメインのMCU装置であるMCU装置24を示すMCU候補リストを端末37に送信する。端末37は、MCU装置24にログイン要求を送信する。以降の処理は、端末36がログインする場合の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、端末38がログインする場合について説明する。端末38が存在する拠点にはMCU装置25が存在するので、ロケーションサーバ11は、MCU装置25を示すMCU候補リストを端末38に送信する。端末38は、MCU装置25にログイン要求を送信する。
MCU装置25は、リスニングセッションもログイン完了セッションも記憶しておらず、どこにも接続していない。また、拠点内で最上位のMCU装置であるので、拠点間の接続を行う。すなわち、ロケーションサーバ11は、MCU利用予定リストのセッション種別を参照して、リスニング動作しているMCU装置の方向にある直近のMCU装置を選択する。
選択する際の候補として、MCU装置21,22が存在するが、拠点間接続情報から算出してMCU装置22がMCU装置21とMCU装置25の中間に存在するので、ロケーションサーバ11は、MCU装置22を示すMCU候補リストをMCU装置25に送信する。
MCU装置25は、MCU装置22に接続し、ログイン要求を転送する。以降の処理は、端末36,37がログインする場合の処理と同様であるため、説明を省略する。なお、会議サーバである端末33からログイン完了通知が送信されることにより、MCU装置25は、送信元ノード識別子が「m2@x.i」であるログイン完了セッションを記憶する。
次に、端末39がログインする場合について説明する。端末39は、端末38と同様にMCU装置25にログイン要求を送信する。MCU装置25には、MCU装置22とのログイン完了セッションがあることから、会議サーバである端末33までの接続がすでに成立している。端末39は、MCU装置25に接続し、既存の経路を使って会議サーバである端末33にログイン要求を転送して完了する。以上の動作によって、すべての端末がMCU装置を経由してグループ通信網に接続することができた。
次に、図6を参照して、さらにインターネット上の端末40が参加する場合について説明する。イントラネット内のMCU網は、すでに図5に示す構成によって終了しているとする。
端末40がインターネット上から参加する場合には、ロケーションサーバとしてインターネット上のロケーションサーバ12も利用する。メインのロケーションサーバはイントラネット内のロケーションサーバ11からインターネット上のロケーションサーバ12に変更される。ただし、処理を分散してインターネット上のロケーションサーバ12に負荷をかけないようにするために、拠点間接続情報およびMCU管理情報のミラーをイントラネット内のロケーションサーバ11におき、イントラネット内の問い合わせに対応する。
会議サーバである端末33のリスニング時には、MCU利用予定リストにインターネット上のMCU装置であるMCU装置27を加えてロケーションサーバ11,12に登録し、リスニングの動作でMCU装置27までリスニングを上昇させる。
すなわち、端末33は、MCU装置27のノード識別子を最終宛先ノード識別子としたリスニング要求を送信する。端末33によって送信されたリスニング要求は、図5を参照して説明したように、MCU装置21にまで転送される。図6に示す例では、ロケーションサーバ11は、MCU装置21からリスニング接続先取得要求を送信すると、MCU装置27を示すMCU候補リストをMCU装置21に送信する。MCU装置21は、MCU候補リストに基づいてMCU装置27にリスニング要求を転送する。
MCU装置27は、MCU装置21からのリスニング要求を受信してリスニングセッションを作成し、インターネット上のロケーションサーバ12にリスニング接続先取得要求を送信する。ロケーションサーバ12は、MCU利用予定リストにおけるMCU装置27に対応する「セッション種別」に「リスニング」と記憶する。ロケーションサーバ12は、MCU装置27が最上位のMCU装置であると判断し、MCU装置27に空のMCU候補リストを送信し、一連のリスニング動作が完了する。
次に、端末40がログインする場合について説明する。端末40は、ロケーションサーバ12にログイン接続先取得要求を送信する。端末40は、受信したMCU候補リストに基づいて、MCU装置27にログイン要求を送信する。MCU装置27は、MCU装置21とのリスニングセッションを記憶していることから、ログイン要求をMCU装置21に転送する。前述したように、会議サーバである端末33にまでログイン要求が転送され、ログインを完了する。MCU装置27は、端末40の情報だけを管理すればよいので、イントラネット内のユーザ情報をインターネット上に置く必要がなくなる。
次に、図7を参照して、拠点Aおよび拠点Cに設置された端末だけで会議する場合について説明する。会議サーバである端末33のリスニング時に、端末31,32,33,34,38,39が通信するときのMCU利用予定リストとして、端末33がMCU装置21,25,26を選択したものとする。
リスニング動作において、会議サーバである端末33は、MCU装置26からMCU装置21に接続してリスニングセッションを確立する。MCU装置23はMCU利用予定リストに載っていないので、MCU装置26はMCU装置23を経由しない。すなわち、MCU装置26は、端末33とのリスニングセッションを記憶し、MCU装置21は、MCU装置26とのリスニングセッションを記憶する。
端末31,32は、ログイン要求の送信時に、上位のドメインで同一拠点のMCU装置であるMCU装置21を選択して送信する。端末34は同一ドメインのMCU装置26を選択してログイン要求を送信する。それぞれのログイン要求は、MCU装置21,26が有するリスニングセッションに基づいて、会議サーバである端末33に転送される。
端末38,39は、同一ドメインで同一拠点のMCU装置25を選択してログイン要求を送信する。MCU装置25は拠点の中で最上位のドメインのMCU装置であるので、拠点間通信を行う。拠点間通信でMCU装置25から接続できるMCU装置はMCU装置21であるので、MCU装置25は、MCU装置21に接続してログイン要求を中継する。この動作によって、最小限のMCU装置だけで拠点間をまたいだ会議が可能となる。
次に、図8を参照して、中間のドメインに会議サーバがある場合について説明する。すなわち、端末31,32,33,34,38,39との間で通信するのは図7に示す例と同様であって、会議サーバが端末31に変更された場合である。また、MCU利用予定リストにはMCU装置21,25,26が含まれるものとする。
リスニング時に、会議サーバである端末31は、上位のMCU装置21に接続してリスニング要求を送信する。MCU装置21が最上位なので、リスニングセッションはMCU装置21でだけ構築される。MCU装置21は、端末31とのリスニングセッションを記憶する。
端末32がログインする場合、端末32は、上位のドメインで同一拠点のMCU装置21に接続してログイン要求を送信する。MCU装置21は、端末31とのリスニングセッションに基づいて、ログイン要求を端末31に転送する。
端末33,34がログインする場合、端末33,34は、同一ドメイン、同一拠点のMCU装置26を選択してログイン要求を送信する。MCU装置26は、リスニングセッションもログイン完了セッションも記憶しておらず、どこにも接続していないので、ロケーションサーバ11にログイン接続先要求を送信してMCU候補リストを受信し、上位ドメインのMCU装置21に接続してログイン要求を転送する。MCU装置21は、端末31とのリスニングセッションに基づいて、ログイン要求を端末31に転送する。
次に、端末38,39がログインする場合、端末38,39は、同一ドメインで同一拠点のMCU装置25を選択してログイン要求を送信する。MCU装置25は、拠点Cの中で最上位のドメインのMCU装置であるので、拠点間通信を行う。拠点間通信でMCU装置25から接続できるMCU装置はMCU装置21であるので、MCU装置21に接続して、ログイン要求を中継する。以上の動作によって、会議サーバの位置を中間のドメインに変更しても、MCU網が構築されることが示される。
次に、図9を参照して、拠点CにMCU装置がない場合について説明する。端末31,32,33,34,35,39との間で通信するときのMCU利用予定リストとして、端末31がMCU装置21,22,26を選択したものとする。端末31〜34の動作は、図8に例示して説明した処理と同一である。
端末35は、上位のMCU装置22を選択してログイン要求を送信し、MCU装置22は、MCU装置21に拠点間接続をしてログイン要求を転送する。端末39は、拠点CにMCU装置が存在していないことから、拠点間通信を行い、リスニングされている方向で直近に位置するMCU装置22を選択してログイン要求を送信する。以上の処理によって、全拠点にMCU装置を設置しなくても、会議が可能となることが示される。