JP4472156B2 - ガス成分測定装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス成分測定装置及び方法に係わり、特にガスに光を照射した際の光吸収に基づいてガスの成分を測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば排ガスに含まれる微量ガス成分を測定する方法として、近赤外線レーザ(検査光)を排ガスに直接照射して得られる透過光の吸収スペクトルを分析することにより、リアルタイムで排ガス内に含まれる微量ガス成分を測定する技術が実用化されている。
【0003】
しかしながら、このような近赤外線レーザを用いる測定方法では、測定対象である近赤外線レーザの光路長(つまり排ガスの流路の幅)が比較的長い場合、近赤外線レーザが排ガスによって完全に吸収されてしまうために透過光を取得することができず、よって測定不能となる。このような問題に対して、近赤外域よりも高出力化が可能な紫外域のレーザを用いることが考えられるが、酸化硫黄(SO2)が含まれている石炭焚きあるいは重油焚き等の排ガスの場合、紫外域において広範な吸収域を有する酸化硫黄(SO2)が含まれているために、当該酸化硫黄と吸収域がオーバーラップする成分、例えば一酸化窒素(NO)やアンモニア(NH3)等の成分を十分な精度で測定することができないという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)光の吸収域がオーバーラップする成分を含むガスの当該成分を分離測定する。
(2)紫外域のレーザ光を用いて光の吸収域がオーバーラップする成分を含むガスの当該成分を分離測定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、ガス成分測定装置に係わる第1の手段として、測定対象ガスにレーザ光による測定光を照射した際の光吸収に基づいて測定対象ガスの成分を測定する装置において、光吸収域が測定対象成分と重なる外乱成分のみに吸収される第1測定光及び測定対象成分と外乱成分とのいずれにも吸収されない第2測定光を測定対象ガスに照射すると共に、測定対象成分及び外乱成分に対して吸収量が異なる第3測定光及び第4測定光を測定対象ガスに照射するレーザ光源装置と、前記第1測定光〜第4測定光の測定対象ガスからの第1透過光〜第4透過光の各光強度をそれぞれ検出する透過光検出手段と、前記第1測定光〜第4測定光の光路長とその光吸収係数とをそれぞれ記憶する記憶手段と、前記第1透過光と第2透過光との各光強度及び第1測定光と第2測定光との光路長と光吸収係数並びに第1測定光の光透過率と外乱成分濃度との関係を示す第1のランベルト・ベールの理論式及び第2測定光の光透過率と外乱成分濃度との関係を示す第2のランベルト・ベールの理論式に基づいて外乱成分濃度を算出し、さらに当該外乱成分濃度、前記第3透過光と第4透過光との各光強度及び第3測定光と第4測定光との光路長と光吸収係数並びに第3測定光の光透過率と測定対象成分濃度と外乱成分濃度との関係を示す第3のランベルト・ベールの理論式及び第4測定光の光透過率と測定対象成分濃度と外乱成分濃度との関係を示す第4のランベルト・ベールの理論式に基づいて測定対象成分濃度を算出する成分濃度演算手段とを具備する手段を採用する。
【0006】
また、ガス成分測定装置に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、レーザ光源装置は、YAGレーザ発振器と該YAGレーザ発振器を励起光源として所定波長範囲内のレーザ光を出射する波長可変レーザ発振器とに基づいて第1測定光〜第4測定光を発光するという手段を採用する。
【0007】
ガス成分測定装置に係わる第3の手段として、上記第1または第2の手段において、測定対象ガスの圧力を検出する圧力計と測定対象ガスの温度を検出する温度計とを備えると共に、記憶手段は測定対象ガスの各圧力及び温度に応じた第1測定光〜第4測定光の各光吸収係数をデータベースとして記憶し、また成分濃度演算手段は、圧力計及び温度計の各検出値に対応する各光吸収係数を記憶手段から取得して外乱成分濃度と測定対象成分濃度とを算出するという手段を採用する。
【0008】
ガス成分測定装置に係わる第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、透過光検出手段は、第1透過光〜第4透過光に応じて光増幅度を可変するフォトマルチプライヤであるという手段を採用する。
【0009】
ガス成分測定装置に係わる第5の手段として、上記第1〜第4いずれかの手段において、透過光検出手段の前段に第1透過光〜第4透過光に応じて光減衰量を可変する光アッテネータを設けるという手段を採用する。
【0010】
ガス成分測定装置に係わる第6の手段として、上記第1〜第5いずれかの手段において、第1測定光〜第4測定光は、紫外域の波長を有するレーザ光であるという手段を採用する。
【0011】
ガス成分測定装置に係わる第7の手段として、上記第1〜第6いずれかの手段において、測定対象ガスは排ガスであり、外乱成分が酸化硫黄(SO2)かつ測定対象成分が一酸化窒素(NO)及び/またはアンモニア(NH3)であるという手段を採用する。
【0012】
一方、本発明では、ガス成分測定方法に係わる第1の手段として、測定対象ガスにレーザ光による測定光を照射した際の光吸収に基づいて測定対象ガスの成分を測定する方法において、光吸収域が測定対象成分と重なる外乱成分のみに吸収される第1測定光及び測定対象成分と外乱成分とのいずれにも吸収されない第2測定光の測定対象ガスに対する光透過率をそれぞれ検出する工程Aと、該工程Aによって検出された第1測定光と第2測定光との各光透過率及び第1測定光と第2測定光との光路長と光吸収係数並びに第1測定光の光透過率と外乱成分濃度との関係を示す第1のランベルト・ベールの理論式及び第2測定光の光透過率と外乱成分濃度との関係を示す第2のランベルト・ベールの理論式に基づいて外乱成分濃度を推定する工程Bと、測定対象成分及び外乱成分に対して吸収量が異なる第3測定光及び第4測定光の測定対象ガスに対する光透過率をそれぞれ検出する工程Cと、前記工程Bにおいて推定された外乱成分濃度、前記工程Cにおいて検出された第3測定光と第4測定光との各光透過率及び第3測定光と第4測定光との光路長と光吸収係数並びに第3測定光の光透過率と測定対象成分濃度と外乱成分濃度との関係を示す第3のランベルト・ベールの理論式及び第4測定光の光透過率と測定対象成分濃度と外乱成分濃度との関係を示す第4のランベルト・ベールの理論式に基づいて測定対象成分濃度を推定する工程Dとを有する手段を採用する。
【0013】
また、ガス成分測定方法に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、第1測定光〜第4測定光は、紫外域の波長を有するレーザ光であるという手段を採用する。
【0014】
ガス成分測定方法に係わる第3の手段として、上記第1または第2の手段において、測定対象ガスが排ガスであり、外乱成分が酸化硫黄(SO2)かつ測定対象成分が一酸化窒素(NO)及び/またはアンモニア(NH3)であるという手段を採用する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わるガス成分測定装置及び方法の一実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係わるガス成分測定装置のブロック図である。この図において、参照符号Xは測定対象ガス、1はレーザ光源装置、2は波長計、3は波長表示装置、4A〜4Cは光アッテネータ(ATT)、5は透過光検出手段、6A〜6DはA/Dコンバータ(A/D)、7は制御演算部(濃度演算手段)、8は演算データ記憶部(記憶手段)、9は操作装置、10は出力装置、11は圧力計、また12は温度計である。
【0017】
測定対象ガスXは、ボイラ等の排ガスであり、測定対象成分として一酸化窒素(NO)及びアンモニア(NH3)を含む。この排ガスは、このような測定対象成分に対して光吸収域が重なる外乱成分として酸化硫黄(SO2)を含むものである。一酸化窒素(NO)及びアンモニア(NH3)は、紫外域における光(レーザ光)の吸収スペクトルがほぼ230nm迄の紫外域の波長領域に分布し、酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルは、これら一酸化窒素(NO)及びアンモニア(NH3)の各吸収スペクトルと重なると共に多少広い波長領域、例えば波長の長い側で見ると約320nm迄分布している。
【0018】
図2は212nm〜218nmの紫外域におけるアンモニア(NH3)と酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルの波長特性を示し、また図3は214nm〜216nmにおける一酸化窒素(NO)と酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルの波長特性を示す特性図である。これらの図に示すように、一酸化窒素(NO)と酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルの波長は互いに重なると共に、アンモニア(NH3)と酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルの波長も互いに重なっている。また、一酸化窒素(NO)、アンモニア(NH3)及び酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルのレベル変動すなわち光吸収率の変動は、これら各成分特有のものとなっており、各成分個々で相違している。
【0019】
レーザ光源装置1は、紫外域における光吸収域が外乱成分である酸化硫黄(SO2)のみに吸収される波長の第1測定光aと、測定対象成分及び外乱成分つまり一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)と酸化硫黄(SO2)のいずれにも吸収されない波長の第2測定光bとを発光して測定対象ガスXに照射するものである。詳細については後述するが、この第1測定光a及び第2測定光bは、上記排ガス中の酸化硫黄(SO2)単体の濃度(酸化硫黄濃度)の測定に供されるものであり、以下では第1測定光aを酸化硫黄用ON測定光a、また第2測定光bを酸化硫黄用OFF測定光bと記載する。
【0020】
また、本レーザ光源装置1は、一酸化窒素(NO)あるいはアンモニア(NH3)のいずれか及び酸化硫黄(SO2)、つまり測定対象成分及び外乱成分に対して比較的強く吸収される波長の第3測定光c1,c2と、該第3測定光に比較して一酸化窒素(NO)あるいはアンモニア(NH3)のいずれか及び酸化硫黄(SO2)、つまり測定対象成分及び外乱成分に対する吸収が弱い波長の第4測定光d1,d2をも発光して測定対象ガスXに照射するものである。
【0021】
ここで、この第3測定光c1,c2と第4測定光d1,d2とは、少なくとも測定対象成分及び外乱成分に対して吸収量が異なる波長であれば十分であるが、本実施形態では、測定精度を確保するために比較的強く吸収される波長と吸収が弱い波長とに設定している。
【0022】
このような第3測定光c1,c2及び第4測定光d1,d2のうち、第3測定光c1及び第4測定光d1は、一酸化窒素(NO)の濃度(一酸化窒素濃度)あるいはアンモニア(NH3)単体の濃度(アンモニア濃度)の測定に供されるものであり、以下では一酸化窒素用ON測定光c1及び一酸化窒素用OFF測定光d1と記載する。一方、第3測定光c2及び第4測定光d2はアンモニア(NH3)単体の濃度(アンモニア濃度)の測定に供されるものであり、以下ではアンモニア用ON測定光c2及びアンモニア用OFF測定光d2と記載する。
【0023】
ここで、本実施形態は、上述した一酸化窒素(NO)及びアンモニア(NH3)に加えて、酸素(O2)をも測定対象成分とするものである。酸素(O2)の光吸収域は紫外域よりも長い波長域に分布しており、酸化硫黄(SO2)光吸収域とは異なっている。レーザ光源装置1は、排ガス中の酸素(O2)の濃度をも測定可能とするために、酸素(O2)に強く吸収される波長の酸素用ON測定光e及び酸素(O2)に対する吸収が弱い波長の酸素用OFF測定光fを発光して測定対象ガスXに照射するように構成されている。
【0024】
以下の説明では、上記酸化硫黄用ON測定光a、酸化硫黄用OFF測定光b、一酸化窒素用ON測定光c1、一酸化窒素用OFF測定光d1、アンモニア用ON測定光c2、アンモニア用OFF測定光d2、酸素用ON測定光e及び酸素用OFF測定光fを総称する場合には、単に測定光と記載する。
【0025】
図4は、このようなレーザ光源装置1の詳細な機能構成を示すブロック図である。この図に示すように、本レーザ光源装置1は、YAGレーザ発振器1a、波長可変レーザ発振器1b(OPO:Optical Parameter Oscillator)、高調波発生器1c,1d及び2波長合成器1eから構成されている。YAGレーザ発振器1aは、制御演算部7によって発振動作が制御されるものであり、発振したレーザ光のうち、基本波ω(波長=1064nm)を2波長合成器1eに出力し、2倍波2ω(波長=532nm)を高調波発生器1cに出力し、3倍波3ω(波長=355nm)を波長可変レーザ発振器1bに出力する。
【0026】
波長可変レーザ発振器1bは、上記YAGレーザ発振器1aと同様に制御演算部7によって発振動作が制御されるようになっており、上記3倍波3ωを励起光として所定波長範囲内の所定波長のレーザ光を発振するものである。例えば、この波長可変レーザ発振器1bは、波長440nm〜690nm範囲内の所定波長のシグナル光を発振して高調波発生器1dに出力し、波長735nm〜1800nm範囲内の所定波長のアイドラ光を発振し上記酸素用ON測定光e及び酸素用OFF測定光fとして測定対象ガスXに照射し、また波長355nmの励起光を上記酸化硫黄用OFF測定光bとして測定対象ガスXに照射する。なお、シグナル光及びアイドラ光の各波長は、制御演算部7によって時分割的に設定されるようになっており、詳細については後述する。
【0027】
高調波発生器1cは、YAGレーザ発振器1aから入力された波長532nmの2倍波2ωの高調波(2倍波)つまり4倍波4ω(波長=266nm)を生成し上記酸化硫黄用ON測定光aとして測定対象ガスXに照射するものである。高調波発生器1dは、上記シグナル光の高調波(2倍波)、つまり波長220nm〜345nm範囲内の所定波長のレーザ光を生成し、上記一酸化窒素用ON測定光c1及び一酸化窒素用OFF測定光d1として測定対象ガスXに照射すると共に2波長合成器1eに出力するものである。
【0028】
なお、このシグナル光の2倍波は、上記波長計2にも出力されるようになっている。2波長合成器1eは、YAGレーザ発振器1aから入力された基本波ωと高調波発生器1dから入力されたシグナル光の2倍波とを合成することにより波長200nm〜220nm範囲内の所定波長のレーザー光を生成し、上記アンモニア用ON測定光c2及びアンモニア用OFF測定光d2として測定対象ガスXに照射するものである。
【0029】
例えば、一酸化窒素用ON測定光c1の波長は上記波長220nm〜345nm内の226.9nmに設定され、一酸化窒素用OFF測定光d1の波長は波長200nm〜220nm内の227.2nmに設定され、アンモニア用ON測定光c2の波長は上記200nm〜220nm内の216.9nmに設定され、アンモニア用OFF測定光d2の波長は200nm〜220nm内の216.8nmに設定される。また、酸素用ON測定光eの波長は760nmに設定され、酸素用OFF測定光fの波長は759nmに設定される。
【0030】
一方、図1に示す波長計2は、高調波発生器1dから入力されたシグナル光の2倍波の波長をレーザ光源装置1から出射される測定光の各波長の代表値として計測し、その計測結果を波長表示装置3に出力するものである。波長表示装置3は、上記計測結果に基づいて当該シグナル光の2倍波の波長を数値表示するものである。
【0031】
光アッテネータ4A〜4Cは、所定範囲内の光減衰量を可変設定可能なものであり、該光減衰量は上記制御演算部7によって設定されるようになっている。このうち、光アッテネータ4Aは、一酸化窒素用ON測定光c1の一酸化窒素用ON透過光Pc1、一酸化窒素用OFF測定光d1の一酸化窒素用OFF透過光Pd1、アンモニア用ON測定光c2のアンモニア用ON透過光Pc2及びアンモニア用OFF測定光d2のアンモニア用OFF透過光Pd2の光路上に共通状態に介挿されている。また、光アッテネータ4Bは酸化硫黄用OFF測定光bの酸化硫黄用OFF透過光Pbの光路上に介挿され、光アッテネータ4Cは酸化硫黄用ON測定光aの酸化硫黄用ON透過光Paの光路上に介挿されている。
【0032】
このような光アッテネータ4A〜4Cは、外乱成分である酸化硫黄(SO2)の濃度変化に起因する上記各透過光Pa,Pb,Pc1,Pc2,Pd1,Pd2の強度変化、つまり酸化硫黄用ON測定光a、酸化硫黄用OFF測定光b、一酸化窒素用ON測定光c2、一酸化窒素用OFF測定光d1、アンモニア用ON測定光c2及びアンモニア用OFF測定光d2に対する測定対象ガスXの光透過率の変化に対して後段の透過光検出手段5における光強度の検出精度を確保するためのものである。すなわち、測定対象ガスXが酸化硫黄(SO2)を含む石炭焚きあるいは重油焚き等の排ガスの場合、酸化硫黄(SO2)の濃度は状況に応じて大幅に変化する。光アッテネータ4A〜4Cは、このような点を考慮し、透過光検出手段5を光強度検出特性の直線性の良い領域で動作させ、よって光強度の検出精度を所定精度以上に確保するための設けられている。
【0033】
なお、酸素用測定光eの酸素用透過光Peの光路上には光アッテネータが介挿されていないが、これは酸素(O2)の吸収スペクトルが酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルと重なり合っていないので、酸化硫黄濃度の変化に起因して酸素用測定光eの光透過率が変化することなく比較的安定しているためである。
【0034】
透過光検出手段5は、各透過光Pa,Pb,Pc1,Pc2,Pd1,Pd2,Peの光強度をそれぞれ検出するものであり、図示するように4つのフォトマルチプライヤ5A〜5Dから構成されている。このうち、フォトマルチプライヤ5Aは光アッテネータ4Aを介して透過光Pc1,Pc2,Pd1,Pd2の光強度を検出し、フォトマルチプライヤ5Bは光アッテネータ4Bを介して酸化硫黄用OFF透過光Pbの光強度を検出し、フォトマルチプライヤ5Cは光アッテネータ4Cを介して酸化硫黄用ON透過光Paの光強度を検出し、さらフォトマルチプライヤ5Dは酸素用透過光Peの光強度を直接検出する。
【0035】
周知のようにフォトマルチプライヤは、光増幅機能を有している。上記各フォトマルチプライヤ5A〜5Dは、上記制御演算部7によって個々の光増幅度が設定されるようになっており、個々の光増幅度は各フォトマルチプライヤ5A〜5Dの光検出精度を一定範囲内に維持すると共に、後段のA/Dコンバータ6A〜6Dがオーバーフローを生じないことをも考慮して設定される。すなわち、本実施形態では、当該フォトマルチプライヤ5A〜5Dの光増幅度の設定と上記光アッテネータ4A〜4Cの光減衰量の設定との共同によってフォトマルチプライヤ5A〜5Dの光検出精度が確保されると共に、A/Dコンバータ6A〜6Dの入力信号のダイナミックレンジが当該A/Dコンバータ6A〜6Dがオーバーフローを生じないように設定されている。
【0036】
A/Dコンバータ6A〜6Dは、上記フォトマルチプライヤ5A〜5Dの各検出信号(アナログ信号)をデジタル信号(デジタル検出信号)に変換して制御演算部7に出力するものである。このうち、A/Dコンバータ6Aはフォトマルチプライヤ5Aの検出信号をデジタル検出信号に変換し、A/Dコンバータ6Bはフォトマルチプライヤ5Bの検出信号をデジタル検出信号に変換し、A/Dコンバータ6Cはフォトマルチプライヤ5Cの検出信号をデジタル検出信号に変換し、A/Dコンバータ6Dはフォトマルチプライヤ5Dの検出信号をデジタル検出信号に変換する。
【0037】
演算データ記憶部8は、演算制御部7による上記測定対象成分の濃度の算出に必要な各種演算データを記憶するものであり、演算制御部7の要求に応じて所定の演算データを読み出して演算制御部7に出力する。この演算データ記憶部8は、演算データの1つとして、上述したようにレーザ光源装置1において変更設定可能な一酸化窒素用ON測定光c1の波長λc1 NO、一酸化窒素用OFF測定光d1の波長λd1 NO、アンモニア用ON測定光c2の波長λc2 NH3、アンモニア用OFF測定光d2の波長λd2 NH3、酸素用ON測定光eの波長λe O2及び酸素用OFF測定光fの波長λf O2を波長データベースとして記憶する。
【0038】
また、演算データ記憶部8は、各測定光の各光吸収係数、すなわち酸化硫黄用ON測定光aの光吸収係数αa SO2、酸化硫黄用OFF測定光bの光吸収係数αb SO2、一酸化窒素用ON測定光c1の光吸収係数αc1 NO、一酸化窒素用OFF測定光d1の光吸収係数αd1 NO、アンモニア用ON測定光c2の光吸収係数αc2 NH3、アンモニア用OFF測定光d2の光吸収係数αd2 NH3、酸素用ON測定光eの光吸収係数αe O2及び酸素用OFF測定光fの光吸収係数αf O2を、測定対象ガスXの圧力及び温度からなる2次元パラメータに対応する光吸収係数データベースとして記憶する。
【0039】
光吸収係数は、測定対象ガスXの圧力と温度とをパラメータとして一義的に決まるものである。すなわち、光吸収係数は、測定対象ガスXの圧力毎及び温度毎に異なる値となる。演算データ記憶部8は、上述した各測定光に関して測定対象ガスXの圧力と温度とから成る複数の2次元パラメータに対して予め実験的に求められた複数の光吸収係数を記憶する。この2次元パラメータの範囲つまり圧力と温度との各範囲は、当然に測定対象ガスXである排ガスの圧力変動範囲及び温度変動範囲をカバーするものである。
【0040】
また、この演算データ記憶部8は、先行測定された各測定光の光強度すなわち酸化硫黄用ON測定光aの光強度Ia in、酸化硫黄用OFF測定光bの光強度Ib in、一酸化窒素用ON測定光c1の光強度Ic1 in、一酸化窒素用OFF測定光d1の光強度Id1 in、アンモニア用ON測定光c2の光強度Ic2 in、アンモニア用OFF測定光d2の光強度Id2 in、酸素用ON測定光eの光強度Ie in及び酸素用OFF測定光fの光強度If inを測定光強度データとして記憶する。これら各光強度は、例えばレーザ光源装置1の出射口で計測された光量である。
【0041】
また、演算データ記憶部8は、各測定光の測定対象ガスXにおける光路長をも、演算データの1つとして記憶する。本実施形態は、測定対象ガスXに照射した各測定光の透過光を透過光検出手段5で受光することにより各測定対象成分の濃度を測定するものであり、各測定光の測定対象ガスXに対する照射口と透過光検出手段5とが測定対象ガスXの煙道を挟んで対向配置される。上記光路長は、例えばこのような排ガスが通過する煙道において測定光が排ガスを通過する距離であり、上記照射口と透過光検出手段5を煙道に設置した時点で一義的に決定されるものである。本実施形態では各測定光の光路長は全て等しいものとし、以下では光路長Lgと記載する。
【0042】
さらに、演算データ記憶部8は、レーザ光源装置1の上記出射口と透過光検出手段5との間に配置された各種光学部品(上記光アッテネータ4A〜4Cを除く)による酸化硫黄用ON測定光aの光吸収係数C1及び酸化硫黄用OFF測定光bの光吸収係数C2をも演算データの1つとして記憶する。上記光学部品は、例えばレーザ光源装置1における出射口から測定対象ガスXに対する照射口まで各測定光を案内する光導波路等である。
【0043】
操作装置9は、制御演算部7に対して人為的な操作指示を入力するためのものであり、例えばキーボードやポインティングデバイスである。出力装置10は、表示装置、印刷装置及びデータ記憶装置等から成るものであり、制御演算部7から出力される測定データを表示、印刷及び記憶保持するものである。圧力計11は、測定対象ガスXの圧力を計測するものであり、測定対象ガスXである排ガスの煙道に設けられる。温度計12は、測定対象ガスXの温度を計測するものであり、上記圧力計11と同じく排ガスの煙道に設けられる。この圧力計11と温度計12とは、上記光吸収係数データベースを検索するための2次元パラメータを制御演算部7に提供するためのものである。
【0044】
制御演算部7は、上記操作装置9から入力される操作指示に基づいてレーザ光源装置1、光アッテネータ4A〜4C及び透過光検出手段5の動作を制御すると共に、当該制御の結果として各A/Dコンバータ6A〜6Dから入力されるデジタル検出信号、圧力計11から入力される測定対象ガスXの圧力、温度計12から入力される測定対象ガスXの温度及び演算データ記憶部8に記憶された波長データベースと光吸収係数データベースと光路長Lg等の演算データに基づいて一酸化窒濃度NNOとアンモニア濃度NNH3及び酸素濃度NO2を算出し、上記出力装置10に出力するものである。
【0045】
次に、本ガス成分測定装置を用いた測定対象成分濃度の測定方法について、図5のフローチャートに沿って詳しく説明する。
【0046】
〔ステップ:S1〕
まず始めに、測定に先立って測定対象成分の選定が行われる。例えば、測定作業者が操作装置9を操作することにより、出力装置10に画像表示された測定対象成分一覧の中から特定の測定対象成分を指示操作すると、この指示操作情報は制御演算部7に入力され、よって測定対象成分が制御演算部7に入力される。
【0047】
〔ステップ:S2〕
いま、一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)と酸素(O2)の濃度測定が選定指示されたとすると、制御演算部7は、この選定指示に基づいてレーザ光源装置1(正確には波長可変レーザ発振器1b)の発振波長の設定を行う。
【0048】
すなわち、演算データ記憶部8の波長データベースから一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)と酸素(O2)の測定光に該当する波長データ、つまり一酸化窒素用ON測定光c1の波長λc1 NO、一酸化窒素用OFF測定光d1の波長λd1 NO、アンモニア用ON測定光c2の波長λc2 NH3、アンモニア用OFF測定光d2の波長λd2 NH3、酸素用ON測定光eの波長λe O2及び酸素用OFF測定光fの波長λf O2を読み出し、このうち波長λc1 NO、波長λc2 NH3及び波長λe O2を発振するように波長可変レーザ発振器1bを制御する。
【0049】
一酸化窒素測定用の波長λc1 NOと波長λd1 NOは、制御演算部7によって時分割的に設定されるようになっている。また、アンモニア測定用の波長λc2 NH3と波長λd2 NH3及び酸素測定用の波長λe O2と波長λf O2についても同様に、制御演算部7によって時分割的に設定されるようになっている。これら時分割設定される各測定光の波長のうち、当該ステップS2においては、一酸化窒素用ON測定光c1の波長λc1 NOとアンモニア用ON測定光c2の波長λc2 NH3と酸素用ON測定光eの波長λe O2が初期設定される。
【0050】
ここで、酸化硫黄用ON測定光aの波長λa SO2及び酸化硫黄用OFF測定光bの波長λb SO2については、上述したレーザ光源装置1の構成から容易に理解できるように固定的なYAGレーザ発振器1aの発振波長に基づくので、波長λa SO2は2665nmに、また波長λb SO2は355nmに予め固定値として設定されている。
【0051】
〔ステップ:S3〕
このようにしてレーザ光源装置1の波長設定が完了すると、制御演算部7は、各光アッテネータ4A〜4Cの光減衰量を初期設定する。上述したように、この光アッテネータ4A〜4Cは、酸化硫黄濃度の変動に起因して酸素用ON透過光Pe及び酸素用OFF透過光Pfを除く他の透過光の光強度が大幅に変化することに対応して設けられたものである。ここで設定される光減衰量の初期値は、例えば最も標準的な酸化硫黄濃度に対応した光減衰量である。
【0052】
また、制御演算部7は、このステップS3において各フォトマルチプライヤ5A〜5Dの光増幅度をも初期設定する。この各光増幅度の初期値についても、例えば上記光減衰量の初期値と同様に、最も標準的な酸化硫黄濃度に対応した光増幅度である。
上記ステップS1〜S3の処理によって測定の前準備が完了したことになる。
【0053】
〔ステップ:S4〕
ここでは、ステップS2において波長設定された各測定光がレーザ光源装置1から測定対象ガスXに向けて一斉に照射され、各測定光の透過光の光強度が各フォトマルチプライヤ5A〜5Dによってそれぞれ検出され、各々検出信号として各A/Dコンバータ6A〜6Dに入力される。そして、各検出信号は、A/Dコンバータ6A〜6Dによってデジタル検出信号に変換されて制御演算部7に出力される。
【0054】
すなわち、このステップS4では、透過光Pa,Pb,Pc1,Pc2,Peの各光強度が光強度データとして制御演算部7に取得される。この光強度データは、各透過光Pa,Pb,Pc1,Pc2,Pe毎の光アッテネータ4A〜4Cによる光減衰量の相違及びフォトマルチプライヤ5A〜5Dによる光増幅度の相違を是正するために、制御演算部7によって当該光減衰量及び光増幅度に基づく係数がそれぞれ乗算されて正規の光強度Ia out,Ib out,Ic1 out,Ic2 out,Ie outにそれぞれ修正される。そして、この光強度Ia out,Ib out,Ic1 out,Ic2 out,Ie outは、透過光データとして制御演算部7内のメモリに一時記憶させる。
【0055】
〔ステップ:S5〕
続いて、制御演算部7は、ステップS2において波長設定された各測定光の波長λc1 NO、波長λc2 NH3及び波長λe O2を波長λd1 NO、波長λd2 NH3及び波長λf O2に変更するようにレーザ光源装置1(波長可変レーザ発振器1b)を制御する。この波長変更によって、レーザ光源装置1は、一酸化窒素測定用の波長λd1 NOとアンモニア測定用の波長λd2 NH3と酸素測定用の波長λf O2と共に、酸化硫黄測定用の波長λa SO2と波長λb SO2を発振する状態に設定される。
【0056】
〔ステップ:S6〕
そして、このように波長設定された各測定光a,b,d1,d2,fは、上記ステップS4と同様にしてレーザ光源装置1から測定対象ガスXに向けて一斉に照射され、その透過光Pa,Pb,Pd1,Pd2,Pfの各光強度がフォトマルチプライヤ5A〜5Dによってそれぞれ検出される。そして、当該各光強度は、上記ステップS4と同様にして光強度データとして制御演算部7に取得され、各光アッテネータ4A〜4Cによる光減衰量の相違及び各フォトマルチプライヤ5A〜5Dによる光増幅度の相違を是正する係数が乗算されて正規の光強度Ia out,Ib out,Id1 out,Id2 out,If outに修正される。この光強度Ia out,Ib out,Id1 out,Id2 out,If outは、透過光データとして制御演算部7内のメモリに一時記憶される。
【0057】
また、制御演算部7は、当該透過光データの取得処理と並行して圧力計11から取得された測定対象ガスXの圧力データ及び温度計12から取得された測定対象ガスXの温度データをも、自らのメモリに記憶させる。以上の処理によって、測定対象成分である一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)と酸素(O2)の濃度の算出に必要となる透過光データの全て並びに圧力データ及び温度データが制御演算部7に取得されたことになる。これ以降、制御演算部7は、自らのメモリに記憶した透過光データ及び圧力データと温度データ並びに演算データ記憶部8に予め記憶された演算データを用いて各測定対象成分の濃度を算出する。
【0058】
〔ステップ:S7〕
このステップS7では制御演算部7によって、以下に詳説するように酸化硫黄用ON透過光Pa(第1透過光)と酸化硫黄用OFF透過光Pb(第2透過光)との各光強度Ia out,Ib out及び酸化硫黄用ON測定光a(第1測定光)と酸化硫黄用OFF測定光b(第2測定光)との光路長Lgと光吸収係数αb SO2並びに酸化硫黄用ON測定光a(第1測定光)の光透過率Taと酸化硫黄濃度NSO2(外乱成分濃度)との関係を示すランベルト・ベールの理論式(2)(第1のランベルト・ベールの理論式)及び酸化硫黄用OFF測定光b(第2測定光)の光透過率Tbと酸化硫黄濃度NSO2(外乱成分濃度)との関係を示すランベルト・ベールの理論式(3)(第2のランベルト・ベールの理論式)に基づいて、酸化硫黄濃度NSO2(外乱成分濃度)が算出される。
【0059】
すなわち、制御演算部7は、当該ステップS7において、測定対象成分である一酸化窒素(NO)及びアンモニア(NH3)に対して光吸収域が重なる外乱成分としての酸化硫黄(SO2)について、ランベルト・ベールの理論式(1),(2)を用いてその酸化硫黄濃度NSO2を先行演算する。
【0060】
周知のランベルト・ベールの法則によれば、ある光吸収媒体を透過して得られる透過光の光強度Ioutは、入射光(測定光)の光強度をIin、光吸収係数をα、光吸収媒体の濃度をN、入射光の光吸収媒体における光路長をLとすると、以下の理論式(1)によって表される。
【0061】
【数1】
【0062】
ここで、光吸収係数αは、光吸収媒体の圧力及び温度の関数であり、実験的に確認することができる量である。また、光路長Lも計測可能である。したがって、入射光の光透過率をT(=Iout/Iin)とすると、光強度Iin,Ioutを測定することによって光透過率Tが求められるので、濃度Nを演算推定することができる。
【0063】
制御演算部7は、この上記ランベルト・ベールの法則に基づいて以下のように酸化硫黄濃度NSO2を算出する。すなわち、上記理論式(1)を酸化硫黄用ON測定光a及び酸化硫黄用OFF測定光bに適用すると、当該酸化硫黄用ON測定光aと酸化硫黄用OFF測定光bの各光透過率Ta,Tbについて以下の理論式(2),(3)が得られる。
【0064】
【数2】
【0065】
【数3】
【0066】
ここで、C1は、上述したように酸化硫黄用ON測定光aに関する光学部品の光吸収係数、C2は酸化硫黄用OFF測定光bに関する光学部品の光吸収係数であり、予め計測されて演算データ記憶部8に記憶されているものである。また、C3は、測定対象ガスX中に含まれる粉塵の光吸収係数であり、変動する未知の量である。
【0067】
また、理論式(3)に対応する酸化硫黄用OFF測定光bの波長λb SO2は、上述したように酸化硫黄(SO2)に全く吸収されない波長つまり355nmに設定されている。したがって、理論式(3)におけるαb SO2は、測定対象ガスXの圧力及び温度に関わりなく「0」であり、下式(4)が成立する。
【0068】
【数4】
【0069】
この式(4)を理論式(3)に代入すると、当該理論式(3)は式(5)のように表される。
【0070】
【数5】
【0071】
すなわち、酸化硫黄用OFF測定光bの光透過率Tbは、酸化硫黄用OFF測定光bに関する光学部品の光吸収係数C2と粉塵の光吸収係数C3の積として与えられる。この式(5)と上記式(2)との比を取ると、測定対象ガスX中の粉塵に関する光吸収係数C3が消去されて、式(6)が得られる。
【0072】
【数6】
【0073】
さらに、この式(6)を変形すると、酸化硫黄用ON測定光aに関する酸化硫黄(SO2)の光吸収量Aa SO2について式(7)が得られる。
【0074】
【数7】
【0075】
制御演算部7は、この式(7)に基づいて上記酸化硫黄(SO2)の光吸収量Aa SO2を算出する。すなわち、自らのメモリに記憶した酸化硫黄用ON測定光aの透過光Paに関する光強度Ia out及び酸化硫黄用OFF測定光bの透過光Pbに関する光強度Ib out並びに演算データ記憶部8に記憶された酸化硫黄用ON測定光aの光強度Ia in及び酸化硫黄用OFF測定光bの光強度Ib inから光透過率Ta,Tbを算出し、該光透過率Ta,Tbと光学部品の光吸収係数C1,C2とから光吸収量Aa SO2を算出する。
【0076】
また、制御演算部7は、自らのメモリに記憶した測定対象ガスXの圧力データと温度データとから成る2次元パラメータを用いて演算データ記憶部8内の光吸収係数データベースを検索することにより、測定対象ガスXの実際の圧力及び温度に対応した酸化硫黄用ON測定光aの光吸収係数αa SO2を取得する。また、これと共に光路長Lgを演算データ記憶部8から取得する。そして、先行計算した上記光吸収量Aa SO2を光吸収係数αon SO2及び光路長Lgで除算することにより、酸化硫黄濃度NSO2を算出する。
【0077】
〔ステップ:S8〕
このステップS8において、制御演算部は7は、上記ステップS7の演算結果である酸化硫黄濃度NSO2、一酸化窒素用ON透過光Pc1(第3透過光)と一酸化窒素用OFF透過光Pd1(第4透過光)との各光強度Ic1 out,Id1 out及び一酸化窒素用ON測定光c1(第3測定光)と一酸化窒素用OFF測定光d1(第4測定光)とに関する光路長Lgと光吸収係数αc1 NO,αd1 NO,αc1 SO2,αd1 SO2並びに一酸化窒素用ON測定光c1(第3測定光)の光透過率Tc1と一酸化窒濃度NNO(測定対象成分濃度)と酸化硫黄濃度NSO2(外乱成分濃度)との関係を示すランベルト・ベールの理論式(8)(第3のランベルト・ベールの理論式)及び一酸化窒素用OFF測定光d1(第4測定光)の光透過率Td1と一酸化窒濃度NNO(測定対象成分濃度)と酸化硫黄濃度NSO2(外乱成分濃度)との関係を示すランベルト・ベールの理論式(9)(第4のランベルト・ベールの理論式)に基づいて、測定対象成分の1つである一酸化窒素(NO)の一酸化窒濃度NNO(測定対象成分濃度)を算出する。
【0078】
すなわち、上記理論式(1)を一酸化窒素用ON測定光c1及び一酸化窒素用OFF測定光d1に適用すると、当該一酸化窒素用ON測定光c1と一酸化窒素用OFF測定光d1の各光透過率Pc1,Pd1について以下の理論式(8),(9)が得られる。
【0079】
【数8】
【0080】
【数9】
【0081】
この理論式(8)及び理論式(9)の比を取ると、測定対象ガスX中の粉塵の光吸収係数C3が消去されて下式(10)が得られる。
【0082】
【数10】
【0083】
この式(10)を式(11)のように変形して光吸収比Hc1/d1と置き、式(11)をさらに一酸化窒濃度NNOについて解くと、最終的に式(12)が得られる。
【0084】
【数11】
【0085】
【数12】
【0086】
制御演算部7は、自らのメモリに記憶した一酸化窒素用ON測定光c1の透過光Pc1に関する光強度Ic1 out及び一酸化窒素用OFF測定光d1の透過光Pd1に関する光強度Id1 out並びに演算データ記憶部8に記憶された一酸化窒素用ON測定光c1の光強度Ic1 in及び一酸化窒素用OFF測定光d1の光強度Id1 inから光透過率Tc1,Td1を算出し、該光透過率Tc1,Td1と光学部品の光吸収係数C1,C2とを式(11)に代入することにより光吸収比Hc1/d1を算出する。
【0087】
そして、このように算出した光吸収比Hc1/d1、ステップS7で算出した酸化硫黄濃度NSO2、測定対象ガスXの圧力データと温度データとから成る2次元パラメータを用いて光吸収係数データベースを検索して得た測定対象ガスXの実際の圧力及び温度に対応した一酸化窒素用ON測定光c1に関する一酸化窒素(NO)の光吸収係数αc1 NOと酸化硫黄(SO2)の光吸収係数αc1 SO2、一酸化窒素用OFF測定光d1に関する一酸化窒素(NO)の光吸収係数αd1 NOと酸化硫黄(SO2)の光吸収係数αd1 SO2及び光路長Lgを式(12)に代入することにより一酸化窒濃度NNOを算出する。
【0088】
〔ステップ:S9〕
さらに、当該ステップS9において制御演算部は7は、上記ステップS7の演算結果である酸化硫黄濃度NSO2、アンモニア用ON透過光Pc2(第3透過光)とアンモニア用OFF透過光Pd2(第4透過光)との各光強度Ic2 out,Id2 out及びアンモニア用ON測定光c2(第3測定光)とアンモニア用OFF測定光d2(第4測定光)とに関する光路長Lgと光吸収係数αc2 NH3,αd2 NH3,αc2 SO2,αd2 SO2並びにアンモニア用ON測定光c2(第3測定光)の光透過率Tc2とアンモニア濃度NNH3(測定対象成分濃度)と酸化硫黄濃度NSO2(外乱成分濃度)との関係を示すランベルト・ベールの理論式(13)(第3のランベルト・ベールの理論式)及びアンモニア用OFF測定光d2(第4測定光)の光透過率Td2とアンモニア濃度NNH3(測定対象成分濃度)と酸化硫黄濃度NSO2(外乱成分濃度)との関係を示すランベルト・ベールの理論式(14)(第4のランベルト・ベールの理論式)に基づいて、もう1つの測定対象成分であるアンモニア(NH3)のアンモニア濃度NNH3(測定対象成分濃度)を算出する。
【0089】
すなわち、上記理論式(1)をアンモニア用ON測定光c2及びアンモニア用OFF測定光d2に適用すると、当該アンモニア用ON測定光c2とアンモニア用OFF測定光d2の各光透過率Pc2,Pd2について以下の理論式(13),(14)が得られる。
【0090】
【数13】
【0091】
【数14】
【0092】
この理論式(13)及び理論式(14)の比を取ると、測定対象ガスX中の粉塵の光吸収係数C3が消去されて下式(15)が得られる。
【0093】
【数15】
【0094】
この式(15)を式(16)のように変形して光吸収比Hc2/d2と置き、さらに当該式(16)をアンモニア濃度NNH3について解くと、最終的に式(17)が得られる。
【0095】
【数16】
【0096】
【数17】
【0097】
制御演算部7は、自らのメモリに記憶したアンモニア用ON測定光c2の透過光Pc2に関する光強度Ic2 out及びアンモニア用OFF測定光d2の透過光Pd2に関する光強度Id2 out並びに演算データ記憶部8に記憶されたアンモニア用ON測定光c2の光強度Ic2 in及びアンモニア用OFF測定光d2の光強度Id2 inから光透過率Tc2,Td2を算出し、該光透過率Tc2,Td2と光学部品の光吸収係数C1,C2とを式(16)に代入することにより光吸収比Hc2/d2を算出する。
【0098】
そして、このように算出した光吸収比Hc2/d2、ステップS7で取得した酸化硫黄濃度NSO2、測定対象ガスXの圧力データと温度データとから成る2次元パラメータを用いて光吸収係数データベースを検索して得た測定対象ガスXの実際の圧力及び温度に対応したアンモニア用ON測定光c2に関するアンモニア(NH3)の光吸収係数αc2 NH3と酸化硫黄(SO2)の光吸収係数αc2 SO2、アンモニア用OFF測定光d2に関するアンモニア(NH3)の光吸収係数αd2 NH3と酸化硫黄(SO2)の光吸収係数αd2 SO2及び光路長Lgを式(17)に代入することによりアンモニア濃度NNH3を算出する。
【0099】
〔ステップ:S10〕
本実施形態では、制御演算部7はさらに測定対象ガスXの酸素濃度NO2を算出する。
【0100】
すなわち、上記理論式(1)を酸素用ON測定光e及び酸素用OFF測定光fに適用すると、当該酸素用ON測定光eと酸素用OFF測定光fの各光透過率Te,Tfについて以下の理論式(18),(19)が得られる。
【0101】
【数18】
【0102】
【数19】
【0103】
この式(18)と式(19)との比を取ると、測定対象ガスX中の粉塵に関する光吸収係数C3が消去されて、式(20)が得られる。ここで、酸素用OFF測定光fの波長λf O2は、上述したように酸素(O2)に全く吸収されない波長に設定されている。したがって、理論式(20)におけるαf O2は、測定対象ガスXの圧力及び温度に関わりなく「0」である。したがって、酸素用ON測定光eに関する酸素(O2)の光吸収量Ae O2について式(21)が得られる。
【0104】
【数20】
【0105】
【数21】
【0106】
制御演算部7は、この式(21)に基づいて酸素(O2)の光吸収量Ae O2を算出する。すなわち、自らのメモリに記憶した酸素用ON測定光eの透過光Peに関する光強度Ie out及び酸素用OFF測定光fの透過光Pfに関する光強度If out並びに演算データ記憶部8に記憶された酸素用ON測定光eの光強度Ie in及び酸素用OFF測定光fの光強度If inから光透過率Te,Tfを算出し、該光透過率Te,Tfと光学部品の光吸収係数C1,C2とから光吸収量Ae O2を算出する。
【0107】
そして、制御演算部7は、自らのメモリに記憶した測定対象ガスXの圧力データと温度データとから成る2次元パラメータを用いて演算データ記憶部8内の光吸収係数データベースを検索することにより測定対象ガスXの実際の圧力及び温度に対応した酸素用ON測定光eの光吸収係数αe O2を演算データ記憶部8から取得し、また光路長Lgをも演算データ記憶部8から取得する。そして、先行計算した上記光吸収量Ae O2を光吸収係数αe O2及び光路長Lgで除算することにより酸素濃度NO2を算出する。
【0108】
以上のステップS1〜S10の処理によって、本実施形態の測定対象ガスXである排ガスについて、測定対象成分である一酸化窒素(NO)、アンモニア(NH3)及び酸素(O2)の各濃度、すなわち一酸化窒濃度NNO、アンモニア濃度NNH3及び酸素濃度NO2の測定が終了した。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わるガス成分測定装置及び方法によれば、以下のような効果を奏する。
【0110】
(1)請求項1または8記載の発明によれば、光吸収域が測定対象成分と重なる外乱成分のみに吸収される波長の第1測定光及び測定対象成分と外乱成分とのいずれにも吸収されない波長の第2測定光の測定対象ガスに対する光透過率並びに第1測定光と第2測定光とに関する第1のランベルト・ベールの理論式及び第2のランベルト・ベールの理論式に基づいて外乱成分濃度を算出する。また、このように算出した外乱成分濃度並びに測定対象成分と外乱成分とに対して比較的強く吸収される波長の第3測定光及び該第3測定光に比較して測定対象成分と外乱成分とに対する吸収が弱い波長の第4測定光の測定対象ガスに対する光透過率及び第3測定光と第4測定光とに関する第3のランベルト・ベールの理論式と第4のランベルト・ベールの理論式に基づいて測定対象成分濃度を算出する。すなわち、光吸収域がオーバーラップする測定対象成分と外乱成分とを含む測定対象ガスに対して各成分濃度を分離測定することが可能である。
【0111】
(2)請求項2記載の発明によれば、ガス成分測定装置に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、レーザ光源装置は、YAGレーザ発振器と該YAGレーザ発振器を励起光源として所定波長範囲内のレーザ光を出射する波長可変レーザ発振器とに基づいて第1測定光〜第4測定光を発光するので、YAGレーザ発振器を唯一の光源として各測定光を発光することが可能である。すなわち、複数の光源を必要とすることなく、複数の測定光を発光することが可能である。
【0112】
(3)請求項3記載の発明によれば、測定対象ガスの圧力と温度に対応した光吸収係数を用いて外乱成分濃度及び測定対象成分濃度を算出するので、測定対象ガスの圧力と温度に応じて正確な外乱成分濃度及び測定対象成分濃度を算出することが可能である。
【0113】
(4)請求項4記載の発明によれば、透過光検出手段として第1透過光〜第4透過光に応じて光増幅度を可変するフォトマルチプライヤを採用するので、第1透過光〜第4透過光の光強度の変化に対して、透過光検出手段の光検出精度を一定範囲内に維持することが可能である。
【0114】
(5)請求項5記載の発明によれば、透過光検出手段の前段に第1透過光〜第4透過光に応じて光減衰量を可変する光アッテネータを設けるので、第1透過光〜第4透過光の光強度の変化に対して、透過光検出手段の光検出精度を一定範囲内に維持することが可能である。
【0115】
(6)請求項6または9記載の発明によれば、第1測定光〜第4測定光は、従来の近赤外光に比較して高出力化が可能な紫外域のレーザ光を用いるので、測定対象ガスに関する光路長を従来よりも長くすることができる。すなわち、測定対象ガスに対する測定光の通過距離を従来よりも長くすることが可能なので、ガス成分測定装置の適用範囲を従来よりも拡大することができる。
【0116】
(7)請求項7または10記載の発明によれば、排ガスに含まれる酸化硫黄(SO2)並びに一酸化窒素(NO)及び/またはアンモニア(NH3)の各濃度を分離測定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わるガス成分測定装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係わり、NH3とSO2の吸収スペクトルの波長特性を示す特性図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係わり、NOとSO2の吸収スペクトルの波長特性を示す特性図である。
【図4】 本発明の一実施形態におけるレーザ光源装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係わるガス成分測定装置の測定動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
X……測定対象ガス
1……レーザ光源装置
1a……YAGレーザ発振器
1b……波長可変レーザ発振器
1c,1d……高調波発生器
1e……2波長合成器
2……波長計
3……波長表示装置
4A〜4C……光アッテネータ(ATT)
5……透過光検出手段
5A〜5D……フォトマルチプライヤ
6A〜6D……A/Dコンバータ(A/D)
7……制御演算部(濃度演算手段)
8……演算データ記憶部(記憶手段)
9……操作装置
10……出力装置
11……圧力計
12……温度計
a……酸化硫黄用ON測定光(第1測定光)
b……酸化硫黄用OFF測定光(第2測定光)
c1……一酸化窒素用ON測定光(第3測定光)
c2……アンモニア用ON測定光(第3測定光)
d1……一酸化窒素用OFF測定光(第4測定光)
d2……アンモニア用OFF測定光(第4測定光)
e……酸素用ON測定光
f……酸素用OFF測定光
Pa……酸化硫黄用ON透過光(第1透過光)
Pb……酸化硫黄用OFF透過光(第2透過光)
Pc1……一酸化窒素用ON透過光(第3透過光)
Pc2……アンモニア用ON透過光(第3透過光)
Pd1……一酸化窒素用OFF透過光(第4透過光)
Pd2……アンモニア用OFF透過光(第4透過光)
Pe……酸素用ON透過光
Pf……酸素用OFF透過光
Claims (10)
- 測定対象ガスにレーザ光による測定光を照射した際の光吸収に基づいて測定対象ガスの成分を測定する装置であって、
光吸収域が測定対象成分と重なる外乱成分のみに吸収される第1測定光及び測定対象成分と外乱成分とのいずれにも吸収されない第2測定光を測定対象ガスに照射すると共に、測定対象成分及び外乱成分に対して吸収量が異なる第3測定光及び第4測定光を測定対象ガスに照射するレーザ光源装置(1)と、
前記第1測定光〜第4測定光の測定対象ガスからの第1透過光〜第4透過光の各光強度をそれぞれ検出する透過光検出手段(5)と、
前記第1測定光〜第4測定光の光路長とその光吸収係数とをそれぞれ記憶する記憶手段(8)と、
前記第1透過光と第2透過光との各光強度及び第1測定光と第2測定光との光路長と光吸収係数並びに第1測定光の光透過率と外乱成分濃度との関係を示す第1のランベルト・ベールの理論式及び第2測定光の光透過率と外乱成分濃度との関係を示す第2のランベルト・ベールの理論式に基づいて外乱成分濃度を算出し、さらに当該外乱成分濃度、前記第3透過光と第4透過光との各光強度及び第3測定光と第4測定光との光路長と光吸収係数並びに第3測定光の光透過率と測定対象成分濃度と外乱成分濃度との関係を示す第3のランベルト・ベールの理論式及び第4測定光の光透過率と測定対象成分濃度と外乱成分濃度との関係を示す第4のランベルト・ベールの理論式に基づいて測定対象成分濃度を算出する成分濃度演算手段(7)と、
を具備することを特徴とするガス成分測定装置。 - レーザ光源装置(1)は、YAGレーザ発振器(1a)と該YAGレーザ発振器(1a)を励起光源として所定波長範囲内のレーザ光を出射する波長可変レーザ発振器(1b)とに基づいて第1測定光〜第4測定光を発光することを特徴とする請求項1記載のガス成分測定装置。
- 測定対象ガスの圧力を検出する圧力計(11)と測定対象ガスの温度を検出する温度計(12)とを備えると共に、記憶手段(8)は測定対象ガスの各圧力及び温度に応じた第1測定光〜第4測定光の各光吸収係数をデータベースとして記憶し、また成分濃度演算手段(7)は、圧力計(11)及び温度計(12)の各検出値に対応する各光吸収係数を記憶手段(8)から取得して外乱成分濃度と測定対象成分濃度とを算出することを特徴とする請求項1または2記載のガス成分測定装置。
- 透過光検出手段(5)は、第1透過光〜第4透過光に応じて光増幅度を可変するフォトマルチプライヤ(5A〜5D)であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のガス成分測定装置。
- 透過光検出手段(5)の前段に第1透過光〜第4透過光に応じて光減衰量を可変する光アッテネータ(4A〜4C)を設けることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のガス成分測定装置。
- 第1測定光〜第4測定光は、紫外域の波長を有するレーザ光であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のガス成分測定装置。
- 測定対象ガスは排ガスであり、外乱成分が酸化硫黄(SO2)かつ測定対象成分が一酸化窒素(NO)及び/またはアンモニア(NH3)であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のガス成分測定装置。
- 測定対象ガスにレーザ光による測定光を照射した際の光吸収に基づいて測定対象ガスの成分を測定する方法であって、
光吸収域が測定対象成分と重なる外乱成分のみに吸収される第1測定光及び測定対象成分と外乱成分とのいずれにも吸収されない第2測定光の測定対象ガスに対する光透過率をそれぞれ検出する工程Aと、
該工程Aによって検出された第1測定光と第2測定光との各光透過率及び第1測定光と第2測定光との光路長と光吸収係数並びに第1測定光の光透過率と外乱成分濃度との関係を示す第1のランベルト・ベールの理論式及び第2測定光の光透過率と外乱成分濃度との関係を示す第2のランベルト・ベールの理論式に基づいて外乱成分濃度を推定する工程Bと、
測定対象成分及び外乱成分に対して吸収量が異なる第3測定光及び第4測定光の測定対象ガスに対する光透過率をそれぞれ検出する工程Cと、
前記工程Bにおいて推定された外乱成分濃度、前記工程Cにおいて検出された第3測定光と第4測定光との各光透過率及び第3測定光と第4測定光との光路長と光吸収係数並びに第3測定光の光透過率と測定対象成分濃度と外乱成分濃度との関係を示す第3のランベルト・ベールの理論式及び第4測定光の光透過率と測定対象成分濃度と外乱成分濃度との関係を示す第4のランベルト・ベールの理論式に基づいて測定対象成分濃度を推定する工程Dと、
を有することを特徴とするガス成分測定方法。 - 第1測定光〜第4測定光は、紫外域の波長を有するレーザ光であることを特徴とする請求項8記載のガス成分測定方法。
- 測定対象ガスが排ガスであり、外乱成分が酸化硫黄(SO2)かつ測定対象成分が一酸化窒素(NO)及び/またはアンモニア(NH3)であることを特徴とする請求項8または9記載のガス成分測定方法。
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