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JP4458606B2 - 孔開け装置 - Google Patents

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JP4458606B2
JP4458606B2 JP2000058602A JP2000058602A JP4458606B2 JP 4458606 B2 JP4458606 B2 JP 4458606B2 JP 2000058602 A JP2000058602 A JP 2000058602A JP 2000058602 A JP2000058602 A JP 2000058602A JP 4458606 B2 JP4458606 B2 JP 4458606B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被加工部材の被加工面に孔開け加工をする孔開け装置に関し、詳しくは固定状態で保持された被加工部材の被加工面に対して、ダイスの基準面を自動的に面合わせすることのできる孔開け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属板により形成された自動車部品等の被加工部材に孔開け加工を施す孔開け装置としては、例えば、本体部と、該本体部に設けられ、孔開け加工用の基準孔及び該基準孔の軸方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に被加工部材の被加工面に当接する基準面をもつダイスと、該基準孔の軸方向に直線移動するように該本体部に往復動可能に保持されたパンチ保持部材と、該パンチ保持部材に設けられ、該パンチ保持部材の往復動により該基準孔に出入りするパンチと、該パンチ保持部材を往復動させる駆動手段とからなるものが知られている。
【0003】
この孔開け装置では、ダイスの基準面に被加工物の被加工面を面当たりで当接させた状態で、駆動手段によりパンチ保持部材を移動させて、パンチにより被加工面を打ち抜くことにより孔開け加工をする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の孔開け装置において、ダイスの基準面に対して被加工物が斜めに当たった状態で孔開け加工を施すと、孔開け加工時のパンチによる荷重により被加工面が変形したり、ダイスやパンチ自身が破損したりするおそれがある。このため、ダイスの基準面と被加工物の被加工面とを平行に維持して、該基準面に対して被加工面を確実に面当たりさせた状態で孔開け加工を施すことが重要となる。
【0005】
しかし、固定状態にある被加工物の被加工面に孔開け加工を施す場合において、製造誤差等により被加工面が傾いていたりすると、その傾きに応じてその都度ダイス基準面を面合わせさせつつ孔開け装置をセットする必要があり、その操作が極めて煩雑となる。特に、固定状態に保持された一つの被加工物に複数の被加工面がある場合、このような問題は顕著となる。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、固定状態に保持された被加工物の被加工面が傾いている場合であっても、該加工面に対してダイス基準面を自動的に面合わせさせることのできる孔開け装置を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の孔開け装置は、固定状態に保持された被加工部材の被加工面に孔開け加工をする孔開け装置であって、基台と、該基台にフローティング機構を介して左右方向に往復動可能に保持されると共に、該フローティング機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される基部と、該基部に揺動機構を介して左右方向に揺動可能に保持されると共に、該揺動機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される本体部と、該本体部に設けられ、左右方向に延在する孔開け加工用の基準孔及び該基準孔の軸方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に該被加工面に当接する基準面をもつダイスと、該本体部に往復動可能又は揺動可能に保持されたパンチ保持部材と、該パンチ保持部材に設けられ、該パンチ保持部材の往復動又は揺動により該基準孔に出入りするパンチと、該パンチ保持部材を往復動又は揺動させる駆動手段と、からなることを特徴とするものである。
【0008】
この孔開け装置では、基部に対して本体部が揺動可能に保持されており、この本体部に孔開け用のダイスが設けられている。このため、この孔開け装置は、本体部の揺動方向と同一方向に、固定状態に保持された被加工部材の被加工面が傾いている場合に、有効に機能する。すなわち、本体部の揺動方向と被加工面の傾き方向とが同一方向の場合は、この傾きに応じて本体部を揺動させることにより、該本体部に設けられたダイスの基準面を傾いた被加工面に対して容易にかつ確実に面合わせさせることができる。
【0009】
したがって、固定状態に保持された被加工部材の被加工面が上記のように傾いている場合であっても、煩雑な面合わせ操作を行うことなく、該被加工面に対して精度高く孔開け加工を施すことが可能となる。
【0010】
また、傾いた被加工面に無理矢理に孔開け加工を施すことがないため、被加工面の変形やダイス及びパンチの損傷等を回避することができる。
【0011】
(2)請求項2記載の孔開け装置は、固定状態に保持された被加工部材の被加工面に孔開け加工をする孔開け装置であって、基台と、該基台にフローティング機構を介して左右方向に往復動可能に保持されると共に、該フローティング機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される基部と、該基部にヒンジ機構を介して水平方向に自転可能に保持されると共に、該ヒンジ機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、水平方向の中立位置に保持される本体部と、該本体部に設けられ、左右方向に延在する孔開け加工用の基準孔及び該基準孔の軸方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に該被加工面に当接する基準面をもつダイスと、該本体部に往復動可能又は揺動可能に保持されたパンチ保持部材と、該パンチ保持部材に設けられ、該パンチ保持部材の往復動又は揺動により該基準孔に出入りするパンチと、該パンチ保持部材を往復動又は揺動させる駆動手段と、からなることを特徴とするものである。
【0012】
この孔開け装置では、基部に対して本体部が自転可能に保持されており、この本体部に孔開け用のダイスが設けられている。このため、この孔開け装置は、本体部の自転方向と同一方向に、固定状態に保持された被加工部材の被加工面が傾いている場合に、有効に機能する。すなわち、本体部の自転方向と被加工面の傾き方向とが同一方向の場合は、この傾きに応じて本体部を自転させることにより、該本体部に設けられたダイスの基準面を傾いた被加工面に対して容易にかつ確実に面合わせさせることができる。
【0013】
したがって、固定状態に保持された被加工部材の被加工面が上記のように傾いている場合であっても、煩雑な面合わせ操作を行うことなく、該被加工面に対して精度高く孔開け加工を施すことが可能となる。
【0014】
また、傾いた被加工面に無理矢理に孔開け加工を施すことがないため、被加工面の変形やダイス及びパンチの損傷等を回避することができる。
【0015】
(3)請求項3記載の孔開け装置は、固定状態に保持された被加工部材の被加工面に孔開け加工をする孔開け装置であって、基台と、該基台にフローティング機構を介して左右方向に往復動可能に保持されると共に、該フローティング機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される第1基部と、該第1基部にヒンジ機構を介して水平方向に自転可能に保持されると共に、該ヒンジ機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、水平方向の中立位置に保持される第2基部と、該第2基部に揺動機構を介して左右方向に揺動可能に保持されると共に、該揺動機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される本体部と、該本体部に設けられ、左右方向に延在する孔開け加工用の基準孔及び該基準孔の軸方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に該被加工面に当接する基準面をもつダイスと、該本体部に往復動可能又は揺動可能に保持されたパンチ保持部材と、該パンチ保持部材に設けられ、該パンチ保持部材の往復動又は揺動により該基準孔に出入りするパンチと、該パンチ保持部材を往復動又は揺動させる駆動手段と、からなることを特徴とするものである。
【0016】
この孔開け装置では、第1基部に対して第2基部が自転可能に保持され、かつ、第2基部に対して本体部が揺動可能に保持されており、この本体部に孔開け用のダイスが設けられている。すなわち、この孔開け装置では、第1基部に対して本体部が自転可能かつ揺動可能となされている。このため、この孔開け装置は、請求項1記載の孔開け装置及び請求項2記載の孔開け装置のそれぞれの機能を併せ持つものであり、本体部の自転方向及び揺動方向の少なくとも一方の方向に、固定状態に保持された被加工部材の被加工面が傾いている場合に、有効に機能する。すなわち、本体部の自転方向及び揺動方向の少なくとも一方の方向と被加工面の傾き方向とが同一方向の場合は、この傾きに応じて本体部を自転及び/又は揺動させることにより、該本体部に設けられたダイスの基準面を傾いた被加工面に対して容易にかつ確実に面合わせさせることができる。
【0017】
したがって、固定状態に保持された被加工部材の被加工面が上記のように傾いている場合であっても、煩雑な面合わせ操作を行うことなく、該被加工面に対して精度高く孔開け加工を施すことが可能となる。
【0018】
また、傾いた被加工面に無理矢理に孔開け加工を施すことがないため、被加工面の変形やダイス及びパンチの損傷等を回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1〜図5に示す本実施形態の孔開け装置は、請求項1、2又は3に記載された発明を具現化するものである。
【0021】
なお、以下の説明において、左右方向とは図1の左右方向を意味し、上下方向とは図1の上下方向を意味する。
【0022】
この孔開け装置は、図示しないサスペンション部材に予め溶接により接合された複数の被加工部材1に対して、このサスペンション部材を固定状態に保持した状態、すなわち被加工部材1を固定状態に保持した状態で、孔開け加工するものである。この被加工部材1は、互いに対向する平行な2つの板状部分を被加工面1a、1bとしてもつ断面形状が略コ字状(又は略U字状)部材で、図1、図3及び図4で示す共通の軸心線P1上で貫通する同径の孔が被加工面1a、1bのそれぞれに孔開け加工される。なお、この被加工部材1は、金属製の板部材を断面略コ字状(又は略U字状)にプレス加工した後、図示しないサスペンション部材に溶接により接合されている。
【0023】
本実施形態の孔開け装置は、基台11と、基台11にフローティング機構(浮動機構)12を介して水平方向(図1の左右方向)に往復動可能に保持された第1基部2と、第1基部2にヒンジ機構3を介して自転可能に保持された第2基部4と、第2基部4に揺動機構5を介して揺動可能に保持された本体部6と、本体部6に設けられた左右一対の第1ダイス7a、第2ダイス7bと、本体部6に往復動可能に保持された左右一対の第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bと、第1パンチ保持部材8aに設けられた第1パンチ9aと、第2パンチ保持部材8bに設けられた第2パンチ9bと、第1パンチ保持部材8aを往復動させる第1駆動手段10aと、第2パンチ保持部材8bを往復動させる第2駆動手段10bとから主に構成されている。
【0024】
基台11は、図示しないロボット手首軸とともに、所定の位置に移動および停止状態に保持できるように、ロボット装置(図示せず)のロボット手首軸の先端部に連結されている。
【0025】
第1基部2は、図2に示すように、断面形状が略L字状をなす剛性を備えた金属製の厚板よりなり、底壁部21と、側壁部22とを有している。第1基部2の底壁部21には、ヒンジ機構3を構成するオイルレスブッシュ31(後述する)が嵌合される嵌合孔21aが貫設されている。
【0026】
フローティング機構12は、図2に示すように、基台11の前面に固定された上下一対の直状レール部材13、13と、該基台11の前面に対向する第1基部2の側壁部22の後面に固定され、各直状レール部材13、13に対してそれぞれ摺動可能に係合された上下一対の直状ガイド部材14、14と、第1基部2の左右両側外面及び該両側外面にそれぞれ対向する基台11の左右両側内面間にそれぞれ介在された左右一対のばね部材(コイルばね、図示せず)とから構成されている。
【0027】
なお、フローティング機構12を構成する左右一対のばね部材の付勢力(ばね圧)は均等に設定されており、第1基部2は、外力が作用していない自然状態で、一対のばね部材により中立位置に保持されている。
【0028】
第2基部4は、上述のとおりヒンジ機構3を介して第1基部2に自転可能に保持されている。第2基部4は、図2に示すように、断面形状が略L字状をなす剛性を備えた金属製の厚板よりなり、底壁部41と、側壁部42とを有している。第2基部4の底壁部41には、ヒンジ機構3を構成するオイルレスブッシュ31(後述する)が嵌合される嵌合孔41aが貫設されている。
【0029】
ヒンジ機構3は、図2に示すように、第1基部2の嵌合孔21a及び第2基部4の嵌合孔41aにそれぞれ相対回転不能に嵌合されたオイルレスブッシュ31と、このオイルレスブッシュ31内に相対回転可能に挿通されたヒンジピン32と、ヒンジピン32の軸部先端に螺合されたナット33と、第1基部2と第2基部4との間及び第2基部4とヒンジピン32の頭部との間でオイルレスブッシュ31に摺動可能に外嵌された一対のスラストワッシャ34、34と、一端が第1基部2に固定されるとともに他端が第2基部4に固定された一対のばね部材43(図5参照)とから構成されている。このヒンジ機構3により、第2基部4は、ヒンジピン32の軸心線P2を自転中心軸線として自転可能となされている。
【0030】
また、第2基部4は、付勢力(ばね圧)が均等に設定された一対のばね部材43により、外力が作用していない自然状態において第1基部2に対して中立位置に保持されている(図2に示す状態)。
【0031】
本体部6は、上述のとおり揺動機構5を介して第2基部4に揺動可能に保持されている。なお、本体部6の揺動中心は、後述するダイス保持部材61の中心線(ヒンジ機構3を構成するヒンジピン32の軸心線P2、すなわち第2基部4の自転中心軸)と、第1ダイス7a、第2ダイス7bの基準孔71a、71bの共通軸心線P1との交点Cとされている。
【0032】
揺動機構5は、図2に示すように、第1基部4の側壁部42の前面に固定された上下一対の円弧状レール部材51、51と、該側壁部42の前面に対向する本体部6の後面に固定され、各円弧状レール部材51、51に対してそれぞれ摺動可能に係合された上下一対の円弧状ガイド部材52、52と、本体部6の左右両側外面及び該両側外面にそれぞれ対向する第1基部4の左右両側内面間にそれぞれ介在された左右一対のばね部材(コイルばね)53a、53b(図1参照)とから構成されている。なお、揺動機構5を構成する左右一対のばね部材53a、53bの付勢力(ばね圧)は均等に設定されており、本体部6は、外力が作用していない自然状態で、一対のばね部材53a、53bにより中立位置に保持されている(図1に示す状態)。
【0033】
また、本体部6は、図1に示すように、本体部6の中心に位置し(ダイス保持部材61の中心線と、ヒンジ機構3を構成するヒンジピン32の軸心線P2とが一致するように)、第1ダイス7a及び第2ダイス7bを保持するダイス保持部材61と、ダイス保持部材61の左右両側からそれぞれ水平方向に延設され、第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bをそれぞれ往復動可能に保持するシャフト部材62a、62bと、各シャフト部材62a、62bの先端に固定され、第1駆動手段10a、第2駆動手段10bをそれぞれ保持する駆動手段保持部材63a、63bとを備えている。
【0034】
第1ダイス7a、第2ダイス7bは同じものであり、図示しない取付ボルトによりダイス保持部材61に取り替え可能に固定保持されている。この第1ダイス7a、第2ダイス7bは、図3に示すように、被加工部材1に目的とする径の孔開け加工を行うことができる径に設定され、共通の軸心線P1をもつ孔開け加工用の基準孔70a、70bと、軸心線P1方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に被加工面1a、1bにそれぞれ当接する基準面71a、71bとを有している。なお、第1ダイス7a、第2ダイス7bは、本体部6のダイス保持部材61の中心線(ヒンジ機構3を構成するヒンジピン32の軸心線P2、すなわち第2基部4の自転中心軸)に対して軸対称位置に配設されている。
【0035】
第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bは同じものであり、本体部6のシャフト部材62a、62bが摺動可能に挿通された摺動孔(図示せず)を有しており、このシャフト部材62a、62bに往復動可能に保持されている。
【0036】
第1パンチ9a、第2パンチ9bは、同じ構成であり、第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bに図示しない取り付けボルトにより取り替え可能に固定されている。この第1パンチ9a、第2パンチ9bは、図3に示すように、刃部91a、91bと、刃部91a、91bの外周面に装着され、刃部91a、91bの先端より突出する長さを有する弾性ウレタン性の筒状体よりなるパッド92a、92bとを有している。なお、各刃部91a、91bは、第1ダイス7a、第2ダイス7bの基準孔70a、70bの共通軸心線P1と同一の軸心線P1をもつとともに、基準孔70a、70b内に若干の隙間を保持して出入されるように設定されている。
【0037】
第1駆動手段10a、第2駆動手段10bは、同じ構成であり、本体部6の駆動手段保持部材63a、63bに図示しない取り付けボルトにより固定保持された油圧シリンダ11a、11bと、油圧シリンダ11a、11b内に往復移動可能に保持され、先端が第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bに連結されたピストン軸12a、12bとから構成されている。
【0038】
こうして本体部6のダイス保持部材61に軸心線P2を中心とする軸対称位置に配設された第1ダイス7aの基準面71a、第2ダイス7bの基準面71bは、フローティング機構12により基台11に対して第1基部2が第2基部4及び本体部6等と共に水平方向(図1の左右方向)に往復動することにより、被加工面1a、1bに対して接近又は離隔する方向に往復動可能となされるとともに、ヒンジ機構3により軸心線P2を自転中心軸として第1基部2に対して第2基部4及び本体部6と共に自転可能となされ、かつ、揺動機構5により点Cを揺動中心として第2基部4に対して本体部6と共に揺動可能となされている。
【0039】
上記のように構成された本実施形態の孔開け装置は、例えば生産ラインで多数のサスペンション部材に接合された複数の被加工部材1を連続して孔開け加工する場合に用いられ、図略の各装置(サスペンション部材を搬入する搬入装置、サスペンション部材を所定位置に固定保持する固定保持装置、孔開け加工済みのサスペンション部材を搬出する搬出装置等)が併設される。
【0040】
そして、サスペンション部材が固定保持装置で所定位置に固定保持された状態で、被加工部材1の被加工面1a、1bは、第1ダイス7a及び第1パンチ9a間、第2ダイス7b及び第2パンチ9b間の孔開け加工位置に位置決め固定保持される。
【0041】
次いで、被加工面1a、1bの順にそれぞれ孔開け加工が施される。被加工面1a、1bは、正常ならば、図3の点線に示すように鉛直方向に延在している。ところが、被加工部材1の製造誤差やサスペンション部材に溶接する際の溶接歪み等により、図3の実線で示すように被加工面1a、1bが斜めに変形している場合がある。この場合、孔開け加工時に、第1ダイス7a、第2ダイス7bの基準面71a、71bや第1パンチ9aの刃部91a、第2パンチ9bの刃部91b等に対して被加工面1a、1bが斜めに当接することになる。このまま、無理矢理に孔開け加工を施すと、被加工面1a、1bの変形や第1ダイス7a、第2ダイス7b及び第1パンチ9a、第2パンチ9bの損傷等、種々の不都合が発生する。
【0042】
この点、本実施形態の孔開け装置によれば、以下に示すように、孔開け加工時に第1ダイス7a、第2ダイス7bの基準面70a、70bを被加工面1a、1bに自動的に面合わせさせつつ孔開け加工を施すことができる。
【0043】
まず、図3に示すように、本体部6の揺動方向と同一方向にのみ被加工面1a、1bが傾いている場合について説明する。なお、被加工面1a、1bの孔開け加工は同様に行われるため、以下、被加工面1bに孔開け加工する場合について説明する。
【0044】
第2駆動手段10bの油圧シリンダ11bを駆動することにより、ピストン軸12bが図1の左方向に進出し、第2パンチ9bが第2パンチ保持部材8bと共に左方向に移動する。そして、第2パンチ9bのパッド92bの上端部が被加工面1bに当接する。被加工面1bは固定状態で保持されていることから、このパッド92bと被加工面1bとの当接により、当該当接部位を支点として、第2駆動手段10bの駆動力が本体部6、第2基部4及び第1基部2に作用する。こうして第2駆動手段10bの駆動力が第1基部2に作用する結果、パッド92bの弾性圧縮変形を伴いながら、フローティング機構12を介して図1及び図3の右方向に、基台11に対して第1基部2が第2基部4及び本体部6等と共に水平移動する。また、第2駆動手段10bの駆動力が本体部6に作用する結果、揺動機構5を介して図1及び図3においてC点を揺動中心とする時計回りに、第2基部4に対して本体部6が揺動する。これにより、第2ダイス7bの基準面71bは、被加工面1bに近づく方向に水平移動するとともに、被加工面1bと同一方向に傾くように揺動し、ついには図4に示すように、第2ダイス7bの基準面71bの全面及び第2パンチ9bのパッド92bが被加工面1bに確実に面当たりする。
【0045】
なお、フローティング機構12を介する第1基部2の水平移動は、フローティング機構12を構成する一方のばね部材の圧縮変形と他方のばね部材の引張変形とを伴いながら行われ、また揺動機構5を介する本体部6の時計回り(図1及び図3において)への揺動は、一方のばね部材53aの圧縮変形と他方のばね部材53bの引張変形とを伴いながら行われる。
【0046】
こうして被加工面1bに対して第2ダイス7bの基準面71bが確実に面当たりした状態とされ、この状態で第2パンチ9bの刃部91bが被加工面1bを貫通して第2ダイス7bの基準孔70bに入り、孔開け加工が行われる。
【0047】
この後、第2駆動手段10bの油圧シリンダ11bを前記場合と逆に駆動させると、第2パンチ保持部材8bは図1、図3及び図4の右方向に水平移動し、フローティング機構12を構成するばね部材及び揺動機構5を構成するばね部材53a、53bの弾性反力により、第1基部2及び本体部6も元の位置に復帰する。なお、第2パンチ保持部材8bに連動する第2パンチ9bには、パッド92bの前記弾性変形による反力(復帰力)も働くことにより、第2ダイス7bの基準孔70b及び被加工面1bの孔から刃部91bが速やかに抜け出る。
【0048】
次に、図5に示すように、第2基部4の自転方向、すなわち本体部6の自転方向と同一方向にのみ被加工面1a、1bが傾いている場合について説明する。なお、被加工面1a、1bの孔開け加工は同様に行われるため、以下、被加工面1aに孔開け加工する場合について説明する。
【0049】
第1駆動手段10aの油圧シリンダ11aを駆動することにより、ピストン軸12aが図1の右方向に進出し、第1パンチ9aが第1パンチ保持部材8aと共に右方向に移動する。そして、第1パンチ9aのパッド92aの一端部(図5の左端部)が被加工面1aに当接する。被加工面1aは固定状態で保持されていることから、このパッド92aと被加工面1aとの当接により、当該当接部位を支点として、第1駆動手段10aの駆動力が本体部6、第2基部4及び第1基部2に作用する。こうして第1駆動手段10aの駆動力が第1基部2に作用する結果、パッド92aの弾性圧縮変形を伴いながら、フローティング機構12を介して図1の左方向(図5の上方向)に、基台11に対して第1基部2が第2基部4及び本体部6等と共に水平移動する。また、第2駆動手段10aの駆動力が第2基部4に作用する結果、ヒンジ機構3を介して図5において軸心線P2を自転中心軸とする時計回りに、第1基部2に対して第2基部4が本体部6と共に自転する。これにより、第1ダイス7aの基準面71aは、被加工面1aに近づく方向に水平移動するとともに、被加工面1aと同一方向に傾くように自転し、ついには図5に示すように、第1ダイス7aの基準面71aの全面及び第1パンチ9aのパッド92aが被加工面1aに確実に面当たりする。
【0050】
なお、フローティング機構12を介する第1基部2の水平移動は、フローティング機構12を構成する一方のばね部材の圧縮変形と他方のばね部材の引張変形とを伴いながら行われ、またヒンジ機構3を介する第2基部4の時計回り(図5において)への自転は、ヒンジ機構3を構成する一方のばね部材43の圧縮変形と他方のばね部材の引張変形とを伴いながら行われる。
【0051】
こうして被加工面1aに対して第1ダイス7aの基準面71aが確実に面当たりした状態とされ、この状態で第1パンチ9aの刃部91aが被加工面1aを貫通して第1ダイス7aの基準孔70aに入り、孔開け加工が行われる。
【0052】
この後、第1駆動手段10aの油圧シリンダ11aを前記場合と逆に駆動させると、第1パンチ保持部材8aは図1の左方向に水平移動し、フローティング機構12を構成するばね部材及びヒンジ機構3を構成するばね部材43の弾性反力により、第1基部2及び第2基部4も元の位置に復帰する。なお、第1パンチ保持部材8aに連動する第1パンチ9aには、パッド92aの前記弾性変形による反力(復帰力)も働くことにより、第1ダイス7aの基準孔70a及び被加工面1aの孔から刃部91aが速やかに抜け出る。
【0053】
また、被加工面1a、1bが、本体部6の揺動方向と同一方向に傾き、かつ、本体部6の自転方向と同一方向に傾いている場合は、本体部6の揺動と、本体部6と共に行われる第2基部4の自転とが同時に行われ、本体部6の揺動方向及び自転方向の双方に傾いた被加工面1a、1bに対して、第1ダイス7aの基準面71a、第2ダイス7bの基準面71bが自動的に面合わせされることとなる。
【0054】
従って、本実施形態の孔開け装置によれば、被加工部材1の製造誤差やサスペンション部材に溶接する際の溶接歪み等により、本体部6の揺動方向及び自転方向の少なくとも一方と同一方向に被加工面1a、1bが斜めに傾いている場合であっても、この傾きに応じて本体部6を揺動及び/又は自転させることによる自動的な面合わせ操作により、該被加工面1a、1bに対する第1ダイス7aの基準面71a、第2ダイス7bの基準面71bの面合わせを容易かつ確実に行うことができる。
【0055】
よって、固定状態に保持された被加工部材1の被加工面1a、1bが上記のように傾いている場合であっても、煩雑な面合わせ操作を行うことなく、該被加工面1a、1bに対して精度高く孔開け加工を施すことが可能となる。したがって、被加工部材1の製造や溶接において高い精度が要求されることはない。
【0056】
また、傾いた被加工面1a、1bに無理矢理に孔開け加工を施すことがないため、被加工面1a、1bの変形や第1ダイス7a、第2ダイス7b及び第1パンチ9a、第2パンチ9bの損傷等を回避することができる。したがって、孔開け装置の耐久性を向上させることが可能となる。
【0057】
さらに、対向する被加工面1a、1bに対して、共通の軸心線P1上で貫通し、相対偏差が低く加工精度の高い同径の孔をそれぞれ孔開け加工することが可能となる。
【0058】
(実施形態2)
図6及び図7に示す本実施形態の孔開け装置は、請求項1に記載された発明を具現化するものである。
【0059】
なお、以下の説明において、左右方向とは図6の左右方向を意味し、上下方向とは図6の上下方向を意味する。
【0060】
この孔開け装置は、前記実施形態1の孔開け装置において、第1基部2及びヒンジ機構3をなくしたもので、本体部6を揺動可能に保持する第2基部4を基台11に対してフローティング機構12を介して連結したものである。
【0061】
すなわち、本実施形態の孔開け装置は、基台11と、基台11に対してフローティング機構12を介して水平方向(図6の左右方向)に往復動可能に保持された第2基部4と、第2基部4に揺動機構5を介して揺動可能に保持された本体部6と、本体部6に設けられた左右一対の第1ダイス7a、第2ダイス7bと、本体部6に往復動可能に保持された左右一対の第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bと、第1パンチ保持部材8aに設けられた第1パンチ9aと、第2パンチ保持部材8bに設けられた第2パンチ9bと、第1パンチ保持部材8aを往復動させる第1駆動手段10aと、第2パンチ保持部材8bを往復動させる第2駆動手段10bとから主に構成されている。
【0062】
第2基部4は、図7に示すように、剛性を備えた金属製の厚板よりなり、基台11にフローティング機構12を介して水平方向に往復動可能に連結されている。フローティング機構12は、前記実施形態1のものと同様の構成で、上下一対の直状レール部材13、13と、上下一対の直状ガイド部材14、14と、左右一対のばね部材(コイルばね、図示せず)とから構成されている。
【0063】
本体部6は、上述のとおり揺動機構5を介して第2基部4に揺動可能に保持されている。なお、本体部6の揺動中心は、ダイス保持部材61の軸心線P2と、第1ダイス7a、第2ダイス7bの基準孔71a、71bの共通軸心孔P1との交点Cとされている。
【0064】
揺動機構5は、図7に示すように、前記実施形態1と同様、上下一対の円弧状レール部材51、51と、上下一対の円弧状ガイド部材52、52と、左右一対のばね部材(コイルばね)53a、53bとから構成されている。
【0065】
また、本体部6は、図6に示すように、前記実施形態1と同様、第1ダイス7a及び第2ダイス7bを保持するダイス保持部材61と、シャフト部材62a、62bと、第1駆動手段10a、第2駆動手段10bをそれぞれ保持する駆動手段保持部材63a、63bとを備えている。
【0066】
第1ダイス7a、第2ダイス7bは、前記実施形態1と同様、共通の軸心線P1をもつ孔開け加工用の基準孔70a、70bと、軸心線P1方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に被加工面1a、1bにそれぞれ当接する基準面71a、71bとを有しており、本体部6のダイス保持部材61の軸心線P2に対して軸対称位置に配設されている。
【0067】
第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bは、前記実施形態1と同様、シャフト部材62a、62bに往復動可能に保持されており、この第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bに保持された第1パンチ9a、第2パンチ9bも、前記実施形態1と同様、刃部91a、91bと、パッド92a、92bとを有している。
【0068】
第1駆動手段10a、第2駆動手段10bは、前記実施形態1と同様、油圧シリンダ11a、11bと、ピストン軸12a、12bとから構成されている。
【0069】
こうして本体部6のダイス保持部材61に軸心線P2を中心とする軸対称位置に配設された第1ダイス7aの基準面71a、第2ダイス7bの基準面71bは、フローティング機構12により基台11に対して第2基部4が本体部6等と共に水平方向(図6の左右方向)に往復動することにより、被加工面1a、1bに対して接近又は離隔する方向に往復動可能となされるとともに、揺動機構5により点Cを揺動中心として第2基部4に対して本体部6と共に揺動可能となされている。
【0070】
上記のように構成された本実施形態の孔開け装置は、前記実施形態1と同様、例えば生産ラインで多数のサスペンション部材に接合された複数の被加工部材1を連続して孔開け加工する場合に用いられ、孔開け加工時には、サスペンション部材が固定保持装置で所定位置に固定保持された状態で、被加工部材1の被加工面1a、1bが、第1ダイス7a及び第1パンチ9a間、第2ダイス7b及び第2パンチ9b間の孔開け加工位置に位置決め固定保持される。
【0071】
そして、被加工面1a、1bの順にそれぞれ孔開け加工が施される。このとき、被加工部材1の製造誤差やサスペンション部材に溶接する際の溶接歪み等により、被加工面1a、1bが本体部6の揺動方向と同一方向に傾いて変形している場合であっても、本実施形態の孔開け装置によれば、前記実施形態1で説明したように、孔開け加工時に、傾きに応じて本体部6を揺動させることにより、傾いた被加工面1a、1bに対して第1ダイス7a、第2ダイス7bの基準面71a、71bを自動的に面合わせすることができ、かかる面合わせの操作を容易かつ確実に行うことができる。
【0072】
よって、固定状態に保持された被加工部材1の被加工面1a、1bが上記のように傾いている場合であっても、煩雑な面合わせ操作を行うことなく、該被加工面1a、1bに対して精度高く孔開け加工を施すことが可能となる。
【0073】
また、傾いた被加工面1a、1bに無理矢理に孔開け加工を施すことがないため、被加工面1a、1bの変形や第1ダイス7a、第2ダイス7b及び第1パンチ9a、第2パンチ9bの損傷等を回避することができる。
【0074】
さらに、対向する被加工面1a、1bに対して、共通の軸心線P1上で貫通し、相対偏差が低く加工精度の高い同径の孔をそれぞれ孔開け加工することが可能となる。
【0075】
(実施形態3)
図8及び図9に示す本実施形態の孔開け装置は、請求項2に記載された発明を具現化するものである。
【0076】
なお、以下の説明において、左右方向とは図8の左右方向を意味し、上下方向とは図8の上下方向を意味する。
【0077】
この孔開け装置は、前記実施形態1の孔開け装置において、揺動機構5をなくしたもので、基台11に対して第1基部2が水平方向に往復動可能に保持されるとともに第1基部2に対して第2基部4が自転可能に保持され、この第2基部4に対して本体部6が揺動機構5を介することなく直接固定保持されている。
【0078】
すなわち、本実施形態の孔開け装置は、基台11と、基台11に対してフローティング機構12を介して水平方向(図8の左右方向)に往復動可能に保持された第1基部2と、第1基部2にヒンジ機構3を介して自転可能に保持された第2基部4と、第2基部4に直接固定保持された本体部6と、本体部6に設けられた左右一対の第1ダイス7a、第2ダイス7bと、本体部6に往復動可能に保持された左右一対の第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bと、第1パンチ保持部材8aに設けられた第1パンチ9aと、第2パンチ保持部材8bに設けられた第2パンチ9bと、第1パンチ保持部材8aを往復動させる第1駆動手段10aと、第2パンチ保持部材8bを往復動させる第2駆動手段10bとから主に構成されている。
【0079】
第1基部2は、図9に示すように、前記実施形態1と同様、底壁部21と、側壁部22とを有し、第1基部2の底壁部21には嵌合孔21aが貫設されている。
【0080】
フローティング機構12は、前記実施形態1のものと同様の構成で、上下一対の直状レール部材13、13と、上下一対の直状ガイド部材14、14と、左右一対のばね部材(コイルばね、図示せず)とから構成されている。
【0081】
第2基部4は、前記実施形態1と同様、底壁部41と、側壁部42とを有し、第2基部4の底壁部41には嵌合孔41aが貫設されている。
【0082】
ヒンジ機構3は、前記実施形態1のものと同様、オイルレスブッシュ31と、ヒンジピン32と、ナット33と、一対のスラストワッシャ34、34と、一端が第1基部2に固定されるとともに他端が第2基部4に固定された一対のばね部材(図示せず)とから構成されている。このヒンジ機構3により、第2基部4は、ヒンジピン32の軸心線P2を自転中心軸線として自転可能となされている。
【0083】
本体部6は、第1基部2に対して自転可能に保持された第2基部4の側壁部42の前面に図示しないボルト等により直接固定保持されている。このとき、図8及び図9に示すように、本体部6のダイス保持部材61の軸心線P2は、ヒンジ機構3を構成するヒンジピン32の軸心線P2と一致している。
【0084】
また、本体部6は、図8に示すように、前記実施形態1と同様、第1ダイス7a及び第2ダイス7bを保持するダイス保持部材61と、シャフト部材62a、62bと、第1駆動手段10a、第2駆動手段10bをそれぞれ保持する駆動手段保持部材63a、63bとを備えている。
【0085】
第1ダイス7a、第2ダイス7bは、前記実施形態1と同様、共通の軸心線P1をもつ孔開け加工用の基準孔70a、70bと、軸心線P1方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に被加工面1a、1bにそれぞれ当接する基準面71a、71bとを有しており、本体部6のダイス保持部材61の軸心線P2に対して軸対称位置に配設されている。
【0086】
第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bは、前記実施形態1と同様、シャフト部材62a、62bに往復動可能に保持されており、この第1パンチ保持部材8a、第2パンチ保持部材8bに保持された第1パンチ9a、第2パンチ9bも、前記実施形態1と同様、刃部91a、91bと、パッド92a、92bとを有している。
【0087】
第1駆動手段10a、第2駆動手段10bは、前記実施形態1と同様、油圧シリンダ11a、11bと、ピストン軸12a、12bとから構成されている。
【0088】
こうして本体部6のダイス保持部材61に軸心線P2を中心とする軸対称位置に配設された第1ダイス7aの基準面71a、第2ダイス7bの基準面71bは、フローティング機構12により基台11に対して第1基部2が第2基部4及び本体部6等と共に水平方向(図8の左右方向)に往復動することにより、被加工面1a、1bに対して接近又は離隔する方向に往復動可能となされるとともに、ヒンジ機構3により軸心線P2を自転中心軸として第1基部2に対して第2基部4及び本体部6と共に自転可能となされている。
【0089】
上記のように構成された本実施形態の孔開け装置は、前記実施形態1と同様、例えば生産ラインで多数のサスペンション部材に接合された複数の被加工部材1を連続して孔開け加工する場合に用いられ、孔開け加工時には、サスペンション部材が固定保持装置で所定位置に固定保持された状態で、被加工部材1の被加工面1a、1bが、第1ダイス7a及び第1パンチ9a間、第2ダイス7b及び第2パンチ9b間の孔開け加工位置に位置決め固定保持される。
【0090】
そして、被加工面1a、1bの順にそれぞれ孔開け加工が施される。このとき、被加工部材1の製造誤差やサスペンション部材に溶接する際の溶接歪み等により、被加工面1a、1bが本体部6の自転方向と同一方向に傾いて変形している場合であっても、本実施形態の孔開け装置によれば、前記実施形態1で説明したように、孔開け加工時に、傾きに応じて本体部6を自転させることにより、傾いた被加工面1a、1bに対して第1ダイス7a、第2ダイス7bの基準面71a、71bを自動的に面合わせすることができ、かかる面合わせの操作を容易かつ確実に行うことができる。
【0091】
よって、固定状態に保持された被加工部材1の被加工面1a、1bが上記のように傾いている場合であっても、煩雑な面合わせ操作を行うことなく、該被加工面1a、1bに対して精度高く孔開け加工を施すことが可能となる。
【0092】
また、傾いた被加工面1a、1bに無理矢理に孔開け加工を施すことがないため、被加工面1a、1bの変形や第1ダイス7a、第2ダイス7b及び第1パンチ9a、第2パンチ9bの損傷等を回避することができる。
【0093】
さらに、対向する被加工面1a、1bに対して、共通の軸心線P1上で貫通し、相対偏差が低く加工精度の高い同径の孔をそれぞれ孔開け加工することが可能となる。
【0094】
なお、上述の実施形態1〜3では、被加工面1a、1bに同径の孔を孔開け加工する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、径の異なる2つの孔を孔開け加工する場合や、正面側よりみた孔形状が真円の他、楕円、角円などの形状の異なる2つの孔を形成する場合にも適用できる。
【0095】
また、上述の実施形態1〜3では、第1、第2パンチ保持部材8a、8bを本体部6に対して往復動可能に保持させ、第1、第2パンチ保持部材8a、8bの往復動により、第1、第2パンチ9a、9bを第1、第2ダイス7a、7bの基準孔70a、70bに出入りさせる例について説明したが、これに限定されるものではなく、第1、第2パンチ保持部材8a、8bを本体部6に対して揺動可能に保持させ、第1、第2パンチ保持部材8a、8bの揺動により、第1、第2パンチ9a、9bを第1、第2ダイス7a、7bの基準孔70a、70bに出入りさせることも可能である。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の孔開け装置によれば、固定状態に保持された被加工物の被加工面が傾いている場合であっても、傾いた加工面に対してダイスの基準面を自動的に面合わせさせることができるので、被加工面に対するダイス基準面の面合わせを容易かつ確実に行うことができ、煩雑な面合わせ操作を行うことなく、該被加工面に対して精度高く孔開け加工を施すことが可能となる。このため、被加工部材の製造や溶接において高い精度が要求されることはない。
【0097】
また、傾いた被加工面に無理矢理に孔開け加工を施すことがないため、被加工面の変形やダイス及びパンチの損傷等を回避することができ、孔開け装置の耐久性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の孔開け装置全体を示す正面図である。
【図2】実施形態1の孔開け装置の断面図である。
【図3】実施形態1の孔開け装置において、一対のパンチ保持部材の一方を作動し、傾いた被加工面にパンチが当接した状態を部分的に示す正面図である。
【図4】実施形態1の孔開け装置において、本体部の揺動によりダイスの基準面が傾いた被加工面に自動的に面合わせされた状態を部分的に示す正面図である。
【図5】実施形態1の孔開け装置において、本体部の自転によりダイスの基準面が傾いた被加工面に自動的に面合わせされた状態を部分的に示す平面図である。
【図6】実施形態2の孔開け装置全体を示す正面図である。
【図7】実施形態2の孔開け装置の断面図である。
【図8】実施形態3の孔開け装置全体を示す正面図である。
【図9】実施形態3の孔開け装置の断面図である。
【符号の説明】
1…被加工部材 1a、1b…被加工面
2…第1基部 3…ヒンジ機構
4…第2基部 5…揺動機構
6…本体部 7a,7b…第1,第2ダイス
70a、70b…基準孔 71a、71b…基準面
8a,8b…第1,第2パンチ保持部材
9a,9b…第1,第2パンチ 10a,10b…第1,第2駆動手段

Claims (3)

  1. 固定状態に保持された被加工部材の被加工面に孔開け加工をする孔開け装置であって、
    基台と、
    該基台にフローティング機構を介して左右方向に往復動可能に保持されると共に、該フローティング機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される基部と、
    該基部に揺動機構を介して左右方向に揺動可能に保持されると共に、該揺動機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される本体部と、
    該本体部に設けられ、左右方向に延在する孔開け加工用の基準孔及び該基準孔の軸方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に該被加工面に当接する基準面をもつダイスと、
    該本体部に往復動可能又は揺動可能に保持されたパンチ保持部材と、
    該パンチ保持部材に設けられ、該パンチ保持部材の往復動又は揺動により該基準孔に出入りするパンチと、
    該パンチ保持部材を往復動又は揺動させる駆動手段と、
    からなることを特徴とする孔開け装置。
  2. 固定状態に保持された被加工部材の被加工面に孔開け加工をする孔開け装置であって、
    基台と、
    該基台にフローティング機構を介して左右方向に往復動可能に保持されると共に、該フローティング機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される基部と、
    該基部にヒンジ機構を介して水平方向に自転可能に保持されると共に、該ヒンジ機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、水平方向の中立位置に保持される本体部と、
    該本体部に設けられ、左右方向に延在する孔開け加工用の基準孔及び該基準孔の軸方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に該被加工面に当接する基準面をもつダイスと、
    該本体部に往復動可能又は揺動可能に保持されたパンチ保持部材と、
    該パンチ保持部材に設けられ、該パンチ保持部材の往復動又は揺動により該基準孔に出入りするパンチと、
    該パンチ保持部材を往復動又は揺動させる駆動手段と、
    からなることを特徴とする孔開け装置。
  3. 固定状態に保持された被加工部材の被加工面に孔開け加工をする孔開け装置であって、
    基台と、
    該基台にフローティング機構を介して左右方向に往復動可能に保持されると共に、該フローティング機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される第1基部と、
    該第1基部にヒンジ機構を介して水平方向に自転可能に保持されると共に、該ヒンジ機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、水平方向の中立位置に保持される第2基部と、
    該第2基部に揺動機構を介して左右方向に揺動可能に保持されると共に、該揺動機構に備わる左右一対のばね部材の付勢力によって、外力が作用していない自然状態において、左右方向の中立位置に保持される本体部と、
    該本体部に設けられ、左右方向に延在する孔開け加工用の基準孔及び該基準孔の軸方向に対して垂直に延在し孔開け加工時に該被加工面に当接する基準面をもつダイスと、
    該本体部に往復動可能又は揺動可能に保持されたパンチ保持部材と、
    該パンチ保持部材に設けられ、該パンチ保持部材の往復動又は揺動により該基準孔に出入りするパンチと、
    該パンチ保持部材を往復動又は揺動させる駆動手段と、
    からなることを特徴とする孔開け装置。
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