JP4333387B2 - スティック形点火コイル - Google Patents
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Description
(1)本願の第1発明によるスティック形点火コイルは、請求項1に記載したように、 コイル部10と制御部45とから成り、制御部45の回路ケース46をコイル部10の一端部に圧入し嵌合すると共に内部に絶縁樹脂を充填してなるスティック形点火コイルであって、コイル部10は中心コア11と;中心コア11の外周側に配置されそれぞれ絶縁性のスプールとその外周面に巻かれた巻線とを含む2次コイル14及び1次コイル17と;外周側の前記スプールの一端部の外周面に形成された環状突起21に圧入された環状部材30と;外周側の巻線及び環状部材30に装着された収縮チューブ35と;環状部材30の外周面に圧入され環状突起21と共同してシール性を保持する筒状部材40と;から成り、回路ケース46の内周面に筒状部材40が圧入されている。
(2)本願の第2発明によるスティック形点火コイルは、請求項5に記載したように、コイル部と制御部とから成り、制御部45の回路ケース46をコイル部10の一端部に圧入し嵌合すると共に内部に絶縁樹脂を充填してなるスティック形点火コイルであって、コイル部10は中心コア11と;中心コア11の外周側に配置されそれぞれ絶縁性のスプールとその外周面に巻かれた巻線とを含む2次コイル14及び1次コイル17と;外周側に位置する巻線に装着された薄膜状の円筒部材70と;外周側のスプールの一端部の外周面に形成された環状突起21に圧入され、環状突起21と共同してシール性を保持する筒状部材60と;から成り、回路ケース46の内周面に筒状部材40が圧入されている。
(2)第2発明にかかるスティック形点火コイルによれば、コイル部のコイル収容部分を薄膜状の円筒部材で構成したのでコイル部が細径化され、またコイル部と制御部の回路ケースとを筒状部材を介して結合したので両者の結合強度が向上する。1次巻線の引出し部を筒状部材で保持したので、保持部が不要な外周側スプールの上端部の外形を小さくできる。
本発明の点火コイルは少なくともコイル部と制御部とから成る。このうち、コイル部は中心コアと、その外周側の2次コイル及び1次コイルと、外周側スプールの外周側の環状部材と、外周側巻線及び環状部材を覆う収縮チューブと、外周側コイル及び環状部材の外周側の筒状部材とを含む。制御部はコイル部を制御する部分で、回路ケース、その中に収容されたイグナイタ、ターミナル等を含む。
<1次コイル、2次コイル>
イグナイタにより1次コイルを流れる電流が遮断され、それに伴い2次コイルに高電圧が発生する。1次コイルは絶縁性で円筒形状の1次スプール上に1次巻線が巻かれて成り、2次コイルは同じく絶縁性で円筒形状の2次スプールに2次巻線が巻かれて成る。点火コイルの半径方向において、2次コイルが内周側で1次コイルが外周側でも良いし、その反対に1次コイルが内周側で2次コイルが外周側でも良い。
<環状部材>
環状部材(補強リング)は所定の内径、外径及び長さを持ち、内径及び外径は全長にわたって一定でも良いし、二つ以上の寸法が異なる部分から成っても良く、外周側スプールの一方の環状突起の外周面に圧入される。また、環状部材はその内周面上の所定位置に、上記外周側スプールの一方の位置決め用くぼみに係合する少なくとも一つの位置決め用突起を持つことができる。位置決め突起は、例えば直径方向で対向する位置に形成され開口縁から軸方向に延び、一定の円周方向長さ及び一定の軸方向長さを持つ一対の突起とすることができる。
<収縮チューブ>
収縮チューブは絶縁性で、環状部材の一部及び外周側巻線の全てを覆い、装着状態では円筒形状を持つ。環状部材等を覆った状態で加熱されることにより収縮し、環状部材等に密着したものである。厚さは0.1mmから0.3mmの範囲で選択できる。
<筒状部材>
筒状部材(サブアッシ)は、全体として円筒形状又は円環形状を持ち、環状部材に圧入され、主に二つの機能を持つ。第1の機能は外周側巻線の引出し部を保持することであり、そのために保持金具を持つことができる。第2の機能は、コイル部と制御部の回路ケースとの結合を仲介することである。そのためには軸方向に所定長さを持ち、内周面は環状部材への圧入に適した形状、寸法を持ち、外周面は回路ケースの圧入に適した形状、寸法を持つ。
<薄膜状の円筒部材>
薄膜状の円筒部材は外周側コイルと筒状部材との間に介在され、上記環状部材や収縮チューブと同等の機能を持ち、これらの代わりに配置されるものである。よって、この薄膜状の円筒部材を介在させるときは収縮チューブは省略することができる。
<実施例>
(構成)
図1に示すように、この点火コイルは軸方向中間部のコイル部10と、下端の高圧タワー部(不図示)と、上部の制御部45とから成る。
(イ)コイル部
コイル部10は中心コア11、中心コアの上下端の磁石12、中心コア11の外周側の2次コイル14及び1次コイル17、その外周側の収縮チューブ35及び外周コア37、補強リング30及びサブアッシ40を含む。尚、磁石12は中心コア11の中央1個でも良い。
(ロ)制御部
制御部45の回路ケースとしての上部ケース46が収容部47、コネクタ部48及び結合部49とを備えている。箱形状の収容部47内にイグナイタ51が配置され、収容部47の一側から延びたコネクタ部48内にターミナル52が設置され、イグナイタ51及び1次巻線19に接続されている。収容部47にはイグナイタ51の回りに絶縁樹脂(不図示)が充填されている。収容部47の下面から延びた結合部49は円筒形状を持ち、その内周面は上記サブアッシ40の外周面に圧入され密接に嵌合している。
(組立て方法)
以下、上記スティック形点火コイルの組立てについて説明する。組立ての際は、別々に準備したコイル部10の2次コイル14及び1次コイル17等と制御部45とをサブアッシ40を介して結合する。
(イ)コイルの組付け
コイル部10の準備時は、その外周面に1次巻線19が巻かれた1次スプール18の上方つば部20及び下方つば部21に補強リング30を圧入する。その際、上方つば部20及び下方つば部21の一対のくぼみ22及び23の側面に、補強リング30の一対の突起31及び33の側面が当接することにより、補強リング30は1次スプール18に対して円周方向で所定位置に位置決めされる。また、下方つば部21の上面に一対の突起31及び33の下面が当接することにより、補強リング30は1次スプール18に対して軸方向で所定位置に位置決めされる。
(ロ)制御部の組付け
続いて、サブアッシ40を利用して、コイル部10に制御部45を組み付ける。即ち、1次スプール18の上端側部分20に組み付けた補助リング30にサブアッシ40を圧入すると、中間部42の内周面が補強リング30の外周面に圧入される。下端部43は外周コア37の上端部の外周側に位置する。次に、サブアッシ40の外周側に上部ケース46の結合部49を組付ける。次に、上部ケース46の開口部よりイグナイタ51を組付け、1次巻線19の引出し部とイグナイタ51やターミナル52とを接続する。
(効果)
この実施例によれば、以下の効果が得られる。第1に、コイル部10の細径化を達成しつつ、コイル部10と制御部45とをしっかり結合できる。コイル部10が細径化できたのは、1次コイル17の1次巻線19の外周面を膜厚が薄い収縮チューブ35で覆ったからである。コイル部10と制御部45とがしっかり結合できたのは、補強リング30及びサブアッシ40を介して両者を結合したからである。
<変形例>
上記実施例の変形例を図5に示す。この変形例では上記サブアッシ40を変形し、補助リング30を廃止し、収縮チューブ35の代わりに薄膜状の円筒部材70を使用している。上記1次スプール18の上方つば部(不図示)と下方つば部21の外周面とサブアッシ40の内周面との間に薄膜状の円筒部材70が介在され、1次巻線19へのエポキシ洩れを防止している。その他の構成は基本的に実施と同じである。
17:1次コイル 18:1次スプール
19:1次巻線 20、21:環状突起
22,23:くぼみ 24,25:切欠き
30:補強リング 31,33:突起
35:収縮チューブ 40:サブアッシ
45:制御部 46:上部ケース
70:薄膜状の円筒部材
Claims (5)
- コイル部と制御部とから成り、該制御部の回路ケースを前記コイル部の一端部に圧入し嵌合すると共に内部に絶縁樹脂を充填してなるスティック形点火コイルであって、
該コイル部は
中心コアと、
前記中心コアの外周側に配置されそれぞれ絶縁性のスプールとその外周面に巻かれた巻線とを含む2次コイル及び1次コイルと、
外周側の前記スプールの一端部の外周面に形成された環状突起に圧入された環状部材と、
外周側の前記巻線及び前記環状部材に装着された収縮チューブと、
前記環状部材の外周面に圧入され該環状突起と共同してシール性を保持する筒状部材と、から成り、
前記回路ケースの内周面に前記筒状部材が圧入されていることを特徴とするスティック形点火コイル。 - 外周側の前記スプールの前記環状突起に位置決め用くぼみが形成されている請求項1に記載のスティック形点火コイル。
- 前記環状部材の内周面に前記位置決め用くぼみに係合する位置決め用突起が形成されている請求項2に記載のスティック形点火コイル。
- 外周側の前記スプールの一端部の外周面は前記位置決め用くぼみから円周方向に離れた部分に、外周側の前記巻線の引出し部を配回しする切欠きが形成されている請求項3に記載のスティック形点火コイル。
- コイル部と制御部とから成り、該制御部の回路ケースを前記コイル部の一端部に圧入し嵌合すると共に内部に絶縁樹脂を充填してなるスティック形点火コイルであって、
該コイル部は
中心コアと、
前記中心コアの外周側に配置されそれぞれ絶縁性のスプールとその外周面に巻かれた巻線とを含む2次コイル及び1次コイルと、
外周側の前記巻線に装着された薄膜状の円筒部材と、
外周側の前記スプールの一端部の外周面に形成された環状突起に圧入され、該環状突起と共同してシール性を保持する筒状部材と、
から成り、
前記回路ケースの内周面に前記筒状部材が圧入されていることを特徴とするスティック形点火コイル。
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