JP4333063B2 - 軸受部品の研削加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受部品の研削加工方法に係り、特に、ニードル軸受の軌道輪や転動体、保持器等を研削加工する際に好適な軸受部品の研削加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ニードル軸受の軌道輪や転動体、保持器などの軸受部品はSUJ2等の金属から形成されており、これらの軸受部品から構成されるニードル軸受は、熱処理時のスケールやバリなどの異物を除去するために、軸受部品の表面をバレル研磨機により研削加工してから組み立てられるのが一般的である。
【0003】
しかし、軸受部品の表面を研削加工する場合、従来は、軸受部品の表面を研削する砥粒として、酸化アルミナ(Al2O3)、酸化ケイ素(Si2O3)等のセラミック系砥粒を使用しているため、研削加工後の洗浄処理が不十分である場合には、軸受部品の表面(例えば軌道輪の軌道面や転動体の表面など)にセラミック系砥粒が残留することがある。
【0004】
この場合、軸受の使用環境が潤滑条件の良好な環境下では残留砥粒の影響を大きく受けることはないが、カーエアコン用コンプレッサや自動変速機用プラネタリユニットなどのように十分な油膜が形成され難い環境下では軸受部品同士が金属接触するため、軸受部品の表面に残留した砥粒によって軸受部品が異常摩耗し、軸受の焼付き等に至ることが懸念される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、軸受部品の表面を研削加工する場合、従来は、軸受部品の表面を研削する砥粒として、セラミック系の砥粒を使用していた。このため、研削加工後の洗浄処理が不十分である場合には、軸受部品の表面に砥粒が異物として残留し、軸受部品の表面に残留する砥粒によって軸受部品に異常摩耗やフレーキング等が発生し、軸受の焼付き等に至る虞があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軸受部品の表面に残留する砥粒の影響を低減することのできる軸受部品の研削加工方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る軸受部品の研削加工方法は、金属からなるスラストレース、転動体および保持器を備えた、ニードル軸受を構成する軸受部品の表面を砥粒により研削加工する際に、前記軸受部品の母材よりも硬さの低い砥粒を用い少なくともバレル研磨、ショットブラストおよびショットピーニングのうちの一つによって前記軸受部品の表面を研削加工し、これにより、前記ニードル軸受が熱処理されるときに生じたスケールやバリを除去することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る軸受部品の研削加工方法によると、砥粒の硬さが軸受部品の母材よりも低いため、研削加工後の洗浄処理で砥粒が完全に除去されず、軸受部品の表面に砥粒が残留しても使用時には残留砥粒が例えば軌道輪と転動体との間に噛み込まれて押し潰される。従って、軸受部品の表面に砥粒が残留しても軸受部品の母材よりも硬い異物として存在しなくなるので、軸受部品の表面に残留する砥粒の影響を低減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はスラストニードル軸受の部分断面図であって、このスラストニードル軸受はスラストレース11、転動体(ころ)12、保持器13等の軸受部品から構成されている。
【0010】
スラストレース11、転動体(ころ)12および保持器13はSUJ2等の金属から形成されており、保持器13には、転動体12を転動自在に保持する複数のポケットがスラストレース11の円周方向に等間隔で形成されている。また、転動体12及びこれと接触する軸受部品の表面(スラストレース11のレース面11a及び保持器13のポケット内面13a等)には、熱処理時のスケールやバリなどを除去するために、軸受部品の母材よりも硬さの低い砥粒(例えばガラスビーズ、金属球等)を用いてバレル研削加工が施されている。
【0011】
このように、スラストニードル軸受の軸受部品をバレル研削加工するときに、軸受部品の母材よりも硬さの低い砥粒を用いて軸受部品の表面を研削加工すると、研削加工後の洗浄工程で砥粒が完全に除去されず、軸受部品の表面に砥粒が残留しても使用時には残留砥粒が例えばスラストレース11と転動体12との間に噛み込まれて押し潰される。従って、軸受部品の表面に砥粒が残留しても軸受部品の母材よりも硬い異物として存在しなくなるので、軸受部品の表面に残留する砥粒の影響を低減することができる。
【0012】
上記の点を確認するために、本発明者は、内径40mm、外径60mm、厚さ5mm(動定格荷重:24000N)のスラストニードル軸受を試験軸受として用い、アキシアル荷重:2000N、ラジアル荷重:0N、回転数:2000min-1、潤滑油:白灯油(PAG=9:1)、試験時間:48時間の条件で転動体の耐摩耗性試験を実施した。そして、試験終了後に各試験軸受の転動体表面を観察した。その観察結果を図2及び図3に示す。
【0013】
図2は砥粒としてガラスビーズ(♯120 直径0.1〜0.2mm程度)を使用した場合の転動体表面の母線形状を示し、図3は砥粒として酸化アルミナを使用した場合の転動体表面の母線形状を示している。
図2及び図3の観察結果からわかるように、砥粒として酸化アルミナを使用した場合は、試験開始から48時間後で転動体12が図中実線の位置まで摩耗した。これに対し、砥粒としてガラスビーズを使用した場合は、砥粒として酸化アルミナを使用した場合に比べて転動体12の摩耗が大幅に改善されていることがわかる。
【0014】
このことから、金属製軸受部品の表面を研削加工する際に、軸受部品の母材よりも硬さの低い砥粒を使用して軸受部品の表面を研削加工することにより、砥粒の硬さが軸受部品の母材よりも低いため、研削加工後の洗浄処理で砥粒が完全に除去されず、軸受部品の表面に砥粒が残留しても使用時には残留砥粒が例えば軌道輪と転動体との間に噛み込まれて押し潰される。従って、軸受部品の表面に砥粒が残留しても軸受部品の母材よりも硬い異物として存在しなくなるので、軸受部品の表面に残留する砥粒の影響を低減することができる。
【0015】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではない。たとえば、上述した実施例では軸受部品の表面を研削する砥粒としてガラスビーズを使用したが、軸受部品母材よりも硬さの小さい金属球(直径:直径1mm程度)を砥粒として使用してもよい。また、上述した実施例では軸受部品の表面をバレル研削加工すると説明したが、ショットブラスト、ショットピーニングの加工方法で研削加工してもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、軸受部品の表面に砥粒が残留しても軸受部品の母材よりも硬い異物として存在しなくなるので、軸受部品の表面に残留する砥粒の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラストニードル軸受の部分断面図である。
【図2】砥粒としてガラスビーズを使用した場合の転動体表面の母線形状を示す図である。
【図3】砥粒として酸化アルミナを使用した場合の転動体表面の母線形状を示す図である。
【符号の説明】
11 スラストレース
11a レース面
12 転動体
13 保持器
13a ポケット内面
Claims (3)
- 金属からなるスラストレース、転動体および保持器を備えた、ニードル軸受を構成する軸受部品の表面を砥粒により研削加工する際に、前記軸受部品の母材よりも硬さの低い砥粒を用い少なくともバレル研磨、ショットブラストおよびショットピーニングのうちの一つによって前記軸受部品の表面を研削加工し、これにより、前記ニードル軸受が熱処理されるときに生じたスケールやバリを除去することを特徴とする軸受部品の研削加工方法。
- 前記軸受部品の表面をバレル研磨により研削加工することを特徴とする請求項1記載の軸受部品の研削加工方法。
- 前記軸受部品の表面をショットブラストにより研削加工することを特徴とする請求項1記載の軸受部品の研削加工方法。
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