JP2007155021A - ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】エッジロードの発生し易い環境下で使用された場合であっても、寿命の長いころ軸受を提供する。
【解決手段】円筒ころ軸受において、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を、0.005μm以上0.14μm以下とするとともに、転動面3aの直線部3Aの長さをLsとし、内輪軌道面1aの軸方向長さをbとした場合に、内輪軌道面1aの軸方向端面から0≦r≦(b−Ls)を満たす長さrまでの表面粗さ(Ra)を、0.01μm以上0.15μm以下とする。
【選択図】図1
【解決手段】円筒ころ軸受において、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を、0.005μm以上0.14μm以下とするとともに、転動面3aの直線部3Aの長さをLsとし、内輪軌道面1aの軸方向長さをbとした場合に、内輪軌道面1aの軸方向端面から0≦r≦(b−Ls)を満たす長さrまでの表面粗さ(Ra)を、0.01μm以上0.15μm以下とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ころ軸受に関する。
自動車、工作機械、一般産業機械、鉄鋼設備等で使用される転がり軸受としては、円筒ころや円錐ころを転動体として備えたころ軸受を用いることが知られている。
ころ軸受では、内外輪の軌道面ところの転動面とが線接触状態で使用されるため、玉軸受と比べて、転がり面に作用する面圧や軸受部材の内部に作用する剪断応力が小さい。このため、異物が混入されずに、油膜が十分に形成された清浄環境下で使用されるころ軸受においては、転動部材をなす鋼中の非金属介在物を起点とする内部起点型の剥離が生じ難いことが知られている。
ころ軸受では、内外輪の軌道面ところの転動面とが線接触状態で使用されるため、玉軸受と比べて、転がり面に作用する面圧や軸受部材の内部に作用する剪断応力が小さい。このため、異物が混入されずに、油膜が十分に形成された清浄環境下で使用されるころ軸受においては、転動部材をなす鋼中の非金属介在物を起点とする内部起点型の剥離が生じ難いことが知られている。
しかしながら、ころ軸受では、組み立て時のミスアライメント等により、その転がり面の軸方向両端部に過大接触圧力(エッジロード)が発生すると、寿命が短くなることが知られている。このため、エッジロードを発生し難くするために、内外輪の軌道面又はころの転動面に、それらの母線の形状が王冠(クラウン)状となるように曲率又はテーパを持たせたクラウニングを形成することが一般的に行われている。
非特許文献1では、クラウニングの形状を、下記式(1)で示される所謂対数クラウニングとすることが提案されている。
非特許文献1では、クラウニングの形状を、下記式(1)で示される所謂対数クラウニングとすることが提案されている。
但し、上記式(1)中δは接触二物体(ころと内外輪)のクラウニング落ち量の和であり、同様にwは接触荷重、Le は母線方向の有効接触長さ、E1 ,E2 は接触二物体のヤング率、γ1 ,γ2 は接触二物体のポアッソン比で、bはヘルツ接触幅の1/2である。 また、特許文献1では、クラウニングの形状を、複数の円弧を組み合わせたクラウニングや、単独円弧からなるクラウニングや、直線と円弧とを組み合わせたクラウニングとすることにより、ころの転動面に効率よくクラウニングを形成することが提案されている。
さらに、内外輪の軌道面やころの転動面のうち、これらの面が接触する軸方向両端部のみに所謂パーシャルクラウニングを形成することも知られている。
実開平3ー12015号公報
P.MJohnsとR.Gohar著,「Roller bearing under radical and eccentric loads」,TRIBOLOGY International,vol.14,1981年,131〜136頁
しかしながら、上述した非特許文献1に記載のように、対数クラウニングでは、図4に示すように、母線方向の有効接触長さLe に対して、接触部の軸方向中央部の接触圧力を大きくし、軸方向両端部にかけて次第に接触圧力を小さくすることで寿命を長くできるが、クラウニングが少な過ぎるとエッジロードが発生し易く、クラウニングが多過ぎるとクラウニング落ち量が過大となり、母線の実接触長さが不足して短寿命となる場合がある。
また、軸受の組み立て時において、ころの転動面の中心線と内外輪の軌道面の中心線とがずれる等のミスアライメントが生じると、ころと軌道輪とが傾いて接触するため、転動面又は軌道面に上述した非特許文献1に記載の対数クラウニングが施されていた場合であっても、片側端面でエッジロードが発生して、短寿命となる場合がある。
一方、上述した特許文献1には、寿命の長いころ軸受を得るために最適なクラウニング形状が明確に記載されていない。
そこで、本発明は、エッジロードが発生し易い環境下で使用された場合であっても、寿命の長いころ軸受を提供することを課題としている。
一方、上述した特許文献1には、寿命の長いころ軸受を得るために最適なクラウニング形状が明確に記載されていない。
そこで、本発明は、エッジロードが発生し易い環境下で使用された場合であっても、寿命の長いころ軸受を提供することを課題としている。
このような課題を解決するために、本発明は、互いに対向配置される軌道面を有する内輪及び外輪と、この内輪及び外輪の間に配置され、前記軌道面に対する転動面を有するころと、を備え、前記転動面は、前記軌道面と接触する直線部と、その直線部の軸方向両端部に形成されるクラウニング部とを有するころ軸受において、前記クラウニング部の表面粗さ(Ra)は、0.005μm以上0.14μm以下であるとともに、前記転動面の前記直線部の長さをLsとし、前記軌道面の軸方向長さをbとした場合に、前記軌道面の軸方向端面から0≦r≦(b−Ls)を満たす長さrまでの表面粗さ(Ra)は、0.01μm以上0.15μm以下であることを特徴とするころ軸受を提供する。
本発明者は、エッジロードに起因する剥離に対して鋭意検討を重ねた結果、エッジロードが発生した場合には、内部起点型の剥離ではなく、表面に微小な亀裂が多数現れるピーリングに類似した表面起点型の剥離が生じていることを見出した。
すなわち、軸受組み立て時のミスアライメント等によりエッジロードが発生した場合、荷重が加わる領域でころと内外輪間との間では、転がり接触ではなくすべり接触となる。また、ころのクラウニングを設けた部分は曲率を持っていることから、クラウニングが内外輪と接触すると差動すべりが生じる。本発明者は、これらのすべりが大きくなって、転がり面に作用する接線力が大きくなることにより、表面起点型の剥離が生じていることを見出した。
すなわち、軸受組み立て時のミスアライメント等によりエッジロードが発生した場合、荷重が加わる領域でころと内外輪間との間では、転がり接触ではなくすべり接触となる。また、ころのクラウニングを設けた部分は曲率を持っていることから、クラウニングが内外輪と接触すると差動すべりが生じる。本発明者は、これらのすべりが大きくなって、転がり面に作用する接線力が大きくなることにより、表面起点型の剥離が生じていることを見出した。
また、転がり面に作用する接線力が小さいと、接線力の影響で最大剪断応力位置が表面に近くなり、転動部材の内部に作用する剪断応力が大きくなって内部起点型の剥離が生じ易いが、転がり面に作用する接線力が大きくなると、表面起点型の剥離が生じ易くなることも見出した。
そこで、本発明者は、転がり面に作用する接線力を小さくするための手段として、転がり面の表面粗さ(Ra)に着目し、本発明をなすに至った。
そこで、本発明者は、転がり面に作用する接線力を小さくするための手段として、転がり面の表面粗さ(Ra)に着目し、本発明をなすに至った。
本発明によれば、ころの転動面に形成されるクラウニング部の表面粗さ(Ra)を0.005μm以上0.14μm以下とし、軌道面のクラウニング部との対向面となる軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を0.01μm以上0.15μm以下とすることにより、ころと軌道輪との間の転がり面に作用する接線力を抑制できるため、表面起点型の剥離を生じ難くできる。よって、エッジロードが発生し易い環境下で使用された場合であっても、ころ軸受の寿命を長くできる。
以下、本発明の数値限定について説明する。
<ころのクラウニング部の表面粗さRa:0.005μm以上0.14μm以下>
接触する二物体間の表面粗さを小さくする程、摩擦係数が小さくなり、二物体間に作用する接線力が小さくなるため、表面起点型の剥離を生じ難くできる。
特に、ころのクラウニング部では、エッジロードが発生した場合に、ころのクラウニング部で差動すべりが生じたり、内外輪の軌道面とすべり接触が生じるため、その表面粗さを小さくすることが好ましい。よって、エッジロードに起因する表面起点型の剥離を生じ難くするために、ころのクラウニング部の表面粗さ(Ra)は、0.14μm以下、好ましくは0.10μm以下、より好ましくは0.05μm以下とする。
一方、ころのクラウニング部の表面粗さを小さくする程、油膜厚さに対する粗さの山が小さくなるため、金属接触が起こり難く、摩擦係数が小さくなるが、摩擦係数の低減効果と表面粗さを調節するコストとを考慮して、クラウニング部の表面粗さ(Ra)は0.005μm以上とする。
<ころのクラウニング部の表面粗さRa:0.005μm以上0.14μm以下>
接触する二物体間の表面粗さを小さくする程、摩擦係数が小さくなり、二物体間に作用する接線力が小さくなるため、表面起点型の剥離を生じ難くできる。
特に、ころのクラウニング部では、エッジロードが発生した場合に、ころのクラウニング部で差動すべりが生じたり、内外輪の軌道面とすべり接触が生じるため、その表面粗さを小さくすることが好ましい。よって、エッジロードに起因する表面起点型の剥離を生じ難くするために、ころのクラウニング部の表面粗さ(Ra)は、0.14μm以下、好ましくは0.10μm以下、より好ましくは0.05μm以下とする。
一方、ころのクラウニング部の表面粗さを小さくする程、油膜厚さに対する粗さの山が小さくなるため、金属接触が起こり難く、摩擦係数が小さくなるが、摩擦係数の低減効果と表面粗さを調節するコストとを考慮して、クラウニング部の表面粗さ(Ra)は0.005μm以上とする。
<軌道面の軸方向両端部の表面粗さRa:0.01μm以上0.15μm以下>
接触する二物体間に作用する接線力を小さくするためには、一つの物体の表面粗さを小さくするよりも、二つの物体の表面粗さを小さくすることが好ましい。よって、ころのクラウニング部の表面粗さに加えて、軌道面のクラウニング部との対向面となる軸方向両端部の表面粗さも小さくすることが好ましい。
ここで、転動面の直線部の長さをLsとし、軌道面の軸方向長さをbとし、軌道面の軸方向端面からの長さをrとした場合に、ころのクラウニング部と接触する軌道面の領域は、アキシャル隙間とミスアライメントとを考慮して安全側に見積もると、軸方向端面から0≦r≦(b−Ls)を満たす長さrまでの部分であると考えられる。このため、少なくともこの範囲における軌道面の表面粗さ(Ra)は、0.01μm以上0.15μm以下とする。
接触する二物体間に作用する接線力を小さくするためには、一つの物体の表面粗さを小さくするよりも、二つの物体の表面粗さを小さくすることが好ましい。よって、ころのクラウニング部の表面粗さに加えて、軌道面のクラウニング部との対向面となる軸方向両端部の表面粗さも小さくすることが好ましい。
ここで、転動面の直線部の長さをLsとし、軌道面の軸方向長さをbとし、軌道面の軸方向端面からの長さをrとした場合に、ころのクラウニング部と接触する軌道面の領域は、アキシャル隙間とミスアライメントとを考慮して安全側に見積もると、軸方向端面から0≦r≦(b−Ls)を満たす長さrまでの部分であると考えられる。このため、少なくともこの範囲における軌道面の表面粗さ(Ra)は、0.01μm以上0.15μm以下とする。
本発明によれば、ころのクラウニング部の表面粗さ(Ra)を0.005μm以上0.14μm以下とし、軌道面における所定範囲の表面粗さ(Ra)を0.01μm以上0.15μm以下とすることにより、ころと軌道輪との間の転がり面に作用する接線力が抑制されて、表面起点型の早期剥離が生じ難くなる。よって、エッジロードが発生し易い環境下で使用された場合であっても、ころ軸受の寿命を長くできる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
本実施形態では、日本精工株式会社製呼び番号NU308(内径:40mm,外径:90mm,幅:23mm)の円筒ころ軸受を、以下に示す手順で作製した。
この円筒ころ軸受は、図1に示すように、互いに対向配置される軌道面1a,2aを有する内輪1及び外輪2と、この内輪1及び外輪2の間に配置され、軌道面1a,2aに対する転動面3aを有する円筒ころ3と、を備えている。この円筒ころ3の転動面3aは、軌道面1a,2aと接触する直線部3Aと、この直線部3Aの軸方向両端部に形成されたクラウニング部3Bとを有している。
<第1実施形態>
本実施形態では、日本精工株式会社製呼び番号NU308(内径:40mm,外径:90mm,幅:23mm)の円筒ころ軸受を、以下に示す手順で作製した。
この円筒ころ軸受は、図1に示すように、互いに対向配置される軌道面1a,2aを有する内輪1及び外輪2と、この内輪1及び外輪2の間に配置され、軌道面1a,2aに対する転動面3aを有する円筒ころ3と、を備えている。この円筒ころ3の転動面3aは、軌道面1a,2aと接触する直線部3Aと、この直線部3Aの軸方向両端部に形成されたクラウニング部3Bとを有している。
なお、本実施形態の円筒ころ軸受において、転動面3aの直線部3Aの長さLsは11mmで、内輪軌道面1aの軸方向長さbは15mmである。
内輪1及び外輪2は、以下に示す手順で作製した。
まず、高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)からなる素材を所定形状に加工した。次に、Rxガスを導入した炉内において、830〜850℃で20〜40分間加熱保持することによる焼入れ処理を行った後、160〜180℃で2時間加熱保持することによる焼戻し処理を行った。
内輪1及び外輪2は、以下に示す手順で作製した。
まず、高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)からなる素材を所定形状に加工した。次に、Rxガスを導入した炉内において、830〜850℃で20〜40分間加熱保持することによる焼入れ処理を行った後、160〜180℃で2時間加熱保持することによる焼戻し処理を行った。
次に、内輪軌道面1aにおいて、軸方向端面から長さr=4mm(r=b−Ls)までの部分(以下、「軸方向両端部」と記す。)の表面粗さ(Ra)を、研削条件をコントロールすることにより、0.01〜0.30μmの範囲とした。同様に、外輪軌道面2aの表面粗さ(Ra)を研削により全て0.01μmとした。
円筒ころ3は、以下に示す手順で作製した。
まず、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、上述した内輪1及び外輪2と同様に、焼入れ処理及び焼戻し処理を行った。
次に、円筒ころ3の転動面3aにおける軸方向両端部に、クラウニング加工を施して、曲率半径R=2000の円弧と曲率半径R=1000の円弧の組合せからなるクラウニング部3Bを形成した。
円筒ころ3は、以下に示す手順で作製した。
まず、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、上述した内輪1及び外輪2と同様に、焼入れ処理及び焼戻し処理を行った。
次に、円筒ころ3の転動面3aにおける軸方向両端部に、クラウニング加工を施して、曲率半径R=2000の円弧と曲率半径R=1000の円弧の組合せからなるクラウニング部3Bを形成した。
次に、円筒ころのクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を、研削条件をコントロールすることにより、0.005〜0.300μmの範囲とした。
そして、Taylor Hobson製フォームタリサーフを用いて、内輪軌道面1aにおける軸方向両端部と、円筒ころ3のクラウニング部3Bとの表面粗さ(Ra)をそれぞれ4箇所で測定して、各表面粗さ(Ra)の平均値を算出した。この結果を、表1に併せて示す。
そして、Taylor Hobson製フォームタリサーフを用いて、内輪軌道面1aにおける軸方向両端部と、円筒ころ3のクラウニング部3Bとの表面粗さ(Ra)をそれぞれ4箇所で測定して、各表面粗さ(Ra)の平均値を算出した。この結果を、表1に併せて示す。
このようにして得られた内輪1、外輪2、及び円筒ころ3を用いて、表1に示すNo.1〜No.8の円筒ころ軸受を組み立てた後、エッジロードが発生し易い環境下で寿命試験を行った。この試験は、転がり面1a,2a,3aに強制的にエッジロードを発生させるために、軸とハウジングとの間に一定の傾斜を設けた状態で内輪1を回転させることで行った。そして、円筒ころ軸受の振動が初期振動値の2倍になるまでの回転時間を寿命として、ワイブル分布関数に基づくL10寿命を算出し、No.5の寿命を1とした時の比を表1に併せて示した。
<寿命試験条件>
回転速度:3000min-1
試験荷重:24kN
潤滑剤:V68G潤滑油を連続供給
軸とハウジングとの間の傾斜:18/10000rad
<寿命試験条件>
回転速度:3000min-1
試験荷重:24kN
潤滑剤:V68G潤滑油を連続供給
軸とハウジングとの間の傾斜:18/10000rad
表1に示すように、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を0.005〜0.140μmとし、内輪軌道面における軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を0.01〜0.15μmとしたNo.1〜No.4では、それ以外のNo.5〜No.8と比べて、長寿命が得られた。
<第2実施形態>
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様の円筒ころ軸受を、以下に示す手順で作製した。なお、本実施形態の円筒ころ軸受において、転動面3aの直線部3Aの長さLsは11mmで、内輪軌道面1aの軸方向長さbは15mmとした。
内輪1及び外輪2は、以下に示す手順で作製した。
まず、上述した第1実施形態と同様に、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、焼入れ処理及び焼戻し処理を行った。
次に、内輪軌道面1aにおいて、軸方向端面から長さr=4mm(r=b−Ls)までの軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を、研削により全て0.1μmとした。同様に、外輪軌道面2aの表面粗さ(Ra)を研削により全て0.1μmとした。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様の円筒ころ軸受を、以下に示す手順で作製した。なお、本実施形態の円筒ころ軸受において、転動面3aの直線部3Aの長さLsは11mmで、内輪軌道面1aの軸方向長さbは15mmとした。
内輪1及び外輪2は、以下に示す手順で作製した。
まず、上述した第1実施形態と同様に、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、焼入れ処理及び焼戻し処理を行った。
次に、内輪軌道面1aにおいて、軸方向端面から長さr=4mm(r=b−Ls)までの軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を、研削により全て0.1μmとした。同様に、外輪軌道面2aの表面粗さ(Ra)を研削により全て0.1μmとした。
円筒ころ3は、以下に示す手順で作製した。
まず、上述した第1実施例と同様に、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、焼入れ処理及び焼戻し処理と、クラウニング加工とを施して、上述と同様のクラウニング部3Bを形成した。
次に、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を、研削条件をコントロールすることにより、0.005〜0.30μmの範囲とした。
このようにして得られた内輪1、外輪2、及び円筒ころ3を用いて、円筒ころ軸受を組み立てた後、上述した第1実施形態と同様の寿命試験を行った。
まず、上述した第1実施例と同様に、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、焼入れ処理及び焼戻し処理と、クラウニング加工とを施して、上述と同様のクラウニング部3Bを形成した。
次に、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を、研削条件をコントロールすることにより、0.005〜0.30μmの範囲とした。
このようにして得られた内輪1、外輪2、及び円筒ころ3を用いて、円筒ころ軸受を組み立てた後、上述した第1実施形態と同様の寿命試験を行った。
そして、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)が0.30μmの時の寿命を1とした時の比を算出して、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さと、寿命との関係を示す図2のグラフを作成した。
図2に示すように、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さを0.005μm以上で0.15μmよりも小さくすると、クラウニング部3Bの表面粗さが0.30μmの時よりも長寿命が得られ、0.10μm以下とすると0.30μmの時の寿命の4倍以上となっていることが分かる。
図2に示すように、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さを0.005μm以上で0.15μmよりも小さくすると、クラウニング部3Bの表面粗さが0.30μmの時よりも長寿命が得られ、0.10μm以下とすると0.30μmの時の寿命の4倍以上となっていることが分かる。
<第3実施形態>
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様の円筒ころ軸受を、以下に示す手順で作製した。なお、本実施形態の円筒ころ軸受において、転動面3aの直線部3Aの長さLsは11mmで、内輪軌道面1aの軸方向長さbは15mmとした。
内輪1及び外輪2は、以下に示す手順で作製した。
まず、上述した第1実施形態と同様に、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、焼入れ及び焼戻しを行った。
次に、内輪軌道面1aにおいて、軸方向端面からの長さrが4mm(r=b−Ls)までの軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を、研削条件をコントロールすることにより、0.01〜0.30μmの範囲とした。同様に、外輪軌道面2aの表面粗さ(Ra)を、研削により全て0.1μmとした。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様の円筒ころ軸受を、以下に示す手順で作製した。なお、本実施形態の円筒ころ軸受において、転動面3aの直線部3Aの長さLsは11mmで、内輪軌道面1aの軸方向長さbは15mmとした。
内輪1及び外輪2は、以下に示す手順で作製した。
まず、上述した第1実施形態と同様に、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、焼入れ及び焼戻しを行った。
次に、内輪軌道面1aにおいて、軸方向端面からの長さrが4mm(r=b−Ls)までの軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を、研削条件をコントロールすることにより、0.01〜0.30μmの範囲とした。同様に、外輪軌道面2aの表面粗さ(Ra)を、研削により全て0.1μmとした。
円筒ころ3は、以下に示す手順で作製した。
まず、上述した第1実施形態と同様に、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、焼入れ及び焼戻しとクラウニング加工を施して、上述した第1実施形態と同様のクラウニング部3Bを形成した。次に、クラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を、研削により、全て0.1μmとした。
まず、上述した第1実施形態と同様に、SUJ2からなる素材を所定形状に加工した後、焼入れ及び焼戻しとクラウニング加工を施して、上述した第1実施形態と同様のクラウニング部3Bを形成した。次に、クラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を、研削により、全て0.1μmとした。
このようにして得られた内輪1、外輪2、及び円筒ころ3を用いて、円筒ころ軸受を組み立てた後、上述した第1実施形態と同様の寿命試験を行った。
そして、内輪軌道面1aにおいて軸方向両端部の表面粗さ(Ra)が0.4μmの時の寿命を1とした時の比を算出して、内輪軌道面1aにおける軸方向両端部の表面粗さ(Ra)と、寿命との関係を示す図3のグラフを作成した。
そして、内輪軌道面1aにおいて軸方向両端部の表面粗さ(Ra)が0.4μmの時の寿命を1とした時の比を算出して、内輪軌道面1aにおける軸方向両端部の表面粗さ(Ra)と、寿命との関係を示す図3のグラフを作成した。
図3に示すように、内輪軌道面1aにおける軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を0.01μm以上0.15μm以下とすると、内輪軌道面1aにおける軸方向両端部の表面粗さ(Ra)が0.4μmの時の3倍以上の寿命が得られていることが分かる。
以上の結果より、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を0.005〜0.14μmとし、内輪軌道面1aにおける軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を0.01〜0.15μmとすることにより、エッジロードが発生し易い環境下で使用された場合であっても、円筒ころ軸受の寿命を長くできることが確認できた。
以上の結果より、円筒ころ3のクラウニング部3Bの表面粗さ(Ra)を0.005〜0.14μmとし、内輪軌道面1aにおける軸方向両端部の表面粗さ(Ra)を0.01〜0.15μmとすることにより、エッジロードが発生し易い環境下で使用された場合であっても、円筒ころ軸受の寿命を長くできることが確認できた。
なお、本実施形態では、外輪軌道面2aの全面において表面粗さ(Ra)を本発明範囲(0.01μm以上0.15μm以下)としたが、これに限らず、転動面3aの直線部3Aの長さをLsとし、外輪軌道面2aの軸方向長さをbとし、外輪軌道面2aの軸方向端面からの長さをrとした場合に、外輪軌道面2aの軸方向端面から0≦r≦(b−Ls)を満たす長さrまでの表面粗さ(Ra)のみを本発明範囲としてもよい。
また、本実施形態では、ころ軸受の一例として円筒ころ軸受について説明したが、これに限らず、本発明を円錐ころ軸受に適用してもよい。
また、本実施形態では、ころ軸受の一例として円筒ころ軸受について説明したが、これに限らず、本発明を円錐ころ軸受に適用してもよい。
1 内輪
1a 内輪軌道面
2 外輪
2a 外輪軌道面
3 円筒ころ
3a 転動面
3A 直線部
3B クラウニング部
b 軌道面の軸方向長さ
Ls 転動面の直線部の長さ
r 軌道面の軸方向端面からの長さ
1a 内輪軌道面
2 外輪
2a 外輪軌道面
3 円筒ころ
3a 転動面
3A 直線部
3B クラウニング部
b 軌道面の軸方向長さ
Ls 転動面の直線部の長さ
r 軌道面の軸方向端面からの長さ
Claims (1)
- 互いに対向配置される軌道面を有する内輪及び外輪と、この内輪及び外輪の間に配置され、前記軌道面に対する転動面を有するころと、を備え、前記転動面は、前記軌道面と接触する直線部と、その直線部の軸方向両端部に形成されるクラウニング部とを有するころ軸受において、
前記クラウニング部の表面粗さ(Ra)は、0.005μm以上0.14μm以下であるとともに、
前記転動面の前記直線部の長さをLsとし、前記軌道面の軸方向長さをbとした場合に、前記軌道面の軸方向端面から0≦r≦(b−Ls)を満たす長さrまでの表面粗さ(Ra)は、0.01μm以上0.15μm以下であることを特徴とするころ軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005351987A JP2007155021A (ja) | 2005-12-06 | 2005-12-06 | ころ軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005351987A JP2007155021A (ja) | 2005-12-06 | 2005-12-06 | ころ軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007155021A true JP2007155021A (ja) | 2007-06-21 |
Family
ID=38239657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005351987A Pending JP2007155021A (ja) | 2005-12-06 | 2005-12-06 | ころ軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007155021A (ja) |
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-
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- 2005-12-06 JP JP2005351987A patent/JP2007155021A/ja active Pending
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