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JP4394187B2 - インク補給具 - Google Patents

インク補給具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばインクジェットプリンタ用のインクカートリッジにインクを補給するためのインク補給具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット方式のプリンタが広く普及してきている。
この種のインクジェットプリンタは、インクを充てんした着脱自在のインクカートリッジを装備し、このインクカートリッジから、インクを印字ヘッドに供給している。
【0003】
インクカートリッジは、充てんしたインクを使い切った時点で基本的に使い捨てされるが、かなりの高価格であり、それを頻繁に交換することはユーザーにとっては経済的な負担が大きい。また近年の、省資源や環境保護の動きに反する行為をすることになるため、ユーザーに無用の罪悪感を抱かせることにもなりかねない。
【0004】
とくにフルカラー用のインクカートリッジは、たとえばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色の、あるいは最近ではそれ以上の多色のインクを、一つのインクカートリッジ内を区切って収容しているために1色ずつのインクの収容量が少ない上に、各色の消費量にどうしてもばらつきを生じるため、消費量の少ないインクがまだ残っているにもかかわらず交換が必要となる場合もあり、より一層、上記の感が強い。
【0005】
しかもインクカートリッジは、収容していたインクが単になくなっただけのものであって、それ自体はまだまだ十分に使用可能な状態にある。
そこで、使い終わったインクカートリッジにインクを補給して再使用することが考えられており、たとえば図5に示すインク補給具9などが一部で市販されている。
【0006】
かかるインク補給具9は、蛇腹状で伸縮自在な合成樹脂製のインク容器91の下部に取り付けた注射針状の注入部材92を、インクカートリッジ6の、製造時にインクの充てんに使用した穴60(通常はフィルムなどを貼って閉じられている)に差し込んだ状態で、図中白矢印で示すようにインク容器91を指で押圧して、インクカートリッジ6内にインクを注入するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
印刷時における、インクカートリッジから印字ヘッドへのインクの供給量を調整したり、あるいはインクカートリッジ内でのインクの自由な移動(波うちなど)やインク漏れを抑制したりするために、図中二点鎖線で示すように、インクをしみこませたフェルト7を内部に詰めたタイプのインクカートリッジ6がある。
【0008】
ところがこのようなタイプのインクカートリッジ6に、前記図のインク補給具9を用いてインクを補給しようとすると、とくにフェルト7が高圧縮されている場合に、補給されたインクが、フェルト7内の空気によって邪魔されて、当該フェルト7内に十分に浸透できずにその上にあふれてしまって、十分な量のインクを補給できないおそれがある。
【0009】
またフェルト7の下の方、つまりインクカートリッジ6の、インクの出口61に近い方には空気が残っているために、上記出口61からインクがすぐに出ない状態になっており、そのようなインクカートリッジ6をインクジェットプリンタに装着して使用を再開した初期の時点で、インク切れの不良などが生じて正しい印刷を行えないといった問題を生じるおそれもある。
【0010】
インク切れの不良は、ヘッドのクリーニングを2〜3回程度、繰り返すことによって解消されるが、クリーニングは主として、多量のインクを吐出することによって行われるため、クリーニングの回数が増えるほどインクの消費量が多くなり、またヘッドの消耗が激しくなってその寿命が通常よりも短くなるという問題を生じる。
【0011】
特開平10-119298号公報には、シリンダと、当該シリンダに抜き挿し自在とされたピストンとを備えた注射器式のインク補給具に、所定量の補給用のインクを充てんした状態で、まずシリンダをインクカートリッジに接続してピストンを引き上げることによってインクカートリッジ内を減圧状態とし、ついでピストンを、インクカートリッジ内外の圧力差によって自動的に、あるいは手によって強制的に押し下げることによって、補給具内のインクをインクカートリッジに補給する補給方法が記載されている。
【0012】
この補給方法を、前述した、高圧縮されたフェルトを詰めたタイプのインクカートリッジに応用すれば、フェルト内の空気の影響を低減できるために、前記のような種々の問題を解消できる可能性がある。
しかし、たとえば空のインク補給具を、別に用意したインク容器に接続してピストンを引き上げることによって、所定量の補給用のインクをインク容器から吸い上げて補給具内に充てんし、ついでこの補給具をインクカートリッジに接続したのち、上記のようにさらにピストンを引き上げてインクカートリッジ内を減圧状態としつつ、補給具内のインクをインクカートリッジに補給する作業にはある程度の習熟と、そしてとくにインク容器からインクを吸い上げる際やインクカートリッジ内を減圧する際にはある程度の力とを要し、誰でも簡単にインク補給ができるというものではない。
【0013】
とくに女性や高齢者などの、こういった器具類の取り扱いに不慣れで、しかも力の弱いユーザーにとってはインク補給は至難の技であり、インクがこぼれて手や衣服や机の上などを汚したり、あるいはインク容器から1回の操作で所定量のインクを吸い上げることができずに、またはインクカートリッジ内を1回の操作で十分に減圧することができずに、何回も同じ操作を繰り返さなければならなかったりするといった問題を生じるおそれがある。
【0014】
そこで、少しでも作業量を少なくしてユーザーの負担を軽減すべく、あらかじめ所定量のインクをインク補給具内に充てんした状態で市場に供することを検討したが、その場合には、ピストンに少しでも力が加わると簡単にインクが漏れてしまうおそれがあるため、補給具の保管、梱包、輸送などの取り扱いが容易でなくなるという新たな問題を生じることが判明した。
【0015】
また、上記のように従来のインク補給具は、ピストンを引き上げて所定量のインクを充てんした状態から、インクカートリッジ内を減圧するためにさらに一定量、ピストンを引き上げねばならないので、シリンダの容積を大きめにとる必要があり、補給するインクの量に比べて補給具が大きくなるという問題もある。
本発明の目的は、作業量を少なく、かつ作業を簡単にしてユーザーの負担を軽減することができ、しかもその保管、梱包、輸送などの取り扱い時にインク漏れが発生するおそれがないため取り扱いが容易である上、従来に比べて小型化が可能な、新規なインク補給具を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明のインク補給具は、シリンダと、当該シリンダに抜き挿し自在とされたピストンとを備えるものであって、上記ピストンに、補給用のインクの所定量を充てんした補給用カートリッジを着脱自在に収容する収容室を設けたことを特徴とする
【0017】
本発明のインク補給具によれば、上記のようにインクは補給用カートリッジに充てんされており、補給具自体にはあらかじめインクを充てんしておく必要がないので、たとえば保管、梱包、輸送などの取り扱いが容易である。
また、上記の補給用カートリッジをピストンの収容室に収容するだけで、補給具へのインクの充てんが完了するので、作業量を少なく、かつ作業を簡単にしてユーザーの負担を軽減することができる。
【0018】
しかも、上記のように補給用カートリッジは、ピストンに設けた収容室内に収容されるので、シリンダは、少なくとも、インクカートリッジ内を減圧するためにピストンを引き上げる分の容積があればよく、したがって従来に比べて補給具の全体を小型化することもできる。
さらに補給用カートリッジは、1回分などの所定量のインクを収容して保存する機能だけを有していればよく、インクカートリッジのように、たとえば多色のインクを収容したり、あるいはインクジェットプリンタに供給するインクの量を制御したりするための複雑な機構を必要としないために、その構造を著しく簡単に、またその大きさを小さく、使用する合成樹脂などの材料の量を少なくすることができる。
【0019】
またインク補給具は、かかる補給用カートリッジさえ交換すれば何度でも使用できる。
よって本発明のインク補給具は、ランニングコストが安価で、しかもインクカートリッジそのものを交換する場合に比べて省資源や環境保護などにも貢献しうるものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を、その実施の形態の一例を示す図面を参照しつつ説明する。
図1および図2にみるように、この例のインク補給具1は、シリンダ2と、当該シリンダ2に抜き挿し自在とされたピストン3と、上記シリンダ2の先端に接続される、インク注入のための注入部材4とを備えた注射器状に形成されている。
【0021】
このうちシリンダ2は、その全体が合成樹脂などで一体に形成されたものであって、一端がピストン3の抜き挿しのための開口21aとされた円筒状の主体部21と、この主体部21の他端を塞ぐ椀状の鏡板22と、この鏡板22の中心部から図では下方に突設された、注入部材4を着脱自在に接続するための、主体部21と同軸の小径円筒状の接続部23とを備えている。
【0022】
なお接続部23は、注入部材4を接続した際の抜け止めとすべく、図では判りにくいが、その外面の途中に、後述するフランジ部41aの内周面と係合して注入部材4を抜け止めするための、僅かに径の大きな係合部23aを備えている。また鏡板22の内側の面(図では上面)には、後述する補給用カートリッジ5内に充てんされた補給用のインクをシリンダ2内に供給すべく、その開口52aを閉じているシールSfを破るための刃状突起24が、上記通孔23bを囲むようにして、上方に向けて突設されている。
【0023】
ピストン3は、やはりその全体が合成樹脂などで一体に形成された、内部が補給用カートリッジ5の収容室30とされた円筒状の主体部31と、当該主体部31の一端(図では上端)の、補給用カートリッジ5を出し入れするための開口31aを塞いで収容室30に収容された補給用カートリッジ5を固定するための、これもその全体が合成樹脂などで一体に形成された、上記主体部31と同径の円柱状の蓋体32とを備えている。
【0024】
両者は、主体部31の開口31aの内周面に形成した雌ねじ部31bと、蓋体32の一端(図では下端)に形成した雄ねじ部32aとの螺合によって互いに着脱自在とされている。 上記のうち主体部31の、開口31aが形成された側と反対側の一端(図では下端)には、補給用カートリッジ5の、前記のようにシールSfで閉じられた開口52aを外部に露出させるための、収容室30の内径よりも小径の開口31cが設けられているとともに、その外周には、2本の溝31d、31dが形成されており、この溝31d、31dにそれぞれ、シリンダ2とピストン3との間の気密を維持しつつ両者を摺動させるための、ゴムや軟質樹脂などの柔軟な材料にて形成された2本のシールリングSr、Srが嵌合されている。
【0025】
一方、蓋体32の、雄ねじ部32aが形成された側と反対側の一端(図では上端)には、ピストン3をシリンダ2に対して抜き挿し操作する際の把手となるフランジ部32bが、その径方向外方へ突設されている。
注入部材4は、合成樹脂などで形成された、シリンダ2の接続部23と接続される接続部41と、この接続部41の先端に取り付けられた金属パイプ製の注入管42と、この注入管42の途中に設けられた、インクカートリッジ6の穴60に圧入されて(図2参照)減圧時に気密を保つための、ゴムや軟質樹脂などの柔軟な材料にて形成されたパッキン43とを備えている。
【0026】
また上記接続部41の一端には、前述したようにシリンダ2の接続部23との接続時に、その内周面が係合部23aと係合して抜け止めとして機能するとともに、上記の接続を解除する際に把手として機能するフランジ部41aが設けられている。
注入管42は、図の例の場合、インクカートリッジ6内のフェルト7に差し込まれて、インクカートリッジ6の底の近傍まで達する長さに形成されている。このように注入管42の長さを長くしておくと、補給用のインクIを、インクカートリッジ6の底の方までさらに良好に補給することができ、前述したようにインクカートリッジ6の使用を再開した初期の時点での、インク切れの不良などの発生をさらに確実に防止することができる。
【0027】
ただし注入管42の長さは、インクカートリッジ6の構造や、あるいはインク補給の方法などに応じて適宜の長さに設定できる。
補給用カートリッジ5は、これもその全体が合成樹脂にて一体に形成されたもので、有底円筒状で、かつ前記ピストン3の収容室30の内径と一致する外径を有するとともに、その閉じられていない一端(図では下端)が先細りのテーパー状とされた本体51と、この本体51のテーパーの先端からさらに下方に延設された、テーパーの先端部より小径で、かつ前記ピストン3の開口31aの内径と一致する外径を有する小径部52とを備えており、この小径部52に、前記開口52aが形成されている。
【0028】
そして、上記本体51の内部に、この例の場合は1回分の補給用のインクを充てんした状態で、開口52aが、軟質のプラスチックフィルムなどからなるシールSfを熱溶着などすることによって閉じられている。
また補給用カートリッジ5は、その本体51の、閉じられた一端(図では上端)側の端面51aから、前記テーパーの先端の、小径部52との段差面51bまでの長さが、図2にみるようにピストン3の主体部31と蓋体32とを両ねじ部31b、32aの螺合によって組み立てた際に、蓋体32の下端面32cから、主体部31の、収容部30と開口31cとの段差面31eまでの長さと一致するように設定されている。そしてこのように設定することで、収容部30に収容された補給用カートリッジ5が、ピストン3に対してその軸方向に固定される。
【0029】
また、前記のように補給用カートリッジ5の本体51の外径は、上記収容部30の内径と一致し、小径部52の外径は、開口31cの内径と一致することから、収容部30に収容された補給用カートリッジ5は、ピストン3に対して、その軸方向と直交する方向にも固定される。
なお、補給用カートリッジ5の本体51の、小径部52が延設された側の先端が先細りのテーパー状とされるのは、当該補給用カートリッジ5を、開口31aを通して収容部30に収容するのを容易にするためである。
【0030】
上記の各部を備えたこの例のインク補給具1を用いて、たとえば図2にみるように高圧縮のフェルト7が詰められたインクカートリッジ6にインクを補給するには、まずインクの出口61をシールなどで塞ぐとともに、前記のようにインクカートリッジ6の上面に設けられている、製造時のインク充てん用の穴60を、当該穴を塞ぐために貼りつけられた、図示しないフィルムに穴を開けるか、あるいはフィルムを、上記穴60の部分のみ剥がすことによって露出させる。
【0031】
またインクカートリッジ6の本体は通常、上下別体に作製したものを、その内部にフェルト7を詰めた後、溶着などして形成されるが、溶着が不完全である場合は、その界面62から空気が侵入してカートリッジ6内を十分に減圧できないおそれがある。そこで、たとえばインク補給具1を用いて少し吸引してみるなどして、界面62から空気が侵入するようであれば、当該界面62をシールテープなどで塞いでやればよい。
【0032】
つぎに、この例のインク補給具1のうちシリンダ2を、前記のごとくパッキン43の穴60への圧入によって、減圧時の気密を維持しうるように、インクカートリッジ6に接続する。
また、図1にみるようにピストン3の両ねじ部31b、32aの螺合を解除し、主体部31から蓋体32を取り外して、内部に1回分の補給用のインクが充てんされた新しい補給用カートリッジ5を、主体部31の開口31aから収容室30内に収容したのち、図2にみるように両ねじ部31b、32aを再び螺合してピストン3を組み立ることで、前記のように補給用カートリッジ5を、ピストン3に対して固定する。
【0033】
つぎにこのピストン3を、図中一点鎖線の矢印で示すようにインクカートリッジ6に接続したシリンダ2に挿入し、ついでシリンダ2をほぼ垂直に立てた状態で、図3(a)に黒矢印で示すように停止するまで下方へ押し下げると、図3(b)にみるように補給用カートリッジ5の開口52aを閉じていたシールSfが、シリンダ2の刃状突起24によって破られて、インクIがシリンダ2内に供給される。
【0034】
つぎに、図4(a)に白矢印で示すようにピストン3をシリンダ2から上方へ引き出す。
そうするとインクカートリッジ6内の空気が吸引されて、注入部材4の注入管42を通り、ついでインクI内を気泡Bとなって上昇して、補給用カートリッジ5内の、インクIによってインクカートリッジ6内の空間と仕切られた、インクIの液面より上方の領域に収容される(図4(b))。そしてそれによってインクカートリッジ6内が減圧状態とされる。
【0035】
なお、だれでもほぼ一定量の空気を吸引できるようにするためには、シリンダ2の外面に、空気吸引の際にピストン3を引き上げる位置の目安となる標線を設けておくのが好ましい。
また空気の吸引には少し時間がかかり、その間、ピストン3が大気圧によって下方へ押し戻されるのを防止すべく、当該ピストン3を図4(b)の状態で保持しつづけるのは、たとえば高齢者や女性にとってあまり容易なことではない。このため、たとえばシリンダ2とピストン3とに、ピストン3を図4(b)の状態で保持するためのストッパを設けてもよい。
【0036】
つぎに、この状態でピストン3から手を離してやると、減圧状態となったインクカートリッジ6内と外部の大気圧との圧力差によって、図4(b)に黒矢印で示すようにピストン3が下方へ、最終的にはピストン3が停止する初期の状態(図3(b)の状態)まで自動的に押し込まれ、それにともなって補給用カートリッジ5内に充てんされていた1回分の補給用のインクIの全量が、当該インクIの液面より上方の領域に収容された空気Aを介して押圧されて、注入管42を通してインクカートリッジ6内に補給される。またこの際、ピストン3を手で押し下げて、インクの補給を助けてやってもよい。
【0037】
補給されたインクIは、インクカートリッジ6内が減圧状態となっているために、たとえ高圧縮されたフェルト7であっても空気に邪魔されることなく、その内部のすみずみまで、とくにインクカートリッジ6の、インクIの出口61付近まで速やかに浸透する。
インクIの全量が補給されたあとは、インク補給具1をインクカートリッジ6から取り外し、別途、用意しておいたシール(図示せず)を、穴60をふさぐように、インクカートリッジ6の上面に貼りつけてやればよい。
【0038】
また補給具1は、空になった補給用カートリッジ5をピストン3の収容部30から取り出したのち、水などで洗って、次の補給に備えればよい。
なおピストン3を大気圧差によって自動的に押し込むようにした場合には、前記の初期状態に戻る前に、ピストン3が停止してしまう場合がある。この原因としては、最初の減圧が不十分であった場合などが考えられ、その際にはインクIが補給具1内に残っているので、ピストン3を、停止した位置から初期状態まで手で押し込んで、残りのインクIをインクカートリッジ6内に注入してやるのがよい。
【0039】
以上のごとく、図の例のインク補給方法によれば、あらかじめ補給用カートリッジ5内に充てんされた1回分のインクIを、インク補給具1のピストン3を所定量、引き上げて離してやるだけで、あるいは引き上げたのち、押し下げてやるだけで、インクカートリッジ6内に良好に補給することができる。
よって、インクIが補給されたインクカートリッジ6を用いることによって、その使用を再開した初期の段階からインク切れの不良などを生じることなく、良好な印刷を行うことが可能となる。
【0040】
なお本発明のインク補給具の構成は、以上で説明した図の例のものには限定されない。
たとえば補給用カートリッジ5は、2回分以上の複数回の補給用のインクを充てんしうる容積に形成されていてもよい。その場合には、ピストン3が停止位置までシリンダ2に押し込まれた初期の状態に戻った時点で、2回目以降の補給用のインクIが残っているため、注入管42の先端に栓をするか、あるいは注入部材4をはずしてシリンダ2の接続部23に直接に栓をして、次回のインク補給まで保存してやればよい。
【0041】
図の例では、シリンダ2の内部に、補給用カートリッジ5のシールSfを破る刃状突起24を設けていたが、かかる刃状突起は省略してもよい。その場合には、たとえば注入管42の上端を注射針のように尖らせて、シリンダ2内に突出させておくことなどが考えられる。 また補給用カートリッジ5の開口52aを閉じる手段はシールSfには限られず、たとえば開口52aに金属製の微小球を圧嵌して閉じておき、それを注入管42の上端などで補給用カートリッジ5内に押し込んで開口52aを開くようにしてもよい。
【0042】
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で、種々の設計変更を施すことができる。
【0043】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、作業量を少なく、かつ作業を簡単にしてユーザーの負担を軽減することができ、しかもその保管、梱包、輸送などの取り扱い時にインク漏れが発生するおそれがないため取り扱いが容易である上、従来に比べて小型化が可能な、新規なインク補給具を提供できるという特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク補給具の、実施の形態の一例を示す部分切り欠き正面図である。
【図2】上記例のインク補給具を、インクカートリッジに接続した状態を示す部分切り欠き正面図である。
【図3】同図(a)(b)はそれぞれ、上記インク補給具を用いて、インクカートリッジにインクを補給する工程の一例を示す部分切り欠き正面図である。
【図4】同図(a)(b)はそれぞれ、インクカートリッジにインクを補給する工程の続きを示す部分切り欠き正面図である。
【図5】従来のインク補給具の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 インク補給具
2 シリンダ
3 ピストン
30 収容室
5 補給用カートリッジ
I インク

Claims (2)

  1. シリンダと、当該シリンダに抜き挿し自在とされたピストンとを備えインク補給具であって、上記ピストンに、補給用のインクの所定量を充てんした補給用カートリッジを着脱自在に収容する収容室を設けたことを特徴とするインク補給具。
  2. 収容室に収容される補給用カートリッジが、1回分の補給用のインクを充てんしたものである請求項1記載のインク補給具。
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