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JP4389649B2 - 昇圧回路及び昇圧回路の電圧振動抑制方法 - Google Patents

昇圧回路及び昇圧回路の電圧振動抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、コイルを用いたDC−DCコンバータ式の昇圧回路に関するものである。
従来より、例えば電磁弁からなる燃料噴射弁(いわゆるインジェクタ)を開閉駆動して内燃機関への燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置では、バッテリ電圧(詳しくは、バッテリのプラス端子の電圧)よりも高い昇圧電圧をコンデンサに発生させる昇圧回路を備え、燃料噴射弁(電磁弁)の電磁コイルへの通電開始時に、上記コンデンサから電磁コイルへ昇圧電圧による大電流(いわゆるピーク電流)が流れるようにして、燃料噴射弁を速やかに開弁させ、その後は、定電流回路から電磁コイルへ開弁保持用の一定電流(いわゆるホールド電流)を流して、燃料噴射弁の開弁状態を保持するようにしている。つまり、燃料噴射弁の開弁応答性を向上させるために、電源電圧としてのバッテリ電圧を昇圧してコンデンサに蓄積し、そのコンデンサの放電に伴う大電流によって燃料噴射弁を高速駆動できるようにしている。
そして、こうした燃料噴射制御装置に代表される電磁弁駆動装置において、昇圧回路としては、一端にバッテリ電圧が印加されたコイルと、そのコイルの他端と基準電位としてのグランド電位(=0V)との間を断続させるスイッチング素子とを備え、そのスイッチング素子を繰り返しオン/オフさせて、該スイッチング素子のオフ時に上記コイルに生じる逆起電力でコンデンサを充電する、といったDC−DCコンバータ式の昇圧回路が用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
ここで、スイッチング素子としてNチャネルMOSFETを用いた場合を例に挙げて具体的に説明すると、この種の昇圧回路では、図4(A)に示すように、コイル1の一端にバッテリ電圧VBが印加され、そのコイル1の他端とグランド電位との間に、FET3の2つの出力端子(この場合、ドレインとソース)が直列に接続されている。更に、コイル1の上記他端とFET3のコイル1側の出力端子であるドレインとを結ぶ電流経路に電流逆流防止用ダイオード5のアノードが接続されており、そのダイオード5のカソードとグランド電位との間に、充電用のコンデンサ7が接続されている。
そして、この昇圧回路では、FET3を駆動する制御手段としての制御IC9が、図5に示すように、FET3のゲートへと出力する駆動電圧(即ち、FET3のゲート電圧Vg)を制御して、該FET3を繰り返しオン/オフさせる。尚、図5の例では、バッテリ電圧VBを14[V]としていると共に、ゲート電圧Vgが14[V]と0[V]とに切り換えられ、FET3は、Vg=14[V]の時にオンし、Vg=0[V]の時にオフする。
すると、図5に示すように、FET3がオンしている間、コイル1にFET3のドレイン・ソース間を経由して電流(尚、この電流がFET3のドレイン電流Idである)が流れ、FET3がオン状態からオフに転じると、コイル1に生じる逆起電力により、FET3のドレイン側にバッテリ電圧VBの6〜7倍程度の高電圧が発生する。
そして、FET3がオンからオフに転じた時毎に、コンデンサ7が、FET3のドレイン側に発生する高電圧によりダイオード5を介して充電され、その結果、コンデンサ7のグランド電位側とは反対側の端子に、バッテリ電圧VBよりも高い電圧Voutが当該昇圧回路の出力電圧として発生する。尚、ダイオード5により、コンデンサ7からFET3側へ電流が逆流することが防止されている。
また、この種の昇圧回路において、FET3を繰り返しオン/オフさせるスイッチング制御期間は、FET3のオンからオフへの切り換えで終わるが、そのスイッチング制御期間の終了直後(詳しくは、スイッチング制御期間におけるFET3の最後のオン期間が終了して該FET3をオフさせた直後)には、FET3のドレインとコイル1との間の経路に、図5の「ドレイン電圧(Vd)」の段に示すような高周波の電圧振動が発生する。
つまり、スイッチング制御期間におけるFET3の最後のオン期間が終了して該FET3をオフさせると、最初はコンデンサ7が充電されることでコイル1に電流が流れるが、図5にてFET3のオフから時間tdが経過したタイミングに示されているように、コンデンサ7の充電が終わると、コイル1に電流が流れなくなる。すると、未だ消費されていないコイル1の残留エネルギー(残留磁束のエネルギー)によって自由振動(即ち、発振)が発生し、その自由振動が、FET3のドレイン側に振幅の大きな電圧振動として現れる。尚、このような電圧振動が減衰して消えると、FET3のドレイン電圧Vdはバッテリ電圧VBで安定する。一方、スイッチング制御期間中においては、FET3のオフは一時的なものであり、FET3はすぐにオフからオンされてコイル1に電流が流れることとなるため、上記電圧振動は発生しない。
そして、このような電圧振動がノイズ源となって、当該昇圧回路が搭載された電子制御装置内の他の回路や、その電子制御装置の外部に影響を与えてしまう可能性がある。
このため、従来より、図4(B)に示すように、上記電圧振動が発生するFET3のドレインとグランド電位との間に、抵抗11とコンデンサ13とを直列接続したスナバ回路15を設け、そのスナバ回路15により、上記電圧振動を抑制するようにしていた。
特開2000−110640号公報 特開2003−278585号公報
しかしながら、スナバ回路15は、FET3のドレイン電圧Vdの変化を緩やかにすることで上記電圧振動の振幅を抑えるものであり、スイッチング制御期間におけるドレイン電圧Vdの変化をも緩やかにしてしまう。つまり、上記電圧振動が発生しないスイッチング制御期間中においても、抵抗11による損失が発生する。
このため、電力効率が悪く、昇圧能力の低下を招いてしまい、また、発熱も増加する。
更に、スナバ回路15は、高い耐圧が必要な回路であるため、それを構成する抵抗11及びコンデンサ13として高耐圧のものを使用する必要があるが、高耐圧の電子部品は一般に大型であるため、例えば、そのようなスナバ回路15を制御IC9内に取り込んで小型化を図る、といった手法を採ることができない。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、昇圧回路においてスイッチング制御期間の終了直後に生じる高周波の電圧振動を効果的に抑制することを目的としている。
求項の昇圧回路は、前提構成として、従来の昇圧回路と同様に、一端に電源電圧が印加されたコイルと、該コイルの他端と電源電圧よりも低い基準電位との間に2つの出力端子が直列に接続されたスイッチング素子と、コイルの前記他端とスイッチング素子のコイル側の出力端子とを結ぶ電流経路にアノードが接続されたダイオードと、該ダイオードのカソードと基準電位との間に接続されたコンデンサと、スイッチング素子を駆動する制御手段とを備えており、制御手段がスイッチング素子を繰り返しオン/オフさせて、該スイッチング素子のオフ時にコイルに生じる逆起電力でコンデンサを充電することにより、該コンデンサの基準電位側とは反対側の端子に電源電圧よりも高い電圧を発生させる。
そして特に、請求項の昇圧回路において、制御手段は、スイッチング素子を繰り返しオン/オフさせるスイッチング制御期間におけるスイッチング素子の最後のオン期間が終了して該スイッチング素子をオフさせてから、所定の遅延時間後に、特定の期間だけ、スイッチング素子を能動領域で動作させるように構成されている。
つまり、抑制対象の電圧振動は、図5に示したように、スイッチング制御期間の終了に相当するスイッチング素子の最後のオフタイミングから、コンデンサに充電されなくなるまでの時間tdが経過すると、その時点から現れ始めるため、スイッチング素子の最後のオフタイミングから上記時間td或いは上記時間tdよりも少し短い時間が経過した時点から、ある特定の期間だけ、スイッチング素子を、2つの出力端子間の抵抗分が大きい能動領域で動作させれば、そのスイッチング素子の抵抗分によってコイルに電流を流すと共に該コイルの残留エネルギーを消費させることができ、コンデンサへの最後の充電を妨げることなく、電圧振動を抑制することができるのである。
そして、このような請求項の昇圧回路によれば、下記の効果得ることができる。
まず、抑制対象の電圧振動が発生すると予想される特定の期間だけ、電力消費を発生させるようにしているため、効率の低下や発熱の増加を、スナバ回路を設けた場合よりも格段に小さく抑えることができる。そして、昇圧能力の低下を招くこともない。
しかも、スイッチング素子を能動領域で動作させるための回路は、スナバ回路のような大型な部品ではなく、高集積化可能な小さい素子で構成することができるため、昇圧回路やその昇圧回路を用いる装置の大型化を招くこともない。つまり、従来の昇圧回路よりも小型化することができる。
また、請求項の昇圧回路において、スイッチング素子を前記特定の期間に能動領域で動作させるには、請求項に記載の如く構成すれば良い。
即ち、制御手段は、前記特定の期間では、スイッチング素子への駆動信号の出力レベルを、そのスイッチング素子が能動領域で動作する値にすれば良い。
尚、スイッチング素子が、FET(電界効果トランジスタ)のように電圧駆動型のスイッチング素子であるならば、スイッチング素子への駆動信号は電圧である、と言うことができ、その電圧の出力値が駆動信号の出力レベルとなるため、その駆動信号としての電圧(即ち、駆動電圧)の出力値を、スイッチング素子が能動領域で動作する程度の値にすれば良い。
また、スイッチング素子が、バイポーラトランジスタのように電流駆動型のスイッチング素子であるならば、スイッチング素子への駆動信号は電流である、と言うことができ、その電流の出力値が駆動信号の出力レベルとなるため、その駆動信号としての電流(即ち、駆動電流)の出力値を、スイッチング素子が能動領域で動作する程度の値にすれば良い。
また更に、電圧駆動型と電流駆動型との何れのスイッチング素子であっても、それをオンさせるためには、ゲートやベースといった制御端子に、大小の差はあるものの、電荷を供給することとなるため、その電荷量が駆動信号の出力レベルに該当するとも言える。つまり、上記のように駆動電圧又は駆動電流の出力値をスイッチング素子が能動領域で動作する程度の値するということは、スイッチング素子の制御端子に供給する電荷量をスイッチング素子が能動領域で動作する程度の量にする、ということでもある。
一方、請求項の昇圧回路において、スイッチング素子を前記特定の期間に能動領域で動作させるには、請求項に記載の如く構成しても良い。
即ち、制御手段は、前記特定の期間では、スイッチング素子への駆動信号の出力レベルを、スイッチング素子を完全にオンさせることが可能な第1レベルと、スイッチング素子を完全にオフさせることが可能な第2レベルとに、スイッチング制御期間におけるスイッチング素子のオン/オフ周期よりも短い周期で切り換えることで、そのスイッチング素子を能動領域で動作させるようにしても良い。
そして、この構成によれば、スイッチング素子を能動領域で動作させるレベルの駆動信号を出力するための回路を制御手段に設ける必要がなく、その面において有利である。つまり、スイッチング素子への駆動信号の出力レベルを第1レベルと第2レベルとに切り換え可能な回路は、スイッチング制御期間においてスイッチング素子をオン/オフさせるために制御手段に元々備えられるものであり、その回路をそのまま利用して、スイッチング素子を能動領域で動作させるからである。
一方、請求項4の電圧振動抑制方法は、前述の電圧振動を抑制するためのものである。そして、請求項4の方法では、スイッチング制御期間におけるスイッチング素子の最後のオン期間が終了して該スイッチング素子をオフさせる際に、該スイッチング素子を、能動領域での動作を経てオフ状態となるように緩やかにオフさせることを特徴としている。つまり、スイッチング制御期間の終了に相当するスイッチング素子の最後のオンからオフへの変化を故意に緩やかにし、その際のスイッチング素子の抵抗分によって、コイルに蓄積されている磁束エネルギーを消費させることで、前述の電圧振動を抑制するのである。そして、このような請求項4の方法によれば、請求項1の昇圧回路について述べたのと同様の効果を得ることができる。
また、請求項4の方法を実施する昇圧回路は、請求項に記載のように構成することができる。
即ち、請求項の昇圧回路は、請求項の昇圧回路と同じ前提構成を有しているが、特に、制御手段は、スイッチング制御期間におけるスイッチング素子の最後のオン期間が終了して該スイッチング素子をオフさせる際に、そのスイッチング素子への駆動信号の出力レベルを、該スイッチング素子が能動領域での動作を経てオフ状態となるように、緩やかに変化させるようになっている。更に詳しくは、スイッチング素子への駆動信号の出力レベルを、上記の第1レベルから上記の第2レベルへと緩やかに変化させるようになっている。
そして、このような請求項の昇圧回路によれば、請求項4の方法を実施することによる前述の効果を確実に得ることができる。
以下に、本発明が適用された実施形態の昇圧回路について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の昇圧回路は、特許文献1や特許文献2などに記載されているような電磁弁駆動装置(即ち、電磁弁の電磁コイルへの通電開始時に、コンデンサから該電磁コイルへ昇圧電圧による大電流が流れるようにして、電磁弁を速やかに開弁させる電磁弁駆動装置)に用いられるものである。また、以下に説明する各図において、図4、図5に示したものと同じ構成要素及び同じ部分の電圧、電流については、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
まず図1は、第1実施形態の昇圧回路の構成及び作用を表す説明図である。
図1(A)に示すように、第1実施形態の昇圧回路は、図4(A)に示した昇圧回路(スナバ回路なしの昇圧回路)と比較すると、制御IC9以外の部分は同じであるが、制御IC9内において、FET3のゲートへ駆動信号としての駆動電圧を出力するために設けられた出力回路17が異なっている。
即ち、出力回路17は、グランド電位にエミッタが接続されたNPNトランジスタT1と、第1の電圧V1にエミッタが接続されたPNPトランジスタT2と、第2の電圧V2にエミッタが接続されたPNPトランジスタT3とを備えている。そして、その3つのトランジスタT1〜T3のコレクタが、互いに接続されていると共に、制御IC9における駆動電圧の出力端子19に接続されている。
ここで、第1の電圧V1は、それをFET3のゲートに印加すると該FET3が飽和領域でオン(即ち、完全にオン)する電圧であり、本実施形態では、バッテリ電圧VB(例えば8〜15[V])を用いている。また、第2の電圧V2は、第1の電圧V1よりも低い電圧であって、それをFET3のゲートに印加すると該FET3が能動領域でオン(即ち、能動領域で動作)する電圧である。そして、本実施形態では、例えばV2=2[V]である。一方、FET3は、ゲート電圧Vgが上記第2の電圧V2よりも低い例えば1[V]以下であると完全にオフする。
このような出力回路17では、NPNトランジスタT1をオンすると共に、PNPトランジスタT2,T3をオフすれば、出力端子19からFET3のゲートへの駆動電圧(即ち、FET3のゲート電圧Vg)を、FET3を完全にオフさせることのできる0[V]にすることができ、PNPトランジスタT2をオンすると共に、PNPトランジスタT3とNPNトランジスタT1とをオフすれば、出力端子19からFET3のゲートへの駆動電圧を、FET3を完全にオンさせることのできる第1の電圧V1(=バッテリ電圧VB)にすることができる。また、PNPトランジスタT3をオンすると共に、PNPトランジスタT2とNPNトランジスタT1とをオフすれば、出力端子19からFET3のゲートへの駆動電圧を、FET3を能動領域でオンさせることのできる第2の電圧V2にすることができる。
尚、ここでは、各トランジスタT1〜T3での電圧降下(即ち、コレクタ・エミッタ間電圧)を無視して説明している。また、図4に示した従来の昇圧回路における制御IC9内に設けられた駆動電圧の出力回路は、本第1実施形態における出力回路17からPNPトランジスタT3を除いた構成のものである。
そこで、本第1実施形態の昇圧回路における制御IC9は、図1(B)に示すように、コンデンサ7を充電するためにFET3を繰り返しオン/オフさせるスイッチング制御期間において、FET3をオンさせるときには、PNPトランジスタT2をオンすると共に、PNPトランジスタT3とNPNトランジスタT1とをオフすることで、FET3への駆動電圧(ゲート電圧Vg)を第1の電圧V1(図1では14[V])にし、また、FET3をオフさせるときには、NPNトランジスタT1をオンすると共に、PNPトランジスタT2,T3をオフすることで、FET3への駆動電圧(ゲート電圧Vg)を0[V]にする。
そして更に、制御IC9は、図1(B)に示すように、スイッチング制御期間におけるFET3の最後のオン期間が終了してFET3をオフさせるタイミング(即ち、スイッチング制御期間の終了タイミング)から、所定の遅延時間taが経過すると、その時点から一定の時間tbだけ、PNPトランジスタT3をオンすると共に、PNPトランジスタT2とNPNトランジスタT1とをオフして、FET3への駆動電圧(ゲート電圧Vg)を第2の電圧V2にすることにより、FET3を能動領域でオンさせる。
尚、本第1実施形態では、上記遅延時間taが経過してから上記一定時間tbが経過するまでの時間tb分の期間が、「スイッチング素子を能動領域で動作させる特定の期間」に相当している。
また、上記遅延時間taは、図5の時間td(即ち、スイッチング制御期間の終了に相当するFET3の最後のオフタイミングから、コンデンサ7に充電されなくなるまでの時間)よりも若干短い時間に設定されている。そして、上記一定時間tbは、スイッチング制御期間の終了タイミングから「ta+tb」の時間が経過した時点では、FET3のドレイン電圧Vdがバッテリ電圧VBでほぼ安定している(つまり、前述の電圧振動が殆ど消えている)と考えられる時間に設定されている。
つまり、本第1実施形態の昇圧回路では、FET3のスイッチング制御期間の終了直後であって、そのFET3のドレインとコイル1とを結ぶ電流経路に電圧振動が発生すると予想される期間に、FET3を、ドレイン・ソース間の抵抗分が大きい能動領域でのオン状態にし、そのFET3の抵抗分によって、コイル1に電流を流すと共に該コイル1の残留エネルギーを消費させるようにしている。
このため、図1(B)における「ドレイン電圧(Vd)」の段と図5における「ドレイン電圧(Vd)」の段との比較から明らかなように、スイッチング制御期間の終了直後に生じる電圧振動が抑制されることとなる。尚、図1(B)における「ドレイン電圧(Vd)」の段では、一点鎖線でFET3のドレイン電流Idも合わせて示している。また、このことは、後述する図2及び図3についても同様である。
そして、このような本第1実施形態の昇圧回路によれば、電圧振動が発生すると予想される期間だけ、電力消費を発生させるようにしているため、効率の低下や発熱の増加を、図4(B)のスナバ回路15を設けた場合よりも格段に小さく抑えることができる。そして、昇圧能力の低下を招くこともない。
しかも、スイッチング素子としてのFET3を能動領域で動作させるための回路としては、出力回路17にPNPトランジスタT3を追加すると共に、第2の電圧V2を生成する回路を設けるだけで良く、そのような回路や素子は、制御IC9内に高集積化することができるため、スナバ回路15を設けた場合のように大型化を招くこともない。つまり、従来の昇圧回路よりも小型化することができる。
次に、第2実施形態の昇圧回路について、図2を用いて説明する。
第2実施形態の昇圧回路は、第1実施形態の昇圧回路と比較すると、下記の(1)及び(2)の点が異なっている。
(1)図2(A)に示すように、制御IC9内の駆動電圧の出力回路17から、PNPトランジスタT3が削除されている。
(2)図2(B)に示すように、制御IC9は、前述した時間tb分の期間において、出力端子19からの駆動電圧の出力レベルを、FET3を完全にオンさせることが可能な第1の電圧V1(第1レベルに相当)と、FET3を完全にオフさせることが可能な0[V](第2レベルに相当)とに、スイッチング制御期間におけるFET3のオン/オフ周期よりも短い周期で切り換えて、FET3のゲート電圧Vgを該FET3が能動領域でオンする電圧(本実施形態では約2[V])にし、これにより、その時間tb分の期間において、FET3を第1実施形態と同様に能動領域でオンさせる。
尚、出力端子19からの駆動電圧の出力レベルを第1の電圧V1にするときには、PNPトランジスタT2をオンすると共に、NPNトランジスタT1をオフし、出力端子19からの駆動電圧の出力レベルを0[V]にするときには、PNPトランジスタT2をオフすると共に、NPNトランジスタT1をオンする。このため、上記時間tb分の期間においては、NPNトランジスタT1とPNPトランジスタT2とが、スイッチング制御期間におけるFET3のオン/オフ周期よりも非常に短い周期で、互いに逆の状態にオン/オフされることとなる。また、図2(B)においても、図1(B)と同様に、第1の電圧V1(=VB)は、14[V]としている。
つまり、FET3のゲート・ソース間には静電容量があり、また、制御IC9の出力端子19とFET3のゲートとの間には抵抗分があるため、本第2実施形態では、その静電容量と抵抗分を利用して、制御IC9から出力する駆動電圧をいわゆるデューティ制御することにより、FET3のゲート電圧Vgを該FET3が能動領域でオンする電圧にしている。
そして、このような第2実施形態の昇圧回路によっても、第1実施形態の昇圧回路と同じ効果を得ることができる。また、FET3への駆動電圧の出力回路17として、従来回路と同じものをそのまま利用することができ有利である。尚、勿論、制御IC9の出力端子19とFET3のゲートとの間に、故意に抵抗を設けても良い。
次に、第3実施形態の昇圧回路について、図3を用いて説明する。
第3実施形態の昇圧回路は、第1実施形態の昇圧回路と比較すると、下記の(a)及び(b)の点が異なっている。
(a)図3(A)に示すように、制御IC9内の駆動電圧の出力回路17から、PNPトランジスタT3が削除されている。尚、この点は、第2実施形態と同じである。
(b)図3(B)に示すように、制御IC9は、スイッチング制御期間におけるFET3の最後のオン期間が終了して該FETをオフさせる際に、出力回路17のPNPトランジスタT2は瞬時にオンからオフへ変化させるが、NPNトランジスタT1の方は、ある一定の時間tcをかけてオフから完全なオンへと緩やかに変化させる。そして、このようなNPNトランジスタT1の制御により、出力端子19からの駆動電圧の出力レベルを、FET3が能動領域での動作を経てオフ状態となるように、第1の電圧V1から0[V]へと緩やかに変化させるようになっている。尚、図3(B)においても、図1(B)と同様に、第1の電圧V1(=VB)は、14[V]としている。
よって、FET3は、スイッチング制御期間の終了時に、能動領域での動作を経て緩やかにオフすることとなり、その際の抵抗分によって、コイル1に蓄積されている磁束エネルギーを消費することとなる。
このため、本第3実施形態の昇圧回路によっても、図3(B)における「ドレイン電圧(Vd)」の段と図5における「ドレイン電圧(Vd)」の段との比較から明らかなように、スイッチング制御期間の終了直後に生じる電圧振動が抑制されることとなる。そして、この昇圧回路によっても、第1及び第2実施形態の各昇圧回路と同様に、効率及び昇圧能力の低下や発熱の増加を小さく抑えることができると共に、小型化を達成することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、スイッチング素子としては、FETに限らず、他の種類のトランジスタを用いても良い。
そして、もし、スイッチング素子として、バイポーラトランジスタを用いるのであれば、図1〜図3のFET3に代えて、NPNトランジスタを用いると共に、そのNPNトランジスタ(以下、コイルスイッチング用NPNトランジスタという)のベースと制御IC9の出力端子19との間、或いは、制御IC9の内部に、そのコイルスイッチング用NPNトランジスタのベース電流を制限するためのベース電流制限用抵抗を設ければ良い。
尚、例えば図1に示した第1実施形態の昇圧回路において、FET3の代わりにNPNトランジスタを用いる場合、出力回路17で用いる第1及び第2の電圧V1,V2と上記ベース電流制限用抵抗の抵抗値は、出力回路17におけるPNPトランジスタT2をオンすると共に、PNPトランジスタT3とNPNトランジスタT1とをオフすると、FET3に代わるコイルスイッチング用NPNトランジスタのベースへ該トランジスタが飽和領域でオンする駆動電流(即ち、コイルスイッチング用NPNトランジスタのベース電流)が流れ、PNPトランジスタT3をオンすると共に、PNPトランジスタT2とNPNトランジスタT1とをオフすると、コイルスイッチング用NPNトランジスタのベースへ該トランジスタが能動領域でオンする駆動電流が流れるように設定しておけば良い。
また、例えば第1実施形態の昇圧回路において、FET3の代わりにNPNトランジスタを用いる場合、出力回路17における2つのPNPトランジスタT2,T3のうち、PNPトランジスタT2のエミッタを第1の電圧V1ではなく第1の定電流回路に接続すると共に、PNPトランジスタT3のエミッタを第2の電圧V2ではなく第2の定電流回路に接続するようにしても良い。つまり、この場合、上記第1の定電流回路は、FET3に代わるコイルスイッチング用NPNトランジスタを飽和領域でオンさせることが可能な駆動電流を出力するように構成し、上記第2の定電流回路は、コイルスイッチング用NPNトランジスタを能動領域でオンさせることが可能な駆動電流を出力するように構成しておけば良い。尚、この場合、上記ベース電流制限用抵抗は削除可能である。そして、このように定電流回路を用いる変形例は、他の第2及び第3実施形態についても同様に適用することができる。
第1実施形態の昇圧回路の説明図である。 第2実施形態の昇圧回路の説明図である。 第3実施形態の昇圧回路の説明図である。 従来の昇圧回路の構成を表す構成図である。 従来の昇圧回路の動作を表すタイムチャートである。
符号の説明
1…コイル、3…NチャネルMOSFET(スイッチング素子)、5…電流逆流防止用ダイオード、7…コンデンサ、9…制御IC、17…出力回路、19…出力端子、T1…NPNトランジスタ、T2,T3…PNPトランジスタ

Claims (5)

  1. 一端に電源電圧が印加されたコイルと、
    該コイルの他端と前記電源電圧よりも低い基準電位との間に2つの出力端子が直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記コイルの他端と前記スイッチング素子の該コイル側の出力端子とを結ぶ電流経路にアノードが接続されたダイオードと、
    該ダイオードのカソードと前記基準電位との間に接続されたコンデンサと、
    前記スイッチング素子を駆動する制御手段とを備え、
    前記制御手段が前記スイッチング素子を繰り返しオン/オフさせて、該スイッチング素子のオフ時に前記コイルに生じる逆起電力で前記コンデンサを充電することにより、該コンデンサの前記基準電位側とは反対側の端子に前記電源電圧よりも高い電圧を発生させる昇圧回路において、
    前記制御手段は、前記スイッチング素子を繰り返しオン/オフさせるスイッチング制御期間における前記スイッチング素子の最後のオン期間が終了して該スイッチング素子をオフさせてから、所定の遅延時間後に、特定の期間だけ、前記スイッチング素子を能動領域で動作させるように構成されていること、
    を特徴とする昇圧回路。
  2. 請求項1に記載の昇圧回路において、
    前記制御手段は、前記特定の期間では、前記スイッチング素子への駆動信号の出力レベルを、前記スイッチング素子が能動領域で動作する値にすることで、該スイッチング素子を能動領域で動作させること、
    を特徴とする昇圧回路。
  3. 請求項1に記載の昇圧回路において、
    前記制御手段は、前記特定の期間では、前記スイッチング素子への駆動信号の出力レベルを、前記スイッチング素子を完全にオンさせることが可能な第1レベルと、前記スイッチング素子を完全にオフさせることが可能な第2レベルとに、前記スイッチング制御期間における前記スイッチング素子のオン/オフ周期よりも短い周期で切り換えることにより、該スイッチング素子を能動領域で動作させること、
    を特徴とする昇圧回路。
  4. 一端に電源電圧が印加されたコイルと、
    該コイルの他端と前記電源電圧よりも低い基準電位との間に2つの出力端子が直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記コイルの他端と前記スイッチング素子の該コイル側の出力端子とを結ぶ電流経路にアノードが接続されたダイオードと、
    該ダイオードのカソードと前記基準電位との間に接続されたコンデンサとを備え、
    前記スイッチング素子を繰り返しオン/オフさせて、該スイッチング素子のオフ時に前記コイルに生じる逆起電力で前記コンデンサを充電することにより、該コンデンサの前記基準電位側とは反対側の端子に前記電源電圧よりも高い電圧を発生させる昇圧回路に用いられ、
    前記スイッチング素子を繰り返しオン/オフさせるスイッチング制御期間の終了直後に前記電流経路に発生する電圧振動を抑制するための方法であって、
    前記スイッチング制御期間における前記スイッチング素子の最後のオン期間が終了して該スイッチング素子をオフさせる際に、該スイッチング素子を、能動領域での動作を経てオフ状態となるように緩やかにオフさせること、
    を特徴とする昇圧回路の電圧振動抑制方法。
  5. 一端に電源電圧が印加されたコイルと、
    該コイルの他端と前記電源電圧よりも低い基準電位との間に2つの出力端子が直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記コイルの他端と前記スイッチング素子の該コイル側の出力端子とを結ぶ電流経路にアノードが接続されたダイオードと、
    該ダイオードのカソードと前記基準電位との間に接続されたコンデンサと、
    前記スイッチング素子を駆動する制御手段とを備え、
    前記制御手段が前記スイッチング素子を繰り返しオン/オフさせて、該スイッチング素子のオフ時に前記コイルに生じる逆起電力で前記コンデンサを充電することにより、該コンデンサの前記基準電位側とは反対側の端子に前記電源電圧よりも高い電圧を発生させる昇圧回路において、
    前記制御手段は、前記スイッチング素子を繰り返しオン/オフさせるスイッチング制御期間における前記スイッチング素子の最後のオン期間が終了して該スイッチング素子をオフさせる際に、前記スイッチング素子への駆動信号の出力レベルを、該スイッチング素子が能動領域での動作を経てオフ状態となるように、緩やかに変化させること、
    を特徴とする昇圧回路
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