JP4385395B2 - Ignition device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置(以下、「内燃機関」をエンジンという)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、容量放電型点火装置と誘導放電型点火装置とを組み合わせ、点火放電時期に多重放電を行うようにした多重放電型のエンジン用点火装置が知られている。
【0003】
この種の点火装置として、例えば特開平3−15659号公報に開示されている点火装置では、点火時期において、エネルギ蓄積コイルに蓄えられたエネルギと容量放電用コンデンサに充電されたエネルギとが点火コイルに供給され、点火プラグが火花を発生する。また、点火が開始されるタイミングから所定の放電区間にてエネルギ蓄積コイルにより点火プラグに周期的にエネルギが供給されて多重放電が行われ、火花が持続される。このような多重放電型のエンジン用点火装置では、1回放電型の点火装置に比べて放電途切れが生じにくいという特徴がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、点火時期において容量放電用コンデンサに蓄えられたエネルギと、エネルギ蓄積コイルに蓄えられたエネルギとを点火コイルの1次コイルに供給して2次コイルに点火用高電圧を印加した後、所定の放電期間に第1および第2のスイッチング素子を交互に断続させ、2次コイル側の電流をプラス/マイナスに振り連続多重放電を実現している。
【0005】
しかしながら、この方式では、エネルギ蓄積コイルと点火コイルの1次コイルとのインダクタンス等の定数を考慮していないため、2次コイルのプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスが悪く、一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなる恐れがある。2次コイルの一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなると、エンジンの着火に必要な放電電流が得られず、点火プラグの放電にもかかわらずエンジンの気筒内の混合ガスが着火せず、失火が発生するという問題がある。また、点火コイルのばらつきやエンジン負荷の影響を受け易くなり、エンジンの着火が困難になるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためなされたものであり、エンジンの着火性を良好にし、失火を防止するエンジン用点火装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、点火コイルのばらつきやエンジン負荷の影響を抑制するエンジン用点火装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のエンジン用点火装置によると、第1のスイッチング素子が導通/遮断されエネルギ蓄積コイルに蓄えられたエネルギにより容量放電用コンデンサが充電されるとともに、点火時期において第2のスイッチング素子が導通/遮断され容量放電用コンデンサに充電されたエネルギが点火コイルの1次コイルに供給される。このため、前回の点火時期において容量放電用コンデンサに蓄えられたエネルギと、エネルギ蓄積コイルに蓄えられたエネルギとが点火コイルの1次コイルに供給されるとともに、2次コイルに点火用高電圧が印加され、点火プラグが火花を発生する。
また、その後の所定の放電期間に第1および第2のスイッチング素子を交互に断続させ、多重放電させることにより、放電期間に周期的に点火エネルギが供給され、点火プラグの火花が持続する。
【0008】
さらに、スイッチング素子制御手段による第2のスイッチング素子の導通期間を、点火コイルの2次コイルのプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように設定するので、2次コイルのプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスが良好になり、一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなることがない。したがって、エンジンの着火に必要な放電電流が連続的に得られ、点火プラグの放電によりエンジンの気筒内の混合ガスが良好に着火し、失火を防止することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載のエンジン用点火装置によると、エネルギ蓄積コイルおよび1次コイルの定数に合わせて第2のスイッチング素子の導通期間を設定するので、エネルギ蓄積コイルおよび1次コイルの抵抗およびインダクタンスを考慮して第2のスイッチング素子の導通期間を設定することにより、簡単な構成でエンジンの着火性を良好にし、失火を防止することができる。
【0010】
本発明の請求項3記載のエンジン用点火装置によると、スイッチング素子制御手段と2次コイルとを接続する帰還回路には2次コイルに流れる電流を検出する電流検出手段が接続されているので、2次コイルの放電電流をモニタすることにより、2次コイルのプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスを自動的に調整し、点火コイルのばらつきやエンジン負荷の影響を抑制してエンジンの着火性を良好にし、失火を防止することができる。
【0011】
本発明の請求項4記載のエンジン用点火装置によると、フェイル時において、第2のスイッチング素子制御手段により、点火時期において第2のスイッチング素子が導通/遮断され直流電源のエネルギが第2の逆流防止手段を介して点火コイルの1次コイルに供給されるので、退避走行を行うことが可能となる。したがって、フェイル時とそれ以外の通常時に一つの直流電源を用いた点火を行わせることが可能となり、簡便にフェイルセーフ機能を有するエンジン用点火装置を提供することができる。
また、第2の逆流防止手段により、フェイル時でない通常時において容量放電用コンデンサに充電されたエネルギが直流電源側に逆流するのが防止される。
【0012】
さらに、スイッチング素子制御手段による第2のスイッチング素子の導通期間を、点火コイルの2次コイルのプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように設定するので、2次コイルのプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスが良好になり、一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなることがない。したがって、エンジンの着火に必要な放電電流が連続的に得られ、点火プラグの放電によりエンジンの気筒内の混合ガスが良好に着火し、失火を防止することができる。
【0013】
本発明の請求項5記載のエンジン用点火装置によると、フェイル時において、第2のスイッチング素子制御手段により、点火時期において第2のスイッチング素子が導通/遮断され直流電源のエネルギが第1および第2の逆流防止手段を介して点火コイルの1次コイルに供給されるので、退避走行を行うことが可能となる。したがって、フェイル時とそれ以外の通常時に一つの直流電源を用いた点火を行わせることが可能となり、簡便にフェイルセーフ機能を有するエンジン用点火装置を提供することができる。
また、第2の逆流防止手段により、フェイル時でない通常時において容量放電用コンデンサに充電されたエネルギが直流電源側に逆流するのが防止される。
【0014】
さらに、スイッチング素子制御手段による第2のスイッチング素子の導通期間を、点火コイルの2次コイルのプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように設定するので、2次コイルのプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスが良好になり、一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなることがない。したがって、エンジンの着火に必要な放電電流が連続的に得られ、点火プラグの放電によりエンジンの気筒内の混合ガスが良好に着火し、失火を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例によるエンジン用点火装置の電気的構成を図1に示す。第1実施例の点火装置は車両に搭載されるものであって、DLI(Distributor Less Ignition )方式の点火装置である。
【0016】
図1において、バッテリ10のプラス端子とグランド間には、エネルギ蓄積コイル11とトランジスタQ1とが直列に接続されている。バッテリ10は12ボルト仕様である。エネルギ蓄積コイル11にはトランジスタQ1のオンに伴う通電によりエネルギが蓄えられる。このとき、エネルギ蓄積コイル11に流れる電流をi0とする。エネルギ蓄積コイル11とトランジスタQ1との間のa点はダイオードD1を介して容量放電用コンデンサとしてのコンデンサ12に接続されている。コンデンサ12はエネルギ蓄積コイル11に蓄えられたエネルギにより充電される。
【0017】
また、ダイオードD1とコンデンサ12との間のb点とグランド間には、第1気筒用点火コイル13の1次コイル14とトランジスタQ11と電流検出用抵抗16が直列に接続されている。そして、トランジスタQ11をオン/オフさせてコンデンサ12に充電されたエネルギを点火コイル13の1次コイル14に供給することが可能である。このとき、1次コイル14に流れる電流(1次電流)をi1とする。点火コイル13の2次コイル15には図示しない第1気筒用点火プラグが接続されている。1次コイル14の通電に伴い2次コイル15に電流(2次電流)i2が流れる。
【0018】
同様に、前述のb点とグランド間には、第2気筒用点火コイル17の1次コイル18とトランジスタQ12と電流検出用抵抗20が直列に接続されている。点火コイル17の2次コイル19には図示しない第2気筒用点火プラグが接続されている。
なお、図1においては、第2気筒用の点火コイル17とトランジスタQ12と電流検出用抵抗20を示したが、エンジン気筒数分の点火コイル・トランジスタ・抵抗が用意されている。
【0019】
一方、電子制御ユニット(ECU;Electronic Control Unit)21は、各種センサからの信号を入力してエンジンの状態(吸入空気量、回転数、冷却水温など)を検知することが可能である。そして、ECU21はそのときのエンジン状態に応じた最適な点火時期を決定する。また、ECU21には駆動回路22が接続され、ECU21は駆動回路22に対し気筒判別信号IGtと放電区間信号IGwを出力する。スイッチング素子制御手段としての駆動回路22には前述の各トランジスタQ1、Q11およびQ12が接続され、トランジスタQ1に駆動信号Aを出力し、トランジスタQ11に第1気筒用駆動信号B#1を出力し、トランジスタQ12に第2気筒用駆動信号B#2をそれぞれ出力する。
【0020】
また、ECU21は、電流検出用抵抗16での両端子間の印加電圧(α1点での電圧)をモニタしている。同様に、ECU21は、第1気筒以外の他の気筒に対応する電流検出用抵抗20での両端子間の印加電圧(α2点での電圧)をモニタしている。電流検出用抵抗16および20での両端子間の印加電圧は1次電流i1に応じたものである。
【0021】
このように、直流電源としてのバッテリ10と、エネルギ蓄積コイル11と、第1のスイッチング素子としてのトランジスタQ1とを含む第1の直列回路が形成されるとともに、エネルギ蓄積コイル11に逆流防止手段としてのダイオードD1を介してコンデンサ12が接続され、さらに、コンデンサ12と、点火コイル13(17)の1次コイル14(18)と、第2のスイッチング素子としてのトランジスタQ11(Q12)とを含む第2の直列回路が形成されている。また駆動回路22は、後述するように、トランジスタQ11(Q12)の導通期間を、点火コイル13(17)の2次コイル15(19)のプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように設定する放電期間設定手段を構成している。
【0022】
次に、上記のように構成した点火装置の作動について図2を用いて説明する。
放電区間信号IGwと、気筒判別信号IGtと、トランジスタQ1の駆動信号Aと、トランジスタQ11の駆動信号B#1と、エネルギ蓄積コイル11に流れる電流i0と、点火コイル13の1次電流i1と、2次電流i2の各信号波形および電流波形を図2に示す。なお、図2には、第1実施例の各信号波形および電流波形を実線で示し、放電期間設定手段を備えていない以外は第1実施例と同一構成の比較例の各信号波形および電流波形を破線で示す。
【0023】
ECU21から駆動回路22に対し気筒判別信号IGtが出力され、同信号IGtは図2のt1〜t2の期間にHレベルとなっている。駆動回路22はこの信号IGtに同期した波形の駆動信号AをトランジスタQ1に出力する。この信号AによりトランジスタQ1がオン状態となって電流i0が徐々に大きくなり、トランジスタQ1のオフ時にエネルギ蓄積コイル11に発生した高電圧エネルギがダイオードD1を介して点火コイル13の1次コイル14に供給される。
【0024】
一方、放電区間信号IGwは図2のt2〜t3の期間にHレベルとなっており、この期間に放電が行われる。詳しくは、駆動回路22は駆動信号Aとして所定時間毎に反転する信号(t13、t14、…のタイミングで反転する信号)をトランジスタQ1に出力してオフ時にエネルギ蓄積コイル11に発生した高電圧エネルギをダイオードD1を介してコンデンサ12に蓄積する(いわゆる多重充電する)。この繰り返し動作中において、駆動回路22は駆動信号B#1として、駆動信号Aに対し相補的な信号(t2、t13、t14、…のタイミングで反転する信号)をトランジスタQ11に出力する。この信号B#1により、コンデンサ12のエネルギが点火コイル13の1次コイル14に供給され、1次電流i1の遮断時(図2のt13、t15のタイミング)に大きな2次電流i2(高電圧)が発生して多重点火が行われる。
【0025】
このとき、放電期間設定手段としての駆動回路22は、エネルギ蓄積コイル11および1次コイル14の抵抗およびインダクタンスの定数に合わせて、点火コイル13の2次コイル15のプラス側放電電流とマイナス側放電電流とが近似するように、トランジスタQ11の導通期間を設定する。すなわち、図2のt2〜t12の期間に示すように、初回のマイナス側放電期間を比較的長く設定する。これにより、図2のt13〜t14、t15〜t16の期間における2次コイル15のプラス側放電電流値を、図2のt11〜t12等の期間における比較例の(I2+1)よりも大きい(I2+2)とすることができる。その結果、2次コイル15のプラス側放電電流値とマイナス側放電電流とのバランスが良好になり、一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなることがない。
【0026】
そして、次の点火のために、トランジスタQ1がt17のタイミングでオン状態になるとともにt18のタイミングでオフ状態となり、このt17〜t18の期間にエネルギ蓄積コイル11に発生したエネルギがコンデンサ12に蓄積される。つまり、今回の点火のための動作におけるt2〜t13の期間でのトランジスタQ11のオンにおいてはt17〜t18の期間(前回の点火のための動作)でコンデンサ12に蓄積したエネルギとt1〜t2の期間にエネルギ蓄積コイル11に発生したエネルギとが点火コイル13の1次コイル14に供給される。すなわち、図2のt2〜t13の期間における1次電流i1において、突出電流部分e1をコンデンサ12に蓄積したエネルギが受持ち、その後の緩やかな電流部分e2をt1〜t2の期間にエネルギ蓄積コイル11に発生したエネルギが受け持っている。
【0027】
同様の動作が第1気筒以外の他の気筒においても行われる。つまり、駆動回路22において、気筒判別信号IGtにて気筒を判別してトランジスタQ11に代わるトランジスタQ12等に対し駆動信号B#2等が出力され、多重充電・多重点火が行われる。
【0028】
このように、第1のスイッチング素子制御手段としての駆動回路22は、トランジスタQ1をオン/オフ(導通/遮断)状態にしてエネルギ蓄積コイル11に蓄えられたエネルギによりコンデンサ12を充電するとともに、点火時期においてトランジスタ(Q11等)をオン/オフ状態にしてコンデンサ12に充電されたエネルギを点火コイル(13等)の1次コイル(14等)に供給し、これにより、点火動作が行われる。詳しくは、駆動回路22は、気筒判別信号IGtと放電区間信号IGwを入力して、対象気筒に対し所定の放電区間においてトランジスタQ1を連続してオン/オフ状態にしてコンデンサ12を多重充電するとともに、トランジスタ(Q11等)をトランジスタQ1とは相補的に動作させて多重点火する。
【0029】
以上説明した第1実施例においては、前回の点火時期においてコンデンサ12に蓄えられたエネルギと、エネルギ蓄積コイル11に蓄えられたエネルギとが点火コイル(13等)の1次コイル(14等)に供給されるとともに、2次コイル(15等)に点火用高電圧が印加され、点火プラグが火花を発生する。
また、その後の所定の放電期間にトランジスタ(Q1およびQ11等)を交互に断続させ、多重放電させることにより、放電期間に周期的に点火エネルギが供給され、点火プラグの火花が持続する。
【0030】
さらに、点火コイル(13等)の2次コイル(15等)のプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように、エネルギ蓄積コイル11および1次コイル(14等)の抵抗およびインダクタンスの定数に合わせてトランジスタQ11の導通期間を設定するので、2次コイル(15等)のプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスが良好になり、一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなることがない。したがって、エンジンの着火に必要な放電電流が連続的に得られ、点火プラグの放電によりエンジンの気筒内の混合ガスが良好に着火し、失火を防止することができる。
【0031】
(第2実施例)
第2実施例を図3に示す。図1に示す第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付す。
第2実施例においては、図3に示すように、駆動回路22と点火コイル13(17)の2次コイル15(19)とを接続する帰還回路に電流検出用抵抗33(37)の一端が接続されている。電流検出用抵抗33(37)の他端は設置されている。電流検出用抵抗33(37)は2次コイル15(19)に流れる電流を検出するためのものである。このため、2次コイル15(19)の放電電流をモニタすることにより、2次コイル15(19)のプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスを自動的に調整し、点火コイル(13等)のばらつきやエンジン負荷の影響を抑制してエンジンの着火性を良好にし、失火を防止することができる。
【0032】
(第3実施例)
第3実施例を図4に示す。第3実施例によるエンジン用点火装置の構成は図1に示す第1実施例の構成と同様であるので、構成の説明を省略し作動について説明する。なお、図4には、第3実施例の各信号波形および電流波形を実線で示し、第1実施例と同様に放電期間設定手段を備えていない比較例の各信号波形および電流波形を破線で示す。
【0033】
第3実施例においては、図4に示すように、放電区間信号IGwは図4のt2〜t3の期間にHレベルとなっており、この期間に放電が行われる。駆動回路は駆動信号Aとして所定時間毎に反転する信号(t11、t12、…のタイミングで反転する信号)を第1のスイッチング素子に出力してオフ時にエネルギ蓄積コイルに発生した高電圧エネルギを容量放電用コンデンサに蓄積する。この繰り返し動作中において、駆動回路は駆動信号B#1として、駆動信号Aに対し相補的な信号(t2、t11、t12、…のタイミングで反転する信号)を第2のスイッチング素子に出力する。この信号B#1により、容量放電用コンデンサのエネルギが点火コイルの1次コイルに供給され、1次電流i1の遮断時(図4のt11、t13、t15、t17のタイミング)に大きな2次電流i2(高電圧)が発生して多重点火が行われる。
【0034】
このとき、放電期間設定手段としての駆動回路は、エネルギ蓄積コイルおよび1次コイルの抵抗およびインダクタンスの定数に合わせて、点火コイルの2次コイルのプラス側放電電流とマイナス側放電電流とが近似するように、第2のスイッチング素子の導通期間を設定する。すなわち、図4のt12〜t13、t14〜t15の期間に示すように、2回目以降のマイナス側放電期間を比較的長く設定する。これにより、図4のt13〜t14、t15〜t16の期間における2次コイルのプラス側放電電流値を、図4のt11〜t12等の期間における比較例の(I2+1)よりも大きい(I2+2)とすることができる。その結果、2次コイルのプラス側放電電流値とマイナス側放電電流とのバランスが良好になり、一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなることがない。したがって、エンジンの着火に必要な放電電流が連続的に得られ、点火プラグの放電によりエンジンの気筒内の混合ガスが良好に着火し、失火を防止することができる。
【0035】
なお、第3実施例においても第2実施例と同様に、駆動回路と点火コイルの2次コイルとを接続するを設け、この帰還回路に電流検出用抵抗を接続することができる。これにより、2次コイルの放電電流をモニタすることができ、2次コイルのプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスを自動的に調整し、点火コイルのばらつきやエンジン負荷の影響を抑制してエンジンの着火性を良好にし、失火を防止することができる。
【0036】
(第4実施例)
第4実施例を図5に示す。図1に示す第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付す。
第4実施例においては、図5に示すように、バッテリ10とエネルギ蓄積コイル11との間のc点とb点との間にトランジスタQ21とダイオードD2が直列に接続されている。駆動回路22にはトランジスタQ21が接続され、トランジスタQ21に切替用駆動信号SG1を出力する。ECU21は、点火動作の際のモニタ電圧(1次電流i1)が所定値に達しない状況が所定回連続して発生するとフェイルが発生したと判定する。
【0037】
このように、バッテリ10とエネルギ蓄積コイル11とダイオードD1と点火コイルの1次コイル14(18)とトランジスタQ11(Q12)とを含む直列回路におけるエネルギ蓄積コイル11とダイオードD1に対し第2の逆流防止手段としてのダイオードD2が並列接続されている。
【0038】
次に、上記のように構成した点火装置の作動について図6を用いて説明する。なお、フェイル時以外の通常時の作動は図2に示す第1実施例と同様であるので説明を省略する。
図6には、フェイル時での各信号波形および電流波形を示す。ECU21は電流検出用抵抗16および20を用いた電圧モニタにてフェイルが発生したことを検出すると、それまでの通常モードからフェールセーフモードに切り替える。
【0039】
フェールセーフモードにおいて、まず、ECU21は、図6のt20のタイミングで、駆動信号SG1をHレベルにしてトランジスタQ21をオン状態にするとともに、駆動回路22への信号として、放電区間信号IGwの出力レベルをそれまでの最大5ボルトから12ボルトに切り替える。駆動回路22は、放電区間信号IGwの入力ポート(図5のP1で示す)の電圧をモニタしており、12ボルトに切り替わると、フェールセーフモードであると判断して気筒判別信号IGtを気筒毎に振り分けて信号B#1およびB#2として出力する。この信号B#1およびB#2にてトランジスタQ11およびQ12がオン/オフ状態になる。すなわち、第1気筒において、図6のt21のタイミングでトランジスタQ11をオン状態にし、t22のタイミングでオフ状態にする。このトランジスタQ11のオン時に、バッテリ10から点火コイル13の1次コイル14に対しダイオードD2を介してエネルギが供給され、点火コイル13の1次電流i1の遮断時(図6のt22のタイミング)に大きな2次電流i2(高電圧)が発生し点火に供される。以下同様に、例えば、第2気筒に対しては、図6のt23のタイミングでトランジスタQ12をオン状態にし、t24のタイミングでオフ状態にして点火が行われる。
【0040】
このように、エネルギ蓄積コイル11やトランジスタQ1やダイオードD1やコンデンサ12が故障したりそれら部品の配線に異常が発生したといったフェイルが発生したときには、第2のスイッチング素子制御手段としての駆動回路22は、点火時期においてトランジスタQ11(Q12)をオン/オフ(導通/遮断)状態にしてバッテリ10のエネルギをダイオードD2を介して点火コイル13(17)の1次コイル14(18)に供給する。これにより、退避走行を行うことが可能となる。また、ダイオードD2によりフェイル時でない通常時においてコンデンサ12に充電されたエネルギがバッテリ10側に逆流するのが防止される。
【0041】
このようにして、フェイル時に機関停止に至る点火通電経路に対するバイパス経路を用いてバッテリ10のエネルギにて点火コイル13(17)を作動させることにより、退避走行を行うことができる。その結果、フェイル時とそれ以外の通常時に一つのバッテリ10を用いた点火を行わせることができ、より簡素な構成にてフェイルセーフ機能を有するエンジン用点火装置とすることができる。
【0042】
特に駆動回路22は、フェイル時において、トランジスタQ21をそれまでの遮断状態から導通状態に切り替えるので、フェイル時でない通常時に、バッテリ10からダイオードD2を介した点火コイル13(17)の1次コイル14(18)へのエネルギ供給経路を確実に遮断することができる。
【0043】
さらに、点火コイル(13等)の2次コイル(15等)のプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように、エネルギ蓄積コイル11および1次コイル(14等)の抵抗およびインダクタンスの定数に合わせてトランジスタQ11の導通期間を設定するので、2次コイル(15等)のプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスが良好になり、一方の電流値が他方の電流値よりも小さくなることがない。したがって、エンジンの着火に必要な放電電流が連続的に得られ、点火プラグの放電によりエンジンの気筒内の混合ガスが良好に着火し、失火を防止することができる。
【0044】
さらにまた、駆動回路22は、フェイル時において気筒判別信号IGtを入力して、当該気筒判別信号IGtに同期してトランジスタQ11(Q12)をオン/オフ状態にするようにしたので、フェイル時に特別の信号を生成することなく容易にトランジスタQ11(Q12)を制御することができる。
【0045】
さらにまた、フェイルセーフモード時には未使用となる放電区間信号IGwにおける信号レベルを切り替えることによりモード切替惰報を伝達するようにしたので、フェイルセーフモード時に未使用となる信号を有効に活用してモード切替情報の伝達を行うことができる。
なお、図5に示す第4実施例においては、バイパス経路にトランジスタQ21とダイオードD2を設けたが、本発明においては、ダイオードD2のみを設けてもよい。
【0046】
また、第4実施例においても第2実施例と同様に、駆動回路22と点火コイル13(17)の2次コイル15(19)とを接続する帰還回路を設け、この帰還回路に電流検出用抵抗を接続することができる。これにより、2次コイル15(19)の放電電流をモニタすることができ、2次コイル15(19)のプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスを自動的に調整し、点火コイル(13等)のばらつきやエンジン負荷の影響を抑制してエンジンの着火性を良好にし、失火を防止することができる。
【0047】
(第5実施例)
第5実施例を図7に示す。図1に示す第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付す。
第5実施例においては、図7に示すように、エネルギ蓄積コイル11に対し第2の逆流防止手段としてのダイオードD20およびトランジスタQ210を並列に接続し、駆動回路22により、フェイル時に点火時期においてトランジスタQ11をオン/オフ状態にしてバッテリ10のエネルギをタイオードD1およひD20を介して点火コイルの1次コイル14(18)に供給するようにしている。この場合、ダイオードD20によりフェイル時でない通常時においてエネルギ蓄積コイル11に蓄えられたエネルギがバッテリ10側に逆流するのが防止される。
【0048】
上記第5実施例においても、図5に示す第4実施例と同様の効果を得ることができる。なお、第5実施例においては、図4に示す第2実施例に比べてダイオードD1が故障した場合にはフェイルに対処できないので、図7に示す第5実施例のダイオードD1として耐圧を高くする等の対策を講じておくことが望ましい。
【0049】
また、図7に示す第5実施例のダイオードD20を含む並列回路の途中に設けたトランジスタQ210を駆動回路22により、フェイル時において、それまでの遮断状態から導通状態に切り替える。これにより、フェイル時でない通常時に、バッテリ10からダイオードD1およびD20を介した点火コイル13(17)の1次コイル14(18)ヘのエネルギ供給経路を確実に遮断することができる。
なお、第5実施例においては、バイパス経路にトランジスタQ210とダイオードD20を設けたが、本発明においては、ダイオードD20のみを設けてもよい。
【0050】
また、第5実施例においても第2実施例と同様に、駆動回路22と点火コイル13(17)の2次コイル15(19)とを接続する帰還回路を設け、この帰還回路に電流検出用抵抗を接続することができる。これにより、2次コイル15(19)の放電電流をモニタすることができ、2次コイル15(19)のプラス側放電電流とマイナス側放電電流とのバランスを自動的に調整し、点火コイル(13等)のばらつきやエンジン負荷の影響を抑制してエンジンの着火性を良好にし、失火を防止することができる。
【0051】
以上説明した本発明の複数の実施例でのトランジスタQ1、Q11、Q12、Q21およびQ210として、バイポーラトランジスタ、FET(好ましくはPチャネルMOSFET)、IGBTのいずれを用いてもよく、スイッチング素子であれば何を採用してもよい。
また、第4および第5実施例では、フェイルの検出は抵抗16および20を用いた1次電流i1のモニタにより行う場合を示したが、これに限らず他の方式、例えばイオン電流をモニタする方式等を用いてもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるエンジン用点火装置を示す電気的構成図である。
【図2】本発明の第1実施例によるエンジン用点火装置の信号波形および電流波形を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例によるエンジン用点火装置を示す電気的構成図である。
【図4】本発明の第3実施例によるエンジン用点火装置の信号波形および電流波形を示す図である。
【図5】本発明の第4実施例によるエンジン用点火装置を示す電気的構成図である。
【図6】本発明の第4実施例によるエンジン用点火装置のフェイル時における信号波形および電流波形を示す図である。
【図7】本発明の第5実施例によるエンジン用点火装置を示す電気的構成図である。
【符号の説明】
10 バッテリ(直流電源)
11 エネルギ蓄積コイル
12 コンデンサ(容量放電用コンデンサ)
13、17 点火コイル
14、18 1次コイル
16、20、33、37 電流検出用抵抗
21 ECU
22 駆動回路(第1のスイッチング素子制御手段、第2のスイッチング素子制御手段、放電期間設定手段)
Q1 トランジスタ(第1のスイッチング素子)
Q11、Q12 トランジスタ(第2のスイッチング素子)
Q21、Q210 トランジスタ
D1 ダイオード(第1の逆流防止手段)
D2、D20 ダイオード(第2の逆流防止手段)
IGt 気筒判別信号
IGW 放電区問信号[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an internal combustion engine ignition device (hereinafter, an “internal combustion engine” is referred to as an engine).
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a multi-discharge type engine ignition device is known in which a capacitive discharge type ignition device and an induction discharge type ignition device are combined to perform multiple discharge at the ignition discharge timing.
[0003]
As an ignition device of this type, for example, in an ignition device disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-15659, the energy stored in the energy storage coil and the energy charged in the capacitor for capacity discharge at the ignition timing are the ignition coil. The spark plug generates sparks. In addition, energy is periodically supplied to the spark plug by the energy storage coil in a predetermined discharge section from the timing when ignition is started, and multiple discharge is performed, and the spark is sustained. Such a multi-discharge type engine ignition device is characterized in that a discharge interruption is less likely to occur as compared with a single discharge type ignition device.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the above prior art, the energy stored in the capacitor for capacity discharge at the ignition timing and the energy stored in the energy storage coil are supplied to the primary coil of the ignition coil, and the secondary coil is supplied with a high voltage for ignition. After the voltage is applied, the first and second switching elements are alternately interrupted during a predetermined discharge period, and the current on the secondary coil side is changed to plus / minus to realize continuous multiple discharge.
[0005]
However, in this method, since the constant such as the inductance between the energy storage coil and the primary coil of the ignition coil is not considered, the balance between the positive side discharge current and the negative side discharge current of the secondary coil is poor. The current value may be smaller than the other current value. If the current value of one of the secondary coils is smaller than the other current value, a discharge current required for ignition of the engine cannot be obtained, and the mixed gas in the engine cylinder does not ignite despite the discharge of the spark plug. There is a problem that misfire occurs. In addition, there is a problem that ignition of the engine is difficult due to variations in ignition coils and engine load.
[0006]
The present invention has been made to solve such problems, and an object of the present invention is to provide an engine ignition device that improves the ignitability of the engine and prevents misfiring.
Another object of the present invention is to provide an engine ignition device that suppresses the effects of variations in ignition coils and engine load.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
According to the engine ignition device of the first aspect of the present invention, the first switching element is turned on / off, and the capacitor for discharging the capacity is charged by the energy stored in the energy storage coil. The energy that is charged / cut off by the switching element and supplied to the capacitor for discharging the capacitance is supplied to the primary coil of the ignition coil. For this reason, the energy stored in the capacitor for capacity discharge and the energy stored in the energy storage coil at the previous ignition timing are supplied to the primary coil of the ignition coil, and the ignition high voltage is applied to the secondary coil. When applied, the spark plug generates a spark.
Further, the first and second switching elements are alternately intermittently interrupted during a predetermined discharge period thereafter, and multiple discharges are performed, whereby ignition energy is periodically supplied during the discharge period and the spark of the spark plug is sustained.
[0008]
Further, the conduction period of the second switching element by the switching element control means is set so that the positive side discharge energy and the negative side discharge energy of the secondary coil of the ignition coil are approximated. The balance between the current and the negative discharge current becomes good, and one current value does not become smaller than the other current value. Therefore, a discharge current required for ignition of the engine is continuously obtained, and the gas mixture in the cylinder of the engine is ignited satisfactorily by the discharge of the spark plug, and misfire can be prevented.
[0009]
According to the engine ignition device of the second aspect of the present invention, since the conduction period of the second switching element is set according to the constants of the energy storage coil and the primary coil, the resistance of the energy storage coil and the primary coil and By setting the conduction period of the second switching element in consideration of the inductance, it is possible to improve the ignitability of the engine with a simple configuration and prevent misfire.
[0010]
According to the engine ignition device of the third aspect of the present invention, the current detection means for detecting the current flowing in the secondary coil is connected to the feedback circuit that connects the switching element control means and the secondary coil. By monitoring the discharge current of the secondary coil, the balance between the positive side discharge current and the negative side discharge current of the secondary coil is automatically adjusted, and the effects of engine coil variations and engine load are suppressed. It can improve ignitability and prevent misfire.
[0011]
According to the engine ignition device of the fourth aspect of the present invention, at the time of failure, the second switching element control means makes the second switching element conductive / interrupted at the ignition timing, and the energy of the DC power source is the second reverse flow. Since it is supplied to the primary coil of the ignition coil via the prevention means, it is possible to perform retreat travel. Therefore, it is possible to perform ignition using one DC power source at the time of failure and other normal times, and an engine ignition device having a fail-safe function can be provided easily.
In addition, the second backflow prevention means prevents the energy charged in the capacitor for discharging the capacitor from flowing back to the DC power source side in a normal time that is not a failure.
[0012]
Further, the conduction period of the second switching element by the switching element control means is set so that the positive side discharge energy and the negative side discharge energy of the secondary coil of the ignition coil are approximated. The balance between the current and the negative discharge current becomes good, and one current value does not become smaller than the other current value. Therefore, a discharge current required for ignition of the engine is continuously obtained, and the gas mixture in the cylinder of the engine is ignited satisfactorily by the discharge of the spark plug, and misfire can be prevented.
[0013]
According to the engine ignition device of the fifth aspect of the present invention, at the time of failure, the second switching element control means causes the second switching element to be turned on / off at the ignition timing, so that the energy of the DC power source is changed to the first and first. Since it is supplied to the primary coil of the ignition coil via the two backflow prevention means, it is possible to perform retreat travel. Therefore, it is possible to perform ignition using one DC power source at the time of failure and other normal times, and an engine ignition device having a fail-safe function can be provided easily.
In addition, the second backflow prevention means prevents the energy charged in the capacitor for discharging the capacitor from flowing back to the DC power source side in a normal time that is not a failure.
[0014]
Further, the conduction period of the second switching element by the switching element control means is set so that the positive side discharge energy and the negative side discharge energy of the secondary coil of the ignition coil are approximated. The balance between the current and the negative discharge current becomes good, and one current value does not become smaller than the other current value. Therefore, a discharge current required for ignition of the engine is continuously obtained, and the gas mixture in the cylinder of the engine is ignited satisfactorily by the discharge of the spark plug, and misfire can be prevented.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a plurality of examples showing embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
(First embodiment)
FIG. 1 shows the electrical configuration of the engine ignition device according to the first embodiment of the present invention. The ignition device of the first embodiment is mounted on a vehicle and is a DLI (Distributor Less Ignition) type ignition device.
[0016]
In FIG. 1, an
[0017]
A
[0018]
Similarly, the
In FIG. 1, the
[0019]
On the other hand, an electronic control unit (ECU) 21 can detect the state of the engine (intake air amount, rotation speed, cooling water temperature, etc.) by inputting signals from various sensors. Then, the
[0020]
Further, the
[0021]
Thus, the first series circuit including the
[0022]
Next, the operation of the ignition device configured as described above will be described with reference to FIG.
Discharge section signal IGw, cylinder discrimination signal IGt, drive signal A for transistor Q1, drive
[0023]
A cylinder discrimination signal IGt is output from the
[0024]
On the other hand, the discharge section signal IGw is at the H level during the period from t2 to t3 in FIG. 2, and discharge is performed during this period. Specifically, the
[0025]
At this time, the
[0026]
Then, for the next ignition, the transistor Q1 is turned on at the timing of t17 and turned off at the timing of t18, and the energy generated in the
[0027]
Similar operations are performed in cylinders other than the first cylinder. That is, in the
[0028]
In this way, the
[0029]
In the first embodiment described above, the energy stored in the
In addition, the transistors (Q1 and Q11, etc.) are alternately intermittently connected during a predetermined discharge period thereafter, and multiple discharges are performed, so that ignition energy is periodically supplied during the discharge period, and the spark of the spark plug is sustained.
[0030]
Further, the resistance and inductance of the
[0031]
(Second embodiment)
A second embodiment is shown in FIG. Components that are substantially the same as those of the first embodiment shown in FIG.
In the second embodiment, as shown in FIG. 3, one end of a current detection resistor 33 (37) is connected to a feedback circuit that connects the
[0032]
(Third embodiment)
A third embodiment is shown in FIG. Since the configuration of the engine ignition device according to the third embodiment is the same as that of the first embodiment shown in FIG. 1, the description of the configuration will be omitted and the operation will be described. In FIG. 4, each signal waveform and current waveform of the third embodiment are shown by solid lines, and each signal waveform and current waveform of a comparative example not provided with a discharge period setting means is shown by broken lines as in the first embodiment. Show.
[0033]
In the third embodiment, as shown in FIG. 4, the discharge interval signal IGw is at the H level during the period from t2 to t3 in FIG. 4, and discharge is performed during this period. The drive circuit outputs, as the drive signal A, a signal that is inverted every predetermined time (a signal that is inverted at the timing of t11, t12,...) To the first switching element, and stores the high voltage energy generated in the energy storage coil at the time of off. Accumulate in the discharge capacitor. During this repetitive operation, the drive circuit outputs a signal complementary to the drive signal A (a signal inverted at timings t2, t11, t12,...) To the second switching element as the drive
[0034]
At this time, the drive circuit as the discharge period setting means approximates the positive side discharge current and the negative side discharge current of the secondary coil of the ignition coil in accordance with the constants of resistance and inductance of the energy storage coil and the primary coil. Thus, the conduction period of the second switching element is set. That is, as shown in the periods t12 to t13 and t14 to t15 in FIG. 4, the second and subsequent minus side discharge periods are set to be relatively long. As a result, the positive side discharge current value of the secondary coil in the periods t13 to t14 and t15 to t16 in FIG. 4 is larger than (I2 + 1) in the comparative example in the period t11 to t12 in FIG. 4 (I2 + 2). can do. As a result, the balance between the positive side discharge current value and the negative side discharge current of the secondary coil becomes good, and one current value does not become smaller than the other current value. Therefore, a discharge current required for ignition of the engine is continuously obtained, and the gas mixture in the cylinder of the engine is ignited satisfactorily by the discharge of the spark plug, and misfire can be prevented.
[0035]
In the third embodiment, as in the second embodiment, a drive circuit and a secondary coil of the ignition coil are provided, and a current detection resistor can be connected to the feedback circuit. As a result, the discharge current of the secondary coil can be monitored, and the balance between the positive side discharge current and the negative side discharge current of the secondary coil is automatically adjusted to suppress the influence of variations in the ignition coil and the engine load. Thus, the ignitability of the engine can be improved and misfire can be prevented.
[0036]
(Fourth embodiment)
A fourth embodiment is shown in FIG. Components that are substantially the same as those of the first embodiment shown in FIG.
In the fourth embodiment, as shown in FIG. 5, a transistor Q21 and a diode D2 are connected in series between a point c and a point b between the
[0037]
In this way, the second reverse flow with respect to the
[0038]
Next, the operation of the ignition device configured as described above will be described with reference to FIG. Since the normal operation other than the failure is the same as that of the first embodiment shown in FIG.
FIG. 6 shows signal waveforms and current waveforms at the time of failure. When the
[0039]
In the fail safe mode, first, the
[0040]
In this way, when a failure occurs such that the
[0041]
Thus, the retreat travel can be performed by operating the ignition coil 13 (17) with the energy of the
[0042]
In particular, the
[0043]
Further, the resistance and inductance of the
[0044]
Furthermore, the
[0045]
Furthermore, since the mode switching information is transmitted by switching the signal level in the discharge section signal IGw that is not used at the time of the fail safe mode, the mode switching information is effectively utilized by the signal that is not used at the time of the fail safe mode. Can be communicated.
In the fourth embodiment shown in FIG. 5, the transistor Q21 and the diode D2 are provided in the bypass path. However, in the present invention, only the diode D2 may be provided.
[0046]
Also, in the fourth embodiment, similarly to the second embodiment, a feedback circuit for connecting the
[0047]
(5th Example)
A fifth embodiment is shown in FIG. Components that are substantially the same as those of the first embodiment shown in FIG.
In the fifth embodiment, as shown in FIG. 7, a diode D20 as a second backflow prevention means and a transistor Q210 are connected in parallel to the
[0048]
In the fifth embodiment, the same effect as that of the fourth embodiment shown in FIG. 5 can be obtained. In the fifth embodiment, since the failure cannot be dealt with when the diode D1 fails as compared with the second embodiment shown in FIG. 4, the breakdown voltage is increased as the diode D1 of the fifth embodiment shown in FIG. It is desirable to take such measures.
[0049]
Also, the transistor Q210 provided in the middle of the parallel circuit including the diode D20 of the fifth embodiment shown in FIG. 7 is switched from the previous cut-off state to the conductive state by the
In the fifth embodiment, the transistor Q210 and the diode D20 are provided in the bypass path. However, in the present invention, only the diode D20 may be provided.
[0050]
Also, in the fifth embodiment, similarly to the second embodiment, a feedback circuit for connecting the
[0051]
As the transistors Q1, Q11, Q12, Q21, and Q210 in the embodiments described above, any of bipolar transistors, FETs (preferably P-channel MOSFETs), and IGBTs may be used. Any may be adopted.
In the fourth and fifth embodiments, the primary current i using
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an electrical configuration diagram showing an engine ignition device according to a first embodiment of the present invention;
FIG. 2 is a diagram showing a signal waveform and a current waveform of the engine ignition device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is an electrical configuration diagram illustrating an engine ignition device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing signal waveforms and current waveforms of an engine ignition device according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 5 is an electrical configuration diagram showing an engine ignition device according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing a signal waveform and a current waveform during failure of the engine ignition device according to the fourth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is an electrical configuration diagram showing an engine ignition device according to a fifth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10 Battery (DC power supply)
11 Energy storage coil
12 capacitor
13, 17 Ignition coil
14, 18 Primary coil
16, 20, 33, 37 Resistance for current detection
21 ECU
22 Drive circuit (first switching element control means, second switching element control means, discharge period setting means)
Q1 transistor (first switching element)
Q11, Q12 Transistor (second switching element)
Q21, Q210 Transistor
D1 diode (first backflow prevention means)
D2, D20 diode (second backflow prevention means)
IGt Cylinder discrimination signal
IGW Discharge Zone Interrogation Signal
Claims (5)
前記エネルギ蓄積コイルに逆流防止手段を介して接続される容量放電用コンデンサ、点火コイルの1次コイル、ならびに第2のスイッチング素子を含む第2の直列回路と、
前記第1のスイッチング素子を導通/遮断させて前記エネルギ蓄積コイルに蓄えられたエネルギにより前記容量放電用コンデンサを充電し、点火時期において前記第2のスイッチング素子を導通/遮断させて前記容量放電用コンデンサに充電されたエネルギを前記1次コイルに供給するためのスイッチング素子制御手段と、
前記スイッチング素子制御手段による前記第1および第2のスイッチング素子の導通期間を前記点火コイルの2次コイルのプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように設定する放電期間設定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関用点火装置。A first series circuit including a DC power source, an energy storage coil and a first switching element;
A second series circuit including a capacitive discharge capacitor connected to the energy storage coil via backflow prevention means, a primary coil of an ignition coil, and a second switching element;
The first switching element is turned on / off to charge the capacitor discharging capacitor with the energy stored in the energy storage coil, and the second switching element is turned on / off at the ignition timing to discharge the capacity discharging capacitor. Switching element control means for supplying energy charged in the capacitor to the primary coil;
A discharge period setting means for setting a conduction period of the first and second switching elements by the switching element control means so that a positive discharge energy and a negative discharge energy of a secondary coil of the ignition coil are approximated;
An ignition device for an internal combustion engine comprising:
前記エネルギ蓄積コイルに第1の逆流防止手段を介して接続される容量放電用コンデンサ、点火コイルの1次コイル、ならびに第2のスイッチング素子を含む第2の直列回路と、
前記第1のスイッチング素子を導通/遮断させて前記エネルギー蓄積コイルに蓄えられたエネルギにより前記容量放電用コンデンサを充電し、点火時期において前記第2のスイッチング素子を導通/遮断させて前記容量放電用コンデンサに充電されたエネルギを前記1次コイルに供給するための第1のスイッチング素子制御手段と、
前記直流電源、前記エネルギ蓄積コイル、前記第1の逆流防止手段、前記1次コイルおよび前記第2のスイッチング素子を含む直列回路における前記エネルギ蓄積コイルおよび前記第1の逆流防止手段に対し並列に接続される第2の逆流防止手段と、
フェイル時に点火時期において前記第2のスイッチング素子を導通/遮断させて前記直流電源のエネルギを前記第2の逆流防止手段を介して前記1次コイルに供給するための第2のスイッチング素子制御手段と、
前記スイッチング素子制御手段による前記第1および第2のスイッチング素子の導通期間を前記点火コイルの2次コイルのプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように設定する放電期間設定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関用点火装置。A first series circuit including a DC power source, an energy storage coil and a first switching element;
A second series circuit including a capacitive discharge capacitor connected to the energy storage coil via first backflow prevention means, a primary coil of an ignition coil, and a second switching element;
The first switching element is turned on / off to charge the capacity discharging capacitor with the energy stored in the energy storage coil, and the second switching element is turned on / off at the ignition timing to discharge the capacity discharging. First switching element control means for supplying energy charged in the capacitor to the primary coil;
Connected in parallel to the energy storage coil and the first backflow prevention means in a series circuit including the DC power source, the energy storage coil, the first backflow prevention means, the primary coil and the second switching element. Second backflow prevention means to be performed;
Second switching element control means for conducting / interrupting the second switching element at the ignition timing at the time of failure and supplying energy of the DC power source to the primary coil via the second backflow prevention means; ,
A discharge period setting means for setting a conduction period of the first and second switching elements by the switching element control means so that a positive discharge energy and a negative discharge energy of a secondary coil of the ignition coil are approximated;
An ignition device for an internal combustion engine comprising:
前記エネルギ蓄積コイルに第1の逆流防止手段を介して接続される容量放電用コンデンサ、点火コイルの1次コイル、ならびに第2のスイッチング素子を含む第2の直列回路と、
前記第1のスイッチング素子を導通/遮断させて前記エネルギ蓄積コイルに蓄えられたエネルギにより前記容量放電用コンデンサを充電し、点火時期において前記第2のスイッチング素子を導通/遮断させて前記容量放電用コンデンサに充電されたエネルギを前記1次コイルに供給するための第1のスイッチング素子制御手段と、
前記エネルギ蓄積コイルに対し並列に接続される第2の逆流防止手段と、
フェイル時に点火時期において前記第2のスイッチング素子を導通/遮断させて前記直流電源のエネルギを前記第1および第2の逆流防止手段を介して前記1次コイルに供給するための第2のスイッチング素子制御手段と、
前記スイッチング素子制御手段による前記第1および第2のスイッチング素子の導通期間を前記点火コイルの2次コイルのプラス側放電エネルギとマイナス側放電エネルギとが近似するように設定する放電期間設定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関用点火装置。A first series circuit including a DC power source, an energy storage coil and a first switching element;
A second series circuit including a capacitive discharge capacitor connected to the energy storage coil via first backflow prevention means, a primary coil of an ignition coil, and a second switching element;
The first switching element is turned on / off to charge the capacitor discharging capacitor with the energy stored in the energy storage coil, and the second switching element is turned on / off at the ignition timing to discharge the capacity discharging capacitor. First switching element control means for supplying energy charged in the capacitor to the primary coil;
Second backflow prevention means connected in parallel to the energy storage coil;
A second switching element for conducting / interrupting the second switching element at the ignition timing at the time of failure and supplying the energy of the DC power source to the primary coil via the first and second backflow prevention means Control means;
A discharge period setting means for setting a conduction period of the first and second switching elements by the switching element control means so that a positive discharge energy and a negative discharge energy of a secondary coil of the ignition coil are approximated;
An ignition device for an internal combustion engine comprising:
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