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JP4376433B2 - トンネル掘削機 - Google Patents

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JP4376433B2
JP4376433B2 JP2000236801A JP2000236801A JP4376433B2 JP 4376433 B2 JP4376433 B2 JP 4376433B2 JP 2000236801 A JP2000236801 A JP 2000236801A JP 2000236801 A JP2000236801 A JP 2000236801A JP 4376433 B2 JP4376433 B2 JP 4376433B2
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幸司 山崎
規安 山森
一博 直塚
義和 木戸
則夫 金田
洋 新井
亮平 渡邊
孔文 有澤
直之 氏家
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Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Kumagai Gumi Co Ltd
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Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Kumagai Gumi Co Ltd
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前方の地中に掘削困難な支障物があった場合でもこれを掘削して継続してトンネルを掘削可能なトンネル掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なシールド掘削機は、掘削機本体の前部に多数のカッタビットを有するカッタヘッドが回転自在に装着され、駆動モータにより回転駆動可能となっている。また、掘削機本体の後部には円周方向に沿って複数のシールドジャッキが並設されると共に、エレクタ装置が装着されている。従って、駆動モータによりカッタヘッドを回転しながら、シールドジャッキを伸長して既設のセグメントへの押し付け反力により掘削機本体を前進させることで、カッタヘッドの各カッタビットが前方の地盤を掘削し、この地盤の掘削に伴ってエレクタ装置が既設トンネルの内周面にセグメントを組み付けることで、トンネルを構築する。
【0003】
ところで、トンネルを掘削中に、前方の地盤に予期せぬ障害物、例えば、シートパイルや鉄筋コンクリート杭などが発見された場合、シールド掘削機のカッタビットでは破砕することができず、このカッタビットが破損してしまう。
【0004】
そのため、従来は、地中レーダなどにより前方の地盤に存在する障害物を事前に探査し、トンネルの上方の地面を開削してこの障害物を除去したり、振動杭打ち機などを利用して障害物を抜き取っていた。また、トンネル掘削機に障害物除去用のカッタ装置を設け、障害物が検知されたら、収納されたカッタ装置を前方に突出させて障害物を切削除去するものもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような障害物の上方の地面を開削してこの障害物を除去する方法は、この除去作業に長期間を要すると共に、この間はトンネル掘削作業を行うことができず、作業性がよくない。また、障害物の上方の地面にビルなどの建造物があった場合には適用することができない。一方、障害物除去用のカッタ装置を有するトンネル掘削機を用いる方法は、カッタヘッドや掘削機本体内にカッタ装置を収容するため、装置が大型化すると共に、このカッタ装置を出没及び作動させるための構造が複雑となり、製造コストも上昇してしまう。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するものであって、簡単な構造で確実に支障物を掘削することでトンネルを継続して掘削可能として作業性の向上を図ったトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のトンネル掘削機は、筒状をなす掘削機本体の前部にカッタヘッドを回転自在に支持し、該カッタヘッドの前面部に複数の土砂掘削用カッタビットと複数の支障物掘削用カッタビットを設け、前記土砂掘削用カッタビットに対して前記支障物掘削用カッタビットを掘進方向後方にずらして配設したことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2の発明のトンネル掘削機では、前記土砂掘削用カッタビット及び前記支障物掘削用カッタビットを、前記カッタヘッドに装着されたビット本体に超硬チップを固定すると共にすくい角及び逃げ角を設けて構成し、前記カッタヘッドの回転方向に沿って配列したことを特徴としている。
【0009】
また、請求項3の発明のトンネル掘削機では、前記支障物掘削用カッタビットを掘進方向前後にずらした複数のカッタビットから構成し、掘進方向最後方のカッタビットの掘削刃先端部を鈍角としたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項4の発明のトンネル掘削機では、前記支障物掘削用カッタビットを掘進方向前後及び前記カッタヘッドの回転方向左右にずらした複数のカッタビットから構成したことを特徴としている。
【0011】
また、請求項5の発明のトンネル掘削機では、前記土砂掘削用カッタビットの刃部の材質が前記支障物掘削用カッタビットの刃部の材質と異なることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1に本発明の第1実施形態に係るトンネル掘削機としてのシールド掘削機の正面視、図2に本実施形態のシールド掘削機の概略断面、図3に図1のIII−III断面、図4に図3のIV−IV断面、図5に本実施形態のシールド掘削機による掘削作業工程を表す概略、図6に本実施形態のシールド掘削機による掘削作業計画を表す概略を示す。
【0014】
本実施形態のシールド掘削機は、図6に示すように、平面視L字形状に屈曲した既設のトンネル101に対して、新設のトンネルを201を掘削して接合することで、T字形状のトンネルを構築する作業に適用されるものである。この場合、L字形状をなす既設トンネル101は、図示しないシールド掘削機(掘削機本体106)によって矢印A方向に掘削された第1トンネル102と、図示しないシールド掘削機(掘削機本体111)によって矢印B方向に掘削された第2トンネル103とを屈曲トンネル104で連結することで構築されたものである。
【0015】
第1トンネル102は外周部がセグメント105で構成され、その先端部には円筒形状をなす掘削機本体106が埋設され、この掘削機本体106の内部に複数のH鋼及びC型チャンネル材が溶接して形成されたブラインドスクリーン107が形成されると共に、防護コンクリート108,109が形成されている。一方、第2トンネル103は外周部がセグメント110で構成され、その先端部には円筒形状をなす掘削機本体111が埋設され、この掘削機本体103の内部にコンクリート壁112,113が形成されている。
【0016】
本実施形態では、このような既設トンネル101における第1トンネル102の先端部側から新設トンネル201を矢印C方向に掘進し、掘削機本体106、ブラインドスクリーン107、防護コンクリート108,109等を掘削して第1トンネル102並びに第2トンネル103に接合する。
【0017】
図1及び図2に示すように、このようなトンネル掘削作業に用いられる本実施形態のシールド掘削機10において、筒状をなす掘削機本体11の前部にはバルクヘッド12が形成され、このバルクヘッド12には軸受13により回転体14が回転自在に支持され、この回転体14にカッタヘッド15が装着されている。このカッタヘッド15は、2つのカッタスポーク16及びカッタ面板17が外周リング18に支持されてなり、中央に先行カッタビット19が固定され、各カッタスポーク16の両側に土砂掘削用カッタビット20が多数装着され、面板17に4種類の第1〜第4支障物掘削用カッタビット21,22,23,24が装着されている。また、カッタスポーク16には押出ジャッキ25によって外周側に突出可能なコピーカッタ26が装着されている。
【0018】
また、カッタヘッド15及び回転体14の後部にはリングギア27が固定される一方、掘削機本体11には駆動モータ28が装着され、この駆動モータ28の駆動ギア29がリングギア27に噛み合っている。従って、駆動モータ28を駆動して駆動ギア29を回転駆動すると、リングギア27を介してカッタヘッド15を回転することができる。
【0019】
一方、掘削機本体11内にはスクリューコンベヤ30が配設されており、前端部がバルクヘッド12を貫通してチャンバ31に連通されている。また、掘削機本体11の内周面には周方向に沿ってシールドジャッキ32が複数並設されると共に、その後部にセグメントSを組立てるエレクタ装置33が配設されている。従って、このシールドジャッキ32が掘進方向後方に伸長して既設のセグメントSに押し付けることで、その反力により掘削機本体11を前進することができ、エレクタ装置33が前進した掘削機本体11と既設のセグメントSとの空所にセグメントを組み付けることができる。
【0020】
ところで、本実施形態のシールド掘削機10は、前述したように、土砂地盤の他に掘削機本体106、ブラインドスクリーン107、防護コンクリート108,109等の支障物を掘削可能となっており、カッタヘッド15には土砂掘削用カッタビット20と共に第1〜第4支障物掘削用カッタビット21,22,23,24が装着されている。即ち、図3及び図4に示すように、カッタスポーク16の回転方向前後に固定されたブラケット34には支持軸35によって土砂掘削用カッタビット20の基端部が回動自在に装着されており、土砂掘削用カッタビット20の先端部には超硬チップ20aが固定され、すくい角α0 及び逃げ角β0 が設けられている。一方、カッタ面板17には第1〜第3支障物掘削用カッタビット21,22,23の基端部が固定されており、その先端部には超硬チップ21a,22a,23aが固定され、すくい角α1 ,α2 ,α3 及び逃げ角β1 ,β2 ,β3 が設けられている。
【0021】
そして、各カッタビット20〜23はそれぞれ掘進方向後方にずらして配設されることで、カッタヘッド15の前面からの高さがそれぞれH0 >H1 >H2 >H3 となっており、且つ、カッタヘッド15の回転方向に沿って配列されている。また、カッタビット20〜23における超硬チップ20a,21a,22a,23aの硬度は、超硬チップ21aと22aと23aがそれぞれほぼ同等で、超硬チップ20aは超硬チップ21a,22a,23aに対して硬く脆い材料で構成されている。なお、図3及び図4では、第4支障物掘削用カッタビット24を省略してあるが、ほぼ同様の構造となっており、カッタヘッド15の前面からの高さが第3支障物掘削用カッタビット23より低くなっており、硬度は同等である。
【0022】
従って、このように構成されたシールド掘削機10にてトンネルを掘削するには、図2に示すように、駆動モータ28によりカッタヘッド15を回転させながら複数のシールドジャッキ32を伸長すると、既設のセグメントSへの押し付け反力によって掘削機本体11が前進し、最前方に位置している多数の先行カッタビット19及び土砂掘削用カッタビット20が前方の地盤を掘削する。この場合、各支障物掘削用カッタビット21,22,23,24は土砂掘削用カッタビット20よりも後方に位置しているので、磨耗することはほとんどない。そして、掘削された土砂はチャンバ31に取り込まれ、スクリューコンベヤ30によって外部に排出される。その後、シールドジャッキ32の何れか一つを縮み方向に作動して既設のセグメントSとの間に空所を形成し、エレクタ装置33によってこの空所に新しいセグメントSを装着する。
【0023】
この作業の繰り返しによってトンネルを連続的に掘削形成していき、図6に示すように、シールド掘削機10を第1トンネル102における掘削機本体106に向けて接近させ、先端部が掘削機本体106の内側に嵌入するように方向制御を行う。そして、図5(a)に示すように、シールド掘削機10を推進し、カッタヘッド15の回転により各カッタビット19,20が掘削機本体106の内側並びに土砂を掘削していく。その後、シールド掘削機10の先端部がブラインドスクリーン107に至り、更に前進させて掘削作業を行う。ところが、このブラインドスクリーン107は鋼鉄製であるために土砂掘削用カッタビット20で切削することは困難であり、刃先が磨耗したり欠損したりする。すると、この土砂掘削用カッタビット20に代わり、鋼鉄部材を切削可能な第1支障物掘削用カッタビット21が最前方に位置することとなり、この第1支障物掘削用カッタビット21によりブラインドスクリーン107を切削する。
【0024】
そして、カッタヘッド15の回転により第1支障物掘削用カッタビット21がブラインドスクリーン107を切削し、図5(b)に示すように、ブラインドスクリーン107の切削が完了すると、更にシールド掘削機10を前進させて防護コンクリート108,109の掘削作業を行い、第1トンネル102に連通させる。このシールド掘削機10によるブラインドスクリーン107及び防護コンクリート108,109の掘削作業時に、第1支障物掘削用カッタビット21の刃先が磨耗や欠損した場合には、この第1支障物掘削用カッタビット21に代わり、第2支障物掘削用カッタビット22が最前方に位置するため、この第2支障物掘削用カッタビット22により切削、掘削作業を継続する。同様に第2支障物掘削用カッタビット22の刃先が磨耗や欠損した場合には、この第3、第4支障物掘削用カッタビット23,24により切削、掘削作業を継続する。
【0025】
このように本実施形態のシールド掘削機10では、カッタヘッド15に土砂掘削用カッタビット20と第1〜第4支障物掘削用カッタビット21,22,23,24を装着し、カッタビット20〜24の順に掘進方向後方側へずらし、カッタヘッド15の回転方向に沿って配列している。従って、通常掘削時には土砂掘削用カッタビット20が土砂地盤を掘削する一方、各支障物掘削用カッタビット21,22,23,24の磨耗が抑制され、ブラインドスクリーン107や防護コンクリート108,109の掘削時には、土砂掘削用カッタビット20が摩耗、破損して各支障物掘削用カッタビット21,22,23,24が順に最前方位置となってこの支障物を掘削することとなる。このようにシールド掘削機10は掘削作業を中断せずに土砂地盤並びに支障物を連続して掘削することができる。
【0026】
また、各カッタビット20,21,22,23,24はそれぞれすくい角及び逃げ角が設けられているため、切削性が低下することなく連続して掘削することができる。更に、各カッタビット20,21,22,23,24をカッタスポーク16及びカッタ面板17の両側にそれぞれ外側を向くような対称位置に設けたので、カッタヘッド15の回転方向に拘らずに掘削が可能となる。土砂掘削用カッタビット20を回動可能としたので、カッタヘッド15の正回転時に逆回転用のカッタビット20は後方に回動するために背面磨耗を低減できる。
【0027】
なお、上述した第1実施形態では、土砂掘削用カッタビット20及び第1〜第4支障物掘削用カッタビット21,22,23,24における超硬チップ20a,21a,22a,23aの形状を先端を水平鋭角としたが、これに限定されるものではない。
【0028】
図7に本発明の第2実施形態のシールド掘削機に装着された支障物掘削用カッタビットの正面視、図8に本発明の第3実施形態のシールド掘削機に装着された支障物掘削用カッタビットの側面視、図9に第3実施形態の支障物掘削用カッタビットの平面視を示す。なお、図7は図4に対応し、図8は図3に対応し、図9は図1の一部に対応するものであり、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0029】
第2実施形態では、図7(a)に示すように、面板17に固定された第1〜第3支障物掘削用カッタビット41,42,43の先端部の形状を山型とし、カッタビット41〜43の順に掘進方向後方側へずらし、カッタヘッド15の回転方向に沿って配列している。また、図7(b)に示すように、面板17に固定された第1〜第3支障物掘削用カッタビット41a,42a,43aの先端部の形状を複数の山型とし、カッタビット41a〜43aの順に掘進方向後方側へずらすと共に、カッタヘッド15の回転方向左右にずらして配列している。このようにカッタビット41,42,43の先端部の形状を山型とすることで、支障物に対する掘削力を集中させることが可能となる。また、カッタビット41a,42a,43aカッタヘッド15の回転方向左右にずらすことで、掘進速度が上がって切り込み深さが大きくなった場合、各カッタビット41a,42a,43aの回動軌跡が山と谷の部分で一致して切り込み深さによる自由面が形成されるため、切削力を低減できると共に、耐久性を向上できる。
【0030】
第3実施形態では、図8(a)及び図9(a)に示すように、面板17に固定された第1〜第3支障物掘削用カッタビット51,52,53を一体に形成し、カッタビット51〜53の順にカッタヘッド15の回転方向前方側から位置させると共に、掘進方向後方側へずらしている。また、図8(b)に示すように、面板17に固定された第1〜第3支障物掘削用カッタビット51a,52a,53aを一体に形成し、カッタビット51a〜53aの順にカッタヘッド15の回転方向後方側から位置させると共に、掘進方向後方側へずらしている。このようにカッタビット51(51a),52(52a),53(53a)を一体に形成することで、製造を容易にして低コスト化できると共に、組付作業を簡素化できる。
【0031】
なお、第1〜第3支障物掘削用カッタビット51,52,53を一体に形成した場合、図9(b)に示すように、カッタヘッド15の回転中心Oの円弧状に形成すると、切削効率がよく、且つ、掘進方向後方側のカッタビットの磨耗が更に抑制できる。
【0032】
また、上述した各実施形態にて、支障物掘削用カッタビットの形状を各種説明したが、複数の支障物掘削用カッタビットごとに異形としてもよい。図10に本発明の第4実施形態のシールド掘削機の正面視、図11に図10のXI−XI断面を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0033】
第4実施形態において、図10及び図11に示すように、カッタヘッド60は、カッタスポーク16及びカッタ面板17が外周リング18に支持され、中央に先行カッタビット19が固定され、カッタスポーク16の両側に土砂掘削用カッタビット20が多数装着され、面板17に4種類の第1〜第4支障物掘削用カッタビット61,62,63,64が装着されている。土砂掘削用カッタビット20は先端部に超硬チップ20aが固定され、すくい角α0 及び逃げ角β0 が設けられている。第1支障物掘削用カッタビット61は先端部に超硬チップ61aが固定され、すくい角α1 及び逃げ角β1 が設けられている。第2支障物掘削用カッタビット62は先端部に超硬チップ62aが固定され、すくい角α2 及び逃げ角β2 が設けられている。第3支障物掘削用カッタビット63は山型をなし先端部に超硬チップ63aが固定されている。
【0034】
そして、各カッタビット20,61〜63はそれぞれ掘進方向後方にずらして配設されることで、カッタヘッド15の前面からの高さがそれぞれH0 >H1 >H2 >H3 となっており、且つ、カッタヘッド15の回転方向左右にずれて配列されている。また、カッタビット20,61〜63における超硬チップ20a,61a,62a,63aの材質は、超硬チップ20aが硬く脆い材質であり、超硬チップ61aと62aは鉄鋼切削工具用の材質とし、超硬チップ63aは20aよりも比較的軟らかくて欠損しにくい材質で構成されている。なお、図11では、第4支障物掘削用カッタビット64を省略してあるが、ほぼ同様の構造となっており、カッタヘッド15の前面からの高さが第3支障物掘削用カッタビット63より低くなっており、材質は63aと同等である。
【0035】
このように本実施形態にあっては、カッタヘッド60の回転により土砂掘削用カッタビット20が土砂地盤を掘削して支障物に至ると、この土砂掘削用カッタビット20は刃先が磨耗したり欠損し、第1支障物掘削用カッタビット61が最前方に位置し、この第1支障物掘削用カッタビット61により支障物を掘削する。この第1支障物掘削用カッタビット61がの刃先が磨耗や欠損した場合には、各支障物掘削用カッタビット62,63,64が最前方に位置して掘削作業を継続して行う。
【0036】
この場合、地盤が土砂から硬度な支障物に変わっても、土砂掘削用カッタビット20から各支障物掘削用カッタビット61,62,63,64へ自動的に切り換わることで、掘削作業を中断せずに土砂地盤並びに支障物を連続して掘削することができる。また、各カッタビット20,61,62にそれぞれすくい角及び逃げ角を設けたことで、切削性が低下することなく連続して掘削することができる。更に、各カッタビット20,61を回動可能としたので、カッタヘッド60の正回転時に逆回転用のカッタビットは後方に回動するために背面磨耗を低減できる。また、掘進方向最後方の第3、第4支障物掘削用カッタビット63,64の形状を山型として破損しにくい形状としたことで、支障物掘削用カッタビット61,62が支障物の掘削中に破損したとしても、切削効率が低下するものの第3、第4支障物掘削用カッタビット63,64により確実に支障物を掘削することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明のトンネル掘削機によれば、筒状をなす掘削機本体の前部にカッタヘッドを回転自在に支持し、カッタヘッドの前面部に複数の土砂掘削用カッタビットと複数の支障物掘削用カッタビットを設け、土砂掘削用カッタビットに対して支障物掘削用カッタビットを掘進方向後方にずらして配設したので、土砂掘削中は支障物掘削用カッタビットが後方に位置して磨耗することが抑制され、地盤が土砂から硬度な支障物に変わったら、掘進方向前側の土砂掘削用カッタビットが摩耗あるいは欠損して支障物掘削用カッタビットが最前方に位置して支障物を掘削することができ、簡単な構造で確実に支障物を掘削することで、掘削作業を中断せずにトンネルを継続して掘削可能として作業性を向上することができる。
【0038】
また、請求項2の発明のトンネル掘削機によれば、土砂掘削用カッタビット及び支障物掘削用カッタビットを、カッタヘッドに装着されたビット本体に超硬チップを固定すると共にすくい角及び逃げ角を設けて構成し、カッタヘッドの回転方向に沿って配列したので、切削性が低下することなく連続して掘削することができると共に、土砂掘削中における支障物掘削用カッタビットの磨耗を抑制することができる。
【0039】
また、請求項3の発明のトンネル掘削機によれば、支障物掘削用カッタビットを掘進方向前後にずらした複数のカッタビットから構成し、掘進方向最後方のカッタビットの掘削刃先端部を鈍角としたので、掘進方向前方側の支障物掘削用カッタビットが支障物の掘削中に破損しても、切削効率が低下するものの破損に対して耐久性の高い最後方の支障物掘削用カッタビットにより確実に支障物を掘削することができる。
【0040】
また、請求項4の発明のトンネル掘削機によれば、支障物掘削用カッタビットを掘進方向前後及びカッタヘッドの回転方向左右にずらした複数のカッタビットから構成したので、掘進速度が上がって切り込み深さが大きくなった場合、各カッタビットの回動軌跡が山と谷の部分で一致して切り込み深さによる自由面が形成されるため、切削力を低減することができると共に、耐久性を向上することができる。
【0041】
また、請求項5の発明のトンネル掘削機によれば、土砂掘削用カッタビットの刃部の材質を支障物掘削用カッタビットの刃部の材質と異なるものとしたので、支障物に対して土砂掘削用カッタビットを破損しやすくし、支障物掘削用カッタビットを破損しにくくすることで、その切り換えを容易として作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトンネル掘削機としてのシールド掘削機の正面図である。
【図2】本実施形態のシールド掘削機の概略断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】本実施形態のシールド掘削機による掘削作業工程を表す概略図である。
【図6】本実施形態のシールド掘削機による掘削作業計画を表す概略図である。
【図7】本発明の第2実施形態のシールド掘削機に装着された支障物掘削用カッタビットの正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態のシールド掘削機に装着された支障物掘削用カッタビットの側面図である。
【図9】第3実施形態の支障物掘削用カッタビットの平面図である。
【図10】本発明の第4実施形態のシールド掘削機の正面図である。
【図11】図10のXI−XI断面図である。
【符号の説明】
11 掘削機本体
15 カッタヘッド
13 カッタスポーク
20 土砂掘削用カッタビット
21 第1支障物掘削用カッタビット
22 第2支障物掘削用カッタビット
23 第3支障物掘削用カッタビット
24 第4支障物掘削用カッタビット
28 駆動モータ
32 シールドジャッキ
33 エレクタ装置
41,41a,61 第1支障物掘削用カッタビット
42,42a,62 第2支障物掘削用カッタビット
43,43a,63 第3支障物掘削用カッタビット
60 カッタヘッド
64 第4支障物掘削用カッタビット

Claims (5)

  1. 筒状をなす掘削機本体の前部にカッタヘッドを回転自在に支持し、該カッタヘッドの前面部に複数の土砂掘削用カッタビットと複数の支障物掘削用カッタビットを設け、前記土砂掘削用カッタビットに対して前記支障物掘削用カッタビットを掘進方向後方にずらして配設した
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  2. 請求項1記載のトンネル掘削機において、
    前記土砂掘削用カッタビット及び前記支障物掘削用カッタビットを、前記カッタヘッドに装着されたビット本体に超硬チップを固定すると共にすくい角及び逃げ角を設けて構成し、前記カッタヘッドの回転方向に沿って配列した
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  3. 請求項1記載のトンネル掘削機において、
    前記支障物掘削用カッタビットを掘進方向前後にずらした複数のカッタビットから構成し、
    掘進方向最後方のカッタビットの掘削刃先端部を鈍角とした
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  4. 請求項1記載のトンネル掘削機において、
    前記支障物掘削用カッタビットを掘進方向前後及び前記カッタヘッドの回転方向左右にずらした複数のカッタビットから構成した
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  5. 請求項1記載のトンネル掘削機において、
    前記土砂掘削用カッタビットの刃部の材質が前記支障物掘削用カッタビットの刃部の材質と異なる
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
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