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JP4373522B2 - 合成樹脂製キャップ - Google Patents

合成樹脂製キャップ Download PDF

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JP4373522B2 JP07669199A JP7669199A JP4373522B2 JP 4373522 B2 JP4373522 B2 JP 4373522B2 JP 07669199 A JP07669199 A JP 07669199A JP 7669199 A JP7669199 A JP 7669199A JP 4373522 B2 JP4373522 B2 JP 4373522B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、瓶などの口部に装着される合成樹脂製キャップに関するものであり、更に述べると、上蓋内に発生する高圧空気を逃がすことのできる合成樹脂製キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の合成樹脂製キャップは注出筒部を有し、かつ、その外周側に係合凹部を有する中蓋と、該中蓋に嵌着され、かつ、その側壁部内面下部に係合突起を有する上蓋と、を備えている。この合成樹脂製キャップを容器口部に装着する場合には、まず容器内に内容物を充填する。特に、内容物がつゆ類、たれ類等の比較的低塩分濃度の液体食品調味料の場合は、殺菌のため70゜〜90゜に加熱された状態で容器に充填される。
内容物を充填後、中蓋に上蓋を嵌着させたキャップを容器の口部に打栓などにより装着する。該キャップを口部に装着後、必要に応じて該容器は60度〜70度程度の温水により洗浄される。
【0003】
この充填工程後や洗浄工程中において、上蓋の内方空間が上蓋と中蓋とにより密閉されているので、上蓋内の空気が加熱により膨張して上蓋が押し上げられ、上蓋と中蓋の係合が外れてしまい、上蓋が浮き上がったり、又は、上蓋が開いてしまうことがある。そのため、温水やゴミなどが上蓋内に侵入し不衛生であると共に、上蓋を押圧して閉め直さなければならないので、手数がかかろ。
【0004】
そこでこの問題を解決するため、次のような合成樹脂製キャップが用いられている(実公平8−2124号公報参照)。
容器口部へ取り付ける中蓋であって、該中蓋の天板部上面に注出筒を有するとともに、該注出筒内方の中蓋天板部に注出用開口除去部を有する中蓋と、該中蓋に嵌合する上蓋とで構成され、前記注出筒の内面に密着する環状突出部を上蓋に於ける天板部の下面に有する構造の二重合成樹脂製キャップにおいて、上蓋天板部における環状突出部位置よりも中央部分の肉厚を、上蓋天板部における環状突出部位置よりも周縁部分である上天板部の肉厚の約2分の1としたことを特徴とする液体用二重合成樹脂製キャップ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記合成樹脂製キャップは、上蓋天板部を肉薄にしこの部分の変形により、圧力上昇を吸収しようとするものであるが、次の様な問題がある。
(1)上蓋天板部の変形量に限度があるため、圧力上昇防止効果が不十分である。そのため、圧力上昇を吸収しきれずに上蓋が開いてしまう。
【0006】
(2)上蓋天板部が薄肉で変形しやすいので、キャップを打栓装着するとき、中蓋の上壁に形成されたスコアが破損しやすい。その上、上蓋の開閉操作時に該天板部が変形するので、感触が悪くなる。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑み、上蓋内の圧力上昇により上蓋が開かない様にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上壁の上面に注出筒を設け、該注出筒内方に断壁を設けるとともに、該注出筒の外周側に環状係止部を設けた中蓋と、該中蓋に嵌着され、かつ、側壁部内面に前記環状係止部と係合する環状係合部を設けた上蓋と、を備えた合成樹脂製キャップにおいて;前記環状係合部と環状係止部は、互いに密着し、かつ、断面形状が曲面状の環状シール面を有し、前記環状係合部と環状係止部の少なくとも一方は、他方の環状シール面に連続する環状当接面、あるいは、環状シール面と当接する、前記環状シール面に連続する環状当接面を有し、前記環状当接面が、前記環状シール面に連続する空気逃がし手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
打栓時等において、上蓋内の圧力が上昇すると、上蓋が上方向の力を受けて開蓋方向に変位するので、上蓋の環状係合部は中蓋の環状係止部の環状シール面及び環状当接面に沿って上昇する。そして、その上昇途中において両シール面は離れ、環状係合部の環状シール面は環状係止部の環状当接面に当接する。この時、上蓋内の空気は環状当接面の空気逃がし手段を介して大気中に放出される。
【0010】
この空気逃がし手段は、環状シール面と環状当接面とを備えた環状係合部及び環状係止部のいずれか一方の環状当接面、又は、双方の環状当接面に、該環状シール面と連続する空気逃がし溝である。又、空気逃がし溝にかえて上下方向の小突起又は隣接する上下方向の2本の小突起に囲まれた凹部を空気逃がし手段として用いることもできる。
【0011】
この環状係合部、例えば、係合突起は上蓋に形成され、環状係止部、例えば、係合凹状は中蓋に形成されるが、前記と逆に、即ち、上蓋に係合凹部を形成し、中蓋に係合突起を設けてもよい。
【0012】
空気逃がし溝を介して上蓋内の空気が大気中に排出される時、環状係合部と環状係止部とはまだ係合状態を維持しており、上蓋内の圧力が低下すると、該上蓋は大気圧により押圧されて降下する。そのため、環状係止部と環状係合部とは元の係合状態に戻る。
【0013】
【実施例】
この発明の第1実施例を図1〜図5により説明する。
合成樹脂製キャップ1は、容器口部に取付けられる中蓋2と、該中蓋2に嵌着される上蓋20とを備えている。
【0014】
中蓋2には、筒部3の上端を閉鎖する上壁4が設けられている。この上壁4の上面には注出筒5が立設され、その内側にはスコア6に囲まれた切断壁7が設けられている。該切断壁7の先端部にはプルリング8が設けられている。
【0015】
注出筒5の外側には、同心状の環状係止部、例えば、係合凹部9が設けられている。この係合凹部9には、環状シール面9aと、環状当接面9bとが設けられている。この当接面9bは、該シール面9aの下端に連続している。
【0016】
筒部3の内面には、環状突部11が設けられ、この突部11は図示しない容器口部の外周凹部に係合する。この容器口部は該筒部3と内筒部10により挾まれる。
【0017】
上蓋20は、天板部21と側壁部22とを備えている。この天板部21の裏面には環状突出部21a、21bが設けられているが、この環状突出部21a、21bは閉蓋時、注出筒5の先端部5aに当接しシール作用をする。
【0018】
側壁部22の下端部内面には、環状係合部、例えば、係合突起25が設けられている。この係合突起25の係合表面は断面円弧状となっており、環状シール面25aと環状当接面25bとを備えている。該シール面25aは、閉蓋時に係合凹部9の環状シール面9aと密着する。
該環状当接面25bは、前記環状シール面25aの下端に連続するとともに、該係合凹部9の環状当接面9bに当接する。
【0019】
前記環状当接面25bには、空気逃がし手段が設けられている。この空気逃がし手段26として空気逃がし溝(エアーベント)が用いられる。この空気逃がし溝26の長さ、方向、深さ、本数、形状等は必要に応じて適宜選択される。
例えば、この溝26として、前記環状シール面25aの下端に連続する複数本の溝が採用される。
【0020】
次に本実施例の作動について説明する。
閉蓋の状態では、図2に示す様に、注出筒5の先端と環状突出部21a、21bとが密着して内側密封室28が形成され、又、側壁部22の係合突起25の環状シール面25aと係合凹部9の環状シール面9aとが密着して外側密封室29が形成されている。
【0021】
内側密封室28内の空気Aが温度上昇すると、該密封室28内の圧力が上昇するので、図3に示す様に、上蓋20の天板部21が押圧されて変形し、環状突出部21a、21bは注出筒5から離れ、両者5、21a、21b間に隙間が生じる。そのため、前記空気Aは該隙間を通り外側密封室29内に流入する。
この時、前記両環状シール面9a、25aは密封状態を維持しているので、該外側密封室29内の圧力も次第に上昇する。
【0022】
更に、内側密封室28内の圧力が上昇すると、図4に示す様に更に天板部21が上方に変位し、側壁部22も上方に変位する。この時、側壁部22の係合突起25は中蓋2の係合凹部9の環状シール面9a、環状当接面9b上を摺動しながら上昇する。
【0023】
そして、該係合突起25の環状シール面25aの下端が、前記係合凹部9の環状シール面9aから離れると、係合突起の環状当接面25bが係合凹部の環状シール面9aに当接して両者9、25の係合状態が維持されるとともに、前記外側密封室29は空気逃がし溝26を介して大気と連通する。
【0024】
そうすると、前記密封室28、29内の空気は、該空気逃がし溝26から大気中に放出されるので、前記両室28、29の圧力は急激に低下する。そのため、上蓋20を上方に押圧する力は弱まり、側壁部22の上昇は停止するので、上蓋20が開くことはない。
【0025】
その後、充填内溶液の温度低下に伴い、前記両室28、29内の圧力が低下し大気圧以下となると、天板部21は大気により下方に押圧され、図2に示す様に変形前の状態に戻る。
【0026】
この発明の第2実施例を図6により説明する。この実施例と第1実施例との相違点は、中蓋2の係合凹部39の環状シール面39aの上端に環状当接面39bを連続させ、又、側壁部22の係合突起35の環状シール面35aの上端に環状当接面35bを連続して形成するとともに、中蓋の係合凹部39の環状当接面39bに空気逃がし溝46を形成したことである。
【0027】
この実施例では、上蓋20の変位により側壁部22が上昇すると、係合突起35は係合凹部39の環状シール面39a、環状当接面39b上を摺動しながら上昇する。
そして、環状シール面35aの下端が前記環状シール面39aから離れると、係合凹部の環状当接面39bに当接して両者間の係合状態が維持されるとともに、外側密閉室29は空気逃がし溝46を介して大気と連通する。
【0028】
この発明の実施例は、上記に限定されるものではなく、例えば、中蓋に係合凹部を設け、上蓋の側壁部に係合突起を設ける代わりに、その逆、即ち、中蓋に係合突起を設け、上蓋の側壁部に係合凹部を設けてもよい。又、上蓋はヒンジを介して中蓋に連結する所謂ヒンジ蓋が好適に用いられる。
【0029】
【発明の効果】
この発明は、以上の様に環状当接面に空気逃がし手段を設けたので、上蓋内の圧力が上昇し上蓋が変形して環状係合部が変位すると、該上蓋内の空気は空気逃がし手段を介して大気に放出される。そのため、上蓋内の圧力が低下するので、蓋が開くことがないとともに、容器内溶液の温度の低下に伴い、上蓋内の圧力が大気圧以下になると該上蓋は元の密閉された状態に戻る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の他の状態を示す断面図で、上蓋内の圧力が上昇した状態を示す図である。
【図4】図2の更に他の状態を示す断面図で、上蓋内の圧力が更に上昇した状態を示す図である。
【図5】係合突起と係合凹部との係合状態を示す拡大断面図である。
【図6】この発明の第2実施例を示す断面図で、図5に対応するものである。
【符号の説明】
2 中蓋
9 係合凹部
9a 環状シール面
9b 環状当接面
20 上蓋
25 係合突起
25a 環状シール面
25b 環状当接面
26 空気逃がし溝
35 係合突起
35a 環状シール面
35b 環状当接面
39 係合凹部
39a 環状シール面
39b 環状当接面
46 空気逃がし溝

Claims (6)

  1. 上壁の上面に注出筒を設け、該注出筒内方に断壁を設けるとともに、該注出筒の外周側に環状係止部を設けた中蓋と、該中蓋に嵌着され、かつ、側壁部内面に前記環状係止部と係合する環状係合部を設けた上蓋と、を備えた合成樹脂製キャップにおいて;
    前記環状係合部と環状係止部は、互いに密着し、かつ、断面形状が曲面状の環状シール面を有し、前記環状係合部と環状係止部の少なくとも一方は、他方の環状シール面に連続する環状当接面、あるいは、環状シール面と当接する、前記環状シール面に連続する環状当接面を有し、前記環状当接面が、前記環状シール面に連続する空気逃がし手段を備えていることを特徴とする合成樹脂製キャップ。
  2. 前記空気逃がし手段は、前記環状係合部又は環状係止部のいずれか一方に形成された空気逃がし溝であることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製キャップ。
  3. 前記空気逃がし手段は、前記環状係合部及び環状係止部に形成された空気逃がし溝であることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製キャップ。
  4. 前記空気逃がし手段が、縦方向に複数本形成されている空気逃がし溝であることを特徴とする請求項1、2、又は、3記載の合成樹脂製キャップ。
  5. 前記環状係止部が、中蓋に形成された係合凹部であり、
    前記環状係合部が、上蓋の側壁部内面に形成された係合突起であることを特徴とする請求項1、2、3、又は、4記載の合成樹脂製キャップ。
  6. 上蓋と中蓋が、ヒンジを介して連結されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は、5記載の合成樹脂製キャップ。
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