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JP4372097B2 - 赤外線センサ、赤外線カメラ、赤外線センサの駆動方法および赤外線カメラの駆動方法 - Google Patents

赤外線センサ、赤外線カメラ、赤外線センサの駆動方法および赤外線カメラの駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線センサ、赤外線カメラ、赤外線センサの駆動方法および赤外線カメラの駆動方法の駆動方法に関する。
赤外線撮像は、昼夜にかかわらず撮像可能であるとともに、可視光よりも煙、霧に対して透過性が高い。さらに赤外線撮像は、被写体の温度情報をも得ることができることから、防衛分野をはじめ監視カメラや火災検知カメラとして広い応用範囲を有する。
従来の量子型赤外線固体撮像装置の最大の欠点は、低温動作のための冷却機構を必要としていたことである。近年、この冷却機構を必要としない「非冷却型赤外線固体撮像素子」の開発が盛んになってきている。非冷却型すなわち熱型の赤外線固体撮像装置は、波長10μ程度の入射赤外線を吸収構造により熱に変換した上で、この微弱な熱により生じる感熱部の温度変化をなんらかの熱電変換手段により電気的信号に変換する。熱型の赤外線固体撮像装置は、この電気的信号を読み出すことで赤外線画像情報を得ている。
たとえば、一定の順方向電流を与えることにより、温度変化を電圧変化に変換するシリコンpn接合を用いた赤外線センサが報告されている(非特許文献1)。
この方式では、半導体基板にSOI(Silicon On Insulator)基板を用いる。このため、この赤外線センサは、製造工程上、シリコンLSI工程のみで製造することができるので、量産に適している。
また、この赤外線センサは、熱電変換手段であるシリコンpn接合の整流特性を利用して、行選択の機能を実現している。よって、この赤外線センサは、画素構造が極めてシンプルに構成できるという特長も有する。
赤外線センサの性能をあらわす指標の一つとして、赤外線センサの温度分解能を表現するNETD(Noise Equivalent Temperature Differnece(等価雑音温度差))がある。
このNETDは、雑音と等しくなる温度差を示す。NETDを小さくすることが赤外線センサにとって重要であり、そのためには信号の感度を高くすること、および、雑音を低減することが必要になる。
Tomohiro Ishikawa, et al., Proc. SPIE Vol.3698, p.556, 1999 「高感度CMOSイメージセンサ」、映像情報メディア学会誌Vo1. 54,No.2,p.216,2000 特開平9−284651号公報 特開2002−300475号公報
赤外線センサの撮像領域で検出された信号は、カラムアンプで増幅され、蓄積容量に蓄積される。この蓄積容量から信号を読み出すことによって画像情報を得る。
しかし、実際の赤外線センサにおいて、撮像領域で検出される信号は、μVオーダーという非常に微弱な電圧である。一方、カラムアンプのゲインを向上するためのバイアス電流を流すために必要な電圧成分はカラムアンプ入力換算で数百mVである。バイアス電流は、赤外線信号の有無にかかわらず、カラムアンプの増幅トランジスタに流れる電流である。
このように、蓄積容量に積分される電流の大部分はバイアス電流成分であり、赤外線の信号成分は非常に少ない。即ち、蓄積容量の電圧スイングのほとんどがバイアス電流成分によるものであり、赤外線信号成分はその電圧スイングのごく一部である。
一般的には、外部回路でバイアス電流成分を除去する。そのため、従来では、赤外線センサ内においてカラムアンプのダイナミックレンジを十分に利用していなかった。また、外部回路でバイアス電流成分を除去した後に信号を増幅する必要があったため、赤外線センサ以外の外部回路の雑音に対する規格をクリティカルにせざるを得なかった。これにより、赤外線センサを含む電子機器(例えば、赤外線カメラ)がコスト高となっていた。さらに、蓄積容量がバイアス電流成分で飽和してしまうことを防止するために、カラムアンプのゲインを十分に大きくすることができなかった。
カラムアンプの飽和を防止する技術として、特許文献1では、バイアス成分に相当する電流を、蓄積容量にドレイン接続したMOSトランジスタにより除去する方法が示されている。
しかし、MOSトランジスタの閾値は、一般的に、約30mV程度の揺らぎ・ばらつきを持つことが知られており、バイアス成分除去の精度はカラムアンプ入力換算で約30mV程度に過ぎない。
一方、信号成分は前述したように、カラムアンプ入力換算でマイクロボルトオーダーと非常に微弱である。したがって、除去しきれない約30mV程度のバイアス成分が残留し、カラムアンプのゲインは十分に大きくすることはできず、また、同じ理由でカラムアンプの電圧スイングをフルに活用することはできなかった。
そこで、カラムアンプのゲインが大きく、カラムアンプ以降の雑音の影響を受けにくく、ワイドダイナミックレンジを有する赤外線センサ、および、そのような赤外線センサを用いた低コストな赤外線カメラを提供することを目的とする。
本発明に従った実施形態による赤外線センサは、半導体基板上に行列状に配置され、赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を含む撮像領域と、行方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された行選択線と、列方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された信号線と、前記信号線に接続された定電流源と、前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加し、前記信号線にカラム電圧を発生させる行選択回路と、前記信号線に接続され、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成する第1の増幅トランジスタ、および、前記第1の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第1の増幅トランジスタのゲートに保持するための第1のクランプ回路を含むカラムアンプと、前記第1の増幅トランジスタと逆導電型の第2の増幅トランジスタ、および、前記第2の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第2の増幅トランジスタのゲートに保持するための第2のクランプ回路を含み、前記カラムアンプを流れるバイアス電流によって生じるバイアス成分を前記増幅電圧から除くために、前記カラムアンプに接続された除去回路と、前記カラムアンプからの出力電圧を読み出す読出し回路とを備え、
前記カラムアンプは、前記増幅電圧から少なくとも前記バイアス成分を除いた電圧を前記出力電圧として前記読出し回路へ出力することを特徴とする。
本発明に従った実施形態による赤外線センサの駆動方法は、半導体基板上に行列状に配置され、赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を含む撮像領域と、行方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された行選択線と、列方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された信号線と、前記信号線に接続された定電流源と、前記行選択線に接続され、前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加し、前記信号線にカラム電圧を発生させる行選択回路と、前記信号線に接続され、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成する第1の増幅トランジスタ、および、前記第1の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第1の増幅トランジスタのゲートに保持するための第1のクランプ回路を含むカラムアンプと、前記カラムアンプに接続され、前記第1の増幅トランジスタと逆導電型の第2の増幅トランジスタ、および、前記第2の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第2の増幅トランジスタのゲートに保持するための第2のクランプ回路を含む除去回路と、前記カラムアンプの出力に接続された読出し回路とを備えた赤外線センサの駆動方法であって、
前記行選択回路が前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加することによって前記信号線にカラム電圧を発生させ、前記カラムアンプが、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成し、前記除去回路が前記カラムアンプを流れるバイアス電流によって生じるバイアス成分を前記増幅電圧から除き、前記カラムアンプが前記増幅電圧から前記バイアス成分を除いた電圧を前記出力電圧として前記読出し回路へ出力することを特徴とする。
本発明に従った実施形態による赤外線カメラは、半導体基板上に行列状に配置され、赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を含む撮像領域と、行方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された行選択線と、列方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された信号線と、前記信号線に接続された定電流源と、前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加し、前記信号線にカラム電圧を発生させる行選択回路と、前記信号線に接続され、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成する第1の増幅トランジスタ、および、前記第1の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第1の増幅トランジスタのゲートに保持するための第1のクランプ回路を含むカラムアンプと、前記第1の増幅トランジスタと逆導電型の第2の増幅トランジスタ、および、前記第2の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第2の増幅トランジスタのゲートに保持するための第2のクランプ回路を含み、前記カラムアンプを流れるバイアス電流によって生じるバイアス成分を前記増幅電圧から除くために、前記カラムアンプに接続される除去回路と、前記カラムアンプからの出力電圧を読み出す読出し回路とを備えた赤外線センサを具備した赤外線カメラであって、前記除去回路は、前記分離スイッチを通して、前記第2の電荷で前記制御電圧に基づく量の前記第1の電荷を消滅させることを特徴とする。
本発明に従った実施形態による赤外線カメラの駆動方法は、半導体基板上に行列状に配置され、赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を含む撮像領域と、行方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された行選択線と、列方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された信号線と、前記信号線に接続された定電流源と、前記行選択線に接続され、前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加し、前記信号線にカラム電圧を発生させる行選択回路と、前記信号線に接続され、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成する第1の増幅トランジスタ、および、前記第1の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第1の増幅トランジスタのゲートに保持するための第1のクランプ回路を含むカラムアンプと、前記カラムアンプの出力に接続された読出し回路とを備えた赤外線センサを具備した赤外線カメラの駆動方法であって、
前記行選択回路が前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加することによって前記信号線にカラム電圧を発生させ、前記カラムアンプが、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成し、前記除去回路が前記カラムアンプを流れるバイアス電流によって生じるバイアス成分を前記増幅電圧から除き、前記カラムアンプが前記増幅電圧から前記バイアス成分を除いた電圧を前記出力電圧として前記読出し回路へ出力し、前記読出し回路が前記カラムアンプからの出力電圧を読み出すことを特徴とする。
本発明による赤外線センサおよび赤外線カメラは、カラムアンプのゲインが大きく、カラムアンプ以降の雑音の影響を受けにくく、ワイドダイナミックレンジを有する。また、本発明による赤外線カメラは低コストで生産することができる。
各画素に配置され基板と熱的に分離されたpn接合を備えた非冷却型赤外線センサにおいて、信号読み出しは、pn接合に順方向電流を流し、該pn接合部の温度により変化する動作点に応じた電圧を読み出すことによって行われる。
非冷却型の赤外線固体撮像素子における画素部の温度変化は、赤外線吸収層の吸収率や光学系にもよるが、一般的には被写体の温度変化の5×10−3倍程度である。即ち、被写体温度が1[K]変化すれば画素温度は5[mK]変化する。シリコンpn接合を8個直列接続した場合、熱電変換効率は10[mV/K]程度である。従って、被写体温度が1[K]変化した場合には、画素部に50[μV]の信号電圧が発生する。実際には、0.1[K]程度の被写体の温度変化を識別することが要求されることが多い。そのためには、赤外線センサは、画素部に発生する5[μV]程度の信号電圧を読み出すことが必要となる。
このように非常に微弱な信号電圧を読み出す回路としては、ゲート変調積分回路が知られている。ゲート変調積分回路は、画素部で発生した信号電圧を増幅トランジスタのゲート電圧として電流増幅し、増幅された信号電流を蓄積容量で時間積分する回路である。ゲート変調積分回路を各列毎に配置して1行分の電流増幅を並列処理することによって、信号帯域を制限し、ランダム雑音を低減することができる。
ゲート変調積分回路における電圧ゲインGは、増幅トランジスタの相互コンダクタンスgm(=δId/δVg)、積分時間ti、そして蓄積容量Ciにより式1のように表される。
G=(ti×gm)/Ci (式1)
積分時間ti及び蓄積容量Ciが与えられたとき、ゲインGは増幅トランジスタの相互コンダクタンスgmに依存する。n型のMOSトランジスタが飽和領域で動作する場合、gmは、式2のように近似される。
gm=(W/L)・(εox/Tox)・μn・(Vgs−Vth) (式2)
ここで、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、εoxはゲート酸化膜の誘電率、Toxはゲート酸化膜厚、μnは電子移動度、Vgsはゲート・ソース間電圧、Vthはトランジスタの閾値電圧である。
ところで、画素出力部に発生する5[μV]程度の信号電圧レベルは、可視光を撮像するCMOSセンサと比較して、非常に低い。例えば、非特許文献2によれば、雑音電圧は約400[μV]である。即ち、上記の赤外線センサの雑音レベルはCMOSセンサの約1/80という低電圧であり、かつ、取り扱う信号電圧も同様に約1/80という低電圧になる。従って、非冷却型赤外線センサの出力を一般的なCMOSセンサと同様の回路によって処理する場合には、約80倍のゲインが望ましい。
しかしながら、ゲート変調積分回路における増幅トランジスタのゲート電圧は、画素出力よりも大きい揺らぎ電圧成分を含む。このため、実際には、非冷却型赤外線センサにおいてゲインは低く設計されている。この揺らぎ電圧成分は、増幅トランジスタの閾値の揺らぎと、定電流源として使用する負荷トランジスタの閾値の揺らぎとに起因している。これらの揺らぎはいずれも一般的には約30[mV]程度である。この閾値揺らぎ成分は、増幅トランジスタのゲート電圧として与えられる画素出力信号と同様に、増幅読み出し回路により増幅される。従って、もし、ゲインを約80倍に設計した場合には、蓄積容量に2.4[V]もの揺らぎ成分が発生することになる。勿論、この閾値揺らぎは、各々の増幅MOSトランジスタ及び負荷MOSトランジスタに固有の揺らぎであるので、画像上は固定パターンとして発生する。よって、外部回路を用いて補正することによりこの閾値揺らぎを除去することはできる。
しかし、このような補正を行うためには、蓄積容量の電圧スイングの大部分を閾値揺らぎが占めてしまうと同時に、外部回路に要求されるダイナミックレンジが拡大してしまう。従って、従来では、外部回路の負荷を低減させるために、増幅読み出し回路のゲインを犠牲にせざるを得なかった。また、ゲインを十分に大きくできないために、増幅読み出し回路における電流ショット雑音や1/f雑音等のランダム雑音の影響を十分に低減することができなかった。
この問題に対して、特許文献2は、信号線と増幅トランジスタゲートとを結合容量によりDC(Direct Current)を分離し、さらに増幅トランジスタのゲート−ドレイン間にスイッチトランジスタを配置する構造を開示している。
この構造によれば、増幅トランジスタの閾値情報、負荷トランジスタの閾値情報、行選択線の電圧分布情報、チップ温度情報を全て含んだ電圧へ増幅トランジスタゲート電圧をクランプすることが可能となる。その結果、増幅MOSトランジスタの閾値の揺らぎおよび負荷MOSトランジスタの閾値の揺らぎを排除することができ、カラムアンプのゲインを増加させることができる。さらに、横方向シェーディングの防止およびチップ温度補償が可能となる。
ところで、式2に示されるように、カラムアンプのゲインに影響する増幅トランジスタの相互コンダクタンスgmは、同一のデバイス構造のもとでは、(Vgs−Vth)に比例する。したがって、カラムアンプのゲイン調整を行うためには、特許文献2に記載されているように、クランプ動作時と増幅動作時に増幅トランジスタのソース電位を異なる値に制御することが有効となる。
すなわち、クランプ時のソース電圧をVsc、増幅動作時のソース電圧をVsa、そして信号線に発生する信号成分をVsigとした場合には、式2の(Vgs−Vth)を(Vsig+Vsc−Vsa)に置換した式3に従って、増幅トランジスタは動作する。
gm=(W/L)・(εox/Tox)・μn・(Vsig+Vsc−Vsa) (式3)
このときVsigは、前述のとおりにμVオーダーという非常に微弱な電圧である。
一方、カラムアンプのゲインを向上させるために、(Vsc−Vsa)は0〜数百mV程度で調整される。したがって、カラムアンプにおける蓄積容量に積分される電流の大部分は、(Vsc−Vsa)により発生するバイアス電流成分であり、Vsigを増幅した電流成分は非常に少ない。これに対処するために、一般的には、電圧スイングの大部分を占めるバイアス成分を外部回路で除去することによって、蓄積容量の電圧スイングのごく一部である撮像信号を増幅する。上述のとおり、これでは、カラムアンプのダイナミックレンジを十分に利用することができず、かつ、バイアス電荷による飽和を防止するために十分に高いゲインで増幅動作を行うことができない。その結果、雑音を充分に低減することができない。
さらに、外部回路において、バイアス電圧を除去し、増幅する必要があるので、カメラ回路に対する雑音仕様は厳しくなり、赤外線カメラおよび赤外線カメラを含む電子機器の低コスト化を妨げる。
以下の実施形態により、上記問題が解決される。以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る第1の実施形態に従った赤外線センサ100の構成を示す図である。赤外線センサ100は、半導体基板上に4行4列に配列された16個の画素を含む撮像領域を備えている。撮像領域は、通常、より多くの画素を備えているが、ここでは、便宜的に16画素とする。
撮像領域の第1行目には、熱的無感度画素(以下、TB(Thermal Black)画素ともいう)2が配列されている。撮像領域の第2行目には、光学的無感度画素3(以下、OB(Optical Black)画素ともいう)が配列されている。撮像領域の第3行目および第4行目には、3列の有効画素1および1列のOB画素3が配列されている。各画素は、pn接合4を含む。
行選択線5は、行方向に配列された画素に接続されている。垂直信号線(以下単に、信号線ともいう)6は、列方向に配列された画素に接続されている。行選択線5は、pn接合4の一端(アノード側)に接続され、信号線6は、pn接合4の他端(カソード側)に接続されている。
行選択回路50に行選択線5が接続されている。行選択回路50は、選択する行選択線5にパルス電圧を印加する。信号線6は、定電流源60に接続されている。行選択回路50がパルス電圧を選択行のpn接合4に印加すると選択行のpn接合4が順バイアスされる。これにより、カラム電圧が信号線6に発生する。一方、非選択行のpn接合4は、すべて逆バイアスされているので、行選択線5は信号線6から分離されている。
カラムアンプ7が各信号線6に対応して設けられている。カラムアンプ7はクランプ動作を行うための入力70を有し、クランプパルスによりクランプ動作を行う。カラムアンプ7は、信号線6から伝達された信号を増幅する。
除去回路としてのバランス回路8が、各カラムアンプ7に対応して設けられている。バランス回路8は、カラムアンプ7と類似する構成を有し、クランプ動作のための制御入力80を有する。また、バランス回路8は、その増幅動作点を制御するための制御電圧入力89を有する。
カラムアンプ7は、水平読出し回路(以下単に、読出し回路ともいう)11に接続されている。読出し回路11は、カラムアンプ7で増幅された信号を赤外線センサ100の外部へ順次出力する。
次に、各画素の構成を説明する。
図2は有効画素1の平面図である。図3は、図2の3−3線に沿った有効画素1の断面図である。有効画素1は、図3に示すように半導体基板106に設けられた空洞107上に支持されている。空洞107上にBOX層114がある。BOX層114上のSOI層にp型半導体108およびn型半導体115から成るpn接合が形成されている。図3の上部から入射した赤外線は、表面側の吸収層118、120において吸収され熱エネルギーとなり、中空上に支持されたpn接合を含む熱電変換部101の温度を上昇させる。
図4は、OB画素3の断面図である。OB画素3の平面図は図2と同様であるので省略する。図3と同一の構成要素には同一符号を付している。OB画素3は、たとえば、アルミニウム等の金属層からなる遮光膜121を有効画素1の表面に設けた構成を有する。OB画素3の他の構成は、有効画素1の構成と同様でよい。OB画素3は、入射赤外線を吸収しないので赤外線感度が無い。しかし、OB画素3では、バイアス電流を流すことによる発熱である自己過熱(self heating)が起きる。
図5はTB画素2の断面図である。TB画素2の平面図は図2と同様であるので省略する。図3と同一の構成要素は同一符号を付している。TB画素2は、空洞部107およびエッチングホール部119からなる熱分離構造を有しない点で、有効画素1およびOB画素3と異なる。TB画素4は、赤外線に対する感度を有しない。また、バイアス電流を流すことにより発生するジュール熱は、基板106に拡散発散するので自己過熱も発生しない。
有効画素1の製造方法を簡単に説明する。SOI(Silicon On Insulator)基板のSOI層にp型半導体108およびn型半導体115から成るpn接合を形成する。配線等を形成した後、空洞部107を形成するためにエッチングホール119をパッシベーション膜に形成する。TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)によるウェットエッチングを用いて、エッチングホール119を介してシリコン支持基板106を異方的にエッチングする。これにより、図3に示す構造が得られる。
図6は、カラムアンプ7の回路図である。カラムアンプ7は、第1の増幅トランジスタ72と、第1のノードN1と、第2のノードN2と、第1の結合容量71と、第1のクランプトランジスタ75と、第1の蓄積容量74と、リセットトランジスタ73とを含む。
第1のノードN1は、第1の増幅トランジスタ72のドレインに接続されている。第2のノードN2は、第1の増幅トランジスタ72のゲートに接続されている。第1の結合容量71は、第2のノードN2と信号線6との間に接続されており、第1の増幅トランジスタ72のゲートを信号線6に容量結合する。第1のクランプトランジスタ75は、第1のノードN1と第2のノードN2との間に接続されており、クランプ動作時に第1の増幅トランジスタ72のゲートとドレインとを接続する。これにより、第1のクランプトランジスタ75は、第1の増幅トランジスタ72の閾値電圧情報を第1の増幅トランジスタ72のゲートに保持する。第1の蓄積容量74は、第1のノードN1と基準電圧(グランド)との間に接続され、第1の増幅トランジスタ72を流れる電荷を蓄積する。第1の増幅トランジスタ72がN型MOSFETである場合には、第1の蓄積容量74に蓄積する電荷は電子である。リセットトランジスタ73は、第1のノードN1とリセット電位VRSとの間に接続されており、第1のノードN1の電位をリセット電位に設定するためのリセット動作においてオンする。
リセットトランジスタ73がオンになると、蓄積容量74をリセット電圧VRSにリセットする。リセットトランジスタ73がオフになった後、第1の増幅トランジスタ72は、結合容量71を介して信号線6からのカラム信号を受ける。それにより、第1の増幅トランジスタ72は、そのカラム信号の電圧VSLに基づいて変調された量の電荷をソースからドレイン(第1のノードN1)へ流す。これにより、電子が第1の蓄積容量74に蓄積される。即ち、カラム信号を増幅した増幅信号が第1の蓄積容量74に格納される。この蓄積電荷に応じた電位が第1のノードN1の電位VNNとして現れる。第1のノードN1は、読出し回路11に接続されている。これにより、第1の蓄積容量74に格納された増幅信号は読出し回路11に出力される。このように、カラムアンプ7は、信号線6に発生するカラム電圧VSLを入力としたGMI(Gate Modulation Integration)回路として構成されている。
第1の増幅トランジスタ72、リセットトランジスタ73、クランプトランジスタ75は、例えば、N型MOSFETである。第1の増幅トランジスタ72のソース電圧76はVssである。
図7は、除去回路としてのバランス回路9の回路図である。バランス回路9は、第2の増幅トランジスタ(バランストランジスタとも呼ぶ)82と、第3のノードN3と、第4のノードN4と、第2の結合容量81と、第2のクランプトランジスタ85と、第2の蓄積容量84と、分離トランジスタ88とを含む。バランス回路9は、カラムアンプ7と類似の構成を有する。ただし、第2の増幅トランジスタ82および第2のクランプトランジスタ85は、P型MOSFETである。また、第2の増幅トランジスタ82のソース電圧86はVddである。
第3のノードN3は、第2の増幅トランジスタ82のドレインに接続されている。第4のノードN4は、第2の増幅トランジスタ82のゲートに接続されている。第2の結合容量81は、第4のノードN4と第2の増幅トランジスタ82のゲートに制御電圧を与える制御電圧入力89との間に接続されており、第2の増幅トランジスタ82のゲートを制御電圧入力89に容量結合する。第2のクランプトランジスタ85は、第3のノードN3と第4のノードN4との間に接続されており、クランプ動作時に第2の増幅トランジスタ82のゲートとドレインとを接続する。これにより、第2のクランプトランジスタ85は、第2の増幅トランジスタ82の閾値電圧情報を第2の増幅MOSトランジスタ82のゲートに保持する。ただし、第2のクランプトランジスタ85のゲートに入力される信号CLAMP_Pは、第1のクランプトランジスタ75のゲートに入力される信号CLAMPと逆相のパルス信号である。第2の蓄積容量84は、第3のノードN3と基準電圧(グランド)との間に接続され、第2の増幅トランジスタ82を流れる電荷を蓄積する。第2の増幅トランジスタ82がP型MOSFETである場合には、第2の蓄積容量84に蓄積する電荷はホールである。分離トランジスタ88は、第3のノードN3と第1のノードN1との間に接続されている。分離トランジスタ88は、クランプ動作以外のリセット動作中および増幅動作中においてオン状態であり、このときに第1の結合容量74と第2の結合容量84とを導通させる。
クランプ動作では、ゲート電位VGN(第2のノードN2の電位)とゲート電位VGP(第4のノードN4の電位)とを別個にクランプするために、分離トランジスタ88はオフ状態である必要がある。クランプ動作以外のリセット動作および増幅動作では、分離トランジスタ88がオンするので、第1のノードN1の電位VNNと第3のノードN3の電位VNPは等しくなる。
第2の増幅トランジスタ82は、結合容量81を介して制御電圧入力89から制御電圧GATE_Pを受ける。これにより、制御電圧GATE_Pに基づいて変調された量のホールをソースからドレイン(第3のノードN3)へ流し、このホールが第2の蓄積容量84に蓄積される。ここで、第3のノードN3と第1のノードN1とは接続されているので、第2の蓄積容量84に蓄積されたホールは、第1の蓄積容量74に蓄積された電子と結合し消滅する。即ち、第2の蓄積容量84に蓄積された電荷は、第1の蓄積容量74に蓄積された電荷を相殺するために利用される。この相殺後に、第1の蓄積容量74に残存する電位(第1のノード電位VNN)がカラム出力Voutとして読出し回路11に出力される。
制御信号の電圧GATE_Pを、カラム電圧VSLのうち無信号時の出力成分と等しくすれば、第1の蓄積容量74に蓄積された電荷のうちのバイアス成分が相殺され、赤外線信号成分Vsigが残る。従って、読出し回路11に実際に出力される増幅信号は、赤外線信号成分Vsigとなり得る。
第1の増幅トランジスタ72のソース電圧Vssは、例えば、基準電圧としての接地電圧である。第2の増幅トランジスタ82のソース電圧Vddは、Vssよりも高い第2の基準電位である。さらに、リセットトランジスタ73のドレイン電圧は、リセット電圧VRSである。リセット電圧VRSは、Vss<VRS<Vddという関係を有する。本実施形態では、Vss=0、VRS=Vdd/2とする。
図8は、読出し回路11の回路図である。読出し回路11は、水平選択トランジスタ12と、読出し線13と、水平シフトレジスタ14と、バッファ回路としてのソースフォロワ回路15と、読出しリセットスイッチ16とを含む。各水平選択トランジスタ12は、読出し線13と各カラムアンプ7との間に接続されている。水平シフトレジスタ14は、水平選択トランジスタ12のゲートに接続されている。水平シフトレジスタ14は、水平選択トランジスタ12を順次オンにすることによって、カラムアンプ7からの出力信号を順に読出し線13に伝達する。出力信号は、読出し線13からソースフォロワ回路15を介して赤外線センサ100の外部へ出力される。読出しリセットスイッチ16は、或るカラム線6の信号を読み出した後に、読出し線13をVddにリセットするために設けられている。ソースフォロワ回路15は、バッファ回路として機能する。尚、ソースフォロア回路15に変えて、インバータアンプ回路をバッファ回路として用いてもよい。
図9は、本実施形態による赤外線センサ100の動作の流れを示すタイミング図である。赤外線センサ100の動作には、クランプ動作、リセット動作および選択・増幅動作がある。リセット動作および増幅動作は一連の動作あるので、それらを一体として増幅動作と呼んでも構わない。リセット動作およびクランプ動作も一連の動作あるので、それらを一体としてクランプ動作と呼んでも構わない。
V1〜V3は、それぞれ第1行目から第3行目の行選択線5に印加されるパルス電圧である。パルス電圧V1〜V3の各振幅は、行選択回路50から行選択線5に供給される電圧Vdである。時間t7〜t8において第1行目の行選択線5が選択される。時間t11〜t12において第2行目の行選択線5が選択される。時間t15〜t16において第3行目の行選択線5が選択される。尚、第4行目の画素列の動作は、第3行目の画素列の動作と同じであるので、その説明を省略する。
VSLは、信号線6の電位(カラム電圧)である。ISOは、分離トランジスタ88のゲートに入力される分離信号である。RESETは、リセットトランジスタ73のゲートに入力されるリセットパルスである。CLAMPは、第1のクランプトランジスタ75のゲートに入力される第1のクランプパルスである。CLAMP_Pは、第2のクランプトランジスタ85のゲートに入力される第2のクランプパルスである。GATE_Pは、第2の増幅トランジスタ82のゲートに入力される制御電圧である。VNN、VGN、VNPおよびVGPは、それぞれ第1のノードN1、第2のノードN2、第3のノードN3および第4のノードN4の各電位である。よって、VNN、VGN、VNPおよびVGPは、それぞれ第1のノード電位、第2のノード電位、第3のノード電位および第4のノード電位と呼ぶ。
行選択線5が選択されている期間において、信号線6には、行選択期間において行選択線5に供給される電圧Vdから画素における降下電圧Vpixを引き算した電圧(Vd−Vpix)が発生する。即ち、VSLon=Vd−Vpixとなる。Vpixは、撮像領域に入射した赤外線情報だけでなく、赤外線センサ100のチップ温度情報、自己加熱情報、定電流源のばらつき情報をも含む。尚、非選択期間において、カラム電圧VSLはVssである。
上述のとおり、分離トランジスタ88は、クランプ期間t3〜t4においてオフになるが、それ以外の期間ではオンである。よって、クランプ期間以外の期間において、第1の蓄積容量74と第2の蓄積容量84とは導通状態にあり、第1のノードN1および第3のノードN3は同電位となっている。
[リセット動作]
リセット動作は、第1のノード電位VNNおよび第3のノード電位VNPをリセット電圧VRSにリセットする動作であり、クランプ動作前(t1〜t2)におよび増幅動作前(t5〜t6等)に導入されている。時間t1〜t2では、クランプ動作に先立ち、リセット電圧RESETをハイにする。これにより、リセットトランジスタ73がオン状態になり、第1のノード電位VNNがリセット電圧VRSにリセットされる。このとき、分離トランジスタ88はオン状態であるので、第3のノード電位VNPもリセット電圧VRSにリセットされる。このリセット動作は、t1〜t2、t5〜t6、t9〜t10およびt13〜t14においても実行される。
リセット動作後、t2においてリセットトランジスタ73をオフにし、さらに、t3において分離トランジスタ88もオフにする。これにより、第1の蓄積容量74および第2の蓄積容量84が互いに分離される。
[クランプ動作]
クランプ動作は、第1の増幅トランジスタ72および第2の増幅トランジスタ82の各ゲート電圧(第2および第4のノード電位VGN、VGP)を第1および第2の増幅トランジスタ72、82の閾値電圧情報を含む電圧にクランプする動作である。時間t3〜t4において、第1のクランプパルスCLAMPはハイレベルVddに設定され、第2のクランプパルスCLAMP_PはロウレベルVssに設定される。さらに、制御電圧GATE_PはハイレベルVddに設定される。
これにより、クランプトランジスタ75および85がオン状態になり、第1の増幅トランジスタ72のゲートとドレインとが接続され、かつ、第2の増幅トランジスタ82のゲートとドレインとが接続される。このとき、第1および第2の増幅トランジスタ72および82の各ゲート容量は、第1および第2の蓄積容量74および84と比較して十分に小さい。よって、第1および第2の増幅トランジスタ72および82のゲート電圧(第2および第4のノード電位VGN、VGP)は、第1および第3のノード電位VNN、VNPと等しいリセット電位VRSになる。
リセット電位VRSは、上述のとおり、Vss<VRS<Vddであるが、第1および第2の増幅トランジスタ72および82をオン状態するのに十分な電圧であるとする。すなわち、第1の増幅トランジスタ72の閾値電圧をVthnとし、第2の増幅トランジスタ82の閾値電圧をVthpとしたときに、Vss+Vthn<VRS<Vdd+Vthpである。尚、Vthpは負の電圧である。
従って、第1および第2の増幅トランジスタ72、82は、ともにオン状態になる。ここで、第1の増幅トランジスタ72のソース電圧はVssであるので、第1の増幅トランジスタ72のドレイン電流は、第1のノード電位VNNをVssへ近づけるように流れる。また、第2の増幅トランジスタ82のソース電圧はVddであるので、第2の増幅トランジスタ82のドレイン電流は、第3のノード電位VNPをVddへ近づけるように流れる。
その後、VNN=VGN=Vss+Vthnになると、第1の増幅トランジスタ72はオフになる。また、VNP=VGP=Vdd+Vthpになると、第2の増幅トランジスタ82がオフになる。さらに、t4において、第1および第2のクランプトランジスタ75、85がオフ状態になる。これにより、第2のノード電位VGNはVss+Vthnに保持され、第4のノード電位VGPはVdd+Vthpに保持される。これと同時に、分離トランジスタ88をオン状態にする。これにより、第1の蓄積容量74と第2の蓄積容量84とを導通状態にする。
いずれの行選択線5も選択されていない場合(例えば、t5〜t7)には、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、(Vss+Vthn)を保持し、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、(Vdd+Vthp)を保持する。よって、便宜的に、(Vss+Vthn)を第1のクランプ電圧と呼び、(Vdd+Vthp)を第2のクランプ電圧と呼ぶ。
クランプ動作は、1フレーム期間ごとに1回実行される。1フレーム期間とは、総ての行選択線5が順次選択され、撮像領域内の総ての画素の信号が順次出力される期間である。
[第1行目の画素の選択・増幅動作]
t5〜t6におけるリセット動作後、t7〜t8において行選択回路50が選択パルスV1を第1行目の行選択線5に供給する。このとき、第1行目の画素として図1に示したTB画素行が選択される。したがって、pn接合4での降下電圧Vpixは、チップ温度およびバイアス電流に基づくバイアス電圧Vbを含むが、赤外線信号成分Vsigおよび自己加熱成分Vshを含まない。即ち、Vpix=Vbである。このときの信号線6のカラム電圧VSLをVSLonTBとすると、VSLonTB=Vd−Vpix=Vd−Vbである。
信号線6と増幅トランジスタ72のゲートとは結合容量71により容量結合されている。また、結合容量71は第1の増幅トランジスタ72のゲート容量より十分に大きくなるように設計されている。従って、VSLが0からVSLonTBに変化すると、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、第1のクランプ電圧(Vss+Vthn)から(Vss+Vthn+VSLonTB)に変化する。このゲート電圧の変化により、第1の増幅トランジスタ72がオン状態となりドレイン電流が流れる。すなわち、第1の増幅トランジスタ72のソースから第1のノードN1へ電子電流が流れ込む。それによって、カラム電圧VSLonTBの増幅動作が行われる。
一方、パルス電圧V1と同期して、制御電圧GATE_PをVddから(Vdd−VSLonTB)に変化させる。これにより、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、第2のクランプ電圧(Vdd+Vthp)から(Vdd+Vthp−VSLonTB)に変化する。このゲート電圧の変化により、第2の増幅トランジスタ82がオン状態になり、第2の増幅トランジスタ82のソースから第2のノードN2へ正孔電流が流れ込む。それによって、制御電圧GATE_Pの増幅動作が行われる。
ここで、第1の蓄積容量74および第2の蓄積容量84は、分離トランジスタ88を介して接続されていることに注目されたい。さらに、第1の増幅トランジスタ72の増幅において第1の蓄積容量74に蓄積される電荷は電子であるのに対し、第2の増幅トランジスタ82の増幅において第2の蓄積容量84に蓄積される電荷は正孔であることに注目されたい。これにより、第1の蓄積容量74に蓄積された電子と第2の蓄積容量84に蓄積された正孔は、結合し消滅する。第1の蓄積容量74に蓄積された電子量および第2の蓄積容量84に蓄積された正孔量は、ともにVSLonTBに基づいており、ほぼ等しい。その結果、図9のt7〜t8に示すように、第1のノード電位VNNおよび第3のノード電位VNPは、バランスし、リセット電圧VRS(VRS=Vdd/2)のまま変化しない。第1のノード電圧VNNおよび第3のノード電圧VNPは、増幅動作終了時の電圧、即ち、リセット電圧VRSを保持する。第1のノード電圧VNNに保持されているリセット電圧VRSが読出し回路11から読み出される。このとき読み出される電圧は、ダークレベルとして赤外線センサの基準電圧になる。
t8において、第1行目の画素に対する選択・増幅動作が終了すると、即ち、パルス電圧V1がロウになると、第2のノード電位VGNは(Vss+Vthn)に戻る。これにより、第1の増幅トランジスタ72はオフになる。パルス電圧V1の立下りと同期して、制御電圧GATE_Pは、(Vdd−VSLonTB)からVddに戻る。これにより、第2の増幅トランジスタ82はオフになる。
[第2行目の画素の選択・増幅動作]
t9〜t10におけるリセット動作後、t11〜t12において行選択回路50が選択パルスV2を第2行目の行選択線5に供給する。第2行目の画素はOB画素3からなる。したがって、pn接合4での降下電圧Vpixは、バイアス電圧Vbおよび自己加熱成分Vshを含むが、赤外線信号成分Vsigを含まない。即ち、Vpix=Vb−Vshである。このときの信号線6のカラム電圧VSLをVSLonOBとすると、VSLonOB=Vd−Vpix=Vd−(Vb−Vsh)である。第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、第1のクランプ電圧(Vss+Vthn)から(Vss+Vthn+VSLonOB)に変化する。第1の増幅トランジスタ72は、カラム電圧VSLonOBの増幅動作を行う。その結果、第1の蓄積容量74には、カラム電圧VSLonOBに基づいた電子が蓄積される。
一方、第2の増幅トランジスタ82のゲートには、第1行目の選択・増幅動作と同様に、制御電圧GATE_Pとして(Vdd−VSLonTB)が印加される。即ち、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、第2のクランプ電圧(Vdd+Vthp)から(Vdd+Vthp−VSLonTB)に変化する。その結果、第2の蓄積容量84には、電圧VSLonTBに基づいた正孔が蓄積される。
ここで、第1の蓄積容量74に蓄積される電子量はVGN=VSLonOB=Vd−(Vb−Vsh)に基づき、第2の蓄積容量84に蓄積された正孔量はVGP=Vd−Vbに基づいていることに注目されたい。自己過熱成分Vshに基づく量の電子は、第2の蓄積容量84からの正孔と結合せず、第1の蓄積容量74に残る。
より詳細には、式14および式15が成り立つ。
Vout=(gm×Vsh×Ti)/Ci (式14)
Qsig=gm×Vsh×Ti (式15)
Qsigは、自己過熱Vshに基づいて第1の蓄積容量74に蓄積された電荷量である。gmは、第1の増幅トランジスタ72のコンダクタンスである。第1の増幅トランジスタ72の増幅率は、gmによって決まる。Tiは行選択期間である。Ciは、第1および第2の蓄積容量74および84の合計容量である。
一般に、相互コンダクタンスgmは、式16で表される。
gm=(W/L)・(εox/Tox)・μ・(Vgs−Vth) (式16)
NMOSの相互コンダクタンスは、μに電子の移動度μnを代入することによって得られる。PMOSの相互コンダクタンスは、μに正孔の移動度μpを代入することによって得られる。N型MOSFETの電子の移動度μnとP型MOSFETの正孔の移動度μpとは異なる。そこで、N型MOSFETからなる第1の増幅トランジスタ72の相互コンダクタンス(電流駆動能力)とP型MOSFETからなる第2の増幅トランジスタ82の相互コンダクタンス(電流駆動能力)とを等しくするために、第1の増幅トランジスタ72および第2の増幅トランジスタ82の各チャネルサイズ(W/L)を設計することが好ましい。
第1の増幅トランジスタ72および第2の増幅トランジスタ82の(W/L)×μが異なる場合には、(Vgs−Vth)を適宜調整することにより、第1の増幅トランジスタ72の電子電流と第2の増幅トランジスタ82の正孔電流をバランスさせることができる。具体的には、増幅動作における制御電圧GATE_Pを調整することで、gmをバランスさせることが可能である。
t12においてパルス電圧V2がロウになると、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、第1のクランプ電圧に戻る。よって、第1の増幅トランジスタ72はオフになる。これと同時に、制御電圧GATE_PがVddに戻り、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、第2のクランプ電圧に戻る。よって、第2の増幅トランジスタ82はオフになる。第1および第2のノード電位VNNおよびVNPは、(gm×Vsh×Ti)/Ciに保持される。第1のノード電位VNNは、読出し回路11により読み出される。
このように、第2行目の選択・増幅動作では、自己過熱成分Vshを増幅した電位Voutが第1のノード電位VNNとして現れ、この電位が出力される。出力Voutは、画素における自己加熱成分のみの出力であるので、必要に応じて、赤外線センサの基準電圧として使用することができる。
[第3行目の画素の選択・増幅動作]
t13〜t14におけるリセット動作後、t15〜t16において行選択回路50が選択パルスV4を第3行目の行選択線5に供給する。第3行目の画素は有効画素1からなる。したがって、pn接合4での降下電圧Vpixは、バイアス電圧Vb、自己加熱成分Vshおよび赤外線信号成分Vsigを含む。即ち、Vpix=Vb−Vsh−Vsigである。有効画素行選択時における信号線6のカラム電圧VSLをVSLonVLとすると、VSLonVL=Vd−Vpix=Vd−(Vb−Vsh−Vsig)である。第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、第1のクランプ電圧(Vss+Vthn)から(Vss+Vthn+VSLonVL)に変化する。第1の増幅トランジスタ72は、カラム電圧VSLonVLの増幅動作を行い、その結果、第1の蓄積容量74には、カラム電圧VSLonVLに基づいた電子が蓄積される。
一方、第2の増幅トランジスタ82のゲートには、第1行目の選択・増幅動作と同様に、制御電圧GATE_Pとして(Vdd−VSLonTB)が印加される。即ち、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、第2のクランプ電圧(Vdd+Vthp)から(Vdd+Vthp−VSLonTB)に変化する。第2の増幅トランジスタ82は、電圧VSLonTBの増幅動作を行い、その結果、第2の蓄積容量84には、電圧VSLonTBに基づいた正孔が蓄積される。
ここで、第1の蓄積容量74に蓄積される電子量はVGN=VSLonVL=Vdd−(Vb−Vsh−Vsig)に基づき、第2の蓄積容量84に蓄積された正孔量はVGP=VSLonTB=Vdd−Vbに基づいていることに注目されたい。自己過熱成分Vshおよび赤外線信号成分Vsigに基づく量の電子は、第2の蓄積容量84からの正孔と結合せず、第1の蓄積容量74に残る。
より詳細には、式4および式5が成り立つ。
Vout=(gm×(Vsh+Vsig)×Ti)/Ci (式4)
Qsig=gm×(Vsh+Vsig)×Ti (式5)
t16においてパルス電圧V3がロウになると、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、第1のクランプ電圧に戻る。よって、第1の増幅トランジスタ72はオフになる。これと同時に、制御電圧GATE_PがVddに戻り、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、第2のクランプ電圧に戻る。よって、第2の増幅トランジスタ82はオフになる。第1および第2のノード電位VNNおよびVNPは、(gm×(Vsh+Vsig)×Ti)/Ciに保持される。第1のノード電位VNNは、読出し回路11により読み出される。
このように、第3行目の選択・増幅動作では、自己過熱Vshおよび赤外線信号成分Vsigに基づく電位Voutが第1のノード電位VNNとして現れ、この電位が出力される。
実用的な増幅率を得るためには、VSLonTBを数百mV程度に設定する必要がある。この値はVshやVsigと比較してはるかに大きい。従って、従来、赤外線信号と関係のないカラム電圧VSLonTBによって発生するバイアス成分が第1の蓄積容量74の電圧スイングの大部分を占めていた。そのため、赤外線センサの外部、例えば、カメラ回路においてバイアス成分を除去し、小さな信号電圧を再度増幅する必要があった。
これに対し、本実施形態によれば、第1および第2の蓄積容量74および84の電圧スイングのうち、赤外線信号とは無関係なバイアス成分は、第2の増幅トラジスタ82からの正孔電流により相殺される。従って、赤外線センサ100は、第1および第2の蓄積容量74および84の電圧スイングの大部分を赤外線信号成分のために使用することが可能となる。これにより、赤外線信号成分を高ゲインで増幅することができる。その結果、赤外線センサ100は、カラムアンプ7より後段の回路における雑音に対して強く、高感度かつワイドダイナミックレンジを有することができる。
また、本実施形態による赤外線センサ100を備えた赤外線カメラ(図示せず)は、雑音に対する仕様が緩和されるので、低コストで生産することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、第1の増幅トランジスタ72のソース76を一定電圧Vssとし、第2の増幅トランジスタ82のソース86を一定電圧Vddとしていた。よって、カラムアンプ8のゲインを決定する第1の増幅トランジスタ72のコンダクタンスgmはVSLonTBにより調整されていた。
第2の実施形態では、第1の増幅トランジスタ72のソース76および第2の増幅トランジスタ82のソース86にパルス状の電圧を与える。第1の増幅トランジスタ72のソース76には、クランプ動作時にVscが印加され、選択・増幅動作時にVsaが印加される。また、第2の増幅トランジス82のソース86には、クランプ動作時にVdcが印加され、選択・増幅動作時にVdaが印加される。
このとき、第1の増幅トランジスタ72の相互コンダクタンスは式6で表され、第2の増幅トランジスタ82の相互コンダクタンスは式7で表される。
gm≒(W/L)・(εox/Tox)・μn・(VSLonTB+Vsa−Vsc) (式6)
gm≒(W/L)・(εox/Tox)・μp・(VSLonTB−Vda+Vdc) (式7)
ここで、Vsh+Vsigは、VSLonTB+Vsa−VscおよびVSLonTB−Vda+Vdcに比較して非常に小さいので省略されている。
第2の実施形態では、式6に示すように、カラム電圧VSLonTBを変化させることなく、ソース電圧差(Vsa−Vsc)を変化させることによって、カラムアンプ7のゲインを調整することができる。
このとき、第1の増幅トランジスタ72を流れるバイアス電流成分を相殺するために、(Vsc−Vsa)=(Vda−Vdc)とすることが好ましい。たとえば、Vsa=0、Vda=Vddとして、Vsc、(Vdd−Vdc)を数百mVにすることで所望のゲインと、画素部の最適化を同時に得ることが可能である。
この増幅トランジスタ72における増幅動作と、バランストランジスタ82による正孔電流注入動作を適切なカラムアンプゲインのもとで行うためには、|Vdc−Vsc|<|Vda−Vsa|という条件が満たされることが望ましい。
第2の実施形態によれば、画素特性の最適化と、カラムアンプにおけるゲインの最適化とを同時にかつ独立に行うことができる。これにより、第2の実施形態では、任意のVSLonTBにおいて、カラムアンプ7のゲインを自由に設定することができる。さらに、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、選択・増幅動作期間前の非選択期間にクランプ動作を実行していた。この場合、クランプ動作によって第1の増幅トランジスタ72のゲート(第2のノードN2)に保持される情報は、第1の増幅トランジスタ72の閾値Vthnおよびクランプ時のソース電圧VssまたはVscのみであった。
第3の実施形態では、図1に示した赤外線センサ100を用いて、クランプ動作をTB画素行の選択時に行う。図10は、第3の実施形態による赤外線センサ100の動作を示すタイミングチャートである。制御電圧GATE_Pは任意のDC電圧で良いが、第2の増幅トランジスタ82のソース電圧Vddと同程度の電圧を与えることが好ましい。
t1〜t2において、第1の実施形態で説明したリセット動作を行う。t3〜t4において、第1行目の選択・増幅動作と同時にクランプ動作が実行される。クランプ動作により、第1の増幅トランジスタ72のゲート(第2のノードN2)には、Vss+Vthnが伝達される。第2の増幅トランジスタ82のゲート(第4のノードN4)には、Vdd+Vthpが伝達される。このとき、分離トランジスタ88はオフ状態である。
さらに、これと同時に第1行目のTB画素行をパルス電圧V1により選択する。これにより、第1の増幅トランジスタ72のゲート(第2のノードN2)にはカラム電圧VSLonTB=Vd−Vpix=Vd−Vbが伝達される。従って、t4においてクランプ動作が終了し、分離トランジスタ88をオンにすると、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、第1のクランプ電圧として、Vss+Vthn−VSLonTB=Vss+Vthn−(Vd−Vb)になる。このとき、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、Vdd+Vthpのままである。
このように、第1のクランプ電圧は、ソース電圧情報Vss、第1の増幅トランジスタ72の閾値電圧情報Vthnの他に、チップ温度情報Vbおよびバイアス電流情報Vdを含む電圧になる。その結果、以降の選択・増幅動作において、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、カラム電圧成分VSonTBを含まず、自己加熱成分Vshおよび赤外線信号成分Vsigのみを含む。即ち、第1の増幅トランジスタ72は、バイアス成分を増幅することなく、自己加熱成分Vshおよび赤外線信号成分Vsigのみを増幅することができる。
例えば、OB画素行の選択・増幅動作時(t7〜t8)において、制御電圧GATE_PはVddで一定であるが、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、Vss+Vthn+Vshになる。また、有効画素行の選択・増幅動作時(t11〜t12)には、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)は、Vss+Vthn+Vsh+Vsigになる。このように、制御電圧GATE_Pが一定であっても、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第2のノード電位VGN)からバイアス成分が除かれている。第3の実施形態のその他の動作は、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、理想的にはバランス回路における第2の増幅トランジスタ82に電流は流れないことになるが、クランプ動作が有限時間であることに起因して、厳密にはVGPにクランプされる電圧はVdd+Vthpよりも低電圧であり、わずかな電流が流れる。同様に、VGNにクランプされる電圧も厳密にはVss+Vthnよりも高電圧であり、VSL=VSLonTBの場合においても、カラム増幅回路にもわずかな電流が流れる。したがって、本実施形態においては、このわずかな電流成分をバランス回路により除去するという効果があることになる。
第3の実施形態では、第1のクランプ電圧にバイアス電流成分VSLonTBが含まれるので、定電流源60のばらつきに起因するタテスジ状の固定パターン雑音の発生を抑制することができる。また、チップ温度情報が保持されるので、第3の実施形態による赤外線センサは、チップ温度が変動してもその影響を受けにくい。
行選択線5の電圧降下に起因する水平方向の電圧分布(いわゆる、シェーディング)の情報はカラム電圧VSLonTBに含まれる。従って、第3の実施形態による赤外線センサはシェーディングを抑制することができる。このシェーディングは、画像領域の低雑音化のためにバイアス電流を増加させた場合に顕著になる。従って、シェーディングを抑制することによって、バイアス電流を増加させることができる。これは、画像領域の低雑音化につながる。さらに、第3の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を有する。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第3の実施形態に第2の実施形態を組み合わせた形態である。
すなわち、第3の実施形態においては、カラムアンプのゲインが実用的な水準には不十分な場合があり、本実施形態は、実用的なカラムアンプゲインを実現することが可能なものである。
第3の実施形態においては、第1の増幅トランジスタ72のソース76を一定電圧Vssとし、第2の増幅トランジスタ82のソース86を一定電圧Vddとしていた。
第4の実施形態では、第1の増幅トランジスタ72のソース76および第2の増幅トランジスタ82のソース86にパルス状の電圧を与える。第1の増幅トランジスタ72のソース76には、クランプ動作時にVscが印加され、選択・増幅動作時にVsaが印加される。また、第2の増幅トランジス82のソース86には、クランプ動作時にVdcが印加され、選択・増幅動作時にVdaが印加される。
このとき、第1の増幅トランジスタ72の相互コンダクタンスは式8で表され、第2の増幅トランジスタ82の相互コンダクタンスは式9で表される。
gm≒(W/L)・(εox/Tox)・μn・(Vsa−Vsc) (式8)
gm≒(W/L)・(εox/Tox)・μp・(Vdc−Vda) (式9)
ここで、Vsh+Vsigは、(Vda−Vdc)に比較して非常に小さいので省略されている。第4の実施形態では、第3の実施形態と同様に、VSLonTBが第1のクランプ電圧に含まれているので、式8および式9はVSLonTBを含まない。
第4の実施形態は、第2および第3の実施形態の両方の効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
図11は、本発明に係る第5の実施形態に従った赤外線センサ200の構成を示す図である。図11において、図1に示す構成要素と同様の構成要素には、同じ参照番号が付されている。第5の実施形態は、制御信号GATE_Pを反転回路9で生成している点で第1の実施形態と異なる。
制御電圧生成回路としての反転回路9は、TBおよびOB画素列の信号線6とバランス回路8との間に接続されている。反転回路9は、例えば、演算増幅器を用いた反転増幅回路、または、インバータアンプ回路でよい。反転回路9は、信号線6からカラム電圧VSLonTBまたはVSLonOBを入力し、Vdd−VSLonTBまたはVdd−VSLonOBを制御電圧としてバランス回路8へ出力する。
図12は、赤外線センサ200の動作を示すタイミング図である。赤外線センサ200の基本的な動作は第1の実施形態の動作と同様である。ただし、制御電圧GATE_Pは、反転回路9からVdd−VSLonOBとして供給される。
選択・増幅動作以外の期間においては、TBおよびOB画素列の信号線6の電位はVss=0であるので、反転回路9の出力はVddである。
リセット動作(t1〜t2)、クランプ動作(t3〜t4)およびリセット動作(t5〜t6)の後、t7〜t8において第1行目の選択・増幅動作が実行される。このとき、TBおよびOB画素列の信号線6にはVSLonTBが発生する。反転回路9は、Vdd−VSLonTBを制御電圧GATE_Pとしてバランス回路8へ出力する。これにより、第5の実施形態における第1行目の選択・増幅動作は、第1の実施形態のそれと同様になる。
t9〜t10におけるリセット動作後、t11〜t12において第2行目のOB画素行が選択される。このとき、TBおよびOB画素列の信号線6にはVSLonOB=VSLonTB+Vshが発生する。よって、反転回路9は(Vdd−VSLonTB−Vsh)をバランス回路8へ供給する。
その結果、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、第1の実施形態ではVdd+Vthp−VSLonTBであるが、第5の実施形態ではVdd+Vthp−VSLonOB=Vdd+Vthp−VSLonTB−Vshとなる。これにより、第5の実施形態では、第2の増幅トランジスタ82は、バイアス成分VSLonTBだけでなく、自己加熱成分をも相殺するように正孔電流をカラムアンプ7へ供給することができる。
従って、第2行目のOB画素行の選択・増幅動作時(t11〜t13)においては、第1のノード電位VNN、即ち、Voutは、リセット電圧VRSのままとなる。第3行目の有効画素行の選択・増幅動作時(t15〜t17)においては、第1のノード電位VNN、即ち、Voutは、赤外線信号成分Vsigを増幅した電位gm・Vsig・Ti/Ciとなる。
赤外線センサ200は、第1の蓄積容量74の電圧スイングのほぼ全てを赤外線信号成分のために使用することが可能となり、赤外線信号成分を高ゲインで増幅することができる。さらに、第5の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果をも有する。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、第5の実施形態に第2の実施形態を組み合わせた形態である。第5の実施形態においては、第1の増幅トランジスタ72のソース76を一定電圧Vssとし、第2の増幅トランジスタ82のソース86を一定電圧Vddとしていた。
第5の実施形態では、第1の増幅トランジスタ72のソース76および第2の増幅トランジスタ82のソース86にパルス状の電圧を与える。第1の増幅トランジスタ72のソース76には、クランプ動作時にVscが印加され、選択・増幅動作時にVsaが印加される。また、第2の増幅トランジス82のソース86には、クランプ動作時にVdcが印加され、選択・増幅動作時にVdaが印加される。
このとき、第1の増幅トランジスタ72の相互コンダクタンスは式10で表され、第2の増幅トランジスタ82の相互コンダクタンスは式11で表される。
gm≒(W/L)・(εox/Tox)・μn・(VSLonTB+Vsa−Vsc) (式10)
gm≒(W/L)・(εox/Tox)・μp・(VSLonTB+Vdc−Vda) (式11)
ここで、Vsh+Vsigは、VSLonTBに比較して非常に小さいので省略されている。
第6の実施形態は、第2および第5の実施形態の両方の効果を得ることができる。
(第7の実施形態)
図13は、本発明に係る第7の実施形態に従った赤外線センサの動作を示すタイミング図である。第7の実施形態は、第5の実施形態に第3の実施形態を組み合わせた形態、または、第6の実施形態に第3の実施形態を組み合わせた形態である。
第5および第6の実施形態では、選択・増幅動作期間前の非選択期間にクランプ動作を実行していた。この場合、クランプ動作によって第1の増幅トランジスタ72のゲート(第2のノードN2)に保持される情報は、第1の増幅トランジスタ72の閾値Vthnおよびクランプ時のソース電圧VssまたはVscのみであった。
第7の実施形態では、図11に示した赤外線センサ200を用いて、クランプ動作とTB画素行の選択とを同時に行う。反転回路9は、バランス回路8へVdd−VSLonTBを供給する。また、第2行目以降の行選択期間においては、反転回路9は、バランス回路8へVdd−VSLonOBを供給する。これにより、t4以降、第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第4のノード電位VGP)は、Vdd+Vth−VSLonOBとなる。VSLonOBはVSLonTB+Vshであるので、第2の増幅トランジスタ82は、自己加熱成分Vshを相殺するように正孔電流をカラムアンプ7へ供給することができる。
よって、第2行目のOB画素行の選択・増幅動作時(t11〜t13)においては、第1のノード電位VNN、即ち、Voutは、リセット電圧VRSのままとなる。第3行目の有効画素行の選択・増幅動作時(t15〜t17)においては、第1のノード電位VNN、即ち、Voutは、赤外線信号成分Vsigを増幅した電位gm・Vsig・Ti/Ciとなる。第7の実施形態のその他の動作は、第3の実施形態の動作と同様である。
第7の実施形態は、第3および第5の実施形態の両方の効果、あるいは、第3および第6の実施形態の両方の効果を得ることができる。
(第8の実施形態)
図14は、本発明に係る第8の実施形態に従った赤外線センサ300の構成を示す図である。第8の実施形態は、撮像領域の第2行目にTB画素2が配列されている点で第1の実施形態と異なる。また、カラムアンプ107が第3のクランプ回路CL3を備えている点で異なる。
第1〜第7の実施形態では、リセット動作において第1の結合容量71および第2の結合容量81にクランプトランジスタ75、85をオフにする際に発生するリセット雑音が生じる。このリセット雑音は、クランプトランジスタ75,85をオフする動作に伴って発生するものであるので、或るフレーム期間において、第1の結合容量71および第2の結合容量81のリセット雑音は一定である。このことを利用して、リセット雑音は外部回路により除去することが可能である。すなわち、第2行のOB画素行における信号出力を1行分のメモリーに記憶し、第3行目以降の有効画素行における信号出力から減算する処理を行うことによるリセット雑音除去が可能である。
第8の実施形態では、TB画素行の選択・増幅動作時における第1のノード電位VNN(カラム出力Vout)情報をそのフレーム期間保持する。このTB画素行で得られるカラムアンプ出力と有感度画素で得られるカラムアンプ出力との差分をとることによって、第1の結合容量71のリセット雑音を赤外線センサ300の内部で除去する。
図15は、第8の実施形態によるカラムアンプ107の構成を示す回路図である。カラムアンプ107は、第1の蓄積容量74を介して第1のノードN1に接続された第3のクランプ回路CL3を備えている点で図6に示すカラムアンプ7と異なる。第3のクランプ回路CL3は、第5のノードN5と、第6のノードN6と、第3の蓄積容量78と、第3のクランプトランジスタ79と、バッファ回路であるソースフォロア回路を構成する駆動トランジスタ701、負荷トランジスタ702とを備えている。第5のノードN5は、第1の蓄積容量74の一方の電極に接続されている。第3の蓄積容量78は、第5のノードN5とグランドとの間に接続さている。第3のクランプトランジスタ79は、第5のノードN5とクランプ電圧VCLとの間に接続されている。駆動トランジスタ701のゲートは第5のノードに接続され、そのドレインはVddに接続され、そのソースは第6のノードN6に接続されている。負荷トランジスタ702のゲートは、BIASに接続され、そのドレインは、第6のノードに接続され、そのソースはグランドに接続されている。さらに、第6のノードN6は読出し回路11へ接続されている。駆動トランジスタ701および負荷トランジスタ702は、ソースフォロワ回路として機能し、カラムアンプ出力Voutをバッファする。第5のノード電圧VN5に応じて変化するカラムアンプ出力Voutは、駆動トランジスタ701、負荷トランジスタ702からなるソースフォロワ回路から読出し回路11へ出力される。
カラムアンプ出力バッファとしてのソースフォロア回路は、図13に示すように駆動トランジスタ701と負荷トランジスタ702により構成されている。第5のノード電位VN5は駆動トランジスタ701のゲートに接続されている。尚、このバッファ回路は、カラムアンプ出力Voutを非破壊で読み出せるものであれば、ソースフォロア回路でなくともかまわない。
リセット雑音は結合容量71の容量およびチップ温度によって決定され、リセット雑音電圧Vnrは、式12のように表される。
Vnr=(k・T/C)1/2 (式12)
ここで、kはボルツマン定数である。Tはチップ温度である。Cは第1の結合容量71の容量である。
たとえば、結合容量71が10[pF]、チップ温度が室温(T=300[K])である場合、リセット雑音電圧Vnrは約20[μV]である。この程度の雑音電圧Vnrは、数百mV程度のバイアス電圧、数十mV程度の閾値電圧のばらつき、数mV程度の自己加熱電圧より非常に小さい。従って、雑音電圧Vnrがカラムアンプ107のダイナミックレンジに占める割合は小さい。しかし、従来、雑音電圧Vnrを除去するためには、記憶回路および差分処理回路等が赤外線センサ300の外部回路(例えば、カメラ回路)に必要であった。従って、雑音電圧Vnrの除去は、赤外線センサ300を備えた製品のコストを削減することに対して有効である。
また、このリセット雑音は、バランス回路8におけるクランプ動作によっても結合容量81の容量に依存する形で発生する。このとき、結合容量81の容量値をCpとすれば、その雑音電圧Vprは(式12)と同様に(式13)により表現される。
Vpr=(k・T/Cp)1/2 (式13)
したがって、厳密には、この2種類のリセット雑音の合計として、Vr=(Vnr+Vpr1/2を考えることが必要である。
以下の記述においては、これらふたつのリセット雑音の合計値であるVrを用いて説明する。
図16は、第8の実施形態による赤外線センサ300の動作を示すタイミング図である。分離信号ISO、第2のクランプパルスCLAMP_P、制御電圧GATE_P、第4のノード電位VGP、第3のノード電位VNPは、図10に示すものと同様であるので省略している。Vssは、第1の増幅トランジスタ72のソース電圧である。Vssは第1のクランプ動作時にVscであり、それ以外の期間ではVsaである。
第1のノードN1のリセット動作の後、t3〜t4において、第1行目の選択・増幅動作と同時に第1のクランプ動作が実行される。このとき、第1のノード電位VNNおよび第2のノード電位VGNの挙動は、図10に示したそれらと類似する。第1のクランプ動作により、第2のノード電位VGNはVsc+Vthnにクランプされる。また、TB画素行の選択動作により、このクランプされた電圧Vsc+Vthnとカラム電圧VSLonTBとの電位差が第1の結合容量71に蓄積される。これにより、第1のクランプ動作後、VSL=Vss=0となる非選択期間において、VGN=Vsc+Vthn−VSLonTBとなる。
第1のクランプ動作期間では、分離トランジスタ88はオフ状態である。第1のクランプ動作期間以外の期間では、分離トランジスタ88はオン状態である。従って、第1のクランプ動作後、第1の増幅トランジスタ72のゲート電圧(第1のノード電位VNN)および第2の増幅トランジスタ82のゲート電圧(第3のノード電位VNP)はほぼVRSである。
リセット動作後、t7〜t8において、第2行目の選択・増幅動作と同時に第2のクランプ動作が実行される。第2のクランプ動作では、第3のクランプパルスCLAMP3がハイになる。これにより、第3のクランプトランジスタ79がオンになり、第5のノード電位VN5はVCLにクランプされる。
このとき、第2行目の画素は第1行目の画素と同様にTB画素である。従って、理想的には信号電圧は発生せず、第1のノード電位VNNはVRSのまま変化しない。
しかし、実際には、リセット雑音Vrによって、第1のノード電位VNNは、式13のように表すことができる。
VNN=VRS−(gm・Vr・Ti)/Ci (式13)
第2のクランプ動作により、第1の蓄積容量74にはリセット雑音Vnrに基づく電位VNN=VRS−(gm・Vr・Ti)/Ciとクランプ電圧VCLとの電位差が保持される。これにより、t9〜t10のリセット動作の後、第5のノード電位VN5は、VCLからVCL+(gm・Vr・Ti)/Ciに変化する。
t11〜t12において、第3行目の有効画素行が選択され、赤外線信号成分の増幅動作が行われる。このとき、第1のノード電位VNNはリセット雑音成分を含む電圧VNN=VRS−gm・(Vr+Vsig)・Ti/Ciになる。しかし、第5のノード電位VN5は上述のようにリセット雑音Vnrを考慮した電位にクランプされているので、第5のノード電位VN5は、VCLを基準として、電圧gm・(Vr+Vsig)・Ti/Ciからリセット雑音Vnrの成分をキャンセルした電位に変化する。即ち、第5のノード電位VN5は、VCLから赤外線信号成分gm・(Vsig)・Ti/Ciだけ異なる電位になる。
駆動トランジスタ701、負荷トランジスタ702は、第5のノード電位VN5をバッファし、これを読出し回路11へ出力する。
このように、第8の実施形態による赤外線センサ300は、カラムアンプ107の内部でリセット雑音Vnrの成分を除去することができる。したがって、赤外線センサ300は、さらに広いダイナミックレンジを有し得る。
また、赤外線センサ300の外部回路(例えば、カメラ回路)における記憶回路および差分処理回路等を排除することができる。その結果、赤外線センサ300を備えた製品(例えば、赤外線カメラ)のコストを低下させることができる。
第8の実施形態では、第1および第2行目の画素としてTB画素を設けている。これにより、図15に示すように単純な第3のクランプ回路CL3をカラムアンプに付加するだけで、リセット雑音Vnr成分を除去することができる。もし、TB画素行を複数回選択することが可能であれば、1行のTB画素を用いて第1クランプ動作および第2クランプ動作を実行することができる。
(第9の実施形態)
図17は、本発明に係る第9の実施形態に従った赤外線センサ400の構成を示す図である。第9の実施形態は、図11に示した赤外線センサ200に第8の実施形態によるカラムアンプ107を適用した形態である。また、撮像領域の第2行目の画素はTB画素である。
図18は、第9の実施形態による赤外線センサ400の動作を示すタイミング図である。第9の実施形態では、反転回路9が、バランス回路8へ制御電圧GATE_Pを供給する。制御電圧GATE_Pは、第1のクランプ動作および第2のクランプ動作においてVdd−VSLonTBであり、第3行目の選択時にVdd−VSLonOBである。その他の期間において、制御電圧GATE_PはVddである。
これにより、第5の実施形態と同様に、バランス回路8は、自己加熱成分Vshを相殺するように正孔電流をカラムアンプ7へ供給することができる。即ち、第9の実施形態は、カラムアンプ出力からバイアス成分、自己加熱成分およびリセット雑音成分を取り除くことができる。
第9の実施形態は、赤外線センサ400の外部回路(例えば、カメラ回路)をさらにシンプルにすることができる。その結果、赤外線センサ400を備えた製品(例えば、赤外線カメラ)のコストをさらに低下させることができる。
水平読出し回路11に代えて、たとえば、カラムAD変換器を用いてカラムアンプ出力をデジタル化し出力してもよい。また、上記実施形態で示したトランジスタおよびダイオードの導電型および極性は反転しても実施可能である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る第1の実施形態に従った赤外線センサ100の構成を示す図。 有効画素1の平面図。 図2の3−3線に沿った有効画素1の断面図。 OB画素3の断面図。 TB画素2の断面図。 カラムアンプ7の回路図。 バランス回路9の回路図。 読出し回路11の回路図。 本実施形態による赤外線センサ100の動作の流れを示すタイミング図。 第3の実施形態による赤外線センサ100の動作を示すタイミングチャート。 本発明に係る第5の実施形態に従った赤外線センサ200の構成を示す図。 第5の実施形態による赤外線センサ200の動作を示すタイミング図。 本発明に係る第7の実施形態に従った赤外線センサの動作を示すタイミング図。 本発明に係る第8の実施形態に従った赤外線センサ300の構成を示す図。 第8の実施形態によるカラムアンプ107の構成を示す回路図。 第8の実施形態による赤外線センサ300の動作を示すタイミング図。 本発明に係る第9の実施形態に従った赤外線センサ400の構成を示す図。 第9の実施形態による赤外線センサ400の動作を示すタイミング図。
符号の説明
100…赤外線センサ
1…有効画素
2…TB画素
3…OB画素
4…pn接合
5…行選択線
6…信号線
7…カラムアンプ
8…バランス回路
11…水平読出し回路
50…行選択回路
60…定電流源

Claims (22)

  1. 半導体基板上に行列状に配置され、赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を含む撮像領域と、
    行方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された行選択線と、
    列方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された信号線と、
    前記信号線に接続された定電流源と、
    前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加し、前記信号線にカラム電圧を発生させる行選択回路と、
    前記信号線に接続され、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成する第1の増幅トランジスタ、および、前記第1の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第1の増幅トランジスタのゲートに保持するための第1のクランプ回路を含むカラムアンプと、
    前記第1の増幅トランジスタと逆導電型の第2の増幅トランジスタ、および、前記第2の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第2の増幅トランジスタのゲートに保持するための第2のクランプ回路を含み、前記カラムアンプを流れるバイアス電流によって生じるバイアス成分を前記増幅電圧から除くために、前記カラムアンプに接続された除去回路と、
    前記カラムアンプからの出力電圧を読み出す読出し回路とを備え、
    前記カラムアンプは、前記増幅電圧から少なくとも前記バイアス成分を除いた電圧を前記出力電圧として前記読出し回路へ出力することを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記カラムアンプは、
    前記第1の増幅トランジスタのドレインに接続された第1のノードと、
    前記第1の増幅トランジスタのゲートに接続された第2のノードと、
    前記第2のノードと前記信号線との間に接続され、前記カラム電圧を前記第1の増幅トランジスタのゲートへ伝達する第1の結合容量と、
    前記第1のノードに接続され、前記第1のノードの電位をリセット電圧にリセットするリセットトランジスタと、
    前記第1のノードに接続され、前記第1の増幅トランジスタを流れる第1の電荷を蓄積する第1の蓄積容量とを含み、
    前記除去回路は、
    制御電圧を供給する制御電圧入力と、
    前記第2の増幅トランジスタのドレインに接続された第3のノードと、
    前記第2の増幅トランジスタのゲートに接続された第4のノードと、
    前記第3のノードと前記第1のノードとの間をクランプ動作時に分離し、クランプ動作時以外において前記第3のノードと前記第1のノードとの間を接続する分離スイッチと、
    前記制御電圧入力と前記第4のノードとの間に接続され、前記制御電圧を前記第2の増幅トランジスタのゲートに伝達する第2の結合容量と、
    前記第3のノードに接続され、前記第1の電荷とは逆符号の第2の電荷を蓄積する第2の蓄積容量であって、前記第2の増幅トランジスタで増幅された前記制御電圧に基づく量の前記第2の電荷を蓄積する第2の蓄積容量とを含み、
    前記除去回路は、前記分離スイッチを通して、前記第2の電荷で前記制御電圧に基づく量の前記第1の電荷を消滅させることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  3. 前記第1の増幅トランジスタの相互コンダクタンスと、前記第2の増幅トランジスタの相互コンダクタンスが等しいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の赤外線センサ。
  4. 前記撮像領域は、熱的無感度画素からなる行を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の赤外線センサ。
  5. 前記第1の増幅トランジスタのソースにパルス状の電圧を印加し、
    前記第2の増幅トランジスタのソースにパルス状の電圧を印加することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の赤外線センサ。
  6. 前記第1のクランプ回路によるクランプ動作期間における前記第1の増幅トランジスタのソース電圧がVscであり、前記第2の増幅トランジスタのソース電圧がVdcであるとし、前記カラムアンプの増幅動作期間における前記第1の増幅トランジスタのソース電圧がVsaであり、前記第2の増幅トランジスタのソース電圧がVdaであるとした場合、
    |Vdc−Vsc|<|Vda−Vsa|
    を満たすことを特徴とする請求項5に記載の赤外線センサ
  7. 前記撮像領域は、少なくとも1列の光学的無感度画素列を含み、
    前記光学的無感度画素列からの信号電圧に基づいて前記制御電圧を生成する制御電圧生成回路を備えたことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の赤外線センサ。
  8. 前記カラムアンプは、
    前記第1の蓄積容量を介して前記第1のノードに接続され、前記第1の結合容量に起因するリセット雑音を前記増幅電圧から除いた電圧を前記出力電圧として出力する第3のクランプ回路を含むことを特徴とする請求項2に記載の赤外線センサ。
  9. 前記第3のクランプ回路は、
    前記第1の蓄積容量の一方の電極に接続された第5のノードと、
    前記第5のノードに接続され、前記第5のノードをクランプ電圧にクランプする第3のクランプ回路と、
    前記第5のノードに接続された第3の蓄積容量と、
    前記第5のノードと前記読出し回路との間に接続されており、前記第5のノードの電圧を前記読出し回路へ出力するバッファ回路とを備えていることを特徴とする請求項8に記載の赤外線センサ。
  10. 前記撮像領域は、少なくとも2行の熱的無感度画素行を含むことを特徴とする請求項8に記載の赤外線センサ。
  11. 前記第1のクランプ回路および前記第2のクランプ回路がオン状態のときに、前記分離トランジスタはオフ状態であり、
    前記第1のクランプ回路および前記第2のクランプ回路がオフ状態のときに、前記分離トランジスタはオン状態であることを特徴とする請求項2から請求項10のいずれかに記載の赤外線センサ。
  12. 半導体基板上に行列状に配置され、赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を含む撮像領域と、行方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された行選択線と、列方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された信号線と、前記信号線に接続された定電流源と、前記行選択線に接続され、前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加し、前記信号線にカラム電圧を発生させる行選択回路と、前記信号線に接続され、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成する第1の増幅トランジスタ、および、前記第1の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第1の増幅トランジスタのゲートに保持するための第1のクランプ回路を含むカラムアンプと、前記カラムアンプに接続され、前記第1の増幅トランジスタと逆導電型の第2の増幅トランジスタ、および、前記第2の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第2の増幅トランジスタのゲートに保持するための第2のクランプ回路を含む除去回路と、前記カラムアンプの出力に接続された読出し回路とを備えた赤外線センサの駆動方法であって、
    前記行選択回路が前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加することによって前記信号線にカラム電圧を発生させ、
    前記カラムアンプが、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成し、
    前記除去回路が前記カラムアンプを流れるバイアス電流によって生じるバイアス成分を前記増幅電圧から除き、
    前記カラムアンプが前記増幅電圧から前記バイアス成分を除いた電圧を前記出力電圧として前記読出し回路へ出力することを具備する赤外線センサの駆動方法。
  13. 前記カラムアンプは、前記カラム電圧を増幅する第1の増幅トランジスタと、前記第1の増幅トランジスタのドレインに接続された第1のノードと、前記第1の増幅トランジスタのゲートに接続された第2のノードと、前記第2のノードと前記信号線との間に接続された第1の結合容量と、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に接続された第1のクランプ回路と、前記第1のノードに接続された第1の蓄積容量と、前記第1のノードに接続されたリセットトランジスタとを含み、
    前記除去回路は、前記第1の増幅トランジスタとは逆導電型である第2の増幅トランジスタと、前記第2の増幅トランジスタのドレインに接続された第3のノードと、前記第2の増幅トランジスタのゲートに接続された第4のノードと、前記第2の増幅トランジスタのゲート電圧を制御する制御電圧入力と、前記第4のノードとの間に接続された第2の結合容量と、前記第3のノードと前記第4のノードとの間に接続された第2のクランプ回路と、前記第3のノードに接続された第2の蓄積容量と、前記第3のノードと前記第1のノードとの間に接続された分離スイッチとを含み、
    前記分離スイッチをオン状態にして、前記第1のノードと前記第3のノードとを導通させ、
    前記リセットトランジスタを用いて前記第1のノードの電位および前記第3のノードの電位をリセット電圧にリセットし、
    前記分離スイッチをオフ状態にし、
    前記第1のクランプ回路を用いて前記第1のノードと前記第2のノードとを導通させ、並びに、前記第2のクランプ回路を用いて前記第3のノードと前記第4のノードとを導通させ、前記第2のノードおよび前記第4のノードをそれぞれ前記第1および第2の増幅トランジスタの閾値情報を含む電圧にクランプし、
    前記第1のクランプ回路および前記第2のクランプ回路をオフ状態にするとともに前記分離スイッチをオン状態にし、
    前記第1の増幅トランジスタが前記第1の結合容量を介して前記カラム電圧を入力し該カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成し、
    前記第2の増幅トランジスタが前記制御電圧入力から制御電圧を入力し、該制御電圧を増幅して前記バイアス成分に等しい電圧を生成し、
    前記第1の蓄積容量が前記増幅電圧に基づく第1の電荷を蓄積するとともに、前記第2の蓄積容量が前記第1の電荷とは逆符号の第2の電荷を前記バイアス成分に基づく量だけ蓄積し、前記分離スイッチを通して前記バイアス成分に相当する量の前記第1の電荷を前記第2の電荷で消滅させ、
    前記第1のノードの電圧を前記出力電圧として出力することを特徴とする請求項12に記載の赤外線センサの駆動方法。
  14. 前記第2のノードおよび前記第4のノードのクランプ動作期間において前記分離スイッチはオフ状態であり、該クランプ動作期間以外の期間において前記分離スイッチはオン状態であることを特徴とする請求項13に記載の赤外線センサの駆動方法。
  15. クランプ動作期間における前記第1の増幅トランジスタのソース電圧がVscであり、前記第2の増幅トランジスタのソース電圧がVdcであるとし、前記カラムアンプの増幅動作期間における前記第1の増幅トランジスタのソース電圧がVsaであり、前記第2の増幅トランジスタのソース電圧がVdaであるとした場合、
    |Vdc−Vsc|<|Vda−Vsa|
    を満たすことを特徴とする請求項13に記載の赤外線センサの駆動方法。
  16. 前記撮像領域には少なくとも1行以上の熱的無感度画素行が配置されており、前記第2のノードおよび前記第4のノードのクランプ動作は、前記熱的無感度画素行が選択されている期間に実行されることを特徴とする請求項13に記載の赤外線センサの駆動方法。
  17. 前記撮像領域は熱的無感度画素行を含み、
    前記カラムアンプは、前記カラム電圧を増幅する第1の増幅トランジスタと、前記第1の増幅トランジスタのドレインに接続された第1のノードと、前記第1の増幅トランジスタのゲートに接続された第2のノードと、前記第2のノードと前記信号線との間に接続された第1の結合容量と、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に接続された第1のクランプ回路と、前記第1のノードに接続された第1の蓄積容量と、前記第1のノードに接続されたリセットトランジスタと、前記第1の蓄積容量を介して前記第1のノードに接続された第3のクランプ回路とを含み、
    前記除去回路は、前記第1の増幅トランジスタとは逆導電型である第2の増幅トランジスタと、前記第2の増幅トランジスタのドレインに接続された第3のノードと、前記第2の増幅トランジスタのゲートに接続された第4のノードと、該第4のノードと前記第2の増幅トランジスタのゲート電圧を制御する制御電圧入力との間に接続された第2の結合容量と、前記第3のノードと前記第4のノードとの間に接続された第2のクランプ回路と、前記第3のノードに接続された第2の蓄積容量と、前記第3のノードと前記第1のノードとの間に接続された分離スイッチとを含み、
    前記分離スイッチをオン状態にして、前記第1のノードと前記第3のノードとを導通させ、
    前記リセットトランジスタを用いて前記第1のノードの電位および前記第3のノードの電位をリセット電圧にリセットし、
    前記熱的無感度画素行を選択している期間に、前記分離スイッチをオフ状態にし、
    前記第1のクランプ回路を用いて前記第1のノードと前記第2のノードとを導通させ、並びに、前記第2のクランプ回路を用いて前記第3のノードと前記第4のノードとを導通させ、前記第2のノードおよび前記第4のノードをそれぞれ前記第1および第2の増幅トランジスタの閾値情報を含む電圧にクランプし、
    前記第1のクランプ回路および前記第2のクランプ回路をオフ状態にするとともに前記分離スイッチをオン状態にし、
    再び前記熱的無感度画素行を選択している期間に、
    前記第1の増幅トランジスタが前記第1の結合容量を介して前記熱的無感度画素行から前記カラム電圧を入力し該カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成し、
    前記第2の増幅トランジスタが前記制御電圧入力から制御電圧を入力し、該制御電圧を増幅して前記バイアス成分に等しい電圧を生成し、
    前記第1の蓄積容量が前記増幅電圧に基づく第1の電荷を蓄積するとともに、前記第2の蓄積容量が前記第1の電荷とは逆符号の第2の電荷を前記バイアス成分に基づく量だけ蓄積し、前記分離スイッチを通して少なくとも前記バイアス成分に相当する量の前記第1の電荷を前記第2の電荷で消滅させ、
    前記第3のクランプ回路を用いて前記第1の結合容量および前記第2の結合容量に起因するリセット雑音を前記増幅電圧から除き、
    前記カラムアンプが前記リセット雑音の除去後の前記増幅電圧を前記出力電圧として出力することを特徴とする請求項12に記載の赤外線センサの駆動方法。
  18. 前記第3のクランプ回路は、前記第1の蓄積容量の一方の電極に接続された第5のノードと、前記第5のノードに接続された第3のクランプ回路と、前記第5のノードに接続された第3の蓄積容量と、前記第5のノードと前記読出し回路との間に接続されたバッファ回路とを備え、
    前記第2のノードのクランプ動作および前記第1の増幅トランジスタの増幅動作の後に、前記リセットトランジスタを用いて前記第1のノードの電位をリセット電圧にリセットし、
    前記第3のクランプ回路をオン状態として前記第5のノードをクランプ電圧にクランプするとともに、前記第1の増幅トランジスタが前記第1の結合容量を介して前記熱的無感度画素から前記カラム電圧を入力し該カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成することによって、前記リセット雑音を含む電圧を前記第1のノードに保持した状態において前記第5のノードをクランプ電圧に設定し、
    その後に前記第3のクランプ回路をオフし、
    前記リセットトランジスタを用いて前記第1のノードの電位をリセット電圧にリセットし、
    前記第1の増幅トランジスタが前記第1の結合容量を介して前記赤外線検出画素から前記カラム電圧を入力し該カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成することによって、前記増幅電圧から前記リセット雑音に対応する電圧を除いた赤外線信号成分を前記第5のノードに発生させ、
    前記バッファ回路が前記第5のノードの電圧を前記読出し回路へ出力することを特徴とする請求項17に記載の赤外線センサの駆動方法。
  19. 前記リセット雑音を含む電圧を前記第1の蓄積容量に保持する動作は、毎フレームごとに実行されることを特徴とする請求項18に記載の赤外線センサの駆動方法。
  20. 前記第1のノードのクランプ動作期間における前記第1の増幅トランジスタのソース電圧がVscであり、前記第2の増幅トランジスタのソース電圧がVdcであるとし、前記第5のノードのクランプ動作期間における前記第1の増幅トランジスタのソース電圧がVsaであり、前記第2の増幅トランジスタのソース電圧がVdaであるとした場合、
    |Vdc−Vsc|<|Vda−Vsa|
    を満たすことを特徴とする請求項18および請求項19に記載の赤外線センサの駆動方法。
  21. 半導体基板上に行列状に配置され、赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を含む撮像領域と、
    行方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された行選択線と、
    列方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された信号線と、
    前記信号線に接続された定電流源と、
    前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加し、前記信号線にカラム電圧を発生させる行選択回路と、
    前記信号線に接続され、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成する第1の増幅トランジスタ、および、前記第1の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第1の増幅トランジスタのゲートに保持するための第1のクランプ回路を含むカラムアンプと、
    前記第1の増幅トランジスタと逆導電型の第2の増幅トランジスタ、および、前記第2の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第2の増幅トランジスタのゲートに保持するための第2のクランプ回路を含み、前記カラムアンプを流れるバイアス電流によって生じるバイアス成分を前記増幅電圧から除くために、前記カラムアンプに接続される除去回路と、
    前記カラムアンプからの出力電圧を読み出す読出し回路とを備えた赤外線センサを具備した赤外線カメラであって、
    前記除去回路は、前記分離スイッチを通して、前記第2の電荷で前記制御電圧に基づく量の前記第1の電荷を消滅させることを特徴とする赤外線カメラ。
  22. 半導体基板上に行列状に配置され、赤外線を検出する複数の赤外線検出画素を含む撮像領域と、行方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された行選択線と、列方向に配列された前記赤外線検出画素に接続された信号線と、前記信号線に接続された定電流源と、前記行選択線に接続され、前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加し、前記信号線にカラム電圧を発生させる行選択回路と、前記信号線に接続され、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成する第1の増幅トランジスタ、および、前記第1の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第1の増幅トランジスタのゲートに保持するための第1のクランプ回路を含むカラムアンプと、前記カラムアンプに接続され、前記第1の増幅トランジスタと逆導電型の第2の増幅トランジスタ、および、前記第2の増幅トランジスタの閾値電圧情報を該第2の増幅トランジスタのゲートに保持するための第2のクランプ回路を含む除去回路と、前記カラムアンプの出力に接続された読出し回路とを備えた赤外線センサを具備した赤外線カメラの駆動方法であって、
    前記行選択回路が前記行選択線を介して前記赤外線検出画素に電圧を印加することによって前記信号線にカラム電圧を発生させ、
    前記カラムアンプが、前記カラム電圧を増幅した増幅電圧を生成し、
    前記除去回路が前記カラムアンプを流れるバイアス電流によって生じるバイアス成分を前記増幅電圧から除き、
    前記カラムアンプが前記増幅電圧から前記バイアス成分を除いた電圧を前記出力電圧として前記読出し回路へ出力し、
    前記読出し回路が前記カラムアンプからの出力電圧を読み出すことを特徴とする赤外線カメラの駆動方法。
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