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JP4368301B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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JP4368301B2 JP2004381221A JP2004381221A JP4368301B2 JP 4368301 B2 JP4368301 B2 JP 4368301B2 JP 2004381221 A JP2004381221 A JP 2004381221A JP 2004381221 A JP2004381221 A JP 2004381221A JP 4368301 B2 JP4368301 B2 JP 4368301B2
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Description

本発明は、内歯歯車と該内歯歯車に内接噛合する外歯歯車とを有する動力伝達装置に関する。
従来、内歯歯車と該内歯歯車に内接噛合する外歯歯車とを備えてなり、入力される動力を相手機械に伝達可能な動力伝達装置が多く知られており、これら動力伝達装置は、例えばコンベアや生ごみ処理機の駆動等の用途に幅広く適用されている。このような動力伝達装置の一つとして、例えば特許文献1に示すような動力伝達装置が提案されている。
ところで、このような動力伝達装置がコンベアの駆動用途に適用された場合を例にとると、動力伝達装置は、特にコンベアの起動時や大きな搬送物を搬送する際に大きな反作用トルクを受けるため、このようなコンベアの起動時や加速時等の中・重負荷時には伝達容量の確保が特に要求される。一方、コンベアが一度起動され、定常運転状態になった場合には、コンベア起動時等の半分にも満たない小さな伝達容量があればコンベアを駆動可能であり、このような無・軽負荷時には伝達容量の確保よりも、低騒音化、低振動化が要求される。
特公平5−78701号公報
内歯歯車と該内歯歯車に内接噛合する外歯歯車とを備えた従来の動力伝達装置は、外歯歯車同士の噛合に比べ、一般に歯と歯の同時噛合本数(噛合い本数)が多くなる。そのため、相手機械を駆動するのに必要な出力トルクが小さい無・軽負荷領域においては、トルク伝達に必要な噛合部の弾性変形量が各部の隙間や、加工誤差、組立誤差よりも相対的に小さくなることがあり、内歯歯車と外歯歯車との噛合い本数が、トルク変動に伴う弾性変形量の大小によって変化し易くなる。従って、このような無・軽負荷領域においては、僅かなトルク変化が噛合い状態の変化(接触、非接触状態の変化)となり、騒音・振動の変動や増大が生じ易くなってしまうといった問題があった。
一方、このような問題を解消する一手段として、内歯歯車を構成する部材を、弾性係数の低い(弾性変形量の大きい)樹脂やアルミ等の材料で製作することも考えられる(特許文献1参照)。しかしながら、一般に弾性係数の低い材料は硬さや強度が低いため、動力伝達装置全体の剛性が低く(伝達容量が低く)なり易い。
本発明は、このような問題に対処すべく創案されたものであって、無・軽負荷時においては騒音・振動の発生を防止すると同時に、動力伝達装置自体を大型化することなく中・重負荷時における十分な伝達容量を確保した動力伝達装置を提供することをその課題としている。
本発明は、内歯歯車と、該内歯歯車に内接噛合する外歯歯車とを有する動力伝達装置において、前記内歯歯車と前記外歯歯車の少なくとも一方が、歯車本体と歯体とに分離可能とされており、且つ、前記歯車本体と前記歯体との間に挟装され、前記歯体を他方の歯車の歯の側に付勢する弾性体を有し、且つ、当該動力伝達装置の負荷上昇時においては、前記弾性体の変形により前記分離された歯車本体と歯体とが直接接触・係合可能とされている構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明では、内歯歯車及び外歯歯車の少なくとも一方を、歯車本体と歯体とに分けて別々の剛体で構成し、その歯車本体と歯体との間に弾性体を挟装させている。そのため、分離した歯体を積極的に噛合する他方の歯の側へと常時付勢することができる。これにより、無・軽負荷時における加工誤差、組立誤差等に起因する隙間を埋め、バックラッシを実質的に零として歯面同士を常に接触させることで、(複数の)噛合部における通常の噛合以外の接触・離反が繰り返されることによる騒音を低減できる。
又、中・重負荷時においては、弾性体が押し潰され(変形することにより)、動力伝達容量の高い剛体同士が接触(係合)し、確実に動力を伝達することができる。
本発明によれば、動力伝達装置の無・軽負荷運転時において、騒音・振動の発生を防止すると同時に、中・重負荷運転時における伝達容量の確保を、減速機を大型化することなく実現できる。
以下に添付図面を用いて本発明の構成を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の一つであり、本発明の実施形態に係る動力伝達装置104を備えたギヤドモータGM100の一部を破断した全体正断面図、図2は、図1のII−II線断面図、図3は図2におけるIII部拡大図、図4は図1におけるIV部の拡大図であり、(A)が無・軽負荷運転時、(B)が中・重負荷運転時の状態を表わしたものである。なお、図3及び図4においては、噛み合い状態の理解を容易にするために、隙間等の関係を誇張して表現している。
このギヤドモータGM100は、モータ102(外観のみ図示)と、該モータ102に連結・一体化された動力伝達装置104とを備えている。
該動力伝達装置104は、高速軸(モータ102のモータ軸)108と、低速軸106と、内接噛合遊星歯車機構200と、を備えている。この動力伝達装置104は、モータ102から入力される動力を、前記内接噛合遊星歯車機構200及び低速軸106を介して、相手機械(図示略)に伝達が可能である。
前記高速軸108は、軸受230、232によって内カバー122及び低速軸106に回転自在に両持ち支持されており、軸心O1を中心に回転可能である。
前記低速軸106は、軸受232、234、236によって外カバー120及び高速軸108に回転自在に3点支持されており、前記高速軸108と同じ軸心O1を中心に回転可能である。
又、これら高速軸108及び低速軸106の間に、前記内接噛合遊星歯車機構200が配置されている。この内接噛合遊星歯車機構200における外歯歯車206は、外周にトロコイド歯形や円弧歯形等の外歯を有している。又、内歯歯車204は、内歯歯車本体204aと内歯を構成する内歯体204bに分離されている。前記外歯歯車206は、内歯歯車204の内歯体204bとそれぞれ内接噛合している。又、該外歯歯車206は、該外歯歯車206と偏心体210の間に設けられた偏心体用軸受212を介して偏心体210に嵌合し、該偏心体210の回転に伴って揺動回転可能である。更に、外歯歯車206には内ローラ孔216が複数個設けられ、内ピン208及び内ローラ214が、各内ローラ孔216に挿嵌されている。なお、図1に示すように、内ピン208の一端は、前記低速軸106によって片持ち支持されており、該内ピン208を介して外歯歯車206の自転成分を低速軸106に伝達可能である。
内接噛合遊星歯車機構200は、動力伝達装置104の内カバー122と外カバー120の間に、ボルト124を介して挟持されており、内歯歯車本体204aが動力伝達装置104のケーシング128の一部を兼ねている。
図4に示すように、内歯歯車本体204aの内周側の軸方向略中央部には深さD1の凹部218が全周にわたって形成されており、該凹部218に弾性体202が配置されている。その配置された状態での該弾性体202の厚さD2は、前記凹部218の深さD1よりも大きいため、D2−D1の分だけ弾性体202の一部は前記凹部218から突出している。
一方で前記内歯歯車本体204aを挟持する前記外カバー120と内カバー122には、段部120a、120b及び段部122a、122bがそれぞれ形成されており、該段部120a、120b、122a、122bにより形成される凹部219に前記内歯体204bが嵌合し、前記弾性体202を厚さD3にまで押し潰している。更に、該内歯体204bに外歯歯車206が噛合している。
内歯体204bは、この実施形態では円柱状のピンで構成されている。即ち、この内歯歯車204aは、「円弧歯形の内歯」を備えている。
無・軽負荷時には図4(A)に示すように、前記弾性体202により前記内歯歯車本体204aと前記内歯体204bは分離され隙間G1(D3−D1)が形成されるようになっている。
このとき、内歯体204bは、自身の軸方向略中央部で、接触面C1を介して弾性体202と接触している。
中・重負荷時には、図4(B)に示すように、弾性体は押し潰れて厚さD1にまで変形し、内歯体204bと内歯歯車本体204aは、接触面C2及びC3で接触する構成とされている。
なお、前述した構成において、弾性体202以外の部材は、それぞれの部位に必要且つ十分な強度を備えた剛体によりなるものである。
次に、動力伝達装置104の作用について説明する。
モータ102に通電すると、高速軸108が軸心O1を中心に回転し、該高速軸108の外周に設けられた偏心体210が回転する。該偏心体210の回転により、外歯歯車206も高速軸108の周りで揺動回転を行なおうとするが、内歯歯車本体204aと内歯体204bからなる内歯歯車204によってその自転が拘束されているため、外歯歯車206は、内歯歯車204に内接しながらほとんど揺動のみを行なうことになる。
この外歯歯車206の回転は、内ローラ孔216及び内ピン208によってその揺動成分が吸収され、自転成分のみが低速軸106を介して相手機械へと伝達される。
この実施形態の例における動力伝達装置104では、内歯歯車本体204aと内歯体204bの間に挟装されている弾性体202の作用(弾性力)により、内歯体204bは常時外歯歯車206の方向へと付勢されている。即ち、低速軸106の負荷が無い状態又は低い状態においては、噛み合い位置での外歯歯車206と内歯歯車204の内歯体204bとの噛合面圧(反力)は低いため、弾性体202はほとんど変形することはなく、該内歯体204bは内歯歯車本体204aとの間に隙間を形成し、且つ、弾性体202を介して該内歯歯車本体204a側と係合している。
よって、外歯歯車206と内歯体204bとの微妙なトルク変動による接触、非接触が繰り返されることによる騒音の増大が無く、更に、積極的な外歯歯車206側への付勢力によりバックラッシも無く、運転開始時、停止時、回転の反転時等に起こるガタ打音も排除できる。
一方で、低速軸106への負荷が高い場合には、噛み合い位置での外歯歯車206と内歯歯車204の内歯体204bとの噛合面圧(反力)も高くなり、弾性体202はその荷重によって押し潰されて変形し、内歯体204bは外歯歯車206と接触し、更に、内歯歯車本体204aとも接触面C2及びC3を介して接触・係合する。
即ち、弾性体202が押し潰されない無・軽負荷時においては、外歯歯車206の偏心回転の際に剛体同士が接触・離反することはなく(内歯歯車本体204aと内歯体204bは弾性体202により接触しておらず、内歯体204bと外歯歯車206は常に接触している)、低騒音で運転でき、一方、中・重負荷時においては、前述のとおり弾性体202が変形して剛体である外歯歯車206、内歯体204b、内歯歯車本体204aが直接接触することによって、動力の伝達を剛体同士の係合で行なうことができることになる。その結果、動力伝達装置104の大型化を図らずとも低騒音化と伝達容量の確保を両立させることができる。
なお、中・重負荷時、というのは、例えば、コンベアの駆動や、生ゴミ処理機の駆動の場合においては、起動時、重い搬送物の投入時、大量の生ごみの投入時等に相当しており、音により「機械が起動した」ことや、「重い搬送物が載せられた」こと、あるいは「大量の生ゴミが投入された」こと等を知覚することができるため、「運転音」は安全上むしろある程度は存在していた方が良い。
なお、本実施形態では、内歯歯車204を本体と歯体に分離した構成としているが、外歯歯車206の方をそのように構成してもよい。その場合は、外歯歯車を外歯歯車本体と外歯体とに分離可能とし、その間に弾性体を挟装することによって、外歯体を内歯歯車側へ付勢させ、且つ、負荷上昇時には、弾性体の変形によりこれらの外歯歯車本体と外歯体とが直接噛合することができる構成とすることにより実現できる。
又、本実施形態では、内歯体204bを円柱状の剛体(ピン)で構成しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば円筒体や、球体等の剛体を用いて構成することも可能である。
又、図5に示すように、複数枚の外歯歯車506を備えた動力伝達装置に適用したり、図6に示すように、1枚の外歯歯車606に対して複数の弾性体602で荷重を受けるように構成することも可能である。特にこの図5、図6での実施形態のように1の歯体504b、604bに対して複数の弾性体502、602で支持させることにより、1つの弾性体が受け持つ反力も小さくなることで、例えば安価なOリングを弾性体として用いることが可能となり、コスト面でも有利である。更に歯体の支持バランスも良好となる。
又、本発明における弾性体には、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム等の広くゴム材料の他にも、弾性係数の低い材料を用いて構成することが可能である。
なお、図5及至図6に示す実施形態においては、図1及至図3に示す実施形態と実質的に同一又は類似する部位に、下2桁が同一の符号を付し、重複説明は省略する。
本発明は、コンベアの駆動や生ゴミ処理機への適用は勿論、負荷変動を伴いながらも無負荷又は軽負荷運転時の割合が高い機械を駆動する際の動力伝達装置として広く適用することができる。
本発明の実施形態である動力伝達装置を備えたギヤドモータの全体正面一部断面図 図1におけるII−II線断面図 図2におけるIII部の拡大図であり、図2の要部である噛合状態を表わす図 図1におけるIV部の拡大図であり、外歯歯車、内歯体、内歯歯車本体、弾性体の位置関係を示す図。(A)は無・軽負荷時、(B)は中・重負荷時 本発明を2枚の外歯歯車を備える動力伝達装置に適用した場合の図1相当の正断面図 本発明を、1枚の外歯歯車に対して複数の弾性体で荷重を受けるように適用した正断面図
符号の説明
GM100…ギヤドモータ
102…モータ
104…動力伝達装置
106…低速軸
108…高速軸(モータ軸)
200…内接噛合遊星歯車機構
202…弾性体
204…内歯歯車
204a…内歯歯車本体
204b…内歯体
206…外歯歯車
208…内ピン
210…偏心体
212…偏心体用軸受
214…内ローラ
218、219…凹部
230、232、234、236…軸受

Claims (5)

  1. 内歯歯車と、該内歯歯車に内接噛合する外歯歯車とを有する動力伝達装置において、
    前記内歯歯車と前記外歯歯車の少なくとも一方が、歯車本体と歯体とに分離可能とされており、且つ、
    前記歯車本体と前記歯体との間に挟装され、前記歯体を他方の歯車の歯の側に付勢する弾性体を有し、且つ、
    当該動力伝達装置の負荷上昇時においては、前記弾性体の変形により前記分離された歯車本体と歯体とが直接接触・係合可能とされている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記歯体が前記歯車本体の半径方向に可動とされている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記歯体が円柱体、円筒体又は球体のいずれかであって、
    前記弾性体には、前記歯体の形状に対応する凹部が形成されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    1つの前記歯体に対して複数の前記弾性体が前記歯体を支持可能に配置されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項4において、
    前記弾性体はOリングである
    ことを特徴とする動力伝達装置。
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