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JP4350232B2 - 蛍光被覆体製造支援方法、及びその製造支援システム - Google Patents

蛍光被覆体製造支援方法、及びその製造支援システム Download PDF

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JP4350232B2 JP28458199A JP28458199A JP4350232B2 JP 4350232 B2 JP4350232 B2 JP 4350232B2 JP 28458199 A JP28458199 A JP 28458199A JP 28458199 A JP28458199 A JP 28458199A JP 4350232 B2 JP4350232 B2 JP 4350232B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオード(以下、LEDという)等の半導体発光素子その他の発光素子に被覆して素子の発光色を変換する蛍光被覆体の製造を支援する方法及び支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低消費電力及び長寿命を有する光源としてLEDが知られている。LEDは基台材料の種類等に起因して固有の波長光を放射するもので、主にR、G、Bの三原色を発光するものがそれぞれ製造され、光源の他種々の用途に適用されるに至っている。
【0003】
また、近年、特定の波長光を励起する蛍光材料をフィルタ上に形成し、これをLEDを被せて合成色として白色の発光色を得るものが知られている。白色光を得ることで、その用途が広がり、また、所望する着色剤を含有して形成されたフィルタをさらに装着することで、白色をさらに別の任意の発光色に変えることができるという利点がある。
【0004】
一方、近年、青色LEDのチップYAG(アルミン酸イットリウム)系蛍光体の層を設けた白色LEDが提案されている。この白色LEDは、蛍光体の層によって励起された光と青色LEDからの光が合成されて白色光が作り出されるようになっている。この白色LEDは着色剤を含有したカラーフィルタが装着されることで、所望の発光色を得ることができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同一の材料で製造されたLEDであっても、構成材料側(チップ等)のばらつきや製造設備側の稼働環境等に起因して発光特性すなわち色調が全て均一には製造できず、個々にばらつきを有している。図5は、任意に選択された複数の青色LEDのサンプルを発光させて得られた色度の分布を示すものである。この図5(CIE(国際照明委員会)に準拠した標準表色系)に示すように、各青色LEDはサンプルAの色度座標(x、y)=(0.207,0.116)〜サンプルBの色度座標(x、y)=(0.359,0.067)の範囲で色度にばらつきが見られる。このばらつきは色度で0.01以上の差があるため視認可能であり、従って、このような青色LEDに同じ蛍光体が含有されたフィルタを被覆して色変換を施しても、得られる光の色調は依然としてばらつきを有しており、用途等によってはユーザの要求を満足し得るものとはいえなかった。また、蛍光体フィルタによって白色光に変換された青色LEDに着色剤を含有したカラーフィルタをさらに装着しても、輝度の著しい低下及び褪色に問題があった。
【0006】
一方、図6は、任意に選択された複数の白色LEDのサンプルを発光させて得られた色度の分布を示すもので、青色LEDチップ自体の色調ばらつきとチップ上の蛍光体の添加量や層厚ばらつき等に起因する色調ばらつきとが作用した結果、色度x、y値共に0.05程度のばらつきを有している。従って、かかる白色LEDに蛍光体を含有する同一のフィルタを被覆して所定の色に変換しても、得られる光の色調は青色LEDの場合以上にばらつきを有したものとなり、また、着色剤が含有されたカラーフィルタの装着に対しても青色LEDの場合と同様な問題を有している。
【0007】
そこで、メーカでは、測色作業を行って青色(又は白色)LEDをばらつきの範囲内に対して更に細かい色調範囲ごとに仕分けし、ランクを付して管理するようにし、また、ユーザ側においては上記仕分けされたLEDに対し、更に要求色精度に対応して設定された色調範囲に仕分けるべく測色作業を行って、要求を満たすLEDのみを用いるようにしており、結果的に歩留まりが悪く、かつコストアップとなっていた。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、仕分けされたそれぞれの発光素子に対して変換後の発光色をより均一な色調に変え得る蛍光被覆体を容易かつ迅速に製造工程に提供し得る製造支援方法、そのシステム並びに該方法を用いて製造された発光素子用蛍光被覆体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る蛍光被覆体製造支援方法は、発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標(x、y)上記発光素子に蛍光被覆体を被せることにより上記光源色を変換して得られる要求発光色のCIE標準表色系色度座標(x1、y1)との関係を上記蛍光被覆体に含まれる蛍光体材料に関連する係数a〜dを介して関係付けておき、特定の発光素子の光源色の上記色度座標(x、y)及び要求発光色の上記色度座標(x1、y1)から前記係数a〜dを求め、得られた係数a〜dから蛍光被覆体に含むべき蛍光体材料を特定するようにしたものである。
【0010】
この構成によれば、特定の発光素子の光源色情報(CIE標準表色系色度座標(x、y))及び要求発光色情報(CIE標準表色系色度座標(x1、y1))を外部の顧客(メーカやユーザ)から提示されるなどした場合に、発光素子の光源色情報と要求発光色情報との関係を蛍光体材料に関連する係数を介して関係付けた内容に対して、提示された特定の発光素子の光源色情報及び要求発光色情報を適用させて、まず係数を求め、次いで、求めた係数に関連する蛍光体材料を直ちに特定する。特定される材料としては、要求発光色情報に一致するもの乃至は(一致するものがないときは)予め得ておいた複数の事前データに近似するものとなる。これにより、顧客が要求する要求発光色情報を実質満足する蛍光原料の種類、組成比、基材に対する混合比(重量部)等を蛍光体特定情報として、現実に発光素子の入手を待つまでもなく、素早く得ることが可能となり、しかも、かかる蛍光体材料特定情報を必要に応じて顧客へ迅速に提示でき、かつ製造の了解(製造注文)があれば、形状等が判っていることを条件に、発光素子に被覆可能な形状を有する蛍光被覆体を直ちに製造することが可能となる。
【0011】
ここに、顧客から入手される光源色情報を有する発光素子は、顧客がメーカであれば、前述したように該メーカにおいてばらつきの範囲内に対して更に細かい色調範囲ごとに仕分けしている各仕分け毎のものであり、また、顧客がユーザであれば、ユーザ側で更に要求色精度に対応して設定された色調範囲に仕分けされた後のものである。従って、仕分けされた発光素子に対して、該仕分け毎の発光素子に対する変換後の発光色を、少なくとも仕分け分の色調ばらつきを越えることのない、より均一な色調に変え得る蛍光被覆体が作成される。また、異なる仕分け分に対して要求される要求発光色情報が同一の場合でも、異なる仕分け分の光源色情報から蛍光体の材料特定情報を得ることが可能となり、これにより、異なる仕分け分の発光素子であっても、各仕分け分に対応して製造された蛍光被覆体を被覆することで、被覆後の色調を同一にすることが可能となる。
【0012】
請求項記載の発明は、前記関係付けが、数3の行列式により表されるものとし、この行列式から係数a、b、c、dを求め、得られた係数a〜dから蛍光体材料を特定するようにしたものである。
【0013】
【数3】
【0014】
但し、x、y:発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標
x1、y1:発光素子に蛍光被覆体を被せて得られる要求発光色のCIE標準表色系色度座標
この構成によれば、行列式が予め記憶されており、この行列式に光源色情報及び要求色情報を代入することで係数a〜dを算出するようにすればよい。なお係数の数は4個であるから、これらの係数を計算上特定するには、1つの要求発光色度x1、y1に対して、少なくとも発光素子の光源色度情報を2種類入手する必要がある。この2種類は、前記同一の仕分け分に含まれるものである。2種類の情報は無作為に選出されたものでもよいし、また、該仕分け分の発光素子の平均色度に対して反対方向にばらついた適宜な値の情報でもよい。
【0015】
請求項記載の発明は、蛍光体材料を特定する情報が係数a〜dと対応付けてテーブル形式で記録されており、得られた係数a〜dに適合する蛍光体材料特定情報をテーブルから読み出して報知するようにしたものである。これにより、テーブル中の蛍光体材料を所有しておけば、該当する蛍光体材料特定情報が読み出され報知されると、直ちに蛍光被覆体の製造開始が可能となる。
【0016】
請求項記載の発明は、この蛍光体材料は、蛍光原料の種類、組成比、及び基材に対する混合比(重量部)で特定されるようにすれば、正確な再現性が可能となる。発光素子が入荷されるに先立って蛍光体が特定されるので、素子形状や寸法などが入手できれば、特定された蛍光体材料を用いた蛍光被覆体が迅速に製造可能となる。
【0017】
請求項記載の蛍光被覆体製造支援システムは、発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標(x、y)上記発光素子に蛍光被覆体を被せることにより上記光源色を変換して得られる要求発光色のCIE標準表色系色度座標(x1、y1)の関係上記蛍光被覆体に含まれる蛍光体材料に関連する係数a〜dを介して関係付けて記憶する記憶手段と、特定の発光素子の光源色の上記色度座標(x、y)及び要求発光色の上記色度座標(x1、y1)から前記係数a〜dを求める第1の演算手段と、得られた係数a〜dから蛍光被覆体に含むべき蛍光体材料を特定する情報を抽出する検索手段とを備えたものである。また、この記憶手段は、数4を記憶するものであり、第1の演算手段は係数a、b、c、dを例えば逆算等により求めるものであり、検索手段は得られた係数a〜dに適合する蛍光体材料を特定する情報を抽出するものである。
【0018】
【数4】
【0019】
但し、x、y:発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標
x1、y1:発光素子に蛍光被覆体を被せて得られる要求発光色のCIE標準表色系色度座標
請求項記載の発明は、記憶手段が、蛍光体材料を特定する情報を係数a〜dと対応付けてテーブル形式で記憶したものであり、検索手段は第1の演算手段で求めた係数a〜dに適合する蛍光体材料特定情報をテーブルより抽出するものである。また、請求項記載の発明は、記憶手段が、蛍光体材料を、蛍光原料の種類、組成比、及び基材に対する混合比で特定する情報として記憶したものである。
【0020】
請求項記載の発明は、前記発光素子の光源色情報及び要求発光色情報を外部端末から受信可能なデータ通信手段を備えたことを特徴とするものであり、請求項記載の発明は、前記抽出された蛍光体材料特定情報および前記発光素子の光源色情報から定まる予測発光色のCIE標準表色系色度座標を求める第2の演算手段を備え、データ通信手段は、前記予測発光色情報(CIE標準表色系色度座標)を前記外部端末へ送信することを特徴とするものである。これにより、現物の発光素子が入手できていない段階から、製造された蛍光被覆体の特性を予測でき、かつ迅速な製造移管が提供可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図2は本支援システムを用いて製造されたフィルタの一例を示す縦断面図である。図2において、蛍光被覆体としてのフィルタ11はLED12のチップ部をモールドした樹脂部の紡錘状(や半球)等の外形に沿った形状に形成されると共に、好ましくは均一な所定の厚みに設定されている。このフィルタ11は蛍光体を基材である樹脂に混合して、LED12の外形に一致する形状(多少伸長してフィットする形状も実質含む)に成形して製造されたもので、LEDの光源光と該光源光の一部を利用して蛍光体で励起された光とを混合してある。製造方法については詳細は後述する。
【0023】
図1は本発明に係る蛍光被覆体製造支援システムの一実施形態における制御構成を示すブロック図である。図1において、蛍光被覆体製造支援システム1はコンピュータで構成されており、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、オペレータが各種操作指令を行うための入力部5及び表示画面を持つ表示部6を備えると共に、外部と通信可能なデータ通信手段としての送受信部7とを有している。
【0024】
CPU2は、各部に対する動作を統括的に制御するものである。ROM3は、各部の基本的な動作を行わせる動作制御プログラムの他に、本発明に適用される蛍光被覆体の製造を支援する製造支援プログラムが記憶されていると共に、後述する表1に示すようなテーブルデータが記憶されている。RAM4は、CPU2による処理途中のデータを一時的に記憶するためのものである。入力部5はキーボードやマウス、さらにはポインティングデバイス(タッチパネル)などで構成されており、必要なデータの入力やCPU2に対する種々の動作をオペレータから指令するためのものである。表示部6は、液晶表示装置やCRT表示装置などから構成され、オペレータの入力データや入力指令内容を確認的に表示すると共に、前記製造支援プログラムに基づく処理によって得られた結果を適宜表示するものである。また、必要に応じてプリンタを備え、得られた処理結果(蛍光体材料特定情報)をプリンタに印字出力するようにしてもよい。
【0025】
送受信部7は、公衆電話回線(有線および無線)やファクシミリの他、専用回線やインターネットなどのネットワーク(電子メール含む)を介してデータ通信を可能とするものである。なお、送受信部7はCPU2から制御されるものに限定されず、個別の指示に応答して動作するものでもよい。また、本システムに通信機能を内蔵させ、得られた結果を直接(あるいはオペレータによる送信指示を受けて)顧客に送信するようにしてもよい。
【0026】
CPU2は、演算手段21、検索手段22を備える。演算手段21は、製造支援プログラムに基づいて、数5に示す行列式を利用して以下の計算を実行する。すなわち、顧客から提示される2種類のLEDの光源色度座標x,yとLEDに蛍光被覆体を装着した状態で得られる発光色の要求色度座標x1,y1とから蛍光体材料に関連する係数a〜dを算出する。また、特定された係数a〜dと光源色度座標x,yとから予測色度座標x1,y1を算出する。
【0027】
【数5】
【0028】
ただし、x,yはLEDの発光色を表わす光源色度を示す座標であり、a〜dは蛍光原料の種類、組成比および重量部(基材に対する混合比)より定まる固有の係数(定数)であり、x1,y1は蛍光被覆体(以下、フィルタという)装着した状態での前記した要求色度や予測色度を示す座標である。なお、係数a〜dを求める際には、係数a〜dを求めるべく数5を逆算した形の式で計算を行うことになるが、式の概念としては実質的に差がないので、便宜的に数5で示している。
【0029】
ROM3は後述する表1のデータを記憶する登録データ記憶部31を有しており、検索手段22は、登録データ記憶部31内の表1から、後述するように係数a〜dを検索パラメータとして所要の蛍光体材料を抽出するものである。
【0030】
次に、製造支援処理手順を説明する。◇
まず、本製造支援システムの稼働に先立つ事前作業としての表1の作成について、青色LEDの光源光を白色光に変換する蛍光体材料を例に説明する。
【0031】
ある色調で発光する青色LEDの色度座標x,yに対して種々の材料(蛍光原料の種類、組成比および重量部)を用いてフィルタを製造し、これらのフィルタを青色LEDにそれぞれ被覆して色測定を行って実測色度座標x1,y1を求める。一方、各フィルタに含有される蛍光原料の種類、組成比および重量部に応じて特定される固有の係数a〜dを求める。
【0032】
続いて、先の青色LEDとは微妙に異なる色調を有する青色LEDについて前記と同様に複数のフィルタを製造し、色測定を行って実測色度座標x1,y1を求めると共に、材料固有の係数a〜dを求める。この場合のフィルタとしては先の青色LEDで採用したものも必要に応じて採用してもよい。それぞれのフィルタを被覆した場合に得られる白色光の色調は、光源としての青色LEDの色調に応じて当然、微妙に異なるが、そのうち、白色光として許容可能な範囲の色調が得られたフィルタの情報のみを有効な情報とし、それ以外すなわち許容される白色の色調から外れたものは除外される。
【0033】
さらに、それぞれ色調の微妙に異なる青色LEDについて同様の作業を行う。ここに、微妙に異なる色調の青色LEDとは、実質的に同様の色調と見なせる如き、前述した区分けされた範囲毎のものである。全ての青色LEDについて上記作業を実施することが好ましい一方、情報量の膨大さ及び作業量との関係から、本実施形態では区分け範囲毎の青色LEDについて情報を入手する事前作業に止めている。そして、各区分の青色LED毎に表1に示すような表を作成する。
【0034】
また、かかる事前作業は青色LEDの他に、各区分の赤色LEDや緑色LED等他の発光色を有するLEDと、それぞれ微妙に異なる色調の白色光に変換し得るフィルタとの関係、すなわち係数等を求めるようにする。
【0035】
そして、得られた各区分けされた色調のLED毎に、少なくともそれぞれの材料を特定する情報(蛍光原料の種類、組成比および重量部)及び固有の係数a〜dが対応して表1に示すテーブル形式で登録データ記憶部31に書き込まれる。登録データの書き込みは、入力部5を用いて行ったり、あるいは色測定器側でデータ入力したときは、該測定器からデータ転送して登録データ記憶部31に書き込むようにすることも可能である。
【0036】
表1は、上述した登録データ記憶部31の記憶内容の一例を示すもので、ある区分の青色LEDに関するデータである。表1では、蛍光体としてYAG蛍光体を用いた例で示しており、それぞれの白色光を得るべく、組成比および重量部とそれぞれに固有の係数a〜dをテーブル形式で示している。表は、各区分のLEDをグループ単位として、その中でさらに各蛍光原料の種類及び組成比が各重量部毎に(表1では20重量部と25重量部とが示されている)表にされている。
【0037】
なお、表の形式は表1に限定されず、1つのまとまった表としてもよい。
【0038】
【表1】
【0039】
この事前作業の後、以下の製造支援処理手順が実行可能となる。
図3は本製造支援システムにおける製造支援手順の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1では、フィルタ被覆対象となるLEDについて、(1つの区分毎に)2種類の光源色情報(色度座標x、y)及び要求色度座標x1、y1が外部(顧客;メーカあるいはユーザ)の通信端末装置から送受信部7を介してデータ入力され、あるいはデータ入手がファクシミリや電話からの音声によるときは入力部を介してのオペレータによるデータ入力の待ち状態とされる。光源色情報(色度座標x、y)及び所望の要求色度座標x1、y1の入力があると(ステップS1でYES)、入力情報は一旦RAM4に記憶され、次いで、数5に示す行列式を用いて、2種類の光源色度座標x、yおよび1つの要求色度座標x1、y1から係数a〜dの算出が行われる(ステップS3)。
【0040】
続いて、算出された係数a〜dと登録データ記憶部31内のテーブルデータとの照合処理を検索手段22により実行する(ステップS5)。この照合処理は、まず対象となるLEDと同一の区分に属するグループの検索から実行される。対象となるLEDの光源色度情報x、yは入力しているので、この情報(2種類の光源色度情報が存在するため、両者の平均値を採用するなどすればよい)と各グループのLEDの色度情報とを比較することで行う。基本的には、色度値がの差が採用となるものを検索すれよい。あるいは、各グループのLEDの色度の範囲を登録しておくようにすれば、対象となるLEDの色度が包含される色度範囲のグループを検索するようにすればよい。
【0041】
グループの特定が終了すると、次に、該グループ内の表に対して、係数の照合による検索処理が実行される。まず、係数同士の完全一致(所定の桁まで)が存在するか否かを検索し(ステップS7)、完全一致した場合には当該係数a〜dに対応する蛍光原料の種類、組成比および重量部に関する材料特定情報を抽出する(ステップS9)。一方、完全一致の係数が存しない場合には(ステップS7NO)、算出された係数a〜dに最も近い係数a〜dを表から検索し(ステップS11)、検索した係数a〜dに対応する蛍光原料の種類、組成比および重量部の材料特定情報を抽出する(ステップS13)。最も近い係数a〜dの特定は、例えば対応する係数間の差の合計が最小となるものを、あるいは他の好適な手法を採用して抽出すればよい。
【0042】
その後、光源色度座標(x,y)および特定した係数a〜dから予測色度座標(x1,y1)を計算し、必要ならば、予測色度の計算結果を顧客先に伝送するなどして、特定した材料及び予測色度座標についての顧客先の承認(製造注文)を得る。なお、ステップS7で、係数a〜dが登録データ記憶部31内の表の係数と一致したときは要求色度座標と予測色度座標とは完全に一致する。
【0043】
その後、LEDの形状データなどを入手して製造を開始する。製法としては、例えば抽出した蛍光体条件データを満足するような各構成物質を化学量論比に秤量し、エタノール中で混合し、乾燥後、るつぼ中で摂氏1500度焼成を行って、所望の蛍光体を製造することができる。さらに、その蛍光体を特定された重量部だけ基材であるシリコーンゴム材料に混合してフィルタの材料を製造する。フィルタの材料をフィルタ用金型内に注入して加熱プレスを用いて成形することで、顧客先が所望する均一な色度座標の発光色を得るフィルタが製造される。したがって、現物のLEDが入荷されるまでに、あるいは入荷されなくても(この場合製造したフィルタのみを顧客に納入すればよい)独自に製造ができ、納期をより短縮した形で注文が取れ、かつ製造、納入ができることとなる。
【0044】
以上の構成により、フィルタを通して、顧客先が要求する均一な要求色度座標の発光色を得るための蛍光体材料特定情報を自動的、かつ素早く得ることができ、この蛍光体条件データに基づいて、対象となるLEDに最適なフィルタを迅速に製造することができるものである。
【0045】
また、フィルタ被覆対象のLEDが異なる色調区分に亘ような顧客の製造依頼であって、それらに対して同一の要求色度座標が提示された場合でも、各区分毎のLEDに対して前述と同様な処理手順を実行して各区分毎の材料の特定を行えばよく、このようにすることで、異なる区分に亘って被覆後の発光色度座標として実質的に一致したフィルタをそれぞれ短期で製造することができる。
【0046】
ここで、予測色度座標と実測した色度座標とに差がないことを具体的に検証する。
【0047】
まず、セリウム(Ce)で付活した蛍光原料の種類、組成比がY1.8Gd1.2Al512であるYAG蛍光体を、シリコーンゴムに添加量(濃度)として23重量部だけ混合し、厚さ0.35mmのフィルタをフィルタ用金型と加熱プレスを用いて成形して製造した。この場合、YAG蛍光体の組成比は、Y:Gd:Al=1.8:1.2:5である。このフィルタの係数(係数)a〜dはそれぞれ、実験データからa=1.656、b=0.880、c=1.151、d=1.824であることが判っている。
【0048】
次に、発光波長のピーク値が466nm、468nm、470nm,472nmである4種類の青色LEDをそれぞれ通電電流20mAで点灯させ、所定距離を置いて発光波長分光放射輝度計(PR−704 Photo Research社製)で色度を測定した。ここで、得られた青色LEDの発光色の色度座標(x,y)と上記係数a〜dの各値を数5の行列式に代入することにより、上記YAG蛍光体を23重量部混合したフィルタを被覆して点灯させたときの発光色の色度座標を予測する。一方、実測した色度座標(x11,y11)を、青色LEDの発光色の色度座標(x,y)を計測したときと同様にして計測した。それらを比較した比較結果を次の表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
上記表2において、予測色度座標と実測色度座標との差は殆どなかった。つまり、人間の目で色度が識別できるオーダは0.01以上であるが、色度座標の予測値と実測値においてx値およびy値共に0.001程度のオーダであって、これは目視で識別不能な差であった。したがって、予測色度座標から色度座標の実測値を充分に予測することが可能であることが判った。
【0051】
また、上記YAG蛍光原料の種類および組成比は同一で、重量部を15重量部に、また12重量部に順次変えた場合にも、次の表3、4のようになり、上記と同様に予測色度座標と実測色度座標とには差がなかった。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
なお、フィルタの係数a〜dは、15重量部を混合した場合には実験データから、a=1.517、b=0.422、c=0.890、d=1.337であり、12重量部を混合した場合には実験データから、a=1.481、b=0.239、c=0.794、d=1.159であった。
【0055】
したがって、表2〜表4により、蛍光体の重量部が異なる場合にも、発光色の色度座標の実測値と近いレベル(目視識別範囲内のレベル)で発光色の色度座標を容易かつ正確に予測することができた。また、ここでは示していないが、重量部の場合と同様に、蛍光体の種類および組成比が異なる場合にも、発光色の色度座標の実測値と近いレベル(目視識別範囲内のレベル)で発光色の色度座標を容易かつ正確に予測することができることが判った。
【0056】
このことから、予測色度座標と実測色度座標は実質等しくなるため、青色LEDの光源色度座標、要求色度座標データが顧客の通信端末装置から得られ、予め実験に基づいて係数a〜dが判っていると、所定の蛍光体を含有させたフィルタをその青色LEDに被覆して点灯させたときの発光色の色度座標を、数5を用いて計算することで、容易に素早く予測できることになる。
【0057】
なお、上記実施形態では、演算手段21が、LEDの光源色度座標x,yおよび、LEDにフィルタを装着して得られる発光色の要求色度座標x1,y1から係数a〜dを計算し、検索手段22が、算出した係数a〜dと表1のテーブルデータの係数a〜dとの一致または略一致を検索し、一致または略一致するテーブルデータの係数a〜dから、蛍光原料の種類(例えばYAG蛍光体など)、組成比および重量部を自動的に検索するようにしたが、テーブルデータの係数a〜dとの一致検索処理や、一致する係数a〜dに対応した蛍光原料の種類、組成比および重量部の検索処理をオペレータの操作により行うようにしてもよい。また、表1のようなテーブルデータは印刷された紙データであってもよく、紙データの表を用いて、表の係数a〜dとの一致検索や、一致する表の係数a〜dに対応した蛍光原料の種類、組成比および重量部の検索を目視で行うようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、所望の均一な色度を得る場合について説明したが、これに限らず、色度調整に加えて輝度調整を含めた色(色調)調整としてもよい。この場合、検索手段22は、相対発光強度(輝度)が異なる蛍光体の複数種類の中から選択したり、複数の蛍光体材料を組み合わせた複合的な蛍光体材料を選択して、略同じ所望の輝度値になるようにすればよい。好ましくは、選定した蛍光原料の種類と同一の種類において、照合結果で適合する係数a〜dに対応した蛍光原料の種類、組成比および重量部を抽出するようにすればよい。例えば後述する、Y1.8GD1.2Al512、Y2.4Gd0.6Al512、Y3Al512を用いて蛍光被覆体(蛍光体の種類)を製造する場合、上記それぞれの主発光波長における相対発光強度100,86,89から、顧客が要求する輝度となるように線形補間的な計算を施して配分量を調整設定することができる。
【0059】
さらに、LED用透光性被覆材としてのフィルタをキャップ状にしたものを例に説明したが、これに限らず、LEDを被覆するシート形状であってもよい。透光性被覆材をシート状に形成するには、蛍光体と結着樹脂とを溶融混練し、インフレーション法、T型ダイス法、溶液流延法およびカレンダー法などを採用すればよい。
【0060】
また、本実施形態では表色系として色度を採用したが、これに限定されず、他の表色系を用いても、実質的に本発明の目的は達成可能である。
【0061】
なお、光源に使用するLEDとして、GaN系青色LEDの他、各種のLEDも用いることができ、具体的には、例えばGa:ZnO赤色LED、GaAsP系赤色LED、GaAsP系橙・黄色LED、GaP:N緑色LED、SiC青色LED、II−VI族青色LED(例えばZnSeを発光材料に用いたLED;発光波長464nm)などを挙げることができる。これらの中で、青色LEDの発光波長が最も短くエネルギーが高いので、より効果的に蛍光体を励起することができるため、輝度を稼ぐことができるという利点がある。続いて緑色LED、さらに橙・黄色LED、赤色LEDの順に好ましい。また、LEDの形態は何れの形態であってもよく、例えばLEDランプ、チップタイプLED、セグメントタイプLEDなどが好適に使用できる。なお、発光素子としては発光ダイオードや半導体発光素子でもよい。
【0062】
また、使用する発光物質として、Y1.8GD1.2Al512、Y2.4Gd0.6Al512、Y3Al512などのYAG蛍光体を用い、付活剤としてセリウムの他、所謂蛍光体、発光顔料、発光染料などの多種多様な蛍光物質を用いることができる。有機系蛍光体としては、例えばアリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物、ペリレン系蛍光体などを挙げることができ、また、無機系蛍光体としては、例えばアルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩などを挙げることができる。これらの中でも長期間使用可能な点や、効率よく発光する点からペリレン系蛍光体やアルミン酸イットリウムが特に好ましい。さらに、蛍光体に添加する付活剤としては、例えばセリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロムなどの元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ましい。母体結晶と付活剤の組み合わせとしてアルミン酸イットリウム(YAG蛍光体)とセリウムの組み合わせが好ましく、YAG蛍光体を効率よく発光させることができる。
【0063】
また、発光物質と混合して使用する樹脂としては、シリコーンゴムの他、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの樹脂を使用することができる。これらの中でも、シリコーン系エラストマーなどが好適に使用される。本実施形態で用いたシリコーンゴムはシリコーン系エラストマーに属するものである。
(実施例)
GaN系青色LED12a、12b(E1L33−3B 豊田合成社製)を20mAで点灯させ、所定距離を置いて分光放射輝度計(PR−704 Photo Research社製)で測定し、発光波長として472nmと464nmとを得た。発光波長が472nmである青色LED12aは、色度座標でx=0.1226,y=0.1069であり、輝度は30.45cd/m2であった。また、発光波長が464nmである青色LED12bは、色度座標でx=0.1369,y=0.0611であり、輝度は25.54cd/m2であった。両者を比べると、色度座標のx値で0.043、y値で0.0458の差があり、x、y値共に差が0.01以上あることから、目視では色度が違ったように見えてしまい(例えば前述した異なる区分)、輝度でも4.91cd/m2の差があった。
【0064】
フィルタ11aは、セリウム(Ce)で付活したY1.8Gd1.2Al52のYAG蛍光体を、結着樹脂としてのシリコーンゴム材料に23重量部混合し、フィルタ用金型と加熱プレスを用いて成形して製造した。フィルタ11aの厚さは0.35mmであった。
【0065】
このフィルタ11aを青色LED12a,12bにそれぞれ装着し、通電電流20mAで点灯させ、所定距離を置いて発光波長分光放射輝度計(PR−704 Photo Research社製)で測定した。このときの色度座標および輝度値を表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】
表5において、x値の差は0.01以下で、人間の目には識別できない程度の差であって無視できるものの、y値の差は、0.01以上であって人間の目では明らかに識別できた。
【0068】
一方、表5から、青色LED12a,12bの発光波長ピーク値および色度が異なれば、同一のフィルタ11aを該青色LED12a,12bに被覆させても、均一な色度および輝度が得られないことが判った。なお、フィルタ11aを介在させることで、輝度は、青色LED12aが30.45cd/m2から68.7cd/m2に、青色LED12bが25.54cd/m2から84.8cd/m2になり、いずれも上昇したことが判った。
【0069】
さらに、セリウム(Ce)で付活した蛍光体であるY2.4Gd0.6Al512とY3Al512を3:2の割合で混合してシリコーンゴム中に18重量部添加し、厚さ0.35mmのフィルタ11bをフィルタ用金型と加熱プレスを用いて成形して製造した。このフィルタ11bを青色LED12a,12bのうち、発光ピークが464nmである青色LED12bに装着して通電電流20mAで点灯させ、所定距離を置いて発光波長分光放射輝度計(PR−704 Photo Research社製)で測定した。このときのフィルタ11bの色度座標および輝度値を表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】
表5、6の内容をグラフにした図4において、色度座標Aは、発光波長ピークが472nmである青色LED12aにフィルタ11aを被覆して得られた色度座標であり、色度座標Bは発光波長ピークが464nmである青色LED12bに蛍光体(Y1.8Gd1.2Al512)を23重量部の添加量を添加したフィルタ11aを被覆して得られた色度座標であり、色度座標Cは青色LED12bにフィルタ11bを被覆して得られた色度座標である。色度座標Aと色度座標Cは非常に近い色調(色度と輝度)の値になり、目視では殆ど識別できない(同一区分に属することとなった)ことが判った。同じ青色LED12bに対してフィルタ11aからフィルタ11bに変えることによって、図4中の色度座標Bから色度座標Cに色度座標および輝度値が変化した。
【0072】
このことから発光特性(発光波長ピーク)が異なる青色LED12a,12bを用いても、使用する蛍光体の種類、組成比(Gdの組成物量)および添加量(濃度)を異ならせた蛍光体材料を用いて成形したフィルタ11a,11bを用いることで、発光色度および発光強度(輝度)を変化させることによって、均一な色調(色度と輝度)を得ることができることが確認できた。
【0073】
ここで、使用した蛍光体は、Y23,Gd1.23,Al23,CeO2を化学量論比に秤量し、エタノール中で混合し、乾燥後るつぼ中で摂氏1500度にて焼成を行って製造したものであった。一般に、Gd23の添加量が増加するほど、蛍光体の主発光波長における発光強度が減少した。ここでは、それに反するが、輝度を調節するために、Y1.8Gd1.2Al512、Y2.4Gd0.6Al512、Y3Al512の蛍光体全体として主発光波長における相対発光強度が100,86,89である蛍光体を使用して輝度値を調整した。
【0074】
以上のように、LED12a,12bのように色調が異なっていても、略同じ色度座標および輝度が得られるように、含有する蛍光体の種類(Y1.8Gd1.2Al512)、組成比(Y:Gd:Al=1.8:1.2:5の混晶比)および添加量(23重量部)の蛍光体を用いたフィルタ11aを一方のLED12aに装着させ、また、含有する蛍光原料(体)の種類(Y2.4Gd0.6Al512とY3Al512の混合物)、組成比(Y:Gd:Al=2.4:0.6:5と、Y:Al=3:5との混合比3:2)および添加量(18重量部)の蛍光体を用いたフィルタ11bを他方のLED12bに装着させることで、色度座標および輝度が略同じ均一な色調を得ることができ、従来行っていた色調範囲毎の仕分け作業(選別作業)を行う必要がなく、歩留まりよく安価なものとすることができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、発光素子が入荷されるに先立って蛍光体が特定され、素子形状や寸法などが入手できれば、特定された蛍光体を用いた蛍光体被覆材を迅速に製造できる。また、蛍光体被覆材を介して、区分の異なる色調の発光素子間において所望のより均一な色調を得ることができる。
【0076】
また、数式を利用することで、素早くかつ正確に所望する蛍光体材料を特定することができる。
【0077】
また、データ通信手段を介して予測色情報を顧客に送信することができるため、現物がなくても、製造承認の判断が容易、可能となり、結局、製造の迅速化に寄与できる。
【0078】
さらに、光源色調が異なる発光素子に対して、本被覆体を介在させることによって略同じ要求色情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蛍光被覆体製造支援システムの一実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【図2】図1の蛍光被覆体製造支援システムを用いて製造されるフィルタの構成を示す縦断面図である。
【図3】図1の蛍光被覆体製造支援システムにおける動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例において、各蛍光体により得られる色度座標および輝度を示す図である。
【図5】任意の青色LEDにおける色度座標のばらつきを示す図である。
【図6】複数の白色LEDにおける色度座標のばらつきを示す図である。
【図7】図6の色度座標(x値)に対する輝度値のばらつきを示す図である。
【符号の説明】
1 蛍光被覆体製造支援システム
2 CPU
21 演算手段(第1の演算手段、第2の演算手段)
22 検索手段
3 ROM
31 登録データ記憶部
4 RAM
5 表示部
6 入力部
7 送受信部(データ通信手段)
11,11a,11b フィルタ
12,12a,12b 青色LED

Claims (8)

  1. 下記関係式に従い、発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標(x、y)上記発光素子に蛍光被覆体を被せることにより上記光源色を変換して得られる要求発光色のCIE標準表色系色度座標(x1、y1)との関係を上記蛍光被覆体に含まれる蛍光体材料に関連する係数a〜dを介して関係付けておき、特定の発光素子の光源色の上記色度座標(x、y)及び要求発光色の上記色度座標(x1、y1)から前記係数a〜dを求め、得られた係数a〜dから蛍光被覆体に含むべき蛍光体材料を特定することを特徴とする蛍光被覆体製造支援方法。
    但し、x、y:発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標
    x1、y1:発光素子に蛍光被覆体を被せて得られる要求発光色のCIE標準表色系色度座標
  2. 前記蛍光体材料を特定する情報は、前記係数a〜dと対応付けてテーブル形式で記録されており、得られた係数a〜dに適合する蛍光体材料特定情報を前記テーブルから読み出して報知することを特徴とする請求項1記載の蛍光被覆体製造支援方法。
  3. 前記蛍光体材料は、蛍光原料の種類、組成比、及び基材に対する混合比で特定されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光被覆体製造支援方法。
  4. 下記関係式に従い、発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標(x、y)と上記発光素子に蛍光被覆体を被せることにより上記光源色を変換して得られる要求発光色のCIE標準表色系色度座標(x1、y1)との関係を上記蛍光被覆体に含まれる蛍光体材料に関連する係数a〜dを介して関係付けて記憶する記憶手段と、特定の発光素子の光源色の上記色度座標(x、y)及び要求発光色の上記色度座標(x1、y1)から前記係数a〜dを求める第1の演算手段と、得られた係数a〜dから蛍光被覆体に含むべき蛍光体材料を特定する情報を抽出する検索手段とを備えた蛍光被覆体製造支援システム。
    但し、x、y:発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標
    x1、y1:発光素子に蛍光被覆体を被せて得られる要求発光色のCIE標準表色系色度座標
  5. 前記記憶手段は、蛍光体材料を特定する情報を前記係数a〜dと対応付けてテーブル形式で記憶したものであり、前記検索手段は、第1の演算手段で求めた係数a〜dに適合する蛍光体材料特定情報を前記テーブルより抽出することを特徴とする請求項4記載の蛍光被覆体製造支援システム。
  6. 前記記憶手段は、蛍光体材料を、蛍光原料の種類、組成比、及び基材に対する混合比で特定する情報として記憶したものであることを特徴とする請求項4又は5記載の蛍光被覆体製造支援システム。
  7. 前記発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標(x、y)及び要求発光色のCIE標準表色系色度座標(x1、y1)を外部端末から受信可能なデータ通信手段を備えたことを特徴とする請求項4〜の何れかに記載の蛍光被覆体製造支援システム。
  8. 前記抽出された蛍光体材料特定情報および前記発光素子の光源色のCIE標準表色系色度座標(x、y)から定まる予測発光色のCIE標準表色系色度座標を求める第2の演算手段を備え、データ通信手段は、前記予測発光色のCIE標準表色系色度座標を前記外部端末へ送信することを特徴とする請求項記載の蛍光被覆体製造支援システム。
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