JP4232276B2 - 加水分解性シラン化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加水分解性シラン化合物およびその製造方法に関する。より詳細には、分子内にイオウ原子を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基を有する有機基、保護型ヒドロキシル基を有する有機基、カルボキシル基を有する有機基、保護型カルボキシル基を有する有機基、スルホン酸基を有する有機基、保護型スルホン酸基を有する有機基、または二量化可能な有機基等を有する加水分解性シラン化合物およびそのような加水分解性シラン化合物が効率的に得られる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シランカップリング剤に代表されるオルガノシラン化合物は、同一分子内にアミノ基やエポキシ基などの反応性官能基と、メトキシ基やエトキシ基などの加水分解性官能基とを有することから、有機化合物と無機化合物との相溶化剤等として広く使用されている。
また、フェノール性水酸基を有するアルコキシシランは、ノボラック樹脂などとの相溶性が極めて高く、シリコンなどの無機材料とノボラック樹脂との密着剤や、アルカリ可溶性の感光性レジスト等への応用が可能である。
しかしながら、分子内にイオウ原子を含むとともに、分子末端にフェノール性水酸基や、カルボキシル基を有する加水分解性シラン化合物は知られていなかった。
【0003】
一方、フェノール性水酸基を有するアルコキシシラン化合物の合成法として、金属アルコキシドを前駆体として用いる方法やハイドロシリレーション法(ヒドロシリル化反応)が提案されている。
例えば、エコートニッツマン(Eckhart Nietzschmann)らは、文献1「リン、イオウおよびシリコン(Phoshorus, Sulfur, and Silicon)、Vol.116、ページ65〜76、1996年」において、フェノール性水酸基を有するアルコキシシラン化合物の合成法として、o−ハロアリルオキシ−アルコキシメチルシランとナトリウムとの反応により、o−ヒドロキシフェニル−アルコキシメチルシランを合成する方法を報告している。
しかしながら、これらフェノール性水酸基を有するシラン化合物の前駆体は、ナトリウムやカリウムなどの金属を含む金属アルコキシドを前駆体として用いるため、合成されるシラン化合物から金属を除去することが極めて困難であった。したがって、金属アルコキシドを前駆体から得られるフェノール性水酸基を有するアルコキシシラン化合物は、金属腐食の観点から電子材料分野に使用することが困難であるという問題点があった。
【0004】
また、ハイドロシリレーション法は、白金触媒などの存在下にSi−Hで表される官能基を持つシラン化合物を、不飽和結合に付加させる反応である。しかしながら、反応系内にフェノール性水酸基等の極性基を持つ官能基が存在した場合には、反応が進行しにくいという問題点があった。
そこで、ゴース(B.N.Ghose)らはこの問題点を解決するため、文献2「ジャーナル オブ オーガノメタリック ケミストリー(Journal of Organometallic Chemistry)、Vol.164、ページ11〜18、1979年」において、カルボキシル基およびフェノール性水酸基を有すシラン化合物を合成するにあたり、これら極性基をトリメチルシリル基で保護した後、トリメチルシリル基を脱離させる脱保護反応を用いた合成法を提案している。しかしながら、この合成法は3段階から4段階に渡る多段階反応のためトータル収率が例えば20〜50%と極めて低く、工業化するには困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、従来の課題に鑑み、フェノール性水酸基等を有する加水分解性シランの合成法を鋭意検討した結果、特定の官能基を有する不飽和化合物とメルカプト基を有するシラン化合物とが、フリーラジカルにより、迅速かつ定量的にラジカル反応を生じることを見い出した。
【0006】
すなわち、本発明は、アルカリ可溶性の感光性レジスト等へ応用可能な分子内にイオウ原子を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基を有する有機基等を含む加水分解性シラン化合物、あるいは、分子内にイオウ原子かつ二重結合を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基を有する有機基等を含む加水分解性シラン化合物を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明の別の目的は、分子内にイオウ原子を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基を有する有機基等を含む加水分解性シラン化合物、あるいは、分子内にイオウ原子かつ二重結合を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基を有する有機基等を含む加水分解性シラン化合物をワンステップで、しかも高い収率で得られる加水分解性シラン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様は、下記一般式(1)または(2)で表される加水分解性シラン化合物である。
【0009】
【化8】
【0010】
[一般式(1)中のX1〜X3は、互いに独立である水素または一価の基であって、少なくとも一つは加水分解性基であり、R1は単結合またはニ価の有機基であり、R2〜R4は、互いに独立である水素または一価の基であり、Yは水素または一価の基である。]
【0011】
【化9】
【0012】
[一般式(2)中のX1〜X3、R1およびYは一般式(1)の内容と同様であり、R5は一価の有機基である。]
【0013】
また、本発明の別の態様は、下記一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物と、下記一般式(4)で表される不飽和化合物(第1の不飽和化合物と称する場合がある。)とを、ラジカル開始剤を用いて反応させてなる一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の製造方法である。
【0014】
【化10】
【0015】
[一般式(3)中のX1〜X3、R1は、それぞれ一般式(1)の内容と同様である。]
【0016】
【化11】
【0017】
[一般式(4)中のR2〜R4およびYは、それぞれ一般式(1)の内容と同様である。]
【0018】
また、本発明のさらに別の態様は、上記一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物と、下記一般式(5)で表される不飽和化合物(第2の不飽和化合物と称する場合がある。)とをラジカル開始剤を用いて反応させてなる一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物の製造方法である。
【0019】
【化12】
【0020】
[一般式(5)中のR5およびYは、それぞれ一般式(1)および一般式(2)の内容と同様である。]
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明における加水分解性シラン化合物およびその製造方法に関する実施形態をそれぞれ具体的に説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物と、一般式(4)で表される第1の不飽和化合物とのラジカル反応により得られる一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物である。
【0023】
(1)加水分解性シラン化合物
一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物は、シラン原子に結合した少なくとも一つの加水分解性基を含む3つの官能基X1〜X3を有している。したがって、これらの官能基X1〜X3の少なくとも一つを加水分解することによりシラノール基を生成させて、単独重縮合あるいは他のシラン化合物との共縮合が可能である。
【0024】
このような官能基X1〜X3に含まれる加水分解性基としては、無触媒ないし、塩酸、硫酸、硝酸、アルコキシジルコニア、アルコキシチタニアなどの酸性触媒あるいは、水酸化ナトリウム、アンモニア、テトラヒドロアンモニウムハイドロキサイド等の塩基性触媒を使用し、水の共存下、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、もしくはシロキサン縮合物を形成することができる基が挙げられる。したがって、加水分解性基として、水素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびカルボキシル基等が挙げられる。より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシベンジロキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシエトキシ基、2−(メタ)アクリロキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロキシブトキシ基、グリシジロキシ基、エポキシ化シクロヘキシルエトキシ基、メチルオキセタンメトキシ基、エチルオキセタンメトキシ基、オキサシクロヘキシロキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アセトキシ基、プチロイルオキシ基等を挙げることができる。また、加水分解性基として特に加水分解性が優れていることから、炭素数1〜12のアルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、およびブトキシ基であることがより好ましい。
【0025】
また、官能基X1〜X3に非加水分解性基が含まれる場合、その非加水分解性基としては、置換または非置換のメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられる。これらのうち、嵩高くなく、加水分解性基の加水分解をより阻害しないことから、メチル基、エチル基、およびプロピル基であることがより好ましい。
【0026】
また、一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物中、Yを構成する水素以外の一価の基(以下、Y基と称する場合がある。)としては、例えば、ヒドロキシル基を有する有機基、カルボキシル基を有する有機基、スルホン酸基を有する有機基、保護型ヒドロキシル基を有する有機基、保護型カルボキシル基を有する有機基、保護型スルホン酸基を有する有機基または二量化可能な有機基を有する化合物が挙げられる。
【0027】
ここで、保護型と冠したヒドロキシル基等を有する有機基は、露光等のエネルギー付与により有機基の一部が分解して、ヒドロキシル基等の官能基を生成することができる有機基を意味する。より具体的には、保護型ヒドロキシル基を有する有機基、保護型カルボキシル基を有する有機基、および保護型スルホン酸基を有する有機基は、それぞれ保護基としての有機基の一部、例えば、t−ブトキシ基等が露光等により分離して、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびスルホン酸基を生成することができる有機基を意味する。
【0028】
これらの有機基のうち、加水分解性シラン化合物におけるY基が、ヒドロキシル基を有する有機基、カルボキシル基を有する有機基、またはスルホン酸基を有する有機基である場合には、加水分解性シラン化合物はアルカリ可溶性のレジスト化合物の構成成分等として好適に使用可能である。すなわち、加水分解性シラン化合物の加水分解性基(シラノール基)を利用して、ポリシロキサン系のレジスト化合物内に導入するとともに、加水分解性基と反対側端に位置するY基により、当該加水分解性シラン化合物を含むレジスト化合物をアルカリ可溶性とすることができる。より具体的には、Y基として、レジスト化合物内に酸性度の高いフェノール性水酸基やカルボキシル基等を含むことにより、レジスト化合物のアルカリ現像液に対する可溶性が著しく高まり、結果として、現像性(解像度)に極めて優れたレジスト化合物を提供することができる。
その他、レジスト化合物における耐ドライエッチング性を著しく向上させることから、ヒドロキシル基等を有する有機基であるY基に芳香族環を含むことがより好ましい。この点は、後述する保護型ヒドロキシル基等を有する有機基や、二量化可能な有機基においても同様である。
【0029】
また、加水分解性シラン化合物におけるY基が、保護型ヒドロキシル基を有する有機基、保護型カルボキシル基を有する有機基、または保護型スルホン酸基を有する有機基である場合には、露光等のエネルギー付与により、ヒドロキシル基、カルボキシル基あるいはスルホン酸基をそれぞれ生成させることができる。したがって、これら保護型のY基を有することにより、ポジ型のレジスト化合物等として好適に組成することができる。例えば、レジスト化合物の塗膜を形成した後、露光により保護基を分離(脱離)させて、当該加水分解性シラン化合物を含むレジスト化合物をアルカリ現像液に容易に可溶とすることができる。
【0030】
さらに、加水分解性シラン化合物におけるY基が、二量化可能な有機基である場合には、露光あるいは加熱により架橋させることができる。したがって、ネガ型のレジスト化合物や、光硬化および熱硬化併用可能な化合物の構成成分として好適に使用することができる。例えば、ネガ型のレジスト化合物の構成成分として使用した場合、レジスト化合物の塗膜を形成した後、露光により二量化可能な有機基同士を架橋させて、アルカリ現像液に容易に不溶とすることができる。
【0031】
また、一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物は、単結合またはニ価の有機基R1および、互いに独立である水素または一価の有機基R2〜R4を有している。具体的に、好ましいニ価の有機基R1としては、置換または非置換のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基またはフェニレン基等が挙げられる。また、好ましい一価の有機基R2〜R4としては、置換または非置換のメチル基、エチル基、ブチル基またはフェニル基等が挙げられる。
【0032】
(2)メルカプト基を有するシラン化合物
また、メルカプト基を有するシラン化合物としては、一般式(3)で表されるように、少なくとも一つが加水分解性基である3つの官能基X1〜X3を有しているとともに、分子末端にメルカプト基(−SH)を有していることを特徴としている。
したがって、一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物は、メルカプト基の有する優れた連鎖移動効果を利用して、第1の不飽和化合物を容易に反応させることができる。すなわち、一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物と、第1の不飽和化合物とを反応させることにより、ビニル化合物の末端部分に加水分解性シラン基を容易に導入することができる。
なお、一般式(3)における官能基X1〜X3については、一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物における官能基X1〜X3と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0033】
このような一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物としては、例えば、下記構造式で表される化合物1A〜1F、2A〜2Fおよび3A〜3Jの一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。なお、化合物を示す番号のうち、数字部はアルコキシ基の数、すなわち官能数を表し、アルファベット部は炭化水素基の構造を表している。例えば、化合物1Aおよび化合物3Aと言うときは、それぞれ1官能シランおよび3官能シランであり、アルファベット部が同じであることから、同じ炭化水素基(この例ではプロピル基)を有していることを表している。
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
また、一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物は、より好ましくは3官能あるいは2官能のシラン化合物であり、さらに好ましいのは、3官能のシラン化合物である。このような多官能のシラン化合物であれば、自己縮合あるいは他のシラン化合物との共縮合の反応速度を速めることができる。したがって、メルカプト基を有するシラン化合物としては、上述したもののうち、化合物2A〜2Fおよび3A〜3J等であることがより好ましい。
【0039】
ただし、骨格としてフレキシブルな脂肪族アルキル基を有するシラン化合物を用いることにより、ポリシロキサンを得る際に生じる硬化収縮応力を効率良く緩和することができる。したがって、クラック耐性に優れるポリシロキサンが得られることから、例えば、記号3Aで表されるγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、記号3Bで表されるγ−メルカプトエチルトリメトキシシラン、および記号3Gで表されるp−トリメトキシシランチオフェノールが最も好ましい。
【0040】
(3)第1の不飽和化合物
第1の不飽和化合物は、一般式(4)で表されるように、上述した記号Yで表される水素または一価の基とともに、少なくとも一つの反応性ニ重結合を有する化合物と定義される。
なお、第1の不飽和化合物は、一価の有機基R2〜R4等をさらに含んでいるが、一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物における一価の有機基R2〜R4と同様の内容であるため、ここでの説明は省略する。
【0041】
まず、ヒドロキシル基を有する有機基を含む第1の不飽和化合物としては、例えば、p−ビニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2−メトキシ−4−ビニルフェノール等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。具体的に、好ましいヒドロキシル基を有する例としては、下記構造式で表される化合物1〜14が挙げられる。
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
また、保護型ヒドロキシル基を有する有機基を含む第1の不飽和化合物としては、例えば、p−アセトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−シリルオキシスチレン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。具体的に、保護型ヒドロキシル基を有する有機基として、下記構造式で表される化合物15〜20が挙げられる。
【0045】
【化19】
【0046】
また、カルボキシル基を有する有機基を含む第1の不飽和化合物としては、例えば、3,3−ジメチルアクリル酸、p−安息香酸ビニル、メタクリル酸、アクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロジェンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロジェンフタレート、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、または、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。具体的に、カルボキシル基を有する有機基としては、下記構造式で表される化合物21〜29が挙げられる。
【0047】
【化20】
【0048】
【化21】
【0049】
また、保護型カルボキシル基を有する有機基を含む第1の不飽和化合物としては、例えば、t−ブトキシアクリレートおよびt−ブトキシメタクリレート等が挙げられる。具体的に、好ましい保護型カルボキシル基を有する有機基として、下記構造式で表される化合物30〜41が挙げられる。
【0050】
【化22】
【0051】
【化23】
【0052】
また、スルホン酸基を有する有機基を含む第1の不飽和化合物としては、例えば、p−ビニルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
また、保護型スルホン酸基を有する有機基を含む第1の不飽和化合物としては、例えば、o−ニトロベンジル−p−ビニルベンゼンスルホネート等が挙げられる。具体的に、好ましい保護型スルホン酸基を有する有機基として、下記構造式で表される化合物42、43が挙げられる。
【0053】
【化24】
【0054】
また、ニ量化可能な有機基を含む第1の不飽和化合物としては、例えば、ビニルシンナメートやp−フェニレンジアクリル酸等が挙げられる。具体的に、ニ量化可能な有機基として、下記構造式で表される化合物44〜56が挙げられる。
【0055】
【化25】
【0056】
【化26】
【0057】
(4)具体例
一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の具体例としては、例えば、下記構造式で表される化合物57〜77が挙げられる。
【0058】
【化27】
【0059】
【化28】
【0060】
【化29】
【0061】
これらのうち、より好ましい具体例としては、化合物57であるトリメトキシシリルプロピル2−(4′′−ヒドロキシフェニル)プロピルチオエーテル、化合物58であるトリメトキシシリルプロピル2−(4′−ヒドロキシフェニル)エチルチオエーテル、化合物63であるトリメトキシシリルプロピル2−(4′−t−ブトキシフェニル)エチルチオエーテル、化合物64であるトリメトキシシリルプロピル(1,1)ジメチルプロピオン酸チオエーテル、化合物65であるトリメトキシシリルプロピル(2−カルボキシ)プロピルチオエーテル、化合物66であるトリメトキシシリルプロピル(2−カルボキシ)エチルチオエーテル、化合物69であるトリメトキシシリルプロピル2−(4′−カルボキシフェニル)エチルチオエーテル、化合物70であるトリメトキシシリルプロピル2−(t−ブチル)エステルエチルチオエーテル、化合物71であるトリメトキシシリルプロピル2−(t−ブチル)エステルプロピルチオエーテルが挙げられる。また、これらの化合物におけるメトキシ基をエトキシ基に変えたトリエトキシシリルプロピル2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロピルチオエーテル、トリエトキシシリルプロピル2−(4′−ヒドロキシフェニル)エチルチオエーテル、トリエトキシシリルプロピル2−(4′−t−ブトキシフェニル)エチルチオエーテル、トリエトキシシリルプロピル(1,1)ジメチルプロピオン酸チオエーテル、トリエトキシシリルプロピル(2−カルボキシ)プロピルチオエーテル、トリエトキシシリルプロピル(2−カルボキシ)エチルチオエーテル、トリエトキシシリルプロピル2−(4′−カルボキシフェニル)エチルチオエーテル、トリエトキシシリルプロピル2−(t−ブチル)エステルエチルチオエーテル、トリエトキシシリルプロピル2−(t−ブチル)エステルプロピルチオエーテル等も好ましい化合物として挙げられる。
なお、化合物57は上述した構造式▲1▼で表される化合物と同一であり、同様に、化合物58は構造式▲2▼で表される化合物、化合物66は構造式▲3▼で表される化合物、化合物69は構造式▲4▼で表される化合物、化合物65は構造式▲5▼で表される化合物、化合物70は構造式▲6▼で表される化合物、化合物71は構造式▲7▼で表される化合物、化合物63は構造式▲8▼で表される化合物、化合物64は構造式▲9▼で表される化合物とそれぞれ同一である。
【0062】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物と、一般式(5)で表される第2の不飽和化合物とのラジカル反応により得られる一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物である。
このような加水分解性シラン化合物であれば、シラン原子に結合した加水分解性基を利用してシラノール基を生成した後、単独重縮合あるいは他のシラン化合物との共縮合が可能である。また、このような加水分解性シラン化合物であれば、第1の実施形態で説明したように、Y基として、ヒドロキシル基を有する有機基や二量化可能な有機基等を有しているため、ネガ型あるいはポジ型レジスト剤等として好適に使用可能である。さらに、このような加水分解性シラン化合物であれば、分子内に二重結合を有しているため、他のビニルモノマと反応させたり、自己架橋を生じさせることも可能である。
【0063】
また、一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物は、一価の有機基R5を含んでいるが、かかる一価の有機基R5としては、置換または非置換のメチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基等が挙げられる。
なお、メルカプト基を有するシラン化合物の種類や、反応条件あるいは一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物における加水分解性基等については、第1の実施形態と同様の内容とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0064】
(1)第2の不飽和化合物
第2の実施形態で使用される第2の不飽和化合物は、一般式(5)で表されるように、上述したYを構成する水素、または一価の基としてのヒドロキシル基を有する有機基、保護型ヒドロキシル基を有する有機基、カルボキシル基を有する有機基、保護型カルボキシル基を有する有機基、スルホン酸基を有する有機基、保護型スルホン酸基を有する有機基、または二量化可能な有機基等とともに、少なくとも一つの反応性三重結合を有する化合物と定義される。
また、第2の不飽和化合物は、一価の有機基R5を含んでいるが、一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物中一価の有機基R5と同様の内容であるため、ここでの説明は省略する。
【0065】
このような第2の不飽和化合物としては、例えば、下記構造式で表される化合物78、79が挙げられる。
【0066】
【化30】
【0067】
(2)具体例
一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物の具体例としては、例えば、下記構造式で表される化合物80〜89が挙げられる。
【0068】
【化31】
【0069】
【化32】
【0070】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、下記一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物と、一般式(4)で表される第1の不飽和化合物とをラジカル反応させてなる一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の製造方法、または下記一般式(3)で表されるメルカプト基を有するシラン化合物と、一般式(5)で表される第2の不飽和化合物とをラジカル反応させてなる一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物の製造方法である。
なお、第1および第2の不飽和化合物やメルカプト基を有するシラン化合物の種類等については、第1および第2の実施形態と同様の内容とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0071】
(1)反応様式
メルカプト基を有するシラン化合物と、第1または第2の不飽和化合物とをラジカル反応させる際の反応様式は特に制限されるものではなく、ラジカル開始剤の存在下、あるいは高圧水銀灯等の照射下、例えば、バルク反応あるいは溶液反応あるいは懸濁反応(乳化反応)等を行うのが好ましい。
また、重合方式についても、回分式(分割添加法や逐次添加法を含む。)、半連続式または連続式など、目的に応じて適宜選択することができる。特に、不飽和化合物の分割添加法(分割チャージと称する場合もある。)や逐次添加法(インクレメント法と称する場合もある。)は、第1または第2の不飽和化合物の単独重合を効率的に抑制することができることから好ましい重合方法である。例えば、メルカプト基を有するシラン化合物と、第1または第2の不飽和化合物とをラジカル反応させる場合(モル比1:1)、重合温度条件等にもよるが、1段階でこれらをラジカル重合すると第1または第2の不飽和化合物の単独重合物が10重量%程度生成する場合があることが知られている。それに対して、分割添加法を採用し、一例として3段階に分けてこれらをラジカル重合すると、同一重合温度条件等において、第1または第2の不飽和化合物における単独重合物の生成量を10重量%未満に低下させることが容易にできる。
【0072】
(2)反応比率
メルカプト基を有するシラン化合物と、第1または第2の不飽和化合物との反応比率についても特に制限されるものではないが、例えば、メルカプト基を有するシラン化合物1モルに対して、第1または第2の不飽和化合物の反応量をそれぞれ0.5〜10モルの範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、かかる反応比率がこれらの範囲外となると、副反応が生じやすくなり、加水分解性シラン化合物の収率が低下する場合があるためである。
したがって、第1および第2の不飽和化合物の反応量を、メルカプト基を有するシラン化合物1モルに対して、0.7〜2モルの範囲内の値とするのがより好ましく、0.7〜1.3モルの範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0073】
(3)ラジカル開始剤
また、ラジカル開始剤としては、アゾ系のラジカル開始剤または有機過酸化物が好ましく、より好ましくはアゾ系のラジカル開始剤である。
具体的に、好ましいアゾ系のラジカル開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0074】
なお、ラジカル開始剤の添加量を、第1または第2の不飽和化合物と、メルカプト基を有するシラン化合物との合計量100重量部に対し、0.001〜20重量部の範囲内の値とするのが好ましく、0.1〜10重量部の範囲内の値とするのがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0075】
(4)反応温度
メルカプト基を有するシラン化合物と、第1または第2の不飽和化合物とを反応させる際の反応温度は特に制限されるものではないが、例えば、−50〜200℃の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、反応温度が−50℃未満となると、これらの反応性が著しく低下する場合があるためであり、一方、反応温度が200℃を超えると、使用可能な溶媒の種類が過度に制限されたり、あるいは副反応が生じやすくなる場合があるためである。したがって、かかる反応温度を0〜100℃の範囲内の値とするのがより好ましく、30〜100℃の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
また、単独でのラジカル重合速度が速い不飽和化合物、例えばアクリル酸を本発明における不飽和化合物として用いる場合、反応温度を30〜70℃の範囲内の値とするのが最も好ましい。このような反応温度とすることにより、反応速度を低下させることなく、不飽和化合物の単独重合をより効率的に抑制することができる。
【0076】
(5)反応時間
反応時間については、反応温度等に依るが、反応の確実性と、生産性との関係から、通常、0.5〜100時間の範囲内の値とするのが好ましく、1〜24時間の範囲内の値とするのがより好ましい。
【0077】
(6)溶媒
また、メルカプト基を有するシラン化合物と、第1または第2の不飽和化合物とを反応させる際に、これらを均一に反応させるために、溶媒を使用することが好ましい。このような溶媒としては、乳酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチルジグリコール、メチルプロピレングリコール、ジアセトンアルコール、メトキシプロピルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3,ジメチル−2−イミダゾリジノン、メチル−3−メトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ヘキサン、メタノール、エタノール等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、溶媒の使用量を、メルカプト基を持つシラン化合物と、第1または第2の不飽和化合物との合計量を100重量部としたときに、1〜10,000重量部の範囲内の値とするのが好ましく、50〜1,000重量部の範囲内の値とするのがより好ましく、特に好ましくは50〜400重量部の範囲内の値とすることである。
【0078】
(7)反応雰囲気
メルカプト基を有するシラン化合物と、第1または第2の不飽和化合物とを反応させる際の反応雰囲気は特に制限されるものではないが、例えば、反応系内を窒素バブリングしたり、あるいは超音波により脱酸素処理を行ったのち、これらの化合物のラジカル反応を行うことが好ましい。この理由は、このように窒素中等でラジカル反応を行うと、メルカプト基同士のカップリング反応に起因したジスルフィド化合物の生成を効率的に抑制することができるためである。すなわち、メルカプト基のカップリング反応が生じると着色する場合が多いが、それを有効に防止し、透明性の高い加水分解性シラン化合物を得ることができる。
また、反応雰囲気に関して、反応系内に水が存在すると、ラジカル反応の段階でアルコキシ基の加水分解が自発的に進みやすいという問題がある。特に、カルボキシ基を含有する加水分解性シランをラジカル反応する場合、少量の水存在下であってもアルコキシ基の加水分解が容易に進行しやすくなる。このため、使用原料が液体の場合、例えば、モレキュラーシーブ、水素化カルシウム、硫酸マグネシウムなどの脱水剤を用いて脱水処理を施すか、あるいは必要に応じ、これらの乾燥剤の存在下、窒素中で蒸留処理を予め施すことがより好ましい。
【0079】
【実施例】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量%である。
【0080】
[実施例1]
コンデンサー、窒素導入管および攪拌機を備えた容量3リットルのジルコニウム製セパラブルフラスコ内に、p−イソプロペニルフェノール536g(4mol)と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン786g(4mol)と、溶媒としてメチルエチルケトン1322gと、ラジカル開始剤として1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)24g(0.1mol)とをそれぞれ収容した後、攪拌機を用いて均一に撹拌して反応原料液とした。
次いで、この反応原料液中に窒素を30分間吹き込み、窒素バブリングを行った。その後、窒素中にて、セパラブルフラスコ内の温度を、室温から90℃まで30分かけて昇温させた。そのまま90℃に7時間保持して、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランと、p−イソプロペニルフェノールとのラジカル反応を行い、反応生成物を含む混合溶液を得た。反応終了後、ロータリーエバボレーターを用い、50℃にて、混合溶液からメチルエチルケトンを減圧留去した。さらに、乾燥器を用いて、50℃、12時間の乾燥条件で乾燥し、液体物(反応生成物と称する場合ある。)を得た。
【0081】
得られた液体物につき、収率を測定したところ99%であった。また、1H−NMR測定、マススペクトル(MS)測定および赤外分光スペクトル(IR)測定を以下に示すようにそれぞれ行い、得られた液体物が、前述した構造式▲1▼で表される化合物(化合物57)であると同定した。
【0082】
(1)1H−NMR測定
1H−NMR測定装置MSL−400(BRUKER社製)を用いて、以下の条件で1H−NMR測定を行った。
試料管: 5mmΦ
溶媒: 重水素化ジメチルスルホキシド
測定温度: 室温
パルス間隔:5秒
積算回数: 64回
基準試料: テトラメチルシラン(TMS)
【0083】
得られた液体物の1H−NMRスペクトルを図1に示す。図1において、縦軸はエネルギーの吸収強度を、横軸は1H核による有効磁場の強度差(ppm)をそれぞれ示している。また、図1中に、得られた液体物の推定構造式を、構造部位に番号を付した状態で示す。1H−NMRチャート上の各ピークは、構造式中の同番号の構造部位におけるH核に由来したものと考えられる。よって、当該液体物が、前述した構造式▲1▼で表される化合物(化合物57)の構成を有していることを確認した。
また、この液体物(反応生成物)の収率につき、1H−NMRを用いて、原料のγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランのメルカプト基(2.2ppm、1H)、p−イソプロペニルフェノールのビニル基(4.9〜5.3ppm、2H)および生成物、p−イソプロぺニルフェノールのベンゼン環(6.6〜7.2ppm、4H)の積分値より算出した。
【0084】
(2)赤外分光スペクトル(IR)測定
得られた液体物につき、赤外分光スペクトル(IR)測定装置12―810(JASCO(株)製)を用いて、NaCl法によりIR測定を行った。得られた液体物の赤外分光スペクトルを図2に示す。図2において、縦軸は透過率(%)、横軸は波数(cm-1)をそれぞれ示している。
【0085】
図2から理解されるように、IRチャート上に、以下の吸収ピークが観察された。
3350cm-1:フェノール類のO−Hの伸縮振動帰属
2950cm-1:メチレンのC−Hの伸縮振動帰属
2850cm-1:メチルエーテルのC−Hの伸縮振動帰属
1600cm-1:ベンゼン誘導体の面内骨格振動帰属
1500cm-1:ベンゼン誘導体の面内骨格振動帰属
1460cm-1:Sに直結するCH2の対称変角振動帰属
1410cm-1:Siに直結するCH2の対称変角振動帰属
1370cm-1:炭水化物のCH3の対称変角振動帰属
1260cm-1:アルキルケイ素のCH2の面外変角(横揺れ)振動帰属
1190cm-1:p−置換ベンゼン環の面外変角振動(横揺れ)振動帰属
1090cm-1:フェノールのC−Oの伸縮、OH変角振動帰属
550cm-1 :脂肪族チオエーテルのC−S伸縮振動帰属
よって、得られた液体物が、目的生成物である構造式▲1▼で表される化合物における官能基を有していることを確認した。逆に言うと、このような吸収ピークが得られれば、構造式▲1▼で表される化合物と同定されると考えられる。
【0086】
(3)マススペクトル(MS)測定
マススペクトル測定装置JMS−DX303(日本電子(株)製)を用い、以下の条件でマススペクトル測定を行った。得られた液体物のマススペクトルを図3に示す。
イオン化法: 電子衝撃法
加速電圧: 3kV
質量範囲(m/z):300〜500
なお、得られた液体物のマススペクトルは330であり、目的生成物である構造式▲1▼で表される化合物の計算値と一致していることを確認した。
【0087】
[実施例2]
実施例1におけるp−イソプロペニルフェノールの使用量を536g(4mol)から634g(4.8mol)に増加し、溶媒としてメチルエチルケトン1322gから乳酸エチル661gに変えたほかは、実施例1と同様にラジカル反応を行い液体物を得た。得られた液体物につき、実施例1と同様に1H−NMR測定、マススペクトル測定および赤外分光スペクトル測定を行った。その結果、実施例2においても、実施例1と同様の1H−NMRスペクトル、マススペクトルおよび赤外分光スペクトルが得られた。したがって、得られた液体物が、構造式▲1▼で表される化合物であることを確認した。また、液体物(反応生成物)の収率については、92%であった。
【0088】
[実施例3]
実施例1におけるp−イソプロペニルフェノールの使用量を536g(4mol)から482g(3.6mol)に減少したほかは、実施例1と同様にラジカル反応を行い、液体物を得た。得られた液体物につき、実施例1と同様に1H−NMR測定、マススペクトル測定および赤外分光スペクトル測定を行った。その結果、実施例3においても、実施例1と同様の1H−NMRスペクトル、マススペクトルおよび赤外分光スペクトルが得られた。したがって、得られた液体物が、構造式▲1▼で表される化合物であることを確認した。また、液体物の収率については、93%であった。
【0089】
[実施例4]
実施例1におけるラジカル開始剤1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)24g(0.1mol)の代わりに、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル8.21g(0.05mol)を使用し、反応温度を70℃としたほかは、実施例1と同様にラジカル反応を行い、液体物を得た。得られた液体物につき、実施例1と同様に1H−NMR測定、マススペクトル測定および赤外分光スペクトル測定を行った。その結果、実施例4においても、実施例1と同様の1H−NMRスペクトル、マススペクトルおよび赤外分光スペクトルが得られた。したがって、得られた液体物が、構造式▲1▼で表される化合物であることを確認した。また、液体物の収率については、99%であった。
【0090】
[実施例5]
実施例4におけるp−イソプロペニルフェノールの代わりにt−ブチルアクリレートを512g(4mol)使用したほかは、実施例4と同様に、下記反応式(A)によって表されるラジカル反応を行い、液体物を得た。得られた液体物につき、実施例1と同様に1H−NMR測定、マススペクトル測定および赤外分光スペクトル測定を行った。その結果、得られた液体物が構造式▲6▼で表される化合物と同定された。参考として、実施例5における反応生成物のマススペクトルを図4に示す。
【0091】
【化33】
【0092】
[実施例6]
実施例4におけるp−イソプロペニルフェノールの代わりにt−ブチルメタクリレートを568g(4mol)使用したほかは、実施例4と同様に、下記反応式(B)によって表されるラジカル反応を行い、液体物を得た。得られた液体物につき、実施例1と同様に1H−NMR測定、マススペクトル測定および赤外分光スペクトル測定を行った。その結果、得られた液体物が構造式▲7▼で表される化合物と同定された。参考として、実施例6における反応生成物のマススペクトルを図5に示す。
【0093】
【化34】
【0094】
[実施例7]
コンデンサー、窒素導入管および攪拌機を備えた容量3リットルのジルコニウム製セパラブルフラスコ内に、p−t−ブトキシスチレン128g(1mol)と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン589g(3mol)と、溶媒としてメチルエチルケトン487gと、ラジカル開始剤として2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)18.6g(0.075mol)とをそれぞれ収容した後、攪拌機を用いて均一に撹拌して原料反応液とした。
次いで、分割添加法(3段階)を用いて、原料反応液のラジカル反応を行った。
まず、第1段階として、原料反応液中に窒素を30分間吹き込み、窒素バブリングを行った。その後、窒素中にて、セパラブルフラスコ内の温度を、室温から55℃まで30分かけて昇温させ、そのままの温度に2時間後保持して、原料反応液をラジカル反応させた。
次いで、第2段階として、第1段階と同様に窒素バブリングを行ったp−t−ブトキシスチレン128g(1mol)をセパラブルフラスコ内にさらに加えた。そのまま55℃に2時間保持して、ラジカル反応させた。
さらに、第3段階として、第1段階と同様に窒素バブリングを行ったp−t−ブトキシスチレン128g(1mol)をセパラブルフラスコ内にさらに加えた。そのまま55℃に2時間保持して、ラジカル反応させた。
【0095】
このようにしてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランと、p−t−ブトキシスチレンとの分割添加法によるラジカル反応を行い、反応生成物を含む混合溶液を得た。反応終了後、実施例1と同様に後処理を行い液体物を得た。得られた液体物につき、収率を測定したところ99%であった。そして、得られた液体物につき、実施例1と同様に1H−NMR測定、および赤外分光スペクトル測定を行った。得られた1H−NMRスペクトルを図6、赤外分光スペクトルを図7にそれぞれ示す。また、図6中に、得られた液体物の推定構造式を、構造部位に番号を付した状態で示す。1H−NMRチャート上の各ピークは、構造式中の同番号の構造部位におけるH核に由来したものと考えられる。よって、当該液体物が、構造式▲8▼で表される化合物(化合物63)の構造を有していることを確認した。
また、この液体物の収率につき、1H−NMRを用いて、原料のγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランのメルカプト基(2.2ppm、1H)、p−t−ブトキシスチレンのビニル基(4.9〜5.3ppm、4H)および生成物、p−t−ブトキシスチレンのベンゼン環(6.6〜7.2ppm、2H)の積分値より算出した。
【0096】
得られた液体物につき、赤外分光スペクトル(IR)測定装置JIR−5500を用いて、NaCl法によりIR測定を行った。得られた液体物の赤外分光スペクトルを図7に示す。図7から理解されるように、IRチャート上に、以下の吸収ピークが観察された。
3026cm-1:芳香環のC−Hの伸縮振動帰属
2941cm-1:メチレンのC−Hの伸縮振動帰属
2839cm-1:メチルエーテルのC−Hの伸縮振動帰属
1608cm-1:ベンゼン誘導体の面内骨格振動帰属
1506cm-1:ベンゼン誘導体の面内骨格振動帰属
1456cm-1:Sに直結するCH2の対称変角振動帰属
1410cm-1:Siに直結するCH2の対称変角振動帰属
1389cm-1:第3級ブチル基の対称変角振動帰属
1365cm-1:第3級ブチル基のCH3変角振動帰属
1236cm-1:p−置換ベンゼン環の面外変角振動(横揺れ)振動帰属
1188cm-1:脂肪族エーテルのC−O−Cの逆対称伸縮振動帰属
1163cm-1:第3級ブトキシ基のC−Oの伸縮振動帰属
1160cm-1:脂肪族−芳香族混合エーテルのC−O−Cの逆対称伸縮振動帰属
816cm-1 :p−2置換基を有するベンゼン環のCH面外変角振動帰属
596cm-1 :脂肪族チオエーテルのC−S伸縮振動帰属
よって、得られた液体物が、目的生成物である構造式▲8▼で表される化合物における官能基を有していることを確認した。逆に言うと、このような吸収ピークが得られれば、構造式▲8▼で表される化合物と同定されると考えられる。
【0097】
[実施例8]
実施例1におけるγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの使用量を39.3g(0.2mol)に減少させるとともに、p−イソプロペニルフェノールの代りにt−ブチルアクリレートを512g(4mol)使用したほかは、実施例1と同様にラジカル反応を行った。得られた反応混合物につき、実施例1と同様に1H−NMR測定、マススペクトル測定および赤外分光スペクトル測定を行った。その結果、構造式▲6▼で表される化合物が得られたが、その収率は7重量%であった。また、単独重合により生成したt−ブチルアクリレートポリマの収率が約90重量%であることを確認した。
【0098】
【発明の効果】
本発明の加水分解性シラン化合物によれば、分子内にイオウ原子を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基等を有する有機基を含む加水分解性シラン化合物、および分子内にイオウ原子かつ二重結合を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基等を有する有機基を含む加水分解性シラン化合物をそれぞれ提供することが可能となった。
【0099】
また、本発明の加水分解性シラン化合物の製造方法によれば、分子内にイオウ原子を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基等を有する有機基を含む加水分解性シラン化合物、および分子内にイオウ原子かつ二重結合を含むとともに、分子末端にヒドロキシル基等を有する有機基を含む加水分解性シラン化合物をワンステップで、しかも高い収率でそれぞれ得られるようになった。
【0100】
なお、本発明の加水分解性シラン化合物の製造方法によれば、ナトリウムやカリウムなどの金属を含む金属アルコキシドを使用していないため、金属含有量が少ない加水分解性シラン化合物が得られるようになった。よって、本発明の加水分解性シラン化合物の製造方法で得られた加水分解性シラン化合物は、レジスト化合物等の電子材料に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた反応生成物の1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】実施例1で得られた反応生成物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図3】実施例1で得られた反応生成物のマススペクトルを示す図である。
【図4】実施例5で得られた反応生成物のマススペクトルを示す図である。
【図5】実施例6で得られた反応生成物のマススペクトルを示す図である。
【図6】実施例7で得られた反応生成物の1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図7】実施例7で得られた反応生成物の赤外吸収スペクトルを示す図である。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物。
- Yが、フェノール性水酸基を有する基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加水分解性シラン化合物。
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