JP4222301B2 - ハイブリッド車のエンジン始動制御装置 - Google Patents
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Description
以上のことから、停車中にエンジンを始動させ、車両を発進する制御は困難となる。
前記駆動出力部材は、駆動輪に駆動力を伝達し、
前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車により構成し、
前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤと第2サンギヤとを第1回転メンバにより直結し、第1リングギヤと第3サンギヤとを第2回転メンバにより直結し、第2ピニオンキャリアと第3リングギヤとを第3回転メンバにより直結し、前記第1回転メンバと前記第2回転メンバと第3回転メンバと第1ピニオンキャリアと第2リングギヤと第3ピニオンキャリアとの6つの回転要素を有し、
前記第1回転メンバに、第2モータジェネレータを連結し、前記第3回転メンバに、第2クラッチを介してエンジンを連結し、前記第1ピニオンキャリアに、第1クラッチを介して第2モータジェネレータを連結すると共に第1ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第2リングギヤに、第4クラッチを介して第1モータジェネレータを連結すると共に第2ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第3ピニオンキャリアに、前記駆動出力部材を連結し、
前記2つのモータのうち、一方のモータが故障した場合、前記駆動出力部材を固定する固定制御を行うと共に、前記駆動力合成変速機により無段変速比を得る無段変速モードに設定し、正常であるモータのトルクをエンジンに加え、エンジン回転数を上げて始動するエンジン始動制御手段を設け、
前記エンジン始動後、停車状態から発進する過程において、前記駆動出力部材の固定を解除し、前記正常であるモータジェネレータと前記エンジンとのトルク配分により、前記駆動出力部材の回転数を上昇させることとした。
図1は実施例1のエンジン始動制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1のハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1(ジェネレータ)と、第2モータジェネレータMG2(モータジェネレータ)と、駆動出力部材OUT(駆動出力部材)と、これらの入出力要素E,MG1,MG2,OUTが連結される差動装置(第1遊星歯車PG1、第2遊星歯車PG2、第3遊星歯車PG3)を有する駆動力合成変速機と、を備えている。
なお、以下では駆動出力部材OUTを駆動出力軸OUTと記載する。
前記第1回転メンバM1(S1,S2)には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。
前記第2回転メンバM2(R1,R3)には、入出力要素の何れにも連結されていない。
前記第3回転メンバM3(PC2,R3)には、エンジンクラッチECを介してエンジンEが連結されている。
前記第1ピニオンキャリアPC1には、ハイクラッチHCを介して第2モータジェネレータMG2が連結されている。また、ローブレーキLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第2リングギヤR2には、モータジェネレータクラッチMGCを介して第1モータジェネレータMG1が連結されている。また、ハイローブレーキHLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第3ピニオンキャリアPC3には、駆動出力軸OUTが連結されている。なお、駆動出力軸OUTには、両モータジェネレータMG1,MG2のうち、一方のモータジェネレータが故障した場合、エンジン始動時に駆動出力軸OUTを固定する出力軸固定制御ユニット16(出力部材固定制御ユニット)が設けられている。また、駆動出力軸OUTからは、図外のプロペラシャフトやディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。
さらに、前記エンジンEと第1モータジェネレータMG1とは、シリーズクラッチSCを介して連結されている。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第3リングギヤ回転数センサ12と、第2リングギヤ回転数センサ13と、を有して構成されている。
走行モードとしては、ローギヤ固定モード(以下、「Lowモード」という。)と、ロー側無段変速モード(以下、「Low-iVTモード」という。)と、2速固定モード(以下、「2ndモード」という。)と、ハイ側無段変速モード(以下、「High-iVTモード」という。)と、ハイギヤ固定モード(以下、「Highモード」という。)と、の5つの走行モードを有する。
ここで、図2(a)は「EV-Lowモード」の共線図、図2(b)は「EV-Low-iVTモード」の共線図、図2(c)は「EV-2ndモード」の共線図、図2(d)は「EV-High-iVTモード」の共線図、図2(e)は「EV-Highモード」の共線図である。また、図3(a)は「HEV-Lowモード」の共線図、図3(b)は「HEV-Low-iVTモード」の共線図、図3(c)は「HEV-2ndモード」の共線図、図3(d)は「HEV-High-iVTモード」の共線図、図3(e)は「HEV-Highモード」の共線図である。
図7は統合コントローラ6にて実行されるエンジン始動制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(エンジン始動制御手段)。なお、この処理は、キースイッチ入力後、エンジン暖機時に実行される。
ここで、「モータ故障診断」は、常時、統合コントローラ6にて行われていて、ステップS1では、モータ故障診断結果を入力して正常が故障かの判断を行う。
ここで、「S-Lowモード」は、ローブレーキLBとハイローブレーキHLBを締結し、エンジンクラッチECとハイクラッチHCとモータジェネレータクラッチMGCを解放し、シリーズクラッチSCを締結することで選択される。
ここで、「駆動出力軸固定制御」とは、実施例1のように、出力軸固定制御ユニット16を有する場合は、これを固定作動とし、出力軸固定制御ユニット16を有さない場合は、パーキングレンジへのセレクト操作、もしくは、ブレーキ操作を運転者に促したり、または、制御可能なパーキングアクチュエータやブレーキアクチュエータを有する場合には、制御指令を出して、パーキングレンジへのセレクト制御やブレーキ制御を実行する。
ここで、モータ故障時における「クラッチ制御」は、下記のように、「Low-iVTモード」を得る場合と「High-iVTモード」を得る場合とで分けられ、さらに、「Low-iVTモード」と「High-iVTモード」とのそれぞれにおいて、第1モータジェネレータMG1の故障時と第2モータジェネレータMG2の故障時とに分けられる。
(a)「Low-iVTモード」を得る場合
・第1モータジェネレータMG1の故障時
ハイクラッチHC:OFF
エンジンクラッチEC:ON
シリーズクラッチSC:OFF
モータジェネレータクラッチMGC:OFF
ローブレーキLB:ON
ハイローブレーキHLB:OFF
・第2モータジェネレータMG2の故障時
ハイクラッチHC:OFF
エンジンクラッチEC:ON
シリーズクラッチSC:OFF
モータジェネレータクラッチMGC:ON
ローブレーキLB:ON
ハイローブレーキHLB:OFF
(b)「High-iVTモード」を得る場合
・第1モータジェネレータMG1の故障時
ハイクラッチHC:ON
エンジンクラッチEC:ON
シリーズクラッチSC:OFF
モータジェネレータクラッチMGC:OFF
ローブレーキLB:OFF
ハイローブレーキHLB:OFF
・第2モータジェネレータMG2の故障時
ハイクラッチHC:ON
エンジンクラッチEC:ON
シリーズクラッチSC:OFF
モータジェネレータクラッチMGC:ON
ローブレーキLB:OFF
ハイローブレーキHLB:OFF
モータ正常時には、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む流れとなり、ステップS3にて、「S-Lowモード」とするクラッチ制御が実行され、ステップS4にて、シリーズクラッチSCの締結によりエンジンEに連結される第1モータジェネレータMG2をスタータモータとしてエンジンEが始動される。
例えば、低温状態でエンジン始動モードとなったときで、第1モータジェネレータMG1が故障時には、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS5→ステップS6(→ステップS7→ステップS8)→ステップS9→ステップS10へと進む流れとなり、ステップS6〜ステップS8にて、駆動出力軸固定制御が行われ、ステップS9にて、「Low-iVTモード」とするクラッチ制御が実行され、ステップS10にて、エンジン始動処理が行われる。
例えば、低温状態でエンジン始動モードとなったときで、第2モータジェネレータMG2が故障時には、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS5→ステップS6(→ステップS7→ステップS8)→ステップS9→ステップS10へと進む流れとなり、ステップS6〜ステップS8にて、駆動出力軸固定制御が行われ、ステップS9にて、「Low-iVTモード」とするクラッチ制御が実行され、ステップS10にて、エンジン始動処理が行われる。
例えば、高温状態でエンジン始動モードとなったときで、第1モータジェネレータMG1が故障時には、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS5→ステップS6(→ステップS7→ステップS8)→ステップS9→ステップS10へと進む流れとなり、ステップS6〜ステップS8にて、駆動出力軸固定制御が行われ、ステップS9にて、「Low-iVTモード」とするクラッチ制御が実行され、ステップS10にて、エンジン始動処理が行われる。
例えば、高温状態でエンジン始動モードとなったときで、第2モータジェネレータMG2が故障時には、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS5→ステップS6(→ステップS7→ステップS8)→ステップS9→ステップS10へと進む流れとなり、ステップS6〜ステップS8にて、駆動出力軸固定制御が行われ、ステップS9にて、「Low-iVTモード」とするクラッチ制御が実行され、ステップS10にて、エンジン始動処理が行われる。
実施例1のハイブリッド車のエンジン始動制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
OUT 駆動出力軸(駆動出力部材)
PG1 第1遊星歯車
PG2 第2遊星歯車
PG3 第3遊星歯車
HC ハイクラッチ(第1クラッチ)
EC エンジンクラッチ(第2クラッチ)
SC シリーズクラッチ(第3クラッチ)
MGC モータジェネレータクラッチ(第4クラッチ)
LB ローブレーキ(第1ブレーキ)
HLB ハイローブレーキ(第2ブレーキ)
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第3リングギヤ回転数センサ
13 第2リングギヤ回転数センサ
16 出力軸固定制御ユニット(出力部材固定制御ユニット)
Claims (6)
- 動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記駆動出力部材は、駆動輪に駆動力を伝達し、
前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車により構成し、
前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤと第2サンギヤとを第1回転メンバにより直結し、第1リングギヤと第3サンギヤとを第2回転メンバにより直結し、第2ピニオンキャリアと第3リングギヤとを第3回転メンバにより直結し、前記第1回転メンバと前記第2回転メンバと第3回転メンバと第1ピニオンキャリアと第2リングギヤと第3ピニオンキャリアとの6つの回転要素を有し、
前記第1回転メンバに、第2モータジェネレータを連結し、前記第3回転メンバに、第2クラッチを介してエンジンを連結し、前記第1ピニオンキャリアに、第1クラッチを介して第2モータジェネレータを連結すると共に第1ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第2リングギヤに、第4クラッチを介して第1モータジェネレータを連結すると共に第2ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第3ピニオンキャリアに、前記駆動出力部材を連結し、
前記2つのモータのうち、一方のモータが故障した場合、前記駆動出力部材を固定する固定制御を行うと共に、前記駆動力合成変速機により無段変速比を得る無段変速モードに設定し、正常であるモータのトルクをエンジンに加え、エンジン回転数を上げて始動するエンジン始動制御手段を設け、
前記エンジン始動後、停車状態から発進する過程において、前記駆動出力部材の固定を解除し、前記正常であるモータジェネレータと前記エンジンとのトルク配分により、前記駆動出力部材の回転数を上昇させること
を特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車のエンジン始動制御装置において、
前記エンジン始動制御手段は、前記駆動出力部材を変速機ケースに固定する出力部材固定制御ユニットを有する場合は、該出力部材固定制御ユニットの固定作動を確認し、前記出力部材固定制御ユニットを有さない場合は、セレクトレンジ位置がパーキングレンジであるかブレーキ作動時であるかのいずれかを確認することで、前記駆動出力部材を固定すること
を特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車のエンジン始動制御装置において、
前記エンジン始動制御手段は、第1モータジェネレータの故障時、前記駆動出力部材を固定する固定制御を行うと共に、前記第4クラッチを切り離し、前記第2クラッチと前記第1ブレーキを締結することで前記駆動力合成変速機をロー側無段変速モードに設定し、正常である第2モータジェネレータのトルクをエンジンに加え、エンジン回転数を上げて始動すること
を特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車のエンジン始動制御装置において、
前記エンジン始動制御手段は、第2モータジェネレータの故障時、前記駆動出力部材を固定する固定制御を行うと共に、前記第2クラッチと第4クラッチと第1ブレーキを締結することで前記駆動力合成変速機をロー側無段変速モードに設定し、正常である第1モータジェネレータのトルクをエンジンに加え、エンジン回転数を上げて始動すること
を特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車のエンジン始動制御装置において、
前記エンジン始動制御手段は、第1モータジェネレータの故障時、前記駆動出力部材を固定する固定制御を行うと共に、前記第4クラッチを切り離し、前記第1クラッチと前記第2クラッチを締結することで前記駆動力合成変速機をハイ側無段変速モードに設定し、正常である第2モータジェネレータのトルクをエンジンに加え、エンジン回転数を上げて始動すること
を特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車のエンジン始動制御装置において、
前記エンジン始動制御手段は、第2モータジェネレータの故障時、前記駆動出力部材を固定する固定制御を行うと共に、前記第1クラッチと第2クラッチと第4クラッチを締結することで前記駆動力合成変速機をハイ側無段変速モードに設定し、正常である第1モータジェネレータのトルクをエンジンに加え、エンジン回転数を上げて始動すること
を特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。
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