JP4135671B2 - ハイブリッド車のモード遷移制御装置 - Google Patents
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Description
走行モードとして、無段変速比により発進する無段変速比モードと、ロー側の固定変速比により発進するロー側固定変速比モードと、を有し、
高負荷状態での車両発進を検出する高負荷発進検出手段を設け、
前記エンジンと前記差動装置のエンジン入力要素との間にエンジンクラッチを設け、
前記差動装置の一つの要素をケースに固定し、ロー側の固定変速比を得るロー側固定変速比用ブレーキを設け、
前記無段変速比モードを選択しての発進時、前記高負荷発進検出手段により高負荷状態での発進であると検出された場合、エンジンクラッチを解放し、第1モータジェネレータと第2モータジェネレータの回転数制御により共線図の傾きをロー側固定変速比モードの傾きに制御し、ロー側固定変速比用ブレーキを締結するシーケンス制御により、無段変速比モードからモータジェネレータを駆動源とするロー側固定変速比モードへモード遷移する高負荷発進対応モード遷移制御手段を設けた。
図1は実施例1のモード遷移制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2と、出力軸OUT(出力部材)と、駆動力合成変速機TMと、を備えている。前記駆動力合成変速機TMは、第1遊星歯車PG1(第1差動装置)と、第2遊星歯車PG2(第2差動装置)と、第3遊星歯車PG3(第3差動装置)と、エンジンクラッチECと、ローブレーキLB(第1摩擦締結要素)と、ハイクラッチHC(第2摩擦締結要素)と、ハイローブレーキHLB(第3摩擦締結要素)と、を有する。
前記第1回転メンバM1(S1,S2)には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。
前記第2回転メンバM2(R1,R3)には、入出力要素の何れにも連結されていない。
前記第3回転メンバM3(PC2,R3)には、エンジンクラッチECを介してエンジンEが連結されている。
前記第1ピニオンキャリアPC1には、ハイクラッチHCを介して第2モータジェネレータMG2が連結されている。また、ローブレーキLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第2リングギヤR2には、第1モータジェネレータMG1が連結されている。また、ハイローブレーキHLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第3ピニオンキャリアPC3には、出力軸OUTが連結されている。なお、出力軸OUTからは、図外のプロペラシャフトやディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第3リングギヤ回転数センサ12と、を有して構成されている。
前記「Low-iVTモード」は、図2(b)及び図3(b)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られるロー側無段変速モードである。
前記「2ndモード」は、図2(c)及び図3(c)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られる2速固定モードである。
前記「High-iVTモード」は、図2(d)及び図3(d)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られるハイ側無段変速モードである。
前記「Highモード」は、図2(e)及び図3(e)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを締結することで得られるハイギヤ固定モードである。
図6は実施例1の統合コントローラ6において実行される高負荷発進対応モード遷移制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(高負荷発進対応モード遷移制御手段)。
ここで、出力回転数のマイナス検知は、車輪速センサからの車輪速検出値がマイナスとなること、または、第3遊星歯車PG3のキャリア回転数を検出する車速センサ8からの車速検出値VSPがマイナスとなることにより検知される。
特開2003−32808号公報には、共線図上に4つの入出力要素が配列される4要素2自由度の遊星歯車機構を構成し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結したハイブリッド駆動装置が記載されている。これによりエンジン出力に対してモータジェネレータ側が負担するトルクを小さくしてその小型化を図れると共に、モータジェネレータを通過するエネルギがより低減することから、駆動装置としての伝達効率が向上する。
これに対し、実施例1のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、「無段変速比モード」を選択しての発進時、高負荷発進検出手段により高負荷状態での発進であると検出された場合(ロールバックの発生を伴う発進時と、登坂路やトーイング等のロールバックの発生が予測される状況における発進時と、高アクセル開度からの発進時を含む。)、「無段変速比モード」から「ロー側固定変速比モード」へモード遷移する高負荷発進対応モード遷移制御手段を設けることで、上記課題を解決した。
まず、図9(a)は「HEV-Low-iVTモード」にて発進する際の発進直後の状況を示す共線図であり、発進直後は、エンジントルクTengと両モータジェネレータトルクT1,T2の総和が出力トルクToutとなり、この出力トルクToutにより出力軸回転数が車両進行方向に立ち上がろうとする。しかし、例えば、路面勾配が急な登坂路発進時であって、前記出力トルクToutよりも車両を後退させる路面からのトルクが大きいと、図9(b)の共線図に示すように、出力軸回転数がマイナス回転となり、「HEV-Low-iVTモード」のこの状態で路面負荷よりも大きな出力トルクTout(駆動力)を発生させるには、第1モータジェネレータMG1のトルクが更に必要となる。
実施例1のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ(モータジェネレータ)
OUT 出力軸(出力部材)
PG1 第1遊星歯車(第1差動装置)
PG2 第2遊星歯車(第2差動装置)
PG3 第3遊星歯車(第3差動装置)
EC エンジンクラッチ
LB ローブレーキ(第1摩擦締結要素)
HC ハイクラッチ(第2摩擦締結要素)
HLB ハイローブレーキ(第3摩擦締結要素、ロー側固定変速比用ブレーキ)
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第3リングギヤ回転数センサ
Claims (4)
- 共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結した駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
走行モードとして、無段変速比により発進する無段変速比モードと、ロー側の固定変速比により発進するロー側固定変速比モードと、を有し、
高負荷状態での車両発進を検出する高負荷発進検出手段を設け、
前記エンジンと前記差動装置のエンジン入力要素との間にエンジンクラッチを設け、
前記差動装置の一つの要素をケースに固定し、ロー側の固定変速比を得るロー側固定変速比用ブレーキを設け、
前記無段変速比モードを選択しての発進時、前記高負荷発進検出手段により高負荷状態での発進であると検出された場合、エンジンクラッチを解放し、第1モータジェネレータと第2モータジェネレータの回転数制御により共線図の傾きをロー側固定変速比モードの傾きに制御し、ロー側固定変速比用ブレーキを締結するシーケンス制御により、無段変速比モードからモータジェネレータを駆動源とするロー側固定変速比モードへモード遷移する高負荷発進対応モード遷移制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
前記出力部材の回転数を検出する出力回転数検出手段を設け、
前記高負荷発進検出手段は、無段変速モードを選択しての発進時、前記出力回転数検出手段によりマイナスの出力回転数を検知したとき、高負荷状態での車両発進であると検出することを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 請求項1又は2に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
前記高負荷発進対応モード遷移制御手段は、ロー側固定変速比用ブレーキを締結することにより無段変速比モードからモータジェネレータを駆動源とするロー側固定変速比モードへモード遷移した後、前記差動装置のエンジン入力要素の回転数とエンジン回転数とが一致した時点でエンジンクラッチを締結することでエンジンとモータジェネレータを駆動源とするロー側固定変速比モードへのモード遷移を行うことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結した駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記駆動力合成変速機は、2自由度3要素の第1差動装置と第2差動装置と第3差動装置により構成され、
前記第2差動装置の共線図上で内側に配列される要素と前記第3差動装置の共線図上で一端に配列される要素とを連結してエンジンを割り当て、
前記第2差動装置の共線図上で一端に配列される要素に第1モータジェネレータを割り当て、
前記第1差動装置の共線図上で一端に配列される要素と前記第2差動装置の共線図上で一端に配列される要素とを連結して第2モータジェネレータを割り当て、
前記第3差動装置の共線図上で内側に配列される要素に出力部材を割り当て、
前記第1差動装置の共線図上で他端に配列される要素と前記第3差動装置の共線図上で他端に配列される要素とを直結要素により連結し、
前記第1差動装置の共線図上で内側に配列される要素と変速機ケースとの間に第1摩擦締結要素を設け、
第2モータジェネレータが割り当てられる要素と前記第1差動装置の共線図上で内側に配列される要素との間に第2摩擦締結要素を設け、
前記第2差動装置の共線図上で一端に配列される要素と変速機ケースとの間に第3摩擦締結要素を設け、
走行モードとして、第1摩擦締結要素を締結し、第2摩擦締結要素を解放し、第3摩擦締結要素を解放することで得られるロー側無段変速モードと、第1摩擦締結要素を締結し、第2摩擦締結要素を解放し、第3摩擦締結要素を締結することで得られるローギヤ固定モードと、を有し、
高負荷状態での車両発進を検出する高負荷発進検出手段を設け、
前記ロー側無段変速モードを選択しての発進時、前記高負荷発進検出手段により高負荷状態での発進であると検出された場合、ロー側無段変速モードからローギヤ固定モードへモード遷移することを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
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