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JP4220610B2 - ネジおよびドライバビット - Google Patents

ネジおよびドライバビット Download PDF

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JP4220610B2 JP03513099A JP3513099A JP4220610B2 JP 4220610 B2 JP4220610 B2 JP 4220610B2 JP 03513099 A JP03513099 A JP 03513099A JP 3513099 A JP3513099 A JP 3513099A JP 4220610 B2 JP4220610 B2 JP 4220610B2
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輝文 野地川
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネジおよびドライバビットに係り、特にドライバビットを嵌合される陥没穴状をなす回動部を改良されたネジおよびそのためのドライバビットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、陥没穴状をなすネジの回動部としては、図1に示される十字穴1が最も一般的に使用されている。このような十字穴1においては、4つの翼係合部(ドライバビットの翼部(羽根部)が係合される部分)2が、ネジ3の径方向に延びている。このような十字穴1を有するネジ3を締め付けたり緩めたりするドライバビット(図示せず)は、十字穴1に対応する形状を有しており、4つの翼部はそれぞれ軸方向から見ると、径方向に延びている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記十字穴1の場合、翼係合部2の両側の側壁面21,22がそれぞれ1つの平面状とされているため、十字穴1に対してドライバビットが正しくネジ3と同一軸上に挿入されたとしても、翼係合部2とドライバビットの翼部との引っ掛かりが悪いので、ネジ3を回転させようとするとき、所謂カムアウト現象(ドライバビットが回動部1,2から飛び出してしまう現象)を生じ易い。しかもその上、ネジ3に対してドライバビットが傾き易く、そのようにネジ3に対してドライバビットが傾いた状態では、より一層カムアウト現象を生じ易いという問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の1つの目的は、ドライバビットがカムアウトしにくい(回動部から外れにくい)ネジおよびドライバビットを提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によるネジは、全体に陥没穴状をなし、ドライバビットの翼部を嵌合される翼係合部を備えた回動部を有するネジにおいて、
各翼係合部は、当該ネジ締め付け時に前記ドライバビットの前記翼部の回転方向前方に存在することとなる側壁面である締付側側壁面と、この締付側側壁面と反対側に位置し、当該ネジ緩め時に前記ドライバビットの前記翼部の回転方向前方に存在することとなる側壁面である緩め側側壁面とを有し、
前記締付側側壁面は、当該ネジの中心側から外方に向かって延びる平面状の基端側部分と、この基端側部分から、前記緩め側側壁面から遠ざかる方向に斜めに屈曲された平面状の先端側部分とを有してなるものである。
【0007】
また、本発明によるドライバビットは、前記本発明によるネジの回動部に対応する形状を有するもので、全体に陥没穴状をなすネジの回動部の翼係合部に嵌合される翼部を有するドライバビットにおいて、
各翼部は、ネジ締め付け時に回転方向前方となる側の側面である締付側側面と、ネジ緩め時に回転方向前方となる側の側面である緩め側側面とを有し、
前記締付側側面は、当該ドライバビットの中心側から外方に向かって延びる平面状の基端側部分と、この基端側部分から、前記緩め側側面から遠ざかる方向に斜めに屈曲された平面状の先端側部分とを有してなるものである。
【0008】
本発明においては、ネジの回動部の各翼係合部の締付側側壁面が、当該ネジの中心側から外方に向かって延びる平面状の基端側部分と、この基端側部分から、緩め側側壁面から遠ざかる方向に斜めに屈曲された平面状の先端側部分とを有しているので、対応する形状の翼部を有するビットを用いれば、ネジに対してドライバビットが傾きにくくなり、また、翼部の屈曲した側面に、対応する形状に屈曲した翼係合部の側壁面が食い込むので、前記側面が前記側壁面を確実に把握し、翼部と翼係合部との引っ掛かりがよくなるため、ドライバビットがカムアウトしにくくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0010】
【実施例】
図2〜5は本発明の第一実施例を示し、このうち図2はネジ3の平面図(ネジ3をその頭部4側から軸方向に見た図)、図3は図2のIII−III線における断面図、図4はネジ3の回動部5にドライバビット6が嵌合された状態を示す横断面図、図5は図4の要部の拡大断面図である。ネジ3の軸部7には右ネジのネジ山23が形成されている。ネジ3の頭部4には該頭部4の一部を陥没させてなる陥没穴状の回動部5が設けられている。図2に示されるように、この回動部5は全体に大略十字状をなしており、90度間隔に配置された4つの翼係合部2を備えている。各翼係合部2の両側の側壁面9,10のうちの、ネジ3緩め時にドライバビット6の翼部8の回転方向前方に存在することとなる側の側壁面9(以下、緩め側側壁面と呼ぶ)は、ほぼ全体に1つの平面状をなしている。他方、各翼係合部2の、ネジ3締め付け時にドライバビット6の翼部8の回転方向前方に存在することとなる側の側壁面10(以下、締付側側壁面と呼ぶ)は屈曲されている。すなわち、この締付側側壁面10の先端側部分10aは該締付側側壁面10の基端側部分10bに対し緩め側側壁面9から遠ざかる方向に屈曲されている。
【0011】
なお、本実施例では、各翼係合部2の緩め側側壁面9並びに締付側側壁面10の基端側部分10bおよび先端側部分10aは、ネジ3の軸方向と平行な平面状とされているが、これらの側壁面9,10は、ドライバビット6の挿入を容易にするために、適当な勾配の傾斜面としてもよい。
【0012】
図2および3に示されるように、前記回動部5の中心付近部および翼係合部2の基端側部分の底面11は、比較的に緩い勾配でネジ3の中心側から外周側へ登って行く傾斜面とされる一方、翼係合部2の先端側部分の底面12は急峻な勾配で外周側へと登って行く傾斜面とされている。
【0013】
図4および5において、ドライバビット6はネジ3の軸に対し垂直に断面した横断面として表れている。この図4から明らかなように、ドライバビット6は回動部5に対応する横断面形状を有しており、各翼部8の両側面13,14のうちの、ネジ3緩め時に回転方向前方となる側の側面13(以下、緩め側側面と呼ぶ)は、ほぼ全体に1つの平面状をなしている。他方、各翼部8の、ネジ3締め付け時に回転方向方となる側の側面14(以下、締付側側面と呼ぶ)は屈曲されている。すなわち、この締付側側面14の先端側部分14aは、該締付側側面14の基端側部分14bに対し、緩め側側面13から遠ざかる方向に屈曲されている。
【0014】
次に、本実施例の作動を説明する。このネジ3およびドライバビット6においては、ネジ3の翼係合部2およびドライバビット6の翼部8が屈曲されているので、回動部5にドライバビット6を挿入するとき、ネジ3の軸に対してドライバビット6が傾きにくい。そして、ネジ3締め付け時は、ドライバビット6の翼部8の屈曲した締付側側面14に、対応する形状に屈曲した回動部5の翼係合部2の締付側側壁面10が食い込むので、側面14が側壁面10を確実に把握し、翼部8と翼係合部2との引っ掛かりがよくなるため、ネジ3締め付け時にドライバビット6がカムアウトしにくくなる。
【0015】
なお、本実施例においては、各翼係合部2の締付側側壁面10の基端側部分10bおよび先端側部分10aとドライバビット6の翼部8の締付側側面14の基端側部分14bおよび先端側部分14aとが、それぞれネジ3の軸方向と平行な平面状とされているので、これによっても一層カムアウトが生じにくくなるが、本発明においては、これらの側壁面10a,10bおよび側面14a,14bを適当な勾配の傾斜面としても、これらが屈曲していることにより、前記のように翼部8と翼係合部2との引っ掛かりがよくなるため、カムアウトが生じにくくなる。
【0016】
図6および7は本発明の第二実施例を示している。前記実施例においては、ネジ3の回動部5の翼係合部2の締付側側壁面10およびドライバビット6の翼部8の締付側側面14のみが屈曲されていたが、本実施例では、翼係合部2の緩め側側壁面9および翼部8の緩め側側面13も同様に屈曲されている。すなわち、ネジ3の緩め側側壁面9の先端側部分9aは該緩め側側壁面9の基端側部分9bに対し締付側側壁面10から遠ざかる方向に屈曲され、ドライバビット6の緩め側側面13の先端側部分13aも、該緩め側側面13の基端側部分13bに対し、締付側側面14から遠ざかる方向に屈曲されている。ネジ3およびドライバビット6の他の構成は前記実施例と同様である。
【0017】
本実施例においては、ネジ3緩め時には、ドライバビット6の翼部8の屈曲した緩め側側面13に、対応する形状に屈曲した回動部5の翼係合部2の緩め側側壁面9が食い込むので、側面13が側壁面9を確実に把握し、翼部8と翼係合部2との引っ掛かりがよくなるため、ネジ3緩め時にもドライバビット6がカムアウトしにくくなる。
【0018】
図8および9は、本発明の第三実施例を示している。図では回動部5の形状およびドライバビット6のみ示しているが、本実施例においては、図示しないネジの軸部には右ネジのネジ山が形成されている。回動部5は図示しないネジの頭部の一部を陥没させてなり、この回動部5は、軸方向頭部側から見てネジの軸線にその中心を一致された正方形状をなす正方形状部15と、4つの直線状の翼係合部2とからなる。各翼係合部2の緩め側側壁面9の基端側部分9bの上端は、正方形状部15の上端の各辺をそれぞれ一方に延長した延長線上を延びている。各翼係合部2の緩め側側壁面9の先端側部分9aは基端側部分9bに対し締付側側壁面10から遠ざかる方向に屈曲されている。また、各翼係合部2の締付側側壁面10の基端側部分10bは緩め側側壁面9の基端側部分9bと平行とされ、締付側側壁面10の先端側部分10aは基端側部分10bに対し緩め側側壁面9から遠ざかる方向に屈曲されている。
【0019】
なお、本実施例では、各翼係合部2の緩め側側壁面9の基端側部分9bおよび先端側部分9a並びに締付側側壁面10の基端側部分10bおよび先端側部分10aは、ネジ3の軸方向と平行な平面状とされているが、これらの側壁面は、ドライバビット6の挿入を容易にするために、適当な勾配の傾斜面としてもよい。
【0020】
前記回動部5の正方形状部15および翼係合部2の基端側の部分の底面11は、比較的に緩い勾配でネジの中心側から外周側へ登って行く傾斜面とされる一方、翼係合部2の先端側部分の底面12は急峻な勾配で外周側へと登って行く傾斜面とされている。
【0021】
図9に示されるように、ドライバビット6は回動部5に対応する横断面形状を有しており、各翼部8の緩め側側面13の先端側部分13aは該緩め側側面13の基端側部分13bに対し締付側側面14から遠ざかる方向に屈曲され、締付側側面14の先端側部分14aは該締付側側面14の基端側部分14bに対し緩め側側面13から遠ざかる方向に屈曲されている。
【0022】
本実施例においても、ネジ締め付け時には、ドライバビット6の翼部8の屈曲した締付側側面14に、対応する形状に屈曲した回動部5の翼係合部2の締付側側壁面10が食い込むので、側面14が側壁面10を確実に把握し、翼部8と翼係合部2との引っ掛かりがよくなる一方、ネジ緩め時には、ドライバビット6の翼部8の屈曲した緩め側側面13に、対応する形状に屈曲した回動部5の翼係合部2の緩め側側壁面9が食い込むので、側面13が側壁面9を確実に把握し、翼部8と翼係合部2との引っ掛かりがよくなるので、ネジ締め付け時にも、緩め時にも、ドライバビット6がカムアウトしにくくなる。
【0023】
図10および11は、本発明の第四実施例を示している。図では回動部5の形状およびドライバビット6のみ示しているが、本実施例においては、図示しないネジの軸部には右ネジのネジ山が形成されている。回動部5は図示しないネジの頭部の一部を陥没させてなり、この回動部5は、軸方向頭部側から見てネジの軸線にその中心を一致された正方形状をなす正方形状部15と、2つの翼係合部2とからなる。各翼係合部2の緩め側側壁面9の上端は、正方形状部15の上端の4辺のうちの平行する2辺のみをそれぞれ一方に延長した延長線上を延びている。各翼係合部2の緩め側側壁面9の先端側部分9aは該緩め側側壁面9の基端側部分9bに対し締付側側壁面10から遠ざかる方向に屈曲されている。また、各翼係合部2の締付側側壁面10の先端側部分10aは該締付側側壁面10の基端側部分10bに対し緩め側側壁面9から遠ざかる方向に屈曲されている。図11に示されるように、ドライバビット6は回動部5に対応する横断面形状を有している。他の構成は、前記図8および9の第三実施例と同様である。
【0024】
本実施例においても、前記各実施例の場合と同様にして、ネジ締め付け時にも、緩め時にも、ドライバビット6がカムアウトしにくくなるという効果が得られる。
【0025】
図12および13は、本発明の第五実施例を示している。図では回動部の形状およびドライバビットのみ示しているが、本実施例においては、図示しないネジの軸部には右ネジのネジ山が形成されている。回動部5は図示しないネジの頭部の一部を陥没させてなり、この回動部5は、軸方向頭部側から見てネジの軸線にその中心を一致された正三角形状をなす三角形状部18と、3つの翼係合部2とからなる。各翼係合部2の緩め側側壁面9の基端側部分9bの上端は、三角形状部18の各辺をそれぞれ一方に延長した延長線上を延びている。各翼係合部2の緩め側側壁面9の先端側部分9aは基端側部分9bに対し締付側側壁面10から遠ざかる方向に屈曲されている。また、各翼係合部2の締付側側壁面10の先端側部分10aは該締付側壁面10の基端側部分10bに対し緩め側側壁面9から遠ざかる方向に屈曲されている。図13に示されるように、ドライバビット6は回動部5に対応する横断面形状を有している。他の構成は、前記図8〜11の第三実施例および第四実施例と同様である。
【0026】
本実施例においても、前記各実施例の場合と同様にして、ネジ締め付け時にも、緩め時にも、ドライバビット6がカムアウトしにくくなるという効果が得られる。
【0027】
なお、前記各実施例においては、翼係合部の数が2〜4個とされているが、本発明においては、翼係合部の数を5以上としてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明は、ネジの回動部からドライバビットがカムアウトしにくくなる等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の十字穴付きネジを示す平面図である。
【図2】本発明の第一実施例におけるネジを示す平面図である。
【図3】 図のIII−III線における断面図である。
【図4】前記第一実施例のネジの回動部にドライバビットが嵌合された状態を示す横断面図である。
【図5】図4の要部の拡大断面図である。
【図6】本発明の第二実施例におけるネジを示す平面図である。
【図7】前記第二実施例のネジの回動部にドライバビットが嵌合された状態を示す横断面図である。
【図8】本発明の第三実施例におけるネジの回動部を示す平面図である。
【図9】前記第三実施例のネジの回動部にドライバビットが嵌合された状態を示す横断面図である。
【図10】本発明の第四実施例におけるネジの回動部を示す平面図である。
【図11】前記第四実施例のネジの回動部にドライバビットが嵌合された状態を示す横断面図である。
【図12】本発明の第五実施例におけるネジの回動部を示す平面図である。
【図13】前記第五実施例のネジの回動部にドライバビットが嵌合された状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
2 翼係合部
3 ネジ
5 回動部
6 ドライバビット
8 翼部
9 翼係合部2の緩め側側壁面
9a 緩め側側壁面9の先端側部分
9b 緩め側側壁面9の基端側部分
10 翼係合部2の締付側側壁面
10a 締付側側壁面10の先端側部分
10b 締付側側壁面10の基端側部分
13 翼部8の緩め側側面
13a 緩め側側面13の先端側部分
13b 緩め側側面13の基端側部分
14 翼部8の締付側側面
14a 締付側側面14の先端側部分
14b 締付側側面14の基端側部分

Claims (4)

  1. 全体に陥没穴状をなし、ドライバビットの翼部を嵌合される翼係合部を備えた回動部を有するネジにおいて、
    各翼係合部は、当該ネジ締め付け時に前記ドライバビットの前記翼部の回転方向前方に存在することとなる側壁面である締付側側壁面と、この締付側側壁面と反対側に位置し、当該ネジ緩め時に前記ドライバビットの前記翼部の回転方向前方に存在することとなる側壁面である緩め側側壁面とを有し、
    前記締付側側壁面は、当該ネジの中心側から外方に向かって延びる平面状の基端側部分と、この基端側部分から、前記緩め側側壁面から遠ざかる方向に斜めに屈曲された平面状の先端側部分とを有してなるネジ。
  2. 各翼係合部の前記緩め側側壁面は、当該ネジの中心側から外方に向かって延びる平面状の基端側部分と、この基端側部分から、前記締付側側壁面から遠ざかる方向に斜めに屈曲された平面状の先端側部分とを有してなる請求項1記載のネジ。
  3. 全体に陥没穴状をなすネジの回動部の翼係合部に嵌合される翼部を有するドライバビットにおいて、
    各翼部は、ネジ締め付け時に回転方向前方となる側の側面である締付側側面と、ネジ緩め時に回転方向前方となる側の側面である緩め側側面とを有し、
    前記締付側側面は、当該ドライバビットの中心側から外方に向かって延びる平面状の基端側部分と、この基端側部分から、前記緩め側側面から遠ざかる方向に斜めに屈曲された平面状の先端側部分とを有してなるドライバビット。
  4. 各翼部の前記緩め側側面は、当該ドライバビットの中心側から外方に向かって延びる平面状の基端側部分と、この基端側部分から、前記締付側側面から遠ざかる方向に斜めに屈曲された平面状の先端側部分とを有してなる請求項3記載のドライバビット。
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