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JP4216139B2 - 画像入力装置 - Google Patents

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JP4216139B2
JP4216139B2 JP2003204900A JP2003204900A JP4216139B2 JP 4216139 B2 JP4216139 B2 JP 4216139B2 JP 2003204900 A JP2003204900 A JP 2003204900A JP 2003204900 A JP2003204900 A JP 2003204900A JP 4216139 B2 JP4216139 B2 JP 4216139B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿の画像を読み取ることが可能な画像センサと、読み取り画像の光の広がりを制限する目的や、画像読み取り時の被写界深度を大きくする目的で使用される光学素子とを備える画像入力装置に関するものである。特に、本発明は、上記画像センサとして、画像の表示と原稿の画像の読み取りとを同一画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイや、原稿の画像の読み取りを面で行うことが可能なエリアセンサを備える画像入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナル・コンピュータやPDA(携帯用個人端末)等の電子機器が広く普及し、様々な情報を電子情報として上記電子機器に読み込む需要が高くなっている。そのため、紙などに印刷された情報を読み取る手段としてスキャナが使用されている。
【0003】
しかしこれらの問題点として、スキャナは周辺機器として孤立しており、上記電子機器の持ち運びの際に邪魔になる場合が多く、また設置するスペースを要するため、置き場所に困るといった問題があった。
【0004】
このような状況に対し、パーソナル・コンピュータやPDA等の電子機器等に使用されるフラットパネルディスプレイに、スキャナ機能(即ち画像読み取り機能)を組み込み、画像の表示と読み取りとが同一画面で可能な入出力一体型のディスプレイが提案されている。
【0005】
例えば、液晶ディスプレイを構成するアクティブマトリクス基板の各画素に、液晶駆動用のTFT(薄膜トランジスタ)素子と光センサ素子の両素子を備えることで、入出力一体型の液晶ディスプレイを実現した例が、特許文献1や特許文献2で開示されている。
【0006】
一方、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイを構成するアクティブマトリクス基板の各画素に、EL駆動用のTFT素子と光センサ素子の両素子を備えることで、入出力一体型のELディスプレイを実現した例が、特許文献3に開示されている。
【0007】
上記特許文献1〜3に開示されている入出力一体型のディスプレイでは、画像表示時には通常の液晶ディスプレイやELディスプレイのように、ディスプレイ面(画面)に画像が表示され、観察者(使用者)はその画面を見ることで画像情報を得ることができる。一方、画像の読み取り時には、表示に使う画面上に、被写体である原稿(印刷物など)を密着させる。そして、表示時に使用する光源(液晶ディスプレイの場合はバックライト、ELディスプレイの場合はEL素子)を用いて、画面上に配置された原稿を照射し、その反射光をアクティブマトリクス基板に内蔵された光センサで検出することで、原稿の画像(光情報)を読み取る仕組みになっている。
【0008】
ところが、上記特許文献1〜3に開示されている入出力一体型ディスプレイの場合、以下のような問題が生じる。
【0009】
一般に、原稿は、新聞、雑誌、上質紙に印刷した印刷物などのように紙に情報が印刷されたものが多い。グラビア紙のような光沢紙を除くと、紙は、完全拡散に近い散乱特性を有する。したがって、ディスプレイの画面上に配置された原稿に光源からの光が照射された場合、上記のような性質を持つ原稿の反射光は略等方的に散乱してしまう。
【0010】
上述した問題を、図10を用いて説明すると、以下の通りである。
【0011】
図10(a)に示すように、アクティブマトリクス基板(光センサ基板)101に内蔵された光センサ104n−2〜104n+2と、上記原稿103とが近接していれば、たとえ原稿103の反射光が散乱していたとしても、ある画素104nに設けられた光センサ102はその画素104nに対応した原稿103の位置から発せられた光を主に受けることになり、読み取り画像のボケは発生しない。しかし、図10(b)に示すように、アクティブマトリクス基板101に内蔵された光センサ102と該原稿103との距離(隙間)Lが大きくなるにつれて、画素104nに設けられた光センサ102は、その画素104nに近接した画素104n−1や画素104n+1に対応した位置の原稿3から発せられる斜め方向の反射光を受けやすくなる。即ち、原稿103の反射光のクロストークが激しくなる。この結果、距離Lが大きくなるにつれて、読み取り画像がぼやけてしまうといった画像の劣化が生じる。
【0012】
特に、上述のような入出力一体型ディスプレイの場合、光センサ102が形成されるアクティブマトリクス基板101表面と、原稿103を密着させる画面(図示しない)表面との間に、ディスプレイパネルを構成するガラス基板や偏光板(図示しない)が存在するために、必然的に隙間Lが大きくなってしまう。このため、読み取り画像がぼやけてしまうといった画像劣化の問題を避けることが困難である。
【0013】
そこで、上述の問題を解決するために、ディスプレイの画面表面と原稿との間に、更に遮光層を備えたファイバプレートを設置した技術が特許文献4で開示されている。ファイバプレートとは、ガラスファイバプレート及び光ファイバプレートの総称であり、光吸収層と光透過層とから構成されるガラスファイバ又は光ファイバが複数設けられたものである。ファイバプレートを用いることで,原稿から発せられる斜め方向の反射光をカットし、有効な反射光のみファイバプレート内を伝達して所定の光センサに到達する仕組みになっている。
【0014】
また、特許文献1には、原稿面からホトセンサに入射する光量を充分に確保するために、各画素のホトセンサに焦点を合わせた半球状またはロッド状のマイクロレンズを、偏光板上方、または偏光板と対向基板の間に形成することも開示されている(特許文献1の段落[0022][0023]参照)。
【0015】
また、特許文献2には、より多くの光を利用できるように偏光板と対向基板との間に光ファイバープレートを設けること、センサ上で原稿からの光を結像出来読み取り誤差をさらに少なくすることができるように偏光板と対向基板との間にレンズアレイシートを設けることも開示されている(特許文献2の段落[0064]参照)
【0016】
【特許文献1】
特開平5−121715号公報(1993年5月18日公開)
【0017】
【特許文献2】
特開2001−109394号公報(2001年4月20日公開)
【0018】
【特許文献3】
特開2002−176162号公報(2002年6月21日公開)
【0019】
【特許文献4】
特開2002−251164号公報(2002年9月6日公開)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなファイバプレート、半球状またはロッド状のマイクロレンズ、レンズアレイシートを設けた構造では、画像読み取り時の画像ボケの問題を解決することが可能ではあるもの、表示時にはファイバプレート、半球状またはロッド状のマイクロレンズ、レンズアレイシートに起因する表示性能を伴うことになる。なぜなら、観察者(使用者)は、画面上に設置されたファイバプレート、半球状またはロッド状のマイクロレンズ、レンズアレイシートを介して画像を観察することになるためである。
【0021】
ファイバプレートは、所定の開口角(NA)以内の光しか伝達しないために、ディスプレイパネルから発せられた表示光の斜方向成分がファイバプレートで反射・吸収されてしまう。この結果、表示に常に視野角が非常に狭くなってしまうとともに、輝度が低下するといった現象が生じてしまうという問題が生じる。
【0022】
また、半球状またはロッド状のマイクロレンズやレンズアレイシートは、視野角を制限してしまい、表示性能を低下させてしまう。
【0023】
また、上述のようなファイバプレート、半球状またはロッド状のマイクロレンズ、レンズアレイシートを設けた構造では、画像読み取り時の画像ボケの問題を解決することが可能ではあるもの、画像読み取り時の明るさを幾分低下させてしまう。なぜなら、原稿からの反射光が、ファイバプレート、半球状またはロッド状のマイクロレンズ、レンズアレイシートを介してセンサに入射することになるためである。画像読み取り時の明るさが低下すると、高速で読み取りを行うことが難しくなる。
【0024】
ファイバプレートは、所定の開口角(NA)以内の光しか伝達しないために、ディスプレイパネルから発せられた表示光の斜方向成分がファイバプレートで反射・吸収されてしまう。この結果、表示に常に視野角が非常に狭くなってしまうとともに、輝度が低下するといった現象が生じてしまうという問題が生じる。
【0025】
また、半球状またはロッド状のマイクロレンズやレンズアレイシートは、視野角を制限してしまい、表示性能を低下させてしまう。
【0026】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像の読み取りと表示の性能との両者を満足させることができる、入出力一体型の画像入力装置を提供することにある。
【0027】
また、本発明の他の目的は、ぼけのない読み取り画像が得られるモードと、画像を高速で読み取ることができるモードとを使い分けることができる画像入力装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像入力装置は、上記の課題を解決するために、画像の表示と、被写体の画像の読み取りとを同一の画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイと、読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子と、上記光学素子を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段とを備えることを特徴としている。
【0029】
上述したように、完全拡散に近い散乱特性を有する紙等の原稿を画面上に配置して紙等の原稿の画像を読み込む際に、入出力一体型のディスプレイからの光を原稿に照射すると、上記原稿の反射光が略等方的に散乱し、読み取り画像がぼやけてしまう。そのため、ぼけのない読み取り画像を得るためには、読み取り画像の光の広がりを制限する光学素子を設置することが必要となる。しかしながら、上述したように、従来技術では、光学素子を画面上から外すことができるようになっていないので、画像を表示する際に、上記光学素子が視野角を制限してしまい、表示性能を低下させてしまう。
【0030】
しかしながら、本発明の構成によれば、上記光学素子を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段を設けたので、例えば、使用者の操作により任意にこれら状態の切り替えが可能となる。それゆえ、原稿の画像の読み取りを行う場合にのみ画面上に光学素子を設置し、画像の表示を行う場合には上記光学素子を画面上から外すことが可能になる。
【0031】
したがって、光学素子の設置によって原稿の画像の読み取りを行う時の画像のボケを改善しつつ、画像の表示を行う時に上記光学素子により視野角が制限されることを回避できる。つまり、原稿の画像の読み取り性能の向上と広視野角の表示とを両立し得る画像入力装置を実現することができる。
【0032】
また、本発明の画像入力装置は、上記光学素子を、読み取りを行う場合には読み取り画像の光の広がりを制限する光学素子として作用させ、かつ画像を表示する場合には視野角を制限する光学素子として作用させる使用方法で使用することもできる。光学素子は、視野角を制限してしまうことから、表示時に視野角が広い表示が必要な場合には上記光学素子を画面上から外すことが可能であり、逆に隣の人から画面を覗かれたくない、つまり視野角を制限したいような場合には上記光学素子を画面上に設置することで、視野角を制御することができる。
【0033】
なお、本願明細書において、「光学素子が画面上に設置される」とは、画面の表示が正常に見える視点位置と、画面との間に、光学素子の少なくとも一部が設置されることを指すものとする。また、「光学素子が画面上から外される」とは、画面の表示が正常に見える視点位置と画面との間に介在しない位置に光学素子の全体が設置されることを指すものとする。
【0034】
また、本願明細書において、「原稿」とは、読み取りの対象となる物体(被写体)を指し、印刷物や写真、絵等の平面的な物体だけでなく、立体的な物体をも含むものとする。
【0035】
上記読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子は、複数のレンズで構成された正立等倍レンズアレイであることが好ましい。
【0036】
正立等倍レンズアレイは、明るさや視野角,被写界深度などを制限でき、かつ、原稿の正立像を撮像面にリレーすることができる。したがって、撮像面(画像入力装置表面)から所定の間隔を有する位置に配置された原稿の像を読み取ることが可能になる。また、正立等倍レンズの受光角の設計次第で被写界深度を調整することが可能であるので、画像のボケも解消することが容易となる。
【0037】
本発明の画像入力装置は、画像の読み取り時に原稿に光を照射するための光源をさらに備え、上記光源が、光学素子と一体化するよう固定されていてもよい。
【0038】
これにより、画像を読み取るときに上記光源を上記画面上に配置して、上記光源からの光を原稿に照射できると共に、画像の表示を行う時には上記光源を画面上から除くことが可能になる。したがって、原稿に効率良く光を照射することができ、かつ画像の表示を行う時にも上記光源により表示性能を損なうことがない。また、光学素子の状態の切り替えと光源の状態の切り替えとを光学素子の状態を切り替える操作のみで行うことができるので、使用者のわずらわしい動作を必要とせず、使い勝手の良い画像入力装置を実現することが可能になる。
【0039】
本発明の画像入力装置は、画像の読み取り時に原稿に光を照射するための光源と、上記光源を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える光源切り替え手段とをさらに備えていてもよい。
【0040】
これにより、画像を読み取るときに上記光源を上記画面上に配置して、上記光源からの光を原稿に照射できると共に、画像の表示を行う時には上記光源を画面上から除くことが可能になる。したがって、原稿に効率良く光を照射することができ、かつ画像の表示を行う時にも上記光源により表示性能を損なうことがない。また、光源の状態の切り替えを、光学素子の状態の切り替えと独立して行うことが可能であるので、表示時に光源だけを画面外に退避させ、光学素子を画面上に残す使用方法で使用することが可能となる。すなわち、上記光学素子を、読み取りを行う場合には読み取り画像の光の広がりを制限する光学素子として作用させ、かつ画像を表示する場合には視野角を制限する光学素子として作用させることが可能となる。
【0041】
その結果、表示時に視野角が広い表示が必要な場合には上記光学素子を画面上から外し、逆に隣の人から画面を覗かれたくない、つまり視野角を制限したいような場合には上記光学素子を画面上に設置することで、視野角を変更することが可能となる。
【0042】
本発明の画像入力装置は、原稿の画像の読み取りを行う読み取りモードと、画像を表示する表示モードとを切り替えるモード切り替え手段をさらに備え、上記モード切り替え手段は、上記光学素子が設置状態と非設置状態との間で変化することに連動して、モードの切り替えを行うようになっていてもよい。
【0043】
これにより、光学素子の状態の切り替えとモードの切り替えとを光学素子の状態を切り替える操作のみで行うことができるので、使用者のわずらわしい動作などを必要とせず、使い勝手の良い画像入力装置を実現することが可能になる。
【0044】
上記切り替え手段は、必要な時にのみ光学素子を画像入力装置本体に装着出来るようなアタッチメント機構であってもよいが、上記光学素子が画面上の位置と画面外の位置との間を往復できるように上記光学素子を支持する光学素子移動機構を含むことがより好ましい。これにより、アタッチメント機構のように、光学素子の切り替えのために、使用者が別の場所に置いた光学素子を取り出して光学素子を画像入力装置本体に装着したり、使用者が画像入力装置本体から光学素子を取り外して別の場所に置いたりする必要がなくなる。したがって、使用者が簡便に光学素子の切り替えを行うことができる。
【0045】
本発明の画像入力装置は、上記切り替え手段は、上記光学素子が画面上を滑動して画面上の位置と画面外の位置との間を往復できるように、上記光学素子を支持するスライド機構を含むことを特徴としている。
【0046】
これにより、簡素な構成で、上記光学素子を設置状態と非設置状態との間で切り替えることができる。
【0047】
なお、前記の光学素子移動機構としては、上述した通り、スライド機構が好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば上記光学素子が画面に略平行な回動軸を中心として回動することによって画面上の位置と画面外の位置との間を往復できるように、上記光学素子を支持する回動機構であってもよい。
【0048】
本発明の画像入力装置は、上記光学素子の設置状態から非設置状態への状態変化に対応して、上記ディスプレイを観察者の視点に近づくように移動させるディスプレイ移動手段をさらに備えていてもよい。
【0049】
これにより、上記光学素子を画面上から外して非設置状態にした場合に、画面が画像入力装置の表面から奥側に位置することによる使用者の違和感を無くす事が可能になる。
【0050】
本発明の画像入力装置は、上記画面を覆うための蓋(蓋機構)をさらに備え、上記光学素子は、上記蓋に内蔵され、上記切り替え手段は、上記蓋を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える蓋切り替え手段である構成であってもよい。
【0051】
これにより、通常画像入力装置の画面上を保護するために設けられる蓋に上記光学素子を組み込むことで、本体側に光学素子を組み込む特別なスペースが要求されず有用である。また、画面上に蓋を被せた状態では読み取りモード、蓋を外した状態では表示モードといった使い分けが可能であり、使い勝手が良い。すなわち、光学素子の状態の切り替えと蓋の開閉とを蓋の開閉操作のみで行うことができるので、使用者のわずらわしい動作などを必要とせず、使い勝手の良い画像入力装置を実現することが可能になる。
【0052】
本発明の画像入力装置は、上記光学素子は、筐体の開口部に設けられ、上記光学素子が設置された部分の蓋表面が、上記筐体の表面と略面一になるように、上記光学素子上に光透過性のスペーサが設置されている構成であってもよい。
【0053】
これにより、蓋表面が平らなになるので、原稿を蓋表面に密着させるだけで原稿表面を平らにして、良好な読み取り画像を得ることが可能となる。また、上記蓋の表面に凹凸が存在しないために、本画像入力装置を使用せず衣服のポケットに収納するような場合であっても、スムーズに出し入れが出来る。
【0054】
ここで「略面一になるように」とは、表面が完全に平らである場合、およびわずかに凹凸があるが実質的には表面が平らであるとする場合を含む概念である。また実質的に表面が平らであるとは、人間の目によって観察した場合に平面に見える程度の状態をいう。
【0055】
本発明の画像入力装置は、上記光学素子は、筐体の開口部に設けられ、上記筐体の厚みは、光学素子の焦点距離に相当する厚さだけ光学素子の厚みより厚く設定されていることが好ましい。
【0056】
これにより、原稿を蓋の表面に密着させるだけで上記光学系の焦点を上記原稿表面上に合致させることができるので、使用しやすい。
【0057】
本発明の画像入力装置は、原稿の画像の読み取りを面で行うことができるエリアセンサと、上記面上に設置された場合に、上記面上から外された場合と比べて画像読み取り時の被写界深度を増大させる光学素子と、上記光学素子を、上記面上に設置された設置状態と、上記面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段と、画像の読み取り速度を変化させる読み取り速度制御手段とを備え、上記読み取り速度制御手段は、画像の読み取り速度を、上記設置状態に比べて上記非設置状態の方が速くなるように変化させることを特徴としている。
【0058】
これにより、用途・目的に応じて、スピード優先の読み取りと、被写界深度優先の読み取りとを使い分けることができる。すなわち、ぼけのない読み取り画像が得られるモードと、画像を高速で読み取ることができるモードとを使い分けることができる画像入力装置を提供できる。
【0059】
なお、上記構成においては、上記光学素子を上記エリアセンサ上に設置した形態と、上記光学素子が上記エリアセンサ上に設置されない形態のどちらの場合でも画像を読み取ることができるものとする。
【0060】
ここで、エリアセンサは、面センサとも呼ばれるものであり、二次元的に配置された複数の光センサによって画像を面で読み取ることができるイメージセンサである。
【0061】
上記エリアセンサが、画像の表示が可能な画面に内蔵されており、画像の表示と読み取りを同一画面で行うことが可能であってもよい。すなわち、上記エリアセンサは、画像の表示と、原稿の画像の読み取りとを同一画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイであってもよい。
【0062】
これにより、上記光学素子を、用途・目的に応じて、明るさ優先の表示と、視野角制限優先の表示を使い分ける手段としても使用することができる。すなわち、明るさ優先の表示と、視野角制限優先の表示を使い分けることが可能な入出力一体型の画像入力装置を提供できる。
【0063】
上記面上に設置された場合に、上記面上から外された場合と比べて画像読み取り時の被写界深度を増大させる光学素子は、複数のレンズで構成された正立等倍レンズアレイであることが好ましい。
【0064】
正立等倍レンズアレイは、明るさや視野角、被写界深度などを制限でき、かつ、原稿の正立像を撮像面にリレーすることができる。
【0065】
このことから、上述したような上記エリアセンサ上への上記正立等倍レンズアレイの設置または非設置を切り替えることで、用途・目的に応じて、スピード優先の読み取りと、被写界深度優先の読み取りを使い分けることができ、また上記正立等倍レンズアレイを、用途・目的に応じて、明るさ優先の表示と、視野角制限優先の表示を使い分ける手段としても使用することができる。
【0066】
本発明の画像入力装置は、上記正立等倍レンズアレイを構成するレンズとレンズとの隙間に形成された遮光壁をさらに含むことが好ましい。
【0067】
上記正立等倍レンズアレイにより、読み取り画像の光の広がりを制限できるが、上記正立等倍レンズの、レンズとレンズとの隙間から不要な斜め光が生じてしまう。
【0068】
しかし、上記の構成によれば、レンズとレンズとの隙間に遮光壁が形成されているので、上記不要な斜め光を遮断することができる。その結果、
【0069】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の画像入力装置に関する実施の一形態について、図1〜図4に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0070】
図1には、代表的な実施の一形態として携帯型の画像入力装置を示している。
【0071】
本画像入力装置は、筐体(画像入力装置本体)7と、筐体7内に設けられた入出力一体型ディスプレイ8とを備えており、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aを露出させるように、筐体7には表示面8aに対応した開口部が設けられている。
【0072】
入出力一体型ディスプレイ8は、画像の表示と、被写体である原稿の画像の読み取りとを同一の表示面(画面)8aで行うことができるディスプレイである。つまり、入出力一体型ディスプレイ8は、表示パネルなどで構成された表示専用の発光形ディスプレイ(光源を備える液晶ディスプレイや、ELディスプレイ等)に対し、表示パネルの内部に、二次元的に配列させた複数の光センサ2を組み込んで、ディスプレイの表示面(画面)で原稿の画像を読み取ることもできるようにしたディスプレイである。
【0073】
本画像入力装置の特徴は、上記入出力一体型ディスプレイ8の表示面(撮像面を兼ねる)8aの外側(観察者側)に、読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子9が設けられ、この光学素子9が、表示面8a上から脱着可能、すなわち、表示面8a上に設置された設置状態と、表示面8a上から外された非設置状態との間で切り替え可能となっている点である。
【0074】
図1(a)は、光学素子9が入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上から外された非設置状態(光学素子非設置状態)を示す図で、図1(b)は、光学素子9が入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上に設置されている設置状態(光学素子設置状態)を示す図である。なお、
表示面8a上に光学素子9を設置する主目的は、入出力一体型ディスプレイ8で撮像を行って原稿の画像を読み取る場合に、読み取り画像の光の広がりを制限する、つまり撮像面(表示面8a)に入射する光を絞る(すなわち斜め入射成分を制限する)ためである。
【0075】
この結果、被写体である原稿が完全拡散特性を有する紙等の原稿であっても、この光学素子9を通過する光は、光学素子9の開口角以内の光に制限されるため、読み取り画像がぼやけてしまうといった画像の劣化を低減することができる。すなわち、表示面8a上に光学素子9を設置することで、表示面8a上に光学素子9が設置されていない場合よりも大きい被写界深度(使用する光学素子9に固有の被写界深度)を確保することが可能になる。
【0076】
図2には、光学素子9が入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上に設置した状態での、図1の画像入力装置における入出力一体型ディスプレイ8とその周辺部分の断面図を示している。なお、図2では、原稿については、読み取られる面(原稿面)だけを模式的に示している。
【0077】
この場合、入出力一体型ディスプレイ8は、互いに対向する1対のガラス等からなる光透過性基板8b・8cと、これら光透過性基板8b・8c間に挟持された光センサ2および図示しない表示素子(液晶層やEL素子等)等とを備えている。
【0078】
本発明に使用する光学素子9としては、正立等倍レンズアレイ等のレンズ・アレイ、ファイバー・プレート等を使用することができるが、図2に示すような、複数の正立等倍レンズ12から構成された正立等倍レンズアレイ(原稿像を正立等倍で結像させるレンズアレイ)が好ましい。正立等倍レンズアレイとしては、セルフォック(登録商標)レンズアレイやロッドレンズアレイを用いることができる。セルフォック(登録商標)レンズアレイは、屈折率分布型のロッドレンズ(セルフォック(登録商標)レンズ)を多数配列して、各レンズによる正立等倍像を重ね合わせて全体で1個の連続像を形成する光学系である。ロッドレンズアレイは、ロッドレンズを多数並列的に配列し、各レンズによる正立等倍像を重ね合わせて全体で1個の連続像を形成するものである。
【0079】
さらに、正立等倍レンズアレイ(光学素子9)としては、正立等倍レンズ12と正立等倍レンズ12との隙間に不要な斜め光を遮光するための遮光壁11が形成された正立等倍レンズアレイ(光学素子9)を用いることが好ましい。正立等倍レンズアレイ(光学素子9)は、原稿13表面の画像の情報を、光センサ形成面14までリレーする(結像する)ことができるため、原稿13表面と光センサ形成面14(この場合、原稿面13から遠い方の光透過性基板8cにおける原稿側の面)とが離れていたとしても、ボケの少ない画像を取得することができる。なお、遮光壁11は、例えば、金属クロムに酸化クロムを積層した2層クロム、ポリマー中に黒色顔料を分散させた樹脂材料等の低反射材料で形成することができる。
【0080】
特に、従来技術で挙げた入出力一体型ディスプレイの場合、図10で示したように、光センサ102が形成されるアクティブマトリクス基板101表面と、原稿103を密着させる画面表面との間に、ディスプレイパネルを構成するガラス基板や偏光板が存在するために、必然的に原稿103表面と光センサ102との距離Lが大きくなってしまい、読み取り画像がぼやけてしまうといった画像劣化の問題が発生していた。しかしながら、図2に示す構成では、原稿13表面の画像の情報(読み取り光)を、光センサ形成面14までリレーする(結像する)ことができるため、ボケの少ない画像を取得することが容易に可能となる。
【0081】
ここで、被写界深度15は、光学素子9を構成する正立等倍レンズ12の開口角にて左右される。例えば、開口角の小さな正立等倍レンズ12の場合は、斜め光が大幅にカットされるために、被写界深度も大幅に大きくなる。このような被写界深度を大幅に大きくする機能を持つ正立等倍レンズアレイ(光学素子9)としては、屈折率分布型のロッドレンズ(セルフォック(登録商標)レンズ)から形成したレンズアレイ(セルフォック(登録商標)レンズアレイ)を使用することができる。また、特開2003−139918号公報(2003年5月14日公開)に見られるような、複数のレンズアレイプレートを組み合わせたレンズアレイでも同様の機能を有する正立等倍レンズアレイ(光学素子9)を構成することが可能である。
【0082】
なお、入出力一体型ディスプレイ8には、光透過性基板8b・8c、光センサ2、液晶層、電極、駆動素子等からなる液晶パネル8dを備える入出力一体型ディスプレイを使用することができる。図2の場合、入出力一体型ディスプレイ8として入出力一体型液晶ディスプレイを使用しているので、液晶パネル8dの裏面側(原稿から遠い側)には、バックライト16が設けられている。バックライト16は、表示時には液晶パネル8d用のバックライト光源(透過型表示用光源)として作用し、画像読み取り時には原稿面13の参照光源(原稿照射用光源)として作用する仕組みになっている。
【0083】
入出力一体型ディスプレイ8として、発光素子、例えばEL発光素子を備える入出力一体型ディスプレイを使用することもできる。もちろん、発光素子を備える入出力一体型ディスプレイの場合には、発光素子からの光(例えばEL発光)が表示光や原稿参照光の役割を果たすために、上述のバックライト16は不要である。
【0084】
本実施形態の構成においては、上記光学素子を設置状態と非設置状態との間で切り替える切り替え手段として、スライド機構(水平移動機構)が設けられている。図1に示す構成においては、筐体7における入出力一体型ディスプレイ8を露出させている部分(開口部)の側面(開口部を取り囲む4つの面のうちの対向する2つの面;図1における左右の2つの面)10には、スライド機構(水平移動機構)としての溝10a(図1では線として示しているが、実際には光学素子9の厚みと同程度の幅を有する溝)が、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aと略平行な方向(図1の上下方向)に沿って形成されている。また、上記光学素子9は、上記溝10aに遊嵌され(嵌めたものが動ける状態となるように嵌められ)ることで、筐体7の側面10に支持されながら、溝10a上を滑動(スライド)できるようになっている。これにより、光学素子9が、溝10aに沿って表示面上を滑動して画面外まで移動可能となっている。すなわち、光学素子9は、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aと略平行な方向(図1の上下方向)に沿って表示面8a上を滑動することで、表示面8a上に脱着可能、すなわち表示面8a上の位置と画面外の位置との間を往復可能となっている。なお、光学素子9が滑動(スライド)する方向は、画面外まで移動可能な方向であれば特に限定されない。
【0085】
なお、筐体7における入出力一体型ディスプレイ8を露出させている部分(開口部)の側面10に溝10aに代えてレールを設けると共に、レールに遊嵌する溝を光学素子9に設け、該レールに沿って、光学素子9が入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aと略平行な方向(図1の上下方向)に沿って滑動するようにしてもよい。
【0086】
上述したように、上記スライド機構(溝10a)は、光学素子9が、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aと平行な方向にスライドしうる仕組みになっている。それゆえ、画像入力装置を操作する人が、入出力一体型ディスプレイ8の表示画像を観察したいときは、光学素子9を表示面8a上から外して非設置状態にし、原稿の画像の読み取り(撮像)を行いたいときには、光学素子9を表示面8a上に設置するといった使い方が可能になる。つまり、画像入力装置を操作する人が、入出力一体型ディスプレイ8の動作モード(読み取りまたは表示)に応じて、上記スライド機構を利用して、光学素子9の状態(設置状態であるか非設置状態であるか)を任意に切り替えることができる。
【0087】
なお、使用者による光学素子9を上下に移動させる操作は、例えば、筐体7側面に光学素子9と連結された上下可動つまみ(図示しない)を設けておき、上下可動つまみを使用者が掴んで上下に動かす方法で実現できる。また、使用者が操作する代わりに、光学素子9を電動で移動させる方法などを採用してもよい。
【0088】
図4は、図1(a)(b)に示した画像入力装置のA−A’断面の模式図である。図4(a)は、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上に光学素子9が設置された設置状態(図1(b)に相当する)を示している。上記設置状態は、主に、画像の読み取りを行う形態である。
【0089】
筐体7の内部には、筐体7の開口部(後述する透明保護板20の部分)に形成された空隙3と、この空隙3に連通する空隙4が形成されている。空隙3には、入出力一体型ディスプレイ8と光学素子9とが収納されるようになっており、空隙4には、光学素子9が収納されるようになっている。そして、光学素子9は、図4に示すように、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aに略平行な方向に沿って、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上の空隙3から、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上から外れた空隙4へと移動可能になっている。
【0090】
図4(b)は、光学素子9を入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上から退避させた非設置状態(図1(a)に相当する)を示している。この状態では、光学素子9は、筐体7内の空隙4に内蔵される仕組みになっている。図4(b)のように光学素子9を入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上から退避させた状態では、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aは、画像入力装置本体表面(筐体7表面)から奥まった場所に位置している。上記非設置状態は、入出力一体型ディスプレイ8に表示されている画像を観察する形態である。
【0091】
なお、筐体7における入出力一体型ディスプレイ8を露出させている部分(開口部)の側面10に設けられた溝10a(又はレール)は、上記光学素子9とディスプレイ8の表面との距離L2を所定の距離Laに保つよう、正確に配置しておく必要がある。一方、光学素子9と原稿面13との距離L1についても、所定の距離Lbに保つ必要がある。ここで、距離La、距離Lbは、使用する光学素子9を構成するレンズ等の作動距離(焦点距離)であり、レンズ等の性能により決まるものである。また、距離L1、距離L2は、光学距離であり、その物理的距離は、途中に介在する媒体の屈折率により決まるものである。
【0092】
ここで、光学素子9と原稿面13との距離L1を所定の距離Laに維持するために、距離Laと同じ光学距離を有する厚みの透明なスペーサ(樹脂板,ガラス板など)を光学素子9上に設置することが好ましい。また、光学素子9と原稿面13との距離L1が所定の距離Laに合う位置に原稿が設置できるように、後述する図4(a)に示すように、上記の透明なスペーサとして透明保護板(樹脂板、ガラス板など)20を設置し、この透明保護板20の表面を原稿設置面(原稿を密着させる面)として使用することが好ましい。なお、上記透明保護板20は、そこに原稿を密着させやすいように、画像入力装置の筐体7表面と面一か画像入力装置の筐体7より僅かに表面側に突出した状態が好ましい。これにより、使用者が透明保護板20の表面に原稿を密着させるだけで、距離L1が所定の距離Laとなる位置に原稿を設置することができ、使いやすい。
【0093】
ところで、以上では、本実施形態における画像入力装置の使用方法として、表示時に光学素子9を表示面8a上から外す使用方法について説明したが、表示時も光学素子9を画面上に残すことが可能なようにしておく使用方法も可能である。この場合、観察者(使用者)は光学素子9を介して画面を観ることになる。つまり実際には、光学素子9の上側である観察者側に結像した正立像を観ることになる。
【0094】
この結果、光学素子9に使用しているレンズの開口角以外の光は観察者(使用者)に到達することが無く、光学素子9が視野角制限素子として作用することになり、プライバシーを重視する観察者(使用者)にとって有用となる。
【0095】
また、上述した図2に示す画像入力装置では、入出力一体型ディスプレイ8における表示パネル8dの裏面にバックライト16を備えていたが、画像読み取り時に、バックライト16から発せられた光は表示パネル8dと光学素子9とを介して原稿面13に到達するため、その過程で相当な光が損失される。このため、画像読み取り時には、専用の原稿参照光源を設置するほうが、光利用効率が向上する。図3は、原稿参照用光源として、光学素子9と原稿面13との間に、画像の読み取り時に原稿に光を照射するためのフロントライト(光源)19を設置した構成を示す。
【0096】
このフロントライト19は、導光板内を伝達する光が、前方(すなわち原稿面13側)に出射するように設計された平面光源である。この場合、上記フロントライト19を出射した光は表示パネルや光学素子9といった障害を介さずに、高効率に原稿面13を照射することができる。このため、図2で示した構成に比べると、画像読み取り時の光源の消費電力を大幅に低減することが可能になる。
【0097】
上記フロントライト19は、上記光学素子9と一体化するよう固定しておくとよい。これにより、光学素子9の状態変化と連動して、フロントライト19の状態を上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で任意に切り替えることができる。
【0098】
また、上記フロントライト19を、上記光学素子9と別々に移動できるように、上記フロントライト19を、設置状態と非設置状態との間で切り替える光源切り替え手段、例えば、側面10に形成された溝10a(又はレール)や、フロントライト19を移動させる駆動装置を設けてもよい。
【0099】
上記構成によれば、表示時に光学素子9およびフロントライト19の両方を画面上から外す使用方法だけでなく、表示時にフロントライト19だけを画面外に退避させ、光学素子9を画面上に残す使用方法で使用することが可能となる。これにより、観察者は光学素子9を介して画面を観ることになる(実際には、光学素子の上側である観察者側に結像した正立像を観ることになる)。この結果、光学素子9に使用しているレンズの開口角以外の光は観察者に到達することが無く、光学素子9が視野角制限素子として作用することになり、プライバシーを重視する観察者にとって有用である。
【0100】
なお、ここでは、光学素子9を設置状態と非設置状態との間で切り替える動作を使用者の操作により行うことが可能な形態について説明したが、本発明の画像入力装置は、光学素子9を設置状態と非設置状態との間で切り替える動作を自動的に行うようにしてもよい。例えば、入出力一体型ディスプレイ8の動作モード(読み取りまたは表示)を切り替えるモード切り替えスイッチと、入出力一体型ディスプレイ8の動作モードに応じて光学素子9を設置状態と非設置状態との間で移動させる駆動装置とを設けてもよい。また、光学素子9の状態(設置状態または非設置状態)の切り替えを指示する状態切り替えスイッチと、状態切り替えスイッチからの指示に応じて光学素子9を設置状態と非設置状態との間で移動させる駆動装置とを設けてもよい。
【0101】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図5および図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0102】
図5(a)は、本実施形態の画像入力装置において、入出力一体型ディスプレイの表示面上に光学素子が設置された設置状態を示し、図5(b)は、本実施形態の画像入力装置において、光学素子を入出力一体型ディスプレイの表示面上から退避させた非設置状態を示している。
【0103】
本実施形態の画像入力装置は、実施の形態1の画像入力装置に対して以下の改良を加えることで、より望ましい形態としたものである。即ち、本実施形態の画像入力装置では、図5に示すように、実施の形態1の画像入力装置の一部に光学素子9の位置を検出するセンサ31を内蔵させている。また、本実施形態の画像入力装置では、センサ31の検出結果に基づいて、光学素子9の位置が入出力一体型ディスプレイ8の表示面(画面)8a上である場合(表示面8a上に光学素子9を設置した場合)には自動的に入出力一体型ディスプレイ8の動作モードを読み取りモードに切り替え、逆に、光学素子9の位置が入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上でない場合(表示面8a上から光学素子9を外した場合)には、自動的に入出力一体型ディスプレイ8の動作モードを表示モードに切り替えるモード切り替え部を実施の形態1の画像入力装置に追加している。
【0104】
すなわち、本実施形態の画像入力装置は、図6に示すように、光学素子9(図5参照)の位置を検出するセンサ31と、センサ31の検出結果に基づいて原稿の画像の読み取りを行う読み取りモードと、画像を表示する表示モードとを自動的に切り替えるモード切り替え部(モード切り替え手段)32とを備え、光学素子9が設置状態と非設置状態との間で変化することに連動してモードの切り替えが行われるようになっている。
【0105】
入出力一体型ディスプレイ8は、実施の形態1では説明を省略したが、図6に示すように、原稿の画像の読み取りを行うための読み取り動作部33と、画像を表示するための表示動作部34とを備えている。読み取り動作部33は、複数の光センサや、これら光センサの出力信号を画像信号に変換する信号変換回路、フロントライト19(又はバックライト16)等からなる。表示動作部34は、液晶セルやEL素子等の画素を駆動するための駆動素子(TFT等)や、画像信号に基づいて駆動素子を駆動する駆動回路、バックライト16等からなる。入出力一体型ディスプレイ8は、読み取り動作部33を選択的に作動状態とする読み取りモードと、表示動作部34を選択的に作動状態とする表示モードとが切り替え可能となっている。
【0106】
本実施形態のモード切り替え部32は、光学素子9が設置状態であるときには、読み取り動作部33を選択的に作動状態とする読み取りモードに切り替え、光学素子9が非設置状態であるときには、表示動作部34を選択的に作動状態とする表示モードに切り替えるようになっている。
【0107】
なお、ここでは、センサ31の検出結果に基づいてモードの切り替えを行うモード切り替え部32を設けていたが、モード切り替え手段は、光学素子9が設置状態と非設置状態との間で変化することに連動してモードの切り替えを行うものであればよい。例えば、光学素子9を設置状態と非設置状態との間で切り替える動作を駆動装置で自動的に行うようにした場合、駆動装置の状態に応じてモードの切り替えを行うモード切り替え手段を設けてもよい。
【0108】
〔実施の形態3〕
本発明の画像入力装置のさらに他の実施形態について、図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1・2にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0109】
図7は、本実施形態の画像入力装置を示す模式的な断面図である。本実施形態の画像入力装置は、図7(b)に示すように、上述の実施の形態1の画像入力装置に入出力一体型ディスプレイ8をポップアップさせるポップアップ機構(ディスプレイ移動手段)21を付加した構成となっている。なお、図7(a)は、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上に光学素子9が設置された状態(図1(b)に相当する)を示している。主に、画像の読み取りを行う形態である。
【0110】
実施の形態1の画像入力装置では、光学素子9及び光学素子9に関連する光路長が数mmの厚みで必要となるため、光学素子9を単に図4(b)のように退避させた状態では、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aが画像入力装置の筐体7表面から奥まった場所に位置し、観察者(使用者)に違和感を与えてしまう。
【0111】
このため、本実施形態の画像入力装置では、図7(b)に示すように,光学素子9を退避させた場合に、入出力一体型ディスプレイ8を画像入力装置の筐体7表面に近づくようにポップアップするポップアップ機構21を設けて、より好ましい形態としている。すなわち、本実施形態の画像入力装置では、光学素子9の設置状態から非設置状態への状態変化に対応して、入出力一体型ディスプレイ8を観察者の視点(設計上、最も良好な表示が観察できる位置)に近づくように移動させるポップアップ機構21を設けている。ポップアップ機構21としては、板バネなどの動力源を必要としないものが好適であるが、動力源を使用したものであってもよい。
【0112】
これにより、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aが画像入力装置の筐体7表面から奥まった場所に位置することによる違和感を解消することができる。
【0113】
〔実施の形態4〕
本発明の画像入力装置のさらに他の実施形態について、図8および図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1〜3にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0114】
ここでは、代表例として折り畳み式の画像入力装置を示す。図8は、本実施の形態にかかわる画像入力装置を示す斜視図であり、図8(a)は蓋を開いた状態、図8(b)は蓋を閉じた状態を示す。また、図9は、図8に示した画像入力装置のB−B’断面を示す模式図であり、図9(a)は画像入力装置全体を示す断面図、図9(b)は画像入力装置の一部(図9(a)の破線で囲んだ部分)を示す部分断面図である。
【0115】
本画像入力装置は、図8に示すように、本体23と、蓋22と、蓋22を本体23の一辺に対して回動自在に連結する蝶番(切り替え手段、蓋切り替え手段)24とを備えている。
【0116】
本画像入力装置の本体23は、筐体23a内に入出力一体型ディスプレイ8を備えている。入出力一体型ディスプレイ8は、前述の実施の形態1と同様のものが使用できる。また、蓋22は、読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子9を備えており、光を透過するようになっている。蝶番24は、蓋22を回動可能に支持することで、蓋22を、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a(図9(a)参照)上に設置された設置状態(閉じた状態)と、上記表示面8a上から外された非設置状態(開いた状態)との間で切り替え可能としている。
【0117】
蓋22を開けているときには、観察者(使用者)は入出力一体型ディスプレイ8に表示されている画像を直接観察することができる。また、この画像入力装置は、蓋22を閉じているときには、蓋22の表面22Aに原稿を密着させることで、その原稿の画像を光学素子9を通して入出力一体型ディスプレイ8で読み取ることができる。
【0118】
ここで、本実施形態の特徴としては、本画像入力装置は、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a(すなわち撮像面;図9(a)参照)の外側に、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aを覆う蓋22が設けられており、その蓋22に光学素子9が内蔵されている点である。これにより、蓋22を開閉することで、光学素子を設置状態と非設置状態との間で切り替えることが可能となる。
【0119】
上記光学素子9を設ける主目的は、上記入出力一体型ディスプレイ8で撮像を行う場合に、撮像面に入射する光を絞る(すなわち斜め入射成分を制限する)ためである。この結果、被写体である原稿が完全拡散特性を有する紙であっても、上記光学素子9を通過する光は、光学素子9の開口角以内の光に制限されるため、読み取り画像がぼやけてしまうといった画像の劣化を低減することができる。すなわち、使用する光学素子9固有の被写界深度を確保することが可能になる。
【0120】
使用できる光学素子9としては、実施の形態1と同様であり、図9(b)に示すように、複数の正立等倍レンズ12からなる正立等倍レンズアレイが好ましい。さらに、正立等倍レンズ12と正立等倍レンズ12との隙間には、不要な斜め光を遮光するための遮光壁11が形成された正立等倍レンズアレイを用いることが好ましい。正立等倍レンズアレイは、原稿面13の像の情報を、光センサ形成面14までリレーすることができるため、原稿面13と光センサ形成面14とが離れていたとしても、ボケの少ない画像を取得することができる。
【0121】
ここで、被写界深度は、正立等倍レンズアレイを構成するレンズの開口角にて左右される。例えば、開口角の小さなレンズで構成された正立等倍レンズアレイの場合は、斜め光が大幅にカットされるために、被写界深度も大きくなる。このような正立等倍レンズアレイは、屈折率分布型のロッドレンズから形成することができる。また、複数のレンズアレイプレートを組み合わせたレンズアレイでも同様の機能を有する光学素子9を構成することが可能である。
【0122】
なお、入出力一体型ディスプレイ8には、図9に示すように、液晶パネル等の光変調型の表示パネル8dを使用することができ、この場合、液晶パネル等の表示パネル8dの裏面側(原稿から遠い側)には、バックライト16が設けられている。バックライト16は、表示時には液晶パネル等の表示パネル8d用のバックライト光源として作用し、画像読み取り時には原稿面13の参照光源として作用する仕組みになっている。もちろん、入出力一体型ディスプレイ8がEL発光素子等の発光素子を備える場合には、発光素子からの光(例えばEL発光)が表示光や原稿参照光の役割を果たすために、上述のバックライトは不要である。
【0123】
入出力一体型ディスプレイ8を覆う蓋22は、図9(a)に示すように、開口部を有する筐体22aを備えており、上述の光学素子9は、蓋22の筐体22aの開口部に組み込まれている。これにより、上記蓋22の開閉に応じて光学素子9を、表示面8a上へ設置した状態(設置状態)と表示面8a上から外した状態(非設置状態)との間で切り替えることができる。従って、画像入力装置を操作する人が入出力一体型ディスプレイ8の表示画像を観察したいときは、上記蓋22を開けて光学素子9を表示面8a上から外した状態(非設置状態)にし、原稿の画像の読み取り(撮像)を行いたいときには、上記蓋22を閉めて上記光学素子9を表示面8a上に設置した状態(設置状態)とするといった使い方が可能になる。つまり、入出力一体型ディスプレイ8の動作モード(読み取りまたは表示)に応じて、上記光学素子9を設置状態と非設置状態との間で任意に切り替えることができる。
【0124】
なお、上記光学素子9と入出力一体型ディスプレイ8の表面との距離L2を所定の値Lbに保つよう、正確に配置しておく必要がある。一方、光学素子9と原稿面13との距離L1についても、所定の距離Laを確保する必要がある。ここで、距離La、距離Lbは、光学素子9に使用するレンズの作動距離(焦点距離)であり、レンズの性能により決まるものである。また、距離L1、距離L2は、光学距離であり、その物理的距離は、途中に介在する媒体の屈折率により決まるものである。従って、蓋16の厚みは、上記距離Laと距離Lbとを見込んだ厚みに設計することが好ましい。すなわち、筐体22aの厚みは、光学素子9の厚みより、光学素子9の焦点距離に相当する厚さだけ厚く設定されている。
【0125】
そのため、蓋22は、光学素子9と原稿面13との距離L1を、上記光学素子9の焦点距離に合った距離Laに設定するための透明保護板(光透過性のスペーサ)20と、光学素子9と入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aとの距離L2を、上記光学素子9の焦点距離に合った距離Lbに設定するための透明保護板(光透過性のスペーサ)20とを備えていることが好ましい。この場合、光学素子9は、一対の透明保護板20・20によって挟持される。
【0126】
即ち、光学素子9と原稿面13との距離L1がLaの光学素子9を用いる場合、蓋22の表面22A(筐体22aの外側表面)から下方に距離Laだけ離れた位置に、すなわち蓋22の表面22A(筐体22aの外側表面)と光学素子9との間に距離Laの段差が形成されるように、光学素子9を設置することが好ましい。そして、その距離Laの段差を埋めるために、距離Laと同じ光学距離を有する厚みの透明保護板(光透過性のスペーサ:樹脂板、ガラス板など)20を光学素子9の表面上に設置することが好ましい。また、逆に、蓋22の裏面(筐体22aの内側表面)から上方に距離Lbだけ離れた位置に、すなわち蓋22の裏面(筐体22aの内側表面)と光学素子9との間に距離Lbの段差が形成されるように、光学素子9を設置することが好ましい。そして、その距離Lbの段差を埋めるために、距離L2と同じ光学距離を有する厚みの透明保護板(光透過性のスペーサ:樹脂板,ガラス板など)20を光学素子9の裏面上に設置することが好ましい。
【0127】
なお、上記透明保護板20は、そこに原稿を密着させやすいように、画像入力装置表面(筐体22a表面)と面一か、もしくは画像入力装置表面(筐体22a表面)より僅かに表面側(外側)に突出した状態が好ましい。これにより、使用者が透明保護板20の表面に原稿を密着させるだけで光学素子9からの距離L1がLaとなる位置に原稿を設置することができ、使いやすい。
【0128】
ところで、表示時も蓋22(即ち光学素子9)を入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上に残すことが可能なようにしておく使い方もできる。この場合、観察者は光学素子9を介して画面を観ることになる(実際には、光学素子9の上側である観察者側に結像した正立像を観ることになる)。
【0129】
この結果、光学素子9に使用しているレンズの開口角以外の光は観察者に到達することが無く,光学素子9が視野角制限素子として作用することになり,プライバシーを重視する観察者にとって有用となる。
【0130】
また、本実施形態においても、実施の形態2と同様に、画像入力装置の一部に上記蓋22の位置を検出するセンサを内蔵させると共に、表示面8a上に蓋22を設置した状態(閉状態)であるときには、入出力一体型ディスプレイ8の動作モードを自動的に読み取りモードに切り替え、逆に、表示面8a上から蓋22を外した場合(開状態)であるときには、入出力一体型ディスプレイ8の動作モードを自動的に表示モードに切り替えるモード切り替え部を設けることが望ましい。
【0131】
上述した図8、図9に示す画像入力装置では、表示パネル8dの裏面にバックライト16を備えていたが、画像読み取り時に、バックライト16から発せられた光は表示パネル8と光学素子9を介して原稿面13に到達するため、その過程で相当な光が損失される。このため、画像読み取り時には、専用の原稿参照光源を設置するほうが、光利用効率が向上する。そこで、実施の形態1の図3で示したように、原稿参照用光源として、光学素子9と原稿面13の間にフロントライト19を設置した構成を採用しても良い。このフロントライト19は、導光板内を伝達する光が、前方(すなわち原稿面側)に出射するように設計されたものである。この場合、上記フロントライト19を出射した光は表示パネル8や光学素子9といった障害を介さずに、高効率に原稿面13を照射することができる。このため、図8、図9に示す画像入力装置に比べると、画像読み取り時の光源の消費電力を大幅に低減することが可能になる。なお、上記フロントライト19は、図9の距離L1を埋める透明保護板(光透過性のスペーサ)20の部分に組み込むことができる。
【0132】
なお、ここでは、蓋22が回動する例について説明したが、蓋22を、実施の形態1のように入出力一体型ディスプレイ8の表示面8aに略平行な方向にスライドさせるようにしてもよい。また、ここでは、蓋22の開閉を使用者の操作により行うことが可能な形態について説明したが、蓋22の開閉を駆動装置により行うようにしてもよい。
【0133】
〔実施の形態5〕
上述した実施の形態1〜4では、入出力一体型ディスプレイ(パネル)8と、その上に設けられ、設置状態と非設置状態との間で任意に切り替えることが可能な光学素子9を備えた画像入力装置について説明したが、このような画像入力装置は、次のような応用も可能である。
【0134】
画像の読み取り時に入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上に光学素子9を設置する目的は、読み取り時の被写界深度を向上させるためである。一方、光学素子9の設置に伴う被写界深度の向上効果は、光利用効率のトレードオフを伴う。例えば、代表的な正立等倍レンズアレイの光利用効率(光伝達率)は、1〜5%程度である。
【0135】
そこで、画像読み取り時の被写界深度を大きくすることを重視したい場合には、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上に光学素子9を設置する。そして、光学素子9の設置に起因する光利用効率の低下については、読み出し時間を長く設定し時間的な積分によって補うようにすると良い。
【0136】
一方、画像読み取り時の被写界深度を重視しない場合には、入出力一体型ディスプレイ8の表示面8a上の光学素子9を非設置状態とする。そして、光学素子9を利用しない分だけ利用効率が良いために、高速で読み取るようにすると良い。
【0137】
本実施形態の画像入力装置は、画像の読み取りが可能な入出力一体型ディスプレイ8と、上記入出力一体型ディスプレイ8上への設置または非設置を使用者が任意に切り換えることができる光学素子9とを備え、上記光学素子9を上記入出力一体型ディスプレイ8上に設置した形態(A)と、上記光学素子9が上記入出力一体型ディスプレイ8上に設置されない形態(B)のどちらの状態でも画像を読み取ることができ、画像読み取り時の被写界深度が、上記形態(B)に比べて上記形態(A)の方が大きく、一方、画像の読み取りスピードは上記形態(A)に比べて上記形態(B)の方が速いことを特徴としている。
【0138】
すなわち、本実施形態の画像入力装置は、原稿の画像の読み取りを表示面(面)8aで行うことができる入出力一体型ディスプレイ(エリアセンサ)8と、上記表示面8a上に設置された場合に、上記表示面8a上から外された場合と比べて画像読み取り時の被写界深度を増大させる光学素子と、上記光学素子9を、上記表示面8a上に設置された設置状態と、上記表示面8a上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段、例えば溝10aと、画像の読み取り速度を変化させる読み取り速度制御手段とを備え、上記読み取り速度制御手段は、画像の読み取り速度を、上記設置状態に比べて上記非設置状態の方が速くなるように変化させることを特徴としている。
【0139】
これにより、使用者が、被写界深度または読み取り速度のどちらを重視するかに合わせて、被写界深度および読み取り速度および(使用形態)を切り換えることが可能な画像入力装置を実現することができる。
【0140】
なお、このような読み取りモードの使い分けは、入出力一体型ディスプレイと光学素子を組み合わせた場合に限らず、入力専用の画像読み取りパネル(即ち、読み取り専用のエリアセンサ)全般に広く応用できるものである。
【0141】
上述した実施の形態1〜5では、入出力一体型ディスプレイ8あるいは読み取り専用のエリアセンサと、その上に設けられ、設置または非設置を任意に切り換えることが可能な光学素子9を備えた画像入力装置について説明した。しかしながら、入出力一体型ディスプレイ8あるいは読み取り専用のエリアセンサへの光学素子9の設置形態は、これに限るものでは無く、光学素子9を設置状態と非設置状態との間で切り換えることができる形態であれば、本願の目的は達成される。例えば、入出力一体型ディスプレイ8あるいは読み取り専用のエリアセンサと、光学素子9を一体化せずに完全に独立させておき、必要な時にのみ光学素子9を入出力一体型ディスプレイ8あるいは読み取り専用のエリアセンサに装着できるようなアタッチメント機構(切り替え手段)を設けておく形態でも構わない。
【0142】
さらに、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0143】
【発明の効果】
本発明の画像入力装置は、以上のように、画像の表示と、被写体の画像の読み取りとを同一の画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイと、読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子と、上記光学素子を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段とを備える構成である。
【0144】
それゆえ、画像の読み取りを行う時の画像のボケを改善しつつ、かつ画像の表示を行う時にも上記光学素子により表示性能を損なうことがない。つまり、本発明は、画像の読み取り性能と表示の性能とを両立し得る入出力一体型の画像入力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0145】
本発明の画像入力装置は、以上のように、原稿の画像の読み取りを面で行うことができるエリアセンサと、上記面上に設置された場合に、上記面上から外された場合と比べて画像読み取り時の被写界深度を増大させる光学素子と、上記光学素子を、上記面上に設置された設置状態と、上記面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段と、画像の読み取り速度を変化させる読み取り速度制御手段とを備え、上記読み取り速度制御手段は、画像の読み取り速度を、上記設置状態に比べて上記非設置状態の方が速くなるように変化させる構成である。
【0146】
これにより、ぼけのない読み取り画像が得られるモードと、画像を高速で読み取ることができるモードとを使い分けることができる画像入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかわる画像入力装置を示した図であり、(a)は光学素子が非設置状態であるときの上記画像入力装置を示す図であり、(b)は光学素子が設置状態であることの上記画像入力装置を示す図である。
【図2】光学素子を設置した場合の図1における入出力一体型ディスプレイ部分の断面図である。
【図3】原稿参照用光源として、フロントライトを設置した入出力一体型ディスプレイ部分の断面図である。
【図4】図1に示した画像入力装置のA−A’断面の模式図であり、(a)は光学素子を画面上に設置した状態を示す図であり、(b)は光学素子を画面上から退避した状態を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態にかかわる画像入力装置の断面図であり、(a)は光学素子を画面上に設置した状態を示す図であり、(b)は光学素子を画面上から退避した状態を示す図である。
【図6】図5に示す画像入力装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態にかかわる画像入力装置の断面図であり、(a)は光学素子を画面上に設置した状態を示す図であり、(b)は光学素子を画面上から退避した状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態として、折り畳み式の画像入力装置を示す斜視図であり、(a)は、光学素子が非設置状態であるときの画像入力装置を示す図、(b)は、光学素子が設置状態であるときの画像入力装置を示す図である。
【図9】図8に示した画像入力装置のB−B’断面を示す模式図であり、(a)は全体を示す断面図、(b)は部分断面図である。
【図10】アクティブマトリクス基板にTFT素子と光センサ素子を備えた入出力一体型の液晶ディスプレイを示す図であり、(a)は原稿と光センサ基板との距離が近い場合、(b)は原稿と光センサ基板との距離が離れている場合を示す。
【符号の説明】
7 筐体
8 入出力一体型ディスプレイ(エリアセンサ)
8a 表示面(画面)
8d 表示パネル
9 光学素子
10a 溝(切り替え手段、スライド機構)
11 遮光壁
12 正立等倍レンズ(レンズ)
13 原稿面
16 バックライト
19 フロントライト(光源)
20 透明保護板(光透過性のスペーサ)
21 ポップアップ機構(ディスプレイ移動手段)
22 蓋
22a 筐体
24 蝶番(切り替え手段、蓋切り替え手段)
31 センサ
32 モード切り替え部(モード切り替え手段)
33 読み取り動作部
34 表示動作部

Claims (12)

  1. 画像の表示と、被写体の画像の読み取りとを同一の画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイと、
    読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子と、
    上記光学素子を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段と
    画像の読み取り時に原稿に光を照射するための光源とを備え
    上記光源は、光学素子と一体化するよう固定されていることを特徴とする画像入力装置。
  2. 画像の表示と、被写体の画像の読み取りとを同一の画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイと、
    読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子と、
    上記光学素子を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段と、
    画像の読み取り時に原稿に光を照射するための光源と、
    上記光源を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える光源切り替え手段とを備えることを特徴とする画像入力装置。
  3. 画像の表示と、被写体の画像の読み取りとを同一の画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイと、
    読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子と、
    上記光学素子を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段と、
    原稿の画像の読み取りを行う読み取りモードと、画像を表示する表示モードとを切り替えるモード切り替え手段とを備え、
    上記モード切り替え手段は、上記光学素子が設置状態と非設置状態との間で変化することに連動して、モードの切り替えを行うようになっていることを特徴とする画像入力装置。
  4. 画像の表示と、被写体の画像の読み取りとを同一の画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイと、
    読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子と、
    上記光学素子を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段と、
    上記光学素子の設置状態から非設置状態への状態変化に対応して、上記ディスプレイを観察者の視点に近づくように移動させるディスプレイ移動手段とを備えることを特徴とする画像入力装置。
  5. 画像の表示と、被写体の画像の読み取りとを同一の画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイと、
    読み取り画像の光の広がりを制限するための光学素子と、
    上記光学素子を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段と、
    上記画面を覆うための蓋とを備え、
    上記光学素子は、上記蓋に内蔵され、上記切り替え手段は、上記蓋を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える蓋切り替え手段であり、
    上記光学素子は、筺体の開口部に設けられ、上記筺体の厚みは、光学素子の焦点距離に 相当する厚さだけ光学素子の厚みより厚く設定されていることを特徴とする画像入力装置。
  6. 上記光学素子は、複数のレンズで構成された正立等倍レンズアレイであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像入力装置。
  7. 上記切り替え手段は、
    上記光学素子が画面上を滑動して画面上の位置と画面外の位置との間を往復できるように、上記光学素子を支持するスライド機構を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像入力装置。
  8. 上記画面を覆うための蓋をさらに備え、
    上記光学素子は、上記蓋に内蔵され、
    上記切り替え手段は、上記蓋を、上記画面上に設置された設置状態と、上記画面上から外された非設置状態との間で切り替える蓋切り替え手段であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像入力装置。
  9. 上記光学素子は、筺体の開口部に設けられ、
    上記光学素子が設置された部分の蓋表面が、上記筺体の表面と略面一になるように、上記光学素子上に光透過性のスペーサが設置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像入力装置。
  10. 原稿の画像の読み取りを面で行うことができるエリアセンサと、
    上記面上に設置された場合に、上記面上から外された場合と比べて画像読み取り時の被写界深度を増大させる光学素子と、
    上記光学素子を、上記面上に設置された設置状態と、上記面上から外された非設置状態との間で切り替える切り替え手段と、
    画像の読み取り速度を変化させる読み取り速度制御手段とを備え、
    上記読み取り速度制御手段は、画像の読み取り速度を、上記設置状態に比べて上記非設置状態の方が速くなるように変化させており、
    上記エリアセンサは、画像の表示と、原稿の画像の読み取りとを同一画面で行うことができる入出力一体型のディスプレイであることを特徴とする画像入力装置。
  11. 上記光学素子は、複数のレンズで構成された正立等倍レンズアレイであることを特徴とする請求項10に記載の画像入力装置。
  12. 上記正立等倍レンズアレイを構成するレンズとレンズとの隙間に形成された遮光壁をさらに含むことを特徴とする請求項6または11に記載の画像入力装置。
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