JP4210968B2 - 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物 - Google Patents
塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4210968B2 JP4210968B2 JP34212899A JP34212899A JP4210968B2 JP 4210968 B2 JP4210968 B2 JP 4210968B2 JP 34212899 A JP34212899 A JP 34212899A JP 34212899 A JP34212899 A JP 34212899A JP 4210968 B2 JP4210968 B2 JP 4210968B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chlorinated polypropylene
- resin composition
- butyl
- containing resin
- propionyloxy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のバンパーや家庭用電気製品等のポリプロピレン樹脂成形品の塗装に適した塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物に関するものである。特に、本発明は、塗料の光沢安定性(季節間での塗装品光沢差)、貯蔵安定性、耐候性に優れた塗料用塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軽量で耐衝撃性に優れるポリプロピレン樹脂は自動車のバンパーや家庭用電気製品等の成形品に広く用いられている。これらの成形品は装飾および保護を目的として表面に塗装を施すことが多く、この場合、アクリル樹脂等を塩素化ポリオレフィン等と混合して使用する方法が知られている。例えば、特開昭58−71966号公報、特公昭51−24316号公報および特公平2−3828号公報等には、ポリプロピレン樹脂成形品用の塗料の樹脂として、塩素化ポリプロピレンと(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸から選択した1種または2種以上の単量体混合物とからなる塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂を用いることが開示されている。
【0003】
しかしながら、これらの樹脂は塩素化ポリプロピレンを使用することに起因すると考えられる貯蔵安定性や耐候性が悪く、貯蔵中に粗大粒子が発生したり、樹脂がゲル化するため、貯蔵方法、適用分野にはかなりの制約があった。また、種々制約を設けたとしても必ずしも満足できる結果は得られなかった。
【0004】
さらに、貯蔵安定性や耐候性を改善するために、特願平8−184512号公報では、塩素化ポリプロピレンと、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸から選択した1種または2種以上の単量体混合物とからなる塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂に、酸化防止剤を配合してなる塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を用いることが提案されている。
【0005】
しかしながら、耐候性は改善されたものの、自動車のバンパーなどの外装部品用としては必ずしも満足できるレベルの結果は得られなかった。また、塗板作製時の季節間による常温乾燥温度差によって生ずる塗板の光沢差が課題として残っている。このため、この様な欠点を回避するためにポリプロピレン用塗料の研究が種々行われているが、未だ満足できるものは得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような問題点を改良した塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物であって、特に耐候性、貯蔵安定性、および光沢安定性が際だって優れた性能を有する塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するため、本発明は次のような構成からなるものである。
【0008】
すなわち、本発明の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物は、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂100重量%に対して、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを0.1〜10重量%配合してなる塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物であって、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂中における塩素化ポリプロピレンの割合が、5〜40重量%であり、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂が、塩素化ポリプロピレンと、(メタ)アクリル酸エステル不飽和単量体と、その他の共重合可能な不飽和単量体からなる塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物である。
【0009】
そして本発明においては、ここで用いられる塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂中における塩素化ポリプロピレンの割合が、5〜40重量%であり、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂が、塩素化ポリプロピレンと、(メタ)アクリル酸エステル不飽和単量体と、その他の共重合可能な不飽和単量体からなる。塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂中における(メタ)アクリル酸エステル不飽和単量体の割合が40〜94.5重量%であること、および不飽和単量体がα,β−不飽和カルボン酸からなることが、好ましい態様として含まれている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物は、基本成分として塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂とヒンダードアミン系光安定剤(HALS)からなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物は、基本成分として塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂と1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンからなる。
【0012】
また本発明において共重合成分として用いられる(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、およびアクリル酸イソボルニル等が挙げられ、これらの単量体を単独で使用、もしくは2種類以上の混合物として使用してもよい。
【0013】
また、本発明においてその他の共重合可能な不飽和単量体としては、スチレン、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸を指し、例えば、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート等があり、α,β−不飽和カルボン酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸および無水マレイン酸等があり、これらの単量体を単独で使用、もしくは2種類以上の混合物として使用してもよい。
【0014】
特に、α,β−不飽和カルボン酸を配合することにより、顔料分散性と密着性等が向上するため、配合することが好ましい。
【0015】
本発明の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物において、塩素化ポリプロピレンの割合は、5〜40重量%である。塩素化ポリプロピレンと、(メタ)アクリル酸エステルと、その他の共重合可能な不飽和単量体とからなる塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂100重量%が、塩素化ポリプロピレン5〜40重量%、(メタ)アクリル酸エステル40〜94.5重量%、その他の共重合可能な不飽和単量体0.5〜20重量%で構成されることが好ましい。詳しくは後述する常法に従い、塩素化ポリプロピレンの存在下に単量体混合物をラジカル重合することにより、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂を調製することができる。
【0016】
また、本発明の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物には、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが配合される。
【0017】
ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)は、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4、5]デカン−2,4−ジオンである。
【0018】
1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂に対して配合量は、好ましくは0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。配合量が少なすぎると、塗料の光沢安定性、貯蔵安定性、耐候性の改善効果が小さくなり、また多すぎると塗料の光沢安定性、貯蔵安定性、塗膜の耐水性低下傾向を示す。
【0019】
その他必要に応じて種々希釈溶剤、紫外線吸収剤などを配合することも可能である。
【0020】
次に本発明の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物の製造方法の一例について説明する。
【0021】
まず、塩素化ポリプロピレンの存在下に、重合開始剤としてα,α’−アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系重合開始剤、過酸化ベンゾイル、t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物を用い、重合温度50〜120℃で、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤を重合溶剤とし、(メタ)アクリル酸エステル、その他の共重合可能な不飽和単量体の単量体混合物を溶液重合することにより、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂を作製する。
【0022】
次いで、得られた塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂に、所定量の1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを添加し、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が均一に溶解するまで攪拌、混合することにより塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を得る。
【0023】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
なお、各実施例中の各測定、判定および評価は、次の方法により行なう。
【0025】
(1)貯蔵安定性
塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を容積100mlの無色透明なガラス瓶に30ml取り、密栓して次の条件下で静置した後の樹脂の粒度および状態について調べる。
【0026】
条件A:室温で30日静置
条件B:5℃で10日静置
条件C:−5℃で4時間保存、30℃で4時間保存を1サイクルとする熱冷サイクル試験器中に静置させ、7サイクル繰り返す。
【0027】
a.粒度
ツブゲージを使用し、JIS K−5400に従って測定する。実施例中、粒度の合格基準は50μm以下とする。
【0028】
b.状態
ガラス瓶中での樹脂の流動状態を肉眼で観察する。このとき、試験前と比べ変化が見られず、流動性が良好でゲル状粒子がないものを○、流動性が良好であるがゲル状粒子が確認されるものを△、樹脂全体がゲル状態のものを×とし、○、△を合格基準とする。
【0029】
(2)耐水性
80℃で30分間乾燥した後、室温で7日間さらに乾燥した塗膜を40℃の温水中に3日間浸漬し、塗膜の劣化状態を観察する。このとき、塗膜が白化、ブリスター等の発生が見られず変化のないものを○、塗膜がやや白化し小さいブリスターが発生するものを△、塗膜が白化、ブリスターが発生するものを×とし、○、△を合格基準とする。
【0030】
(3)耐候性
80℃で30分間乾燥した後、室温で7日間さらに乾燥した塗膜を使用し、JIS K−5400に従い、サンシャインウェザーメーターで1,000時間、促進耐候性試験を行なった。光沢保持率(%)の数値が高いほど、また色差(ΔE)の値が小さいほど耐候性は優れている。光沢保持率80%以上、色差ΔEが0.5以下を合格基準とする。
【0031】
(4)光沢安定性
5℃、30℃に調整した、塗料、塗板、塗装器具を用いて塗装し、それぞれ5℃、30℃で乾燥した塗板の光沢差の数値が0に近いほど光沢安定性は優れている。光沢差±5以下を合格基準とする。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、モノマー滴下装置、および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、塩素化ポリプロピレン“ハードレン14LLB”(東洋化成(株)製、有効成分15%、塩素含有量27%)300gとトルエン5gを仕込み93℃に昇温した。モノマー滴下装置に、メタクリル酸メチル139.6g、メタクリル酸イソボルニル14g、およびメタクリル酸1.4g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.0gを仕込み、均一に混合した後、フラスコ内に3時間かけて滴下した(重量割合:23/78)。
【0033】
モノマー混合溶液を滴下終了後、60分後から、30分毎にアゾビスイソブチルニトリル0.4g、メチルイソブチルケトン4gの混合物を、4回にわたり添加する。その後、1時間重合を継続した後、メチルイソブチルケトン44gを投入して50℃まで冷却して重合を終了させることにより、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂を得た。
【0034】
次に、得られた塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂に、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを2重量%配合することにより塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を製造した。
【0035】
次に、容積100mlの無色透明なガラス瓶に、得られた塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を30ml取り、密栓して各条件下で静置した後の樹脂の貯蔵安定性(粒度、状態)について調べた。結果を表1に示す。
【0036】
さらに、得られた塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物をトルエン/酢酸ブチル/アノン=60/20/20(重量%)の混合溶液で希釈し、JIS K−5400に従いフォードカップ#4で15秒になるように塗料粘度を調整した。
【0037】
塗料粘度を調整したそれぞれの塗料を、イソプロピルアルコールで塗装面を清浄にしたポリプロピレンTSOP(三菱化学製)のテストパネル上に、エアスプレーで塗膜厚が30
μmとなるように塗装し、耐ガソリン性、耐水性、耐候性、および光沢安定性について調べた。結果を表2に示す。
【0038】
(実施例2)
配合する1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを、7重量%配合したこと以外は、実施例1と同様の樹脂を用い、同様の3条件下で保存を行ない貯蔵安定性について調べた。結果を表1に示す。
【0039】
さらに実施例1と同様に塗板を作製し、耐ガソリン性、耐水性、耐候性、および光沢安定性について調べた。結果を表2に示す。
【0040】
(実施例3)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、モノマー滴下装置、および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、塩素化ポリプロピレン“ハードレン14LLB”(東洋化成(株)製、有効成分15%、塩素含有量27%)300gとトルエン5gを仕込み93℃に昇温した。モノマー滴下装置に、メタクリル酸メチル145.4g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8.2g、メタクリル酸1.4g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.0gを仕込み、均一に混合した後、フラスコ内に3時間かけて滴下した(重量割合:23/78)。
【0041】
モノマー混合溶液を滴下終了後、60分後から、30分毎にアゾビスイソブチルニトリル0.4g、メチルイソブチルケトン4gの混合物を4回にわたり添加した。その後、1時間重合を継続した後、メチルイソブチルケトン38gを投入して50℃まで冷却して重合を終了させることにより、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂を得た。
【0042】
得られた塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂に、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを2重量%配合することにより塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を製造した。得られた塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を用い、実施例1と同様の3条件下で保存を行ない、貯蔵安定性について調べた。結果を表1に示す。
【0043】
さらに実施例1と同様に塗板を作製し、耐ガソリン性、耐水性、耐候性、および光沢安定性について調べた。結果を表2に示す。
【0044】
(実施例4)
実施例1の塩素化ポリプロピレン“ハードレン14LLB”(東洋化成(株)製、有効成分15%、塩素含有量27%)とメタクリル酸メチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸の重量割合を、35/65にしたこと以外は実施例1と同様にして塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物を製造した。この樹脂を用い、同様の3条件下で保存を行ない、貯蔵安定性について調べた。結果を表1に示す。
【0045】
さらに実施例1と同様に塗板を作製し、耐ガソリン性、耐水性、耐候性、および光沢安定性について調べた。結果を表2に示す。
【0046】
(比較例1)
塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂に、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを配合しないこと以外は、実施例1と同様の樹脂を用いて、実施例1と同様の3条件下で保存を行ない、貯蔵安定性について調べた。結果を表1に示す。
【0047】
さらに実施例1と同様に塗板を作製し、耐ガソリン性、耐水性、耐候性、および光沢安定性について調べた。結果を表2に示す。
【0048】
(比較例2)
塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂に、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを20重量%配合する以外は、実施例1と同様の樹脂を用いて、実施例1と同様の3条件下で保存を行い貯蔵安定性について調べた。結果を表1に示す。
【0049】
さらに実施例1と同様に塗板を作製し、耐ガソリン性、耐水性、耐候性、および光沢安定性について調べた。結果を表2に示す。
【0050】
(比較例3)
塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂にビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバゲートを2重量%配合する以外は実施例1と同様の樹脂を用いて、実施例1と同様の3条件下で保存を行い貯蔵安定性について調べた。結果を表1に示す。
【0051】
さらに実施例1と同様に塗板を作製し、耐ガソリン性、耐水性、耐候性、光沢安定性について調べた。結果を表2に示す。
【0052】
(実施例5)
実施例3の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物100gに、ポリイソシアネート化合物“スミジュールN−75”(住友バイエルウレタン(株)製)6.2g(NCO/OH=0.8)を加え、均一になるまでよく攪拌・混合した。これをトルエン/酢酸ブチル/アノン=60/20/20(重量%)の混合溶剤で希釈し、JIS K−5400に従いフォードカップ#4で15秒になるように塗料粘度を調整した。この塗料を、イソプロピルアルコールで塗装面を清浄にしたポリプロピレンTSOP(三菱化学製)のテストパネル上に、エアスプレーで塗膜厚が30μmとなるように塗装し、耐ガソリン性、耐水性、耐候性、および光沢安定性について調べた。結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、特に耐候性、貯蔵安定性、および光沢安定性が際だって優れた性能を有する塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物が得られる。
Claims (3)
- 塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂100重量%に対して、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを0.1〜10重量%配合してなる塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物であって、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂中における塩素化ポリプロピレンの割合が、5〜40重量%であり、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂が、塩素化ポリプロピレンと、(メタ)アクリル酸エステル不飽和単量体と、その他の共重合可能な不飽和単量体からなる塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物。
- 塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂中における(メタ)アクリル酸エステル不飽和単量体の割合が、40〜94.5重量%である請求項1記載の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物。
- 不飽和単量体がα,β−不飽和カルボン酸からなる請求項1または2に記載の塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34212899A JP4210968B2 (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34212899A JP4210968B2 (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001151977A JP2001151977A (ja) | 2001-06-05 |
JP4210968B2 true JP4210968B2 (ja) | 2009-01-21 |
Family
ID=18351354
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34212899A Expired - Fee Related JP4210968B2 (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4210968B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004018177A1 (ja) * | 2002-08-23 | 2004-03-04 | Mitsui Chemicals, Inc. | 金型内被覆成形体およびその製造方法 |
EP1640390B1 (en) * | 2003-06-26 | 2011-11-09 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Modified polyolefin resin and composition |
KR100575115B1 (ko) | 2005-01-07 | 2006-04-28 | 해동화학(주) | 폴리프로필렌과 염소화폴리프로필렌 블랜드의 표면 개질체및 그의 제조방법 |
CN109280133B (zh) * | 2018-09-06 | 2021-04-30 | 中国海洋石油集团有限公司 | 一种聚烯烃基材用丙烯酸改性氯化聚丙烯树脂及其制备方法 |
CN109293839B (zh) * | 2018-09-06 | 2021-03-09 | 中国海洋石油集团有限公司 | 具有优异耐水煮性能的氯化聚丙烯改性水性丙烯酸树脂及其制备方法、涂料 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH059428A (ja) * | 1991-07-05 | 1993-01-19 | Dainippon Ink & Chem Inc | 塗料用組成物 |
JP3148014B2 (ja) * | 1992-09-25 | 2001-03-19 | 宇部興産株式会社 | 塗装バンパー用ポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP3242177B2 (ja) * | 1993-01-25 | 2001-12-25 | 三菱レイヨン株式会社 | 塗料用樹脂 |
JP3326445B2 (ja) * | 1993-09-10 | 2002-09-24 | 日産自動車株式会社 | 熱硬化型塗料組成物及び塗装体 |
JPH087790A (ja) * | 1994-06-24 | 1996-01-12 | Toshiba Corp | カラー受像管装置 |
JP3395439B2 (ja) * | 1995-03-01 | 2003-04-14 | 豊田合成株式会社 | 樹脂成形体 |
JPH1030040A (ja) * | 1996-07-15 | 1998-02-03 | Toray Ind Inc | 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物 |
JP3056427B2 (ja) * | 1996-10-17 | 2000-06-26 | 旭化成工業株式会社 | 高耐久性エマルジョン |
JPH10130568A (ja) * | 1996-10-29 | 1998-05-19 | Toray Ind Inc | 耐候性アクリル樹脂組成物 |
JP3363332B2 (ja) * | 1996-11-28 | 2003-01-08 | 本田技研工業株式会社 | ポリオレフィン用プライマー組成物 |
JPH1180485A (ja) * | 1997-07-17 | 1999-03-26 | Toray Ind Inc | アクリルエマルジョン組成物 |
-
1999
- 1999-12-01 JP JP34212899A patent/JP4210968B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001151977A (ja) | 2001-06-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2952972C (en) | Sequentially polymerized hybrid latex | |
US7807739B2 (en) | Aqueous emulsion polymer | |
JP4210968B2 (ja) | 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物 | |
AU2019221451B2 (en) | Scuff resistant and chip resistant architectural compositions | |
JP2000086968A (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JPS62187749A (ja) | 架橋性樹脂組成物 | |
JPH1030040A (ja) | 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物 | |
JP2004018792A (ja) | 酸無水物基含有アクリル共重合体の製造方法 | |
JP3204462B2 (ja) | 艶消し塗料用樹脂の製造法 | |
JP2000080324A (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JP3242713B2 (ja) | 艶消し塗料用樹脂の製造法 | |
JP3014196B2 (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JP2001213922A (ja) | 変性塩素化ポリオレフィン系エマルジョン組成物 | |
JP3741451B2 (ja) | 粉体塗料組成物 | |
JPS5832661A (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JPH0362190B2 (ja) | ||
JPH10120966A (ja) | 熱硬化被覆組成物 | |
WO2020255843A1 (ja) | ポリオレフィン変性アクリル樹脂、塗料及び該塗料で塗装されたプラスチック成形品 | |
JP3204468B2 (ja) | 艶消し塗料用樹脂の製造法 | |
JPS5953305B2 (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JP2502047B2 (ja) | 艶消し塗料用樹脂の製造法 | |
JP2001172550A (ja) | 加熱硬化型塗料用組成物 | |
JP3978738B2 (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JP2000044867A (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
CA1312164C (en) | Thermoset acrylic coatings having improved gloss retention |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050426 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050426 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080715 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080828 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081014 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081016 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4210968 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141107 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |