JP4298556B2 - 透明ガスバリアフィルム - Google Patents
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Description
「自発光であるために視野角依存性が少ない。」、
「応答速度が非常に早いので動画表示に適している。」、
「製造プロセスが単純であるために低コスト化が可能である。」
などの理由から次世代のディスプレイとして注目が高まっている。また、有機ELディスプレイは構造が簡単であるために非常に薄く、軽くできることが魅力の一つである。一方では従来の有機ELディスプレイは、ガラスを基板とした物が多く、形状設計の自由度という点では制限があった。このような視点から今まで用いられてきたガラス基板をプラスチック基板に置き換え、フレキシブル化を図る試みがなされている。ただ、ガラスに比してプラスチックは一般的に酸素、水蒸気透過性が高く、一方で有機EL素子は、酸素、水蒸気によって劣化しやすいという傾向がある。このためガスバリア性に優れたプラスチックフィルムが求められている。
1)透明樹脂基材(A)と、
3級炭素を有する置換基および/または炭素−炭素多重結合を有する置換基を含む有機樹脂層(B)と、無機薄膜層(C)とが、(A)/(B)/(C)の順の積層構造を持ち、
有機樹脂層(B)の無機薄膜層(C)側表面が親水化処理され、かつ無機薄膜層(C)側表面の1μm四方の平均粗さ(Ra)が0.7nm以下、最大粗さ(Ry)が7nm以下である透明ガスバリアフィルムであり、
2)好ましくは前記有機樹脂層(B)が、アクリレート樹脂および/またはメタクリレート樹脂を含む有機樹脂層(B1)であることを特徴とする透明ガスバリアフィルムであり、
3)好ましくは有機樹脂層(B)の無機薄膜層(C)側表面の、水との接触角の親水化処理前後での差が、30°以上であることを特徴とする透明ガスバリアフィルムであり、
4)好ましくは無機薄膜層(C)が少なくともインジウムの酸化物を含む透明ガスバリアフィルムであり、
5)上記の透明ガスバリアフィルムを用いたディスプレイ用光学素子、である。
<透明樹脂基材(A)>
本発明にかかる透明樹脂基材(A)としては、透明性を有するフィルムであれば特に制限はない。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエステル、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアセテート、ポリアミド、ポリ4−メチル1−ペンテン、セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリロニトリル系樹脂、フェノール樹脂、フェニレンオキサイド系樹脂、環状ポリオレフィン等の透明性を有する樹脂からなるフィルムを例示できる。
本発明にかかる有機樹脂層(B)は、炭素、水素の他、必要に応じて酸素、窒素、硫黄等の所謂ヘテロ原子により構成される。本発明に係る有機樹脂層(B)は、吸水率が低いことが好ましいので、ヘテロ原子は少ないことが好ましい、一方で、前記の基材(A)がPETなど、ヘテロ原子を有する物を用いる場合は、基材(A)と有機樹脂層(B)との密着性を高めるためにヘテロ原子を含む有機樹脂層(B)とすることが好ましい。
本発明にかかる有機樹脂層(B)の表面親水化処理としては、例えばラジカル発生を伴う公知の方法を制限なく用いることができる。好ましい例としては、酸素などのガスの存在下に、プラズマ放電を行うプラズマ処理を挙げることが出来る方法。この方法では、樹脂表面に選択的にラジカルが発生し、発生したラジカル部分と酸素との結合により極性の高いヒドロキシル基やカルボキシル基が生成する。処理時間と電力においては特に制限はないが、著しく大きな電力量で処理した場合、表面の劣化と粗さの増大を引き起こすため、電力量は好ましくは1kJ〜10kJであり、特に好ましくは2kJ〜5kJである。
本発明にかかる無機薄膜層(C)に関しては、透明でガスバリア性を有する物であれば特に制限はないが、例えば、珪素、インジウム、錫、亜鉛、セリウム、チタン、アルミニウム等の一種類以上の金属を含む酸化物、もしくは窒化物、もしくは酸化窒化物などを用いることができる。具体的な例として、窒化珪素薄膜や酸化窒化珪素薄膜、酸化インジウムやインジウムとすずと酸素とからなるITO薄膜等のインジウムを含む酸化物薄膜が好ましく、特にはインジウムを含む酸化物薄膜が好ましい。また、可視光域における透明性、かつ所望のガスバリア性能を満たす範囲内であれば、これら無機薄膜に水素や炭素等が含有されていても、なんら本発明を阻害するものではない。
本発明において、必要に応じて用いることが出来る粘着剤層(D)は、透明樹脂基材(A)に有機樹脂層(B)、無機薄膜層(C)を積層した透明ガスバリアフィルムを複数枚貼り合せたり、透明樹脂基材(A)、有機樹脂層(B)、無機薄膜層(C)の他に後述する機能性透明層(E)を積層する場合等に、必要に応じて用いられる。
本発明において、必要に応じて用いることが出来る機能性透明層(E)としては、防眩層やハードコート層、防汚層、帯電防止層、調色層、反射防止層、光取り出し効率向上層等が採用できる。これらの層は上記の透明ガスバリアフィルムの一方の面もしくは両面、もしくは内部に用いることができる。また本発明で用いられる有機樹脂層(B)もしく粘着剤層(D)に無機微粒子等の適当な添加剤を加えたものを機能性透明層(E)とすることもできる。
本発明の透明ガスバリアフィルムは、上記の透明樹脂基材(A)と、有機樹脂層(B)と、無機薄膜層(C)とが、(A)/(B)/(C)の順の積層構造を有することを特徴とする。図1は本発明の透明ガスバリアフィルムの構成の一例を示す断面図である。図1で示される透明ガスバリアフィルムは、例えば下記のような方法で製造することが出来る。PET等の透明プラスチックフィルム10上に、有機樹脂層11としてアクリルウレタン樹脂等をスピンコートした後、紫外線(UV)で硬化させる。この有機樹脂層11表面を酸素存在下のプラズマ処理で親水化させる。最後にITO等の無機薄膜層12を真空成膜法などで形成する。
下記のように、図1と同様の構成のガスバリアフィルムを作製した。
(1)有機樹脂層の塗布、硬化
厚みが125μmのPETフィルム(帝人・デュポン(株)社製)上に、アクリルウレタン系UV硬化樹脂(三井化学(株)製 商品名RA1353)100質量部に対しベンジルメタクリレート20質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ製 イルガキュアー184)を4質量部を加え、酢酸ブチルで5倍に希釈した溶液をスピンコート(2000rpm、10秒)により厚み1μmとなるように塗布した。塗布したフィルムを60℃、80℃、120℃でそれぞれ一時間ずつ乾燥後、1000mJ/cmでUV照射を行い、プラスチック上に硬化樹脂層形成した。
(1)で得られた積層フィルムを酸素プラズマ処理(100W、酸素分圧10mTorr、30秒)し、表面親水化を行った。
(2)で得られた積層フィルムの親水化された硬化樹脂層表面に直流マグネトロンスパッタリング法(アルゴンガス分圧:2mTorr)によってITO薄膜層を膜厚75nmとなるように形成し、透明ガスバリアフィルムを得た。
得られた透明ガスバリアフィルムの性能は、後述する方法で評価した。
ベンジルメタクリレートに換えてtert-ブチルアクリレート20質量部を用いた他は実施例1と同様にして透明ガスバリアフィルムを作製し、評価を行った。
比較例1
アクリルウレタン系UV硬化樹脂(三井化学(株)製 商品名RA1353)とベンジルメタクリレートの代わりにジペンタエリスリトールペンタアクリレートを100重量部用いた以外は実施例1と同様に透明ガスバリアフィルムを作製し、評価を行った。
硬化樹脂層を形成せず、PETフィルムに直接ITO薄膜層を形成した以外は実施例1と同様にして透明ガスバリアフィルムを作製し、評価を行った。
上記の実施例、比較例で作製した透明ガスバリアフィルムを以下の方法で評価した。それぞれの結果を表1にまとめた。
実施例1,2、および比較例1において、硬化樹脂層表面と水との接触角を、酸素プラズマ処理前と後に協和界面科学社製固体表面エナジー測定装置を用いて測定した。
上記の実施例および比較例で作製した透明ガスバリアフィルムのITO層側表面の任意の3箇所(1μm×1μm)の平均粗さ(Ra)と最大粗さ(Ry)を原子間力顕微鏡(AFM:Nanoscope III デジタルインスツルメンツ社製)を用いて測定した。
モダンコントロール社製PERMATRAN−W600により、温度40℃、相対湿度100%における透湿度測定を行った。本測定の測定限界は0.02g/day/m2である。
条件1:得られた透明ガスパリアフィルムを20mmφのステンレス棒に沿って180°の角度で10回屈曲した後、上記の透湿度測定を行うことで、耐屈曲性を評価した。
条件2:ステンレス棒の径を10mmφとした以外は条件1と同様とした。
実施例1,2、および比較例1における硬化樹脂と同様の樹脂で5×5cm、厚さ3mmの硬化樹脂シートを作製し、JIS−K7209に従って吸水率の試験を行った。硬化樹脂シートはプラズマ処理しなかった。
11 有機樹脂層
12 無機薄膜層
Claims (5)
- 透明樹脂基材(A)と、
t−ブチル基またはベンジル基を含む有機樹脂層(B)と、無機薄膜層(C)とが、(A)/(B)/(C)の順の積層構造を持ち、
有機樹脂層(B)の無機薄膜層(C)側表面が親水化処理され、かつ無機薄膜層(C)側表面の1μm四方の平均粗さ(Ra)が0.7nm以下、最大粗さ(Ry)が7nm以下である透明ガスバリアフィルム。 - 前記有機樹脂層(B)が、アクリレート樹脂および/またはメタクリレート樹脂を含む有機樹脂層(B1)であることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリアフィルム。
- 有機樹脂層(B)の無機薄膜層(C)側表面の、水との接触角の親水化処理前後での差が、30°以上であることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリアフィルム。
- 無機薄膜層(C)が少なくともインジウムの酸化物を含む請求項1に記載の透明ガスバリアフィルム。
- 請求項1に記載した透明ガスバリアフィルムを用いたディスプレイ用光学素子。
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