JP2000187102A - 反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルム - Google Patents
反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルムInfo
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Abstract
ドコート層を備えた多層構成により、ディスプレイへの
太陽光および蛍光灯等の外部光の映り込みを防止し、優
れた反射防止性を発揮するのは勿論のこと、反射防止材
料を構成する各層の強度が高く耐摩耗性に優れ、タッチ
パネル等に用いても耐久性のある反射防止材料と偏光フ
ィルムとを提供する。 【解決手段】 透明基体の片面もしくは両面に、直接ま
たは他の層を介して、ハードコート層を設け、このハー
ドコート層の表面にハードコート層の屈折率よりも低い
屈折率を有する表面層を設ける。このハードコート層に
は、少なくともフルオレン骨格を有する(メタ)アクリ
レート化合物を重合成分とした重合体を含有する。
Description
(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CR
T、EL等の画像表示体等に好適に用いられ、特に、画
像部の防汚性、反射防止、耐薬品性、耐摩耗性に優れた
反射防止材料およびそれを使用した偏光フィルムに関す
る。
れる画像表示装置(以下、これを「ディスプレイ」とい
う。)は、テレビやコンピューターを始めとして、様々
な分野で繁用されており、目覚ましい発展を遂げてい
る。最近は、携帯電話、PHS、その他各種携帯端末分
野への普及に期待が集まっている。
量、コンパクト、汎用性等の特徴を有するLCDが市場
を独占するものと考えられているが、これらの携帯端末
にはタッチパネルを搭載し、プラスチックのペンや指で
直接触れて操作するものが主流になってきている。その
ため、ディスプレイ表面への耐摩耗性、耐薬品性、汚れ
防止に対する要求が高まっている。また、これらの機器
を屋外での使用も含めた比較的明るいところで使用する
場合の太陽光や蛍光灯等の外部光のディスプレイへの映
り込みを防止すること、すなわち反射防止に対する要求
も強くなっている。これらの要求は、現在、携帯端末機
器に限らず、小型から大型に至る様々なディスプレイに
波及している。
め、ディスプレイの表面に屈折率の高い層を積層し、こ
の上に屈折率の低い層を積層した多層構成を形成するこ
とにより、ディスプレイの最表面の反射率を抑える方法
が開発された。屈折率の低い層の材料としてはMgFや
SiO2など、屈折率が高い層の材料としてはTi
O2、ZrO2などが挙げられ、通常これらの材料は蒸
着やスパッタリングなどの気相法や、ゾルゲル法等によ
り積層される。しかしながら、気相法は、加工装置が高
価で、大面積の加工に向かず、ゾルゲル法は塗布、焼成
を繰り返すため経済性に問題があった。また、成膜方法
としては、ウェットコーティング法で膜形成する提案も
なされているが、特性上必要な10nmオーダーでの膜
厚コントロールが現状不充分で、色ムラ(干渉ムラ)等
の問題があった。
ような透明基体上に、ペンや指で直接触れて操作するタ
ッチパネルなどを設け、この表面に上記で述べたような
反射防止層を設けた反射防止フィルムを貼り合わせて使
用するような場合は、高度の耐摩耗性、耐薬品性、汚れ
防止が要求される。通常、これらの特性を満足するため
に、前記反射防止層には、ハードコート層が設けられて
いる。反射防止フィルムの反射防止特性を良くするため
には、このハードコート層も屈折率制御する必要があ
る。
折率化し、その上にハードコート層より低い屈折率の層
を設けることが必要となるが、ハードコート層の高屈折
率化と反射防止フィルムとしての耐摩耗性や耐薬品性等
の耐久性を満足することは非常に困難である。
常、透明な熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、放射線硬化型
樹脂などが用いられている。また、必要に応じてこれら
の樹脂に、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進
剤、溶剤、粘度調整剤等が加えられている。ハードコー
ト層の屈折率を高くするためには、高い屈折率を有する
超微粒子をフィラーとしてバインダー樹脂に添加するこ
とによって行うか、高屈折率を持つバインダー樹脂を使
用するか、またはこれらを併用することによって行われ
ている。しかしながら、より高い屈折率をめざしフィラ
ーの含有量を多くすると、ハードコート層の硬さが低下
するため、耐久性に問題が生じる。よって、この場合、
フィラーの含有量が少なくて済み、かつ、高い屈折率を
持つバインダー樹脂を用いることが望まれる。
F以外のハロゲン原子や芳香族環、または、S、N、P
原子等の高屈折率成分を含む樹脂が挙げられる。しかし
ながら、上記の樹脂は、屈折率が高くなる反面、塗料中
での安定性に問題があり、さらに、脆くなり易く、耐擦
傷性、耐光性、着色等においても問題がある。したがっ
て、現時点では高屈折率と耐久性を共に満足するハード
コート層形成材料として好適なものは提供されていない
のが実情である。
に鑑みてなされたもので、高屈折率を有し、かつ、耐久
性に優れたハードコート層を備えた多層構成により、デ
ィスプレイへの太陽光および蛍光灯等の外部光の映り込
みを防止し、優れた反射防止性を発揮し、かつ、画像コ
ントラストを低下させることなく、ギラツキ等のない鮮
明な画像を得ることができ、光学的に安定で優れた耐薬
品性を示すのは勿論のこと、反射防止材料を構成する各
層の強度が高く耐摩耗性に優れ、タッチパネル等に用い
ても耐久性のある反射防止材料を提供することを目的と
している。また、本発明は、上記反射防止材料を使用し
た偏光フィルムを提供することも目的としており、これ
により、特に、フルカラー液晶ディスプレイ等の性能を
大幅に向上させることを目的としている。
容 本発明者は、ハードコート層の屈折率と層の強度とを共
に高めるために、ハードコート層の主たる成分となる樹
脂について検討を重ねた結果、樹脂に含有させる成分に
フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を
重合成分として用いると極めて効果的であることを見出
した。よって、本発明の反射防止材料は、上記知見に基
づいてなされたもので、透明基体の片面もしくは両面
に、直接または他の層を介して、ハードコート層を設
け、このハードコート層の表面にハードコート層の屈折
率よりも低い屈折率を有する表面層を設けた反射防止材
料において、ハードコート層は、少なくともフルオレン
骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を重合成分と
した重合体を含有することを特徴としている。以下、本
発明のより好適な実施の形態について詳細に説明する。
知の透明なフィルム、ガラス等を使用することができ
る。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリ
アリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファ
ン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリビニールアルコール等の各種樹脂フィルムおよ
び石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等を好適に
使用することができる。PDP、LCDに用いる場合
は、PET、TACが好ましい。
好であるが、光線透過率(JISC−6714)として
は80%以上、より好ましくは90%以上が良い。ま
た、その透明基体を小型軽量の液晶ディスプレイに用い
る場合には、透明基体はフィルムであることがより好ま
しい。透明基体の厚さは、軽量化の観点から薄いほうが
望ましいが、その生産性を考慮すると、1〜700μm
の範囲のもの、好ましくは25〜250μmを使用する
ことが好適である。
処理、プラズマ処理、フッ素処理、スパッタ処理等の表
面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗
布、またはSi蒸着などの表面改質処理を行うことによ
り、透明基体とハードコート層、または他の層との密着
性を向上させることができる。また、透明基体の表面に
は、ディスプレイ表面に静電的に付着するホコリ等の汚
れを防止するために帯電防止層を設けても良い。帯電防
止層は、アルミニウム、錫等の金属、ITO等の金属酸
化膜を蒸着、スパッタ等で極めて薄く設ける方法、アル
ミニウム、錫等の金属微粒子やウイスカー、酸化錫等の
金属酸化物にアンチモン等をドープした微粒子やウイス
カー、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンと金
属イオンや有機カチオンなどの電子供与体(ドナー)と
の間でできた電荷移動錯体をフィラー化したもの等をポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等に分散
し、ソルベントコーティング等により設ける方法、ポリ
ピロール、ポリアニリン等にカンファースルホン酸等を
ドープしたものをソルベントコーティング等により設け
る方法等により設けることができる。帯電防止層の透過
率は光学用途の場合、80%以上が好ましい。
K5400)でH以上の硬度を示すものをいう。ま
た、本発明でいう高屈折率および低屈折率とは、互いに
隣接する層との相対的な屈折率の高低の関係をいう。次
に、本発明におけるハードコート層について説明する。
本発明のハードコート層の樹脂組成には、少なくとも下
記の化1で表されるフルオレン骨格を有する(メタ)ア
クリレート化合物および/または化2で表されるフルオ
レン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(A成
分)を重合成分とし、これに重合開始剤を用いて重合し
た重合体を含有しており、特に、該(メタ)アクリレー
ト化合物に加えて、化3で表されるウレタン(メタ)ア
クリレート化合物および/または化4で表されるウレタ
ン(メタ)アクリレート化合物(B成分)を共重合成分
として併用して重合した共重合体が好適である。以下、
これらの化合物について説明する。
素原子、CH3またはC2H5、R 2は水素原子または
CH3、Xはイソシアネート残基、Yは多価アルコール
残基を表す。aおよびbは1〜5の整数、kは2〜5の
整数、lは2〜3の整数、mは1〜2の整数、nは2〜
6の整数を表す。
タ)アクリレート化合物は、化1または化2で表される
化合物のいずれのものも使用することができる。特に好
ましくは、化1においてa,bが1、R1,R2が水素
原子の最も基本的な化合物である。
ト化合物は、化3または化4で表される。化3のウレタ
ン(メタ)アクリレート化合物は、水酸基含有(メタ)
アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物の反応
生成物の中で(メタ)アクリレート基を少なくとも4個
有する化合物である。また、化4のウレタン(メタ)ア
クリレート化合物は、水酸基含有(メタ)アクリレート
化合物とポリイソシアネート化合物とポリオール化合物
の反応生成物の中で(メタ)アクリレート基を少なくと
も4個有する化合物である。また、上記のウレタン(メ
タ)アクリレートを得る方法としては、いずれの公知の
方法も用いることができる。
しては、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることがで
きる。これらは単独でも複数組み合わせて使用すること
も可能である。
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メ
チレンビスシクロヘキシルイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘ
キサン、およびこれらのビュレット化物、ヌレート化物
等の重縮合物を挙げることができる。これらは単独でも
複数組み合わせて使用することも可能である。特に好ま
しくは、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートのヌ
レート化物、イソホロンジイソシアネートのヌレート化
物等が挙げられる。
コール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、カルボン酸含有ポリオール等の脂肪族
多価アルコール、各種ビスフェノールのエチレンオキサ
イドおよびプロピレンオキサイド反応物、ビスフェノー
ルフルオレンのエチレンオキサイドおよびプロピレンオ
キサイド反応物等の芳香族多価アルコール、また脂肪
族、芳香族に関わらず、化2で表されるような、分子中
に(メタ)アクリロイル基を有するポリオールが挙げら
れる。特に好ましくは、ジメチロールプロピオン酸、ジ
メチロールブタン酸、ビスフェノキシエタノールフルオ
レン等が挙げられる。
密度、耐熱性、耐薬品性など塗料および塗工膜の特性を
コントロールするために、アクリロイル基、メタクリロ
イル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ
基等重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、
プレポリマーを適宜混合した組成物を用いることもでき
る。モノマーの例としては、スチレン、アクリル酸メチ
ル、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メト
キシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシ
エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレ
ート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシアクリレート等の
単官能アクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ペンタエリスリトールアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロール
プロパンアクリル酸安息香酸エステル、トリメチロール
プロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート等の
アクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフル
フリルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリ
レート、フェノキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタ
クリレート等の単官能メタクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート等の
多官能メタクリレート等のメタクリル酸誘導体等を挙げ
ることができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、
ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポ
リエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メ
ラミンアクリレート、シリコンアクリレート等のアクリ
レート、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂等を挙げる
ことができる。これらは単独、もしくは複数混合して使
用しても良い。モノマーは硬化膜の可とう性が要求され
る場合は少なめにし、さらに架橋密度を低くするために
は、1官能、2官能の(メタ)アクリレート系モノマー
を使用することが好ましく、逆に、硬化膜に耐熱性、耐
摩耗性、耐溶剤性等過酷な耐久性を要求される場合は、
モノマーの量を増やし、3官能以上の(メタ)アクリレ
ート系モノマーを使用することが好ましい。
硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キ
シレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデ
ヒド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、
アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
等を挙げることができる。これらは単独もしくは複数混
合して使用しても良い。透明基体がプラスチックである
場合は、熱硬化温度を高く設定することができない。特
に、PET、TACを使用する場合には、使用する熱硬
化型樹脂は、100℃以下で硬化できることが望まし
い。
屈折率は、A成分の比率を上げることにより高めること
ができるが、B成分を併用するとより優れた耐擦傷性が
得られる。しかしながら、耐擦傷性を向上するためにB
成分の比率を多くすると屈折率が低くなる。このため、
A成分とB成分の混合比は両成分の合計を100重量部
とした場合、A成分20〜90重量部に対して、B成分
80〜10重量部であることが好ましい。特に好ましく
は、A成分50〜80重量部に対して、B成分50〜2
0重量部が良い。
線、紫外線等のエネルギー線等により活性ラジカルを発
生するものであれば特に制限なく使用することができ
る。具体例としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸
化物などが挙げられる。エネルギー線で活性ラジカルを
発生するものとしては、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシク
ロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホ
リノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等
のアセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエー
テル類、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチ
ル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−
4’−メチル−ジフェニルサルファイド、4−ベンゾイ
ル−N,N−ジメチル−N−〔2−(1−オキソ−2−
プロペニルオキシ)エチル〕ベンゼンメタナミニウムブ
ロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモ
ニウムクロリド等のベンゾフェノン類、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、1−クロロ−4−ジクロロチオキサ
ントン等のチオキサントン類、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルベンゾイルオキサイド等を挙げる
ことができる。これらは単独もしくは複数混合して使用
することができる。また、促進剤(増感剤)として、
N、N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ジエチル
アミノベンゾフェノン等のアミン系化合物を混合して使
用することもできる。さらに、ハイドロキノン、p−ベ
ンゾキノン、t−ブチルハイドロキノン等の安定化剤
(熱重合禁止剤)を添加しても良い。これらの促進剤お
よび安定化剤の添加量は、樹脂成分に対し、0.1〜
5.0重量%の範囲が好ましい。
て、重合開始剤の比率は、A成分とB成分の合計量を1
00重量部とした場合、該合計量100重量部に対し、
0.01〜5重量部が好ましく、特に好ましくは1〜3
重量部である。重合開始剤が多すぎる場合、未反応の重
合開始剤の分解物が層の強度の低下や樹脂の着色の原因
となることがあり、逆に少なすぎる場合には、樹脂が固
まらなくなる。また、可視光線、紫外線等のエネルギー
線による重合開始剤においては、照射エネルギー線の波
長域に吸収を持つフィラーが使用されることがあり、こ
の場合には重合開始剤の比率を上げる必要がある。
率のフィラーを含有させることにより、ハードコート層
の屈折率を調整することができる。該フィラーの屈折率
は、ハードコート層の樹脂成分の屈折率よりも相対的に
高く、かつ、1.6〜2.7の範囲にあることが望まし
い。フィラーの具体例としては、ZnO(屈折率n=
1.9)、TiO2(n=2.3〜2.7)、CeO2
(n=1.95)、Sb 2O5(n=1.71)、Sn
O2(n=1.95)、ITO(n=1.95)、Y2
O3(n=1.87)、La2O3(n=1.95)、
ZrO2(n=2.05)、Al2O3(n=1.6
3)、HfO2(n=2.0)、Ta2O5等が挙げら
れる。これらのフィラーは単独または混合して使用さ
れ、有機溶媒または水に分散したコロイド状になったも
のが用いられる。特に、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサン等の有機溶媒に分散され
たオルガノゾルが、ハードコート層に用いる樹脂に対す
る分散性の点において良好であり、その粒径としては、
1〜100nm、塗膜の透明性から好ましくは、5〜2
0nmであることが望ましい。また、バインダー樹脂に
対するフィラーの含有量は、70%以下が好ましい。フ
ィラーの含有量増加に伴い、ハードコート層の耐摩耗
性、耐薬品性等の耐久性が低下する。よって、含有量は
可能な限り少なくすることが好ましい。
面に、直接または他の層を介してハードコート層を設け
る方法としては、上記で述べた樹脂中に、必要に応じて
フィラーや水または有機溶媒を混合し、これをペイント
シェーカー、サンドミル、パールミル、ボールミル、ア
トライター、ロールミル、高速インペラー分散機、ジェ
ットミル、高速衝撃ミル、超音波分散機等によって分散
して塗料またはインキとし、これをエアドクターコーテ
ィング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、
リバースコーティング、トランスファロールコーティン
グ、グラビアロールコーティング、キスコーティング、
キャストコーティング、スプレーコーティング、スロッ
トオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、
電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーテ
ィング等のコーティングやフレキソ印刷等の凸版印刷、
ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の
凹版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印
刷等の孔版印刷等の印刷手法により透明基体の片面また
は両面上に単層もしくは多層に分けて設け、溶媒を含ん
でいる場合は、熱乾燥工程を経て、熱またはエネルギー
線(紫外線の場合、光重合開始剤が必要)照射等により
塗工層もしくは印刷層を硬化させることによって得る方
法が挙げられる。なお、放射線が電子線による場合は、
コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧
型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高
周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜10
00KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、
紫外線の場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀
灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライド
ランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
向上させるために、必要に応じ、シリコーンオイル等の
レベリング剤、ポリエチレンワックス、カルナバワック
ス、高級アルコール、ビスアマイド、高級脂肪酸等の油
脂、イソシアネート等の硬化剤、炭酸カルシウムやシリ
カゾル、合成雲母等0.1μm以下の超微粒子等の添加
剤を適宜使用することができる。また、ディスプレイ表
面に静電的に付着するホコリ等の汚れを防止するために
帯電防止剤を添加しても良い。帯電防止剤は、上述の帯
電防止層で説明した材料がそのまま適用できる。
層は、その屈折率が1.55〜1.75の範囲となるよ
うにすることが好ましい。また、ハードコート層の厚さ
は1〜10μmの範囲が、好ましくは1〜5μmの範囲
が良い。ハードコート層が1μmより薄い場合は、ハー
ドコート層の耐摩耗性が劣化したり、紫外線硬化型樹脂
を使用した場合など、酸素阻害により硬化不良を起こ
す。10μmより厚い場合は、樹脂の硬化収縮によりカ
ールが発生したり、ハードコート層にマイクロクラック
が発生したり、さらに、透明基体との密着性が低下した
りする。
よりも屈折率の小さい表面層を設ける。以下、この表面
層について説明する。表面層の組成は特に限定されるも
のではないが、その臨界表面張力が20dyn/cm以
下となるように構成されることが好ましい。臨界表面張
力が20dyn/cmより大きい場合は、表面層に付着
した汚れが取れにくくなる。また、反射防止効果を向上
させるためには、表面層の屈折率は、1.20〜1.4
5であることが好ましい。これらの特徴を有する材料と
しては、例えば、LiF(屈折率n=1.4)、MgF
2(n=1.4)、3NaF・AlF3(n=1.
4)、AlF3(n=1.4)、Na3AlF6(n=
1.33)、SiO2(n=1.45)等の無機材料を
微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有
させた無機系低反射材料、フッ素系、シリコーン系の有
機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型
樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。透明基
体が熱によるダメージを受けやすいTAC、PET等の
プラスチックフィルムを使用する場合は、これら表面層
の材料としては、放射線硬化型樹脂が好ましい。その中
で、特に、フッ素系の含フッ素材料が汚れ防止の点にお
いて好ましい。
解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共
重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素オレフィン共
重合体、含フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアク
リレート、含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシ
ラン、さらに、TEFRON AF1600(デュポン
社製 屈折率n=1.30)、CYTOP(旭硝子
(株)社製 n=1.34)、17FM(三菱レーヨン
(株)社製 n=1.35)、オプスターJN−721
2(日本合成ゴム(株)社製 n=1.40)、LR2
01(日産化学工業(株)社製 n=1.38)等を挙
げることができる。これらは単独でも複数組み合わせて
使用することも可能である。
メタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオク
チル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7
−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチ
ルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−メチルデ
シル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含
フッ素メタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオ
ロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−
9−メチルデシル)エチルアクリレート等の含フッ素ア
クリレート、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキ
シプロパン、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)
−1,2−エポキシプロパン等のエポキサイド、エポキ
シアクリレート等の放射線硬化型の含フッ素モノマー、
オリゴマー、プレポリマー等を挙げることができる。こ
れらは単独もしくは複数種類混合して使用することも可
能である。
ているが、ヌレ性が悪いため、組成によってはハードコ
ート層上で表面層をはじくという問題や、表面層がハー
ドコート層から剥がれるという問題が生じるおそれがあ
るため、放射線硬化型樹脂として用いられるアクリロイ
ル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタ
クリロイルオキシ基等重合性不飽和結合を有するモノマ
ー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合し、使用する
ことが望ましい。
水もしくは有機溶媒に分散したゾルとフッ素系の皮膜形
成剤を混合した低反射材料を使用することもできる。該
5〜30nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶媒に
分散したゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イ
オンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸ア
ルカリ塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸
を縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシラ
ンを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合
することにより得られる公知のシリカゾル、さらには上
記の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶媒に
置換することにより得られる有機溶媒系のシリカゾル
(オルガノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカ
ゾルは水系および有機溶媒系のどちらでも使用すること
ができる。有機溶媒系シリカゾルの製造に際し、完全に
水を有機溶媒に置換する必要はない。上記シリカゾルは
SiO2として0.5〜50重量%濃度の固形分を含有
する。シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は球状、針
状、板状等様々なものが使用可能である。
金属アルコキシドや金属塩の加水分解物や、ポリシロキ
サンをフッ素変性したものなどを用いることができる。
上記のような皮膜形成剤を用いることにより、表面層の
臨界表面張力が低下して油分の付着を抑制することがで
きる。
るホコリ等の汚れを防止するために帯電防止剤を表面層
に添加したり、もしくは表面層上に帯電防止層を設けて
も良い。前記帯電防止層の厚さは、反射防止効果に影響
しない光学膜厚が望ましい。好ましくは10nm以下が
望ましい。なお、帯電防止剤は、前述の帯電防止層で説
明した材料がそのまま適用できる。
屈折率材料を用い、ロールコーティングや印刷等による
ウェットコーティング法や、真空蒸着、スパッタリン
グ、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気
相法により、ハードコート層上に設けられる。ウェット
コーティング法で設ける場合は、塗工適性または印刷適
性を向上させるために、必要に応じ、シリコーンオイル
等のレベリング剤、ポリエチレンワックス、カルナバワ
ックス、高級アルコール、ビスアマイド、高級脂肪酸等
の油脂、イソシアネート等の硬化剤、炭酸カルシウムや
シリカゾル、合成雲母等0.05μm以下の超微粒子等
の添加剤を適宜使用することができる。
めの厚さについては、公知の計算式で算出することがで
きる。公知の文献(サイエンスライブラリ、物理学9
「光学」70〜72頁)によれば、入射光が表面層に垂
直に入射する場合に、表面層が光を反射せず、かつ10
0%透過するための条件は次の関係式を満たせば良いと
されている。なお、式中N0は表面層の屈折率、Nsは
ハードコート層の屈折率、hは表面層の厚さ、λ0は光
の波長を示す。
%防止するためには、表面層の屈折率が下層(ハードコ
ート層)の屈折率の平方根になるような材料を選択すれ
ばよいことが分かる。ただし、実際は、この数式を完全
に満たす材料は見出し難く、限りなく近い材料を選択す
ることになる。上記(2)式では(1)式で選択した表
面層の屈折率と、光の波長から表面層の反射防止膜とし
ての最適な厚さが計算される。例えば、ハードコート
層、表面層の屈折率をそれぞれ1.50、1.38、光
の波長を550nm(視感度の基準)とし、これらの値
を上記(2)式に代入すると、表面層の厚さは0.1μ
m前後の光学膜厚、好ましくは0.10±0.01μm
の範囲が最適であると計算される。このように、表面層
は極めて薄く、そして極めて均一に設ける必要がある
(厚さの面内バラツキはハードコート層との干渉によ
り、色ムラになる)。よって、表面層を設ける方法とし
ては、気相法が好ましい。
成を有する単層でも良いが、多層化して形成しても良
い。すなわち、多層の場合は、高屈折率層上に低屈折率
層を設けた組合せをハードコート層上もしくは上記単層
の表面層、つまり低屈折率層上に1組または複数積層し
た構成とすることができる。
よび表面層が設けられていない他方の面に、偏光基体を
介して保護材を積層することにより、偏光フィルムを構
成することができる。以下、本発明の偏光フィルムの詳
細について説明する。
れ、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニレン
等が使用できる。そして、このような材料を延伸させて
フィルム化することにより偏光基体を得ることができ
る。例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着さ
せたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポリ
ビニルアルコール(PVA)フィルムを用いることが好
ましい。偏光基体は10〜80μmの厚みを有するもの
が使用される。具体的には、PVAフィルムを一軸方向
に3〜4倍程度延伸し、高次の沃素イオン中に延伸した
PVAフィルムを含浸させることにより偏光基体を得る
ことができる。
るため裂け易く、湿度変化に対して収縮率が大きいとい
う欠点を有していることから、偏光基体の片面に保護材
が積層される。また、反射防止材料の透明基体も偏光基
体の他方の面に貼り合わせられて保護材と同じ機能を奏
する。保護材および透明基体は、偏光基体の両面に、ポ
リエステル系接着剤、ポリアクリル系接着剤、ポリウレ
タン系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤等により接着さ
れる。
ィルム、例えば、トリアセチルセルロース等のセルロー
ス系フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネー
トフィルム等を使用することができる。その中でも特に
トリアセチルセルロースが好ましい。該フィルムの厚さ
は10〜2000μmが好ましい。また、これらのフィ
ルムには特にほう酸等のゲル化剤を使用したり、熱処理
やホルマール化を行うことによって、フィルムの耐水性
を向上させることが好ましい。また、偏光基体との密着
性を向上させるために、偏光基体との接着面の表面エネ
ルギーが50dyn/cm以上になるように、けん化処
理やコロナ処理等の表面処理を行うことが好ましい。
と偏光フィルムをさらに詳細に説明する。図1は、本発
明の反射防止材料の構成を示す概略断面図であり、反射
防止材料10は、透明基体11の片面上にハードコート
層12を有する構成である。なお、ハードコート層12
の表面には表面層が形成されているが、表面層は極めて
薄いために図示を省略している(以下においても同
じ)。図2は、本発明の偏光フィルム20の構成を示す
概略断面図であり、偏光基体24の片面に、透明基体2
1上にハードコート層22とを有する反射防止材料23
が設けられ、偏光基体24の他の面に保護材25が設け
られていることを示している。
止性を改善した液晶表示体30の構成を示すものであ
る。この液晶表示体30は、上面の液晶パネル31と下
面の導光板装置(EL)やランプ等の背面光源32とを
積層して形成されている。液晶パネル31には、例え
ば、ツイステッドネマチック(TN)液晶セルなどが使
用可能である。
透明電極付きの2枚のガラス基板33、34の透明電極
面33’、および34’上に、ポリイミドの溶液を塗布
して配向膜を形成し、これをラビング操作により配向さ
せ、その後、このガラス基板33、34間にネマチック
液晶35を注入し、ガラス基板33、34周辺部をエポ
キシ樹脂等で封着することにより形成される。このネマ
チック液晶は、配向膜の作用により90゜捻れ配向す
る。このTN液晶セルの2枚のガラス基板の背面光源と
は反対側には、図2に示されるハードコート層22を有
する反射防止材料23と保護材25とで偏光基体24の
両面を保護された偏光フィルム36を、また、その背面
光源側には、ハードコート層のない偏光フィルム37
を、偏光角度が互いに90゜捻れるように貼ることで液
晶パネル31が形成される。
信号を印加すると信号が印加された電極間には電界が発
生する。その際、液晶分子の持つ電子的異方性により、
液晶分子の長軸が電界方向と平行になるため、液晶分子
による光の旋光性が失われることとなり、その結果、液
晶パネルには光が透過しない状態となる。画像の表示は
この時の光透過の差に基づくコントラストにより視覚情
報として認識される。上記液晶表示体30においては、
液晶パネル31に光を透過させ、液晶パネル31の光の
透過する部分と透過しない部分にコントラストを持たせ
ることにより画像表示を可能とするものである。
した他の液晶表示体の構成を示す断面図である。図4に
おいて、液晶パネル41は、2枚のガラス基板43、4
4およびその間に介在するネマチック液晶45と、ガラ
ス基板43、44の外側に位置するハードコート層を有
しない上部の偏光フィルム46、ハードコート層を有し
ない下部の偏光フィルム47および該上部の偏光フィル
ム46の上に積層された反射防止材料10より構成され
ている。また、液晶表示体40は、液晶パネル41とそ
の下面に位置する背面光源32を積層して形成されてい
る。
る。なお、以下の説明において「部」は「重量部」を意
味するものとする。 [A成分の合成例] 合成例A−1 ビスフェノキシエタノールフルオレン(大阪ガスケミカ
ル(株)社製、商品名BPEF)600g、アクリル酸
258g、p−トルエンスルホン酸30g、トルエン1
350g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1g、お
よびハイドロキノン0.03gを混合し、100〜11
5℃で還流しながら理論脱水量を得るまで脱水エステル
化反応を行った。その後、反応液をアルカリ中和し、1
0%食塩水で洗浄を行った。洗浄後トルエン除去し、ジ
アクリレート(A−1)を得た。
ルヒドリン500g、およびトリエチルベンジルアンモ
ニウムクロライド10gを混合し、還流下50%苛性ソ
ーダ水溶液160gを滴下し、留出水を系外に除去しな
がら約3時間反応した。次に、水300gを添加し、静
置後有機層を分別した後、pHが5になるように酢酸で
調整し、その後、水300gで2回水洗した。濃縮して
残存する水分とエピクロルヒドリンを除去した。この生
成物のエポキシ当量は270であった。ここにトルエン
80g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5g、
およびアクリル酸95gを添加し、100℃に加熱し、
約15時間反応した。樹脂酸化5mgKOH/g、エポ
キシ当量7500、固形分85%のジアクリレート(A
−2)溶液を得た。
リトールテトラアクリレートの混合物(水酸基価120
mgKOH/g、以下PETAと示す)940g、ヘキ
サメチレンジイソシアネート(以下HDIと示す)16
8g、およびジブチル錫ジラウレート(以下DBTLと
示す)数滴を混合し、80℃に加熱して反応を約5時間
行い、ウレタンアクリレート(B−1)を得た。
エリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価
53mgKOH/g、以下DPPAと示す)2200
g、HDI168g、およびDBTL数滴を混合し、8
0℃に加熱して反応を約7時間行い、ウレタンアクリレ
ート(B−2)を得た。
ネート174gを用いる以外は合成例B−1と同様にし
て合成を行い、ウレタンアクリレート(B−3)を得
た。
ジイソシアネート(以下MDIと示す)250gを用い
る以外は合成例B−1と同様にして合成を行い、ウレタ
ンアクリレート(B−4)を得た。
188gを用いる以外は合成例B−1と同様にして合成
を行い、ウレタンアクリレート(B−5)を得た。
レート化物666g、およびDBTL数滴を混合し、8
0℃に加熱して反応を約7時間行い、ウレタンアクリレ
ート(B−6)を得た。
500g、およびDBTL数滴を混合し、80℃に加熱
して、反応を約3時間行い、次に、DPPA2350g
を添加し、80℃で反応を約6時間行い、ウレタンアク
リレート(B−7)を得た。
およびDBTL数滴を混合し、80℃に加熱して、反応
を約6時間行い、次に、PETA1050gを添加し、
80℃で反応を約6時間行い、ウレタンアクリレート
(B−8)を得た。
なる混合物をサンドミルにて30分間分散することによ
って得られた分散液と、下記配合からなるハードコート
層用ベース塗料をディスパーにて15分間攪拌、混合し
た塗料を、膜厚80μm、透過率92%、屈折率1.4
9からなる透明基体であるトリアセチルセルロース(商
品名:フジタックタック、富士写真フィルム社製)の片
面上に、リバースコーティング方式にて塗布し、100
℃で2分間乾燥後、出力120w/cmの集光型高圧水
銀灯1灯を用いて、照射距離(ランプ中心から塗工面ま
での距離)10cm、処理速度(塗工基体側の水銀灯に
対する速度)5m/分で紫外線照射を行い、塗工膜を硬
化させた。このようにして、厚さ5μm、屈折率1.6
5のハードコート層を形成した。次に、表面層用の塗料
として、含フッ素シリカゾルLR201(全固形分濃
度;4%、溶媒;エタノール/ブチルセロソルブ=50
/50、日産化学工業(株)社製)を用い、上記ハード
コート層上にスピンコーティングにより塗布し、100
℃で1分間乾燥後、120℃で6時間熱キュアーし、厚
さ0.1μm、屈折率1.38、臨界表面張力16dy
n/cmの表面層を形成し、反射率0.8%の本発明の
反射防止材料を得た。
ト層用ベース塗料の共重合成分組成を表1に記載の配合
に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の実施
例2〜13および比較例1の反射防止材料を得た。な
お、AおよびB成分以外のC成分として、DPPAまた
はPPEAを添加したものもある。ここで、DPPA
は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸
基価53mgKOH/g)、PPEAは、フェニルフェ
ノキシエタノールアクリレートを示す。
用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の反射防
止材料を得た。 [表面層用塗料の配合] ・シリカゾル (粒子径15nmでSiO2として30重量%のシリカ超微粒子を含有するエタ ノール分散液) 10部 ・皮膜形成剤 テトラエトキシシランの加水分解物 (SiO2として計算して固形分6%) 15部 ・溶媒 エタノール 53部
例1と同様にして、比較用の反射防止材料を得た。 <比較例3>ハードコート層を設けない以外は実施例1
と同様にして、比較用の反射防止材料を得た。 <比較例4>比較例1において、ハードコート層用塗料
として分散液を用いずにベース塗料のみを用いて(樹脂
のみでATOなし)、ハードコート層を形成した以外は
比較例1と同様にして、比較用の反射防止材料を得た。
反射防止材料10を用い、反射率、耐摩耗性、耐薬品
性、臨界表面張力、耐汚染性を下記方法により測定、評
価した。さらに、実施例1〜14、比較例1〜4の各反
射防止材料10を用い、図2に示される構成のハードコ
ート層付偏光フィルム20を作製した。次いで、上記ハ
ードコート層付偏光フィルム20を図3に示すようにガ
ラス基板33に貼り付け、液晶表示体30を得た。この
ようにして作製した実施例1〜14、比較例1〜4の各
液晶表示体30を用いて、画像コントラストを下記方法
により評価した。なお、これらの各液晶表示体30の画
像サイズは、例えば10.4インチとし、解像度は、例
えば800×600ドットとして、画像コントラストの
評価を行った。
作所社製)を使用し、波長領域400〜700nmの範
囲の5゜の正反射を測定し、JIS Z8701に従っ
て視感度補正したY値で表した。なお、測定は非測定面
を黒マジックで完全に黒塗りした状態で行った。反射防
止性は、1%以下が特に良好で、4%を越えるとかなり
悪くなる。
ールウール#0000を板紙耐摩耗試験機(熊谷理機工
業社製)に取り付け、反射防止材料の表面層面を荷重2
00gにて50回往復させる。その後、その部分のHA
ZE値の変化δH(下記計算に基づく)を東洋精機社製
HAZEメーターで測定した。耐摩耗性はδHが1.5
以下で良好で、5を越えると傷が多くなり、実用上問題
となる。HAZE値の測定は反射防止材料単体で行っ
た。 HAZE値変化δH=試験後のHAZE値−試験前のH
AZE値
ませた綿棒(ジョンソン社製)で表面層面を50往復擦
った後に、ハードコート層に剥がれ等著しい変化があっ
た場合を×、変化がない場合を○、その中間を△として
評価した。
反射防止材料の表面層の水とヨウ化メチレンに対する接
触角を測定し、コーティングの基礎科学(原崎 勇次著
槇書店発行)p170〜171記載の次式に代入、Z
ismamプロットから、COSθ−1に外挿したγ
LV゜の値から求めた。 COSθ=1+b(γc−γLV゜) ただし、γ
LV゜≧γc θ:固/液の接触角、γLV゜:液体の表面張力、
γc:臨界表面張力、b:定数
で1滴、滴下した後、滴下した菜種油をリグロインを含
ませた旭化成社製のベンコットで20往復ラビングす
る。さらにその後、拭き取った面のSEM写真を撮影
し、面の傷やベンコットの繊維の付着の有無を確認し
た。ハードコート層に傷やベンコットの繊維の付着が顕
著に認められる場合を×、全く変化がない場合を○、そ
の中間を△とした。
988に於ける液晶表示パネルのコントラスト比(C
R)測定方法に準拠し、評価した。画像コントラストの
評価における光源60−液晶パネル61−測光器62の
位置関係を図5に示す。この場合、光源60と液晶パネ
ル61との間は、例えば1cm、液晶パネル61と測光
器62との間は、例えば50cm、測光器の開口角は、
例えば5゜に設定した。なお、光源には5WのELを使
用し、測光器にはミノルタカメラ社製のLS−100を
使用した。CRが4以上の場合を◎、同3以上4未満の
場合を○、同2以上3未満の場合を△、同2未満を×と
した。以上の評価結果を表1に示す。
反射防止材料はいずれも良好な反射率および耐久性を有
し、優れた特性が得られているのに対し、比較例1〜4
の反射防止材料では、いずれも反射率に問題を有し、加
えて、比較例1および4は、コントラストが劣り、比較
例2は、耐汚染性およびコントラストが、比較例3は、
耐久性が実用に耐え得るものではなかった。
ィスプレイへの太陽光および蛍光灯等の外部光の映り込
みを防止することにより優れた反射防止性を発揮し、画
像コントラストを低下させることなく、ギラツキ等のな
い鮮明な画像を得ることができるとともに、光学的に安
定で優れた耐摩耗性、耐薬品性を示し、かつ、優れた耐
汚染性を示す反射防止材料と偏光フィルムを得ることが
できる。
図である。
ムの構成を示す概略断面図である。
する液晶表示体の構成を示す概略断面図である。
する他の液晶表示体の構成を示す概略断面図である。
概略図である。
ート層、20…ハードコート層付偏光フィルム、21…
透明基体、22…ハードコート層、23…第1の保護
材、24…偏光基体、25…第2の保護材、30…液晶
表示体、31…液晶パネル、32…背面光源、33,3
4…ガラス基板、33’,34’…透明電極面、35…
ネマチック液晶、36…偏光フィルム、40…液晶表示
体、41…液晶パネル、43,44…ガラス基板、45
…ネマチック液晶、46,47…偏光フィルム、60…
光源、61…液晶パネル、62…測光器
Claims (5)
- 【請求項1】 透明基体の片面もしくは両面に、直接ま
たは他の層を介して、ハードコート層を設け、このハー
ドコート層の表面にハードコート層の屈折率よりも低い
屈折率を有する表面層を設けた反射防止材料において、
上記ハードコート層は、少なくともフルオレン骨格を有
する(メタ)アクリレート化合物を重合成分とした重合
体を含有することを特徴とする反射防止材料。 - 【請求項2】 前記重合体がウレタン(メタ)アクリレ
ート化合物を共重合成分とした共重合体であることを特
徴とする請求項1に記載の反射防止材料。 - 【請求項3】 前記ハードコート層が屈折率1.6〜
2.7のフィラーを含有することを特徴とする請求項1
または2に記載の反射防止材料。 - 【請求項4】 前記表面層の臨界表面張力が20dyn
/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいず
れかに記載の反射防止材料。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の反射防
止材料の前記透明基体の前記ハードコート層および前記
表面層が設けられていない他方の面に、偏光基体を介し
て保護材を積層したことを特徴とする偏光フィルム。
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