JP4295961B2 - ゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックスに関するものである。さらに詳しくは、タイヤ、ベルト、ホース等のゴム製品に含まれる繊維とゴムの接着に適した、改良されたゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナイロン、ポリエステル、アラミド等の繊維は、従来よりゴム補強用繊維として、タイヤ、ベルト、ホース等のゴム製品に広く用いられている。
【0003】
ゴム補強用に用いられるこれらの繊維は、それ自身ではゴムに対する接着性に乏しく、ビニルピリジン−ブタジエン系共重合体ラテックス単独またはそれと他のゴムラテックスとの混合物およびレゾルシン−ホルマリン樹脂(以下、RFレンジと称する。)からなる接着剤組成物(以下、RFLと称する。)を用いて接着処理され、実用に供されているのが一般的である。
【0004】
このRFLに使用されるビニルピリジン−ブタジエン系共重合体ラテックスとしては、2−ビニルピリジン15重量%、1,3−ブタジエン70重量%、スチレン15重量%を乳化重合して得られる共重合体ラテックスが一般的なものとなっている。
【0005】
これらいずれの繊維においても、ゴムとの良好な接着力を得ようとする場合、繊維をRFLに浸漬、乾燥後、ナイロン繊維で170℃以上、ポリエステル繊維やアラミド繊維では220℃以上の高温にて、熱処理する必要があるが、この工程において、処理前に持っていた繊維自身の強度が低下するという問題がある。
【0006】
また、繊維の強度低下を最小限にとどめようとして、比較的低温にて熱処理すればゴムとの接着力、特に剥離接着力や剥離後の繊維へのゴム付着率が低下し、逆により高いゴムとの接着力を得ようと、より高温で熱処理すれば繊維の強度が低下する。このため、熱処理後の繊維の強度低下が少なく、かつ高い接着力が得られる接着剤用共重合体ラテックスの開発が望まれていた。
【0007】
このため、RFLに用いられるビニルピリジン−ブタジエン系共重合体ラテックスの改良検討が行われており、特公平1−49308号公報、特公平1−49309号公報、特公平2−24314号公報などでは、特定の構造を有する共重合体粒子からなる共重合体ラテックスが提案されている。
【0008】
しかしながら、これらの共重合体ラテックスをRFLに用いても、更なる接着力と繊維強度の要望を十分満足させることはできなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するもので、熱処理後のコード強度の低下が少なく、ゴムと繊維との良好な接着力を有する共重合体ラテックスを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の共役ジエン系共重合体ラテックスにビニルピリジンをグラフト重合して得られる共重合体ラテックスをRFLに用いることで、優れた性能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)共役ジエン系単量体90〜100重量%および(b)これと共重合可能な他の単量体(但し、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)0〜10重量%を乳化重合して得られるゲル含有量が80重量%以上の共役ジエン系共重合体ラテックス(X)100重量部(固形分換算)の存在下に、(c)ビニルピリジン5〜50重量部および(d)これと共重合可能な他の単量体(但し(a)を除く)0〜50重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体ラテックス(Y)を用いることを特徴とするゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックスを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明における共役ジエン系共重合体ラテックス(X)を構成する(a)共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、これらを1種もしくは2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0012】
また、(b)共重合可能な他の単量体(但し、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)としては、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体およびアクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられ、それぞれ1種もしくは2種以上使用することができる。
【0013】
共役ジエン系共重合体ラテックス(X)を構成する単量体のうち、共役ジエン系単量体が90重量%未満では初期接着力が低下するため好ましくない。
また、共役ジエン系共重合体ラテックス(X)のゲル含有量は80重量%以上である。該ゲル含有量が80重量%未満ではコード強度が低下するため好ましくない。
さらに、共役ジエン系共重合体ラテックス(X)の数平均粒子径については特に制限はないが50〜300nm、好ましくは80〜250nmであることが好ましい。
【0014】
上記の共役ジエン系共重合体ラテックス(X)の存在下にグラフト重合に供される(c)ビニルピリジンとしては、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン等があげられ、これらを1種もしくは2種以上使用することができる。特に2−ビニルピリジンが好ましい。
また、グラフト重合に供される(d)共重合可能な他の単量体(但し、(a)共役ジエン系単量体を除く)としては、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体およびアクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド単量体およびメタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体等が挙げられ、それぞれ1種もしくは2種以上使用することができる。
【0015】
上記(c)ビニルピリジンは、共役ジエン系共重合体ラテックス(X)100重量部(固形分換算)に対し5〜50重量部の範囲で使用される。該ビニルピリジンが5重量部未満では初期接着力および耐熱接着力ともに低下し、また50重量部を超えると初期接着力が低下し好ましくない。
また、(d)共重合可能な他の単量体は0〜50重量部の範囲で使用されるが、50重量部を超えると初期接着力が好ましくない。
【0016】
本発明におけるグラフト共重合体ラテックス(Y)のグラフト率には特に制限はないが、その物性バランス面より10〜60%であることが好ましい。
また、グラフト共重合体ラテックス(Y)の粒子内にグラフトされた側鎖の厚みにも特に制限はないが、その物性バランス面より1〜20nmであることが好ましい。
【0017】
本発明における上記共役ジエン系共重合体ラテックス(X)およびグラフト共重合体ラテックス(Y)は、公知の乳化重合法により製造することができ、重合に際し用いられる各単量体の添加方法については特に制限はなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法等いずれも採用できる。
【0018】
これら共重合体ラテックスの重合に際して使用される乳化剤としては、ロジン酸石鹸、脂肪酸石鹸、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。
【0019】
また、これら共重合体ラテックスの重合に際しては、従来公知の連鎖移動剤、重合開始剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等、さらには炭化水素系溶剤を使用することができる。
【0020】
連鎖移動剤としてはα−メチルスチレンダイマー、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
【0021】
これらの連鎖移動剤は、通常、単量体100重量部に対して0〜10重量部にて使用される。
【0022】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶性重合開始剤の使用が好ましい。
【0023】
また、重合に際して、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用しても良い。
【0024】
本発明のグラフト共重合体ラテックス(Y)は、ゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックスとして、例えばレゾルシン−ホルマリン樹脂と混合することによりゴムと繊維の接着剤組成物が得られる。該グラフト共重合体ラテックス(Y)とレゾルシン−ホルマリン樹脂の使用比率には特に制限はないが、通常、グラフト共重合体ラテックス(Y)100重量部(固形分)に対してレゾルシン−ホルマリン樹脂を5〜100重量部(固形分)の割合で使用することが好ましい。
【0025】
また、この接着剤組成物には、イソシアネート、ブロックドイソシアネート、エチレン尿素、2,6−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェノール、一塩化イオウとレゾルシンの縮合物及びレゾルシン−ホルマリン縮合物との混合物などの変性レゾルシン−ホルマリン樹脂、ポリエポキシド、変性ポリ塩化ビニル、カーボンブラックといった接着助剤、充填剤、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤等を必要に応じて配合しても差し支えない。
【0026】
本発明にて対象とする繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等が挙げられるが、特にこれらに限定されず、また、これらの繊維はコード、ケーブル、織物、帆布、短繊維等いずれの形態であっても良い。
【0027】
また、この接着剤組成物で処理された繊維と接着に供されるゴムとしては、天然ゴム、SBRゴム、NBRゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、EPDMゴム、EPゴム、CSMゴム、更にはそれらの各種変性ゴム等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0028】
また、本発明のグラフト共重合体ラテックス(Y)を含む接着剤組成物を製造するに際して、本発明の共重合体ラテックスの一部を必要に応じて、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、カルボキシ変性アクリルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス、イソプレンラテックス等に代替しても良いが、それらは本発明の共重合体ラテックス100重量部中50重量部未満であることが好ましく、さらに好ましくは30重量部未満である。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例中の部および%は断りのない限り全て重量部および重量%を意味する。
【0030】
(グラフト共重合体ラテックスYの製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水170部、1,3−ブタジエン100部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、過硫酸カリウム0.3部、ロジン酸ナトリウム2.5部、水酸化ナトリウム0.1部を仕込み、70℃で15時間反応させた後、冷却して反応を終了させた。得られた共役ジエン系共重合体ラテックスにつき、水蒸気蒸留にて未反応モノマーを除去し、数平均粒子径100nm、ゲル含有量90%の共役ジエン系共重合体ラテックス(X−1)を得た。
次いで、攪拌機付きオートクレーブに、上記共役ジエン系共重合体ラテックス(X−1)100部(固形分換算)、水70部および乳糖0.2部を仕込み、65℃に昇温した。その後、2−ビニルピリジン20部、スチレン30部、t−ドデシルメルカプタン0.3部からなる混合液および水20部にオレイン酸カリウム1部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2部を溶解した乳化剤、触媒水溶液を4時間に亘り連続添加した。その後、重合を3時間継続し、グラフト重合を終了した。得られたグラフト共重合体ラテックス(Y−1)のグラフト率は45%、グラフト共重合体層の平均厚みは6nmおよびグラフト共重合体の数平均粒子径は115nmであった。
また、表1に示す条件に変更する以外は同様にし、グラフト共重合体(Y−2〜3、Y−i〜iii)を得た。結果を表1に示す。
【0031】
〔共役ジエン系共重合体ラテックスの数平均粒子径の測定方法〕
数平均粒子径は、動的光散乱法により測定した。なお、測定に際しては、LPA−3000/3100(大塚電子(株)製)を使用した。
【0032】
〔グラフト共重合体のグラフト率〕
得られたグラフト共重合体ラテックス(Y)につき、一旦塩析・乾燥してグラフト共重合体を得た。その後、約数グラムのグラフト共重合体を秤量し、アセトン可溶分と不溶分に分離した後、以下の式にて求めた。なお、共役ジエン系共重合体(X)重量についてはその重合処方よりその割合を求めた。
グラフト率(%)=(アセトン不溶分重量−共役ジエン系共重合体(X)重量)/共役ジエン系共重合体(X)重量
【0033】
〔グラフト共重合体層の平均厚さの測定法〕
上記グラフト共重合体をアセトンに溶かし、その溶解液を遠心分離処理する。上澄み液を除去し、沈殿したゲル分を再度アセトン中に分散させ、市販のエポキシ系接着剤(ここでは、セメダイン株式会社の商品、ハイスーパー30を使用)の主剤にこの分散液を数滴加えてよく混合した後、真空乾燥でアセトンを除去する。その後、硬化剤を加え加熱処理する事で、ゲル分がよく分散した試験片が得られる。
上記の方法で作成した試験片を、四酸化オスミウム(OsO4)で染色した後、クライオミクロトームを用いて−60℃で低温切削し超薄切片を切り出す。さらに、得られた超薄切片を四酸化ルテニウム(RuO4)で再染色し、透過型電子顕微鏡で観察及び写真撮影した。四酸化オスミウムでは、エポキシ樹脂部分が染色され、さらに、四酸化ルテニウムで共役ジエン系ゴム部分とグラフ共重合体層が染め分けられるため、共役ジエン系ゴム粒子表面でリング状の形態を持つグラフト重合体層の観察が可能となる。
グラフト共重合体層の厚み計測は、画像解析装置(旭化成 IP−1000PC)を用いて以下の手順で行った。個々の重合体粒子について、表面のグラフト共重合体層を含む面積の計測からその円相当径(半径)を求め、さらに表面のグラフト共重合体層を除く共役ジエン系ゴム部分についても同様に円相当径(半径)を求めた。両者の差がグラフト重合体層の厚みを示す。本発明でいうグラフト共重合体層の平均厚みは重合体粒子15個以上について測定した平均値である。
【0034】
[応用例]
(RFL液の調整)
水229部に水酸化ナトリウム0.41部を加え攪拌後、濃度65%のレゾルシン−ホルマリン樹脂(住友化学工業社製:スミカノール700S)24.2部を加え攪拌する。さらに37%ホルマリン6.3部を加え攪拌混合し25℃にて4時間熟成することにより、RFレジンを作成する。
次いで、表1に示すグラフト共重合体ラテックスをそれぞれ100部(固形分)中に、得られたRFレジンを18.5部添加し、25%アンモニア水14部を加え、水にて固形分濃度を20%に調整後、25℃にて40時間熟成させる。
その後、P−クロロフェノール、ホルムアルデヒド、レゾルシノールの縮合物のアンモニア溶液(ナガセ化成工業社製:デナボンド)を37部添加し、RFL液を得た。
【0035】
(タイヤコード浸漬処理、コード強度および接着力測定)
試験用シングルコードディッピングマシンを用いて、得られたRFL液にて各々ポリエステル・タイヤコード(1500D/2)を浸漬処理し、120℃で60秒間乾燥したのち、230℃で120秒間、焼き付けを行った。浸漬処理された各々のタイヤコードをJIS−L1017に従いコード強度を測定した。結果を表1に示す。
【0036】
また、この処理されたタイヤコードを下記の配合処方に基づくゴム配合物ではさみ、140℃で45分、および170℃で45分の各々の条件にて加硫プレスした。ASTM、D2138−67(H Pull Test)に従い接着力および高温覆歴による耐熱接着力を測定した。結果を表1に示す。
【0037】
配合ゴム処方
天然ゴム 100部
SRFカーボン 15部
FEFカーボン 20部
プロセスオイル 5部
アンチゲンRD 1部
ステアリン酸 2.5部
亜鉛華 5部
ノクセラーDM 0.7部
硫黄 3部
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明のグラフト共重合体ラテックスを用いた接着剤組成物は、従来のものに比べて熱処理後のコードの強度低下が少なく、かつゴムと繊維との間に良好な接着力を与える。
Claims (3)
- (a)共役ジエン系単量体90〜100重量%および(b)これと共重合可能な他の単量体(但し、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)0〜10重量%を乳化重合して得られるゲル含有量が80重量%以上の共役ジエン系共重合体ラテックス(X)100重量部(固形分換算)の存在下に、(c)ビニルピリジン5〜50重量部および(d)これと共重合可能な他の単量体(但し(a)を除く)0〜50重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体ラテックス(Y)を用いることを特徴とするゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックス。
- グラフト共重合体ラテックス(Y)のグラフト率が10〜60%である請求項1に記載のゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックス。
- グラフト共重合体ラテックス(Y)の粒子内にグラフトされた側鎖の厚みが1〜20nmである請求項1または2に記載のゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックス。
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