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JP4278499B2 - 表示装置 - Google Patents

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JP4278499B2 JP2003401485A JP2003401485A JP4278499B2 JP 4278499 B2 JP4278499 B2 JP 4278499B2 JP 2003401485 A JP2003401485 A JP 2003401485A JP 2003401485 A JP2003401485 A JP 2003401485A JP 4278499 B2 JP4278499 B2 JP 4278499B2
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Description

本発明は、表示装置に関するものである。
従来、表示装置の一種として、有機EL(electroluminescence:電界発光)表示装置がある。有機EL表示装置は、EL層を上下から挟み込む電極同士の間に電圧を印加することによってEL層を発光させるものである。EL層は成膜によって形成されるが、成膜しようとする部位の下地の面が十分に平坦でないと、有機EL層を均一な膜厚に成膜することができないという問題が生じる。そこで、EL層の下地の面を平坦化する目的で「平坦化膜」を用いる場合がある。
平坦化膜としては、平坦化に適する材料という理由でポリイミド樹脂やアクリル樹脂といった有機絶縁膜が主に用いられる。しかし、これらの有機絶縁膜から漏出する水分がEL層に侵入することでEL層が劣化することが問題となっている。
これに対して、特開2001−356711(特許文献1)では、トップエミッション構造として、TFT素子およびTFT素子のための配線に起因する凹凸を平坦化するため、スピナーによる塗布方式などの方法によりアクリル、ポリイミドなどの有機絶縁膜を形成し、その上層にCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの方法によって酸化シリコン系材料膜、窒化シリコン系材料膜などの無機絶縁膜を形成することが開示されている。これらの無機絶縁膜は、有機絶縁膜からEL層に向けての水分の浸透を遮断するためのバリアとして設けられたものである。
特開2001−356711号公報(図1)
表示層としてのEL層に対する水分の浸透を遮断するためのバリアとしての無機絶縁膜は、窒化シリコン系材料膜とすることが望ましいが、この無機絶縁膜の下側には有機絶縁膜からなる平坦化膜があるため、高温の成膜は不可能である。高温にすれば有機絶縁膜が樹脂組織の分解を起こしてしまうからである。かといって、この無機絶縁膜を低温で成膜すると、無機絶縁膜の表面粗さが大きくなってしまい、この上面にEL層を形成するには不適となってしまう。表面粗さがあまりに大きいと、たとえば、EL層の上下の導電層同士の間でショートが起こるという不都合がある。
あるいは、他の方法として、有機絶縁膜を形成せずに無機絶縁膜をかなり厚く成膜し、ポリマーコーティングを行った後、RIE(Reactive Ion Etching)によって全面エッチバックしたものを用いて、TFTを覆う層の上面を平坦化する方法が用いられている。しかし、無機絶縁膜をこのように厚く形成した場合、無機絶縁膜の反りが問題となる。無機絶縁膜の反りを考慮に入れて成膜条件を定める必要が生じるのでプロセスの安定性が損なわれる傾向にあった。
そこで、本発明は、表示装置において、上述のような問題を引き起こすことなく、表示層への水分の侵入を遮断することができ、また、画素間での水分の拡散を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく表示装置は、平面的に見て複数の画素領域と上記画素領域同士を仕切る境界領域とを含む表示領域を有する表示装置であって、基板の上側を覆って平滑化するために形成された平坦化膜を備え、上記境界領域は、上記平坦化膜が分割されている表示領域内平坦化膜分割部を含み、上記表示領域内においては、上記平坦化膜の側面および上面は導電膜によって覆われている。ただし、基板の「上側」とは、基板の画素回路形成面側を意味する。平坦化膜の「上面」とは、平坦化膜の基板と反対側の面を意味する。
本発明によれば、表示領域内平坦化膜分割部によって平坦化膜が画素ごとに分割されており、各画素ごとに平坦化膜が導電膜によって上面および側面を覆われた構造となっているので、いずれかの画素において平坦化膜中に水分が残存していたり水分が侵入したりしても、その水分はその画素の平坦化膜の内部のみに閉じ込められることとなり、水分が他の画素に拡散することを防止できる。
本発明の適用対象である表示装置は、液晶表示装置であっても有機EL表示装置であってもよい。有機EL表示装置におけるEL層への水分の侵入が問題となることは既に述べたが、液晶表示装置においても、表示層として液晶層を備える構造は、大まかに見れば有機EL表示装置におけるEL層と類似している。この液晶層に対して水分が侵入すると電圧保持率が低下するなどの不都合を引き起こすため、表示層への水分の侵入を防止すべきであるという点では共通する。ここでは、有機EL表示装置、液晶表示装置の2つを例示したが、これらに限らず、他の種類の表示装置であっても、表示層に水分が侵入することが好ましくない表示装置であれば、本発明は適用可能である。
以下では、表示装置の代表例として有機EL表示装置を取り上げ、説明する。なお、説明中で上下に言及する場合は、絶対的な上下方向ではなく、各図に示すような姿勢で断面図を見たときの相対的な上下方向を意味するものとする。
(実施の形態1)
(構成)
まず、本発明に基づく実施の形態1における表示装置である有機EL表示装置の部分拡大図を図1、図2に示す。図1と図2とは別々の例を示す。この表示装置は、平面的に見て表示領域73を有する。表示領域73の内部には多数の画素が配列されており、これらの画素によって映像や文字を表示する。画素の並び方は、図1に示すように縦横とも画素の位置が揃った並び方であってもよく、図2に示すように奇数行目と偶数行目とで1画素の半分のピッチだけずれた並び方であってもよい。表示領域73には、複数の画素領域71とこれらの画素領域間を仕切る領域である境界領域72とが含まれる。最も外側にある画素領域71の外側の線をつないだ外周74が表示領域73の最外周の輪郭線をなす。
図2に示した有機EL表示装置の構成について、図3、図4を参照して、より詳細に説明する。図3は、図2の図中左端の外周近傍の部分を拡大して表示したものである。画素領域71の各々の形状は分離膜によって取り囲まれることで規定されている。図3では、分離膜としては、表示領域内分離膜91と表示領域外周分離膜92との2種類が視野に入っているが、図3では、構造を見えやすくするため、これら分離膜は取り去った状態での平面図を示し、分離膜は二点鎖線(仮想線)で表示している。表示領域内分離膜91と表示領域外周分離膜92とは、切れ目なく連続した分離膜であるが、部位によって呼び名を分けている。
図3に示すように、各画素領域71に対応するようにコンタクトホール13がそれぞれ設けられている。図3におけるIV−IV線に関する矢視断面図を図4に示す。ただし、図4では、図3と異なり、画素電極9より上側の構造も表示している。
ところで、一般に、有機EL層は、水分の侵入によって劣化する。一方、有機絶縁膜からなる平坦化膜は不所望な水分を含みがちで周囲に対して水分を供給してしまうことが問題視されている。一般に、平坦化膜の材料は水分の発生源とも通過経路ともなり得る。一方、分離膜の材料は脱水処理などを施すことによって水分の発生源とはならなくなるが依然として水分の通過経路とはなり得る。そこで、本実施の形態では、平坦化膜の材料は水分の発生源とも通過経路ともなり得、分離膜の材料が水分の発生源とならないが水分の通過経路にはなるような条件下で有効な構成について説明する。
(基板、TFT、無機絶縁膜)
この有機EL表示装置においては、図4に示すように、基板1の上面に各画素領域71に対応するようにTFT2が配置されている。TFT2は、チャネル部2eと、ソース領域2fと、ドレイン領域2gと、これらの上側を覆うゲート絶縁膜2dと、そのさらに上側に形成されたゲート電極2aとを備える。さらに、TFT2は、ソース領域2fおよびドレイン領域2gからそれぞれゲート絶縁膜2dを貫通して上方に引き出すように形成された導電体部分であるソース電極2bおよびドレイン電極2cを備える。基板1の上側には、ゲート絶縁膜2dの続きとして延在する絶縁膜を介してその上側に層間絶縁膜6が形成されている。TFT2は層間絶縁膜6の中に埋め込まれている。層間絶縁膜6およびTFT2の上側を無機絶縁膜7が覆っている。
(平坦化膜)
無機絶縁膜7の上面は、図4に示されるように、下側にTFT2が配置された部位ごとに盛り上がっており、平坦ではない。そこで、無機絶縁膜7の上側には上面を平滑化するための平坦化膜8が形成されている。平坦化膜8は、たとえばアクリル系樹脂からなる有機絶縁膜である。平坦化膜8は表示領域73の外周に沿って分割されている。すなわち、表示領域73の外周に沿って表示領域外周平坦化膜分割部82があり、平坦化膜8は表示領域外周平坦化膜分割部82よりも外側の部分8bと内側の部分8aとに分けられている。また、平坦化膜8は、境界領域72の内部においても表示領域内平坦化膜分割部81によって分割されている。その結果、図3に平面的に示されるように、平坦化膜8は画素ごとに分かれて独立した形のものとなっている。
(画素電極、分離膜)
表示領域外周平坦化膜分割部82よりも内側では、図4に示されるように、平坦化膜8の上側および側面を画素電極9が覆っている。画素電極9の上側には、分離膜として表示領域内分離膜91が形成されている。表示領域内分離膜91は、境界領域72を規定する。すなわち、表示領域内分離膜91によって画素電極9が隠されている部分が境界領域72である。表示領域内分離膜91によって囲まれた盆地状の領域は、画素領域71となっている。ただし、最外周の画素領域71は、表示領域内分離膜91のみによって囲まれる代わりに、表示領域内分離膜91と表示領域外周分離膜92との両方によって囲まれている。画素領域71においては、画素電極9は分離膜に覆われることなく露出している。表示領域外周分離膜92は、表示領域73の外周に沿って形成されており、表示領域外周平坦化膜分割部82の内部で分割されることによって、内側の部分92aと外側の部分92bとに分割されている。したがって、表示領域外周分離膜92は、表示領域73の外周を内側の部分92aと外側の部分92bとで2重に取り囲むようになっている。分離膜は、表示領域内分離膜91、表示領域外周分離膜92ともに、たとえばポリイミド系樹脂からなり、脱水処理が施されている。
(EL層、対向電極)
画素領域71に露出した画素電極9と、表示領域内分離膜91との上側を覆うように表示層としてのEL層11が形成されている。EL層11は、ホール輸送層、発光層および電子輸送層を含む有機材料の層であり、電圧を印加することにより自ら発光する性質を有する。EL層11は、表示領域外周分離膜92の一部をも覆っている。さらに、導電材料からなる対向電極12がEL層11の上側を覆うように形成されている。対向電極12は、図4に示すように、EL層11の上側のみならずEL層11よりも外側にまで延在し、表示領域外周分離膜92の部分92aを覆い、表示領域外周平坦化膜分割部82の底面の無機絶縁膜7が露出する面を覆って、さらに表示領域外周分離膜92の部分92bの一部をも覆っている。
(作用・効果)
本実施の形態における表示装置では、各画素領域71においてEL層11が対向電極12と画素電極9とで挟まれているので、対向電極12と画素電極9との間に電圧を印加することによってEL層11を発光させることができ、表示装置として機能を発揮することができる。
平坦化膜が水分の発生源とも通過経路ともなり得るという問題に対して、本実施の形態では、表示領域外周平坦化膜分割部82の内側においては、平坦化膜8は画素電極9によって完全に覆われているので、平坦化膜8からEL層11に至る水分の経路は遮断されている。表示領域外周平坦化膜分割部82の外側の平坦化膜8、すなわち部分8bなどからEL層11に至る水分の経路に関しては、対向電極12が分離膜の部分92aの上面から表示領域外周平坦化膜分割部82の底面に至るまでを覆っていることによって、遮断されている。したがって、表示領域73の内外を問わず平坦化膜8から出てくる水分が表示層としてのEL層11に侵入することを防止できる。さらに、分離膜の部分92aの下端までが対向電極12で覆われていることによって、封止ガラス間の水分および封止ガラス間の空間に含まれている水分が部分92aを介してEL層11に侵入することも防止できる。
さらに、本実施の形態では、表示領域内平坦化膜分割部81によって平坦化膜8が画素ごとに分割されており、各画素ごとに平坦化膜8が画素電極9によって上面および側面を完全に覆われた構造となっているので、何らかのトラブルによって、いずれかの画素において平坦化膜8中に水分が残存していたり水分が侵入したりしても、その水分はその画素の平坦化膜8の内部のみに閉じ込められることとなり、水分が他の画素に拡散することを防止できる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、表示領域外周分離膜92が、表示領域73の外周74に沿って形成された表示領域外周平坦化膜分割部82の内部で分割されることによって、内側の部分92aと外側の部分92bとに分割された構造とした(図4参照)。この構造では、表示領域外周平坦化膜分割部82で分離膜が一旦途切れるものの表示領域外周平坦化膜分割部82の外側にも分離膜が引き続き存在することとなるので、分離膜の上面がなす同一高さの面が表示領域73の外側にもある程度続くこととなり、EL層11形成のためのマスクを載せる際などに好都合である。
これに対して、本発明に基づく実施の形態2としては、実施の形態1に比べればやや劣るが、水分の侵入防止に関しては良い効果を得られる他の形態を説明する。
(構成)
本実施の形態における表示装置の構成は、実施の形態1におけるものと基本的に同じであるが、表示領域73の最外周近傍において異なり、たとえば、図5のような構造とする。すなわち、表示領域外周平坦化膜分割部82の内部に表示領域外周分離膜92の端が位置する構造である。対向電極12は、表示領域外周分離膜92の上面、側面を覆い、表示領域外周平坦化膜分割部82の底面の無機絶縁膜7が露出する面を覆って、平坦化膜8の部分8bの一部をも覆っている。
(作用・効果)
本実施の形態においても、平坦化膜8は画素電極9によって完全に覆われており、表示領域外周平坦化膜分割部82の外側からの水分に対しては、表示領域外周分離膜92が対向電極12によって覆われているので、EL層11への水分の侵入を遮断することができる。さらに、表示領域外周分離膜92の下端までが対向電極12で覆われていることによって、封止ガラス間の水分および封止ガラス間の空間に含まれている水分が表示領域外周分離膜92を介してEL層11に侵入することも防止できる。すなわち、遮断に関しては実施の形態1と同様の効果が得られる。
本実施の形態では、表示領域73内では、実施の形態1と同じ構成、すなわち、平坦化膜8は、境界領域72の内部においても表示領域内平坦化膜分割部81(図4参照)によって分割されている構成とした。いずれかの画素において平坦化膜8中に残存していたり侵入したりした水分が他の画素に拡散しないようにするためには、表示領域内平坦化膜分割部81の存在が好ましいが、本実施の形態としては、本質的には、表示領域内平坦化膜分割部81がない場合であっても、表示領域73の最外周近傍における構造が図5に示すようになっていればよい。その場合、画素間の水分拡散の効果が得られないが、表示領域外周平坦化膜分割部82よりも外側からの水分侵入に対しては対向電極12によって遮断効果を発揮することができる。
(実施の形態3)
平坦化膜8が、水分の通過経路とはなり得るが水分の供給源とはならないような材料からなり、なおかつ、分離膜が水分の供給源とはならず水分の通過経路となり得るのみである場合について、本発明に基づく実施の形態3として説明する。このような場合としては、たとえば、平坦化膜が無機系の材料または脱水処理を施したポリイミド系樹脂からなり、分離膜は脱水処理を施したポリイミド系樹脂からなる場合が該当する。
(構成)
本実施の形態における表示装置では、表示領域73内は、図4に示した表示領域73内の構造から表示領域内平坦化膜分割部81をなくし、平坦化膜8が表示領域73内で連続している構造であってもよい。一方、表示領域73の外周近傍では、図6に示す構造であってもよい。すなわち、画素電極9が平坦化膜8の側面を覆わずに平坦化膜8の上面の途中までしかない構造であってもよい。図6に示す構造は、さらに言い換えれば、表示領域73の外周に沿って平坦化膜8が分割されている表示領域外周平坦化膜分割部82を含み、表示領域外周分離膜92は表示領域外周平坦化膜分割部82の内部で途切れており、表示領域外周分離膜92の側面および上面は導電膜としての対向電極12で覆われている構造である。
(作用・効果)
この構造であっても、表示領域外周分離膜92は対向電極12によって覆われているので、外部からの水分の侵入を遮断することができる。さらに、表示領域外周分離膜92の下端までが対向電極12で覆われていることによって、封止ガラス間の水分および封止ガラス間の空間に含まれている水分が部分92aを介してEL層11に侵入することも防止できる。このことは、図6に示すように、表示領域外周分離膜92の外側端が表示領域外周平坦化膜分割部82の内部にある場合に限らず、図7に示すように、表示領域外周分離膜92の外側端が平坦化膜8の部分8aの上面にある構造であってもよい。図7に示す構造は、言い換えれば、表示領域73の外周に沿って平坦化膜8が分割されている表示領域外周平坦化膜分割部82を含み、表示領域外周分離膜92は表示領域外周平坦化膜分割部82よりも内側で途切れており、表示領域外周分離膜92の側面および上面は導電膜としての対向電極12で覆われている構造である。図7に示す構造であっても図6に示す構造と同様の効果が得られる。
平坦化膜8が、水分の供給源になることも水分の通過経路になることも考えなくてもよいような材料からなり、なおかつ、分離膜が水分の供給源とはならず水分の通過経路となり得るのみである場合には、そもそも平坦化膜8の表示領域外周平坦化膜分割部82はなくてもよい。しかし、分離膜は水分の通過経路となり得ることを考慮して表示領域73の外周に沿って分割するとして、図8に示す構造が考えられる。すなわち、表示領域73の外周に沿って表示領域外周分離膜92が内側の部分92aと外側の部分92bとに分割されており、内側の部分92aの側面および上面は導電膜としての対向電極12で覆われている構造である。一方、この表示領域外周分離膜92の分割位置では、平坦化膜8は分割されていない。このような構造であっても、分離膜の分割部よりも外側からのEL層11への水分侵入に対しては、対向電極12によって遮断効果を発揮することができる。
(実施の形態4)
再び、実施の形態1,2と同じく、平坦化膜の材料は水分の発生源とも通過経路ともなり得、分離膜の材料は水分の発生源とはならないが水分の通過経路とはなり得るような場合に有効な本発明の実施の形態について、実施の形態4として説明する。
(構成)
実施の形態1において図4に示した構造の変形例として、実施の形態4では、図9に示す構造となっている。すなわち、表示領域73の外周に沿って平坦化膜8が表示領域外周平坦化膜分割部82によって分割されている。この表示装置は、この表示領域外周平坦化膜分割部82を跨いで平坦化膜8の部分8a,8bを覆うように表示領域外周分離膜92を備える。ただし、表示領域外周分離膜92の下側では平坦化膜8の部分8bの側面および上面までもが導電膜9fで覆われている。導電膜9fは画素電極9と同じ材質であってよく、画素電極9形成時に同時に形成することができる。
(作用・効果)
本実施の形態では、平坦化膜8の部分8aが画素電極9で覆われていることによって部分8aからの水分がEL膜11に向かって侵入することを防止することができる。また、表示領域外周平坦化膜分割部82の外側からの水分がEL膜11に向かって侵入することに対しては、平坦化膜8の部分8bが導電膜9fで覆われていることによって経路を遮断し、防止することができる。
本実施の形態では、表示領域73内では、図4に示した表示領域73内の構造から表示領域内平坦化膜分割部81をなくし、平坦化膜8が表示領域73内で連続している構造であっても外部からの水分遮断の効果は得られる。しかし、図4に示した表示領域73内の構造と同じように表示領域内平坦化膜分割部81を有する構造であることが、画素間の水分拡散も防止できるという点でより好ましい。
(実施の形態5)
(構成)
図10を参照して、本発明に基づく実施の形態5における表示装置について説明する。本実施の形態では、実施の形態1,2,4と同じく、平坦化膜の材料は水分の発生源とも通過経路ともなり得、分離膜の材料は水分の発生源とはならないが水分の通過経路とはなり得るような場合に有効な構造を示す。
実施の形態1において図4に示した構造の変形例として、実施の形態5では、図10に示す構造となっている。すなわち、境界領域72の内部において平坦化膜8が分割されている表示領域内平坦化膜分割部81の内部において、表示領域内分離膜91も同様に画素ごとに分割されている。表示領域内分離膜91が分割されることによって形成される溝の底部は無機絶縁膜7の上面に達している。
(作用・効果)
本実施の形態では、基本的に実施の形態1の特徴を引き継いでいるので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施の形態では、境界領域72内部で表示領域内分離膜91も平坦化膜8と同じように分割されているので、分離膜の体積当たりの表面積が大きくなっている。したがって、分離膜に対する脱水処理を効率良く行なうことができる。
本実施の形態では、表示領域73の最外周近傍の構造は、実施の形態1に示したものを採り入れた形(図10参照)としたが、これに限らず、表示領域73の最外周近傍の構造として実施の形態2で示したもの(図5参照)を採用したり、実施の形態4で示したもの(図9参照)を採用したりしてもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明に基づく実施の形態1における表示装置の第1の例の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における表示装置の第2の例の平面図である。 本発明に基づく実施の形態1における表示装置の第2の例の部分拡大平面図である。 図3におけるIV−IV線に関する矢視断面図である。 本発明に基づく実施の形態2における表示装置の部分断面図である。 本発明に基づく実施の形態3における表示装置の部分断面図である。 本発明に基づく実施の形態3における表示装置の他の例の部分断面図である。 本発明に基づく実施の形態3における表示装置のさらに他の例の部分断面図である。 本発明に基づく実施の形態4における表示装置の他の例の部分断面図である。 本発明に基づく実施の形態5における表示装置の断面図である。
符号の説明
1 基板、2 TFT、2a ゲート電極、2b ソース電極、2c ドレイン電極、2d ゲート絶縁膜、2e チャネル部、2f ソース領域、2g ドレイン領域、6 層間絶縁膜、7 無機絶縁膜、8 平坦化膜、8a (内側の)部分、8b (外側の)部分、9 画素電極、9f 導電膜、11 EL層、12 対向電極、13 (画素電極がドレイン電極に接続する)コンタクトホール、71 画素領域、72 境界領域、73 表示領域、74 外周、81 表示領域内平坦化膜分割部、82 表示領域外周平坦化膜分割部、91 表示領域内分離膜、92 表示領域外周分離膜、92a (内側の)部分、92b (外側の)部分。

Claims (3)

  1. 平面的に見て複数の画素領域と前記画素領域同士を仕切る境界領域とを含む表示領域を有する表示装置であって、
    基板の画素回路形成面側を覆って平滑化するために形成された平坦化膜を備え、
    前記境界領域は、前記平坦化膜が分割されている表示領域内平坦化膜分割部を含み、
    前記表示領域内においては、前記平坦化膜の側面および前記基板と反対側の面は導電膜によって覆われており、
    前記境界領域において前記平坦化膜の前記基板と反対側の面を部分的に覆う表示領域内分離膜を備え、
    前記表示領域内平坦化膜分割部においては前記表示領域内分離膜が分割されている、表示装置。
  2. 前記表示領域の外周に沿って前記平坦化膜が分割されている表示領域外周平坦化膜分割部を含む、請求項1に記載の表示装置。
  3. 平面的に見て複数の画素領域と前記画素領域同士を仕切る境界領域とを含む表示領域を有する表示装置であって、
    基板の画素回路形成面側を覆って平滑化するために形成された平坦化膜を備え、
    前記境界領域は、前記平坦化膜が分割されている表示領域内平坦化膜分割部を含み、
    前記表示領域内においては、前記平坦化膜の側面および前記基板と反対側の面は導電膜によって覆われており、
    前記表示領域の外周に沿って前記平坦化膜が分割されている表示領域外周平坦化膜分割部を含み、
    前記表示領域外周平坦化膜分割部を跨いで前記平坦化膜を覆うように表示領域外周分離膜を備え、前記表示領域の外側においても、前記表示領域外周分離膜の前記基板側では前記平坦化膜の側面および前記基板と反対側の面は導電膜によって覆われている、表示装置。
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