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JP4264894B2 - エアボックス付きグローブボックス - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両内に持ち込んだペットボトル、缶コーヒー等の飲料を、空調装置から供給される冷風または温風を利用して、大きな改造を必要としない簡単な手段で、保温できるようにしたグローブボックスの改良に関する。
従来ペットボトル、缶コーヒー等の飲料を自動車等の車内に持ち込んで保管するとき、座席シート上に置くか、車内の適宜場所に取り付けたカップホルダ等に置いているが、長く放置しながら運転していると、飲料の温度が上昇あるいは下降しておいしさが半減してしまう。
これを防ぐため、クーラーボックス、その他の保温容器を車内に持ち込んで、飲料をその保温容器に入れておくという方法もあるが、保温容器がかさばって、邪魔になり、また運転中に運転者がかかる保温容器からひとりで飲料を取り出すことが容易でないという問題がある。
このような問題点を解消する手段として、従来例えば、特許文献1(実公平4−980号公報)にて開示されているような、空調装置の冷風を利用した手段がある。
この手段は、自動車内のグローブボックスの内部にクールボックスを設け、このクールボックスに車内の冷房装置のエバポレータ側ダクト及びブロアリターンダクトをそれぞれ接続し、エバポレータ側ダクトから冷風をクールボックスに送り込み、一方排出空気がクールボックスからブロアリターンダクトに排出されるようになっている。
特許文献1において、クールボックスに空調装置から冷風をクールボックスに送り込む場合、エバポレータ側ダクトがクールボックス側に接続する吸入孔及びブロアリターンダクトがクールボックス側に接続する排出孔をそれぞれ開の状態にしておく必要があり、このとき同吸入孔及び排出孔を閉じるために同吸入孔及び排出孔に嵌め込まれるキャップは不要となるので、キャップをクールボックスの開閉蓋の裏面に設けられたキャップ固定穴に嵌め込んで保管すると共に、キャップ固定穴に嵌め込まれたキャップの頭部がクールボックス内に収納された缶ジュース等の容器を押さえ付けることにより、自動車走行時の振動等で、クールボックス内に収納された缶ジュース等がガタつかないようにしている。
実公平4−980号公報
しかるに特許文献1に開示されている手段にあっては、空調装置からクールボックスに冷風を導入するため、及びクールボックス内の空気を空調装置に戻すための比較的長いダクトを必要とし、構造が複雑になると共に、長いダクトを配置するための空間を必要とする。
また、グローブボックスの内部にさらにクールボックスを配置する構造となっており、かつそのクールボックスは供給されるエアが逃げないように、また保温状態を保持するように、密閉構造とする必要があるため、グローブボックス全体として構造が複雑で高価となり、またグローブボックス内部の収納空間がほとんどクールボックスで占領されてしまい、他の収納物を収納する余地がなくなるという問題点がある。
本発明は、空調装置から供給される冷風又は温風を利用して容器の保温を行う場合に、かかる従来技術の課題に鑑み、きわめて簡単な構造で、上記問題点を解消し得た車両内グローブボックスを提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するもので、その手段は、車両の内部に配置されたインストルメントパネルに設けられたグローブボックスの収納空間を少なくとも2つに仕切り、一方の空間に保温すべき容器を収納するエアボックス用スペースを区画し、他方の空間に出入りするように、前記グローブボックスの開閉蓋の裏面に収納ボックスを取り付け、前記グローブボックスを形成する隔壁であって前記エアボックス用スペースの上部に空調装置から供給されるエアを導入するエア導入路を接続し、該エア導入路の接続部分の開口を、該開口付近の前記隔壁に取り付けられた支軸を中心に回動可能な円板状の開閉ダイヤルによって開閉し、該開閉ダイヤルは円板の空隙部を前記開口に合わせて開状態とし、該円板のキャップ部を前記開口に合わせて閉状態とするように構成されたことを特徴とする。
かかる手段において、好ましくは、前記インストルメントパネルの内部で、同インストルメントパネルに設けられたエア吹出し口に接続される空調装置のエア供給路に前記エア導入路が接続される
空調装置からは、冷房の場合は冷風が供給され暖房の場合は温風が供給される。本発明においては、前記エアボックス用スペースに空調装置から供給される冷風又は温風が供給されることで、同エアボックス用スペースに収納されたペットボトル、缶コーヒー等の容器を低温又は高温のまま保存できる。
本発明においては、前記エアボックス用スペースは密閉した隔壁で囲む必要はない。なぜなら空調装置から供給されたエアが逃げるための隙間が必要であり、空調装置から供給されたエアは、容器の保温に供した後、グローボックスの隔壁の隙間から車内に排出していくようにする。このため特許文献1のように、エアボックス用スペースに導入されたエアを空調装置に戻すためのダクトを特に必要とせず、またエアボックス用スペースを構成するための特別な構造の隔壁あるいはケーシングを必要とせず、簡単な仕切りでグローブボックス内の一部空間をそれに充当するだけでよい。
また好ましくは、前記インストルメントパネルの内部で、同インストルメントパネルに設けられたエア吹出し口に接続される空調装置のエア供給路に前記エア導入路を分岐させ、同エア導入路を前記隔壁の上部に接続する構成としたことにより、前記エア導入路を最短の長さにすることができ、特許文献1のように、長いパイピング工事をする必要がない。またインストルメントパネルの外部に配管が露出して外観を損ねることがない。
また、本発明においては、前記エア導入路を開閉する開閉手段の開閉ダイヤルを設けることが特徴であり、これによって、エアボックススペースに保温すべき容器がある等、空調装置からエアを導入する必要がある場合のみ、同開口を同開閉手段によって開けるようにすればよい。保温すべき容器がなく、エア導入が不要なときは同開口を閉じて、空調装置から供給されるエアをすべてエア吹出し口の方へ導くようにする。
また、少なくとも2つに仕切られた前記グローブボックスの収納空間のうち、他方の空間に出入りするように、同グローブボックスの開閉蓋の裏面に収納ボックスを取り付けることで、グローブボックス内にエアボックス用スペースとは別の収納スペースを確保でき、簡単かつ安価な構造でグローブボックスの有効利用を図ることができる。
以上のように本発明によれば、車両の内部に配置されたインストルメントパネルに設けられたグローブボックスの収納空間を少なくとも2つに仕切り、一方の空間に空調装置から供給されるエアを導入するようにしたという簡単な構造により、飲料の保温を行うことができ、またグローブボックスの蓋を開けるだけで容器の取り出しも簡単である。
また特許文献1のグローブボックスのように、大部分の収納スペースをクールボックスで占領されることがなく、保温すべき容器以外の物の収納スペースも十分に確保可能となる。
またエアボックス用スペースを形成するケーシングには、特別の密閉構造等を必要とせず、またエアボックススペースに供給されたエアはそのまま逃がせばよく、特に必要とする場合を除いて、空調装置にエアを戻すためのダクトの配設を必要としない等、保温機能を有さない従来のグローブボックスと大差ない構造で、本発明の目的が達成できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の一実施例に係るエアボックス付きグローブボックスの縦断立面図(図2のI―I線に沿う縦断立面図)、図2は上記実施例の斜視図、図3は上記実施例の装置の開閉ダイヤルを示す斜視図である。
第1実施例におけるエアボックス付き収納ボックスの全体構成を示す図1〜図2において、1は自動車内部の前部に設けられたインストルメントパネルの外側ケーシング、2は図示しない空調装置から矢印方向に空調された冷風又は温風が供給されるエア供給路、3は自動車内に空調されたエアを吹き出すエア吹出し口、4はインストルメントパネルに設けられたグローブボックスで、開閉蓋5が支軸5aを中心として回動してグローブボックス4を開閉する。図1中、5’は開閉蓋5が開の状態を示す。開閉蓋5の裏側面には収納ボックス6が取り付けられている。7はエアボックス用スペースで、グローブボックス4の隔壁4a及びエアボックス用スペース7を区画するケーシング7aで区画され、ペットボトルP等の保温すべき容器が収納される。
8はエア供給路2から分岐してグローブボックス4の隔壁4aに接続するエア導入路で、図示しない空調装置から供給されるエア(冷風又は温風)をグローブボックス4のエアボックス用スペース7に供給する。9はエア導入路8がグローブボックス4の隔壁4a(本実施例では隔壁4aの上部)に接続する開口、10は開口9を開閉する開閉ダイヤル(開閉手段)である。
図3は、図1の実線矢印Z方向から見た開閉ダイヤル10を示した図で、該開閉ダイヤル10は開口9付近のグローブボックス隔壁4aに支軸10aを中心として回動可能に取り付けられ、開口9を開の状態とする空隙部10bと開口9を閉鎖するキャップ10cとを具備する。wは自動車の運転席前方にある窓である。この開閉ダイヤル10は前記のように構成されているので、エアボックス用スペース7に大幅に突出することなく空間を有効に活用でき、またダイヤル式のため非常に使い勝手がよいというメリットがある。
かかる実施例の装置において、グローブボックス4のエアボックス用スペース7に保温したいペットボトルPがある場合、開閉ダイヤル10を回して、開口9に空隙部10bを合せて開とし、空調装置から供給される冷風の一部をエア導入路8を通してグローブボックス4内に導入する。導入された冷風は、グローブボックス4内の特にエアボックス用スペース7の近辺を冷やして、その後グローブボックス4外へ放散する。
エアボックス用スペース7に保温すべき容器がないときは、開閉ダイヤル10を回してキャップ10cを開口9に合せて閉鎖し、エアのグローブボックス4内への導入を止め、すべてのエアをエア吹出し口3から車内に流すようにする。
このように本実施例の装置によれば、インストルメントパネル1の内部で、エア供給路2から分岐するエア導入路8をエアボックス用スペース7付近のグローブボックス隔壁4aに開口するという簡単な構造でエアボックス用スペース7内のペットボトルPを容易に保温できる。
この場合、特許文献1のクールボックスのように、エアボックス用スペース7を他空間から密閉する構造とする必要もなく、また放出されたエアを元の空調装置に戻すダクト等も要せず、きわめて簡単な構造で済む。
また収納ボックス6によってグローブボックス内に別に他の収納物を収納するスペースも十分確保でき、特許文献1のグローブボックスのように大部分の空間をクールボックスに占領されることもない。
さらにグローブボックス内に保温すべき容器がないときには、従来のグローブボックスの機能のみ、即ち収納用のみに簡単に切り替え可能である。
本発明によれば、自動車等車両内に設けられたグローブボックスに、簡単な構造で搭乗者が保温したい容器等を冷却又は加温状態での保温機能を付加せしめると共に、他目的の収納スペースも確保でき、運転者等搭乗者の便に寄与するところ大なるものがある。
本発明の一実施例に係るエアボックス付きグローブボックスの縦断立面図(図2のI―I線に沿う縦断立面図)である。 前記実施例の斜視図である。 前記実施例の装置の開閉ダイヤルを示す斜視図である。
符号の説明
1 インストルメントパネル
2 エア供給路
3 エア吹出し口
4 グローブボックス
5 開閉蓋
6 収納ボックス
7 エアボックス用スペース
8 エア導入路
9 開口
10 開閉ダイヤル

Claims (2)

  1. 車両の内部に配置されたインストルメントパネルに設けられたグローブボックスの収納空間を少なくとも2つに仕切り、一方の空間に保温すべき容器を収納するエアボックス用スペースを区画し、他方の空間に出入りするように、前記グローブボックスの開閉蓋の裏面に収納ボックスを取り付け、前記グローブボックスを形成する隔壁であって前記エアボックス用スペースの上部に空調装置から供給されるエアを導入するエア導入路を接続し、該エア導入路の接続部分の開口を、該開口付近の前記隔壁に取り付けられた支軸を中心に回動可能な円板状の開閉ダイヤルによって開閉し、該開閉ダイヤルは円板の空隙部を前記開口に合わせて開状態とし、該円板のキャップ部を前記開口に合わせて閉状態とするように構成されたことを特徴とするエアボックス付きグローブボックス。
  2. 前記インストルメントパネルの内部で、該インストルメントパネルに設けられたエア吹出し口に接続される空調装置のエア供給路に前記エア導入路が接続されることを特徴とする請求項1記載のエアボックス付きグローブボックス。
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