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JP4262211B2 - 圧電素子 - Google Patents

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JP4262211B2
JP4262211B2 JP2005049382A JP2005049382A JP4262211B2 JP 4262211 B2 JP4262211 B2 JP 4262211B2 JP 2005049382 A JP2005049382 A JP 2005049382A JP 2005049382 A JP2005049382 A JP 2005049382A JP 4262211 B2 JP4262211 B2 JP 4262211B2
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Description

本発明は、圧電体と複数の個別電極及びコモン電極とを備えた圧電素子に関するものである。
従来の圧電素子としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。この文献に記載の積層型圧電素子は、複数の個別電極が形成された圧電シートとコモン電極が形成された圧電シートとを交互に積層してなる活性層と、この活性層に対して積層された絶縁シートとを備え、絶縁シートの表面には、個別電極に対する表面電極とコモン電極に対する表面電極とが形成されている。このような積層型圧電素子では、活性層における絶縁シートの反対側に駆動対象物が配置される。そして、個別電極とコモン電極との間に表面電極を介して電圧を印加すると、活性層における個別電極とコモン電極との間の部分(圧電活性部)が積層方向に変位し、駆動対象物が駆動される。
ここで、特許文献1に記載されているように、素子内に電気的に独立した個別電極を二次元マトリックス状に複数形成した場合には、隣り合う個別電極に対応する圧電活性部間のクロストークが問題となったり、変位伝達面の反対側に対する圧電素子の変位(変形)が問題となり、結果的に活性層の変位量の低下を招くことがある。このような不具合を解決するためには、例えば特許文献2に記載されているように、活性層を挟んで変位伝達面の反対側に、活性層の変位を規制する拘束層を設けることが知られている。
特開2002−254634号公報 特開2001−162796号公報
しかしながら、近年では、更なる圧電素子の小型化及び個別電極の高密度化が要求されている。このため、上記特許文献2に記載のように単純に拘束層を設けただけでは、隣り合う個別電極に対応する圧電活性部間のクロストークや、変位伝達面の反対側に対する圧電素子の変形といった問題を解決できなくなっている。また、上記特許文献2に記載の圧電素子では、拘束層にダミー電極(フローティング電極)が設けられているため、静電気による電荷の蓄積等によって拘束層が動いてしまう可能性がある。これにより、隣り合う圧電活性部間のクロストーク等が発生することがある。
本発明の目的は、活性層における隣り合う個別電極間のクロストークや、変位伝達面の反対側への素子変形を確実に防止することができる圧電素子を提供することである。
本発明の圧電素子は、第1圧電体を挟んで対向する複数の個別電極及びコモン電極を有し、個別電極とコモン電極との間に電圧が印加されることで変位する活性層と、活性層に対して積層され、活性層の一方側に対する活性層の変位を規制する拘束層と、拘束層における活性層とは反対側の面に設けられ、各個別電極に電圧を印加するための複数の第1端子電極及びコモン電極に電圧を印加するための第2端子電極とを備え、拘束層は、互いに積層された複数の第2圧電体と、各第2圧電体の間に配置され、第2圧電体に形成された第1スルーホールを介して各個別電極と各第1端子電極とを電気的に接続するための複数の第1中継電極と、各第2圧電体の間に配置され、第2圧電体に形成された第2スルーホールを介してコモン電極と第2端子電極とを電気的に接続するための第2中継電極とを有し、活性層に隣接する第2圧電体の厚みは、第1圧電体の厚みよりも大きいことを特徴とするものである。
このように活性層及び拘束層を備えた圧電素子において、活性層の変位を規制するためには、拘束層は厚いほうが良いが、むやみに拘束層を厚くすると、素子の大型化やコストアップにつながるため好ましくない。また、拘束層を1層の圧電体で形成しようとする場合には、圧電体を厚くした分、個別電極及びコモン電極と端子電極との電気的接続を確実に行うための大径のスルーホールを圧電体に形成することが必要となる。スルーホールの直径は、圧電体1層の厚みよりも大きくするのが一般的とされているからである。このように大径のスルーホールを形成した場合には、個別電極の高密度化が困難となり、やはり好ましくない。このような事から、拘束層は、厚みの小さい圧電体を複数積層して形成するのが望ましい。この場合には、各層の圧電体に形成されたスルーホール同士の電気的接続を確実に行うべく、各層の圧電体の間に中継電極を設ける必要がある。
しかしながら、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、薄い圧電体を複数積層して拘束層を形成した場合には、特に複数の個別電極を高密度に配列したときに、中継電極に起因して生じる電界(静電容量)が、隣り合う個別電極間のクロストークや、圧電素子の変位伝達面とは反対側(拘束層側)への活性層の変形に影響を及ぼすことが分かった。具体的には、個別電極とコモン電極との間に電圧が印加されると、活性層における個別電極とコモン電極との間の部分(圧電活性部)に電界が発生するだけでなく、拘束層における個別電極またはコモン電極と中継電極との間にも電界が発生するため、拘束層にも微小な変位が生じ、上記の問題を引き起こすということである。
そこで、本発明では、複数の第2圧電体を積層して拘束層を形成し、各第2圧電体の間に複数の第1中継電極及び第2中継電極を設けると共に、活性層に隣接する第2圧電体の厚みを第1圧電体の厚みよりも大きくした構成とする。これにより、活性層において最も拘束層側に位置する電極から第1中継電極及び第2中継電極までの距離が長くなるため、個別電極とコモン電極との間に電圧が印加されたときに、コモン電極と第1中継電極との間に生じる電界または個別電極と第2中継電極との間に生じる電界の影響を受けにくくなり、拘束層の変位が抑えられる。さらに、拘束層に設けられた第1中継電極及び第2中継電極はフローティング電極ではないので、静電気による電荷の蓄積等によって拘束層が変位することも防止できる。以上により、隣り合う個別電極に対応する圧電活性部間のクロストークや、素子の変位伝達面とは反対側(拘束層側)に対する活性層の変形を確実に防止することができる。
好ましくは、第1中継電極及び第2中継電極は、個別電極とコモン電極とが重なり合う領域を避けるように設けられている。圧電素子において個別電極とコモン電極とが重なり合う領域は、活性層の圧電活性部(実際に変位が生じる部分)を含んでいる。従って、個別電極とコモン電極とが重なり合う領域を避けるように第1中継電極及び第2中継電極を設けることにより、コモン電極と第1中継電極との間または個別電極と第2中継電極との間に電界が生じ、拘束層に微小な変位が発生しても、圧電活性部に与える影響は少ない。これにより、隣り合う個別電極に対応する圧電活性部間のクロストークや、拘束層側に対する活性層の変形をより確実に防止することができる。
また、好ましくは、活性層における最も拘束層側の位置及び活性層における最も拘束層とは反対側の位置には、コモン電極がベタ状に設けられている。この場合には、活性層及び拘束層を一体焼成して作製する際に、焼成に起因する素子の反りやうねり変形等を低減することができる。
本発明によれば、活性層における隣り合う個別電極間のクロストークや、圧電素子の変位伝達面とは反対側への圧電素子の変形を確実に防止することができる。これにより、圧電素子の変位伝達面側に対する活性層の変位量を増大させることが可能となる。
以下、本発明に係わる圧電素子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる圧電素子の一実施形態を示す分解斜視図であり、図2は、その圧電素子の一部側断面図である。各図において、本実施形態の圧電素子1は、直方体状を有する積層型圧電素子である。積層型圧電素子1は、活性層2と、この活性層2に対して積層された変位伝達層3と、活性層2に対して変位伝達層3の反対側に積層された拘束層4とを備えている。
活性層2は、圧電体5と、この圧電体5を挟んで対向する複数の内部個別電極6及び内部コモン電極7とを有している。これらの内部個別電極6及び内部コモン電極7は、圧電体5を介して交互に複数層にわたって積層されている。活性層2の最も変位伝達層3側(下側)の位置と活性層2の最も拘束層4側(上側)の位置には、内部コモン電極7が設けられている。各層の内部個別電極6は、2次元マトリックス状に配列されている。このような活性層2は、内部個別電極6と内部コモン電極7との間に電圧が印加されると、圧電体5が積層方向に伸縮(変位)する層である。
圧電体5は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした圧電セラミック材料で形成されている。内部個別電極6及び内部コモン電極7は、例えばAg及びPdで形成されている。
変位伝達層3は、内部個別電極6と内部コモン電極7との間に電圧が印加されても、それ自体は変位せず、駆動対象物(図示せず)に活性層2の変位を伝達する層である。なお、駆動対象物は、変位伝達層3に隣接して配置されている。変位伝達層3は、活性層2と同じ圧電体5で形成されている。
拘束層4は、互いに積層された複数(ここでは2層)の圧電体8と、各層の圧電体8の間に配置された複数の個別中継電極9及びコモン中継電極10とを有している。拘束層4の上面には、各内部個別電極6に電圧を印加するための複数の個別端子電極11と、内部コモン電極7に電圧を印加するためのコモン端子電極12とが設けられている。拘束層4は、内部個別電極6と内部コモン電極7との間に電圧が印加されたときに、変位伝達層3の反対側つまり上側への活性層2の変位を規制する層である。
圧電体8は、活性層2の圧電体5と同じセラミック材料で形成されている。個別中継電極9及びコモン中継電極10は、内部個別電極6及び内部コモン電極7と同様に、例えばAg及びPdで形成されている。個別端子電極11及びコモン端子電極12は、例えばAg、Au、Cuのいずれか若しくはそれらの合金で形成されている。
このような積層型圧電素子1において、拘束層4のトータル厚みは、活性層2のトータル厚みの1/3以上、好ましくは1/2以上あれば良い。活性層2を構成する各圧電体5の1層当たりの厚みは、例えば15〜50μm程度である。また、拘束層4を構成する各圧電体8の厚みは、圧電体5の厚みよりも大きくなっている。
積層型圧電素子1は、具体的には、複数の内部個別電極6が形成された圧電体5A,5Bと、内部コモン電極7が形成された圧電体5C,5Dと、複数の個別中継電極9及びコモン中継電極10が形成された圧電体8Aと、複数の個別端子電極11及びコモン端子電極12が形成された圧電体8Bとを備えている。積層型圧電素子1は、上から順に圧電体8B、圧電体8A、圧電体5C、圧電体5A、圧電体5C、圧電体5A、圧電体5C、圧電体5B及び圧電体5Dを重ねた構造をなしている。
圧電体5Aの上面には、図3に示すように、上記の複数の内部個別電極6と内部コモン中継電極13とが形成されている。内部コモン中継電極13は、圧電体5Aの上面の一端部に配置されている。また、圧電体5Aには、各内部個別電極6と電気的に接続された複数のスルーホール14と、内部コモン中継電極13と電気的に接続されたスルーホール15とが形成されている。スルーホール14,15内には、例えばAg及びPdからなる導電材料が充填されている。
圧電体5Bの上面には、図4に示すように、圧電体5Aと同様に、複数の内部個別電極6と内部コモン中継電極13とが形成されている。圧電体5Bには、圧電体5Aと同様にスルーホール15が形成されているが、スルーホール14は形成されていない。
圧電体5Cの上面には、図5に示すように、上記の内部コモン電極7と複数の内部個別中継電極16とが形成されている。内部コモン電極7は、圧電体5Cの上面における両側縁部を除いた領域にベタ状に形成されている。複数の内部個別中継電極16は、圧電体5Cの上面の両側縁部に内部コモン電極7を挟むように形成されている。また、圧電体5Cには、内部コモン電極7と電気的に接続されたスルーホール17と、各内部個別中継電極16と電気的に接続された複数のスルーホール18とが形成されている。スルーホール17,18内には、導電材料が充填されている。
圧電体5Dの上面には、図6に示すように、圧電体5Cと同様に内部コモン電極7が形成されている。圧電体5Dには、圧電体5Cに形成した内部個別中継電極16及びスルーホール17,18は設けられていない。なお、内部コモン電極7は、圧電体5Dの上面全面にベタ状に形成しても良い。
圧電体8Aの上面には、図7に示すように、上記の複数の個別中継電極9と上記のコモン中継電極10とが形成されている。個別中継電極9は、上記の内部個別中継電極16と対応する位置に形成されている。コモン中継電極10は、上記の内部コモン中継電極13と対応する位置に形成されている。従って、個別中継電極9及びコモン中継電極10は、積層方向に対して内部個別電極6と内部コモン電極7とが重なり合う領域(圧電効果により圧電体5の歪みが生じる領域)を避けるように設けられている事になる。また、圧電体8Aには、各個別中継電極9と電気的に接続された複数のスルーホール19と、コモン中継電極10と電気的に接続されたスルーホール20とが形成されている。スルーホール19,20内には、導電材料が充填されている。
圧電体8Bの上面には、図8に示すように、上記の複数の個別端子電極11と上記のコモン端子電極12とが形成されている。個別端子電極11は、個別中継電極9と対応する位置に形成されている。コモン端子電極12は、コモン中継電極10と対応する位置に形成されている。また、圧電体8Bには、各個別端子電極11と電気的に接続された複数のスルーホール21と、コモン端子電極12と電気的に接続されたスルーホール22とが形成されている。スルーホール21,22内には、導電材料が充填されている。
このように構成された積層型圧電素子1において、個別端子電極11は、スルーホール21、個別中継電極9、スルーホール19、内部個別中継電極16及びスルーホール18,14を介して各層の内部個別電極6と電気的に接続されている。コモン端子電極12は、スルーホール22、コモン中継電極10、スルーホール20,17、内部コモン中継電極13及びスルーホール15を介して各層の内部コモン電極7と電気的に接続されている。ここで、スルーホール19,21同士の電気的接続が個別中継電極9を介して確実に行われるためには、図2に示すように、スルーホール19,21をずらして配置するのが望ましい。スルーホール20,22同士、スルーホール18,19同士、スルーホール14,18同士、スルーホール17,20同士、スルーホール15,17同士についても同様である。
次に、上述した積層型圧電素子1を製造する手順について説明する。まず、例えばPZTを主成分とした圧電セラミックを用意し、これに有機バインダ・有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、PETフィルムをキャリアフィルムとしてペーストをシート成形することで、上記の圧電体5,8となるセラミックグリーンシートを形成する。
続いて、例えばYAGの3次高調波レーザ光をグリーンシートの所定位置に対して照射して穴開けを行うことで、グリーンシートにスルーホールを形成する。このとき、スルーホールを、後述する焼成後に穴径が例えば40〜50μmとなるように加工する。そして、例えばAg:Pd=7:3の比率で構成された導電材料と有機バインダ・有機溶剤等とを混合した導電ペーストを作製し、スクリーン印刷法等によりスルーホール内に導電ペーストを充填する。なお、最下層の圧電体5(変位伝達層3)を形成するグリーンシートには、スルーホールを設ける必要は無い。
続いて、例えばスルーホール充填材と同じ導電ペーストを用いて、スクリーン印刷法等によりグリーンシートの表面の所定領域に、上記の内部個別電極6及び内部コモン電極7等となる内部電極パターンを形成する。
続いて、内部電極パターンが印刷された各種のグリーンシートを所定の枚数だけ所定の順序で積層し、更にその上に、内部電極パターンが印刷されていないグリーンシートを積層することにより、上記の活性層2、変位伝達層3及び拘束層4を有するグリーン積層体を形成する。そして、そのグリーン積層体に対し、例えば60℃程度の熱を加えながら100MPa程度の圧力でプレス加工を行い、各層のグリーンシートを圧着させる。その後、グリーン積層体を所定の寸法に切断する。
続いて、グリーン積層体をセッターに載せ、グリーン積層体の脱脂(脱バインダ)を例えば400℃前後の温度で行う。その後、グリーン積層体が載置されたセッターを密閉匣鉢内に入れ、グリーン積層体の焼成を例えば1100℃程度の温度で2時間程度行い、焼結体を得る。このとき、上述したように活性層2の最上層及び最下層には、内部コモン電極7がベタ状のパターンとして形成されているので、焼成によって生じるグリーン積層体の反り、うねり、変形等を少なくすることができる。
続いて、焼成後の素子の上面に、例えばAgからなる個別端子電極11及びコモン端子電極12を形成する。端子電極11,12の形成手法としては、焼付、スパッタリング、蒸着、無電解メッキ法などが用いられる。
最後に、半田等により各端子電極11,12にFPC(フレキシブルプリント配線基板)等のリード線を取り付ける。そして、例えば温度120℃の環境下で、圧電体5の厚みに対する電界強度が3kV/mmとなるように電圧を例えば3分間印加することにより、分極処理を行う。これにより、圧電セラミックアクチュエータとしての積層型圧電素子1が完成する。
以上のような積層型圧電素子1において、何れかの個別端子電極11とコモン端子電極12との間に所定の電圧を印加すると、当該個別端子電極11に対応する内部個別電極6と内部コモン電極7との間に電圧が印加されることとなる。これにより、活性層2を構成する各層の圧電体5において当該内部個別電極6と内部コモン電極7とに挟まれた部分(圧電活性部)に電界が生じ、活性層2が積層方向に変位するようになる。そして、その活性層2の変位が変位伝達層3を介して駆動対象物(図示せず)に伝えられ、駆動対象物が制御される。
このとき、拘束層4には複数の個別中継電極9が設けられているが、個別端子電極11とコモン端子電極12との間に電圧を印加されたときには、対応する個別中継電極9にも電圧が印加されることになるので、拘束層4における最上層の内部コモン電極7と当該個別中継電極9との間にも電界が生じてしまう。このため、拘束層4を構成する圧電体8が薄いために最上層の内部コモン電極7と個別中継電極9との距離が短いと、圧電体8において内部コモン電極7と個別中継電極9とに挟まれた部分の電界強度が高くなるので、拘束層4が変位してしまう。
従って、活性層2上に拘束層4があるにも拘らず、拘束層4の変位に伴って活性層2が上側に変位(変形)したり、ある内部個別電極6に対応する圧電活性部の変位が隣接する内部個別電極6に対応する圧電活性部の変位を引き起こす、いわゆるクロストークが発生し、結果的に活性層2の変位伝達層3側への変位を阻害してしまう。このような不具合は、内部個別電極6が高密度に配置されている場合に顕著に起きる。
これに対し本実施形態では、拘束層4を構成する圧電体8の厚みが活性層2を構成する圧電体5の厚みよりも大きくなっているので、最上層の内部コモン電極7と個別中継電極9とが距離的に離れるようになる。このため、圧電体8において内部コモン電極7と個別中継電極9とに挟まれた部分の電界強度が低下するため、拘束層4の変位量が低減されるようになる。
ここで、積層型圧電素子1の高さを必要以上に高くすることなく、拘束層4の変位量を十分に低減するためには、拘束層4を構成する圧電体8の厚みは、活性層2を構成する複数層の圧電体5の中で最も薄い圧電体5の1.3〜5.0倍であるのが好ましく、1.5〜3.0倍であるのが特に好ましい。
また、個別中継電極9は、内部個別電極6と内部コモン電極7とが重なり合う領域を避けるような位置に設けられているため、最上層の内部コモン電極7と個別中継電極9とに挟まれた部分に生じる電界が活性層2の圧電活性部の変位に対して与える影響は殆ど無い。さらに、拘束層4には、電圧がかからないフローティング電極が設けられていないので、静電気による電荷の蓄積等によって拘束層4が変位してしまうことも無い。
これにより、活性層2内に複数の内部個別電極6が高密度に配置されている場合であっても、隣り合う内部個別電極6に対応する圧電活性部間のクロストークや、素子上側への活性層2の変形が抑えられるようになる。その結果、素子下側(駆動対象物側)への活性層2の変位量を大きく取ることができ、各内部個別電極6に対応する駆動対象物に対してばらつきの少ない制御を行うことができる。従って、高品質な積層型圧電素子1の小型化及び高集積化を実現することが可能となる。
以上説明してきたような活性層、変位伝達層及び拘束層を備えた積層型圧電素子について、活性層及び変位伝達層を構成する第1圧電体の厚みを25μmに固定し、拘束層を構成する第2圧電体の厚みを変えて、隣り合う内部個別電極に対応する圧電活性部間のクロストークの影響についての検証を行った。
ここで、内部個別電極は1層につき300個有し、これらの内部個別電極を素子内に二次元マトリックス状(75行×4列)に配置した。各内部個別電極において、積層方向に対して内部コモン電極と重なり合う領域(活性エリア)の長さを1.5mm、幅を150μmとした。そして、行方向に隣り合う活性エリア間の距離を250μm、列方向に隣り合う活性エリア間の距離を1mmとした。また、クロストークの影響を調べるための駆動電界強度は、活性層の厚み1mm当たり1kVとした。
拘束層を構成する第2圧電体の厚みを、活性層を構成する第1圧電体の厚みと同じ25μmにして、拘束層のトータル厚みを活性層のトータル厚みの1/3にした場合には、クロストークの改善効果が得られなかった。
しかし、複数層の第2圧電体のうち活性層に隣接する1層の第2圧電体のみの厚さを第1圧電体の厚みの1.3倍にしたところ、クロストークの十分な改善効果が得られた。クロストークの影響が無くなるのは、活性層に隣接する1層の第2圧電体のみの厚さを第1圧電体の厚みの1.5倍以上にしたとき(この時の拘束層のトータル厚みは、活性層のトータル厚みの1/2)であった。
なお、本発明に係わる圧電素子は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、拘束層4を構成する全ての層の圧電体8の厚みを、活性層2を構成する圧電体5の厚みよりも大きくしたが、少なくとも活性層2に隣接する1層の圧電体8の厚みを圧電体5の厚みよりも大きくすれば良い。
また、上記実施形態では、活性層2を構成する圧電体5を複数積層した構造としたが、特に大きな変位量を必要としないのであれば、圧電体5は1層だけであっても良い。
さらに、上記実施形態では、内部コモン電極7を圧電体5の表面にベタ状に形成する構成としたが、内部コモン電極7のパターン形状としては、特にベタ状に限られず、例えば複数の内部個別電極6に対応する形状をもった複数の電極パターン部を含むものであっても良い。また、活性層2の最上層及び最下層に位置する内部電極としては、上記実施形態のように内部コモン電極7に限られず、内部個別電極6であっても良い。
また、上記実施形態では、活性層2の駆動対象物側に変位伝達層3を配置する構造としたが、そのような変位伝達層3は必ずしも設けなくても良い。
本発明に係わる圧電素子の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示した圧電素子の一部側断面図である。 図1に示した内部個別電極が形成された圧電体の平面図である。 図1に示した内部個別電極が形成された他の圧電体の平面図である。 図1に示した内部コモン電極が形成された圧電体の平面図である。 図1に示した内部コモン電極が形成された他の圧電体の平面図である。 図1に示した中継電極が形成された圧電体の平面図である。 図1に示した端子電極が形成された圧電体の平面図である。
符号の説明
1…積層型圧電素子、2…活性層、4…拘束層、5,5A〜5D…圧電体(第1圧電体)、6…内部個別電極、7…内部コモン電極、8,8A,8B…圧電体(第2圧電体)、9…個別中継電極(第1中継電極)、10…コモン中継電極(第2中継電極)、11…個別端子電極(第1端子電極)、12…コモン端子電極(第2端子電極)、19…スルーホール(第1スルーホール)、20…スルーホール(第2スルーホール)、21…スルーホール(第1スルーホール)、22…スルーホール(第2スルーホール)。

Claims (3)

  1. 第1圧電体を挟んで対向する複数の個別電極及びコモン電極を有し、前記個別電極と前記コモン電極との間に電圧が印加されることで変位する活性層と、
    前記活性層に対して積層され、前記活性層の一方側に対する前記活性層の変位を規制する拘束層と、
    前記拘束層における前記活性層とは反対側の面に設けられ、前記各個別電極に電圧を印加するための複数の第1端子電極及び前記コモン電極に電圧を印加するための第2端子電極とを備え、
    前記拘束層は、互いに積層された複数の第2圧電体と、前記各第2圧電体の間に配置され、前記第2圧電体に形成された第1スルーホールを介して前記各個別電極と前記各第1端子電極とを電気的に接続するための複数の第1中継電極と、前記各第2圧電体の間に配置され、前記第2圧電体に形成された第2スルーホールを介して前記コモン電極と前記第2端子電極とを電気的に接続するための第2中継電極とを有し、
    前記活性層に隣接する前記第2圧電体の厚みは、前記第1圧電体の厚みよりも大きいことを特徴とする圧電素子。
  2. 前記第1中継電極及び前記第2中継電極は、前記個別電極と前記コモン電極とが重なり合う領域を避けるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  3. 前記活性層における最も前記拘束層側の位置及び前記活性層における最も前記拘束層とは反対側の位置には、前記コモン電極がベタ状に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の圧電素子。






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