JP4252963B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された上げ下げ窓は、窓枠と、この窓枠の上半分に固定された室外障子(固定障子)と、この固定障子の室内側に沿って上下にスライド開閉自在に設けられた室内障子(可動障子)とを備えて構成されている。この上げ下げ窓の窓縦枠には、可動障子をスライド自在に案内する凹溝状のレール部と、固定障子を支持する凹溝状の支持部とが、室内外に隣接して形成され、つまりレール部の室外側側壁および支持部の室内側側壁を構成する突片が上下に連続して形成されている。そして、可動障子の縦框には、突片に当接して窓の気密性を確保するための気密材が設けられており、この気密材は、可動障子の開閉に伴って突片に摺接するようになっている。
また、可動障子の開閉に伴って気密材が突片に摺接するため、開閉に要する操作力、特に可動障子を開放するための上方への操作力が大きくなってしまい、操作性が悪くなるという問題もある。
また、障子としては、少なくとも室内外(左右または上下)一対の2枚の障子を備えていればよく、3枚以上の障子から構成されていてもよい。
また、補助枠材を、窓枠と別体の部材から構成して窓枠に取り付けるとともに、室外側補助枠材および室内側補助枠材に分割し、これらの間に召合せ部補助部材を介装したことで、窓枠と補助枠材との間の熱伝導および補助枠材同士間での熱伝導が抑制され、建具の断熱性能を向上させることができる。
さらに、室内側障子の気密材が室内側補助枠材に当接せず、室外側障子の気密材が室外側補助枠材に当接しないようにしたことで、障子を開放するにしたがって気密材と補助枠材との当接長さが徐々に短くなるので、障子の開放操作の操作力を小さくすることができ、操作性を良好にすることができる。特に、建具が上げ下げ窓である場合には、下部障子を持ち上げて開放する際の操作力が小さくできるので、効果的である。
このような構成によれば、室内部材、室外部材、および断熱部材を有して窓枠が構成された断熱サッシにおいて、断熱部材の見付け方向内側を覆って前述のような補助枠材を取り付けることで、より一層断熱性能を向上させることができるとともに、建具の意匠性も向上させることができる。
このような構成によれば、見付け面部と傾斜面部とを有して断面略三角形状に形成した部材を反転して配置することで、室内側補助枠材および室外側補助枠材を構成し、見付け面部に気密材を当接させ、傾斜面部には気密材を当接させないようにすることができるとともに、部品の共通化を図ることができる。
このような構成によれば、補助枠材自体における室内外の熱伝導も抑制されるので、さらに一層断熱性能を向上させることができる。
このような構成によれば、前述の効果を有した上げ下げ窓を構成することができる。そして、上げ下げ窓の下部障子においては、開放操作する際の操作力が小さくできることで、操作性が良好にできる、あるいは下部障子を大型化した場合でも、操作性が損なわれないようにできる。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である上げ下げ窓1を室外側から見た正面図である。図2は、上げ下げ窓1を示す縦断面図である。図3は、上げ下げ窓1を示す横断面図であって、上部障子位置における横断面図である。
図1〜図3において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁2における開口部3に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、下端位置が床面よりも所定寸法(例えば、600mm〜900mm)だけ高い位置に設けられた腰窓である。
一方、上部障子20が閉鎖位置にある状態で下部障子30を開放位置まで全開した場合にも、下部障子30の略上半分が上部障子20および網戸50の室内側に重なった状態となり、下部障子30の下方に開口が形成されて上げ下げ窓1が開かれるようになっている。
図4は、上げ下げ窓1の縦枠13および上部障子20の縦框23を拡大して示す横断面図である。図5は、上げ下げ窓1の縦枠13および下部障子30の縦框33を拡大して示す横断面図である。図6は、縦枠13の召合せ部近傍を拡大して示す斜視図である。図7(A)〜(C)は、縦枠13と障子20,30との気密構造を説明する図である。
以上のような上部アタッチメント14Aの見付け面部141には、閉じた上部障子20の気密材231Aが当接し、下部アタッチメント14Bの見付け面部141には、閉じた下部障子30の気密材332Aが当接するとともに、これらの気密材231Aの下端部と気密材332Aの上端部とが気密部材15の気密部152に当接するようになっている。また、気密部材15の気密部152には、上部障子20の下框22あるいは下部障子30の上框31に設けられた横気密材(不図示)が当接するようになっている。このようにして縦枠13における縦方向の気密ラインが形成され、上げ下げ窓1における気密性が確保されている。
(1)すなわち、左右の縦枠13の室内外のレール部材133,134間に上部アタッチメント14A、下部アタッチメント14Bおよび気密部材151を上下に連続して取り付け、これらの各部材14A,14B,15に上部障子20および下部障子30の気密材231A,332Aを当接させたことで、障子を閉じた状態での上げ下げ窓1の気密性が確保できる。
例えば、前記実施形態においては、上げ下げ窓1を例示して説明したが、本発明の建具は、上げ下げ窓1に限らず、引違い窓のように障子が左右にスライド開閉自在に設けられたものでもよい。この際、引違い窓や片引き窓においては、補助枠材を上枠と下枠とに設ければよい。
また、前記実施形態においては、上げ下げ窓1が上下一対の2枚の障子(上部障子20および下部障子30)を有して構成されていたが、これに限らず、3枚以上の障子を有して構成されていてもよい。
図8(A)に示すアタッチメント14Cは、前記実施形態の上下のアタッチメント14A,14Bの傾斜面部142に相当する部分が略円弧状に形成され、かつ前記支持面部143が省略された形態となっている。すなわち、アタッチメント14Cは、見付け方向に延びる見付け面部141と、この見付け面部141の見付け方向内端に連続した曲面部144とを有して断面略扇形状に形成されている。そして、アタッチメント14Cの曲面部144には、上部障子20および下部障子30の気密材231A,332Aが当接不能になっている。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内にスライド開閉可能に支持された少なくとも室内外一対の障子とを備え、
前記窓枠の上下左右の枠材のうち、上下一対の枠材または左右一対の枠材には、それぞれ前記室内外の障子を案内する室内外のレール部が設けられるとともに、これら室内外のレール部同士の間に当該枠材に沿った補助枠材が取り付けられ、
前記補助枠材は、閉じた状態の前記室内側障子の室外側に沿った室外側補助枠材と、閉じた状態の前記室外側障子の室内側に沿った室内側補助枠材とを有し、これら室内外の補助枠材間には、召合せ部補助部材が介装され、前記室外側補助枠材、室内側補助枠材、および召合せ部補助部材が略一直線状に連続して配置され、
前記室内側障子には、前記室外側補助枠材および召合せ部補助部材に当接可能かつ前記室内側補助枠材に当接不能な気密材が設けられ、
前記室外側障子には、前記室内側補助枠材および召合せ部補助部材に当接可能かつ前記室外側補助枠材に当接不能な気密材が設けられている建具。 - 前記窓枠の上下左右の枠材は、それぞれ前記室内側障子を支持する室内部材と、前記室外側障子を支持する室外部材と、これらの室内部材と室外部材とを連結する断熱部材とを有して構成され、
前記補助枠材は、前記互いに対向する一対の枠材における前記室内部材と前記室外部材とに跨り、かつ前記断熱部材の見付け方向内側を覆って取り付けられている請求項1に記載の建具。 - 前記補助枠材は、見付け方向に延びた見付け面部と、この見付け面部の見付け方向内端に連続した傾斜面部とを有して断面略三角形状に形成され、
前記室内側補助枠材は、前記見付け面部を室外側に向けかつ前記傾斜面部を室内側に向けて配置され、前記室外側補助枠材は、前記見付け面部を室内側に向けかつ前記傾斜面部を室外側に向けて配置されている請求項1または請求項2に記載の建具。 - 前記補助枠材は、室内部材と、室外部材と、これらの室内部材と室外部材とを連結する断熱部材とを有して構成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
- 前記障子は、上下二段の障子から構成されており、
前記補助枠材は、前記左右の縦枠に取り付けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。
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