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JP4249827B2 - 半導体ウェーハの製造方法 - Google Patents

半導体ウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェーハの製造方法に関し、詳しくは、表面にバンプが形成されバンプが埋没する程度に樹脂を被覆し、樹脂を除去してバンプを樹脂の表面から露出させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CSP(Chip Size Package)のようにベアチップのサイズに限りなく近づけたパッケージに実装されたり、プリント配線基板に直接フリップチップ実装されたりするベアチップの表面には、パッケージや基板に設けられた電極との接続用の突起であるバンプが形成されており、通常は、このバンプと電極とをハンダ等によって接続し、当該接続部に樹脂を充填することによりバンプと電極との接続部が固定される。
【0003】
また、実装前に予め樹脂を半導体ウェーハの表面に被覆し、ベアチップ自体をCSPにする技術が開発されつつある。この場合は、バンプが樹脂内に埋没しているため、実装前に樹脂を所要量除去してバンプを樹脂表面に露出させる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常のシリコン等からなる半導体ウェーハを研削する固定砥粒を用いて研削することにより樹脂の除去を行うと、樹脂にむしれが生じたり、削られたバンプにバリが発生したりして良好な研削を行うことが困難である。
【0005】
また、樹脂の粘着性より、固定砥粒に樹脂が目詰まりして安定した連続加工ができないという問題もある。
【0006】
このように、表面にバンプが形成され、樹脂が被覆されている半導体ウェーハの樹脂を研削してバンプを露出させる場合においては、樹脂のむしれやバンプのバリが発生するのを防止すると共に、安定した連続加工を可能とすることに解決すべき課題を有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための具体的手段として本発明は、半導体ウェーハを保持し回転可能なチャックテーブルと該チャックテーブルに対峙して配設されホイールを回転可能に保持する研削手段とから少なくとも構成された研削装置を用いて、表面にバンプが複数形成されバンプが埋没する程度に樹脂が被覆された半導体ウェーハの該樹脂をバンプが露出する程度に除去して半導体ウェーハを成形する半導体ウェーハの製造方法であって、ホイールの少なくとも一カ所に切削刃が形成された切削用ホイールを研削手段に装着する工程と、樹脂が被覆された面を表にしてチャックテーブルに半導体ウェーハを載置する工程と、チャックテーブルを回転させながら切削用ホイールの切削刃がチャックテーブルの回転中心を通過するように回転させバンプが露出するまで樹脂を削り取る工程とから構成される半導体ウェーハの製造方法を提供するものである。
【0008】
そして、チャックテーブルと切削用ホイールとを同方向に自転させること、チャックテーブルの回転数は、切削用ホイールの回転数の100分の1以下とすること、切削用ホイールの回転数は3000rpm以上であり、チャックテーブルの回転数は10rpm以下であること、切削刃は、ダイヤモンドバイトまたは超硬バイトであることを付加的要件とするものである。
【0009】
本発明に係る半導体ウェーハの製造方法及び切削用ホイールによれば、樹脂を削り取ることにより除去するため、樹脂にむしれが生じることがなく、バンプにバリが生じなくなる。また、切削刃には樹脂が付着せず、固定砥粒のように目詰まりが生じるということがないため、安定した連続加工が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態として、表面に複数のバンプが形成されそれらのバンプが埋没する程度に樹脂が被覆された半導体ウェーハの樹脂を除去してバンプを露出させる方法について説明する。
【0011】
図1に示すような、表面に多数のバンプ11が形成された半導体ウェーハ10の表面に、図2に示すようにバンプ11が完全に埋没するように樹脂12を被覆した半導体ウェーハ10の樹脂12を所要量除去する場合に使用するホイールとしては、例えば、図3に示す切削用ホイール13がある。
【0012】
この切削用ホイール13は、図示したように、アルミニウム等の材料からなるリング状の基台14と、基台14上において中心から所定距離を有する少なくとも一カ所に配設された切削刃15とから構成されている。切削刃15は、図4において拡大して示すように、基台14から立設され、先端が鋭角状に形成されており、例えば、ダイヤモンドバイト、超硬バイト等からなる。
【0013】
また、ホイールは、図5に示す切削用ホイール16のように構成してもよく、この場合は、基台17の少なくとも一カ所に形成された凹部18の近傍に、例えば数mm程度の厚みを有する矩形状の超硬バイトである切削刃19を配設した構成となっている。
【0014】
更に、ホイールは、図6に示す切削用ホイール20のように構成してもよい。この場合は、例えば、超硬合金等からなる基台21を、図示したように、回転方向に向けて鋭角を構成する切り刃部22が少なくとも一カ所に(図6の例においては複数)形成された形状にする。また、必要に応じて切り刃部22にはダイヤモンドを施してもよい。
【0015】
図2に示したように半導体ウェーハ10に被覆された樹脂12を除去する際は、例えば図7に示すような研削装置30に、図4、5、6に示したような切削用ホイールが搭載され、回転する切削刃によって樹脂が削り取られる。以下では、図3及び図4に示した切削用ホイール13を研削装置30に搭載して樹脂12を除去する場合について説明する。
【0016】
図7に示した研削装置30においては、基台31の端部から壁体32が起立して設けられており、この壁体32の内側の面には一対のレール33が垂直方向に配設され、レール33に沿ってスライド板34が上下動するのに伴ってスライド板34に取り付けられた研削手段35が上下動するよう構成されている。また、基台31上には、ターンテーブル36が回転可能に配設され、更にターンテーブル36上には半導体ウェーハ10を保持するチャックテーブル37が複数配設されている。
【0017】
研削手段35においては、垂直方向の軸心を有するスピンドル38の先端にマウンタ39が装着されており、更にその下部に切削刃15が下向きになるよう切削用ホイール13を装着すると、切削用ホイール13は、スピンドル38の回転に伴って回転する構成となる。
【0018】
この研削装置30を用いて半導体ウェーハ10の表面に被覆された樹脂12を削り取る際は、半導体ウェーハ10の裏面をチャックテーブル37に保持させて、即ち、樹脂が被覆された面を表にしてチャックテーブル37に載置し、半導体ウェーハ10を切削用ホイール13に対峙する位置に位置付け、チャックテーブル37を自転させると共に、スピンドル38を自転させながら、研削手段35を下降させていく。そして、スピンドル38の回転に伴って切削用ホイール13が回転し、これに伴い回転する切削刃15の先端が半導体ウェーハ10の表面に被覆された樹脂12に接触し、切削用ホイール13とチャックテーブル37とが相対運動することにより、樹脂面に切り込みが与えられる。更に、切削用ホイール13の自転と共に徐々に研削手段35を下降させていくことにより、樹脂12が徐々に削り取られ、やがてバンプ11が露出する。
【0019】
ここで、切削用ホイール13は、図8に示すように、切削刃15がチャックテーブル37の回転中心40を通過するように自転させる。また、チャックテーブル37の回転数は、切削用ホイール13の回転数より十分小さくし、好ましくは切削用ホイール13の回転数の100分の1以下とする。具体的には、例えば、チャックテーブル37の回転数を10rpm以下、切削用ホイール13の回転数を3000rpm以上とし、両者を同方向に回転させる。このようにして切削用ホイール13が自転することにより、半導体ウェーハ10の樹脂12が満遍なく均一に削られる。
【0020】
上記のようにして樹脂12及びバンプ11が削り取られていき、図9に示すように、バンプ11の上端も僅かに削り取られて電極との接続を行うのに十分なほど露出したときは、研削手段35を上昇させると共に、チャックテーブル37の自転及び切削用ホイール13の自転を停止させることにより、チャックテーブル37と切削用ホイール13との相対運動を終了させて、樹脂の除去を終了する。また、複数枚の半導体ウェーハの樹脂を除去する場合には、ターンテーブル36を所要角度回転させて他のチャックテーブル37を切削用ホイール13と対峙させ、上記と同様にして樹脂を削り取っていく。
【0021】
このようにして、図3、4に示した切削用ホイール13用いた場合だけでなく、図5に示した切削用ホイール16、図6に示した切削用ホイール20を用いた場合にも上記と同様に樹脂を削り取っていくと、従来のように固定砥粒を用いて研削した場合と比較して、樹脂にむしれがなく、バンプにバリが生じない高品質な半導体ウェーハが形成される。
【0022】
また、切削刃に目詰まりが生じることもないため、安定した連続加工が可能となり、作業効率が高まり、生産性が向上する。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る半導体ウェーハの製造方法及び切削用ホイールにおいては、樹脂を削り取ることにより除去するため、樹脂にむしれが生じることがなく、バンプにバリが生じなくなるため、半導体ウェーハの品質が向上する。
【0024】
また、切削刃では、固定砥粒のように目詰まりが生じるということがあり得ないため、安定した連続加工が可能となり、生産性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体ウェーハの製造方法が適用される、表面にバンプが形成された半導体ウェーハの一例を示す平面図である。
【図2】同半導体ウェーハに樹脂を被覆した様子を示す断面図である。
【図3】本発明に係る半導体ウェーハの製造方法に使用される切削用ホイールの一例を示す斜視図である。
【図4】同切削用ホイールの切削刃を拡大して示す斜視図である。
【図5】同切削用ホイールの第二の例の切削刃を拡大して示す斜視図である。
【図6】同切削用ホイールの第三の例の一部を拡大して示す斜視図である。
【図7】本発明に係る半導体ウェーハの製造方法に使用される研削装置の一例を示す斜視図である。
【図8】同半導体ウェーハの製造方法におけるチャックテーブルと切削用ホイールとの位置関係を示す説明図である。
【図9】同半導体ウェーハの製造方法によりバンプが樹脂から露出した半導体ウェーハを示す断面図である。
【符号の説明】
10……半導体ウェーハ 11……バンプ 12……樹脂
13……切削用ホイール 14……基台 15……切削刃
16……切削用ホイール 17……基台 18……凹部 19……切削刃
20……切削用ホイール 21……基台 22……切り刃部
30……研削装置 31……基台 32……壁体 33……レール
34……スライド板 35……研削装置 36……ターンテーブル
37……チャックテーブル 38……スピンドル 39……マウンタ
40……回転中心

Claims (5)

  1. 半導体ウェーハを保持し回転可能なチャックテーブルと該チャックテーブルに対峙して配設され切削用ホイールを回転可能に保持する研削手段とから少なくとも構成された研削装置を用いて、表面にバンプが複数形成され該バンプが埋没する程度に樹脂が被覆された半導体ウェーハの該樹脂を該バンプが露出する程度に除去して半導体ウェーハを成形する半導体ウェーハの製造方法であって、
    リング状の基台の少なくとも一カ所から先端が鋭角状に形成された切削刃が立設された切削用ホイールを該研削手段に装着する工程と、
    樹脂が被覆された面を表にして該チャックテーブルに半導体ウェーハを載置する工程と、
    該チャックテーブルを回転させながら該切削用ホイールの該切削刃が該チャックテーブルの回転中心を通過するように回転させ該バンプが露出するまで該切削刃の先端を該樹脂に接触させて該樹脂を削り取る工程と
    から構成される半導体ウェーハの製造方法。
  2. チャックテーブルと切削用ホイールとを同方向に自転させることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハの製造方法。
  3. チャックテーブルの回転数は、切削用ホイールの回転数の100分の1以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウェーハの製造方法。
  4. 切削用ホイールの回転数は3000rpm以上であり、チャックテーブルの回転数は10rpm以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導体ウェーハの製造方法。
  5. 切削刃は、ダイヤモンドバイトまたは超硬バイトであることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体ウェーハの製造方法。
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