JP4245691B2 - 窒化ガリウム系半導体レーザ素子及び光ピックアップ装置 - Google Patents
窒化ガリウム系半導体レーザ素子及び光ピックアップ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4245691B2 JP4245691B2 JP22022198A JP22022198A JP4245691B2 JP 4245691 B2 JP4245691 B2 JP 4245691B2 JP 22022198 A JP22022198 A JP 22022198A JP 22022198 A JP22022198 A JP 22022198A JP 4245691 B2 JP4245691 B2 JP 4245691B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- semiconductor laser
- substrate
- gallium nitride
- light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B7/00—Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
- G11B7/12—Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
- G11B7/125—Optical beam sources therefor, e.g. laser control circuitry specially adapted for optical storage devices; Modulators, e.g. means for controlling the size or intensity of optical spots or optical traces
- G11B7/127—Lasers; Multiple laser arrays
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/30—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
- H01S5/32—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising PN junctions, e.g. hetero- or double- heterostructures
- H01S5/323—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising PN junctions, e.g. hetero- or double- heterostructures in AIIIBV compounds, e.g. AlGaAs-laser, InP-based laser
- H01S5/32308—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising PN junctions, e.g. hetero- or double- heterostructures in AIIIBV compounds, e.g. AlGaAs-laser, InP-based laser emitting light at a wavelength less than 900 nm
- H01S5/32341—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising PN junctions, e.g. hetero- or double- heterostructures in AIIIBV compounds, e.g. AlGaAs-laser, InP-based laser emitting light at a wavelength less than 900 nm blue laser based on GaN or GaP
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/20—Structure or shape of the semiconductor body to guide the optical wave ; Confining structures perpendicular to the optical axis, e.g. index or gain guiding, stripe geometry, broad area lasers, gain tailoring, transverse or lateral reflectors, special cladding structures, MQW barrier reflection layers
- H01S5/22—Structure or shape of the semiconductor body to guide the optical wave ; Confining structures perpendicular to the optical axis, e.g. index or gain guiding, stripe geometry, broad area lasers, gain tailoring, transverse or lateral reflectors, special cladding structures, MQW barrier reflection layers having a ridge or stripe structure
- H01S5/2205—Structure or shape of the semiconductor body to guide the optical wave ; Confining structures perpendicular to the optical axis, e.g. index or gain guiding, stripe geometry, broad area lasers, gain tailoring, transverse or lateral reflectors, special cladding structures, MQW barrier reflection layers having a ridge or stripe structure comprising special burying or current confinement layers
- H01S5/2218—Structure or shape of the semiconductor body to guide the optical wave ; Confining structures perpendicular to the optical axis, e.g. index or gain guiding, stripe geometry, broad area lasers, gain tailoring, transverse or lateral reflectors, special cladding structures, MQW barrier reflection layers having a ridge or stripe structure comprising special burying or current confinement layers having special optical properties
- H01S5/2219—Structure or shape of the semiconductor body to guide the optical wave ; Confining structures perpendicular to the optical axis, e.g. index or gain guiding, stripe geometry, broad area lasers, gain tailoring, transverse or lateral reflectors, special cladding structures, MQW barrier reflection layers having a ridge or stripe structure comprising special burying or current confinement layers having special optical properties absorbing
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Semiconductor Lasers (AREA)
- Optical Head (AREA)
- Led Devices (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等の光ピックアップの光学系に光源として組み込まれる窒化ガリウム系半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外から緑色の波長領域での発光波長を有する半導体レーザ素子(LD)の半導体材料として、窒化ガリウム系半導体(GaInAlN)が用いられている。この窒化ガリウム系半導体を用いた半導体レーザ素子は、例えば、MRS Internet J.Nitride Semicond.Res.2(1997)5に記載されており、その断面図を図4に示す。図4において、201はサファイア基板、202はGaNバッファ層、203はn−GaNコンタクト層、204はn−In0.05Ga0.95N層、205はn−Al0.08Ga0.92Nクラッド層、206はn−GaNガイド層、207はIn0.15Ga0.85N量子井戸層とIn0.02Ga0.98N障壁層とからなる多重量子井戸構造活性層、208はp−Al0.2Ga0.8N層、209はp−GaNガイド層、210はp−Al0.08Ga0.92Nクラッド層、211はp−GaNコンタクト層、212はp側電極、213はn側電極である。ここで、多重量子井戸構造活性層207は、3.5nm厚のIn0.15Ga0.85N量子井戸層が4層、7nm厚のIn0.02Ga0.98N障壁層が3層、の合計7層で構成され、量子井戸層と障壁層が交互に形成されている。また、この従来例では注入電流を狭窄するためにp−Al0.08Ga0.92Nクラッド層210とp−GaNコンタクト層211はリッジストライプ状に形成されている。
【0003】
一方、窒化ガリウム系半導体を用いた半導体レーザ素子を光ディスクシステムの光源として用いる場合、データの読み出し時における雑音によるデータの読み出しエラーを防止するために、一定電流を注入しても光出力が変調されている自励発振型の半導体レーザ素子が用いられており、このような半導体レーザ素子は特開平9−191160号公報に記載されている。その断面図を図5に示す。図5において、221はn−SiC基板、222はn−AlNバッファ層、223はn−AlGaNクラッド層、224はn−GaN光ガイド層、225は厚さ10nmのIn0.05Ga0.95N量子井戸活性層、226はp−GaN光ガイド層、227はp−AlGaNクラッド層、228は厚さ5nmのp−In0.1Ga0.9N可飽和吸収層、229はp−GaNコンタクト層、230はp側電極、231はn側電極ある。この従来例においては、活性層225で発生した光の一部が可飽和吸収層228で吸収されることによって可飽和吸収層228の吸収係数が変化し、それに伴って活性層225からのレーザ発振による発光強度が周期的に変化する。
【0004】
その結果、半導体レーザ素子からの出射光の干渉性が低下する。このように干渉性が低下した半導体レーザ素子を光ディスクシステムの光源として用いると、ディスクからの反射光が半導体レーザ素子の活性領域に直接戻ってきても、レーザからの出射光と反射による戻り光が干渉を起こさないため雑音の発生が抑えられ、データの読み出しエラーを防止していた。
【0005】
ところで、このような半導体レーザ素子を、光ディスク等の光ピックアップの光学系の光源として組み込む場合、ディスク面に形成されているピット列上に、半導体レーザ素子から出射されたレーザビームのスポットを正確に当てるために、トラッキングサーボ機構が必要である。この機構として一般には、スポットとピットとの位置ずれを検出するために3ビーム法と呼ばれる手法が用いられている。
【0006】
この手法を用いた光ピックアップ装置の概略構成図を図6に示す。図6において半導体レーザ素子241から出射されたレーザ光242は回折格子243によって3本のビームに分割される。この分割されたビームは無偏光ビームスプリッタ244からコリメータレンズ245に導かれて平行ビームとされた後、対物レンズ246によってディスク247のピット列からなる情報記録面に集光される。集光された後、この情報記録面で反射した3本のビームは、対物レンズ246及びコリメータレンズ245を通って無偏光ビームスプリッタ244に導かれ、それぞれ個別にフォトダイオード248、249、250に受光される。これら3個のフォトダイオードのうち、フォトダイオード248はディスク247の情報記録面に記録されたピット列による信号を読み取る機能を果たし、フォトダイオード249と250は、レーザビームのスポットとピットとの位置ずれを検出する機能を果たす。このフォトダイオード249と250からの出力に応じて対物レンズ246等の位置修正が行われて、レーザビームのスポットをディスク面に形成されているピット列上に正確に当てることができる。
【0007】
このような3ビーム法においては、情報記録面で反射した3本のビームは、無偏光ビームスプリッタ244で反射してフォトダイオード248、249、250に受光されるのみならず、その一部は無偏光ビームスプリッタ244を通過して回折格子243に入射している。この入射ビームは回折格子243によって3本のビームに分割された後、半導体レーザ素子241の表面に、戻り光となって照射される。この3本の戻り光の照射位置をA、B、Cで示す。
【0008】
さらに図7には半導体レーザ素子241の正面図での3本の戻り光の照射位置A、B、Cを示している。このうちAは半導体レーザ素子241の活性領域に直接戻ってくる戻り光であり、BとCはAの上下におよそ20μmから50μmの間隔で戻ってくる戻り光の照射位置である。なお図5に示された従来例では、レーザからの出射光とAの位置への戻り光との干渉による雑音を抑えるために、可飽和吸収層228が設けられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の前記窒化ガリウム系半導体を用いた半導体レーザ素子は以下のような問題点があった。
図6と図7に示される3ビーム法を用いた場合、3本の戻り光が生じるが、このうち照射位置Bの戻り光は半導体レーザチップの基板に入射している。この時、基板がサファイアや炭化硅素のようにレーザ光に対して吸収係数が小さい材料からなるものであれば、照射位置Bの戻り光は基板内を多重反射することによって干渉パターンを形成することになる。従来の前記窒化ガリウム系半導体を用いた半導体レーザ素子はサファイアや炭化硅素を基板に用いており、また、活性層と基板の間にはレーザ光を吸収する層が全く存在しないため、照射位置Bの戻り光による干渉パターンと活性領域内部のレーザ光とが相互作用して、半導体レーザ素子の出射光の強度に影響を及ぼしていることが判明した。
【0010】
一方、光ディスクシステムではディスクを回転してデータを順次読み出しているが、ディスクがわずかに傾くことは避けられない。この傾きの角度はディスクの回転により変化するが、この変化に伴って照射位置Bがわずかに変化してしまう。このため照射位置Bの戻り光による干渉パターンも変化することになり、この結果、半導体レーザ素子の出射光の強度も影響を受けて、強度が変動してしまっていた。このように出射光の強度が変動すると、ディスク上に記録されたデータの読み出しエラーを生じてしまい、光ディスクシステム用の光源として実用に供することが出来ない、という問題があった。
【0011】
以上のように、従来の窒化ガリウム系半導体を用いた半導体レーザ素子では、3ビーム法を用いた光ピックアップの光学系に組み込むことを全く考慮していない。従って、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、上記窒化ガリウム系半導体レーザ素子における課題を解決して、光ディスクシステムの光源としての使用が可能な窒化ガリウム系半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る窒化ガリウム系半導体発光素子は、以下の発明から構成される。
請求項1に記載の発明は、基板上に、窒化物半導体からなるクラッド層及び/又はガイド層に挟まれ、窒化物半導体からなる活性層を形成した半導体レーザ素子において、前記基板と、基板側に存在するクラッド層との間に、エネルギーギャップが活性層とほぼ同じか、または、活性層よりも小さい半導体からなる光吸収層を設けたことを特徴とする窒化ガリウム系半導体レーザ素子である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、光吸収層が、組成の異なる2種類の半導体が交互に積層されてなる多重量子井戸構造であることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系半導体レーザ素子である。
【0014】
請求項3に記載の発明は、光吸収層が、少なくともインジウムとガリウムを含む窒化物半導体からなることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の窒化ガリウム系半導体レーザ素子である。
【0015】
請求項4に記載の発明は、基板が、サファイア基板、または、窒化ガリウム基板、または、炭化硅素基板からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の窒化ガリウム系半導体レーザ素子である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、光吸収層の層厚が、0.05μm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の窒化ガリウム系半導体レーザ素子である。
【0017】
請求項6に記載の発明は、少なくとも半導体レーザ素子と回折格子とを用いた光学系からなる3ビーム方式の光ピックアップ装置であって、前記半導体レーザ素子に請求項1乃至5のいずれかに記載の窒化ガリウム系半導体レーザ素子を用いたことを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0018】
本発明に係る窒化ガリウム系半導体レーザ素子は、基板上に、窒化物半導体からなるクラッド層及び/又はガイド層に挟まれ、窒化物半導体からなる活性層を形成した半導体レーザ素子であって、前記基板と、基板側に存在するクラッド層との間に、エネルギーギャップが活性層とほぼ同じか、または、活性層よりも小さい半導体からなる光吸収層が設けられている。このような構成により、基板内に入射されたディスクからの戻り光によって干渉パターンが形成されても、基板と、基板側に存在するクラッド層との間に設けられた光吸収層のため、基板内に入射された戻り光は活性層に侵入することはない。従って、基板内に干渉パターンが形成されても、活性領域内部のレーザ光とは相互作用しないので半導体レーザ素子の出射光の強度は影響を受けない。これにより、データの読み出しエラーを生じることなく、光ディスクシステム用の光源として実用に供することが出来る窒化ガリウム系半導体レーザが得られた。
【0019】
また光吸収層は、基板と、基板側に存在するクラッド層との間に設けられているので、半導体レーザ素子内の活性層を導波するレーザ光はこの光吸収層まで広がっていない。従って、光吸収層は基板内に入射されたディスクからの戻り光のみを吸収し、半導体レーザ素子内部を導波するレーザ光を吸収することはないため、発振閾値電流値や最大光出力などのレーザ特性を悪化させることはない。
【0020】
さらにこの光吸収層として、少なくともインジウムとガリウムを含む窒化物半導体を用いれば、インジウムの組成を大きくするだけでエネルギーギャップを小さく出来るため容易に光吸収層が形成できるとともに、活性層やクラッド層を形成する材料と同じ窒化物半導体材料を用いることになるので、結晶成長により多層構造を形成する際に結晶性が損なわれることがない。従って、レーザ素子の信頼性向上にとって非常に有利である。
【0021】
さらに、本発明に係る窒化ガリウム系半導体レーザ素子のように、基板と、基板側に存在するクラッド層との間に、少なくともインジウムとガリウムを含み、大きなインジウム組成を有する窒化物半導体による光吸収層を形成すると、この光吸収層が形成されていない場合に比べて、信頼性が向上することが見い出された。通常、窒化ガリウム系半導体レーザ素子では、基板や基板上の各層との間に熱膨張係数差があるため、結晶成長後に室温まで温度を下げる間に熱歪みが生じ、歪みによる応力が結晶内部の欠陥の広がりを増長するため、半導体レーザ素子の劣化を引き起こしていたが、本発明のように大きなインジウム組成を有する窒化物半導体による光吸収層を形成すると、インジウム組成が大きいことにより体積弾性率が小さくなり、この結果、熱歪みがこの光吸収層で緩和され、結晶内部の応力が緩和され、結晶内部の応力が低減した。これにより結晶内部の欠陥の広がりは増長されることなく、半導体レーザ素子の信頼性が向上した。
【0022】
また、光吸収層は単層だけではなく、組成の異なる2種類の半導体が交互に積層されてなる多重量子井戸構造を用いても構わない。多重量子井戸構造を用いた場合は、量子効果により伝導帯や価電子帯のバンド端の状態密度が増加するため光の吸収が増大するとともに、積層された半導体の界面で光を反射するので、基板内に入射されたディスクからの戻り光を効率よく吸収することができる。
【0023】
さらに、前記の少なくともインジウムとガリウムを含む窒化物半導体を光吸収層として用いた場合は、インジウム組成を増大すると格子定数が大きくなるため、層厚が厚いと歪みが生じて結晶性が損なわれてしまうことがあるが、インジウム組成の異なる2種類の窒化物半導体が交互に積層されてなる多重量子井戸構造を用いれば、インジウム組成が少ないほうの窒化物半導体層が歪みを緩和するので、結晶性を損なわずに光吸収層を形成できる。
【0024】
本発明では、基板と、基板側に存在するクラッド層との間に設けられた光吸収層により、基板内に入射されたディスクからの戻り光が活性層に侵入することを防いでいる。従って、この窒化ガリウム系半導体レーザ素子を形成する基板としては、窒化物半導体からなる活性層から出射されるレーザ光に対して光吸収係数が小さい、サファイア、または、窒化ガリウム、または、炭化硅素を用いる場合に、特に有効である。
【0025】
さらに、基板内に入射されたディスクからの戻り光をこの光吸収層で十分に吸収するために、光吸収層の厚さは0.05μm以上であることが好ましい。光吸収層としてIn0.2Ga0.8N層を用いたときの、波長が410nmのレーザ光に対する光強度の減衰を測定した結果を図3に示す。この図から分かるように光吸収層の厚さが0.05μm以上であれば光強度は十分減衰しており、基板内に入射されたディスクからの戻り光が活性層に侵入することが防がれている。このことは、他の材料を用いた光吸収層の場合や、組成の異なる2種類の半導体が交互に積層されてなる多重量子井戸構造により形成された光吸収層の場合でも、同様の結果が得られた。従って、厚さが0.05μm以上の光吸収層を用いることにより、データの読み出しエラーを生じることなく、光ディスクシステム用の光源として実用に供することが出来る窒化ガリウム系半導体レーザ素子が得られた。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、具体例に従ってさらに詳細に説明する。
(第1の実施例)
図1は本発明の第1の実施例に係る窒化ガリウム系半導体レーザ素子を示す断面図である。この図において、1はc面を表面として有するサファイア基板、2はGaNバッファ層、3はn−GaNn型コンタクト層、4はn−In0.2Ga0.8N光吸収層、5はn−Al0.1Ga0.9Nn型クラッド層、6はn−GaNガイド層、7は3層のIn0.15Ga0.85N量子井戸層と2層のIn0.03Ga0.97N障壁層とからなる多重量子井戸構造活性層、8はAl0.2Ga0.8N蒸発防止層、9はp−GaNガイド層、10はp−Al0.1Ga0.9Np型クラッド層、11はp−GaNp型コンタクト層、12はp側電極、13はn側電極、14はSiO2絶縁膜である。
【0027】
本発明において、サファイア基板1の表面はa面・r面・m面等の他の面方位であっても構わない。またサファイア基板に限らずGaN基板・SiC基板・スピネル基板・MgO基板も用いることが出来る。これらの基板はいずれもレーザ光に対して吸収係数が小さい材料からなるので、本発明の光吸収層を用いることで、データの読み出しエラーを生じない窒化ガリウム系半導体レーザ素子が得られる。
【0028】
さらに、GaN基板とSiC基板の場合はサファイア基板に比べて基板上に積層した窒化ガリウム系半導体材料との格子定数差が小さく、良好な結晶性の膜が得られるので、レーザ素子の信頼性が向上する。またGaN基板とSiC基板はサファイア基板に比べて劈開しやすいため、劈開によるレーザ共振器端面の形成が容易であるという利点がある。
【0029】
バッファ層2はその上に窒化ガリウム系半導体をエピタキシャル成長させることが出来るものであればGaNにこだわらず他の材料、例えばAlNやAlGaN3元混晶を用いてもよい。
【0030】
n−In0.2Ga0.8N光吸収層4はレーザ光を吸収する材料であればよく、多重量子井戸構造活性層7を構成するIn0.15Ga0.85N量子井戸層のIn組成以上のIn組成を持つInGaN3元混晶やInGaAlN4元混晶を用いても構わない。
【0031】
n型クラッド層5及びp型クラッド層10は、Al0.1Ga0.9N以外のAl組成を持つAlGaN3元混晶でもよい。この場合Al組成を大きくすると活性層とクラッド層とのエネルギーギャップ差及び屈折率差が大きくなり、キャリアや光が活性層に有効に閉じ込められてさらに発振閾値電流の低減及び、温度特性の向上が図れる。またキャリアや光の閉じ込めが保持される程度でAl組成を小さくしていくと、クラッド層におけるキャリアの移動度が大きくなるため、半導体レーザ素子の素子抵抗を小さくできる利点がある。さらにこれらのクラッド層は微量に他の元素を含んだ4元以上の混晶半導体でもよく、n型クラッド層5とp型クラッド層10とで混晶の組成が同一でなくても構わない。
【0032】
GaN−ガイド層6、9は、そのエネルギーギャップが、多重量子井戸構造活性層7を構成する量子井戸層のエネルギーギャップと、クラッド層5、10のエネルギーギャップの間の値を持つような材料であればGaNにこだわらず他の材料、例えばInGaN3元混晶、AlGaN3元混晶、InGaAlN4元混晶等を用いてもよい。またガイド層全体にわたってドナー又はアクセプターをドーピングする必要はなく、多重量子井戸構造活性層7側の一部のみをノンドープとしてもよく、さらにはガイド層全体をノンドープとしてもよい。この場合、ガイド層に存在するキャリアが少なくなり、自由キャリアによる光の吸収が低減されて、さらに発振閾値電流が低減できるという利点がある。
【0033】
多重量子井戸構造活性層7を構成する3層のIn0.15Ga0.85N量子井戸層と2層のIn0.03Ga0.97N障壁層は、必要なレーザ発振波長に応じてその組成を設定すればよく、発振波長を長くしたい場合は量子井戸層のIn組成を大きくし、短くしたい場合は量子井戸層のIn組成を小さくする。また量子井戸層と障壁層は、InGaN3元混晶に微量に他の元素を含んだ4元以上の混晶半導体でもよい。さらに障壁層は単にGaNを用いてもよい。さらに量子井戸層と障壁層の層数も本実施例にこだわらず他の層数を用いてもよく、単一量子井戸構造活性層でも構わない。なお、活性領域へ直接戻ってくる戻り光によって生じる雑音を抑制出来るように自励発振特性を得るためには、活性層を構成する量子井戸層の層数を2層又は3層とすることが好ましい。これは活性層内のキャリアを変調されやすくするためであり、層数が多いと各量子井戸層にキャリアが均一に注入されず、また、単一量子井戸層ではキャリア濃度が大きくなるため、いずれの場合も活性層内のキャリアが変調されにくくなる。
【0034】
また、本実施例では、多重量子井戸構造活性層7に接するようにAl0.2Ga0.8N蒸発防止層8を形成している。これは多重量子井戸構造活性層7を成長した後にp−GaNガイド層9を成長する際に、成長温度を上昇する必要があるが、この間に多重量子井戸構造活性層7が蒸発してしまうことを防ぐためである。従って、量子井戸層を保護するものであればAl0.2Ga0.8N蒸発防止層8として用いることができ、他のAl組成を有するAlGaN3元混晶やGaNを用いてもよい。また、このAl0.2Ga0.8N蒸発防止層8にMgをドーピングしてもよく、この場合はp−GaNガイド層9やp−Al0.1Ga0.9Np型クラッド層10から多重量子井戸構造活性層7へ正孔が注入され易くなるという利点がある。さらに、量子井戸層のIn組成が小さい場合はAl0.2Ga0.8N蒸発防止層8を形成しなくても量子井戸層は蒸発しないため、特にAl0.2Ga0.8N蒸発防止層8を形成しなくても、本実施例の窒化ガリウム系半導体レーザ素子の特性は損なわれない。
【0035】
次に、図1を参照して上記窒化ガリウム系半導体レーザ素子の作製方法を説明する。以下の説明ではMOCVD法(有機金属気相成長法)を用いた場合を示しているが、窒化ガリウム系半導体をエピタキシャル成長できる成長法であればよく、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)やHVPE(ハイドライド気相成長法)等の他の気相成長法を用いることもできる。
【0036】
まず所定の成長炉内に設置された、c面を表面として有する厚さ350μmのサファイア基板1上に、トリメチルガリウム(TMG)とアンモニア(NH3)を原料に用いて、成長温度550℃でGaNバッファ層2を35nm成長させる。
【0037】
次に成長温度を1050℃まで上昇させて、TMGとNH3、及びシランガス(SiH4)を原料に用いて、厚さ3μmのSiドープn−GaNn型コンタクト層3を成長する。次に、成長温度を750℃に下げ、TMGとNH3とSiH4、及びトリメチルインジウム(TMI)を原料に用いて、厚さ0.1μmのSiドープn−In0.2Ga0.8N光吸収層4を成長する。次に、再び成長温度を1050℃に上昇して、TMGとNH3とSiH4、及びトリメチルアルミニウム(TMA)を原料に用いて、厚さ0.5μmのSiドープn−Al0.1Ga0.9Nn型クラッド層5を成長する。続けて、TMAを原料から除いて、成長温度は1050℃のままで厚さ0.1μmのSiドープn−GaNガイド層6を成長する。
【0038】
その後再び、成長温度を750℃に下げ、TMGとNH3とTMIを原料に用いて、In0.15Ga0.85N量子井戸層(厚さ5nm)、In0.03Ga0.97N障壁層(厚さ5nm)、In0.15Ga0.85N量子井戸層(厚さ5nm)、In0.03Ga0.97N障壁層(厚さ5nm)、In0.15Ga0.85N量子井戸層(厚さ5nm)を順次成長することにより多重量子井戸構造活性層(トータルの厚さ25nm)7を作成する。さらに続けてTMGとTMAとNH3を原料に用いて、成長温度は750℃のままで厚さ10nmのAl0.2Ga0.8N蒸発防止層8を成長する。
【0039】
次に、再び成長温度を1050℃に上昇して、TMGとNH3、及びシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を原料に用いて、厚さ0.1μmのMgドープp−GaNガイド層9を成長する。さらに続けてTMAを原料に加え、成長温度は1050℃のままで厚さ0.5μmのMgドープp−Al0.1Ga0.9Np型クラッド層10を成長する。続けて、TMAを原料から除いて、成長温度は1050℃のままで厚さ0.5μmのMgドープp−GaNp型コンタクト層11を成長して、窒化ガリウム系エピタキシャルウエハーを完成する。その後、このウエハーを800℃の窒素ガス雰囲気中でアニールして、Mgドープのp型層を低抵抗化する。
【0040】
さらに、通常のフォトリソグラフィーとドライエッチング技術を用いて200μm幅のストライプ状に、p−GaNp型コンタクト層11の最表面からn−GaNn型コンタクト層3が露出するまでエッチングを行ってメサ構造を作製する。次に、上記と同様のフォトリソグラフィーとドライエッチング技術を用いて、残ったp−GaNp型コンタクト層11の最表面に、1.5μm幅のストライプ状にリッジ構造を形成するようにp−GaNp型コンタクト層11とp−Al0.1Ga0.9Np型クラッド層10をエッチングする。続いて、リッジの側面とリッジ以外のp型層表面に厚さ200nmのSiO2絶縁膜14を電流阻止層として形成する。
【0041】
さらに、このSiO2絶縁膜14とp−GaNp型コンタクト層11の表面にニッケルと金からなるp側電極12を形成し、エッチングにより露出したn−GaNn型コンタクト層3の表面にチタンとアルミニウムからなるn側電極13を形成して、窒化ガリウム系半導体レーザ素子ウエハーを完成する。
【0042】
その後、このウエハーのサファイア基板1の裏面を通常の研磨技術により研磨し、ウェハーの厚さを50μmとする。そしてこのウェハーをリッジストライプと垂直な方向に劈開することによりレーザの共振器端面を形成し、リッジストライプと平行な方向にレーザ共振器を形成する。ここでは共振器の長さを500μmとした。続いてこのレーザ素子を個々のレーザチップに分割する。そして、各チップをステムにマウントし、ワイヤーボンディングにより各電極とリード端子とを接続して、窒化ガリウム系半導体レーザ素子を完成する。
【0043】
このようにして作製された窒化ガリウム系半導体レーザ素子の発振波長は410nm、発振閾値電流は30mAであり、良好なレーザ特性が得られた。このように低い発振閾値電流値が得られるのは、光吸収層4がn型クラッド層5とサファイア基板1との間に存在するため、活性領域で発生したレーザ光が光吸収層4まで広がっておらず、レーザ光は光吸収層4では吸収されていないことによるものである。
【0044】
また、半導体レーザ素子はサファイア基板1の厚さが50μmであり、3ビーム法を用いてトラッキングサーボ機構を制御する際に生じる3本の戻り光のうちの1本がサファイア基板1に入射されているが、光吸収層4を設けたことにより、サファイア基板内に入射した戻り光は活性領域内部のレーザ光と相互作用することはない。これにより、半導体レーザ素子の出射光の強度は戻り光による影響を受けることはなく、安定した強度の出射光が得られた。
【0045】
さらに本実施例では、リッジストライプの幅を1.5μmと狭くしているので、このリッジストライプ領域外に存在する活性層が可飽和吸収層として働くため自励発振特性が得られ、これにより活性領域へ直接戻ってくる戻り光によって生じる雑音も抑制された。以上の結果、光ディスクシステム用として本実施例の窒化ガリウム系半導体レーザ素子を用いると、データの読み出しエラーを防止することができ、実用に供する窒化ガリウム系半導体レーザ素子が実現できた。
【0046】
本実施例では、光吸収層4の厚さを0.1μmとしたが、0.05μm以上の厚さであれば、本実施例にこだわらず同等の効果が得られる。また本実施例では、光吸収層4を、n型コンタクト層3とn型クラッド層5の間に設けたが、n型コンタクト層3の内部に設けても構わない。さらに活性領域で発生したレーザ光の広がりよりも離れていれば、n型クラッド層5の内部に光吸収層4を設けても構わない。
【0047】
なお本実施例では、光吸収層4を成長した後にn型クラッド層5を成長する際に成長温度を上昇しているが、この時光吸収層4の一部が成長温度の上昇中に蒸発してしまうことを防ぐために、Al0.2Ga0.8N蒸発防止層8と同様の蒸発防止層を光吸収層4の上に連続して形成しておいても構わない。
【0048】
さらに本実施例の窒化ガリウム系半導体レーザ素子では、自励発振特性を持たせるために、リッジストライプの幅を狭くしてリッジストライプ領域外に存在する活性層を可飽和吸収層として機能させて自励発振を得ているが、これに限らず、共振器方向の活性層の一部に電流注入しないようにして、この活性層を可飽和吸収層として機能させたり、活性領域で発生したレーザ光の広がりの内部に可飽和吸収層を設けて自励発振特性を持たせていても構わない。なお、本実施例では活性層として3層の量子井戸層を持つ多重量子井戸構造活性層を用いたが、量子井戸層が2層の場合においても本実施例と同様に自励発振特性が得られており、活性領域へ直接戻ってくる戻り光によって生じる雑音を抑制できた。
【0049】
本実施例では、劈開によりレーザの共振器端面を形成しているが、サファイア基板は硬くて劈開しにくい場合があるので、ドライエッチングにより共振器端面を形成することもできる。
【0050】
さらに本実施例では絶縁体であるサファイアを基板として用いたため、エッチングにより露出したn−GaNn型コンタクト層3の表面にn側電極13を形成しているが、n型導電性を有するGaNやSiC等を基板に用いれば、この基板の裏面にn側電極13を形成してもよい。この場合、200μm幅のストライプ状のメサ構造を作製するエッチングを行う必要はない。また、p型とn型の構成を逆にしても構わない。さらには、電流阻止層としてはSiO2絶縁膜14に限らず、SiN等の他の誘電体絶縁膜や、n型の導電性や半絶縁性を有する半導体材料を用いることもできる。
【0051】
(第2の実施例)
光吸収層として、7層のSiドープn−In0.2Ga0.8N層(厚さ5nm)と6層のSiドープn−In0.03Ga0.97N層(厚さ5nm)とからなる合計の厚さ0.065μmの多重量子井戸構造を用い、この光吸収層の上に同一の成長温度でSiドープn−Al0.2Ga0.8N蒸発防止層を設けたこと以外は、第1の実施例と同様にして、窒化ガリウム系半導体レーザ素子を作製した。
【0052】
このようにして作製された窒化ガリウム系半導体レーザ素子の発振波長は410nm、発振閾値電流は30mAであり、実施例1と同様に良好なレーザ特性が得られた。また、多重量子井戸構造からなる光吸収層4を設けたことにより、サファイア基板内に入射した戻り光は活性領域内部のレーザ光と相互作用することはない。これにより、半導体レーザ素子の出射光の強度は戻り光による影響を受けることはなく、安定した強度の出射光が得られた。
【0053】
さらに本実施例において、光吸収層をSiドープn−In0.2Ga0.8N層の単一層ではなく、多重量子井戸構造で形成したことにより、光吸収層を形成するSiドープn−In0.2Ga0.8N層とSiドープn−GaNn型コンタクト層との格子定数差による歪みから生じる結晶欠陥が低減した。また、Siドープn−Al0.2Ga0.8N蒸発防止層を設けたためSiドープn−In0.2Ga0.8N層の蒸発を防ぐことができ、この上に成長したSiドープn−Al0.1Ga0.9Nn型クラッド層の結晶性も向上した。以上の結果、レーザ素子の信頼性が向上するという効果も得られた。
【0054】
また本実施例では、光吸収層の厚さを0.065μmとしたが、0.05μm以上の厚さであれば、本実施例にこだわらず同等の効果が得られるので、Siドープn−In0.2Ga0.8N層やSiドープn−In0.03Ga0.97N層の層数や層厚を変えて多重量子井戸構造の光吸収層を形成しても構わない。また、これら各層のIn組成も本実施例にこだわらず、レーザ光を吸収する材料であれば他のIn組成を持つInGaN3元混晶やInGaAlN4元混晶を用いることもできる。
【0055】
(第3の実施例)
図2は本発明の第3の実施例に係る窒化ガリウム系半導体レーザ素子を示す断面図である。この図において、21はc面を表面として有するn型窒化ガリウム基板、22はn−GaNn型コンタクト層、23は7層のn−In0.2Ga0.8N層と6層のn−In0.03Ga0.97N層とからなる多重量子井戸構造の光吸収層、24はn−Al0.2Ga0.8N蒸発防止層、25はn−Al0.1Ga0.9Nn型クラッド層、26はn−GaNガイド層、27は3層のIn0.15Ga0.85N量子井戸層と2層のIn0.03Ga0.97N障壁層とからなる多重量子井戸構造活性層、28はAl0.2Ga0.8N蒸発防止層、29はp−GaNガイド層、30はp−Al0.1Ga0.9Np型クラッド層、31はp−GaNp型コンタクト層、32はp側電極、33はn側電極、34はSiO2絶縁膜である。
【0056】
この図2を参照して窒化ガリウム系半導体レーザ素子の作製方法を説明する。まず、基板としてc面を表面として有する厚さ100μmのn型窒化ガリウム基板を用い、バッファ層を形成せずにn型窒化ガリウム基板に直接n−GaNn型コンタクト層を形成したこと以外は、第2の実施例と同様にして、p−GaNp型コンタクト層31まで成長させることによって、窒化ガリウム系半導体レーザ素子ウエハーを作成する。
【0057】
その後、この半導体レーザ素子ウエハーを800℃の窒素ガス雰囲気中でアニールして、Mgドープのp型層を低抵抗化する。さらに通常のフォトリソグラフィーとドライエッチング技術を用いて、p−GaNp型コンタクト層31の最表面に、1.5μm幅のストライプ状にリッジ構造を形成するようにp−GaNp型コンタクト層31とp−Al0.1Ga0.9Np型クラッド層30をエッチングする。続いて、リッジの側面とリッジ以外のp型層表面に厚さ200nmのSiO2絶縁膜34を電流阻止層として形成する。
【0058】
さらに、このSiO2絶縁膜34とp−GaNp型コンタクト層31の表面にニッケルと金からなるp側電極32を形成し、n型窒化ガリウム基板21の裏面にチタンとアルミニウムからなるn側電極33を形成して、窒化ガリウム系半導体レーザ素子ウエハーを完成する。
【0059】
その後、このウェハーをリッジストライプと垂直な方向に劈開することによりレーザの共振器端面を形成し、リッジストライプと平行な方向にレーザ共振器を形成する。ここでは共振器の長さを500μmとした。続いて、レーザ素子を個々のレーザチップに分割する。そして、各チップをステムにマウントし、ワイヤーボンディングによりp側電極32とリード端子とを接続して、窒化ガリウム系半導体レーザ素子を完成する。なお、本実施例ではn型窒化ガリウム基板21を研磨せずに基板の裏面にn側電極33を形成したが、通常の研磨技術によりn型窒化ガリウム基板21の裏面を研磨してウェハーの厚さを薄くしてからn側電極33を形成した後に、このウェハーをリッジストライプと垂直な方向に劈開しても構わない。この場合、基板の厚さが薄いことにより劈開が容易になるという利点がある。
【0060】
このようにして作製された窒化ガリウム系半導体レーザ素子の発振波長は410nm、発振閾値電流は30mAであり、実施例2と同様に良好なレーザ特性が得られた。また、多重量子井戸構造からなる光吸収層4を設けたことにより、窒化ガリウム基板内に入射した戻り光は活性領域内部のレーザ光と相互作用することはない。これにより、半導体レーザ素子の出射光の強度は戻り光による影響を受けることはなく、安定した強度の出射光が得られた。なお、窒化ガリウム基板を用いた場合は、サファイア基板に比べて屈折率が大きいことにより、基板に入射した戻り光は基板上に結晶成長した層内に入射しにくくなっている。従って、本実施例のように窒化ガリウム基板を用いた場合はサファイア基板を用いた場合よりも、より効果的に基板に入射した戻り光と活性領域内部のレーザ光とが相互作用することを防止できた。
【0061】
また、本実施例ではリッジストライプの幅を狭くしてリッジストライプ領域外に存在する活性層を可飽和吸収層として機能させることにより、自励発振特性も得られた。なお、本実施例では多重量子井戸構造からなる光吸収層を用いたが、単一層からなる光吸収層を用いても構わない。また光吸収層の厚さを0.065μmとしたが、0.05μm以上の厚さであれば、本実施例にこだわらず同等の効果が得られるので、Siドープn−In0.2Ga0.8N層やSiドープn−In0.03Ga0.97N層の層数や層厚を変えて多重量子井戸構造の光吸収層を形成しても構わない。また、これら各層のIn組成も本実施例にこだわらず、レーザ光を吸収する材料であれば他のIn組成を持つInGaN3元混晶やInGaAlN4元混晶を用いることもできる。
【0062】
さらに本実施例では、基板の窒化ガリウムをn型としたが、n型とp型の構成を逆にしても構わない。さらに、電流阻止層としてはSiO2絶縁膜34に限らず、SiN等の他の誘電体絶縁膜や、n型あるいはp型の導電性や半絶縁性を有する半導体材料を用いることもできる。
【0063】
(第4の実施例)
半導体レーザ素子として第3の実施例の窒化ガリウム系半導体レーザ素子を用いて、図6に示される3ビーム法を用いた光ピックアップ装置を作製した。
【0064】
本実施例に用いた半導体レーザ素子には光吸収層が設けられているので、n型窒化ガリウム基板内に入射した戻り光は活性領域内部のレーザ光と相互作用することはない。これにより、半導体レーザ素子の出射光の強度は戻り光による影響を受けることはなく、安定した強度の出射光が得られている。また、同時に半導体レーザ素子は自励発振特性も有しており、これにより活性領域へ直接戻ってくる戻り光によって生じる雑音も抑制されている。以上の結果、本実施例の光ピックアップ装置を用いて光ディスクからのデータの読み出しを行ったところ、エラー無しでデータの読み出しを行うことが可能となった。
【0065】
なお半導体レーザ素子として、本発明の第1の実施例や第2の実施例の窒化ガリウム系半導体レーザ素子を用いて光ピックアップ装置を作製しても、同様に、エラー無しでデータの読み出しを行うことが可能な光ピックアップ装置を作製できた。
【0066】
【発明の効果】
上述したように本発明による窒化ガリウム系半導体レーザ素子では、レーザ素子を形成する基板と、基板側のクラッド層との間に、エネルギーギャップが活性層とほぼ同じか、または、活性層よりも小さい半導体からなる光吸収層を設けた。この結果、3ビーム法を用いてトラッキングサーボ機構を制御する際に生じる3本の戻り光のうち基板内に入射される戻り光は、活性領域内部のレーザ光と相互作用することがなくなる。
【0067】
従って、半導体レーザ素子の出射光の強度は戻り光による影響を受けることはなく、安定した強度の出射光が得られた。また、光吸収層を設けても、活性領域内部のレーザ光は光吸収層まで広がっていないので光吸収層で吸収されることはなく、発振閾値電流値の増大を生じない。これにより、良好なレーザ特性を有し、光ディスクシステム用として使用可能な、データの読み出し時にエラーを発生しない窒化ガリウム系半導体レーザ素子が実現できた。
【0068】
また、多重量子井戸構造の光吸収層とすることによって、半導体レーザ素子の出射光の強度は戻り光の影響を受けることがなく、かつ、格子定数差による歪みから生じる結晶欠陥が低減するという効果も得られた。
【0069】
また、このような光吸収層を設けた窒化ガリウム系半導体レーザ素子を用いて作製した、3ビーム法によるトラッキングサーボ機構を有する光ピックアップ装置は、エラー無しで光ディスクからのデータの読み出しを行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素子を示す断面図である。
【図2】本発明の第3の実施例に係る半導体レーザ素子を示す断面図である。
【図3】光吸収層としてIn0.2Ga0.8N層を用いたときの、波長が410nmのレーザ光に対する光強度の減衰を示すグラフ図である。
【図4】窒化ガリウム系半導体を用いた従来の半導体レーザ素子の断面図である。
【図5】窒化ガリウム系半導体を用いた従来の自励発振型の半導体レーザ素子の断面図である。
【図6】3ビーム法によるトラッキングサーボ機構を有する光ピックアップ装置の概略構成図である。
【図7】3ビーム法によるトラッキングサーボ機構を有する光ピックアップ装置に用いられている半導体レーザの正面図である。
【符号の説明】
1 サファイア基板
21 n型窒化ガリウム基板
2 GaNバッファ層
3、22 n−GaNn型コンタクト層
4 n−In0.2Ga0.8N光吸収層
23 n−In0.2Ga0.8Nとn−In0.03Ga0.97Nとからなる多重量子井戸構造光吸収層
24 n−Al0.2Ga0.8N蒸発防止層
5、25 n−Al0.1Ga0.9Nn型クラッド層
6、26 n−GaNガイド層
7、27 多重量子井戸構造活性層
8、28 Al0.2Ga0.8N蒸発防止層
9、29 p−GaNガイド層
10、30 p−Al0.1Ga0.9Np型クラッド層
11、31 p−GaNp型コンタクト層
12、32 p側電極
13、33 n側電極
14、34 SiO2絶縁膜
Claims (3)
- 基板上に、窒化物半導体からなるクラッド層及び/又はガイド層に挟まれ、窒化物半導体からなる活性層を形成した半導体レーザ素子において、
前記基板と基板側に存在するクラッド層との間に、エネルギーギャップが活性層とほぼ同じか、または、活性層よりも小さい半導体からなる光吸収層が設けられ、
前記光吸収層は、少なくともインジウムとガリウムとを含む窒化物半導体からなり、かつ、インジウム組成の異なる2種類の窒化物半導体が交互に積層されてなる多重量子井戸構造であり、
前記光吸収層の層厚は、0.05μm以上であることを特徴とする窒化ガリウム系半導体レーザ素子。 - 基板が、サファイア基板、または、窒化ガリウム基板、または、炭化硅素基板からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系半導体レーザ素子。
- 少なくとも半導体レーザ素子と回折格子とを用いた光学系からなる3ビーム方式の光ピックアップ装置であって、前記半導体レーザ素子に請求項1または2に記載の窒化ガリウム系半導体レーザ素子を用いたことを特徴とする光ピックアップ装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22022198A JP4245691B2 (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | 窒化ガリウム系半導体レーザ素子及び光ピックアップ装置 |
US09/366,020 US6370176B1 (en) | 1998-08-04 | 1999-08-02 | Gallium nitride group semiconductor laser device and optical pickup apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22022198A JP4245691B2 (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | 窒化ガリウム系半導体レーザ素子及び光ピックアップ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000058915A JP2000058915A (ja) | 2000-02-25 |
JP4245691B2 true JP4245691B2 (ja) | 2009-03-25 |
Family
ID=16747784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22022198A Expired - Fee Related JP4245691B2 (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | 窒化ガリウム系半導体レーザ素子及び光ピックアップ装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6370176B1 (ja) |
JP (1) | JP4245691B2 (ja) |
Families Citing this family (24)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3459588B2 (ja) * | 1999-03-24 | 2003-10-20 | 三洋電機株式会社 | 半導体レーザ素子の製造方法 |
DE19955747A1 (de) * | 1999-11-19 | 2001-05-23 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Optische Halbleitervorrichtung mit Mehrfach-Quantentopf-Struktur |
US6646292B2 (en) * | 1999-12-22 | 2003-11-11 | Lumileds Lighting, U.S., Llc | Semiconductor light emitting device and method |
JP3623713B2 (ja) | 2000-03-24 | 2005-02-23 | 日本電気株式会社 | 窒化物半導体発光素子 |
US6731663B1 (en) * | 2000-03-28 | 2004-05-04 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Ridge waveguide type semiconductor laser device |
JP3849967B2 (ja) * | 2000-05-19 | 2006-11-22 | シャープ株式会社 | 光ピックアップ |
US6693935B2 (en) * | 2000-06-20 | 2004-02-17 | Sony Corporation | Semiconductor laser |
JP2002094189A (ja) * | 2000-09-14 | 2002-03-29 | Sharp Corp | 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた光学装置 |
JP4678805B2 (ja) * | 2001-02-14 | 2011-04-27 | シャープ株式会社 | 半導体発光装置およびその製造方法 |
US6977953B2 (en) * | 2001-07-27 | 2005-12-20 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Nitride-based semiconductor light-emitting device and method of fabricating the same |
SG115549A1 (en) * | 2002-07-08 | 2005-10-28 | Sumitomo Chemical Co | Epitaxial substrate for compound semiconductor light emitting device, method for producing the same and light emitting device |
GB2416920B (en) * | 2002-07-08 | 2006-09-27 | Sumitomo Chemical Co | Epitaxial substrate for compound semiconductor light - emitting device, method for producing the same and light - emitting device |
JP2004088000A (ja) * | 2002-08-29 | 2004-03-18 | Hitachi Ltd | 半導体レーザ素子の製造方法及び半導体レーザ素子 |
NZ539566A (en) * | 2002-10-22 | 2007-01-26 | Univ Cardiff | Semiconductor emitter/detector optical device formed as resonant cavity light emitting device, typically for analysis of biological samples |
KR100519753B1 (ko) * | 2002-11-15 | 2005-10-07 | 삼성전기주식회사 | GaN계 화합물 반도체가 사용된 발광소자의 제조방법 |
JP4526260B2 (ja) * | 2002-11-20 | 2010-08-18 | シャープ株式会社 | 窒化物半導体発光素子 |
CN1729600B (zh) * | 2002-12-20 | 2010-05-26 | 克里公司 | 具有自对准半导体平台和接触层的半导体器件和相关器件的制造方法 |
JP4576795B2 (ja) * | 2003-03-03 | 2010-11-10 | 日亜化学工業株式会社 | 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法 |
KR100678854B1 (ko) * | 2004-04-13 | 2007-02-05 | 엘지이노텍 주식회사 | 발광 다이오드 및 그 제조방법 |
JP4699764B2 (ja) * | 2005-01-05 | 2011-06-15 | スタンレー電気株式会社 | 半導体発光素子 |
JP2007227671A (ja) * | 2006-02-23 | 2007-09-06 | Rohm Co Ltd | 発光素子 |
KR20080048318A (ko) * | 2006-11-28 | 2008-06-02 | 삼성전자주식회사 | 산란부를 구비하는 반도체 레이저 소자 및 그 제조방법 |
KR102113160B1 (ko) * | 2012-06-15 | 2020-05-20 | 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 | 반도체 장치 |
JP2019091801A (ja) * | 2017-11-14 | 2019-06-13 | シャープ株式会社 | 窒化物半導体レーザ素子 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5974069A (en) * | 1994-09-16 | 1999-10-26 | Rohm Co., Ltd | Semiconductor laser and manufacturing method thereof |
JP2877063B2 (ja) | 1995-11-06 | 1999-03-31 | 松下電器産業株式会社 | 半導体発光素子 |
JP4018177B2 (ja) * | 1996-09-06 | 2007-12-05 | 株式会社東芝 | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 |
US6031858A (en) * | 1996-09-09 | 2000-02-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor laser and method of fabricating same |
-
1998
- 1998-08-04 JP JP22022198A patent/JP4245691B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-08-02 US US09/366,020 patent/US6370176B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000058915A (ja) | 2000-02-25 |
US6370176B1 (en) | 2002-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4245691B2 (ja) | 窒化ガリウム系半導体レーザ素子及び光ピックアップ装置 | |
JP3653169B2 (ja) | 窒化ガリウム系半導体レーザ素子 | |
US6940100B2 (en) | Group III-V nitride semiconductor light-emitting device which allows for efficient injection of electrons into an active layer | |
JP4204982B2 (ja) | 半導体レーザ素子 | |
JP2000261106A (ja) | 半導体発光素子、その製造方法及び光ディスク装置 | |
JP3456938B2 (ja) | 半導体レーザ装置、光ディスク装置及び光集積化装置 | |
US7653104B2 (en) | Semiconductor laser device | |
US6735231B2 (en) | Semiconductor laser device | |
JP3880683B2 (ja) | 窒化ガリウム系半導体発光素子の製造方法 | |
JP3933637B2 (ja) | 窒化ガリウム系半導体レーザ素子 | |
JP3989244B2 (ja) | 窒化物半導体レーザ素子および光記録再生装置 | |
US20120307856A1 (en) | Semiconductor laser device and manufacturing method thereof | |
JP3780571B2 (ja) | 半導体レーザ | |
JP4683731B2 (ja) | 窒化物半導体レーザ素子とこれを含む光学装置 | |
JPH11340573A (ja) | 窒化ガリウム系半導体レーザ素子 | |
JPH10303505A (ja) | 窒化ガリウム系半導体発光素子およびその製造方法 | |
JP2007013207A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP4035021B2 (ja) | 半導体レーザ装置、光ディスク装置及び光集積化装置 | |
US20060120424A1 (en) | Semiconductor laser device | |
JP2000223789A (ja) | 半導体レーザ素子および光ピックアップ装置 | |
JP3101997B2 (ja) | 窒化物半導体レーザ素子 | |
JP2007329487A (ja) | レーザ素子および光記録再生装置 | |
JP4508662B2 (ja) | 窒化ガリウム系半導体発光素子 | |
JP4603113B2 (ja) | 半導体レーザ | |
JP2003060314A (ja) | 窒化物半導体素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041008 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070604 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070619 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070802 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20070802 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080304 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080409 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080701 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081224 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090107 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |