JP4244095B2 - 放射線像変換パネルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、輝尽性蛍光体を利用する放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の放射線写真法に代る方法として、たとえば特開昭 55−12145号公報等に記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも称する)を利用するもので、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線をパネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。
【0003】
この放射線像変換方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。従って、この方法は、特に医療診断を目的とするX線撮影時の直接医療用放射線撮影において利用価値の非常に高いものである。
【0004】
放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルは、基本構造として、支持体とその片面に設けられた輝尽性蛍光体層からなるものである。輝尽性蛍光体層は一般に、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるものであり、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものである。従って、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換することにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0005】
放射線像変換方法は上記のように非常に有利な画像形成方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルも従来の放射線写真法に用いられる増感紙と同様に、高感度であってかつ良好な画質(鮮鋭度、粒状性など)を与えるものであることが望まれる。
【0006】
放射線像変換パネルの感度は、基本的にはパネルに含有されている輝尽性蛍光体の総輝尽発光量に依存し、この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみならず、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても異なる。蛍光体の含有量が多いことはまたX線等の放射線に対する吸収も大であることを意味するから、一層高い感度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。一方、蛍光体層における蛍光体の含有量が一定である場合には、蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚を薄くすることができるから、散乱による励起光の広がりを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得ることができる。
【0007】
本発明者らは、蛍光体が密に充填された蛍光体層を持つ放射線像変換パネルの一つとして、蛍光体層を圧縮処理することにより蛍光体層の空隙率を低下せしめた放射線像変換パネルおよびその製造法をすでに出願している(特開昭59−126299号公報、特開昭59−126300号公報参照)。
【0008】
上記の放射線像変換パネルは、蛍光体層を圧縮処理することで、蛍光体層中の蛍光体の密度をそれまでの放射線像変換パネルよりも高くかつ密度ムラを少なくしたものであり、その結果、この放射線像変換パネルは優れた鮮鋭度を持つものとなった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、その後の研究により、圧縮処理のみでは蛍光体の密度ムラを完全になくせるものではなく、蛍光体の密度ムラに起因するパネルの発光量のムラに関して更に改良の余地があることが分かった。
【0010】
本発明者らは、輝尽性蛍光体層の塗布液の調製方法を種々検討した結果、輝尽性蛍光体層の塗布液を調製する際に用いる有機溶剤として、沸点と粘度が異なる2種以上の有機溶剤からなる混合溶剤を用いることが極めて有効であることを発見し、本発明の完成に到ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、蛍光体密度が均一な蛍光体層を得ることが可能であって発光ムラの少ない放射線像変換パネルの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、少なくとも、輝尽性蛍光体と、結合剤と、沸点が10℃以上異なる0.6mPa・s以下の粘度の低沸点溶剤と0.6mPa・sを越える粘度の高沸点溶剤との混合溶剤とからなる塗布液を、支持体上に塗布し乾燥して蛍光体層を形成することを特徴とするものである。
【0013】
ここでいう粘度は、毛細管、同心円筒または円錐円板式粘度計により室温(20℃)で測定されたものを意味する。
【0014】
前記低沸点溶剤の沸点は110℃以下であることが好ましく、前記高沸点溶剤の沸点は110℃〜220℃であることが好ましい。
前記低沸点溶剤の割合は、前記混合溶剤全量に対して10〜90重量%であることが好ましく、20〜80重量%であることがより好ましい。
【0015】
前記混合溶剤は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群より選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。
前記低沸点溶剤は、メチルエチルケトンまたは酢酸エチルのいずれかであることがより好ましい。
前記高沸点溶剤は、酢酸(n)ブチル、ジアセトンアルコールおよびアセト酢酸エチルのいずれかであることがより好ましい。
前記結合剤は、ポリウレタン樹脂からなることが好ましい。
【0016】
前記支持体とは、放射線像変換パネルの支持体そのものである場合はもちろんのこと、蛍光体層用塗布液を仮の支持体に塗布し、乾燥して蛍光体シートを作成したのちはがして本来の支持体に蛍光体層を接着するような製造の場合の仮支持体も含まれる。
【0017】
本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、前記塗布液を前記支持体上に塗布乾燥した後、さらにこれを圧縮処理することが好ましい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、蛍光体層の塗布液に用いる溶剤として、沸点が10℃以上異なる0.6mPa・s以下の粘度の低沸点溶剤と0.6mPa・sを越える粘度の高沸点溶剤との混合溶剤を用いたので、これを用いて調整された蛍光体層塗布液は蛍光体粒子が均一に分散し、この塗布液により形成された蛍光体層は蛍光体密度が均一となり、発光ムラの少ない放射線像変換パネルとすることができる。
【0019】
すなわち、低沸点溶剤単独では蒸発速度が速すぎて均質な塗膜を得ることがむずかしく、一方、高沸点溶剤単独では乾燥時間が長くなるために、塗布時間を遅くしたり乾燥ゾーンを長くするなどの調整をする必要があったり、また概して高沸点溶剤に対しては結合剤樹脂(特に有用なポリウレタン樹脂)に溶解性が劣るものが多く、このため蛍光体粒子の分散性が低下して密度ムラが増加することがあるが、本発明の蛍光体層塗布液は、溶剤に沸点が10℃以上異なる0.6mPa・s以下の粘度の低沸点溶剤と0.6mPa・sを越える粘度の高沸点溶剤との混合溶剤を用いているため、塗布膜の乾燥ゾーン内における急激な乾燥や流動によるムラが防止され、均一かつ平滑な蛍光体層を得ることが可能となり、発光ムラの少ない放射線像変換パネルとすることができる。
【0020】
なお、本発明の蛍光体層塗布液は、蛍光体粒子が均一に分散されており、これを支持体上に塗布乾燥した後、この塗布層(蛍光体層)を圧縮処理する場合には蛍光体層が均一に圧縮されるため、蛍光体の充填率を均一に高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の放射線像変換パネルの製造方法について詳細に説明する。
【0022】
本発明の放射線像変換パネルの製造方法に用いることができる混合溶剤は、沸点が10℃以上異なる0.6mPa・s以下の粘度の低沸点溶剤と0.6mPa・sを越える粘度の高沸点溶剤との混合溶剤である。さらに、低沸点溶剤の沸点は110℃以下であって、前記高沸点溶剤の沸点は110℃〜220℃であることが好ましい。沸点が110℃以下であっても粘度が0.6mPa・sを越える低沸点溶剤は結合剤の溶解性や蛍光体の分散性が劣るので好ましくなく、また沸点が110℃を越える溶剤であっても粘度が0.6mPa・s以下のものは塗布膜の均質化に劣るので好ましくない。
【0023】
低沸点溶剤と高沸点溶剤の沸点の差は10℃以上あることが必要であり、特に20℃〜100℃の差があることが好ましい。
【0024】
本発明において特に好ましい有機溶剤は、上記の沸点および粘度という観点以外に、バインダーに対する溶解性が良いこと、人体に有毒でなく有害性が少ないこと、着色が無く輝尽性蛍光体の発光効率を低下させることがないこと、なるべく安価なこと等の観点から考慮して、ケトン系溶剤、エステル系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選択する事が好ましい。
【0025】
沸点が110℃以下で粘度が0.6mPa・s以下の有機溶剤(低粘度で低沸点の有機溶剤)としては、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸イソプロピル、酢酸(n)プロピルなどがあり、MEK、酢酸エチルが特に好ましく、沸点が110℃を越えて粘度が0.6mPa・sを越える有機溶剤(高粘度で高沸点の有機溶剤)としては、酢酸イソブチル、酢酸(n)ブチル、酢酸イソアミル、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチルなどがあり、酢酸(n)ブチル、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチルが特に好ましい。低粘度で低沸点の有機溶剤の使用割合は、全溶剤に対して10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%が特に好ましい。
【0026】
以下に本発明において使用することのできる輝尽性蛍光体について述べる。輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体の例としては、
特開昭48−80487号に記載されているBaSO4:AXおよび特開昭48−80489号に記載されているSrSO4:AXで表される蛍光体、
特開昭53−39277号に記載されているLi2B4O7:Cu,Ag、
特開昭54−47883号に記載されているLi2O・(B2O2)x:CuおよびLi2O・(B2O2)x:Cu,Ag、
米国特許第3,859,527号明細書に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2:Er、およびLa2O2S:Eu,Sm、
特開昭55−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb、BaO・xAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、および、MIIO・xSiO2:A(ただし、MIIはMg、Ca、Sr、Zn、Cd、またはBaであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、Bi、またはMnであり、xは、0.5≦x≦2.5である)、
特開昭55−12143号に記載されている(Ba1−X−y,MgX,Cay)FX:aEu2+(ただし、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つであり、xおよびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0であり、aは、10−6≦a≦5×10−2である)、
特開昭55−12144号に記載されているLnOX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一つ、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうちの少なくとも一つ、そして、xは、0<x<0.1である)、
特開昭55−12145号に記載されている(Ba1−X,M2+ X)FX:yA(ただし、M2+はMg、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしてxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)、
特開昭55−843897号に記載されているBaFX:xCe・yAで表される蛍光体
特開昭55−160078号に記載されているMIIFX・xA:yLn(ただし、MIIはBa、Ca、Sr、Mg、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al2O3、Y2O3、La2O3、In2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、およびThO2のうちの少なくとも一種、LnはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、およびGdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ5×10−5≦x≦0.5、および0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭56−116777号に記載されている(Ba1−X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10−6≦y≦2×10−1、および0<z≦10−2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭57−23673号に記載されている(Ba1−X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zB(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10−6≦y≦2×10−1、および0<z≦10−2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭57−23675号に記載されている(Ba1−X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aは砒素および硅素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10−6≦y≦2×10−1、および0<z≦5×10−1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58−69281号に記載されているMIIIOX:xCe(ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭58−206678号に記載されているBa1−XMX/2LX/2FX:yEu2+(ただし、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属を表わし;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10−2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59−27980号に記載されているBaFX・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、テトラフルオロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10−6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59−38278号に記載されているxM3(PO4)2・NX2:yA、M3(PO4)2:yAおよびnReX3・mAX′2:xEu、nReX3・mAX′2:xEu,ySm、MIX・aMIIX′2・bMIIIX″3:cAで表される蛍光体、
特開昭59−47289号に記載されているBaFX・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10−6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59−56479号に記載されているBaFX・xNaX′:aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびaはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59−56480号に記載されているMIIFX・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、MIIは、Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiより選ばれる少なくとも一種の繊維金属であり;そして、xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z≦10−2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59−75200号に記載されているMIIFX・aMIX′・bM′IIX″2・cMIIIX3・xA:yEu2+(ただし、MIIはBa、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MIはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M′IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり;MIIIはAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′、X″、および Xは、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0≦b≦10−2、cは0≦c≦10−2、かつa+b+c≧10−6であり;xは0<x≦0.5、yは0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭60−84381号に記載されているMIIX2・aMIIX′2:xEu2+(ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつ X≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、
特開昭60−101173号に記載されているMIIFX・aMIX′:xEu2+(ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaおよびxはそれぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、
特開昭62−25189号に記載されているMIX:xBi(ただし、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、
などをあげることができる。
【0027】
また、上記特開昭60−84381号に記載されているMIIX2・aMIIX′2:xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に示すような添加物がMIIX2・aMIIX′2 1モル当り以下の割合で含まれていてもよい。
【0028】
特開昭60−166379号に記載されているbMIX″(ただし、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開昭60−221483号に記載されているbKX″・cMgX2・dMIIIX′3(ただし、MIIIはSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X″、XおよびX′はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10−5≦b+c+dである);特開昭60−228592号に記載されているyB(ただし、yは2×10−4≦y≦2×10−1である);特開昭60−228593号に記載されているbA(ただし、AはSiO2およびP2O5からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは10−4≦b≦2×10−1である);特開昭61−120883号に記載されているbSiO(ただし、bは0<b≦3×10−2である);特開昭61−120885号に記載されているbSnX″2(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10−3である);特開昭61−235486号に記載されているbCsX″・cSnX2(ただし、X″およびXはそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれぞれ、0<b≦10.0および10−6≦c≦2×10−2である);および特開昭61−235487号に記載されているbCsX″・yLn3+(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦10.0および10−6≦y≦1.8×10−1である)。
【0029】
上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体およびセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
【0030】
本発明に用いられる結合剤としては、常温で弾力を持ち、加熱されると流動性を持つようになる熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。熱可塑性エラストマーは軟化温度または融点が30℃〜300℃であるものが一般的に用いられるが、30℃〜200℃のものが好ましく、30℃〜150℃のものを用いることがさらに好ましい。熱可塑性エラストマーの例としては、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、シリコンゴムなどをあげることができ、ポリウレタン樹脂が蛍光体の分散性、蛍光体層の強度の観点からより好ましい。
【0031】
上記結合剤を上述した輝尽性蛍光体、混合溶剤とともに充分に混合して結合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製する。
【0032】
塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0033】
なお、塗布液には、塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、フェニルホスホン酸、各種リン酸エステル、親油性界面活性剤などをあげることができる。可塑剤の例としては、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニルなどのリン酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどをあげることができる。
【0034】
上記のようにして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、支持体または仮支持体の表面に均一に塗布したのち、乾燥する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、エクストルージョンコーター、スライドコーター、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なうことができる。
【0035】
支持体および仮支持体は、例えば、ガラス、金属の板、あるいは従来の放射線写真法における増感紙(または増感用スクリーン)の支持体として用いられている各種の材料、あるいは放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができる。そのような材料の例としては、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートなどのプラスチック物質のフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するビグメント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジングした紙、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどのセラミックスの板あるいはシートなどをあげることができる。
【0036】
公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面に軟質ポリエステル、軟質アクリルなどの高分子物質を塗布して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明において用いられる支持体についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。
【0037】
さらに、特開昭59−200200号公報に記載されているように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層あるいは光吸収層などが設けられている場合には、その表面を意味する)には微小の凹凸が形成されていてもよい。
【0038】
仮支持体上に蛍光体層を形成する場合には、仮支持体上に蛍光体層を塗布乾燥して蛍光体シートを作成したのち、仮支持体からはがして本来の支持体に蛍光体層を接着する。従って、仮支持体の表面には予め離型剤を塗布しておき、形成された蛍光体シートが仮支持体からはがし易くなるようにしておくことが好ましい。
【0039】
本発明においては、蛍光体塗布液を支持体上に塗布・乾燥した後に、蛍光体層上に後述する保護膜を塗布乾燥するか、シート状の保護膜を被覆した上で結合剤の軟化点以上の温度で圧縮することが好ましい。蛍光体塗布液を仮支持体上に塗布・乾燥して蛍光体シートを作成した場合には、この蛍光体シートを支持体上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度で圧縮しながら蛍光体シートを支持体上に接着することが好ましい。
【0040】
本発明において圧縮処理のために使用される圧縮装置の例としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般に知られているものをあげることができる。ただし、本発明に用いられる圧縮装置はこれらのものに限られるものではなく、上記のようなシートを加熱しながら圧縮することのできるものであればいかなるものであってもよい。圧縮の際の圧力は、5MPa以上であることが一般的である。
【0041】
通常、放射線像変換パネルにおいては、支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するための透明な保護膜が設けられている。このような透明保護膜は、本発明による放射線像変換パネルについても設置することが好ましい。
【0042】
透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成することができる。あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなるプラスチックシート;および透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成することができる。保護膜の膜厚は一般に約0.1乃至20μmの範囲にあることが好ましい。
【0043】
さらに、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、上記の少なくともいずれかの層に励起光を吸収し、輝尽発光光は吸収しないような着色層を加えてもよい(特公昭59−23400号参照)。
【0044】
次に本発明の実施例を記載する。ただし、これらの各実施例は本発明を制限するものではない。表1に実施例および比較例に用いた低沸点溶剤および高沸点溶剤の沸点および粘度を示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【実施例】
(実施例1)
まず、蛍光体層となる蛍光体シートを以下のように作製した。蛍光体(BaFBr0.85I0.15:Eu2+)1000重量部、結合剤としてポリウレタン樹脂(大日本インキ化学(株)製:パンデクスT-5205の精製品、15%溶液)236.6重量部、架橋剤としてポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)、コロネートHX[固形分100%])4.5重量部、黄変防止剤としてエポキシ樹脂(油化シエルエポキシ(株)製:EP1001の50%溶液)20.0重量部、着色剤(群青;第一化成工業(株)、SM-1) 0.02重量部、溶剤としてMEK/酢酸(n)ブチル=7/3の混合溶剤を用い、上記蛍光体シート組成の材料を加え、ディスパーで分散し、粘度が3Pa・s(20℃)の塗布液を調製した。これをシリコン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレート(仮支持体、厚み180μm)上に塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シート(厚み250μm)を形成した。
【0047】
次に反射(下塗)層を作製した。酸化ガドリニウム( Gd2O3)の微細粒子(全粒子の90重量%の粒子の粒子径が1〜5μmの範囲にあるもの)30重量部、結合剤として軟質アクリル樹脂(クリスコートP-1018GS:20%溶液;大日本インキ化学工業(株))30重量部、フタル酸エステル 3.5重量部、導電剤:ZnOウイスカー10重量部、着色剤として群青 0.4重量部をメチルエチルケトン(以下MEKと記す)に加え、ディスパーを用いて分散、混合して、粘度が?0Pa・s(20℃)の反射(下塗)層形成用塗布液を調製した。厚さ 300μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に均一塗布した後、塗布膜の乾燥を行ない、支持体上に反射層(層厚:20μm)を形成した。
【0048】
続いて、支持体上に形成された反射層上に、先に作製しておいた蛍光体シートを載せ、圧縮を行った。圧縮は、カレンダーロールを用いて、50MPaの圧力、上ロール温度を90℃、下ロール温度を75℃、送り速度を 2.0m/分の条件下にて連続的に行なった。この圧縮により、蛍光体シートと支持体とは完全に融着した。融着後の蛍光体層の厚さは220μmであった。
【0049】
次に以下のように保護膜を設けた。フッ素系樹脂としてフルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体(ルミフロン LF-504X (40% 溶液)、旭硝子(株)製)50重量部、架橋剤としてポリイソシアネート(スミジュールN3500、住友化学(株)製)9重量部、滑り剤としてアルコール変性シリコーン(X-22-2809 (66% 溶液)、 信越化学工業(株)製)0.5重量部、触媒としてジブチルチンジラウレート( KS1260、 共同薬品(株)製)0.003重量部、エポスターS6(メラミン樹脂粒子)10重量部を、MEKに溶解して、粘度30mPa・sの塗布液を調製した。この塗布液を9μのポリエチレンテレフタレート上に塗布した後、120℃で 30分間熱処理して熱硬化させるとともに乾燥した後、裏面にポリエステル系の接着剤層を設けて接着剤層と蛍光体層を100℃、5MPaで熱圧着させて保護膜を設けた。
【0050】
最後に縁貼りを以下のようにして形成した。シリコーン系ポリマー(ポリジメチルシロキサン単位を有するポリウレタン、ダイアロマーSP-3023 (15wt% 溶液(溶媒:MEKとトルエンの混合溶媒))、大日精化(株)製)70重量部、架橋剤としてポリイソシアネート(クロスネートD-70(50wt% 溶液)、 大日精化(株)製)3重量部、黄変防止剤としてエポキシ樹脂(EP1001[固形];油化シエルエポキシ(株)製)0.6重量部、滑り剤としてアルコール変性シリコーン(X-22-2809 (66% 溶液)、 信越化学工業(株)製)0.2重量部をMEK15重量部に加え、溶解させて、縁貼り形成用塗布液を調製した。先に作製した支持体、下塗層、蛍光体層及び保護膜から構成されたパネルの各側面に塗布し、室温で充分乾燥させて、膜厚25μmの縁貼り硬化皮膜を形成した。支持体、下塗層、蛍光体層、保護膜及び縁貼り硬化皮膜から構成された放射線像変換パネルを製造した。
【0051】
(実施例2〜実施例7)および(比較例1〜比較例4)
(実施例2〜実施例7)および(比較例1〜比較例4)は、表2に記載した混合溶剤を用いて蛍光体層を作製した以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。なお、表2中、溶剤が1つしか書かれていないものは、その溶剤を100%用いたことを示す。
【0052】
【表2】
(放射線像変換パネルの画質評価)
放射線像変換パネルに、管電圧80kVpのX線を一様に照射したのち、He-Neレ−ザ−光(632.8nm)で走査して蛍光体を励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生して表示装置上に画像を得た。得られた蛍光体層から輝尽発光光量測定し(比較例1を100として相対表示)、また、得られた画像の変調伝達関数(MTF)(空間周波数:2サイクル/mm)により鮮鋭度を、また0.1mRの線量における粒状性(RM)を測定した。また、発光ムラは放射線像変換パネルの複数の箇所の発光量を測定し、その最大値と最小値の違いを%で表した。結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
上記の結果から明らかなように、本発明による混合溶剤を用いて蛍光体層を形成した放射線像変換パネルは、発光量、鮮鋭度、粒状性が従来のMEK単独(比較例1)、酢酸エチル(比較例3)またはMEK/トルエン混合溶剤(比較例2)と同等以上で、発光ムラを半分以下に改善することができた。すなわち画像ムラが少なく良好な放射線像変換パネルが得られた。
【0054】
上記の結果から明らかなように、本発明による混合溶剤を用いて蛍光体層を形成した放射線像変換パネルは、蛍光体粒子の分散性が優れているため、発光ムラのきわめて少ない放射線像変換パネルを容易に製造することができる。
Claims (9)
- 少なくとも、輝尽性蛍光体と、結合剤と、沸点が10℃以上異なる0.6mPa・s以下の粘度の低沸点溶剤と0.6mPa・sを越える粘度の高沸点溶剤との混合溶剤とからなる塗布液を、支持体上に塗布し乾燥して蛍光体層を形成することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
- 前記低沸点溶剤の沸点が110℃以下であって、前記高沸点溶剤の沸点が110℃〜220℃であることを特徴とする請求項1記載の放射線像変換パネルの製造方法。
- 前記低沸点溶剤の割合が前記混合溶剤全量に対して10〜90重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の放射線像変換パネルの製造方法。
- 前記低沸点溶剤の割合が前記混合溶剤全量に対して20〜80重量%であることを特徴とする請求項3記載の放射線像変換パネルの製造方法。
- 前記混合溶剤がケトン系溶剤、エステル系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の放射線像変換パネルの製造方法。
- 前記低沸点溶剤がメチルエチルケトンまたは酢酸エチルのいずれかであることを特徴とする請求項5記載の放射線像変換パネルの製造方法。
- 前記高沸点溶剤が、酢酸(n)ブチル、ジアセトンアルコールおよびアセト酢酸エチルのいずれかであることを特徴とする請求項5または6記載の放射線像変換パネルの製造方法。
- 前記結合剤がポリウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の放射線像変換パネルの製造方法。
- 前記塗布液を前記支持体上に塗布乾燥した後、さらに圧縮処理することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の放射線像変換パネルの製造方法。
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