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JP4136686B2 - 切換弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切換弁に係り、特に、弁体が回転可能に収納される弁室を有する流路の切換弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、切換弁として、例えば、下記の特許文献1にユニットバス用のものとしての四方切換弁が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−18405号公報
【0004】
図5は、前記公報記載のユニットバスの一例を概略的に図示したものであり、通常、該ユニットバスは、給湯ユニットA、浴槽B、四方切換弁V、及び、フィルタC等の機器を備え、該各機器を管路で接続した構造を有している。ユニットバスは、通常の運転においては、浴槽Bの湯水を、給湯ユニットA、フィルタC、四方切換弁Vを介して前記浴槽Bに戻すメイン循環路(湯水の流れを矢印(I)で示す)を用いて循環させ、前記給湯ユニットAで湯温を調節して、浴槽B内の湯温を入浴適温に保持している。
【0005】
前記フィルタCは、該メイン循環路(I)を循環する湯水を濾過するためのものであるが、湯水を循環しているとフィルタCに湯垢や塵挨等が付着してしまい、不衛生になるおそれがある。このため定期的にフィルタCを洗浄する必要があり、その場合は、四方切換弁Vを切換え、湯水を浴槽Bに戻すことなく、四方切換弁Vから給湯ユニットAに導き、該給湯ユニットAで湯水を昇温させながら前記フィルタCを介して前記四方切換弁Vに導くように循環させる。
これにより、フィルタCは高温の湯水を所要時間循環させることで洗浄され、洗浄が終了すると前記四方切換弁Vを切換えて、前記フィルタCからの洗浄湯水を四方切換弁Vを介して外部に排出する。
【0006】
前記四方切換弁Vは、ユニットバスの湯水をメイン循環路、洗浄用循環路及び外部排出の三ルートに切換変更ができるように構成されており、一つの流入口101と三つの流出口、即ち、洗浄用流出口102、戻り用流出口103、排出用流出口104を備えている。
【0007】
図6は、前記四方切換弁Vの一例を縦断面図で示したものであり、該四方切換弁Vは、弁ケース112と、前記弁ケース112の上部に配置されたギャードモーター120、前記弁ケース112内の弁室115に配置されたボール状弁体130と、該ボール状弁体130を前記弁室115内に保持するために、前記弁ケース112の左側面開口部115aにその螺合部136aで螺入される押さえシート136と、前記左側面開口部115aを閉鎖する弁カバー113を備えている。前記弁ケース112は、下部に一つの流入口101と側部に二つの流出口104,102を形成しており、流出口(洗浄用流出口)102と流出口(排出用流出口)104とは90度位相を異にして配置されている。さらに、前記弁カバー113にも、一つの流出口(戻り用流出口)103が形成されている。
【0008】
ボール状弁体130は、その中心部付近で合流する断面円形の流入路131と流出路132とが穿設されており、流入路131は、常時、流入口101に接続していると共に、流出路132は三つの流出口102,103,104に択一的に接続するように配置されている。
【0009】
ボール状弁体130は、ギァードモーター120により弁軸125を介して回転駆動され、ユニットバスがメイン循環路(I)、洗浄用循環路(II)、及び、外部排出(III)の三ルートに択一的切換変更できるように、その回転位置を設定できるようになっている。弁ケース112の流入口101から流入した湯水は、ボール状弁体130の流入路131から流出路132へと導かれ、ボール状弁体130を回転して切換変更した所定の位置により、前記三つの流出口102,103,104に択一的に接続されて、メイン循環路(I)、洗浄用循環路(II)、若しくは、外部排出(III)の三ルートのいずれかのルートに流れるようになっており、四方切換弁Vは、ユニットバスの前記各循環路の切換手段として機能する。
【0010】
さらに、四方切換弁Vは、弁室115内のボール状弁体130と、弁ケース112及び押さえシート136との接触部分に、複数のパッキン141,142が介在されており、上記接触部分で弁室115から三つの流出口102,103,104の各々、あるいは該三つの流出口102,103,104の各々から弁室115への湯水の漏洩を防止している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術に於いては、上記のように弁体のシール材としてパッキンを用いるが、パッキンは弾性体で構成されており、しかも、流体には、異物が混入している場合があることから、長期間の使用によってパッキンが損傷し、シール機能が低下するばかりでなく、弁体の支持機能が低下する場合があった。
そこで、弁体のシール機能を向上させるために、例えば、図7に示すように、パッキンを用いず、弁ケース20における弁体10との少なくとも摺接部分20aをシール可能な弾性材とする手段も考えられる。しかし、この手段もシール性は向上するものの、弁体の支持機能を低下させることがある。
また、他の手段として、図8に示すように、パッキン141,142側のボール状弁体の摺接側全面に、樹脂皮膜、例えばテフロン膜143を一体成形する手段も考えられるが、この手段によると、ボール状弁体に対する摺動性は向上するものの、シール性が低下することがある。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みて発明されたもので、その目的とするところは、パッキンの弁体への摺接部分に、摺動抵抗が少ない摺接部と漏れ防止作用を行わせるシール部とを構成することで、シール性及び摺動性が共に優れた切換弁を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成すべく、本発明に係る切換弁は、下記の手段を講じた。
請求項1記載の切換弁は、流路を有するボール状弁体と、該ボール状弁体が回転可能に収納される弁室を有する弁ケースと、該弁ケースに形成された流入口及び複数の流出口とからなり、上記ボール状弁体の回転により、上記流入口と上記いずれかの流出口とを上記流路によって連通させると共に、弁ケースに装着した複数のリング状のパッキンにより弁ケースとボール状弁体との間をシールさせる切換弁において、上記パッキンは、上記ボール状弁体の両側に配設し、上記ボール状弁体との摺接部を2箇所とし、その内の1箇所に皮膜層を形成し摺動部とし、その他の個所の摺接部をシール部とし、上記リング状のパッキンの断面は、全体としてブロック状に形成され、該パッキンの内径側には第1の凸部を有し、該第1の凸部の平坦部と立上り部に皮膜層を形成し、上記摺接部は、第1の凸部の皮膜層が形成される角部と、段部を経て第1の凸部と連続する第2の凸部の角部にて構成されることを特徴とする。
かかる特徴により、上記皮膜層に弁体の支持機能をもたせ、上記皮膜層を形成しない摺接部に、シール機能をもたせ、パッキンに弁体に対するシール性と摺動性の両方を具備させることができる。そして、構成・加工が簡単なパッキン層を具備する切換弁とすることができる。
【0014】
請求項2記載の切換弁は、請求項1記載の切換弁において、上記摺動部は、合成樹脂による皮膜層が形成されていることを特徴とする。
かかる特徴により、上記皮膜層に弁体の支持機能をもたせることができる。
請求項3記載の切換弁は、請求項1記載の切換弁において、上記皮膜層がテフロンであることを特徴とする。
かかる特徴により、皮膜加工が容易で、耐久性のある皮膜層とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の切換弁の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る切換弁のパッキンの一部詳細図(図2のA部拡大図)、図2は同切換弁の縦断面図、図3は同切換弁の水平断面図、図4は同パッキンの縦断面図である。なお、図1乃至図3において、図4,5と同一部分には同一符号を付して説明は省略している。
【0017】
本実施例における切換弁は、図2,3に示すように、球体状の弁体10に流入路11と流出路12とからなる流路が形成されること、弁体10が回転可能に収納される弁室21を有すること、弁ケース20には流入口22及び3つの流出口23,24,25が形成されること、弁体10は弁ケース20に設けられたパッキン41により支持・シールされていること、及び、流入口22と流出口23,24,25とは流路11,12によって選択的に連通可能なこと、などは従来技術と基本的に変わるものではない。
【0018】
本実施例における切換弁の構成は、弁ケース20に装着したパッキン41により弁ケース20と弁体10との間をシールするに当たって、リング状のパッキン41における弁体10との2つ摺接部41a,41bの内、図4に示すリング状の一方の摺接部41bに硬質合成樹脂層、例えば、テフロンを素材とするテフロン(PTFE)層42を形成させた点にある。
図1,4を用いて、本発明に係る切換弁におけるパッキン41の形状の一実施形態を説明する。図1はその実施形態を示すパッキンの詳細図、図4は同パッキンの縦断面図である。
図1において、符号41はパッキンであり、全体としてブロック状に形成される。符号10はパッキン41に当接するボール弁であり、パッキン41は、その2個所の摺接部41a、41bにおいて該ボール弁10と摺接する。即ち、摺接部41aは、主としてシール性を確保するシール部であり、摺接部41bは、主としてボール弁10との摺動性を確保する摺動部である。
前記摺接部41bはパッキン41の第1の凸部43の平坦部43aと立上り部43bにテフロン等の樹脂被膜層42が形成され、その平坦部43aと立上り部43bとで形成される角部にて構成される。
また、摺接部41aは、第1の凸部43と段部を経て第1の凸部43と連続する第2の凸部44の角部にて構成される。なお、図1及び図4において、符号45は弁ケース20との間のシール性を保持するための突起である。
【0019】
上記樹脂被膜層としてのテフロン層42は、ゴム(例えば、EPDM)からなるパッキン41に焼き付けにより一体成形している。そして、上記テフロン層42を形成しない摺接部41aをシール部として、また、テフロン層42を形成した摺接部41bを弁体10の支持部として構成するものである。なお、パッキン41の断面形状、テフロン層42のカバー範囲、層の厚み等は種々変更できることはいうまでもない。
【0020】
また、本発明の実施形態は切換弁に関するものであるが、その他の弁ボールにも適用が可能であることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明に係る切換弁は、上記構成により、パッキンの摺接部の一部に形成させた硬質構成樹脂、特にテフロンの皮膜層に弁体の支持機能をもたせ、皮膜層を形成しない摺接部にシール機能をもたせることで、耐久性・信頼性・加工性の高い切換弁とすることができる。
また、パッキンの摺接部を2箇所とし、その内の1箇所に皮膜層を形成させ、その他の個所の摺接部をシール部としたことで、構成・加工が簡単なパッキン層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切換弁の実施形態を示す要部(パッキン)の詳細図。
【図2】同切換弁の縦断面図。
【図3】同切換弁の水平断面図。
【図4】同切換弁のパッキンの縦断面図。
【図5】切換弁が使用される追い焚き機能付きユニットバスの給湯系の概略図。
【図6】従来の切換弁の縦断面図。
【図7】切換弁の弁体支持部における他のシール手段を示す断面図。
【図8】切換弁のパッキンにおける他の形状を示す断面図。
【符号の説明】
A・・給湯ユニット B・・浴槽 C・・フィルタ
V・・・(四方)切換弁 10・・弁体・ボール弁(本発明)
11,12・・流路
20・・弁ケース 20a・・摺接部
21・・弁室 22・・流入口
23・・(第1)流出口 24・・(第2)流出口 25・・(第3)流出口
41・・パッキン
41a・・摺接部(シール部) 41b・・摺接部(摺動部)
42・・合成樹脂皮膜(テフロン)層
43・・第1の凸部 43a・・平坦部 43b・・立上り部
44・・第2の凸部
101・・流入口 102・・第1(洗浄用)流出口
103・・第2(戻り用)流出口 104・・第3(排出用)流出口
112・・弁ケース 113・・弁カバー
115・・弁室 115a・・左側面開口部
120・・ギャードモーター 125・・弁軸
130・・ボール状弁体 131・・流入路
132・・流出路 136・・押さえシート
136a・・螺合部 141,142・・パッキン 143・・テフロン層

Claims (3)

  1. 流路を有するボール状弁体と、該ボール状弁体が回転可能に収納される弁室を有する弁ケースと、該弁ケースに形成された流入口及び複数の流出口とからなり、上記ボール状弁体の回転により、上記流入口と上記いずれかの流出口とを上記流路によって連通させると共に、弁ケースに装着した複数のリング状のパッキンにより弁ケースとボール状弁体との間をシールさせる切換弁において、
    上記パッキンは、上記ボール状弁体の両側に配設し、上記ボール状弁体との摺接部を2箇所とし、その内の1箇所に皮膜層を形成し摺動部とし、その他の個所の摺接部をシール部とし、
    上記リング状のパッキンの断面は、全体としてブロック状に形成され、該パッキンの内径側には第1の凸部を有し、該第1の凸部の平坦部と立上り部に皮膜層を形成し、上記摺接部は、第1の凸部の皮膜層が形成される角部と、段部を経て第1の凸部と連続する第2の凸部の角部にて構成されることを特徴とする切換弁。
  2. 上記摺動部は、合成樹脂による皮膜層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の切換弁。
  3. 上記皮膜層がテフロン(登録商標・以下同じ)であることを特徴とする請求項記載の切換弁。
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