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JP4108920B2 - 内燃機関の始動装置のための電流測定モジュール - Google Patents

内燃機関の始動装置のための電流測定モジュール Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、スタータモータのスタータ電流を測定する測定装置を有する内燃機関の始動装置のための電流測定モジュールに関する。
【0002】
従来技術
内燃機関は単独では始動しないので、これを始動装置を用いてスタートしなければならないことは周知である。このために通常は、いわゆるソレノイドスイッチ(Einrueckrelais)として構成されたスタータリレーを介して電圧源に接続されたスタータモータが投入され、同時にスタータモータのピニオンが回転開始のために内燃機関のはずみ車のスプロケットと係合される。スタータリレーのスイッチオンに対してはこのリレーを外部のスイッチ、例えば車両の点火スイッチまたはスタートスイッチを介して駆動することが知られている。内燃機関が自己運転に達した後はスタータモータをオフにし、ノイズの発生および損耗を防止しなければならない。点火スイッチないしスタートスイッチのトリガによる手動のスタート遮断が周知である。車両の快適性向上を達成するために、内燃機関の自動的なスタート遮断を行う解決手段が知られている。内燃機関の自己運転を検出するためにスタータ電流の評価を行うことができる。この場合スタータ電流の特性が内燃機関の自己運転に依存して変化することが利用される。内燃機関が自己運転回転数に達すると、すなわち内燃機関が固有の回転トルクを発生させると、スタータモータはその回転数においていわば追い越され、フリーホイールクラッチを介して内燃機関から分離される。この時点からスタータモータは自身の加速度モーメントのみを用いなければならず、これによりスタータ電流はスタータモータの無負荷電流まで低下する。スタータモータの無負荷電流が得られると、内燃機関の自己運転が信号化される。
【0003】
一般的な電気技術から、電流の導通する導体は電流に比例する磁界によって包囲されることが周知である。
【0004】
発明の利点
本発明の請求項1記載の特徴を有する電流測定モジュールにより、簡単にスタータ電流の評価を行うことのできる利点が得られる。スタータ電流の導通する導体を少なくとも部分的に把持する軟鉄コアが設けられており、この軟鉄コアは磁界センサを支承しており、この磁界センサによって駆動される電子回路により、スタータモータの遮断電流、特に無負荷電流の到達時にスタータモータを遮断する制御信号が発生されるように構成されている。これにより簡単にスタータ電流をスタータモータへの直接介入なしに評価できる。例えば始動装置全体の構造的な変更は必要ない。なぜなら本発明の電流測定モジュールは簡単に既存の始動装置に適合可能だからである。さらに始動装置の既存の電気的な接続線路への変更も必要ない。
【0005】
本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載された特徴から得られる。
【0006】
図面
本発明を以下に実施例により付属の図に即して詳細に説明する。
【0007】
実施例の説明
図1には内燃機関のスタータモータのスタータ電流Iの特性が時間tに関して示されている。スタータモータのスイッチオンによりスタータ電流Iは最大値(始動電流)まで上昇し、続いてリップル特性領域10へ移行する。スタータ電流Iのリップル特性は始動フェーズ中に交番変化する内燃機関の圧縮フェーズおよび膨張フェーズから生じる。内燃機関の自己運転に達するとスタータ電流Iは無負荷電流Iへ移行する。Iで遮断電流が示されており、この電流はリップル特性領域10の下方に存在する。遮断電流Iが下方超過された後、内燃機関が自己運転状態にありスタータモータの遮断が行われることが保証される。
【0008】
図2には、電流Iが導通する導体12が磁界Bを発生することが示されている。この場合磁界Bは電流Iに比例する。
【0009】
図3のa〜cには電流測定モジュール14が示されており、このモジュールを用いて磁界Bを検出することによりスタータ電流Iが測定される。電流測定モジュール14は正面図(図3のa)、側面図(図3のb)、および平面図(図3のc)により示されている。電流測定モジュール14は鞘状の軟鉄コア16を有している。軟鉄コア16は有利には円形の軸方向での貫通孔18を有しており、この開口部の直径は軟鉄コア16内を案内される電気導体12(図3では図示されていない)の直径よりも大きい。このため電気導体12と軟鉄コア16との間には同軸の空隙が残る。この空隙内に磁界センサ20が配置されているが、ここでは番号しか示されていない。磁界センサ20は例えばホールセンサまたはいわゆるフィールドプレートとすることができる。磁界センサ20の機能は一般に周知であり、本発明の明細書の範囲ではこれについて詳細には立ち入らない。磁界センサ20は電気的な端子コンタクトを有しており、この端子コンタクトに磁界センサに対して作用する磁界Bに依存して信号電圧が印加される。この場合信号電圧は磁界Bに比例する。
【0010】
軟鉄コア16は非磁性かつ非導電性の材料、例えばプラスティックから成るベースプレート22上に配置されている。軟鉄コア16をベースプレート22上に配置するために、軟鉄コア16は例えばベースプレート22を形成するプラスティックと一体成形され、これによりベースプレート22の他に同時に相応の保持領域24、および軟鉄コア16のカバー26が得られる。ベースプレート22内へ同時に磁界センサ20から送出される信号電圧を評価するための電子回路を組み込むことができる。
【0011】
図4のaには側面図で、図示されない車両の内燃機関の始動装置28が示されている。始動装置28はスタータモータ30およびソレノイドスイッチとして構成されたスタータリレー32を有している。スタータリレー32により一方ではスタータモータ30が車両の車両バッテリに接続され、他方ではスタータモータのピニオンが内燃機関と係合される。スタータリレー32はコンタクトスペース34を有しており、このコンタクトスペース内でコンタクトブリッジが2つのコンタクトボルト36、38を相互に接続している。コンタクトボルト36は図示されない電気的接続線路を介して車両バッテリの正極に接続されている。コンタクトボルト38は一方では電流測定モジュール14を収容し、他方ではケーブルシュー40を収容できるように延在している。ケーブルシュー40は有利にはストランドとして構成された電気線路42を介してスタータモータ30から突出する端子44に接続されている。電流測定モジュール14は軟鉄コア16とともにコンタクトボルト38を介して押し付けられている。電流測定モジュール14およびケーブルシュー40をコンタクトボルト38上へ配置する際には固定手段46、例えばねじ山付きナットを用いてロックされる。
【0012】
電流測定モジュール14のベースプレート22の大きさは始動装置28の構造的な条件に適合するように調整されており、いずれの場合にも設けられている電流測定モジュール14の収容のための組み込みスペースを利用でき、始動装置28の構造的な変更を必要としない。電流測定モジュール14のベースプレート22は(図3のcに平面図で示されているように)軟鉄コア16の軸方向の延長部分aよりも大きいエッジ長さlを有する。これによりエッジ長さlと軸方向での延長部分aとの差から得られる領域b内にケーブルシュー40を配置できる。
【0013】
電流測定モジュール14の図示の装置により、スタータモータ30がスイッチオンされるとスタータ電流Iはコンタクトボルト36、スタータリレー32のコンタクトブリッジ、コンタクトボルト38、ケーブルシュー40、ストランド42、および端子44を介してスタータモータ30へ流れる。この電気的な接続路には軟鉄コア16が巻き付けられており、このコアはコンタクトボルト38を部分的に包囲している。図2と同様にコンタクトボルト38は電気導体12を形成しており、この電気導体はスタータ電流Iに比例する磁界によって包囲されている。磁界センサ16で検出された磁界Bに相応に制御信号は図4のaには詳細に示されていない線路を介して制御電子回路48に供給される。この制御電子回路は例えばベースプレート22内に組み込むことができる。この制御信号は磁界センサ16によって測定される磁界Bに比例しており、この磁界はさらにスタータ電流Iに比例する。図1に即して説明したスタータ電流Iの遮断限界に相応して遮断電流Iの下方超過が検出される。値Iが下方超過されると、制御電子回路48にスタータモータ30を遮断する制御信号が供給される。この制御信号はスタータリレー32と制御電圧とを接続しているスイッチング手段の開放に作用し、これによりスタータリレー32のコンタクトブリッジがコンタクトボルト36、38を分離させる。
【0014】
全体では大きな構造コストなしに簡単に構成された電流測定モジュールを用いて、内燃機関が自己運転に達した場合に始動装置28、特にスタータモータ30の自動的な遮断が可能となる。電流測定モジュール14を配置するために、始動装置28の設計および始動装置28の車両への取り付けを変更する必要はなく、大規模ライン製造のコスト上の利点が維持される。場合により軟鉄コア16の軸方向での延長部分aだけ延長されたコンタクトボルト38を挿入することができる。車両内の始動装置28への電気的接続線路も同様に必ずしも変更しなくてよい。制御電子回路48から始動装置28の遮断装置へのただ1つの付加的な接続線路が必要なだけである。図示の装置によればさらに、電流測定モジュール14は一方ではすでに動作している車両においても簡単にシステムアップすることができる。また電流測定モジュール14の交換も必要な場合に同様に問題なく行うことができ、その際に始動装置28全体を取り外す必要はない。電流測定モジュール14の簡単かつ汎用的な構造により、このモジュールは複数の異なるタイプの始動装置28で使用可能であり、種々の電流測定モジュール14の相応する準備ないし前処理は必要ない。コンタクトボルト例えばコンタクトボルト38の寸法は使用されている全ての始動装置28においてほぼ等しく、この場合にも電流測定モジュール14、特に軟鉄コア16の貫通孔18を種々の始動装置28へ適合させる必要はない。
【0015】
図4のb、cには電流測定モジュール14をコンタクトボルト38に配置する際のさらに異なる図が示されている。例えば図4のbの正面図には制御電子回路48を収容するベースプレート22をスタータリレー32のリレーカバーとスタータモータ30の間の空いている組み込みスペースに組み込み可能であることが示されている。それ以外では同じ部材には同じ参照番号が付されているので、ここでは説明しない。
【0016】
図5には、電流測定モジュール14を始動装置28に配置する別の実施例が示されている。前述の図、特に図4のaと同様の部材には同じ参照番号が付されているので、ここでは説明しない。
【0017】
ここに示されている実施形態では、電流測定モジュール14がスタータモータ30のケーシング50、特に整流子キャップ52に配置されている。これにより電流測定モジュール14がスタータモータ30の電気端子44の近傍に配置された状態が得られる。電気端子44は電流レール54から形成されており、この電流レールはスタータモータ12の極管の内部から突出している。電流レール54へは電気的接続線路(ストランド)42がケーブルシュー40に固定に導電接続されており、例えば溶接されている。図5に示された電流測定モジュール14の装置により、取り付け時に軟鉄コア16はスタータモータ30から突出する電流レール54を介して押しずらされ、後に電流レール54と接続線路42の間の導電接続が形成される。
【0018】
軟鉄コア16は制御電子回路48を備えたベースプレートからいわば軸方向に突出しており、電流レール54を把持している。電流レール54と軟鉄コア16との間には図示されない磁界センサ20が配置されている。電流レール54は図2において12で示されている電気導体を形成している。図5に示された実施例によれば軟鉄コア16はリング状には形成されておらず、ベースプレート22から楕円形に延在している。磁界Bの検出およびこれによるスタータ電流Iの検出に対してこの装置は影響を有さない。制御電子回路48を備えたベースプレート22と整流子キャップ52との固定は例えば適切な係止接続部、差込接続部、またはねじ接続部を介して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スタータモータのスタータ電流の特性が示されている。
【図2】 電流を導通させる導体を包囲する磁界が概略的に示されている。
【図3】 電流測定モジュールの概略的な正面図である。
【図4】 始動装置における電流測定モジュールの1つの構成形態が示されている。
【図5】 始動装置における電流測定モジュールの別の構成形態が示されている。

Claims (9)

  1. スタータモータ(30)のスタータ電流を測定する電流測定モジュール(14)を有しており、該電流測定モジュールは磁界センサ(20)を有しており、
    該磁界センサ(20)によって駆動される制御電子回路(48)を有しており、該制御電子回路はスタータ電流(I)が遮断電流(Iに達した時にスタータモータ(30)を遮断する制御信号を発生する、
    内燃機関のための始動装置において、
    電流測定モジュール(14)は軟鉄コア(16)を有しており、該軟鉄コアはスタータ電流(I)が導通する導体(12)を少なくとも部分的に把持しており、
    軟鉄コア(16)は貫通孔(18)を有しており、該貫通孔はスタータ電流の導通する導体(38)よりも大きく、軟鉄コア(16)と導体(38)との間に同軸のリング状空隙が残り、該リング状空隙内に磁界センサ(20)が配置されており、
    電流が導通する導体(12)はスタータ装置(28)のスタータリレー(32)のコンタクトボルト(38)により形成されている、
    ことを特徴とする内燃機関のための始動装置。
  2. スタータモータ(30)のスタータ電流を測定する電流測定モジュール(14)を有しており、該電流測定モジュールは磁界センサ(20)を有しており、
    該磁界センサ(20)によって駆動される制御電子回路(48)を有しており、該制御電子回路はスタータ電流(I)が遮断電流(Iに達した時にスタータモータ(30)を遮断する制御信号を発生する、
    内燃機関のための始動装置において、
    電流測定モジュール(14)は軟鉄コア(16)を有しており、該軟鉄コアはスタータ電流(I)が導通する導体(12)を少なくとも部分的に把持しており、
    軟鉄コア(16)は貫通孔(18)を有しており、該貫通孔はスタータ電流の導通する導体(38)よりも大きく、軟鉄コア(16)と導体(38)との間に同軸のリング状空隙が残り、該リング状空隙内に磁界センサ(20)が配置されており、
    電流が導通する導体(12)はスタータモータ(30)の電気端子(44)により形成されている、
    ことを特徴とする内燃機関のための始動装置。
  3. 電流測定モジュール(14)は固定手段(46)を用いてロックされており、該固定手段は同時にスタータリレー(32)のコンタクトボルト(38)とスタータモータ(30)の電気端子(44)との間の導電接続部を締め付けている、請求項1記載の始動装置。
  4. 電流測定モジュール(14)はスタータモータ(30)のケーシング(50)配置されている、請求項2記載の始動装置。
  5. 流測定モジュール(14)はスタータモータ(30)のケーシング(50)の整流子キャップ(52)に配置されている、請求項4記載の始動装置
  6. 電流測定モジュール(14)はベースプレート(22)の個所ケーシング(50)整流子キャップ(52)上に支承されており、軟鉄コア(16)はベースプレート(22)からスタータモータの回転軸線に沿って延在しかつ電気端子(44)を形成する電流レールを把持しており、該電流レールはスタータモータ(30)から突出している、請求項記載の始動装置。
  7. 軟鉄コア(16)はベースプレート(22)上に配置されており、該ベースプレートにともに制御電子回路(48)が組み込まれている、請求項1からまでのいずれか1項記載の始動装置。
  8. 軟鉄コア(16)を収容するベースプレート(22)が保持領域(24)を構成しており、ベースプレート(22)、保持領域(24)および軟鉄コア(16)のカバー(26)はプラスティック射出成形部材から成る、請求項1からまでのいずれか1項記載の始動装置。
  9. スタータ電流(I)が無負荷電流(I )に達した時にスタータモー タを遮断する制御信号を形成する、請求項1からまでのいずれか1項記載の始動装置。
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