JP4196983B2 - 冷却装置、プロジェクタ及び冷却方法 - Google Patents
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Description
例えば、供給される信号に対する応答性が高く調光に優れた固体発光光源を備えるプロジェクタが提案されている。このような固体発光光源(発熱体)は、電流の供給量に比例して発光量が増加するが、同じように発熱量も増加するため、大きな電流を供給した場合には、自らの熱によって破損したり、短命化してしまう。このため、上述の冷却装置によって固体発光光源を冷却することによって、固体発光光源の破損を抑止しかつ長寿命化を図ることが提案されている。
例えば、特許文献1及び2には、発熱源(光源)の近傍に温度計を配置し、この温度計の出力に応じて冷却媒体冷却手段の駆動状態を変化させる技術が開示されている。このような技術によれば、発熱源の発熱量が増加した場合にのみ、冷却媒体冷却手段がより積極的に冷却媒体を冷却するようにできるため、不必要に冷却媒体冷却手段を駆動する必要がなくなる。
このため、特許文献1及び2に開示された技術によれば、一時的に発熱体の温度が上昇する。よって、従来の冷却装置においては、発熱体の一時的な温度上昇を考慮し、一時的に発熱体が温度上昇した場合であっても、その温度が、例えば発熱体の破損温度に届かないように設計する必要があった。したがって、冷却装置によって発熱源を冷却することによって得られる効果が低減してしまう。
このため、所定信号に基づく信号が供給されることによって、発熱体が将来発熱する発熱量を予め制御手段が知り、発熱体の将来の発熱量に応じて冷却媒体冷却手段を駆動することができる。すなわち、発熱体の発熱量が増加する以前に、冷却媒体の温度を発熱体の発熱量が増加した場合に応じた温度にすることが可能となる。
したがって、本発明の冷却装置によれば、発熱体の発熱量に見合った分だけ冷却媒体冷却手段を駆動する場合における一時的な発熱体の温度上昇を防止することが可能となる。
このような構成を採用することによって、各発熱体の発熱量が異なる場合であっても、各発熱体の発熱量に応じて各発熱体を冷却することが可能となる。
本発明においては、発熱体に供給される所定信号に基づく信号が信号処理手段によって相対的に遅らせられるため、冷却装置を適用しない場合と比較して発熱体に所定信号に基づく信号が供給されるタイミングが遅くなる。このため、上述のような構成を採用することによって、例えば、緊急時等の所定状況において、リアルタイムに発熱体に所定信号に基づく信号を供給することが可能となる。
また、具体的には、上記冷却媒体冷却手段が冷却ファンであるという構成を採用することができる。
このような構成を採用することによって、調光処理を行うプロジェクタであっても、新たに調光処理用の信号を生成する必要がなくなる。
このため、所定信号に基づく信号が供給されることによって、発熱体が将来発熱する発熱量を予め制御手段が知り、発熱体の将来の発熱量に応じて冷却媒体冷却手段を駆動することができる。すなわち、発熱体の発熱量が増加する以前に、冷却媒体の温度を発熱体の発熱量が増加した場合に応じた温度にすることが可能となる。
したがって、本発明の冷却方法によれば、発熱体の発熱量に見合った分だけ冷却媒体冷却手段を駆動する場合における一時的な発熱体の温度上昇を防止することが可能となる。
本実施形態の冷却装置Sは、冷却媒体Xを介して発熱体Hを冷却するためのものであり、図1に示すように、チューブ1、タンク2、ポンプ3、受熱部4、放熱部5、冷却媒体冷却部6、モータ制御部7(制御手段)、温度センサ8及び信号処理部10(信号処理手段)を備えて構成されている。なお、本実施形態の冷却媒体Xとしては、液体が用いられている。
タンク2は、冷却媒体Xを一時的に貯留するものであり、その内部に所定の容積の空間を有している。ポンプ3は、チューブ1内の冷却媒体Xに対して流れを付与するものである。
受熱部4は、発熱体Hに対して接触配置されるものであり、金属等の熱伝達率の高い材料によって形成されている。そして、この受熱部4において発熱体Hの熱量が冷却媒体Xに吸熱されることで、発熱体Hが冷却される。
放熱部5は、発熱体Hの熱量を吸熱することによって高温化された冷却媒体Xを放熱させるためのものであり、本実施形態においては、ラジエタとして構成されている。
ファン駆動モータ61は、ファン62を駆動するためのモータであり、このファン駆動モータ61によってファン62が回転駆動されることによって、風が生じ、放熱部5を介して冷却媒体Xの熱量が放熱されることで、冷却媒体Xが冷却される。
モータ制御部7は、発熱体Hに供給される信号である所定信号に基づく信号D1に基づいて冷却媒体冷却部6を制御するものであり、具体的には、ファン駆動モータ61を制御することによって、ファン62の回転数を制御する。
信号処理部10は、所定信号Dに基づく信号を発熱体Hに相対的に遅く供給し、所定信号Dに基づく信号をモータ制御部7に相対的に早く供給するものである。
具体的には、信号処理部10は、図2に示すように、データ遅延部20と温度管理部30とを備えて構成されている。
そして、データ遅延部20は、外部から供給される所定信号Dに基づく信号(本実施形態においては所定信号Dそのもの)を所定時間遅延させて発熱体Hに供給するとともに、外部から供給される所定信号Dをリアルタイムで温度管理部30に供給する。また、温度管理部30は、データ遅延部20から供給される所定信号Dと上述の温度センサ8から供給される測定信号に基づいて、将来発熱体Hが発熱する発熱量(所定信号Dが供給されることによる発熱体Hの発熱量)を算出し、この算出結果を、所定信号Dに基づく信号D1としてモータ制御部7に供給する。
この結果、発熱体Hには遅延して所定信号Dが供給され、モータ制御部7にはリアルタイムで所定信号Dに基づく信号D1が供給される。すなわち、信号処理部10によって、所定信号Dに基づく信号(本実施形態においては所定信号Dそのもの)が発熱体Hに相対的に遅く供給され、所定信号Dに基づく信号D1がモータ制御部7に相対的に早く供給される。
そして、冷却媒体Xは、チューブ1内を循環する過程で、受熱部4において発熱体Hから熱量を吸熱し、放熱部5において発熱体Hから吸熱した熱量を放熱することによって冷却された後、再び循環して、受熱部4において発熱体Hから熱量を吸熱する。
具体的には、信号処理部10に入力した所定信号Dは、信号処理部10のデータ遅延部20によって、所定時間遅延されて発熱体Hに供給されるとともに、リアルタイムで信号処理部10の温度管理部30に供給される。また、温度管理部30には、発熱体Hの現在の温度状況が温度センサ8を介して入力される。そして、リアルタイムで温度管理部30に供給された所定信号D及び発熱体Hの測定温度から将来発熱体Hが発熱する発熱量(所定信号Dが供給されることによる発熱体Hの発熱量)が算出され、この算出結果が所定信号Dに基づく信号D1としてモータ制御部7に供給される。
このため、所定信号に基づく信号が供給されることによって、発熱体Hが将来発熱する発熱量を予めモータ制御部7が知り、発熱体Hの将来の発熱量に応じて冷却媒体冷却部6を駆動することができる。すなわち、発熱体Hの発熱量が増加する以前に、冷却媒体Xの温度を発熱体Hの発熱量が増加した場合に応じた温度にすることが可能となる。
したがって、本実施形態の冷却装置S及び冷却方法によれば、発熱体Hの発熱量に見合った分だけ冷却媒体冷却部6を駆動する場合における一時的な発熱体Hの温度上昇を防止することが可能となり、より効率的に発熱体Hを冷却することが可能となる。
また、青色光源514からの光束は、重畳レンズ535Bを透過して反射ミラー516で反射され、青色光用液晶ライトバルブ524に入射する。なお、各光源からの光束は重畳レンズを介することにより液晶ライトバルブの表示領域において重畳され、液晶ライトバルブが均一に照明されるようになっている。
このように、一時的な発熱体の温度上昇を防止することが可能な上記実施形態の冷却装置Sを、光源512,513,514を冷却するための冷却装置として備えることによって、例えば、光源512,513,514をより大電流で駆動することができ、より表示特性を向上させることが可能となる。
このような構成を採用することによって、各光源512,513,514の発熱量が異なる場合であっても、各光源512,513,514の発熱量に応じて各光源512,513,514を冷却することが可能となる。
また、遅延回路23は、外部から供給される同期信号D3を遅延させて出力するものである。なお、遅延回路23において、同期信号D3が遅延される時間は、後述の光源制御信号D4と冷却制御信号D5との出力時間差に相当する。
解析部24は、ヒストグラム解析等により映像信号から、光源制御のための光源制御信号D4及び冷却媒体冷却部6を制御するための冷却制御信号D5(上記実施形態における信号D1)を生成して出力する。ここで、解析部24は、光源制御信号D4を相対的に遅く出力し、冷却制御信号D5を相対的に早く出力する。そして、光源制御信号D4が光源512,513,514に入力され、冷却制御信号D5が温度管理部30を介して冷却媒体冷却部6に入力される。
光源のduty比や光源の電圧レベル等の制御レベルとして出力される場合には、光源制御信号D4をそのまま冷却制御信号D5として用いることができ、また、光源制御信号D4を用いて調光処理を行うことができる。一方、解析部24において光源制御信号D4を生成するために求められたパラメータが、画像のAPLやピーク、ヒストグラム解析から求められた階調値(輝度値)などの画像の信号レベルとして出力される場合には、光源制御信号D4を用いて調光処理、および調光処理に伴う伸張処理等の画像処理を行うことができる。
このような構成を採用する場合には、緊急放送画像等を遅延されることなくリアルタイムで表示することが可能となる。なお、この場合であっても、光源512,513,514が破壊温度にまで温度上昇しないように制御することが好ましい。具体的には、光源512,513,514の温度が破壊温度以上となりそうな場合には、光源512,513,514の光量を低下させ、暗い画像を表示させれば良い。
また、上記実施形態においては、投写レンズを用いて画像光を投写スクリーン上に投写することによって画像を表示したが、投写レンズの代わりに投写ミラーを用いることも可能である。
Claims (8)
- 所定信号に基づく信号が供給されることによって発熱する発熱体を冷却媒体を介して冷却する冷却装置であって、
前記冷却媒体を冷却する冷却媒体冷却手段と、
前記冷却媒体冷却手段を前記所定信号に基づく信号に基づいて制御する制御手段と、
前記所定信号に基づく信号を前記発熱体に相対的に遅く供給し、前記所定信号に基づく信号を前記制御手段に相対的に早く供給する信号処理手段と
を備えることを特徴とする冷却装置。 - 前記発熱体が複数存在する場合に、少なくとも前記冷却媒体、前記冷却媒体冷却手段及び前記制御手段を前記発熱体ごとに備えることを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
- 前記所定信号に基づく信号と異なる特定信号を検出する特定信号検出手段を備え、前記信号処理手段は、前記特定信号検出手段によって前記特定信号が検出された場合には、前記所定信号をリアルタイムで出力することを特徴とする請求項1または2記載の冷却装置。
- 前記冷却媒体が液体であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の冷却装置。
- 前記冷却媒体冷却手段が冷却ファンであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の冷却装置。
- 前記発熱体として光源を備え、該光源を冷却する冷却装置を備えるプロジェクタであって、
前記冷却装置として、請求項1〜5いずれかに記載の冷却装置を用いることを特徴とするプロジェクタ。 - 前記制御手段に供給される前記所定信号に基づく信号を用いて調光処理を行うことを特徴とする請求項6記載のプロジェクタ。
- 所定信号に基づく信号が供給されることによって発熱する発熱体を冷却媒体を介して冷却する冷却方法であって、
前記発熱体に前記所定信号に基づく信号を相対的に遅く供給し、前記冷却媒体を冷却する冷却媒体冷却手段を前記所定信号に基づく信号に基づいて制御する制御手段に前記所定信号に基づく信号を相対的に早く供給することを特徴とする冷却方法。
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