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JP4181913B2 - 歯科用治療装置 - Google Patents

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JP4181913B2 JP2003115475A JP2003115475A JP4181913B2 JP 4181913 B2 JP4181913 B2 JP 4181913B2 JP 2003115475 A JP2003115475 A JP 2003115475A JP 2003115475 A JP2003115475 A JP 2003115475A JP 4181913 B2 JP4181913 B2 JP 4181913B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科用治療装置、特に歯牙の根管内洗浄、根管拡大更には根管内殺菌等に使用される治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
根管治療の治療作業は、主に次のようなステップによってなされる。先ず、治療対象の歯牙の根管長を既存の根管長測定器(電気的根管長測定器等)により測定し、その測定値に応じて根管拡大をして細菌を含む汚染物質を取り除く。次いで、根管内を洗浄液で洗浄する。そして、根管内の洗浄液、切削粉或いは血液等を取り除いた後、充填材を根管内に充填して再度の細菌感染がないよう処置が講じられる。
【0003】
上記の根管治療における根管内を洗浄するための装置としては、特許文献1、特許文献2或いは特許文献3に開示されたような装置が挙げられる。特許文献1の洗浄装置は、歯牙の開口部に設置されたアダプタを介して歯の空洞部内に洗浄液をポンプにて供給し、空洞部内の洗浄液を別の吸引ポンプで吸引して排出するものである。この洗浄液の供給の際に洗浄液に振動を与えて、できるだけ洗浄液が根尖部に届くようになされる。
【0004】
また、特許文献2の歯科用空隙洗浄装置は、歯牙の根管内に、交番圧力発生器によりキャビテーションを生起させながらすすぎ液(洗浄液)を供給し、同時に交番圧力発生器の作用により洗浄液を吸引排出して、根管内を洗浄せんとするものである。更に、特許文献3の歯科用バキュームハンドピースは、洗浄水の給水パイプと、吸引管とを備え、圧縮空気で作動するエジェクタポンプにより吸引管から根管内の洗浄液を吸引して口腔内に放出させるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−191619号公報
【特許文献2】
特表平10−501437号公報
【特許文献3】
特開2002−620号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような歯牙の根管内疾患においては、根尖周辺の細菌の除去が重要であるが、上記特許文献に開示された各装置は、単に根管内を洗浄するに留まるものであり、根尖孔周辺の細菌を積極的に除去すると言う考えはない。仮に、これら装置において、洗浄液に代えて次亜塩素酸ナトリウムのような薬液を用いたとしても、根管自体が非常に細いため、これら装置の構造上、薬液が根尖孔にまで至らず、根尖孔周辺の洗浄・殺菌は期待できない。強制的に薬液を押し流すようにすると、薬液が根尖孔から縊出する可能性があり、このような縊出が起こると、生体に対する様々な為害作用が発生することにもなる。また、上記したように、根管自体が非常に細いために、根尖孔への薬液の流れが円滑になされず、結果的に薬液が根管口から溢れ出ることもあり、溢れ出ると口腔内粘膜に為害作用を与えてしまうことになる。
【0007】
上記のような根尖孔からの縊出や根管口からの溢出を防止するには、給液管の注出口若しくは吸引管の吸引口をできるだけ根尖孔に近付けるようにすると効果的であることが予想される。しかし、根管内は目視できないために、根管内でのこれらの位置が把握できず、もし根管の中間位置に位置付けされてしまうと、薬液や洗浄液は、根尖孔にまで流れ至らず、洗浄・殺菌できる範囲は、根管のほぼ半分になってしまう。また、給液管や吸引管が細く、根尖孔が広がっている場合は、根尖孔を突き抜けて位置付けされてしまう可能性もあり、危険である。
【0008】
特許文献3は、吸引管を根管内に挿入し、根管内に注水しながら吸引するもので、注水と吸引とを併用する点で洗浄効果は期待できるが、吸引管の根管内での的確な位置付けができず、また吸引した洗浄液は口腔内で排出するものであるから、薬液の使用には不向きであり、従って、根管洗浄の域を出ず、根管拡大や殺菌への応用は考えられなかった。
【0009】
本発明者等は、洗浄液の給液と吸引を併用し、特に吸引管を根尖孔付近に臨ませるようにすれば、根尖孔からの縊出を抑えるのに有効であるとの知見を基に、その実用化について鋭意研究し、平成14年10月21日発行の「日本歯科保存学雑誌」[2002年 秋季学会(第117回)プログラムおよび講演抄録集](第38頁、演題A−15)において、根管長測定装置を用いて吸引針(吸引管)或いは洗浄針(給液管)の根管内への挿入深さを設定しながら、根管内吸引を行った場合の根管洗浄の評価結果について掲載すると共に、同年11月21日、22日に開催された日本歯科保存学会でその内容を発表した。
【0010】
本願発明は、上記実情に鑑みなされたもので、上記刊行物及び学会で発表した発明を含み、更に実用化に向け研究を加え、薬液洗浄の適正化を高めることにより、根管洗浄及び殺菌治療に限らず、盲のう洗浄等も含み広く歯科治療に適用し得る新規な歯科用治療装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る歯科用治療装置は、歯牙の根管内に挿入されて処置液の注入及び吸引を行う給液ノズル部及び吸引ノズル部を備えた歯科治療具と、電気的根管長測定器とを含み、上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の先端部は、これらが上記根管内に挿入されたときには、一方が根管口から根管内へ入った位置に設定され、他方が当該一方より上記根管内の奥部に位置するような位置関係に設定され、上記給液ノズル部には、給液手段により処置液ボトル内の処置液を該給液ノズル部に給送するための給液管路が接続され、一方、上記吸引ノズル部には、負圧発生手段により根管内の処置液を吸引し装置外へ排出させるための吸引管路が接続されており、上記奥部に挿入される側のノズル部の少なくとも一部が導電性部材からなり、当該ノズル部は、上記電気的根管長測定器に対して測定電極として電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明に係る歯科用治療装置は、既存の電気的根管長測定器と組合わせ構成することを可能としたものであり、歯牙の根管内に挿入されて処置液の注入及び吸引を行う給液ノズル部及び吸引ノズル部を備えた歯科治療具と、電気的根管長測定器に電気的に接続する為の端子とを含み、上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の先端部は、これらが上記根管内に挿入されたときには、一方が根管口から根管内へ入った位置に設定され、他方が当該一方より上記根管内の奥部に位置するような位置関係に設定され、上記給液ノズル部には、給液手段により処置液ボトル内の処置液を該給液ノズル部に給送するための給液管路が接続され、一方、上記吸引ノズル部には、負圧発生手段により根管内の処置液を吸引し装置外へ排出させるための吸引管路が接続されており、上記奥部に挿入される側のノズル部の少なくとも一部が導電性部材からなり、当該ノズル部は、上記電気的根管長測定器に接続する為の端子に対して測定電極として電気的に接続されることを特徴とするものである。
そして、請求項1及び2の発明において、測定電極が接続されたノズル部を被治療腔所内に挿入する際、その挿入位置が上記電気的根管長測定器により検出されるようになされる(請求項6)。
【0012】
このように、給液ノズル部及び吸引ノズル部の内、一方が根管口から根管内へ入った位置に設定され、他方が当該一方より上記根管内の奥部に位置するような位置関係に設定されていると、処置液は少なくとも根管内の奥部にまで至るから、被治療部の洗浄が効率的になされ、処置液が薬液の場合は被治療部の殺菌や根管拡大等が同時になされる。また、異なる位置にノズル部尖端が配置され、処置液を流すことによって、結果的に処置液を根管内で環流させることになり、到達しにくい狭い根管内に処置液を十分に浸透させることができる。
【0013】
更に、給液ノズル部及び吸引ノズル部には専用の管路が接続され、給液手段や負圧発生手段により処置液の供給・吸引がなされ、しかも吸引処置液が装置外に排出されるようになされているから、処置液として薬液を使用しても口腔内に撒き散らす場合のような為害作用が生じる懸念がない。尚、ここでの給液手段とは、給液ポンプや給液用モータ等、液体を給送するための手段を含む概念であり、また、負圧発生手段とは、本発明装置に専用の吸引ポンプの他、歯科の診療室に設置される他のバキュームシリンジやエジェクターの吸引管路に接続して構成することも意味する。
【0015】
請求項及びの発明においては、根管内の奥部に挿入される側のノズル部が、上記電気的根管長測定器に対して測定電極として電気的に接続されるから、根管長を測定する場合と同要領で当該ノズル部の挿入深さを監視しながら、その適正な挿入深さを設定することができ、必要とされる根管内の洗浄や汚染物質の除去を的確に実施することができる。
【0016】
また、根管以外の部分への処置液の縊出が生じないような設定が簡易になされ、生体への為害作用が未然に防止され、更にノズル部の過度の挿入による危険性もなくなる。そして、ノズル部が電気的根管長測定器の測定電極を代用することになるから、根管治療においてはその一連の治療作業が円滑になされると共に、請求項の発明においては既存の電気的根管長測定器がそのまま使用できるからその実用価値は極めて大である。
【0017】
請求項1及び2の発明における給液管路及び吸引管路は、途中1本のチューブに収められていること(請求項)が望ましく、これにより両管路がばらけるようなことがなく、取扱性が向上する。
【0018】
上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の上記根管内への挿入状態においては、吸引ノズル部の先端部が、給液ノズル部の先端部より、上記根管内の奥部に位置するような位置関係に設定されていることが望ましい(請求項)。このように設定すれば、給液ノズル部から供給された処置液は、根管内の奥部に位置する吸引ノズル部の先端部にまで流れ至り、この先端部から吸引されて吸引ノズル部から吸引管路を経て装置外に排出される。
【0019】
従って、この処置液の根管内での流動作用により、被治療部位が的確に洗浄或いは殺菌され、しかも、逐次吸引ノズル部から吸引排出されるから、被治療部位以外の部分への処置液の縊出が生じる懸念もない。そして、吸引ノズル部の先端部が、根管の根尖近傍に臨むよう設定されている(請求項)場合、特に汚染物質の除去が望まれる根尖孔付近の洗浄、殺菌が、根尖孔からの処置液の縊出を生じさせることなく的確になされる。
【0020】
請求項の発明に係る歯科用治療装置は、上記歯科用治療装置においてノズル部を根管に挿入する際、その挿入位置が電気的根管長測定器により検出されることを特徴とする。この構成により、ノズル部の挿入深さを監視しながら挿入できるので根管内の洗浄や汚染物質の除去が的確に実施する事ができる。
になされる。
【0021】
請求項の発明に係る歯科用治療装置は、上記歯科治療具に、上記給液管路及び/若しくは吸引管路に振動を付与するための振動付与手段が備えられていることを特徴とする。この振動付与手段としては、空気振動や超音波振動によるものが採用可能であり、このような振動付与手段の採用により、吸引ノズル部や給液ノズル部が振動し処置液によっては根管拡大の効果が出る。また供給される処置液或いは吸引される処置液が脈動し、洗浄や殺菌作用がより助長されることになり、望ましく採用される。
【0022】
上記給液ノズル部及び/若しくは吸引ノズル部は、歯科治療具の本体に対して着脱自在とされている(請求項)ことが望ましく、このように構成することにより、給液ノズル部及び/若しくは吸引ノズル部を取り外して消毒したり滅菌したりすることができ、或いは患者に応じた取り替え、更には疾患部位に応じた適性ノズル部との交換等が簡易になされる。
【0023】
更に、上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の内、少なくとも上記奥部に挿入される側のノズル部が、屈曲可能な金属からなるもの(請求項)とすることが望ましく、このようにすれば、湾曲根管の場合でも、それに沿うよう挿入することができる。また、少なくとも上記奥部に挿入される側のノズル部が、漸次先細状とされている(請求項10)ことが望ましく、これにより根管のように根尖部に向かって狭くなるような場合でも、スムースに根尖部付近にまでノズル部を挿入することができる。
【0024】
また、上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の先端部の互いの位置関係が調整可能、即ち両ノズル部が一体ではなく、互いの先端部間の距離を調整可能とする(請求項11)ようにすれば、被治療腔所の深さ等に応じて、洗浄・殺菌が効率的になされ且つ上記処置液の縊出を生じさせない適正な相互の位置関係を任意に設定することができ、治療精度の向上が図られる。
になされる。
【0025】
そして、上記給液手段及び負圧発生手段の駆動手段を兼用する(請求項12)ことも可能である。このようにすれば、装置のコンパクト化及び低コススト化が図られ、実用価値が大となる。更に、上記給液手段と負圧発生手段とを間欠的に作動するようにする(請求項13)ことも望ましく採用され、このようにすることにより、更にはこの間欠作動タイミングを互いに少許遅延させるようにすれば、処置液の消費量の低減が図られ、また、被治療部位に処置液を小時間滞留させることができ、洗浄・殺菌(根管の場合、根管拡大)が促進され、治療効果が高められる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である歯科用治療装置(根管治療装置)Aの概略的配管構成図を示す。図において、Tは歯牙であり、T0は歯肉、T1は根管、T2は根尖孔を夫々示す。1はハンドピースタイプの根管治療具(歯科治療具)であり、そのヘッド部11からは給液ノズル部2と、吸引ノズル部3とが導出され、給液ノズル部2の先端部21は、歯牙Tの根管口T3から少し(5mm程度)根管T1内に入った位置に、吸引ノズル部3の先端部31は、根尖孔T2の近傍位置(根尖孔T2の上方1〜5mmの位置)に臨むよう、夫々設定されている。22、32は給液管路及び吸引管路であり、これら給液管路22及び吸引管路32は、その先側が給液ノズル部2及び吸引ノズル部3に接続されると共に、その基端部は、途中の給液ポンプ(給液手段)23及び吸引ポンプ(負圧発生手段)33を経て、それぞれ薬液(処置液)ボトル24及び排液ボトル34に連接されている。吸引ノズル部3は、例えば、Ni−Ti等の超弾性を有する屈曲可能な金属で製せられ、且つ漸次先細形状に形成されている。
【0027】
4は、電気的根管長測定器であり、その測定電極用端子41が吸引管路32に電気的に接続され、口腔電極42は上記歯肉T0又は口唇等の軟組織に取付けられる。測定電極用端子41が接続される吸引管路32の部位は導電性部材からなり、同じく導電性部材からなる吸引ノズル部3とこの接続部位とは電気的に導通状態とされ、実質上吸引ノズル部3が測定電極とされる。該根管長測定器4は、根管T1内に挿入される測定電極としての吸引ノズル部3と、歯肉T0又は口唇等の軟組織に取付けられる口腔電極42との間の抵抗値、或いはインピーダンス値に対応する電圧値又は電流値を検出することにより、吸引ノズル部3の挿入深さを監視せんとするものである。ここで、吸引ノズル部3は、測定電極とされるものであるから、本来の根管長測定用の電極としても代用されるものである。
【0028】
次に、図1のような構成の根管治療装置Aを用いて、根管治療をする要領について述べる。処置液ボトル24には、次亜塩素酸ナトリウム、生理食塩水、過酸化水素水、蒸留水、他の薬液等、治療目的に応じた処置液が予め充填されている。術者は、根管長測定器4のメーター値の変化から、根管長の測定を行う。次いで、リーマやファイル等の専用切削具(不図示)を用いて根管拡大を行い、根管内汚染物質を除去すると共に、根管充填がし易い形状に根管を整える。
【0029】
その後、給液ノズル部2の先端部21と吸引ノズル部3の先端部31との位置関係を適宜調整した上で、給液ノズル部2及び吸引ノズル部3を根管T1内に挿入し、根管長測定器4の測定電極用端子41を吸引管路32に接続し、また歯肉T0又は口唇等の軟組織に口腔電極42を取付け、根管長測定器4のスイッチをオンする。根管長測定器4のメーター値を監視しながら、吸引ノズル部3の挿入深さを設定する。これら両ノズル部2、3の挿入深さは、上述のように、給液ノズル部2はその先端部21が根管口T3から5mm程度根管T1内に入った位置が、また、吸引ノズル部3はその先端部31が根尖孔T2の上方1〜5mmとなる位置が適正とされる。
【0030】
斯くして、給液ポンプ23及び吸引ポンプ33のスイッチをオンとすると、処置液ボトル24内の処置液は吸い上げられ、給液管路22内を矢印のように給送され、給液ノズル部2の先端部21から根管T1内に注入される。注入された処置液は根尖孔T2付近まで流れ至り、この間根管T1内を洗浄する。根尖孔T2付近まで流れ至った処置液は、吸引ノズル部3の先端部31から逐次吸引され、矢印のように吸引管路32を経て排液ボトル34に排出される。処置液として次亜塩素酸ナトリウムのような薬効性の強い薬液を用いれば、上記根管T1内の流下の際、洗浄だけではなく、殺菌、更には根管拡大もなされる。従って、上記専用工具を用いた根管拡大を省略して、根管長測定の後、根管拡大と根管T1内洗浄とを並行して実施することができる。
【0031】
上記のように、給液ノズル部2の先端部21から根管T1内に注入された処置液は、吸引ノズル部3の先端部31から逐次吸引され、排液ボトル34に排出されるから、根尖孔T2から縊出したり、根管口T3から溢れ出たり、更には口腔内に撒き散らされることがなく、次亜塩素酸ナトリウムのような薬効性の強い薬液を用いても、口腔内の歯周組織等に対して為害作用が生じることがない。このような、根管洗浄の際には、切削粉或いは血液等も取り除かれ、洗浄の後は、充填材を根管T1内に充填して再度の細菌感染を発生させないような処置が講じられることは上記と同様である。
【0032】
図2及び図3は、上記構成の根管治療装置Aを具体化した2つの形態を示す部分切欠斜視図である。即ち、図2に示す根管治療装置Aは、根管長測定器4をも装置内に組み込みユニット化した例を、図3に示す根管治療装置Aは、根管長測定器4以外の構成要素をユニット化し、既存の根管長測定器4を外付けで接続して根管治療装置Aを構成する例を、夫々示すものである。後者の場合は、市販の又は既存の根管長測定器4を使用できるメリットがある。
【0033】
図2において、5は装置筐体であり、この装置筐体5内に、処置液ボトル24及び排液ボトル34、給液ポンプ23及び吸引ポンプ33、給液管路22及び吸引管路32の一部、根管長測定器4、コントロールボックス(後記する)6等が一括装備されている。装置筐体5から導出された給液管路22及び吸引管路32は、1本のチューブ(可撓性ホースも含む)13に束ねられて、ハンドピースタイプの根管治療具1の基部に接続され、そのヘッド部から導出された給液ノズル部2及び吸引ノズル部3にそれぞれ連接されている。
【0034】
根管長測定器4の表示部及び操作部は装置筐体5の側面に露出し、そのスイッチ操作やメーター値の監視が外から可能とされている。また、処置液ボトル24及び排液ボトル34が設置された側の装置筐体5の側面には、透明な開閉扉51が取付けられており、処置液ボトル24及び排液ボトル34の取出し・装入が可能とされると共に、処置液ボトル24及び排液ボトル34の残液状態或いは排液の溜まり状態を外部から監視できるようになされている。7はフートコントローラであり、上記コントロールボックス6に接続され、このフートコントローラ7の足踏み操作により、コントロールボックス6を介し、給液ポンプ23及び吸引ポンプ33、根管長測定器4のオン・オフ制御等がなされる。
【0035】
図3は、上記したように根管長測定器4を外付けとしたものであり、装置筐体5の側部には、根管長測定器4の測定電極用端子(ジャック)41と電気的に連結される受端子(コネクタ)35が取付けられ、この受端子35は装置筐体5内で、吸引管路32に電気的に接続されている。従って、測定電極用端子41を受端子35に連結すれば、吸引ノズル部3が、上記同様根管長測定器4の測定電極の代用として機能し、これにより根管長測定及び吸引ノズル部3の挿入深さの監視が可能とされる。その他の構成は図2と同様であるので、共通部分には同一の符号を付し、その説明を割愛する。
【0036】
尚、根管長測定器4は外付けであるから、コントロールボックス6でそのオン・オフ制御はなされず、フートコントローラ7での足踏み操作では、給液ポンプ23及び吸引ポンプ33のオン・オフ操作のみがなされる。また、図2及び図3に示すいずれの例においても、給液ポンプ23及び吸引ポンプ33のオン・オフ操作は、フートコントローラ7の代わりに、根管治療具1に設けた不図示のスイッチで行っても良い。
【0037】
また、図1〜3に示す例では、給液手段及び負圧発生手段として、給液管路22及び吸引管路32の途中に夫々配設された給液ポンプ23及び吸引ポンプ33を例示したが、これら管路途中のポンプに代え、前者の場合、処置液ボトル24の空間部分に圧空ポンプにより圧空を導入し、水頭圧を利用して処置液を給液管路22内を経て圧送するようになすことも可能であり、一方後者の場合は、排液ボトル34の二次側に吸引ポンプを含む吸引管路を新たに設け、排液ボトル34をトラップ式の捕集ボトルとすることも可能である。
【0038】
図4(a)(b)は、装置筐体5内に吸引ポンプを設置せず、歯科診療室内に設置される他の歯科診療ユニットのバキュームシリンジ又はエジェクターの吸引管路に接続して負圧発生手段を構成する例を示す要部の概略図である。即ち、図4(a)では、装置筐体5の側部に排液ボトル34に通じる吸引用接続口36を取付け、この接続口36に歯科診療に使用されるバキュームシリンジ8の吸引口が接続可能とされている。このバキュームシリンジ8は、歯科診療室内の適所に設置された歯科診療ユニット(不図示)に接続され、バキュームシリンジ8の手元スイッチ或いはフートコントローラ(いずれも不図示)の操作により、このバキュームシリンジ8を通じ、本発明装置の吸引のオン・オフがなされるものである。
【0039】
図4(b)に示す例は、歯科診療室に設置された歯科診療システム中のバキューム設備を構成する既存の吸引ポンプ又は吸引モータ9を使用せんとするものである。装置筐体5からは排液ボトル34に通じる接続用吸引管路37が導出されており、この接続用吸引管路37を吸引ポンプ又は吸引モータ9用の接続コネクタ91に接続することにより、負圧発生手段が構成される。これらの例は、専用の吸引ポンプを不要とするもので、装置のコンパクト化及び低コスト化が図られ、望ましく採用される。尚、図では省略するが、装置筐体5には図2或いは図3に示す吸引ポンプ33以外の他の構成要素が同様に装備されること、また、吸引管路32には、根管治療具1が接続されていること、等は言うまでもない。
【0040】
図5(a)(b)(c)は、上記根管治療装置Aにおける処置液の供給(給液)と吸引を間欠的に行う場合のタイムチャートの例を示すものである。本来、給液及び吸引は同時に連続的に行うことが望ましいが、処置目的によっては、本実施形態のように間欠的に行うことも採用可能である。ここで、横軸は経過時間tを表す。図5(a)は、吸引をオンさせた後、若干の時間を遅延させて、給液をオンとし、吸引をオフさせた後、若干の時間を遅延させて、給液をオフとするサイクルを間欠的に繰り返すものである。従って、吸引をオフさせた後、給液が若干遅延t1してオフとされるから、この遅延t1に相当する分の少量の処置液が、次の吸引がオンされるまで根管の根尖孔部に滞留することになり、処置液の消費量の低減がなされる。
【0041】
図5(b)は、給液をオンさせた後、若干の時間を遅延させて、吸引をオンとし、給液をオフさせた後、若干の時間を遅延させて、吸引をオフとするサイクルを間欠的に繰り返すものである。この場合、吸引をオフとした後は、処置液は根尖孔部に滞留しないが、次の給液がオンされるまでのt2の間は薄っすらと付着した状態が維持され、この間に上記のような処置液の消費量を抑えた処置を行うことができる。
【0042】
図5(c)は、給液のオン・オフと吸引のオン・オフをずらせたものであり、給液のオフの後、吸引がオンされるまでのt3の間は、上記よりは多い量の処置液が根尖孔部に滞留する。これにより殺菌作用が促進される。尚、給液と吸引を間欠的に行うパターンは図例のものに限らず、治療部位の状態に応じて適正なパターンが適宜採択される。また、これらの例においては、給液量<吸引量とするよう設定されるべきであり、給液量>吸引量とすると、根管口から処置液が溢れ出し、為害作用を惹起する原因ともなる。更に、これに限らず、上述のように処置液の給液と吸引とを連続して行う連続環流であっても良いことは言うまでもない。
【0043】
図6(a)(b)は、給液ポンプ23の例を示すものであり、図6(a)における給液ポンプ23は,外周に規則的な波状の凹凸が形成されたローラ23aと、チューブ押さえ23bとからなる所謂ローラポンプで構成され、ローラ23aは駆動手段(モータ等)23cにより矢印方向に回転される。給液管路22は軟弾性のチューブからなり、ローラ23aと、チューブ押さえ23bとの間に弾圧的に挟装され、ローラ23aの矢印方向への回転により、給液管路22内の処置液は同矢印方向へ圧迫移動されることにより、一定量の処置液が密閉状態で給送されるのである。図6(b)は、給液管路22の損耗を抑える為に、ローラ23aの周体の凸部に自転する小ローラ23dを取付けたものであり、望ましく採用される。
【0044】
図7(a)(b)は、給液ポンプ23と吸引ポンプ33との駆動手段を兼用する例を示し、図6に示すローラポンプを応用したものである。即ち、給液ポンプ23を構成するローラ23aと吸引ポンプ33を構成するローラ33aとを同一ローラで形成し、そのスラスト方向にずれた位置に、給液ポンプ23を構成するチューブ押さえ23bと吸引ポンプ33を構成するチューブ押さえ33bとを正面視して対向関係に配置している。ローラ23a及びローラ33aは、1個の共通の駆動手段23cにより、矢印方向に回転されるようになされている。
【0045】
そして、ローラ23aとチューブ押さえ23bとの間及びローラ33aとチューブ押さえ33bとの間に、図のように軟弾性のチューブからなる給液管路22及び吸引管路32を弾圧的に挟装し、ローラ23a及びローラ33aを矢印方向に回転させると、処置液ボトルからの処置液は給液管路22内を矢印方向に、根管から吸引された処置液は吸引管路32内を矢印方向に、同時に給送される。従って、1個の駆動手段23cにより、給液、吸引が同時になされ、装置のコンパクト化及び低コスト化に大きく寄与する。尚、この例においても、図6(b)で示す小ローラ23dを取付けたものが望ましく採用される。
【0046】
図8(a)(b)は、根管治療具1の実施形態の例を示す縦断面図であり、更に、図9は図8(a)の要部の拡大図を、図10は図8(b)の要部の拡大図を、夫々示す。両実施形態の根管治療具1はいずれもハンドピースタイプのものであり、術者が把持するグリップ部としての本体10内に、処置液ボトル及び排液ボトルに連接される給液管路22及び吸引管路32が導入されている。そして、この給液管路22及び吸引管路32は、ヘッド部11において、給液ノズル部2及び吸引ノズル部3に夫々連結されている。
【0047】
図8(a)及び図9の例と、図8(b)及び図10の例との相違は、前者が給液ノズル部2及び吸引ノズル部3が互いに添装されているのに対し、後者が二重管とされ、給液ノズル部2の中に吸引ノズル部3が挿通されている点にある。これらは、製造のし易すさ等を勘案し、適宜選択的に採択されるものである。
【0048】
図11は、給液ノズル部2及び吸引ノズル部3が、根管治療具1のヘッド部11に対し着脱自在とした例を示すものである。給液ノズル部2及び吸引ノズル部3の基部は小径の取付基部20、30とされ、上記ヘッド部11に対し、保持及び防水用のOリング20a、30aを介してワンタッチで着脱可能なように嵌合されている。従って、給液ノズル部2或いは吸引ノズル部3を取り外して消毒したり滅菌したりすることができ、また患者に応じた取り替え、更には疾患部位に応じた適性ノズルとの交換等が簡易になされる。尚、給液ノズル部2及び吸引ノズル部3を取付基部20、30をして、上記ヘッド部11に取付けたときには、夫々が根管治療具1内の給液管路22及び吸引管路32に連通し合うことは言うまでもない。
【0049】
図12は、吸引ノズル部3の長さ調整が可能とされた例を示すものである。即ち、上記と同様の取付基部30にはスライドガイド管30bが連成され、このスライドガイド管30bに対して吸引ノズル部3がその軸方向に沿ってスライド可能に套嵌されている。従って、この吸引ノズル部3をスライドガイド管30bに対してスライドさせることにより、吸引ノズル部3の先端部31と給液ノズル部2の先端部21との相対位置関係を任意に設定することができ、洗浄の効率や疾患部位の状態に応じてこの相対位置関係を任意に設定することにより、適正な根管治療を実施することができる。尚、この例の給液ノズル部2及び吸引ノズル部3も、取付基部20、30をしてヘッド部11に対して着脱自在とされている。
【0050】
図13は、給液管路22及び吸引管路32の途中に、振動付与手段12を取付けた例を示すものである。この振動付与手段12としては前述のように、空気振動や超音波振動によるものが採用可能であり、このような振動付与手段12の採用により、吸引ノズル部や給液ノズル部が振動し処置液によっては根管拡大の効果が出る。また供給される処置液或いは吸引される処置液が脈動し、洗浄や殺菌作用がより助長されることになる。その他の構成は図8と同様であるので、ここでは共通部分に同一の符号を付し、その説明を割愛する。
【0051】
尚、図8〜13に示す給液ノズル部2或いは吸引ノズル部3の形状は、漸次先細状に形成されていることが望ましいことは前記と同様である。また、上記いずれの実施形態でも、吸引ノズル部3を、給液ノズル部2より根管内の奥部に位置するような位置関係に設定された例を示したが、この位置関係が逆であっても、同様の効果が期待できる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1及び2の発明によれば、給液ノズル部及び吸引ノズル部の先端部の内、一方が根管口から根管内へ入った位置に設定され、他方が当該一方より上記根管内の奥部に位置するような位置関係に設定されているから、処置液は少なくとも根管内の奥部にまで至り、被治療部の洗浄が効率的になされ、処置液が薬液の場合は被治療部の殺菌や根管拡大等が同時になされる。また、異なる位置にノズル部尖端が配置され、処置液を流すことによって、結果的に処置液を根管内で環流させることになり、到達しにくい狭い根管内に処置液を十分に浸透させることができる。更に、給液ノズル部及び吸引ノズル部には専用の管路が接続され、給液手段や負圧発生手段により処置液の供給・吸引がなされ、しかも吸引処置液が装置外に排出されるようになされているから、処置液として薬液を使用しても口腔内に撒き散らす場合のような為害作用が生じる懸念がない。そして、請求項の発明のように、給液管路及び吸引管路を、途中1本のチューブに収めるようにすれば、両管路がばらけるようなことがなく、取扱性が向上する。
【0053】
また、請求項及びの発明によれば、根管内の奥部に挿入される側のノズル部が、上記電気的根管長測定器に対して測定電極として電気的に接続されるから、根管長を測定する場合と同要領で当該ノズル部の挿入深さを監視しながら、その適正な挿入深さを設定することができ、必要とされる根管内の洗浄や汚染物質の除去を的確に実施することができる。
【0054】
更に、請求項の発明によれば、給液ノズル部から供給された処置液は、根管内の奥部に位置する吸引ノズル部の先端部にまで流れ至り、この先端部から吸引されて吸引ノズル部から吸引管路を経て装置外に排出される。従って、この処置液の根管内での流動作用により、被治療部位が的確に洗浄或いは殺菌され、しかも、逐次吸引ノズル部から吸引排出されるから、被治療部位以外の部分への処置液の縊出が生じる懸念もない。そして、吸引ノズル部の先端部が、歯牙根管の根尖近傍に臨むよう設定されている(請求項)場合、特に汚染物質の除去が望まれる根尖孔付近の洗浄、殺菌が、根尖孔からの処置液の縊出を生じさせることなく的確になされる。
【0055】
請求項の発明によれば、吸引ノズル部や給液ノズル部が振動し処置液によっては根管拡大の効果が出る。また供給される処置液或いは吸引される処置液が脈動し、洗浄や殺菌作用がより助長される。請求項の発明によれば、給液ノズル部及び/若しくは吸引ノズル部を取り外して消毒したりすることができ、或いは患者に応じた取り替え、更には疾患部位に応じた適性ノズルとの交換等が簡易になされる。更に、請求項の発明によれば、湾曲根管の場合でも、それに沿うよう挿入することができる。また、少なくとも上記奥部に挿入される側のノズル部が、漸次先細状とされている(請求項10)と、これにより根管のように根尖部に向かって狭くなるような場合でも、スムースに根尖部付近にまでノズル部を挿入することができる。
【0056】
また、請求項11の発明によれば、被治療腔所の深さ等に応じて、洗浄・殺菌が効率的になされ且つ上記処置液の縊出を生じさせない適正な相互の位置関係を任意に設定することができ、治療精度の向上が図られる。
【0057】
請求項12の発明のように、上記給液手段及び負圧発生手段の駆動手段を兼用するようにすれば、装置のコンパクト化及び低コススト化が図られ、実用価値が大となる。更に、請求項13の発明のように、上記給液手段と負圧発生手段とを間欠的に作動するようにし、更にはこの間欠作動タイミングを互いに少許遅延させるようにすれば、処置液の使用量の低減化が図られ、また、被治療部位に処置液を小時間滞留させることができ、洗浄・殺菌(根管の場合、根管拡大)が促進され、治療効果が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である歯科用治療装置(根管治療装置)の概略的配管構成図である。
【図2】 同根管治療装置を具体化した一実施形態を示す部分切欠斜視図である。
【図3】 同根管治療装置を具体化した他の実施形態を示す部分切欠斜視図である。
【図4】 (a)(b)は、装置筐体内に吸引ポンプを設置せず、歯科診療室内に設置される他のバキュームシリンジ等の吸引管路に接続して負圧発生手段を構成する例を示す要部の概略図である。
【図5】 (a)(b)(c)は、根管治療装置における処置液の給液と吸引を間欠的に行う場合のタイムチャートの例を示す図である。
【図6】 (a)(b)は、給液ポンプの例を示すものであり、(a)は使用状態の正面図、(b)はその変形例の正面図である。
【図7】 (a)(b)は、給液ポンプと吸引ポンプとの駆動手段を兼用する例を示し、(a)はその使用状態の正面図、(b)は同斜視図である。
【図8】 (a)(b)は、根管治療具の実施形態の例を示す縦断面図である。
【図9】 図8(a)の要部の拡大図である。
【図10】 図8(b)の要部の拡大図である。
【図11】 給液ノズル部及び吸引ノズル部が、根管治療具のヘッド部に対し着脱自在とした例を示す説明図である。
【図12】 吸引ノズル部の長さ調整が可能とされた例を示す根管治療具の要部の縦断面図である。
【図13】 給液管路及び吸引管路の途中に、振動付与手段を取付けた例を示す根管治療具の縦断面図である。
【符号の説明】
A 歯科用治療装置(根管治療装置)
1 歯科治療具(根管治療具)
10 歯科治療具本体
12 振動付与手段
13 チューブ
2 給液ノズル部
21 給液ノズル部の先端部
22 給液管路
23 給液手段(給液ポンプ)
23c 駆動手段
24 処置液ボトル
3 吸引ノズル部
31 吸引ノズル部の先端部
32 吸引管路
33 負圧発生手段(吸引ポンプ)
34 排液ボトル
4 根管長測定器
41 測定電極用端子
T 歯牙
T1 根管(被治療腔所)

Claims (13)

  1. 歯牙の根管内に挿入されて処置液の注入及び吸引を行う給液ノズル部及び吸引ノズル部を備えた歯科治療具と、電気的根管長測定器とを含み、
    上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の先端部は、これらが上記根管内に挿入されたときには、一方が根管口から根管内へ入った位置に設定され、他方が当該一方より上記根管内の奥部に位置するような位置関係に設定され、上記給液ノズル部には、給液手段により処置液ボトル内の処置液を該給液ノズル部に給送するための給液管路が接続され、一方、上記吸引ノズル部には、負圧発生手段により根管内の処置液を吸引し装置外へ排出させるための吸引管路が接続されており、
    上記奥部に挿入される側のノズル部の少なくとも一部が導電性部材からなり、当該ノズル部は、上記電気的根管長測定器に対して測定電極として電気的に接続されていることを特徴とする歯科用治療装置。
  2. 歯牙の根管内に挿入されて処置液の注入及び吸引を行う給液ノズル部及び吸引ノズル部を備えた歯科治療具と、電気的根管長測定器に電気的に接続する為の端子とを含み、
    上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の先端部は、これらが上記根管内に挿入されたときには、一方が根管口から根管内へ入った位置に設定され、他方が当該一方より上記根管内の奥部に位置するような位置関係に設定され、上記給液ノズル部には、給液手段により処置液ボトル内の処置液を該給液ノズル部に給送するための給液管路が接続され、一方、上記吸引ノズル部には、負圧発生手段により根管内の処置液を吸引し装置外へ排出させるための吸引管路が接続されており、
    上記奥部に挿入される側のノズル部の少なくとも一部が導電性部材からなり、当該ノズル部は、上記電気的根管長測定器に接続する為の端子に対して測定電極として電気的に接続されることを特徴とする歯科用治療装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の歯科用治療装置において、
    上記給液管路及び吸引管路が、途中1本のチューブに収められている歯科用治療装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記根管内への挿入状態においては、上記吸引ノズル部の先端部が、給液ノズル部の先端部より、上記根管内の奥部に位置するような位置関係に設定されている歯科用治療装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記吸引ノズル部の先端部が、歯牙根管の根尖近傍に臨むよう設定されている歯科用治療装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記測定電極が接続されたノズル部を根管内に挿入する際、その挿入位置が上記電気的根管長測定器により検出されるようにした歯科用治療装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記歯科治療具に、上記給液管路及び/若しくは吸引管路に振動を付与するための振動付与手段が備えられている歯科用治療装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記給液ノズル部及び/若しくは吸引ノズル部が、歯科治療具の本体に対して着脱自在とされている歯科用治療装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の内、少なくとも上記奥部に挿入される側のノズル部が、屈曲可能な金属からなる歯科用治療装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の内、少なくとも上記奥部に挿入される側のノズル部が、漸次先細状とされている歯科用治療装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記給液ノズル部及び吸引ノズル部の先端部の互いの位置関係が調整可能とされた歯科 用治療装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記給液手段及び負圧発生手段の駆動手段が兼用されるようにした歯科用治療装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の歯科用治療装置において、
    上記給液手段と負圧発生手段とが間欠的に作動するようにした歯科用治療装置。
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