JP4180936B2 - 磁気共鳴撮影装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴撮影装置に関し、とくに、造影剤を使用する磁気共鳴撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴撮影装置では、造影剤を用いた血管撮影(MRA:MagneticResonandce Angiography)が行われる。大動脈系の血管を末梢部分まで撮影する場合等は、全撮影範囲を対象の体軸に沿って複数の領域に分割し、対象を体軸方向に移動させながら複数の領域を順次に撮影することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−315735号公報(第7,8頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
どの撮影領域でも造影剤の濃度を最適にするためには、撮影の進行に合わせて適時に適量の造影剤を注入する必要があるが、これを手動で行うには高度の熟練が要求される。
【0005】
そこで、本発明の課題は、複数の撮影領域への造影剤の適量注入が自動化された磁気共鳴撮影装置を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためのひとつの観点での発明は、対象を体軸方向に移動させ、体軸に沿って設定された複数の撮影領域を磁気共鳴を利用して順次に撮影する撮影手段と、対象に造影剤を注入する注入手段と、前記撮影手段の撮影のプロトコルに基づいて造影剤注入のシーケンスを作成するシーケンス作成手段と、前記シーケンスに基づいて前記注入手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮影装置である。
【0007】
本発明では、シーケンス作成手段により、撮影のプロトコルに基づいて造影剤注入のシーケンスを作成し、制御手段により、シーケンスに基づいて注入手段を制御するようにしたので、複数の撮影領域への造影剤の適量注入が自動化される。
【0008】
前記移動は血流の上流側から下流側にかけての移動であることが、造影剤の流れに沿う点で好ましい。前記移動は体幹部から下肢にかけての移動であることが、大動脈系を撮影する点で好ましい。
【0009】
前記プロトコルは、撮影領域についての撮影時間および対象の移動時間に関する情報を含むことが、シーケンス作成を適切に行う点で好ましい。前記シーケンスは、撮影領域ごとの造影剤注入量および注入速度に関する情報を含むことが、注入制御を適切に行う点で好ましい。前記シーケンスは、撮影領域ごとの造影剤注入のタイミングに関する情報を含むことが、造影剤を適時に注入する点で好ましい。
【0010】
複数の撮影領域に注入される造影剤の総量は一定であることが、撮影領域の数に無関係に注入量が定量となる点で好ましい。前記造影剤の総量は対象の体重に応じて定まることが、注入量を適正化する点で好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に磁気共鳴撮影装置のブロック(block)図を示す。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0012】
同図に示すように、本装置はマグネットシステム(magnet system)100を有する。マグネットシステム100は主磁場コイル(coil)部102、勾配コイル部106およびRFコイル部108を有する。これら各コイル部は概ね円筒状の形状を有し、互いに同軸的に配置されている。マグネットシステム100の概ね円柱状の内部空間(ボア:bore)に、撮影の対象1がクレードル(cradle)500に搭載されて搬入される。
【0013】
対象1には、造影剤注入部110によって造影剤が注入される。造影剤としては例えばガドリニウム(Gd)を主成分とする造影剤が用いられる。造影剤は例えば静脈注射等によって対象1に注入される。
【0014】
クレードル500は、クレードル駆動部120によって駆動される。これによって、対象1をマグネットシステムの内部空間において体軸方向に移動させることできる。体軸方向の移動は、後述のように対象1の撮影領域を変更するときに行われる。
【0015】
主磁場コイル部102はマグネットシステム100の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象1の体軸の方向に平行である。すなわちいわゆる水平磁場を形成する。主磁場コイル部102は例えば超伝導コイルを用いて構成される。なお、超伝導コイルに限らず常伝導コイル等を用いて構成してもよい。
【0016】
勾配コイル部106は、互いに垂直な3軸すなわちスライス(slice)軸、位相軸および周波数軸の方向において、それぞれ静磁場強度に勾配を持たせるための3つの勾配磁場を生じる。
【0017】
静磁場空間における互いに垂直な座標軸をx,y,zとしたとき、いずれの軸もスライス軸とすることができる。その場合、残り2軸のうちの一方を位相軸とし、他方を周波数軸とする。また、スライス軸、位相軸および周波数軸は、相互間の垂直性を保ったままx,y,z軸に関して任意の傾きを持たせることも可能である。これはオブリーク(oblique)とも呼ばれる。なお、本装置では対象1の体軸の方向をz軸方向とする。
【0018】
スライス軸方向の勾配磁場をスライス勾配磁場ともいう。位相軸方向の勾配磁場を位相エンコード(encode)勾配磁場またはフェーズエンコード(phase encode)勾配磁場ともいう。周波数軸方向の勾配磁場をリードアウト(read out)勾配磁場ともいう。リードアウト勾配磁場は周波数エンコード勾配磁場と同義である。このような勾配磁場の発生を可能にするために、勾配コイル部106は図示しない3系統の勾配コイルを有する。以下、勾配磁場を単に勾配ともいう。
【0019】
RFコイル部108は静磁場空間に対象1の体内のスピン(spin)を励起するための高周波磁場を形成する。以下、高周波磁場を形成することをRF励起信号の送信ともいう。また、RF励起信号をRFパルス(pulse)ともいう。励起されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号は、RFコイル部108によって受信される。
【0020】
磁気共鳴信号は、周波数ドメイン(domain)すなわちフーリエ(Fourier)空間の信号となる。位相軸方向および周波数軸方向の勾配により、磁気共鳴信号のエンコードを2軸で行うので、磁気共鳴信号は2次元フーリエ空間における信号として得られる。フェーズエンコード勾配およびリードアウト勾配は、2次元フーリエ空間における信号のサンプリング位置を決定する。以下、2次元フーリエ空間をkスペース(k−space)ともいう。
【0021】
勾配コイル部106には勾配駆動部130が接続されている。勾配駆動部130は勾配コイル部106に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。勾配駆動部130は、勾配コイル部106における3系統の勾配コイルに対応して、図示しない3系統の駆動回路を有する。
【0022】
RFコイル部108にはRF駆動部140が接続されている。RF駆動部140はRFコイル部108に駆動信号を与えてRFパルスを送信し、対象1の体内のスピンを励起する。
【0023】
RFコイル部108にはデータ収集部150が接続されている。データ収集部150は、RFコイル部108が受信した受信信号をディジタルデータ(digital data)として収集する。
【0024】
造影剤注入部110、クレードル駆動部120、勾配駆動部130、RF駆動部140およびデータ収集部150にはシーケンス(sequence)制御部160が接続されている。シーケンス制御部160は、造影剤注入部110ないしデータ収集部150をそれぞれ制御して造影剤注入、クレードル移動および磁気共鳴信号収集を遂行する。
【0025】
シーケンス制御部160は、例えばコンピュータ(computer)等を用いて構成される。シーケンス制御部160は図示しないメモリ(memory)を有する。メモリはシーケンス制御部160用のプログラムおよび各種のデータを記憶している。シーケンス制御部160の機能は、コンピュータがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0026】
データ収集部150の出力側はデータ処理部170に接続されている。データ収集部150が収集したデータがデータ処理部170に入力される。データ処理部170は、例えばコンピュータ等を用いて構成される。データ処理部170は図示しないメモリを有する。メモリはデータ処理部170用のプログラムおよび各種のデータを記憶している。
【0027】
データ処理部170はシーケンス制御部160に接続されている。データ処理部170はシーケンス制御部160の上位にあってそれを統括する。本装置の機能は、データ処理部170がメモリに記憶されたプログラムを実行することによりを実現される。
【0028】
データ処理部170は、データ収集部150が収集したデータをメモリに記憶する。メモリ内にはデータ空間が形成される。このデータ空間はkスペースに対応する。データ処理部170は、kスペースのデータを2次元逆フ−リエ変換することにより画像を再構成する。
【0029】
データ処理部170には表示部180および操作部190が接続されている。表示部180は、グラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。操作部190はポインティングデバイス(pointingdevice)を備えたキーボード(keyboard)等で構成される。
【0030】
表示部180は、データ処理部170から出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操作部190は、使用者によって操作され、各種の指令や情報等をデータ処理部170に入力する。使用者は表示部180および操作部190を通じてインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
【0031】
図2に、他の方式の磁気共鳴撮影装置のブロック図を示す。同図に示す磁気共鳴撮影装置は、本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0032】
本装置は、図1に示した装置とは方式を異にするマグネットシステム100’を有する。マグネットシステム100’以外は図1に示した装置と同様な構成になっており、同様な部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
マグネットシステム100’は主磁場マグネット部102’、勾配コイル部106’およびRFコイル部108’を有する。これら主磁場マグネット部102’および各コイル部は、いずれも空間を挟んで互いに対向する1対のものからなる。また、いずれも概ね円盤状の形状を有し中心軸を共有して配置されている。マグネットシステム100’の内部空間(ボア)に、対象1がクレードル500に搭載されて図示しない搬送手段により搬入および搬出される。
【0034】
主磁場マグネット部102’はマグネットシステム100’の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象1の体軸方向と直交する。すなわちいわゆる垂直磁場を形成する。主磁場マグネット部102’は例えば永久磁石等を用いて構成される。なお、永久磁石に限らず超伝導電磁石あるいは常伝導電磁石等を用いて構成してもよい。
【0035】
勾配コイル部106’は、互いに垂直な3軸すなわちスライス軸、位相軸および周波数軸の方向において、それぞれ静磁場強度に勾配を持たせるための3つの勾配磁場を生じる。
【0036】
静磁場空間における互いに垂直な座標軸をx,y,zとしたとき、いずれの軸もスライス軸とすることができる。その場合、残り2軸のうちの一方を位相軸とし、他方を周波数軸とする。また、スライス軸、位相軸および周波数軸は、相互間の垂直性を保ったままx,y,z軸に関して任意の傾きを持たせること、すなわちオブリークが可能である。本装置でも対象1の体軸の方向をz軸方向とする。3軸方向の勾配磁場の発生を可能にするために、勾配コイル部106’は図示しない3系統の勾配コイルを有する。
【0037】
RFコイル部108’は静磁場空間に対象1の体内のスピンを励起するためのRFパルスを送信する 励起されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号は、RFコイル部108’によって受信される。RFコイル部108’の受信信号がデータ収集部150に入力される。
【0038】
図3に、磁気共鳴撮影に用いるパルスシーケンス(pulse sequence)の一例を示す。このパルスシーケンスは、スピンエコー(SE:SpinEcho)法のパルスシーケンスである。
【0039】
すなわち、(1)はSE法におけるRF励起用の90°パルスおよび180°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーMRのシーケンスである。なお、90°パルスおよび180°パルスはそれぞれ中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0040】
同図に示すように、90°パルスによりスピンの90°励起が行われる。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。90°励起から所定の時間後に、180°パルスによる180°励起すなわちスピン反転が行われる。このときもスライス勾配Gsが印加され、同じスライスについての選択的反転が行われる。
【0041】
90°励起とスピン反転の間の期間に、リードアウト勾配Grおよびフェーズエンコード勾配Gpが印加される。リードアウト勾配Grによりスピンのディフェーズ(dephase)が行われる。フェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。
【0042】
スピン反転後、リードアウト勾配Grでスピンをリフェーズ(rephase)してスピンエコーMRを発生させる。スピンエコーMRはデータ収集部150によりビューデータ(view data)として収集される。このようなパルスシーケンスが周期TR(repetition time)で64〜512回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、64〜512ビューのビューデータが得られる。
【0043】
磁気共鳴撮影用パルスシーケンスの他の例を図4に示す。このパルスシーケンスは、グラディエントエコー(GRE:Gradient Echo)法のパルスシーケンスである。
【0044】
すなわち、(1)はGRE法におけるRF励起用のα°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびグラディエントエコーMRのシーケンスである。なお、α°パルスは中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0045】
同図に示すように、α°パルスによりスピンのα°励起が行われる。αは90以下である。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。
【0046】
α°励起後、フェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。次に、リードアウト勾配Grによりまずスピンをディフェーズし、次いでスピンをリフェーズして、グラディエントエコーMRを発生させる。グラディエントエコーMRはデータ収集部150によりビューデータとして収集される。このようなパルスシーケンスが周期TRで64〜512回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、64〜512ビューのビューデータが得られる。
【0047】
図3または図4のパルスシーケンスによって得られたビューデータが、データ処理部170のメモリに収集される。なお、パルスシーケンスはSE法またはGRE法に限るものではなく、例えばファーストスピンエコー(FSE:FastSpin Echo)法やエコープラナーイメージング(EPI:Echo Planar Imaging)等、他の適宜の技法のものであってよいのはいうまでもない。データ処理部170は、メモリに収集したビューデータに基づいて画像を再構成する。
【0048】
大動脈系の血管を主幹部から末梢部まで撮影する場合は、全撮影範囲を対象1の体軸に沿って複数の領域に分割し、対象を体軸方向に移動させながら複数の領域を順次に撮影する。
【0049】
図5に、複数の撮影領域の一例を示す。同図の(a)は対象1の正面側から見た図であり、(b)は側面側から見た図である。同図に示すように、全撮影範囲が撮影領域12,14,16の3つの領域に分割される。撮影領域12は腹部用の領域である。撮影領域14は骨盤部用の領域である。撮影領域16は下肢用の領域である。
【0050】
各領域の大きさは、本装置が一度で撮影可能な大きさとなっている。すなわち、マグネットシステム100(100’)の有効撮影空間以下の大きさとなっている。各領域は対象1の体の厚み方向の大きさが異なる。すなわち、腹部用の撮影領域12が最も大きく、骨盤部用の撮影領域14がそれに次ぎ、下肢用の撮影領域16が最も小さい。なお、撮影領域の数および大きさはこれに限らず適宜でよい。また、部分的に重なり合ってもよい。
【0051】
図6に、本装置の動作のフロー(flow)図を示す。同図に示すように、ステップ(step)601で、撮影プロトコル(protocol)を設定することが行われる。撮影プロトコルの設定は、使用者により、表示部180および操作部190を通じて行われる。これによって、例えば、撮影領域12〜16の位置と大きさ、および、撮影領域間の移動時間が設定される。また、各撮影領域についての撮影条件が設定される。
【0052】
次に、ステップ603で、造影剤に関するデータを入力することが行われる。これも、使用者により、表示部180および操作部190を通じて行われる。これによって、使用する造影剤の種類および総注入量等に関するデータが入力される。総注入量データとしては例えば20ccが入力される。
【0053】
総注入量は対象の体重と所定の関係があるので、その関係をデータ処理部170が記憶しているときは、総注入量の代わりに対象1の体重を入力するようにしてもよい。体重を基準とすることにより、注入量を対象ごとに適正化することが容易になる。
【0054】
次に、ステップ605で、造影剤注入シーケンスを作成することが行われる。造影剤注入シーケンスの作成は、データ処理部170により、撮影プロトコルに基づいて行われる。撮影プロトコルから、複数の撮影領域12〜16についてそれぞれの撮影時間および領域間の移動時間がわかり、また、各撮影領域における血流量が事前の測定等によりわかっているので、各撮影領域の血流における造影剤濃度を所定の値にするための注入量および注入速度を、タイミング(timing)とともに求めることが可能である。
【0055】
これによって、例えば、撮影領域12については、その撮影時間が30secであるとしたとき、注入量および注入速度をそれぞれ10ccおよび4cc/secとするシーケンスが作成され、撮影領域14については、その撮影時間が20secであるとしたとき、注入量および注入速度をそれぞれ5ccおよび2cc/secとするシーケンスが作成され、撮影領域16については、その撮影時間が15secであるとしたとき、注入量および注入速度をそれぞれ5ccおよび1cc/secとするシーケンスが作成される。これによって、総注入量20ccを維持した撮影領域への注入シーケンスが作成される。
【0056】
次に、ステップ607で、注入シーケンスを制御部に設定することが行われる。これによって、造影剤注入シーケンスがデータ処理部170からシーケンス制御部160に設定される。
【0057】
次ぎに、ステップ609で造影撮影を実行する。造影撮影は、シーケンス制御部160による制御の下で、造影剤注入部110による造影剤注入に並行して、マグネットシステム100(100’)、クレードル駆動部120ないしデータ収集部150およびデータ処理部170からなる撮影部によって行われる。
【0058】
造影撮影は、撮影領域12,14,16の順序で行われる。すなわち、動脈血の流れに沿って、上流側から下流側に順次撮影領域を移動させながら行われる。これによって、造影剤の流れに沿った撮影を行うことができる。この移動は、また、体幹部から下肢にかけての移動ともなるから大動脈系の血管を適切に造影することができる。
【0059】
造影剤の注入は、シーケンス制御部160により注入シーケンスにしたがって自動制御される。これによって、各段階での注入量と注入速度および注入のタイミングが自動的に制御されるので、熟練を要する手動操作は不要になる。
【0060】
また、注入シーケンスは、所定の総注入量の下で、撮影プロトコルに合わせて自動的に作成されるので、総注入量が指定どおりの注入を正しく行うことができる。また、総注入量は撮影領域の数にかかわらず一定となるので、撮影領域数が増えても消費量が増えることはない。
【0061】
図7に、造影撮影に着目した本装置の機能ブロック図を示す。同図に示すように、本装置は、撮影部702、シーケンス作成部704、制御部706および注入部708を有する。撮影部702の撮影のプロトコルに基づいて、シーケンス作成部704により造影剤注入シーケンスが作成され、制御部706に供給される。制御部706は、造影剤注入シーケンスにしたがって注入部を制御する。
【0062】
撮影部702は、本発明における撮影手段の実施の形態の一例である。これは、マグネットシステム100(100’)、クレードル駆動部120ないしデータ収集部150およびデータ処理部170からなる部分の機能に相当する。
【0063】
シーケンス作成部704は、本発明におけるシーケンス作成手段の実施の形態の一例である。これは、ステップ605の処理を行うデータ処理部170の機能に相当する。
【0064】
制御部706は、本発明における制御手段の実施の形態の一例である。これは、ステップ609で造影撮影を行うときのシーケンス制御部160の機能に相当する。注入部708は、本発明における注入手段の実施の形態の一例である。これは、造影剤注入部110の機能に相当する。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、複数の撮影領域への造影剤の適量注入が自動化された磁気共鳴撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置が実行するパルスシーケンスの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置が実行するパルスシーケンスの一例を示す図である。
【図5】複数の撮影領域を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 対象
100,100’ マグネットシステム
102 主磁場コイル部
102’ 主磁場マグネット部
106,106’ 勾配コイル部
108,108’ RFコイル部
130 勾配駆動部
140 RF駆動部
160 データ収集部
160 シーケンス制御部
170 データ処理部
180 表示部
190 操作部
500 クレードル
12〜16 撮影領域
702 撮影部
704 シーケンス作成部
706 制御部
708 注入部
Claims (5)
- 対象を体軸方向に移動させ、体軸に沿って設定された複数の撮影領域を磁気共鳴を利用して順次に撮影する撮影手段と、
前記複数の撮影領域の位置及び大きさ並びに撮影領域間の移動時間を設定する撮影プロトコル設定手段と、
前記対象に造影剤を注入する注入手段と、
前記造影剤の総注入量を入力する造影剤データ入力手段と、
前記撮影プロトコル設定手段の設定及び前記造影剤データ入力手段の入力に基づいて各々の前記撮影領域における造影剤の注入量、注入速度及び注入タイミングを求めて造影剤注入のシーケンスを作成するシーケンス作成手段と、
前記撮影プロトコル設定手段の設定に基づいて前記撮影手段を制御するとともに、前記シーケンス作成手段が作成したシーケンスに基づいて前記注入手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。 - 前記対象における体軸方向の移動は、血流の上流側から下流側にかけての移動であることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴撮影装置。
- 前記対象における体軸方向の移動は、体幹部から下肢にかけての移動であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気共鳴撮影装置。
- 前記対象に注入される造影剤の総注入量は一定であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮影装置。
- 前記造影剤の総注入量は対象の体重に応じて定まることを特徴とする請求項4に記載の磁気共鳴撮影装置。
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