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JP4164865B2 - 自動車用ナビゲーション装置 - Google Patents

自動車用ナビゲーション装置 Download PDF

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JP4164865B2
JP4164865B2 JP2003095477A JP2003095477A JP4164865B2 JP 4164865 B2 JP4164865 B2 JP 4164865B2 JP 2003095477 A JP2003095477 A JP 2003095477A JP 2003095477 A JP2003095477 A JP 2003095477A JP 4164865 B2 JP4164865 B2 JP 4164865B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ナビゲーション装置等に関連し、詳細には、乗員の車酔いを予防することができる自動車用ナビゲーション装置等に関連する。
【0002】
【従来の技術】
車酔いを起こしやすい人にとって、自動車での外出は苦痛であり、自動車による外出に対して消極的となる傾向がある。
このため従来から、例えば、特許文献1または2に示されているように、ピッチングまたはローリング等の車両の特性を制御して、車両の乗員の車酔いを防止等する装置が提案されている。
【0003】
この特許文献1には、自動ブレーキによる車両挙動制御が行われるときには、ピッチング抑制の制御ゲインを大きくし、自動ブレーキによるピッチング運動を抑制し、自動車ブレーキに起因する違和感を緩和しようとする発明が開示されている。
また、特許文献2には、大型車両の減衰力可変ダンパを自動制御することにより、運転者の疲労を軽減等できるサスペンション装置に関する発明が開示されている。
【特許文献1】
特開平11‐217016号公報
【特許文献2】
特開2002‐2529号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の発明者は、車酔いの状態が、乗車している車両が走行する経路、車両の運転状態等に依存することに着目し、上記先行技術とは異なった観点から乗員の車酔いを予防あるいは抑制すべく本発明をなしたものであり、本発明は、車酔いを抑制あるいは予防することができる自動車用ナビゲーション装置等を提供すること目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
ユーザが設定した目的地までの経路を設定する経路設定手段を備え、設定した経路に沿った案内を行うことにより、前記目的地まで車両を誘導する自動車用ナビゲーション装置であって、
車酔いする乗員に関する登録を受ける個人データ登録手段と、
前記車酔いする乗員が前記車両に乗車しているか否かを判定する判定手段と、
前記車酔いする乗員が乗車していると判定されたとき、前記経路における車酔い情報を提供する車酔い情報提供手段と、を備え、
前記車酔い情報が、前記経路で車酔いが起こる確率を含む、
ことを特徴とする自動車用ナビゲーション装置が提供される。
このような構成を有する本発明によれば、ユーザが、設定された経路における車酔い上方を予め入手できるので、車酔いに対する対応策を講じることができる。
【0006】
本発明の好ましい態様によれば、前記経路設定手段が目的地までの複数の経路を設定し、設定された複数の経路からユーザに経路を選択させる経路選択手段を備え、前記車酔い情報提供手段は、設定された複数の経路のそれぞれに対する車酔い情報を提供する。
このような構成によれば、ユーザは、設定された複数の経路の車酔い情報を入手できるので、この車酔い情報を踏まえた経路選択が可能となる。
【0007】
本発明の他の態様によれば、
ユーザが設定した目的地までの経路を設定する経路設定手段を備え、設定した経路に沿った案内を行うことにより、前記目的地まで車両を誘導する自動車用ナビゲーション装置であって、
車酔いする乗員に関する登録を受ける個人データ登録手段と、
前記車酔いする乗員が前記車両に乗車しているか否かを判定する判定手段と、
前記車酔いする乗員が乗車していると判定されたとき、前記経路を、車酔いが起こりにくい経路に補正する経路補正手段と、
前記車酔いする乗員が乗車していると判定されたとき、前記経路における車酔い情報を提供する車酔い情報提供手段とを備え、
前記車酔い情報が、前記経路で車酔いが起こる確率を含む、
ことを特徴とする自動車用ナビゲーション装置が提供される。
【0008】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記車酔い情報が、前記経路中で車酔いが起こりやすい区間の表示を含む。
【0009】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記車酔いする乗員が乗車していると判定されたとき、車酔いを回避するための情報を事前に提供する車酔い回避情報提供手段を、さらに、備えている。
【0010】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記車酔いを回避するための情報が、休息施設に関する情報を含む。
【0011】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記車酔いを回避するための情報が、車酔いを回避する運転方法に関する情報を含む。
【0012】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記車酔いする乗員の車酔い状態を検出する車酔い検出手段と、車酔いが検出されたときには、案内中の経路を変更する経路変更手段とを、備えている。
【0013】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記車酔いが検出されたときの走行状態が記憶され、前記記憶されている走行状態に基づいて、前記車酔い情報提供手段が車酔い情報を提供する。
【0014】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記車酔いが検出されたときの走行状態が記憶され、前記記憶されている走行状態に基づいて、前記経路補正手段が経路の補正を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態である自動車用ナビゲーション装置(自動車用制御装置)等を含む自動車用車酔い防止システムを示す基本構成図である。
図1に示すように、自動車用車酔い防止システム1は、自動車に乗車する乗員の車酔いに関する情報の管理、通報、および、車酔い予防制御等を行う車酔い予防サーバとしても機能する情報センタ(コンピュータ)2を有している。情報センタ2には、インターネット等のネットワーク4を介して、自動車(車両)6(車載のナビゲーション装置)、その自動車の乗員等が所有する携帯情報端末(PDA)等の携帯情報機器8、及び、乗員等の自宅のコンピュータ10が接続されている。情報センタ2には、さらに、交通規制情や交通渋滞情報等の交通情報を提供する交通情報センタ12、道路サービス14、および、病院等の医療機関16等が接続されている。このような構成により、自動車6、情報センタ2等は、ネットワーク4を介して、後述する種々の情報の送信及び受信が可能となっている。
【0021】
図2は、自動車6に搭載された移動体ナビゲーション装置を示すブロック図である。この移動体ナビゲーション装置20は、入力されたデータやドライバの操作に基づき、目的地までの経路を設定するとともに、車両を目的地まで経路路誘等する制御手段であるCPU22と、情報センタ2との間でネットワーク4を経由して後述する乗員の車酔いに関する情報等を送受信する通信装置24を備えている。この通信装置24は、具体的には、携帯電話である。
【0022】
移動体ナビゲーション装置20は、更に、情報センタ2から受信した情報を記憶する記憶装置(例えば、HDD)26と、情報センタ2から受信した情報、経路情報、さらに、乗員の車酔いに関する警報等を表示するディスプレイ28と、地図情報を格納したDVD−ROM30と、ドライバが目的地や乗員等に関する設定、登録等を行うための操作スイッチ32を備えている。
また、移動体ナビゲーション装置20は、車両の現在位置を検出する位置検出手段を構成するGPS受信機34、車速センサ36及びジャイロセンサ38を備えている。ここで、GPS受信機34は衛星から電波を受信して現在位置を検出し、車速センサ36は移動距離を求めるために車両の速度を検出し、ジャイロセンサ38は車両の移動方向を検出し、これらの各センサ34,36,38の検出値により、車両の現在位置を正確に検出するようになっている。
【0023】
移動体ナビゲーション装置20は、さらに、自動車に乗員の車酔いを検出するための車酔い検出装置40を備えている。本実施態様では、車酔い検出装置40は、心拍数、血圧、発汗および姿勢変化から、乗員の車酔いを検出できるように構成されている。尚、車酔いの検出は、他の方法であっても良い。
【0024】
車酔い検出装置40は、時計、または、指輪状の装身具型装置(図示せず)とシートに埋め込まれた体重/体圧分布測定センサ(図示せず)とを備え、ブルートゥースにより、移動体ナビゲーション装置20(CPU22)との間で車酔いに関するデータを送受信できるように構成されている。
車酔い検出装置40は、上記のような装身具型装置以外に、例えば、図3に示すような自動車6に予め搭載されている各種の検査機器から構成されるようなものでも良い。例えば、図3に示すように、カメラ42、心拍数/血圧用電極44、血圧判定用赤外線送受信装置46、体重/体圧分布測定センサ48等から構成されていてもよい。
【0025】
カメラ42は、フロントミラーに取り付けられ、乗員の発汗状態を検出できるように構成されている。心拍数/血圧用電極44は、ハンドルの左右に1対に取り付けられ、血圧判定用赤外線送受信装置46は、心拍数/血圧用電極44の一方の近傍に取り付けられている。心拍数は、乗員が両手で左右の心拍/血圧用電極44にそれぞれ触れることにより測定される。
【0026】
また、血圧の測定では、乗員が両手で左右の心拍/血圧用電極44をそれぞれ握ることにより心拍(心電)を計り、同時に、一方の指先に血圧判定用赤外線送受信装置46から照射された赤外線の反射光をこの装置46で計測することにより脈波を計る。そして、これらの心電と脈波の信号のずれから、心臓の収縮により押し出された血液が指先まで伝わる伝播時間が計算される。この伝播時間と血圧には一定の相関関係があるので、この伝播時間から、血圧を推定する。
【0027】
体重/体圧分布測定センサ48は、シートに取り付けられており、シートに着座した乗員の体重及び体重分布を測定することにより、乗員の姿勢変化等を検出するように構成されている。
【0028】
移動体ナビゲーション装置20は、目的地が入力されると、この目的地までの経路を設定し、この経路に沿った案内を行う通常の経路誘導機能に加えて、乗員の登録を受ける乗員登録機能、乗員の車酔い(あるいはその前兆)を検出する車酔い検出機能、さらに、乗員の車酔い(あるいはその前兆)が検出されたとき警報を発する車酔い警報機能等を備えた車酔い防止機能を備えている。
さらに、移動体ナビゲーション装置20は、車両の走行状態(速度、舵角、走行位置等)を常時、検出し、この検出結果を、乗員の車酔い状態と関連付けて記憶、あるい、情報センタ2等に送信するように構成されている。
【0029】
次に、図4により、本実施形態の自動車用車酔い防止システムの詳細について説明する。
図4に示すように、情報センタ(自動車用防止サーバ)2は、データベース50を備え、このデータベース50は、地図データ52、顧客一般データ54は、施設関連データ56、乗員別車酔い関連データ58、及び、車両特性補正データ60等を格納している。
【0030】
地図データ52は、最新の地図データであり、自動車6からの要求に応じて、この最新の地図データが、自動車6に送信され、自動車6側の地図データが最新のデータに更新されるように構成されている。地図データ52には、各道路(区間)毎の車酔い発生確率に関するデータが含まれている。このデータは、たとえば、道路の曲率、制限速度等を、車酔いが起こるとされている横G等の基準値と比較することによって算出される。
【0031】
顧客一般データ54は、情報センタ2と契約した顧客(個人)毎の車酔い以外のデータであり、例えば、自動車のメンテナンス用のデータ、修理履歴データ、保険データ、ドライバ情報、趣味情報等が含まれる。
施設関連データ56は、公共施設、遊園地、観光施設、ショッピング施設、駐車場、ガソリンスタンド、飲食店(レストラン)等の施設に関連するデータである。
【0032】
乗員別車酔い関連データ58は、情報センタ2と契約した顧客によって登録された個人(乗員)の車酔いに関するデータである。このデータは、例えば、車酔いするか否か、過去に車酔いを起こしたときの症状(体調変化、前兆)、過去に車酔いを起こしたルート、過去に車酔いを起こしたとき乗車していた車両タイプ(セダン、ミニバン、スポーツカー、RV車)、過去に車酔いを起こしたときの走行状況(速度、舵角、経路等)、走行したくない経路、走行したい経路等が、乗員別に記憶されている。このデータは、自動車6から送られてくる、その乗員の車酔い状態とその車酔い状態が起こったときの走行状況(車両タイプ、走行経路等)とに関する情報の蓄積により、常時、更新されるように構成されている。
【0033】
また、車両特性補正データ60は、車酔いを起こした、あるいは、車酔いを起こす可能性が高い車両特性(ステアリング操舵感度、ブレーキ制動性能およびサスペンション減衰力)を補正するための補正値、運転に対するしきい値等が、車両タイプ毎に記憶されている。さらに、車両特性補正データ60には、特定の乗員に関するものではなく、一般的に、車酔いを起こしやすいとされる運転状態、車両特性等に関するデータも含まれている。
【0034】
図4に示すように、情報センタ2から個人の自宅10(携帯情報機器8を含む)との間では、自宅10から情報センタ2に対して、乗員の車酔い関連データの登録が行われる。例えば、走行したくない経路、走行したい経路は、過去に走行して車酔いが起こった経路、車酔いが起こらなかった経路が、それぞれ、登録される。一方、情報センタ2から個人の自宅10等に対しては、入力された目的地への仮想ルートの事前提供等が行われる。
【0035】
又、自動車6(移動体ナビゲーション装置20)から情報センタ2へは、誰が乗車しているかに関する乗員情報、乗員の体調(車酔い)に関する体調情報、現在位置および車両情報(走行状況、車両特性)等が逐次、送信されるように構成されている。
【0036】
一方、情報センタ2から自動車6(移動体ナビゲーション装置20)へは、入力された目的地までの経路情報、車酔いを考慮して補正した補正経路情報、乗員の車酔いに関する車酔い情報、乗員の車酔いのしきい値に関するしきい値情報等が、送信されるように構成されている。
さらに、情報センタ2から医療機関(病院)16へは、自動車6に乗車中の乗員の車酔いがひどいとき等に、その乗員の診断予約及び到着予想時間等が送信される。また、医療機関(病院)16から情報センタ2へは、車酔いを起こした乗員が、この医療機関で受付られるか等の情報が送信される。
【0037】
次に、図5に沿って、本実施形態の自動車用車酔い防止システムにおける自動車(移動体ナビゲーション装置)、情報センタ、及び、医療機関/自宅の間で行われる情報の送受信を説明する。図5は、自動車用車酔い防止システムにおける処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートにおいて、Sは、各ステップを示す。
図5に示すように、S1において、PDA8または自宅10または自動車6から、乗員の車酔いに関連する個人データが、情報センタ(車酔い防止サーバ)2に送信され、このデータは、この乗員の車酔い関連データの初期設定値として、この乗員と関連付けて、乗員別車酔い関連データ58中に登録される(S2)。
【0038】
この車酔い関連データには、例えば、車酔いの有無、走行したなくないルート、事前に設定したルート、過去に車酔いを起こしたときの条件、乗車する機会の多い車両タイプ(セダン、ミニバン、スポーツカー、RV車両等)が含まれる。車酔いの有無は、過去に車酔いを起こしたことがあるか否かである。走行したくないルートは、過去に車酔いした等の理由で、走行したくない経路が選択される。事前に設定したルートは、過去に車酔いなく走行できたなどの理由で、走行したいルートが選択される。
【0039】
車酔いを起こしたときの条件は、その乗員が車酔いしたときの各種条件であり、乗っていた車両タイプ(セダン、ミニバン、スポーツカー、RV車両等)、走行環境条件(目的地、経路等)、体調条件、体調基準値(通常時の脈拍、血圧等)、車酔い時の体調変化値、車室内条件(におい、温度等)が含まれる。これらの条件に基づいて、その乗員が車酔いし易い条件(あるいは車酔い条件)が定めされる。
【0040】
次に、自動車6では、S3において、乗員が特定され、情報センタ2に、その乗員の特定情報が送信される。この乗員の特定は、乗員或いは運転者が移動体ナビゲーション装置20を手動で操作することによって行う構成でも、あるいは、移動体ナビゲーション装置20が自動的に行う構成でもよい。
情報センタ2は、この乗員の特定情報に応答して、自動車6に乗車している乗員の車酔い関連データを、乗員別車酔い関連データ58から検索・抽出して、自動車6の移動体ナビゲーション装置20に送信する(S4)。
【0041】
次に、自動車6では、S5において、受信した車酔い関連データに基づいて、乗車中の乗員が車酔いを起こしにくくなるように、車両の特性等を変更する。具体的には、パワーステアリング、サスペンション、エンジンの特性、客室内の温度設定および換気状態等が、例えば、移動体ナビゲーション装置20のCPU22からの指示で変更される。この特性の変更は、受信した車酔い関連データではなく、一般に、車酔いがおきにくいとされる車両特性への変更でもよい。
【0042】
次いで、S6で、移動体ナビゲーション装置20に入力された目的地へのルート案がS1等で事前に入力され決定されているときには、このルートが目的地までの経路として設定される。
次いで、S7に進み、ユーザによって入力されている目的地までの複数の経路を設定し、例えば図6に示されているような、目的地までの複数の経路候補が表示された画面を、ディスプレイ28上に表示させ、ユーザ(運転者あるいは乗員)に経路を選択させる。
【0043】
この画面には、地図上のルートに加えて、各経路候補(Aルート、Bルート、Cルート)毎に、行程の距離(65km、90km、130km)、所要時間(2時間、1.5時間、1.2時間)に加えて、車酔いが起こる確率(60%、90%、15%)、その経路中の車酔いが起こり易い注意区間の長さ(5km、25km、0km)等の車酔いに関連する車酔い情報が表示される。この注意区間は、地図上で色を変える等して表示しても良い。
【0044】
さらに、乗車している車酔いする乗員が、過去に、この経路候補のルートを通ったことがあり、そのときの車酔いに関するデータが記録されているときには、過去評価として、過去にBルートを通ったときには、90%の割合で車酔いが起こった、Cルートのときには 車酔いが起こらなかった(0%)などの表示を付加しても良い。ユーザは、このような車酔い情報をもとに、車酔いのリスクと、距離、所要時間、費用を勘案して、経路候補からマニュアルで経路(例えば、Aルート)を選択することができる。S7の処理は、移動体ナビゲーション装置20のCPU22が行っても、情報センタ2が行ってもよい。
【0045】
また、本発明は、このようにユーザが経路を選択する構成ではなく、移動体ナビゲーション装置または情報センタ2が経路設定を行うもので、車酔いする乗員の乗車が確認されたときには、設定されていた経路を、道路データ52に含まれる道路毎の車酔い発生確率データに基づいて、車酔いが起こりにくい経路に自動補正(変更)する構成でもよい。例えば、目的地が設定されると自動的に最短経路が設定されるようなモードを有している構成で、車酔いする乗員の乗車が確認されると、設定される経路が最短経路から車酔いが起きにくい経路に変更される構成でもよい。
【0046】
さらに、車酔いをする乗員が乗車していることが確認されたとき、車酔い回避する運転方法に関する情報(回避条件)、目的地までの経路上の休息場所に関する情報(走行環境条件)等の情報を、音声または表示によって、ユーザ(運転者、乗員)に提供する構成でも良い。
【0047】
車酔いを起こす乗員が過去において車酔いしたときの走行状態等を記憶、解析し、この解析結果に基づいて、車酔いが起こる確率、注意区間等を演算したり、経路を変更したり、車酔いを回避するための情報の作成および提供する構成でもよい。例えば、過去のデータから、乗車中の車酔いする乗員が、特定の曲率のカーブをある速度で走行すると車酔いを起こしやすいことが分かれば、このようなカーブを避けるように経路を変更したり、そのような曲率のカーブでは、車酔いを起こさない速度で運転するよう表示したりする構成でもよい。
【0048】
目的地への走行が開始されると、S8で、走行状態が判定される。この判定で、車酔いを起こしやすい運転状態が検出されると、運転者に音声または表示による警報が発せられ、車酔いを起こしにくい運転を行うように促される。例えば、急ブレーキ、急発進、或いは、その連続等が検出されると、このような警報が発せられる。警報は、ディスプレイ28上での文字による警報あるいはスピーカからの音声による警報として行われる。車酔いを起こしやすい運転状態は、乗員別車酔い関連データ58に含まれる一般的に車酔いを起こしやすいとされる運転状態でも、あるいは、乗車中の車酔いを起こす乗員が、過去に実際に車酔いを起こした運転状態のいずれを採用してもよい。後者のほうが、オーダメードのきめ細かい制御となる。
【0049】
このような警報に加えて、車両の特性(ステアリング操舵感度、ブレーキ制動性能、サスペンション減衰力)を、車両特性補正データ60に基づいて、車酔いが起こらない特性に変更する補正制御を行っても良い。この補正制御は、情報センタ2が、補正制御の内容を決定し、自動車6の移動体ナビゲーション装置20に補正内容を送信して行われるものである。
【0050】
この車両特性を変更する補正制御の内容は、乗車中の車酔いする乗員が過去に車酔いを起こしたときに乗車していた車両の車両特性、そのときの運転状態、走行状態、現在乗車している車両の運転状態等に応じて決定されても良い。即ち、過去に車酔いを起こしたとき乗車していた車両の特性(車両タイプ)と、現在乗車している車両の特性(車両タイプ)との差を考慮して、現在、乗車している車両の車両特性の制御内容が変更されるのがよい。
【0051】
また、車酔いする乗員が、乗り慣れている車両がスポーツカーで、現在、乗車している車両が、ミニバンであったとすると、例えば、サスペンションの減衰力を高める、ステアリング操舵感度を上げる、ブレーキ制動力を落とす等して、乗車中のミニバンの車両特性を乗り慣れたスポーツカーの車両特性に近づけ、車酔いが起こりにくくする制御を行っても良い。
【0052】
さらにまた、車両特性の変更の内容を、車酔いする乗員の乗車位置(例えば、フロントシートか、リアシートか)に応じて、変更する構成でもよい。乗車位置によって、車酔いの発生状態がかなり変わってくるからである。
さらに、S9で、車酔い検出装置40の検出に基づいて、車酔いが起こっているか否かが判定される。複数の乗員が車酔いする可能性があるときには、乗員毎にこの判定が行われるのが好ましい。
【0053】
車酔いは、心拍数等の検出値から総合的に判定される。車酔いは、本人が車酔いしたと気づいたときにはかなり程度が進んでいるため、本実施態様では、本人は車酔いしたと認識できない程度の車酔いの兆候を検出し、これを車酔いの発生と判定するように構成されている。
【0054】
S9で、車酔いが起こっていないと判定されたときには、S8に戻り、乗員の状態を観察する処理が継続される。また、車酔いしていると判定されたときには、S10に進み、車酔いの症状が顕在化するのを防止する制御(車酔い補正)が行われる。具体的には、目的地までの経路を車酔いが起こりにくいルートに変更したり、車両の特性を車酔いが起こりにくい特性に変更したり、休憩施設およびその休憩施設への経路をディスプレイに表示して(図7)、休息を取ることを促したりする。この車酔い補正にあたっても、車酔いを起こしている乗員の過去の車酔いに関するデータを参考にするのが好ましい。
【0055】
この車両特性を変更する補正制御の内容は、乗車中の車酔いする乗員が過去に車酔いを起こしたときに乗車していた車両の車両特性、そのときの運転状態、走行状態、現在乗車している車両の運転状態等に応じて決定されても良い。即ち、過去に車酔いを起こしたとき乗車していた車両の特性(車両タイプ)と、現在乗車している車両の特性(車両タイプ)との差を考慮して、現在、乗車している車両の車両特性の制御内容が変更されるのがよい。
さらに、S11に進み、情報センタ2で、車酔いの程度が判定され、車酔いの程度が所定レベルより高いときには、S12で医療機関16の検索、医療機関への通報、医療機関への通報および医療機関への経路誘導が行われる。
【0056】
また、本実施態様では、図8に示されているように、所定の走行状態であるか否かを判定し(T1)、所定の走行状態となったときには、車酔いを防止するため車両特性を変更する制御を全て禁止し、車両の特性を初期状態すなわちその車両の本来の特性に戻す処理(T2)が行われる。所定の走行状態とは、車両の走行性能を優先させるべき条件であり、例えば、急旋回時、急制動時、低μ路走行時を指す。このような条件は、車両の走行が不安定になる可能性が高いので、車酔いを防止するための車両の特性を補正する制御を禁止して車両の走行性能を最大限に発揮できる初期状態に戻し、車両の安定した走行が実現されるようにしている。
以上のような処理が、目的地に到着するまで行われる。
【0057】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で種々の変更又は変形が可能である。
例えば、上記実施態様では、乗員の車酔いに関する情報を情報センタ2に記録する(S1)構成であるが、このような情報も直接、移動体ナビゲーション装置の記憶装置に入力し、ナビゲーション装置内で図5のフローチャートの全処理を行う構成でもよい。
また、S5の条件設定、S7のルート設定、S8の判定、警報、S9の車酔い判定、S10の車酔い補正を情報センタ2側で行う構成でも良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、車酔いを抑制あるいは予防することができる自動車用ナビゲーション装置等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を含む車酔い防止システムを示す基本構成図である。
【図2】 本発明の実施形態の車酔い防止システム等に使用される移動体ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施形態の車酔い防止システムに使用される車酔いを検出するための装置の一例を示す概要図である。
【図4】 本発明の実施形態の車酔い防止システムにおける情報の授受の一例を概略的に示す図面である。
【図5】 本発明の実施形態の車酔い防止システムにおける車酔い防止処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の実施形態の車酔い防止システムで表示される画面の一例である。
【図7】 本発明の実施形態の車酔い防止システムで表示される画面の一例である。
【図8】 本発明の実施形態の車酔い防止システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車酔い防止システム
2 情報センタ(車酔い防止サーバ)
4 ネットワーク
6 自動車
8 携帯情報機器
10 自宅
12 交通情報センタ
14 道路サービス

Claims (10)

  1. ユーザが設定した目的地までの経路を設定する経路設定手段を備え、設定した経路に沿った案内を行うことにより、前記目的地まで車両を誘導する自動車用ナビゲーション装置であって、
    車酔いする乗員に関する登録を受ける個人データ登録手段と、
    前記車酔いする乗員が前記車両に乗車しているか否かを判定する判定手段と、 前記車酔いする乗員が乗車していると判定されたとき、前記経路における車酔い情報を提供する車酔い情報提供手段と、を備え、
    前記車酔い情報が、前記経路で車酔いが起こる確率を含む
    ことを特徴とする自動車用ナビゲーション装置。
  2. 前記経路設定手段が目的地までの複数の経路を設定し、
    設定された複数の経路からユーザに経路を選択させる経路選択手段を備え、
    前記車酔い情報提供手段は、設定された複数の経路のそれぞれに対する車酔い情報を提供する、
    請求項1に記載の自動車用ナビゲーション装置。
  3. ユーザが設定した目的地までの経路を設定する経路設定手段を備え、設定した経路に沿った案内を行うことにより、前記目的地まで車両を誘導する自動車用ナビゲーション装置であって、
    車酔いする乗員に関する登録を受ける個人データ登録手段と、
    前記車酔いする乗員が前記車両に乗車しているか否かを判定する判定手段と、
    前記車酔いする乗員が乗車していると判定されたとき、前記経路を、車酔いが起こりにくい経路に補正する経路補正手段と、
    前記車酔いする乗員が乗車していると判定されたとき、前記経路における車酔い情報を提供する車酔い情報提供手段とを備え、
    前記車酔い情報が、前記経路で車酔いが起こる確率を含む
    ことを特徴とする自動車用ナビゲーション装置。
  4. 前記車酔い情報が、前記経路中で車酔いが起こりやすい区間の表示を含む、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動車用ナビゲーション装置。
  5. 前記車酔いする乗員が乗車していると判定されたとき、車酔いを回避するための情報を事前に提供する車酔い回避情報提供手段を、さらに、備えている、
    請求項1ないしのいずれか1項に記載の自動車用ナビゲーション装置。
  6. 前記車酔いを回避するための情報が、休息施設に関する情報を含む、
    請求項に記載の自動車用ナビゲーション装置。
  7. 前記車酔いを回避するための情報が、車酔いを回避する運転方法に関する情報を含む、
    請求項5または6に記載の自動車用ナビゲーション装置。
  8. 前記車酔いする乗員の車酔い状態を検出する車酔い検出手段と、
    車酔いが検出されたときには、案内中の経路を変更する経路変更手段とを、備えている、
    請求項1ないしのいずれか1項に記載の自動車用ナビゲーション装置。
  9. 前記車酔いが検出されたときの走行状態が記憶され、
    前記記憶されている走行状態に基づいて、前記車酔い情報提供手段が車酔い情報を提供する、
    請求項1ないしのいずれか1項の記載の自動車用ナビゲーション装置。
  10. 前記車酔いが検出されたときの走行状態が記憶され、
    前記記憶されている走行状態に基づいて、前記経路補正手段が経路の補正を行う、
    請求項3ないしのいずれか1項記載の自動車用ナビゲーション装置。
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