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JP4149170B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

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JP4149170B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体記憶装置に関し、特に、データをキャパシタに格納する半導体記憶装置のデータ保持特性の改良に関する。より特定的には、この発明は、1ビットのデータを2ビットのメモリセルで記憶する半導体記憶装置に関する。より具体的には、この発明は、ロジックと同一半導体基板上に集積化される混載メモリのメモリセルのゲート絶縁膜の信頼性をデータ保持特性を損なうことなく保証するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ処理分野などにおいて、高速かつ低消費電力でデータを処理するために、プロセッサなどのロジックとメモリ装置とを同一の半導体チップに集積化したシステムLSI(大規模集積回路)と呼ばれる回路装置が広く用いられている。
【0003】
このシステムLSIにおいては、ロジックとメモリ装置とがチップ上配線で相互接続されるため、以下の利点が得られる:(1)信号配線の負荷が、ボード上配線に比べて小さく、高速でデータ/信号を伝達することができる、(2)ピン端子数の制約を受けないため、データビット数を大きくすることができ、データ転送のバンド幅を広くすることができる、(3)ボード上に個別素子を配置する構成に比べて、半導体チップ上に複数の構成要素が集積化されるため、システム規模を低減でき、小型軽量のシステムを実現することができる、および(4)半導体チップ上に形成される構成要素として、ライブラリ化されたマクロを配置することができ、設計効率が改善される。
【0004】
上述のような利点などから、システムLSIが、各分野において広く用いられてきており、集積化されるメモリ装置としても、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)および不揮発性半導体記憶装置などのメモリ装置が使用されている。また、混載されるロジックとしても、制御および処理を行なうプロセッサ、A/D変換回路等のアナログ処理回路および専用の論理処理を行なう論理回路などが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなシステムLSIにおいてプロセッサとメモリ装置とを集積化する場合、製造工程数を低減してコストを低減するために、できるだけ同一の製造工程でこれらのロジックとメモリ装置とを形成する必要がある。DRAMは、データをキャパシタに電荷の形態で記憶しており、このキャパシタは、半導体基板領域上部に形成されるセルプレート電極およびストレージノード電極と呼ばれる電極を有している。このようなメモリキャパシタは、スタックトキャパシタと一般に呼ばれ、小占有面積で大きな容量値を実現するために、中空円筒型などの複雑な形状を有している。
【0006】
したがって、DRAMとロジックとを同一の製造プロセスで形成するDRAM−ロジック混載プロセスにおいて、ロジックのトランジスタとDRAMのトランジスタを同一製造プロセスで形成しても、このDRAMのキャパシタを形成するための製造工程およびこのDRAMのキャパシタの立体構造に起因するDRAMとロジックの間およびDRAMメモリアレイおよび周辺部との段差を低減するための平坦化プロセスが必要となり、製造工程数が大幅に増大し、チップコストが増大するという問題が生じる。
【0007】
SRAMは、メモリセルが、4個のトランジスタと2個の負荷素子とで形成される。通常、これらの負荷素子は、MOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)で形成され、キャパシタなどは用いられていない。したがって、SRAMは、完全なCMOSロジックプロセスで形成することができる。すなわち、SRAMとロジックとは、同一製造プロセスで形成することができる。
【0008】
SRAMは、従来、その高速性などの理由から、プロセッサに対するキャッシュメモリおよびレジスタファイルメモリなどとして用いられている。
【0009】
また、SRAMは、メモリセルがフリップフロップ回路で構成されており、電源電圧が供給されている限りデータは保持される。したがって、DRAMと異なり、SRAMは、データを保持するためのリフレッシュが不要である。したがって、SRAMは、DRAMに不可欠なリフレッシュにかかわる複雑なメモリコントロールが不要である。このため、SRAMは、DRAMに比べてその制御が簡略化されるため、携帯情報端末等においてはシステム構成を簡略化するために、メインメモリとして広く用いられている。
【0010】
しかしながら、携帯情報端末においても、最近の高機能化に従って音声データおよび画像データなどの大量のデータを取扱う必要があり、大記憶容量のメモリが必要とされている。
【0011】
DRAMでは、微細化プロセスの進展とともに、メモリサイズのシュリンク(微細化)が進み、たとえば0.18μmDRAMプロセスでは、0.3平方μmのセルサイズが実現されている。一方、SRAMにおいては、フルCMOSメモリセルは、2個のPチャネルMOSトランジスタと4個のNチャネルMOSトランジスタと合計6個のMOSトランジスタで構成されている。したがって、微細化プロセスが進んでも、メモリセルにおけるPチャネルMOSトランジスタを形成するためのNウェルとNチャネルMOSトランジスタを形成するPウェルとを分離する必要があり、このウェル間分離距離の制約等により、SRAMにおいては、DRAMほどは、メモリサイズのシュリンクは進んでいない。たとえば、0.18μmCMOSロジックプロセスでのSRAMのメモリサイズは、7平方μm程度と、DRAMのメモリサイズの20倍以上である。したがって、SRAMを大記憶容量のメインメモリとして利用する場合、チップサイズが大幅に上昇するため、4Mビット以上の記憶容量のSRAMを、限られたチップ面積のシステムLSI内においてロジックと混載するのは極めて困難となる。
【0012】
したがって、大記憶容量の混載メモリとして、DRAMをベースとするメモリを用いることが考えられる。このDRAMベースの混載メモリを用いた場合、従来の製造プロセスをある程度利用することができ、従来の製造装置および工程を利用して混載メモリを製造することができる。しかしながら、このようなDRAMベースのメモリにおいても、データがキャパシタに格納される限り、上述のキャパシタの段差の問題が生じ、ロジックと同一製造工程で、このようなDRAMベースのメモリを形成することができないという問題が生じる。
【0013】
また、携帯端末機器においては、電源は電池であり、電池寿命の観点からは、できるだけ消費電流を低減することが要求される。データ保持モードにおいて行なわれるリフレッシュは、単にデータを保持するためにだけ行なわれている。したがって、このリフレッシュに要する消費電流を低減することができれば、スタンバイ電流を低減することができ、応じて電池寿命を増大させることができる。
【0014】
このようなリフレッシュの消費電流を低減するための方法として、リフレッシュ回数を少なくする、すなわちリフレッシュ間隔を長くすることにより、消費電流を低減することが考えられる。メモリセルのデータ保持特性を改善することができ、応じてデータ保持時間を長くすることができれば、リフレッシュ間隔を長くすることができ、応じてリフレッシュに要する消費電流を低減することができる。
【0015】
このようなDRAMのデータ保持特性を改善する方法として、従来、メモリセルに対してフルVCCレベルのデータを伝達するために、選択ワード線を電源電圧よりも高い電圧レベルに駆動するワード線昇圧方式と呼ばれるワード線駆動方式が一般に用いられる。このようなワード線昇圧方式において、センス動作完了後において、ビット線はセンスアンプにより電源電圧および接地電圧レベルに駆動される。したがって、選択メモリセルのトランジスタのゲート/ソース間にこの選択ワード線上の電圧と接地電圧の差の高電圧が印加されることになる。このような高電圧がメモリセルトランジスタのゲート/ソース間に印加された場合には、微細化されたトランジスタのゲート絶縁膜が破壊されるという問題が生じる。
【0016】
特に、ロジックと同一半導体基板上に集積化される混載メモリにおいては、ロジックのトランジスタとメモリセルトランジスタとを同一製造プロセスで形成することを考える必要がある。ロジックのトランジスタの高速動作性を実現するため、ロジックトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚は薄くされる。したがって、このような場合、特に、メモリセルトランジスタの絶縁耐圧を保証することができなくなるという問題が生じる。
【0017】
また、メモリセルのデータ保持特性を改善するための別の方法として、負電圧ワード線方式と呼ばれるワード線駆動方式がある。この負電圧ワード線駆動方式においては、メモリセルトランジスタがNチャネルMOSトランジスタで構成される場合には、非選択ワード線が負電圧レベルに維持される。
【0018】
スタンバイ状態時において、メモリセルトランジスタがゲートに負電圧を受け、ビット線は中間電圧レベルに維持されるため、メモリセルトランジスタを介してのリーク電流は抑制される。したがって、スタンバイ状態でのデータ保持特性、すなわちポーズリフレッシュ特性は、負電圧ワード線駆動方式に従って改善することができる。
【0019】
一方、選択ワード線に従ってメモリセルデータが読出された場合には、ビット線電圧が、センスアンプにより、電源電圧レベルまたは接地電圧レベルに駆動されてラッチされる。この状態において、非選択ワード線に接続されるメモリセル、すなわち非選択メモリセルのうち接地電圧レベルのビット線に接続されるメモリセルにおいては、メモリセルトランジスタはゲートに負電圧を受け、かつソースが接地電圧レベルとなり、ゲート/ソース間が逆バイアス状態となり、Hレベルを記憶するストレージノードからビット線に対してリーク電流が流れるのを防止することができ、Hレベルデータの保持時間を長くすることができる。このようなメモリセルの選択時において非選択メモリセルの記憶電荷が影響を受ける動作は、一般に、「ディスターブ」と呼ばれている。
【0020】
このような負電圧ワード線駆動方式の場合、非選択メモリセルトランジスタのゲート/ソース間は逆バイアス状態に維持されるため、ディスターブリフレッシュ特性は改善される。しかしながら、電源電圧レベルのビット線に接続される非選択メモリセルにおいては、ゲート絶縁膜に対して高電圧が印加されることになり、上述のワード線昇圧方式の場合と同様に、ゲート絶縁膜の信頼性が低下するという問題が生じる。特に、データアクセスにおいては、メモリセルは選択状態よりも非選択状態にあるほうがデューティが大きい。したがって、このディスターブを抑制するためのワード線負電圧方式において、ゲート絶縁膜の信頼性の問題が大きくなる。
【0021】
それゆえ、この発明の目的は、製造工程を増加させることなく小占有面積で大記憶容量の半導体記憶装置を提供することである。
【0022】
この発明の他の目的は、データ保持特性をメモリトランジスタの耐圧特性を劣化させることなく改善することのできる半導体記憶装置を提供することである。
【0023】
この発明のさらに他の目的は、データ保持特性および耐圧特性に優れた、ロジックと同一製造工程で製造することのできる混載メモリを提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体記憶装置は、各々が行列状に配列される複数のメモリセルを有する複数のメモリサブブロックを含む。メモリサブブロックは、各行に対応して配置され、各々に対応の行のメモリセルが接続される複数のワード線と、各列に対応して配置され、各々に対応の列のメモリセルが接続する複数のビット線とを含む。
【0025】
この発明に係る半導体記憶装置は、さらに、複数のメモリサブブロックに対応しかつ隣接メモリサブブロックにおいて共有されるように配置され、各々が対応のメモリサブブロックの各列に対応して配置され、活性化時対応の列のメモリセルデータを検知し増幅する複数のセンスアンプを含む複数のセンスアンプ帯を含む。各センスアンプは、第1の電源電圧とこの第1の電源電圧と論理レベルの異なる第2の電源電圧を動作電源電圧として受けてセンス動作を行なう。
【0026】
この発明に係る半導体記憶装置は、さらに、センスアンプ帯およびメモリサブブロックに対応して配置され、各々が対応のメモリサブブロックの列に対応して配置され、導通時、対応の列のセンスアンプを対応のメモリサブブロックの対応のビット線に接続する複数の分離ゲートを有する複数のビット線分離回路を含む。これら複数のビット線分離回路の各々は、複数のメモリサブブロックと異なるウェル領域内に形成される。各分離ゲートは、絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成される。
【0027】
この発明に係る半導体記憶装置は、さらに、第1のアドレス信号に従って、アドレス指定された選択メモリセルを含む選択メモリサブブロックに対して配置されたビット線分離回路に対して第1の電源電圧レベルの分離制御信号を生成して与えかつ選択メモリサブブロックとセンスアンプを共有するメモリサブブロックに対して配置されたビット線分離回路に対しては、第2の電源電圧の絶対値以上の絶対値を有する電圧レベルの非選択分離制御信号を生成して与えるビット線分離制御回路と、第2のアドレス信号に従って選択メモリサブブロックにおいてアドレス指定された行に対応して配置された選択ワード線を第1の電源電圧レベルに駆動しかつ選択ワード線以外のワード線に対しては第2の電源電圧よりも絶対値の大きな電圧レベルの電圧を伝達するワード線選択回路とを含む。
【0028】
数のメモリセルは、2ビットのメモリセルが1ビットのデータを記憶するツインセルユニットを構成するように配置される。ビット線は対をなして配列される。ワード線選択回路は、ツインセルユニットの2ビットのメモリセルのデータが対応のビット線対の各ビット線に読出されるようにワード線を選択する。
【0029】
この発明の第1の観点に従えば、メモリセルトランジスタは、Pチャネルトランジスタで構成され、第1の電源電圧はローレベル電源電圧であり、第2の電源電圧はハイレベル電源電圧である。ワード線選択回路により、選択ワード線には、ローレベル電源電圧が伝達され、非選択ワード線には、ハイレベル電源電圧よりも高い電圧が伝達される。
【0030】
また、この発明の第1の観点に従えば、分離ゲートが、Pチャネルトランジスタで構成され、分離制御回路は、ローレベル電源電圧レベルの分離制御信号を選択メモリサブブロックに対応して配置されたビット線分離ゲートに伝達し、かつ選択メモリサブブロックとセンスアンプ帯を共有するメモリサブブロックに対して配置された非選択ビット線分離回路に対しては、ハイレベル電源電圧以上の電圧レベルの非選択分離制御信号を伝達する。
【0031】
この発明の第2の観点に従えば、メモリセルトランジスタは、Nチャネルトランジスタで構成される。第1の電源電圧は、ハイレベル電源電圧であり、第2の電源電圧はローレベル電源電圧である。ワード線選択回路により、選択ワード線には、ハイレベル電源電圧が伝達され、選択ワード線と異なるワード線には、ローレベル電源電圧よりも低い非選択電圧が伝達される。
【0032】
また、この発明の第2の観点に従えば、分離ゲートは、Nチャネルトランジスタで構成され、分離制御回路は、ハイレベル電源電圧レベルの分離制御信号を選択メモリサブブロックに対応して配置されたビット線分離回路に対して伝達し、かつ選択メモリサブブロックとセンスアンプ帯を共有するメモリサブブロックに対して配置された非選択ビット線分離回路に対しては、ローレベル電源電圧以下の電圧レベルの非選択分離制御信号を伝達する。
【0033】
この発明に係る半導体記憶装置は、所定の論理演算処理を行なうロジックと同一半導体基板上に形成される。メモリセルは、ロジックの構成要素の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一膜厚のゲート絶縁膜を有するメモリトランジスタと、このメモリトランジスタのゲート絶縁膜と同一組成を有するキャパシタ絶縁膜を有するキャパシタとを含む。
【0034】
モリトランジスタは、キャパシタの電極と同一製造工程で形成されたゲート電極を有する。
【0035】
また、好ましくは、メモリセルが配置されるウェル領域にバイアス電圧を印加する第1のウェルバイアス回路と、この分離ゲートが配置されるウェル領域にバイアス電圧を印加する第2のバイアス回路とをさらに含む。
【0036】
好ましくは、メモリセルは、矩形状の活性領域内に形成され、この活性領域には、列方向に整列する2ビットのメモリセルが形成される。この活性領域は、行および列方向に整列して配置される。行方向において隣接する2ビットのメモリセルにより1ビットのデータを記憶する1つのツインセルユニットが構成される。ワード線選択回路は、選択メモリサブブロックにおいて1本のワード線を選択して、隣接ビット線にそれぞれツインセルユニットのメモリセルが記憶する情報を伝達する。
【0037】
ビット線分離ゲートの電圧を、センス電源電圧の第1の電圧レベルに設定して、センスアンプとビット線とを接続することにより、センスアンプがラッチしている第1の電源電圧レベルのデータがビット線分離ゲートのしきい値電圧損失を受けてビット線に伝達される。したがって、非選択メモリセルトランジスタのゲート−ソース/ドレイン間電圧を、このしきい値電圧分緩和することができ、メモリセルトランジスタの耐圧特性を保証することができる。
【0038】
また、選択ワード線は、センス電源電圧レベルに駆動されるだけであり、選択メモリセルトランジスタのゲートとソース/ドレインとの間の電圧を緩和することができ、ポーズリフレッシュ特性およびディスターブリフレッシュ特性をともに改善することができ、データ保持特性を改善することができる。
【0039】
また、ビット線分離ゲートとメモリセルとを別々のウェル領域に形成することにより、ビット線分離ゲートのウェルバイアスを最適化して、このしきい値電圧損失を設定することができ、メモリセルトランジスタのゲート絶縁膜に印加される電圧を最適化することができる。
【0040】
メモリセルトランジスタとしてロジックトランジスタを利用することができ、製造工程の増大を抑制することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置を含む半導体集積回路装置の構成を概略的に示す図である。
【0042】
図1において、半導体集積回路装置1は、所定の論理演算処理を行なうロジック2と、このロジック2が必要とするデータを格納するDRAMコア3を含む。DRAMコア3は、DRAMをベースとして形成されるメモリである。ロジック2は、このDRAMコア3へのアクセスの制御を行なうメモリコントロールの機能をも有する。
【0043】
ロジック2は、その構成要素として、ロジックトランジスタLTRを含む。このロジックトランジスタLTRは、絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成され、その高速動作性を保証するため、ゲート絶縁膜は十分に薄くされ、しきい値電圧の絶対値が低いローVthトランジスタである。
【0044】
図1においては、PチャネルMOSトランジスタをロジックトランジスタLTRの代表として示す。しかしながら、ロジック2は、CMOSプロセスで製造され、構成要素としてNチャネルMOSトランジスタをも含む。
【0045】
DRAMコア3は、データを記憶するためのメモリセルMCを含む。このメモリセルMCは、情報を記憶するためのメモリキャパシタMQと、このメモリキャパシタMQの記憶情報を読出すためのアクセストランジスタMTRを含む。本実施の形態1において、メモリセルMCに含まれるトランジスタMTRは、PチャネルMOSトランジスタで構成される。このメモリトランジスタMTRを、ロジックトランジスタLTRと同一製造工程で形成する。また、メモリキャパシタMQのセルプレート電極は、後に詳細に説明するように、ロジックトランジスタのゲート電極と同一製造工程で形成される。
【0046】
DRAMコア3においては、図示しない周辺回路のトランジスタが含まれる。この周辺回路のトランジスタも、ロジックトランジスタLTRと同一の製造工程で形成される。したがって、メモリキャパシタMQのセルプレート電極を、このロジックトランジスタLTRおよびメモリトランジスタMTRのゲート電極と同一製造工程で形成することにより、このメモリキャパシタMQの段差を低減して、キャパシタ部の平坦化を行なうためのプロセスなどが簡略化されるかまたは不用となり、ロジック2とDRAMコア3とを、同一製造工程で形成することができる。
【0047】
図2は、図1に示すDRAMコアのメモリアレイ部の構成を概略的に示す図である。図2において、メモリアレイMAは、列方向に沿って複数のメモリブロックMBK0−MBKmに分割される。これらのメモリブロックMBK0−MBKmそれぞれにおいて、メモリセルが行列状に配列される。
【0048】
メモリブロックMBK0−MBKmの間の領域に、ブロック間周辺回路PBK1−PBKmが配置され、メモリブロックMBK0およびMBKmの外側に、それぞれ、ブロック周辺回路PBK0およびPBKm+1が配置される。これらのブロック間周辺回路PBK0−PBKm+1の各々は、メモリセルデータの検知および増幅を行なうためのセンスアンプと、メモリブロックとセンスアンプとを接続するためのビット線分離回路と、選択センスアンプを内部データバスに接続するための列選択回路等を含む。
【0049】
メモリブロックMBK0−MBKmそれぞれに含まれるメモリセルを形成するためのウェル領域とブロック間周辺回路PBK0−PBKmに含まれる構成要素を形成するためのウェル領域は別々に設けられる。特に、これらのブロック間周辺回路PBK0−PBKm+1に含まれるビット線分離回路を形成するウェル領域は、メモリブロックMBK0−MBKmに含まれるメモリセルを形成するためのウェル領域と分離して形成される。
【0050】
ビット線分離回路に含まれる分離ゲートは、MOSトランジスタで形成した場合、そのしきい値電圧を調整し、ビット線の電圧振幅を調整し、メモリセルトランジスタのゲートに印加される電圧を緩和する。これにより、メモリトランジスタMTRをロジックトランジスタLTRと同一工程で形成し、ゲート絶縁膜が薄くされた場合においても、その耐圧特性を保証する。
【0051】
図3は、ブロック間周辺回路の構成を概略的に示す図である。図3においては、メモリブロックMBKLおよびMBKRの間に配置されるブロック間周辺回路PBKRの構成を概略的に示す。
【0052】
図3において、ブロック間周辺回路PBKRは、対応のメモリブロックの列に対応して配置され、センスアンプ活性化信号SOPおよびSONに従って活性化され、活性化時、対応の列のメモリセルデータを、センス電源電圧(ハイレベル電源電圧)VCCSおよびセンス接地電圧(ローレベル電源電圧)VSSSレベルに駆動してラッチするセンスアンプを含むセンスアンプ帯SABと、ビット線分離指示信号BLILに従ってセンスアンプ帯SABをメモリブロックMBKLの各列に接続するビット線分離回路BIKLと、ビット線分離指示信号BLIRに従ってセンスアンプ帯SABとメモリブロックMBKRとを選択的に接続するビット線分離回路BIKRを含む。
【0053】
メモリブロックMBLおよびMBRの一方において選択行が含まれる場合には、この選択行を含むメモリブロック(選択メモリブロック)に対するビット線分離指示信号は、スタンバイ状態時と同様の状態を有し、他方のメモリブロック(非選択メモリブロック)に対するビット線分離回路は、センスアンプ帯SABから分離される。
【0054】
ビット線分離指示信号BLILおよびBLIRは、後に詳細に説明するが、メモリブロックMBKLおよびMBKRに含まれるワード線に伝達されるワード線駆動信号と同じ振幅を有する。
【0055】
ビット線分離回路BIKLを形成するためのウェル領域は、メモリブロックMBKLのメモリセル形成領域のウェル領域と別々に形成され、ビット線分離回路BIKRを形成するためのウェル領域は、メモリブロックMBKRを形成するウェル領域と列のウェル領域に形成される。
【0056】
ワード線は、負電圧非昇圧方式で駆動される。すなわち、選択ワード線に対しては接地電圧レベルのワード線駆動信号が伝達され、非選択ワード線へはセンス電源電圧VCCSよりも高い電圧が伝達される。したがって、ビット線分離指示信号BLILおよびBLIRについても、対応のビット線分離回路が導通している場合、その電圧レベルは非昇圧電圧レベルである。
【0057】
センスアンプ帯SABのセンスアンプによりラッチされたVCCS/VSSSレベルのデータが、このビット線分離回路の分離ゲートによるしきい値電圧損失を受けて、選択メモリブロックのビット線に伝達される。すなわち選択メモリブロックのビット線には、Vthpの電圧がLレベル信号として伝達される。ここで、Vthpは、ビット線分離ゲートを構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値である。これにより、メモリセル選択時において、非選択ワード線に接続されるメモリセル(非選択メモリセル)のゲート絶縁膜に印加される電圧を緩和する。
【0058】
図4は、図3に示すメモリブロックMBKLのメモリセルの配置およびそれに関連するブロック間周辺回路の構成を示す図である。図4において、メモリブロックMBKLにおいて4行2列に配列されるメモリセルのレイアウトを代表的に示す。
【0059】
図4において、メモリブロックMBKLにおいて、行方向に延在してワード線WL0−WL3が配設され、またこれらのワード線WL0−WL3と平行にワード線WL0−WL3と同一配線層にセルプレート電極線CPが形成される。このセルプレート電極線CPは、メモリブロックMBKLにおいては、2本のワード線ごとに行方向に延在して配置され、列方向において隣接するセルプレート電極CPは、それらの間に配設される2本のワード線により互いに分離される。セルプレート電極線CPは、2行のメモリセルに共通に配置される。
【0060】
行および列方向に整列して、メモリセル形成用の活性領域AKRが配設される。活性領域AKRは列方向に長い矩形形状を有し、各活性領域AKRにおいて、列方向において隣接する2ビットのメモリセルが形成される。
【0061】
列方向に整列する活性領域と平行にビット線BLLおよびZBLLが配設される。これらのビット線BLLおよびZBLLは、ビット線コンタクトCNTを介して活性領域AKRに接続される。ビット線コンタクトCNTは、隣接ワード線の間に配置され、活性領域に形成される2ビットのメモリセルにより共有される。
【0062】
活性領域AKRはNウェルに形成されるP型の不純物領域を含み、メモリセルトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタで形成される。セルプレート電極線CPには、接地電圧または負電圧レベルの一定の基準電圧(セルプレート電圧)が印加される。このセルプレート電極線CPと活性領域AKRの交差部においてメモリセルキャパシタが形成される。
【0063】
ビット線コンタクトCNTは、列方向において隣接する2本のワード線WLの間に形成される。行方向において隣接する2ビットのメモリセルにより、1ビットのデータを記憶する。この1ビットのデータを記憶するメモリセル(MC1,MC2)の組を、以下、ツインセルユニットTMUと称する。
【0064】
メモリセルの行方向についてのピッチ(配置間隔)でビット線BLLおよびZBLLが配設される。したがって、ビット線のピッチ条件を緩和することができる。このメモリセルの配置は、「最密充填配置」であり、オープンビット線構成において用いられる。しかしながら、ツインセルユニットTMUで1ビットのデータを記憶することにより、相補データがビット線BLLおよびZBLLに読み出されるため、ノイズ耐性に優れた折返しビット線構成を利用することができ、正確にデータを読み出すことができる。
【0065】
ビット線BLLおよびZBLLは、ビット線分離ゲートBIGLを介してセンスアンプSAに結合され、また、メモリブロックMBKRのビット線BLRおよびZBLRは、ビット線分離ゲートBIGRを介してセンスアンプSAに結合される。
【0066】
ビット線分離ゲートBIGLは、図3に示すビット線分離回路BIKLに含まれ、またビット線分離ゲートBIGRは、図3に示すビット線分離回路BIKRに含まれる。センスアンプSAは、図3に示すセンスアンプ帯SABに含まれる。
【0067】
これらのビット線分離ゲートBIGLおよびBIGRは、それぞれPチャネルMOSトランジスタで構成される転送ゲートPTGを含む。このビット線分離ゲートBIGLおよびBIGRは、Nウェル領域に形成され、このNウェル領域には、ウェルバイアス電圧NWV2が与えられる。一方、メモリセルを形成するためのNウェル領域には、ウェルバイアス電圧NWV1が与えられる。
【0068】
ビット線BLLおよびZBLLは、対を成して配置され、ビット線対に対して1つのセンスアンプSAが配置される。ビット線は、メモリセルのピッチ当り1つのビット線が配置されるように配置され、また隣接ビット線が対を成す。したがって、センスアンプSAの行方向のピッチ条件を緩和することができ、余裕を持ってセンスアンプSAを配置することができる。
【0069】
従来のDRAMおいて一般に用いられているように、センスアンプをメモリブロックの両側に交互に配置する必要がなくなり、1つのセンスアンプ帯において各ビット線対に対応してセンスアンプを配置することができ、センスアンプ帯の数を半減することも可能となる。
【0070】
メモリセルの選択時においては、1つのワード線が選択状態へ駆動される。たとえばワード線WL0が選択状態へ駆動された場合、メモリセルMC1およびMC2の記憶データが、ビット線BLLおよびZBLLに伝達される。これらのメモリセルMC1およびMC2に、相補データを格納することにより、メモリセルキャパシタの蓄積電荷量が小さい場合においても、ビット線BLLおよびZBLL間に十分な大きさの電圧差を生じさせることができ、応じてデータの保持特性を改善することができる。
【0071】
図5は、図4に示すメモリセルMC(MC1,MC2)の断面構造を概略的に示す図である。図5において、メモリセルMCは、N型ウェル領域11表面に間をおいて形成される不純物領域12aおよび12bと、不純物領域12aおよび12bの間の領域の表面上に、図示しないゲート絶縁膜を介して形成される導電層13と、不純物領域12bに電気的に結合されるストレージノード領域14と、このストレージノード領域14と対向して配置される導電層15と、不純物領域12aに電気的に接続される導電層16を含む。
【0072】
ストレージノード領域14に隣接して、たとえばフィールド絶縁膜で構成される素子分離領域18が形成される。
【0073】
導電層13が、ワード線WLを構成し、導電層15が、セルプレート電極線CPを構成し、導電層16が、ビット線BLを構成する。このセルプレート電極線を構成する導電層15は、素子分離領域18を介して隣接メモリセルのストレージノード領域と対向して配置される。
【0074】
ストレージノード領域14は、単にNウェル領域(半導体基板領域)11の表面に形成される反転層であってもよく、また不純物注入された不純物領域であり、その表面に、反転層が形成されてもよい。
【0075】
このストレージノード領域14に、反転層を形成するために、導電層15へ与えられるセルプレート電圧VCPは、接地電圧または負のバイアス電圧レベルに設定される。
【0076】
素子分離領域18において形成される素子分離膜は、できるだけDRAM部における段差を小さくするために、たとえばCMP(ケミカル・メカニカル・ポリシング)プロセスにより、その表面が平坦化され、この素子分離領域18の表面は、Nウェル11の表面とほぼ同じ高さにされる。
【0077】
導電層13および15は、不純物が導入された多結晶シリコン(ドープトポリシリコン)またはタングステンシリサイド(WSix)およびコバルトシリサイド(CoSix)などのポリサイドまたはサリサイド(セルフアラインドシリサイド)などのシリコンを含む材料を用いて、同一の配線層に形成される。
【0078】
これらの導電層13および15は、CMOSロジックプロセスにおけるトランジスタ(ロジックのトランジスタおよびDRAMコアの周辺回路のトランジスタ)のゲート電極と同一配線層に形成される。ここで、同一配線層に形成されるとは、同一の製造プロセスステップで製造されることを示す(組成等が同じである)。
【0079】
導電層13および15のそれぞれの直下には、明確には示していないが、ゲート絶縁膜およびキャパシタ絶縁膜が形成される。これらのゲート絶縁膜およびキャパシタ絶縁膜は、同一製造プロセスで形成される同一の絶縁膜(同一組成かつ同一膜厚)であってもよい。また、デュアルゲート酸化膜プロセスにより、これらのゲート絶縁膜およびキャパシタ絶縁膜を、膜厚の異なる酸化膜(組成は同じ)として形成することもできる。ここで、「デュアルゲート酸化膜プロセス」は、2種類の膜厚の酸化膜(絶縁膜)を、酸化膜(絶縁膜)の選択的エッチングにより形成するプロセスである。
【0080】
なお、これらの導電層13および15の下に形成される絶縁膜は、ロジックトランジスタのゲート絶縁膜と異なる膜厚であってもよい。
【0081】
ビット線BLを構成する導電層16は、第1メタル配線層などにより形成され、セルプレート電極線CPとなる導電層15の上層に形成され、いわゆるCUB(キャパシタ・アンダー・ビット線)構造が実現される。
【0082】
メモリセルのキャパシタは、ストレージノード電極が、このNウェル11の表面のたとえば拡散層または反転層で構成されるストレージノード電極層14により形成され、また、セルプレート電極が、ワード線と平行に行方向に延在するプレーナ型キャパシタ構造を有している。したがって、このセルプレート電極線CPおよびワード線WLを同一配線層で同一製造プロセスステップで形成するため、セルプレート電極およびストレージノード電極のための配線層を新たに追加する必要がなく、製造工程を簡略化することができる。
【0083】
また、メモリセルキャパシタが、プレーナ型キャパシタ構造のため、メモリアレイ部と周辺回路部の間の段差は生じず、段差緩和のためのCMPなどによる平坦化プロセスを導入する必要がない。したがって、実質的に、CMOSロジックプロセスでメモリアレイを形成することができ、ロジックのトランジスタと同一製造工程でメモリアレイを形成することができる。また、素子分離領域18は、活性領域を画定するため、メモリセルトランジスタの製造前に形成される。
【0084】
メモリセルおよびメモリキャパシタは、PMOSトランジスタで構成され、そのしきい値電圧は、ロジックトランジスタとほとんど同じ値に設定される。特に、メモリセルトランジスタ(MTR)は、ロジックトランジスタ(LTR)と同程度の駆動力を有することができるため、メモリセルに対する高速の読出/書込を実現することができる。
【0085】
このプレーナ型キャパシタ構造によりキャパシタ容量を十分確保できない点は、1ビットのデータを2つのメモリセルで記憶する1ビット/2セルモードでメモリセルを選択することにより、等価的にメモリセルキャパシタ容量を大きくして補償する。すなわち、相補ビット線には、常に相補データが読み出され、これらのビット線間の電圧差が、倍化されるため、データ保持特性を十分に確保することができる。
【0086】
具体的に、HレベルデータおよびLレベルデータを記憶するメモリセルMCのストレージノード(ストレージノード領域14)の電位V(SN,H)およびV(SN,L)は、それぞれ、近似的に次式で表わされる。
【0087】
V(SN、H)≒VCCS・ext(−T/τa)
V(SN,L)≒NWV1・(1−ext(−T/τb))
ここで、係数τaおよびτbは、それぞれ、ストレージノード−セルプレート電極間のリーク電流、ストレージノード−基板領域(ウェル領域)間リーク電流およびメモリセルトランジスタのオフリーク電流等によって決定される時定数である。
【0088】
1ビットのデータを2つのメモリセル(DRAMセル)で記憶する1ビット/2セルモード(ツインセルモード)でビット線対にメモリセルの記憶データを読出したときのビット線対の読出電位差ΔVblは、次式で表わされる。
【0089】
ΔVbl=Cs・(V(SN,H)−V(SN,L))/(Cs+Cb)
ここで、Csは、メモリセルキャパシタMQの容量を示し、Cbは、ビット線BLおよびZBLのそれぞれの寄生容量を示す。
【0090】
したがって、1つのメモリセルのデータをビット線に読出しかつ他方のビット線を中間電圧レベルのプリチャージ電圧レベルに維持する場合に比べて、このビット線間読出電位差ΔVblは、実質的に2倍に設定することができ、メモリセルキャパシタの容量Csが小さい場合においても、十分大きな読出電位差を得ることができ、プレーナ型キャパシタ構造により、キャパシタ容量が十分確保できない場合においても、十分に、データ保持特性を保証することができる。
【0091】
図6は、図4に示すビット線分離ゲートに含まれる転送ゲートPTGの断面構造を概略的に示す図である。図6において、転送ゲートPTGは、メモリセルを形成するNウェル領域11と別に設けられるNウェル領域21に形成される。この転送ゲートPTGは、Nウェル領域21表面に間をおいて形成されるP型不純物領域22aおよび22bと、これらの不純物領域22aおよび22bの間のNウェル領域21の表面上に図示しないゲート絶縁膜を介して形成されるゲート電極23を含む。
【0092】
メモリセルが形成されるNウェル領域11へは、N型不純物領域19を介してウェルバイアス電圧NWV1が与えられ、一方、Nウェル領域21は、N型不純物領域29を介してウェルバイアス電圧NWV2が与えられる。不純物領域22bは、ビット線BLを構成する導電層16と同一工程で形成される導電層26に接続される。この導電層26は、メモリブロック間で共有される共通ビット線を構成し、センスアンプに接続される。次に、この図4に示す半導体記憶装置の動作を、図7に示す信号波形図を参照して説明する。図7においては、データ書込時の信号波形が示される。
【0093】
スタンバイ状態時においては、ビット線分離指示信号BLIRおよびBLILはともに接地電圧レベルであり、ワード線WLは、高電圧VPレベルにある。ビット線分離ゲートBIGLおよびBIGRはともに導通状態にあり、センスアンプSAは、ビット線BLL,ZBLL,BLRおよびZBLRに接続される。ワード線WLが高電圧VPレベルであり、メモリセルトランジスタはPチャネルMOSトランジスタで構成されるため、非導通状態にある。
【0094】
ビット線BLL,ZBLL,BLRおよびZBLRは、それぞれ図示しないプリチャージ/イコライズ回路により、中間電圧(VCCS/2)の電圧レベルにプリチャージされかつイコライズされている。
【0095】
メモリセルを選択するメモリサイクルが始まる前に、まずビット線のプリチャージ/イコライズ動作が完了する。アドレス信号が与えられると、このアドレス信号に含まれるブロックアドレス信号に従って、メモリブロックが指定される。この指定されたメモリブロックにおいてワード線アドレスに従ってワード線WLが選択される。
【0096】
先ず、選択メモリブロックが指定されると、この選択メモリブロックが対応のセンスアンプ帯に接続され、かつこの選択メモリブロックと対をなす非選択メモリブロックが、センスアンプ帯から分離される。図7においては、メモリブロックMBKLのワード線が選択された場合の動作を示す。この場合には、ビット線分離指示信号BLIRが、接地電圧レベルから高電圧VPレベルに上昇する。ビット線分離指示信号BLILは、接地電圧レベルを維持する。したがって、図4に示すビット線分離ゲートBIGRが非導通状態となり、センスアンプSAが、ビット線BLRおよびZBLRから分離される。
【0097】
次いで、アドレス指定された行に対応するワード線WLが選択され、選択ワード線WLの電圧レベルが、高電圧VPから接地電圧VSSSレベルに低下する。これにより、メモリセルのアクセストランジスタが導通し、メモリセルキャパシタが対応のビット線に接続される。このとき、ツインセルモードでメモリセルを選択するため、図4に示すように、ビット線BLLおよびZBLL両者に、メモリセルの記憶データが伝達される。
【0098】
ビット線BLLおよびZBLLにおいて一方の電圧レベルがLレベルデータに応じて低下し、他方のビット線の電圧レベルが、Hレベルデータに応じて上昇する。このビット線BLLおよびZBLLの電圧差ΔVblが十分な大きさになると、センスアンプSAが活性化され、センスアンプSAのセンスノード(共通ビット線)は、センス電源電圧VCCSおよびセンス接地電圧VSSSレベルに駆動される。
【0099】
ビット線分離ゲートBIGLにおいて、ビット線分離指示信号BLILは、接地電圧レベルである。したがって、Hレベルデータを転送する転送ゲートPTGは、センス電源電圧VCCSを、対応のビット線へ伝達することができるものの、Lレベルデータを転送する転送ゲートPTGは、そのゲートが接地電圧レベルであるため、Lレベルのビット線の電圧は、この転送ゲートPTGのしきい値電圧の影響により、接地電圧レベルまで放電されず、接地電圧よりも高い電圧レベルとなる。
【0100】
この後、列選択を行なって書込データが、ビット線BLLおよびZBLLに伝達される。図7において、ビット線BLLに、Hレベルデータが書込まれ、ビット線ZBLLに、Lレベルデータが書込まれた状態を示す。
【0101】
データ書込が完了すると、選択ワード線WLが非選択状態となり、その電圧レベルが高電圧VPレベルとなり、またビット線分離ゲートBIGRも、ビット線分離指示信号BLIRに従って接地電圧VSSSレベルに低下する。これにより、ビット線BLLおよびZBLL、ビット線BLRおよびZBLRは、図示しないプリチャージ/イコライズ回路により、中間電圧レベルにプリチャージされかつイコライズされる。
【0102】
このPチャネルMOSトランジスタをビット線分離ゲートに用いて、Lレベルのビット線の電圧を接地電圧よりも高くすることにより、また、非選択ワード線WLの電圧レベルを、センス電源電圧VCCSよりも高い高電圧VPレベルに維持することにより、以下の効果が得られる。
【0103】
「ポーズリフレッシュ特性」
図8は、ストレージノードにLレベルデータを記憶する場合のリーク電流の経路を示す図である。Lレベルデータが記憶するストレージノードの電圧レベルの上昇は、不純物領域12aを介してビット線から流れるリーク電流Ioffと、Nウェル領域11からの接合リーク電流JLである。セルプレート電圧VCPは、接地電圧または負の電圧レベルである。スタンバイ状態時においては、ワード線WLが、高電圧VPレベルに維持され、このメモリトランジスタMTRのゲートは、ソース領域に対し正にバイアスされるため、このメモリトランジスタMTRを深いオフ状態にあり、ビット線からストレージノードへ流れるリーク電流Ioffは、ほぼ無視することができる。この接合リーク電流JLは、PN接合の逆方向リーク電流であり、不純物領域12bの接合面積を小さくする、およびウェルバイアス電圧NWV1を浅くするなどにより、低減することができる。
【0104】
このLレベルデータは、接地電圧レベルよりも高い電圧レベルである。したがって、このLレベルデータが接地電圧レベルのときに比べて、接合リーク電流JLが低減されている。
【0105】
図9は、Hレベルデータをストレージノードに格納した場合のリーク電流の経路を示す図である。このHレベルデータの電圧レベルの低下は、不純物領域12aに向かうオフリーク電流Ioffとストレージノードからキャパシタ絶縁膜を介してセルプレート電極CP(導電層15)へ流れるゲートリーク電流Igである。スタンバイ状態時においては、先のLレベルデータ記憶時と同様、ワード線WLは、ソース(12b)に対して正にバイアスされており、このメモリトランジスタMTRは深いオフ状態にあり、オフリーク電流Ioffはほぼ無視することができる。したがって、Hレベルデータの電圧低下は、このゲートリーク電流Igにより実質的に決定される。
【0106】
このメモリキャパシタのキャパシタ絶縁膜を、ロジックトランジスタのゲート絶縁膜と同じ膜厚とした場合には、ゲートリーク電流Igが大きくなる場合、メモリセルキャパシタの絶縁膜厚を、同一製造工程で形成されるロジックトランジスタのゲート絶縁膜厚よりも厚く設定する(デュアルゲート酸化膜プロセスを利用する)。このメモリセルキャパシタの容量および面積を、それぞれCsおよびScellとし、目標とするデータ保持時間をtREFとすると、許容されるゲートリーク電流Igmaxは、次式で与えられる。
【0107】
Igmax=Cs・VCCS/(tREF・Scell)
したがって、メモリセルキャパシタの絶縁膜は、Ig<<Igmaxとなるようにその膜厚を適当に設定する。これにより、少なくとも1ビット/2セルのツインセルユニット内においてHレベルデータを記憶しているメモリセルからのビット線読出電圧は十分に確保することができる。
【0108】
上述の処置により、ポーズリフレッシュ特性を保証することができる。
「ディスターブリフレッシュ特性」
次に、ディスターブリフレッシュ特性について説明する。ワード線WLが高電圧VPレベルであり、ビット線BL(導電層16)がHレベルの状態を考える。図10は、この状態でのストレージノードの電位とリーク電流の関係を示す図である。図10において横軸にストレージノードの電位を示し、縦軸にリーク電流の大きさを示す。図10に示すように、Lレベルデータを記憶しているメモリセルのストレージノードの電位が上昇すると、図8に示すP型不純物領域12bとNウェル領域11の間の接合バイアスが低下し、逆方向リーク電流が指数関数的に低下するため、接合リーク電流JLは急激に低下する。一方、オフリーク電流Ioffは、ストレージノードの電位が上昇すると、単にメモリセルトランジスタMTRのドレイン−ソース間電圧Vdsが低下するだけであり、ソースがビット線となるため、ゲート−ソース間電圧には影響を及ぼさないため、このオフリーク電流Ioffは、緩やかに低下する。すなわち、接合リーク電流に起因するストレージノード電位の上昇速度は、急激に低下し、一方、オフリーク電流Ioffに起因するストレージノード電位の上昇速度は、緩やかに低下する。
【0109】
したがって、非選択ワード線WLをアレイ電源電圧VCCSレベルに設定した場合、対応のビット線BLにHレベルデータが現れている場合、このオフリーク電流Ioffの影響を無視することができない。特に、メモリトランジスタMTRは、ロジックトランジスタと同様、そのしきい値電圧の絶対値が小さいため(メモリトランジスタとロジックトランジスタとは同一製造工程で製造される)、オフリーク電流が大きくなり、ディスターブリフレッシュ特性が劣化する。しかしながら、この非選択ワード線WLを、Hレベルデータの電圧(VCCS)よりも高い高電圧VPレベルに設定することにより、このメモリセルトランジスタMTRのゲートがソースに対して、正にバイアスされることになり、オフリーク電流Ioffを低減することができ、ディスターブリフレッシュ特性の劣化を抑制することができる。
【0110】
すなわち、図11に示すように、いわゆるサブスレッショルド領域においては、PチャネルMOSトランジスタにおいては、ゲート−ソース間電圧Vgsが正にバイアスされると、オフリーク電流(サブスレッショルド電流)Ioffは、指数関数的に低下する。ここで、図11において、縦軸に、このオフリーク電流Ioffの対数値を示し、横軸に、ゲート−ソース間電圧Vgsを示す。
【0111】
具体的に、ゲート−ソース間電圧Vgsが、0.1V上昇するごとに、オフリーク電流Ioffは、約1桁低下する。したがって、この非選択ワード線WLを、高電圧VPレベルに維持することにより、非選択メモリセルのゲート−ソース間電圧Vgsは、正にバイアスすることができ、確実に、オフリーク電流Ioffを抑制することができ、ディスターブリフレッシュ特性を大幅に改善することができる。
【0112】
また、選択メモリセルにおいては、そのメモリトランジスタのゲート絶縁膜に、センス電源電圧VCCSに等しい電圧Vbが印加される。この電圧Vbが印加される期間は、このメモリセルが選択されている期間だけであり、時間デューティは小さく、また、センス電源電圧VCCSに対しては耐圧は保証されており、特に問題は生じない。一方、非選択メモリセルにおいては、時間デューティは大きいものの、そのメモリトランジスタのゲート絶縁膜に印加される電圧Vaは、高電圧VPとLレベルのビット線の電圧ZBLL(V)の差であり、Lレベルのビット線を接地電圧レベルに駆動する場合に比べて電圧ZBLL(V)だけ小さくなる。ここで、Lレベルビット線電圧ZBLL(V)は、ビット線分離ゲートのしきい値電圧の絶対値に等しい。したがって、高電圧VPとセンス電源電圧VCCSとの差αが、電圧ZLL(V)と同程度であれば、十分にメモリトランジスタの絶縁耐圧を保証することができる。これにより、非選択メモリセルのゲート絶縁膜の信頼性を保証することができる。
【0113】
このビット線BLに伝達されるLレベルデータの電圧レベルが、接地電圧よりも高くなり、ストレージノードに格納されるLレベルデータの電圧レベルが同様、接地電圧よりも高くなる。しかしながら、ビット線BLLおよびZBLLに、HレベルデータおよびLレベルデータが読出されるため、以下の理由により、十分に、センスアンプに対する電圧差を確保することができる。
【0114】
すなわち、Hレベルデータについては、フルVCCSレベルのデータの書込/読出を行なうことができる。また、Lレベルデータについても、オフリーク電流Ioffが抑制されており、また、接合リーク電流JLについても、このLレベルデータが接地電圧よりも高いため、十分抑制されている。したがって、Lレベルデータを記憶しているメモリセルのストレージノードのデータ保持時における電位の上昇速度は十分緩やかとなる。したがって、Lレベルデータのビット線への読出時におけるLレベルデータ読出電圧もある程度確保することができる。したがって、ディスターブデータ保持特性(ディスターブリフレッシュ特性)は、接地電圧レベルのLレベルデータを書込む場合に比べて若干劣化するものの、ワード線をセンス電源電圧VCCSと接地電圧VSSSの間で変化させる場合に比べて十分に改善することができる。
【0115】
特に、メモリセルトランジスタMTRのゲート絶縁膜に印加される電圧の最大値は、ビット線分離ゲートの転送ゲートPTGのしきい値電圧の絶対値分だけ緩和されている。したがって、このビット線分離ゲートの転送ゲートPTGのしきい値電圧を適当に設定することにより、Va≦VCCSの条件を実現することができ、ゲート絶縁膜の信頼性の問題は生じない。
【0116】
特に、図12に示すように、Lレベルに駆動されるビット線LBLに接続するビット線分離ゲートの転送ゲートPTGは、そのソースがLレベルビット線LBLであり、バックゲート−ソース間が正にバイアスされる。したがって、この転送ゲートPTGのしきい値電圧の絶対値Vthpは、ソースおよびバックゲートが同一電圧のときに比べて大きくなり、図7に示す電圧Vaをセンス電源電圧VCCS以下に設定する条件を満たすことができ易くなる。
【0117】
仮に、オフリーク電流Ioffを十分に抑制するために、このαの設定値が大きくされた場合または、ロジックトランジスタのしきい値電圧の絶対値の設定値が低く、このLレベルビット線LBLの電位VSSS+Vthp=ZBLL(V)が低い場合、条件Va≦VCCSを満足することができなくなることが考えられる。
【0118】
この場合、転送ゲートPTGのウェルバイアス電圧NWV2を適当に設定し、このビット線分離ゲートのトランジスタPTGのしきい値電圧の絶対値を大きくして、Lレベルビット線LBLの電圧レベルを高くして、条件Va≦VCCSを満足する。
【0119】
図13は、この発明に従う半導体記憶装置の内部電圧発生部の構成を概略的に示す図である。図13において、メモリセルアレイMAに対し、行選択回路30が設けられる。この行選択回路30へは、外部電源電圧EXVDから高電圧VPを生成する高電圧発生回路31の生成する高電圧VPが与えられる。メモリセルアレイの図示しないメモリセルの形成領域のウェル領域へは、セルウェルバイアス発生回路32からのNウェルバイアス電圧NWV1が与えられる。このメモリセルアレイMAのビット線分離ゲート形成領域に対しては、ゲートウェルバイアス発生回路33からのNウェルバイアス電圧NWV2が与えられる。またメモリセルアレイMAの周辺回路に含まれるセンスアンプへは、センス電源回路34からのセンス電源電圧VCCが与えられる。メモリセルアレイMAのセルプレート電極線へは、セルプレート電圧発生回路35からのセルプレート電圧VCPが与えられる。回路31−35へは、電源電圧として、外部電源電圧EXVDが与えられる。
【0120】
セルウェルバイアス発生回路32および33は、ウェルバイアス電圧が、アレイ電源電圧VCSS以上であるため、これらのセルウェルバイアス発生回路32および33の各々は、たとえば、チャージポンプ動作を行なって、それぞれウェルバイアス電圧NWV1およびNWV2を生成する。また、このウェルバイアス電圧NWV1およびNWV2が、外部電源電圧EXVDとアレイ電源電圧VCCSの間の電圧レベルのときには、この外部電源電圧EXVDを分圧して、これらウェルバイアス電圧NWV1およびNWV2が生成されてもよい。これらのウェルバイアス電圧NWV1およびNWV2は、同一電圧レベルであってもよくまた互いに異なる電圧レベルであってもよい。これらのウェルバイアス電圧NWV1およびNWV2の電圧レベルが個々に設定されればよい。
【0121】
センス電源回路34は、たとえば降圧回路で構成され、外部電源電圧EXVDを内部で降圧して、センス電源電圧VCCSを生成する。ただし、外部電源電圧EXVDDがセンス電源電圧として使用される場合には、このセンス電源回路34は、例えばローパスフィルタなどのノイズ除去回路で構成される。
【0122】
高電圧発生回路31は、外部電源電圧EXVDに従ってチャージポンプ動作などに基づいて、高電圧VPを生成する。
【0123】
セルプレート電圧発生回路35は、このセルプレート電圧VCPが接地電圧の場合、外部電源電圧EXVDに代えて外部接地電圧EXVSを受けてセルプレート電圧VCPを生成する。このセルプレート電圧VCPが負の電圧レベルのときには、セルプレート電圧発生回路35は、チャージポンプ動作を行なって外部電源電圧EXVDから負のセルプレート電圧VCPを生成する。
【0124】
図14は、図13に示す行選択回路30の1つのワード線に関連する部分の構成を示す図である。このワード線WLは、メインワード線MWLとサブワード線SWLの階層ワード線で構成される。メインワード線は、所定数のサブワード線SWLに対応して配置される。このサブワード線SWLは、1つのメインワード線MWLに、4本設けられてもよく、また8本設けられてもよい。
【0125】
図14において、行選択回路30は、メインワード線アドレス信号Xmwをデコードするメインワード線デコード回路30aと、メインワード線デコード回路30aの出力信号を、高電圧VPレベルの信号にレベル変換してメインワード線MWL上に伝達するバッファ回路30bと、サブワード線アドレス信号Xswをデコードするサブワード線デコード回路30cと、サブワード線デコード回路30cの出力信号を反転しかつレベル変換してサブデコード信号SDを生成するインバータ30dと、高電圧VPを動作電源電圧として受け、レベル変換機能付きインバータ30dの出力信号を反転して補のサブデコード信号ZSDを生成するインバータ回路30eと、メインワード線MWL上の信号に応答してサブデコード信号SDをサブワード線SWLに伝達するNチャネルMOSトランジスタ30fと、メインワード線MWLの信号に応答して高電圧VPをサブワード線SWLに伝達するPチャネルMOSトランジスタ30gと、補のサブデコード信号ZSDに従って高電圧VPをサブワード線SWLに伝達するPチャネルMOSトランジスタ30hを含む。
【0126】
デコード回路30aおよび30cへ与えられるアドレス信号XmwおよびXswは、プリデコード信号であってもよい。
【0127】
メインワード線デコード回路30aは、メインワード線MWLがアドレス指定されたときに、接地電圧レベルの信号を出力し、レベル変換機能付きインバータ回路30bにより、選択メインワード線MWLが、高電圧VPレベルに駆動される。非選択メインワード線MWLは、接地電圧レベルを維持する。
【0128】
サブワード線デコード回路30cは、サブワード線SWLが指定されたときには、Hレベルの信号を出力する。したがって、サブデコード信号SDは、サブワード線SWLが選択されたときには接地電圧レベルとなり、一方、補のサブデコード信号ZSDが、高電圧VPレベルのHレベルとなる。サブワード線SWLの非選択時には、サブデコード信号SDが、高電圧VPレベル、補のサブデコード信号ZSDが接地電圧レベルとなる。
【0129】
図14に示すワード線選択回路の構成において、メインワード線MWLが非選択状態のときには、PチャネルMOSトランジスタ30gがオン状態、MOSトランジスタ30fがオフ状態となり、サブワード線SWLは、MOSトランジスタ30gにより高電圧VPレベルに維持される。
【0130】
一方、メインワード線MWLが選択されると、メインワード線MWLは、高電圧VPレベルに駆動され、MOSトランジスタ30fがオン状態、MOSトランジスタ30gがオフ状態となる。サブデコード信号SDが接地電圧レベルのときには、MOSトランジスタ30fがこの接地電圧レベルのサブデコード信号SDをサブワード線SWL上に伝達し、サブワード線SWLが選択状態とされる。このときは、補のサブデコード信号ZSDは、高電圧VPレベルであり、MOSトランジスタ30hはオフ状態である。
【0131】
このメインワード線MWLの選択時においてサブデコード信号SDが高電圧VPレベルのときには、MOSトランジスタ30fは、サブワード線SWLへ、高電圧VP−Vthnの電圧レベルの信号を伝達する。ここで、Vthnは、MOSトランジスタ30fのしきい値電圧を示す。このときには、サブデコード信号ZSDがLレベルであるため、MOSトランジスタ30hがオン状態となり、サブワード線SWLは、高電圧VPレベルを保持する。
【0132】
したがって、この図14に示すデコード回路およびサブワード線ドライブ回路を利用することにより、サブワード線SWLを選択時には、接地電圧レベルに駆動し、非選択時には、高電圧VPレベルに維持することができる。
【0133】
図15は、セルプレート電極線の配置を概略的に示す図である。図15においては、1つのメモリブロックMBKに対するセルプレート電極線CPの配置を示す。これらのセルプレート電極線CPは、複数のメモリブロックに共通に配設されるメインセルプレート電極線MCPに結合される。セルプレート電極線CPは、メモリブロックMBK内においては行方向に延在して配置される。このメインセルプレート電極線MCPは、セルプレート電圧発生回路35に結合され、このセルプレート電圧発生回路35からのセルプレート電圧VCPを伝達する。
【0134】
このメモリブロックMBKの周辺において、セルプレート電極線CPをメインセルプレート電極線MCPに結合することにより、セルプレート電極線CPをワード線と同一配線層で形成することができる。
【0135】
なお、この図15に示すセルプレート電極線CPの配置において、メインセルプレート電極線MCPは、サブワードドライバ(図14に示すMOSトランジスタ30f−30h)が配置されるサブワードドライバ帯を列方向に延在して配置されてもよい。
【0136】
図16は、ウェルバイアス電圧の伝達経路の一例を概略的に示す図である。図16においては、1つの行ブロックが、複数のサブブロックに分割される。これらのサブブロックは、サブワードドライバ帯SWDBa−SWDBdにより分離される。各サブブロックにおいては、サブワード線が配設されており、各サブワード線に対応のサブブロックのメモリセルが接続される。
【0137】
このサブブロックのメモリセルを形成するために、セルウェル領域11a、11bおよび11cが配設される。これらのセルウェル領域11a−11cは、それぞれ、サブワードドライバ帯SWDBbおよびSWDBcにより分離される。
【0138】
セルウェル領域11a−11cに対応して、分離ゲートを配置するための分離ゲートウェル領域21aa−21acが形成される。これらの分離ゲートウェル領域21aa−21acも、同様、サブワードドライバ帯SWDBbおよびSWDBcにより分離される。
【0139】
分離ゲートウェル領域21aa−21acに隣接して、センスアンプを形成するためのセンスアンプ配置領域44a−44cが配置される。センスアンプは、PチャネルMOSトランジスタで構成されるPセンスアンプと、NチャネルMOSトランジスタで構成されるNセンスアンプとを含む。したがって、このセンスアンプ配置領域44a−44cには、それぞれPチャネルMOSトランジスタを配置するための領域と、NチャネルMOSトランジスタを配置するための領域とが設けられる。このセンスアンプ配置領域44a−44cは、したがってトリプルウェル構造が形成されてもよく、またツインウェル構造が用いられてもよい。
【0140】
センスアンプ配置領域44a−44cに隣接して、別のメモリブロックに対して配置される分離ゲートを形成するための分離ゲートウェル領域21ba−21bcが配置される。
【0141】
セルウェルバイアス発生回路32からのウェルバイアス電圧NWV1は、サブワードドライバ帯SWDBbおよびSWDBdに配設されるセルウェルバイアス電圧伝達線42aおよび42bを介して伝達される。このセルウェルバイアス電圧伝達線42aおよび42bは、たとえば第2メタル配線で形成され、列方向に延在して配置される。セルウェルバイアス電圧伝達線42aは、取出配線43aにより、セルウェル領域11aおよび11bに結合され、セルウェルバイアス電圧伝達線42bは、取出配線43bを介してセルウェル領域11cに結合される。これらの取出配線43aおよび43bは、中間配線およびコンタクトを含み、このウェルバイアス電圧伝達線42aおよび42bを、ウェル領域11a−11cに電気的に接続する。
【0142】
ゲートウェルバイアス発生回路33からのゲートウェルバイアス電圧NWV2は、サブワードドライバ帯SWDBaおよびSWDBcを列方向に延在するゲートウェルバイアス電圧伝達線40aおよび40bにより伝達される。このゲートウェルバイアス電圧伝達線40aは取出配線41aおよび41bにより、分離ゲートウェル領域21aaおよび21baに結合され、ゲートウェルバイアス電圧伝達線40bは、取出配線41cにより分離ゲートウェル領域21abおよび21acに接続され、かつ取出配線41dにより、分離ゲートウェル領域21bbおよび21bcに結合される。
【0143】
なお、図16に示す配置において、分離ゲートウェル領域は、行方向に連続的に延在して配置されてもよい。また、バイアス電圧伝達線40a、40b、42aおよび42bは、また、このセンスアンプ帯を行方向に延在する電圧伝達線によりそれぞれ相互結合されて電源強化が図られてもよい。
【0144】
この分離ゲートウェル領域21aa−21acが、行方向に連続的に延在し(図16に破線で示す)また分離ゲートウェル領域21ba−21bcが、行方向に連続的に延在して配置される場合、このサブワードドライバ帯において、ウェルバイアス電圧伝達線40aおよび40bがウェル領域に電気的に接続される。
【0145】
図17は、ビット線分離信号およびセンスアンプ活性化信号を発生する部分の構成の一例を示す図である。図17においては、ビット線分離回路BIKLおよびBIKRとセンスアンプ帯SABに対して配置される制御信号発生部の構成を示す。ビット線分離回路BIKLは、導通時センスアンプ帯SABをメモリブロックMBKLに接続し、ビット線分離回路BIKRは、導通時、センスアンプ帯SABをメモリブロックMBKRに接続する。
【0146】
ビット線分離回路BIKLに対しては、アレイ活性化信号RACTとメモリブロック選択信号BSRを受けるNAND回路50と、NAND回路50の出力信号のレベル変換を行なってビット線分離指示信号BLILを生成するレベルシフト回路51が設けられる。アレイ活性化信号RACTは、行選択動作を活性化する信号であり、この半導体記憶装置において行選択が行なわれている期間中(アレイ活性化期間中)活性状態に維持される。
【0147】
ブロック選択信号BSRはメモリブロックMBKRが選択されたときに活性状態のHレベルとなる。レベルシフト回路51は、NAND回路50の出力信号がLレベルのときに、このビット線分離指示信号BLILを高電圧VPレベルに変換する。周辺回路のトランジスタが、ロジックトランジスタで構成されるため、動作電源電圧としては、センス電源電圧と同一電圧レベルの電圧がその動作電源電圧として用いられてもよく、また、高速動作性のためにセンス電源電圧と電圧レベルの異なる周辺回路用の電源電圧が動作電源電圧として用いられてもよい。
【0148】
センスアンプ帯SABに対しては、ブロック選択信号BSRおよびBSLを受けるOR回路52と、メインセンスアンプ活性化信号MSOPとOR回路52の出力信号とを受けてセンスアンプ活性化信号SOPを生成するNAND回路53と、OR回路52の出力信号とメインセンスアンプ活性化信号MSONを受けてセンスアンプ活性化信号SONを生成するAND回路が設けられる。センスアンプ帯SABに対しては、センス電源電圧VCCSおよびセンス接地電圧VSSSが伝達される。センスアンプ活性化信号SOPおよびSONは、それぞれ、振幅は、センス電源電圧VCCSレベルである。しかしながら、これらのセンスアンプ活性化信号SOPおよびSONの振幅は、センス電源電圧と電圧レベルの異なる周辺電源電圧VCCレベルであってもよい。
【0149】
このセンスアンプ帯SABに対してセンス電源電圧VCCSおよびセンス接地電圧VSSSを伝達するセンス電源線およびセンス接地線の配置としては、通常の、メッシュ状に電圧伝達線が配置されるメッシュ状センス電源配置が用いられればよい。
【0150】
ブロック選択信号BSLは、メモリブロックMBKLが選択されたときにLレベルの活性状態となる。メインセンスアンプ活性化信号MSOPおよびMSONは、ともに活性化時Hレベルである。センスアンプ活性化信号SOPは、活性化時Lレベルであり、センスアンプ活性化信号SONは、活性化時Hレベルである。
【0151】
ブロック選択信号BSLおよびBSRは、アドレス信号に含まれるブロックアドレス信号をデコードして生成される。
【0152】
ビット線分離回路BIKRに対しては、ブロック選択信号BSLとアレイ活性化信号RACTを受けるNAND回路55と、NAND回路55の出力信号のレベル変換を行なってビット線分離指示信号BLIRを生成するレベルシフト回路56が設けられる。このレベルシフト回路56は、NAND回路55の出力信号のHレベルを、高電圧VPレベルの信号に変換する。
【0153】
この図17に示す構成において、スタンバイ状態時においては、アレイ活性化信号RACTはLレベルであり、AND回路50および55の出力信号はLレベルである。したがって、レベルシフト回路51および56からのビット線分離指示信号BLILおよびBLIRはそれぞれ、Lレベルであり、ビット線分離回路BIKLおよびBIKRは、導通状態にある。したがって、センスアンプ帯SABは、メモリブロックMBKLおよびMBKRに接続される。メインセンスアンプ活性化信号MSOPおよびMSONはともに非活性状態であり、NAND回路53の出力するセンスアンプ活性化信号SOPがHレベル、AND回路54の出力するセンスアンプ活性化信号SONがLレベルであり、センスアンプ帯SABのセンスアンプは非活性状態を維持する。
【0154】
メモリセルを選択するメモリサイクルが始まると、アレイ活性化信号RACTがHレベルに立上がり、AND回路50および55がバッファ回路として動作する。メモリブロックMBKLが選択されたときには、ブロック選択信号BSLがHレベルとなり、一方、ブロック選択信号BSRはLレベルを維持する。したがって、AND回路50の出力信号はLレベルであり、レベルシフト回路51からのビット線分離指示信号BILは、接地電圧レベルのLレベルであり、ビット線分離回路BIKLは導通状態を維持し、センスアンプ帯SABがメモリブロックMBKLに接続される。
【0155】
一方、AND回路55は、ブロック選択信号BSLおよびアレイ活性化信号RACTがともにHレベルとなると、Hレベルの信号を出力する。応じて、レベルシフト回路56の出力するビット線分離指示信号BLIRが、高電圧VPレベルとなり、ビット線分離回路BIKRが非導通状態となり、センスアンプ帯SABがメモリブロックMBKRから分離される。
【0156】
メモリブロックMBKLにおいてメモリセルが選択され、ツインセルユニットのデータがビット線対上に読出されると、メインセンスアンプ活性化信号MSONおよびMSOPがHレベルへ駆動される。ブロック選択信号BSLがHレベルであるため、OR回路52の出力信号はHレベルであり、メインセンスアンプ活性化信号MSOPがHレベルとなると、NAND回路53からのセンスアンプ活性化信号SOPがLレベルとなる。一方、AND回路54は、このメインセンスアンプ活性化信号MSONの立上がりに応答してセンスアンプ活性化信号SONをHレベルに駆動する。応じて、センスアンプ帯SABのセンスアンプが活性化され、メモリブロックMBKLの選択メモリセルのデータの検知、増幅およびラッチを行なう。
【0157】
この後、図示しない列系回路により列選択動作が行なわれ、センスアンプ帯SABにおいて選択列に対応して配置されたセンスアンプに対するデータの書込/読出が実行される。
【0158】
メモリサイクルが完了すると、アレイ活性化信号RACTがLレベルとなり、またメインセンスアンプ活性化信号MSOPおよびMSONがLレベルとなる。これにより、メモリブロックMBKLにおいて選択ワード線が非選択状態となり、またセンスアンプ帯SABのセンスアンプが非活性化される。さらに、ビット線分離指示信号BLIRがLレベルとなり、ビット線分離回路BIKRが導通し、メモリブロックMBKRがセンスアンプ帯SABに接続される。この後、図示しないビット線プリチャージ/イコライズ回路により、メモリブロックMBKLおよびMBKRのビット線のプリチャージ/イコライズ動作が実行される。
【0159】
なお、ビット線プリチャージ/イコライズ回路はメモリブロックMBKLおよびMBKRそれぞれにおいてビット線分離回路BIKLおよびBIKRに隣接して配置され、それぞれブロック選択信号に従って活性/非活性化される。
【0160】
図18は、図17に示すセンスアンプ帯SABに含まれるセンスアンプSAの構成の一例を示す図である。図18において、センスアンプSAは、センスアンプ活性化トランジスタ60を介してセンス電源線58に電気的に結合され、またセンスアンプ活性化トランジスタ62を介してセンス接地線59に接続される。これらのセンス電源線58およびセンス接地線59は、センスアンプ帯SABにおいて行方向に連続して延在して配置される。
【0161】
センスアンプ活性化トランジスタ60および62の組は、所定数のセンスアンプSAに対して設けられる。このセンスアンプ活性化トランジスタ60および62は、たとえばサブワードドライバ帯において配置される。センスアンプ活性化信号60は、センスアンプ活性化信号SOPの活性化時(Lレベルのとき)導通し、センス電源線58上のセンス電源電圧VCCSを、センス電源ノード67aに伝達する。センスアンプ活性化トランジスタ62は、センスアンプ活性化信号SONの活性化時導通し、導通時、センス接地線59の接地電圧VSSSをセンス接地ノード67bに伝達する。
【0162】
センスアンプSAは、センス電源ノード67aと共通ビット線CBLの間に接続されかつそのゲートが共通ビット線ZCBLに接続されるPチャネルMOSトランジスタ63と、センス電源ノード67aと共通ビット線ZCBLの間に接続されかつそのゲートが共通ビット線CBLに接続されるPチャネルMOSトランジスタ64と、センス接地ノード67bと共通ビット線CBLの間に接続されかつそのゲートが共通ビット線ZCBLに接続されるNチャネルMOSトランジスタ65と、センススイッチノード67bと共通ビット線ZCBLの間に接続されかつそのゲートが共通ビット線CBLに接続されるNチャネルMOSトランジスタ66を含む。
【0163】
共通ビット線CBLおよびZCBLは、ビット線分離回路BIKLおよびBIKRに含まれる分離ゲートに接続される。
【0164】
このセンスアンプSAは、交差結合されたPチャネルMOSトランジスタ63および64より、共通ビット線CBLおよびZCBLの高電位の共通ビット線電位をセンス電源電圧VCCSレベルに駆動する。また、交差結合されたNチャネルMOSトランジスタ65および66により、共通ビット線CBLおよびZCBLの低電位の共通ビット線が接地電圧レベルに駆動する。
【0165】
センスアンプSAは、MOSトランジスタ63および65で第1のインバータを形成し、MOSトランジスタ64および66で第2のインバータを構成する。これらの第1および第2のインバータの入力および出力が交差結合されて、インバータラッチが形成される。したがって、センスアンプSAは、センスおよび増幅動作完了後、この共通ビット線CBLおよびZCBLの電圧を、読出されたデータに応じて、センス電源電圧VCCSおよびセンス接地電圧VSSSレベルにラッチする。
【0166】
このセンス接地電圧VSSSは、ビット線分離指示信号BLILおよびBLIRのLレベルの電圧レベルと同じ電圧レベルである。したがって、共通ビット線CBLおよびZCBLとメモリブロックMBKLまたはMBKR内のビット線BLおよびZBLLの間には、Lレベルデータについて、この分離ゲートのPチャネルMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値の電圧差が生じる。
【0167】
しきい値電圧による電圧シフトを利用して、負電圧ワード線方式の非選択メモリセルトランジスタのゲート絶縁膜に印加される電圧を緩和する。
【0168】
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、メモリセルキャパシタをプレーナ型構造として、キャパシタ段差を低減しているため、ロジックトランジスタと同一製造工程でメモリセルを製造することができ、製造コストを低減することができる。
【0169】
また、2ビットのメモリセルにより1ビットのデータを記憶する1ビット/2セルモードで動作させることにより、このプレーナ型キャパシタの容量値の低減を補償して十分な大きさの読出電圧差をビット線間に生じさせることができ、データ保持特性を保証することができる。
【0170】
また、ワード線非昇圧方式と負電圧ワード線方式とを組合せて利用しており、ディスターブリフレッシュ特性を非選択メモリセルの絶縁特性を劣化させることなく改善することができる。また、センスアンプとビット線との間のビット線分離ゲートによるしきい値電圧損失を利用して、ビット線の電圧レベルとセンスアンプのラッチデータの電圧レベルとの間にしきい値電圧のシフトを生じさせており、非選択メモリセルのゲート絶縁膜に印加される電圧をさらに緩和することができ、メモリセルトランジスタのゲート絶縁膜の絶縁特性の信頼性を保証することができる。
【0171】
なお、ビット線分離指示信号の振幅は、ワード線の電圧振幅と同じである。行選択回路に与えられる高電圧を利用してビット線分離指示信号を生成することができる。この場合、ビット線分離指示信号発生回路と行選択回路とを共通のウェル領域内に形成することができる。しかしながら、ビット線分離指示信号は、Lレベルが接地電圧であればよいため、Hレベルがセンス電源電圧レベルであっても、確実に非選択メモリブロックとをセンスアンプ帯から分離することができる。
【0172】
[実施の形態2]
図19は、この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置の要部の構成を示す図である。図19においては、メモリセルに関連する部分の構成を示す。図19において、メモリブロックMBKLにおいてワード線WL0とビット線BLLおよびZBLLとの交差部に対応してツインセルユニットTMU0が配置され、ワード線WL1とビット線BLLおよびZBLLとの交差部に対応してツインセルユニットTMU1が配置される。
【0173】
これらのツインセルユニットTMU0およびTMU1の各々は、メモリトランジスタMRNが、NチャネルMOSトランジスタで構成される。メモリセルユニットTMU0およびTMU1の各々は、2ビットのDRAMセルを有する。これらのツインセルユニットTMU0およびTMU1を構成するメモリセルのレイアウトは、図4に示すメモリセルMCのレイアウトと同様である。
【0174】
このメモリセルユニットTMU0およびTMU1が、メモリトランジスタMRNとして、NチャネルMOSトランジスタを含むため、このメモリブロックMBKLは、Pウェルに形成される。メモリブロックMBKLのPウェル領域には、通常、負電圧レベルのウェルバイアス電圧PWV1が与えられる。
【0175】
ツインセルセルユニットTMU0およびTMU1に含まれるメモリセルキャパシタMQへ与えられるセルプレート電圧VCPは、メモリセルキャパシタが、ロジックトランジスタと同程度の絶縁膜膜厚を有しているため、センス電源電圧レベルに設定される。
【0176】
ビット線BLLおよびZBLLは、ビット線分離ゲートBIGLNを介して共通ビット線CBLおよびZCBLに接続される。このビット線分離ゲートBIGLNは、NチャネルMOSトランジスタで構成される転送ゲートNTGを含む。このビット線分離ゲートBIGLNは、メモリブロックMBKLを構成するP型ウェル領域と別に形成されるPウェル領域に形成され、これらの転送ゲート(MOSトランジスタ)NTGのバックゲートへは、バイアス電圧PWV2が与えられる。
【0177】
共通ビット線CBLおよびZCBLは、センスアンプSAが接続される。共通ビット線CBLおよびZCBLは、また、ビット線分離ゲートBIGRNを介して、メモリブロックMBKRに配置されるビット線BLRおよびZBLRに接続される。このビット線分離ゲートBIGRNも、同様NチャネルMOSトランジスタで構成される転送ゲートNTGを含み、これらのMOSトランジスタ(転送ゲート)NTGのバックゲートへは、バイアス電圧PWV2が与えられる。このビット線分離ゲートBIGRNが形成されるP型ウェル領域は、メモリブロックMBKRのPウェル領域と別に設けられる。
【0178】
図20は、この図19に示す半導体記憶装置の動作を示す信号波形図である。以下、図20を参照して、図19に示す装置の動作について説明する。
【0179】
スタンバイ状態時においては、ビット線分離指示信号BLILおよびBLIRは、センス電源電圧VCCSレベルであり、ビット線分離ゲートBIGLNおよびBLIRはともに導通状態にあり、共通ビット線CBLおよびZCBLが、それぞれ、ビット線BLL,BLRおよびZBLLおよびZBLRに電気的に接続される。この状態で、これらのビット線は、図示しないビット線プリチャージ/イコライズ回路により、中間電圧(VCCS/2)の電圧レベルに維持される。
【0180】
また、ワード線WL(WL0,WL1)は、スタンバイ状態時においては、負電圧Vbbレベルに維持される。メモリサイクルが始まると、与えられたアドレス信号に従って、まず、ブロック選択および行選択動作が行なわれる。今、メモリブロックMBKLにおいてワード線WL0が選択された状態を考える。この状態において、ビット線分離指示信号BLIRが、接地電圧VSSレベルに低下し、ビット線分離ゲートBIGRNが、非導通状態となり、ビット線BLRおよびZBLRが、共通ビット線CBLおよびZCBLから分離される。一方、ビット線分離指示信号BLILは、センス電源電圧VCCSレベルを維持する。
【0181】
次いで、選択ワード線WL(WL0)の電圧レベルが、負電圧Vbbから、センス電源電圧VCCSレベルにまで上昇する。これにより、ツインセルユニットTMU0に格納された相補データが、ビット線BLLおよびZBLL上に伝達される。このビット線BLLおよびZBLLの電圧差Δblが十分な大きさになると、センスアンプSAが活性化され、センスアンプSAのセンスおよび増幅動作により、ビット線BLLおよびZBLの電圧レベルが変化する。
【0182】
このセンス動作が完了すると、所定のタイミングで、列選択が行なわれ、選択列へのデータ書込が行なわれる(この回路は示さず)。これにより、センスアンプSAのラッチデータが書込データに応じた電圧レベルに変化する。今、Hレベルデータが書込まれた場合を考える。この場合、ビット線分離ゲートBIGLNにおいて、転送ゲートNTGは、ゲートにセンス電源電圧VCCSレベルの信号を受けており、Lレベルのデータは、ビット線ZBLL上に伝達される。一方、センス電源電圧VCCSレベルのHレベルのデータは、この転送ゲート(MOSトランジスタ)NTGのしきい値電圧損失を受け、その電圧レベルは、センス電源電圧VCCSよりも転送ゲート(MOSトランジスタ)NTGのしきい値電圧分低下する。Hレベルのビット線電位が上昇すると、この転送ゲート(MOSトランジスタ)NTGのゲート−ソース間電圧差が小さくなり、転送ゲートのオン抵抗が大きくなるため、ビット線BLLの電圧レベルは、緩やかに変化する。
【0183】
メモリサイクルが完了すると、選択ワード線WL(WL0)が、非選択状態の負電圧Vbbレベルに駆動され、またビット線分離指示信号BLIRが、負電圧Vbbから、センス電源電圧VCCSレベルにまで上昇する。
【0184】
また、図示しないビット線プリチャージ/イコライズ回路が活性化され、このビット線BLLおよびZBLLが、中間電圧レベルに駆動される。
【0185】
この図20に示すように、メモリセルトランジスタがNチャネルMOSトランジスタで構成される場合においては、負電圧ワード線方式に従って、非選択ワード線WLを負電圧Vbbレベルに設定する。これにより、スタンバイ状態時において、メモリセルトランジスタを深いオフ状態に設定し、オフリーク電流が生じるのを防止し、ポーズリフレッシュ特性を改善する。
【0186】
また、ワード線選択時またはセンス動作時に容量結合により、非選択ワード線の電圧レベルが上昇しても、非選択ワード線は負電圧レベルであり、この非選択メモリセルトランジスタは、ゲート−ソース間は、順バイアス状態とならないため、その影響を受けることはなく、安定にデータを記憶することができる。
【0187】
また、センス動作完了時において、非選択メモリセルトランジスタMRNにおいては、Lレベルのビット線に接続されている場合においても、ゲート−ソース間電圧は、負電圧レベルであり、逆バイアス状態であり、オフリーク電流を十分に抑制することができ、ディスターブリフレッシュ特性を改善することができる。
【0188】
この場合、選択メモリセルにおいては、ゲート−ソース間電圧は、最大、センス電源電圧VCCSレベルであり、そのゲート絶縁膜の耐圧特性は十分に保証される。また、非選択メモリセルにおいても、そのゲート−ソース間電圧Vuは、最大、BLL(V)−Vbbである。ここで、BLL(V)は、ビット線BLLのHレベルデータ伝達時の電圧を示す。
【0189】
したがって、この非選択メモリセルにおいてもトランジスタのゲート−ソース間電圧は、VCCS−VbbからバックゲートのMOSトランジスタのしきい値電圧Vthnだけ低下しており、この分離ゲートのMOSトランジスタNTGのしきい値電圧を調節することにより、電圧Vuを、センス電源電圧VCCS以下に設定することができ、同様、ゲート絶縁膜の耐圧特性を保証することができる。
【0190】
また。Hレベルデータを伝達する分離ゲートのMOSトランジスタは、ビット線の電圧レベルが上昇しても、そのバックゲートがソースに対して負にバイアスされるため、しきい値電圧を大きくすることができ、電圧Vuがセンス電源電圧VCCS以下となる条件を容易に満たすことができる。
【0191】
特に、この分離ゲートBIGLLおよびBIGRNを、メモリブロックのPウェル領域外に形成することにより、このウェルバイアス電圧VWV2の電圧レベルを調整することにより、分離ゲートのMOSトランジスタNTGのしきい値電圧を調整して、この電圧Vuを、センス電源電圧VCCS以下に設定することができる。
【0192】
したがって、メモリセルに、NチャネルMOSトランジスタを用い、かつ分離ゲートにNチャネルMOSトランジスタを用いて、負電圧、非昇圧ワード線方式を適用した場合においても、同様、このメモリセルトランジスタのゲート絶縁膜の耐圧特性は十分に保証することができ、ゲート絶縁膜の信頼性を損なうことなくデータ保持特性の優れた半導体記憶装置を実現することができる。
【0193】
図21は、この発明の実施の形態2におけるビット線分離に関連する制御信号を発生する部分の構成を概略的に示す図である。図21において、メモリブロックMBKLに対して、ビット線分離回路BIKLNが配置され、メモリブロックMBKRに対してビット線分離回路BIKRNが配置される。これらのビット線分離回路BIKLNおよびBIKRNは、それぞれNチャネルMOSトランジスタで構成される。またメモリブロックMBKLおよびMBKRにおいても、メモリセルトランジスタは、NチャネルMOSトランジスタで構成される。
【0194】
このビット線分離回路BIKLNに対して、アレイ活性化信号RACTとブロック選択信号BSRを受けるNAND回路70と、NAND回路70の出力信号をレベル変換して、ビット線分離指示信号BLILを生成するレベルシフト回路72とが設けられる。このレベルシフト回路72は、周辺電源電圧レベルの信号をアレイ電源電圧(センス電源電圧)VCCSレベルの信号に変換する。
【0195】
センスアンプ帯SABに対しては、先の図17に示す構成と同様、ブロック選択信号BSRおよびBSLを受けるOR回路52と、メインセンスアンプ活性化信号MSOPとOR回路52の出力信号を受けるセンスアンプ活性化信号SOPを生成するNAND回路53と、OR回路52の出力信号と、メインセンスアンプ活性化信号MSONとを受けてセンスアンプ活性化信号SONを生成するAND回路54が設けられる。
【0196】
ビット線分離回路BIKRNに対しては、ブロック選択信号BSLとアレイ活性化信号RACTを受けるNAND回路74と、NAND回路74の出力信号をレベル変換してビット線分離指示信号BLIRを生成するレベルシフト回路76が設けられる。このレベルシフト回路76は、NAND回路74の出力するHレベル(周辺電源電圧レベル)の信号をアレイ電源電圧VCCSレベルの信号に変換する。
【0197】
この図21に示す構成において、ブロック選択信号BSRおよびBSLは、ブロックアドレス信号に従って生成され、それぞれメモリブロックMBKRおよびMBKLが選択されたときにHレベルとなる。メモリブロックMBKLが選択されたときには、ブロック選択信号BSLがHレベルとなり、NAND回路74の出力信号がLレベルとなり、レベルシフト回路76からのビット線分離指示信号BLIRが、接地電圧となる。応じて、ビット線分離回路BIKRNが非導通状態となり、メモリブロックMBKRが、センスアンプ帯SABから分離される。一方、ブロック選択信号BSRはLレベルを維持するため、NAND回路70の出力信号がHレベルであり、レベルシフト回路72からのビット線分離指示信号BLILは、センス電源電圧VCCSレベルを維持する。これにより、メモリブロックMBKLとセンスアンプ帯SABとは、ビット線分離回路BIKLNを介して接続される。
【0198】
スタンバイ状態時においては、アレイ活性化信号RACTがLレベルであり、NAND回路70および74の出力信号がHレベルとなり、ビット線分離指示信号BLILおよびBLIRがともにセンス電源電圧VCCSレベルである。
【0199】
図22は、この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置における行選択回路の構成の一例を示す図である。この実施の形態2においても、ワード線は階層ワード線構成を有し、メインワード線とサブワード線とを有する。個の階層ワード線構成としては、1つのメインワード線に対して4本のサブワード線が配置される4ウェイ階層ワード線構成および1本のメインワード線に対して8本のサブワード線が配置される8ウェイ階層ワード線のいずれが用いられてもよい。
【0200】
図22において、行選択回路は、メインワード線アドレス信号XmwをデコードするAND型デコード回路80と、AND型デコード回路80の出力信号を反転しかつレベル変換を行なうレベル変換機能付きインバータ回路81と、サブワード線アドレス信号XswをデコードするNAND型デコード回路82と、NAND型デコード回路82の出力信号を反転しかつレベル変換を行なうレベル変換機能付きインバータ回路83と、インバータ回路83の出力信号を反転するインバータ回路84を含む。
【0201】
レベル変換機能付きインバータ回路81は、AND型デコード回路80の出力信号をセンス電源電圧VCCSと負電圧Vbbの間で変化する信号に変換する。レベル変換機能付きインバータ回路81により、メインワード線ZMWLが駆動される。AND型デコード回路80は、メインワード線アドレス信号Xmwが所定の状態のとき、すなわちメインワード線ZMWLが選択されたときに、Hレベルの信号を出力する。レベル変換機能付きインバータ回路81は、このHレベルの信号を、負電圧Vbbレベルの信号に変換して、メインワード線ZMWL上に伝達する。したがって、メインワード線ZMWLは、選択時、負電圧Vbbレベルである。
【0202】
非選択時においては、AND型デコード回路80の出力信号はLレベルであり、レベル変換機能付きインバータ回路81の出力信号がセンス電源電圧VCCSレベルとなり、メインワード線ZMWLは、センス電源電圧VCCSレベルに維持される。
【0203】
一方、NAND型デコード回路82は、サブワード線アドレス信号Xswが選択状態のときにLレベルの信号を出力する。レベル変換機能付きインバータ回路83は、このNAND型デコード回路82の出力信号を反転する。したがって、このレベル変換機能付きインバータ回路83から出力されるサブデコード信号SDは、選択状態のときには、センス電源電圧VCCSレベル、非選択時においては負電圧Vbbレベルである。インバータ回路84は、単にこのレベル変換機能付きインバータ回路83の出力信号を反転する。したがって、このインバータ回路84からの補のサブデコード信号ZSDは、選択時負電圧レベルのLレベル、非選択時センス電源電圧レベルのHレベルとなる。
【0204】
この行選択回路は、さらに、メインワード線ZMWL上の信号に応答して選択的に導通し、導通時、サブデコード信号SDをサブワード線SWLに伝達するPチャネルMOSトランジスタ85と、メインワード線ZMWL上の信号がHレベルのとき導通し、導通時サブワード線SWLに負電圧Vbbを伝達するNチャネルMOSトランジスタ86と、補のサブデコード信号ZSDに従って選択的に導通し、導通時サブワード線SWLに負電圧Vbbを伝達するNチャネルMOSトランジスタ87を含む。
【0205】
このMOSトランジスタ85−87により、サブワードドライバが構成され、このサブワードドライバが、サブワードドライバ帯において、各サブワード線に対応して配置される。
【0206】
メインワード線ZMWLが選択状態の負電圧Vbbレベルのときには、MOSトランジスタ86が非導通状態になり、サブデコード信号SDがHレベル(VCCSレベル)のときには、MOSトランジスタ85が導通し、サブデコード信号SDがサブワード線SWLに伝達される。したがって、選択状態のサブワード線SWLは、センス電源電圧VCCSレベルである。この状態において、補のサブデコード信号ZSDは、負電圧Vbbレベルであり、MOSトランジスタ87はオフ状態である。
【0207】
一方、このメインワード線MWLが、負電圧レベルのLレベルのときに、サブデコード信号SDが負電圧Vbbレベルのときには、MOSトランジスタ85はオフ状態となる。この状態においては、補のサブデコード信号ZSDがHレベルであり、MOSトランジスタ87が導通し、サブワード線SWLは、負電圧Vbbレベルに維持される。
【0208】
メインワード線ZMWLが、Hレベルのときには、MOSトランジスタ86が導通し、サブワード線SWLは、サブデコード信号SDの電圧レベルに係らず、負電圧Vbbレベルを維持する。
【0209】
階層ワード線構成において、レベル変換回路を利用することにより、選択サブワード線SWLを、センス電源電圧VCCSと負電圧Vbbの間で駆動することができる。
【0210】
なお、上述の構成において、ビット線分離指示信号BILおよびBLIRは、そのLレベルが接地電圧レベルに設定されている。近傍に配置されるワード線ドライバまたは行選択回路に与えられる負電圧を利用することにより、容易に、このビット線分離指示信号BLILおよびBLIRを負電圧Vbbレベルに設定することができる。したがって、NチャネルMOSトランジスタでビット線分離ゲートが構成される場合、これらのビット線分離指示信号BLILおよびBLIRのLレベルは、接地電圧レベルではなく、負電圧Vbbレベルであってもよい。
【0211】
また、メモリブロックMBKL、ビット線分離回路BIKLN、センスアンプ帯SAB、ビット線分離回路BIKRNおよびメモリブロックMBKRへ、各ウェル電圧およびセルプレート電圧およびセンス電源電圧VCCSを伝達する経路としては、図15または図16に示す構成と同様の構成を利用することができる。ウェルバイアス電圧の電圧極性を反転させることにより、この発明の実施の形態2におけるウェルバイアス電圧PWV1およびPWV2を得ることができる。
【0212】
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、メモリセルトランジスタおよびビット線分離ゲートにNチャネルMOSトランジスタを用い、負電圧ワード線方式に従って選択ワード線を駆動する場合において、ビット線分離ゲートにおいてしきい値電圧損失を生じさせることにより、非選択メモリセルおよび選択メモリセルにおいてメモリセルトランジスタのデータ保持特性を損なうことなくメモリトランジスタの絶縁耐圧特性を保証することができ、データ保持特性に優れた信頼性の高い半導体記憶装置を実現することができる。
【0213】
[その他の構成]
上述の構成においては、活性領域は、行および列方向に整列して配置されている。しかしながら、1列に整列して配置される活性領域に対して、2本のビット線が配置され、活性領域が、交互に2本のビット線に接続される構成であっても、ワード線を2本同時に選択することにより、ツインセルモードでデータのアクセスを行なうことができ、同様の効果を得ることができる。また、メモリセルの配置はそれに限定されず、対をなすビット線に常に相補データが読出される配置であれば、本発明は適用可能である。
【0214】
【発明の効果】
以上のように、この発明に従えば、メモリブロックとビット線分離ゲートとを別ウェルに形成し、ワード線を負電圧非昇圧ワード線方式に従って駆動しかつ導通状態のビット線分離ゲートへ、センスアンプの両動作電源電圧の一方の電圧レベルを制御信号として与えており、このビット線分離ゲートのしきい値電圧損失を利用して、選択メモリセルおよび非選択メモリセルのトランジスタのゲート絶縁膜に印加される電圧を緩和することができ、データ保持特性に優れたゲート絶縁膜の信頼性の高い半導体記憶装置を実現することができる。
【0215】
また、このメモリセルが、2ビットのメモリセルが1ビットのデータを記憶するツインセルユニットを構成するように配置して、2ビットのメモリセルが同時に対応のビット線対の各ビット線にデータを読出すようにされており、ビット線分離ゲートのしきい値電圧損失による記憶電圧振幅が低減される場合においても、確実に十分な大きさの電圧差をビット線間に生じさせることができ、安定にセンス動作を行なうことができる。
【0216】
また、メモリセルをPチャネルMOSトランジスタで構成し、選択ワード線にローレベル電源電圧を伝達し、非選択ワード線にハイレベル電源電圧よりも高い電圧を伝達することにより、メモリセルがPチャネルMOSトランジスタで構成される場合においても、負電圧/非昇圧ワード線駆動方式でワード線を駆動することができる。
【0217】
また、分離ゲートをPチャネルMOSトランジスタで構成し、ビット線分離ゲートに対しては、このワード線の与えられる電圧レベルの制御信号を与えることにより、ビット線分離ゲートとメモリアレイ領域との間のPNウェル分離を行なうための領域が不要となり、占有面積を低減することができ、また、駆動回路に与えられる動作電源電圧を用いてビット線分離制御信号を生成することができる。
【0218】
また、メモリセルトランジスタがNチャネルトランジスタで構成され、選択ワード線にハイレベル電源電圧を伝達し、非選択ワード線に、ローレベル電源電圧よりも低い非選択電圧を伝達することにより、このNチャネルトランジスタを用いたメモリセルにおいても、容易に、負電圧/非昇圧ワード線駆動方式でワード線を駆動することができる。
【0219】
また分離ゲートをNチャネルMOSトランジスタで構成することにより、このメモリブロックとビット線分離ゲートの間のウェルを分離するためのウェル分離領域が不要となり、アレイ占有面積の増大を抑制することができる。また、このビット線分離制御信号としてワード線駆動電圧と同一の電圧レベルの信号を利用することにより、ワード線駆動回路に与えられる動作電源電圧を用いてビット線分離制御信号を生成することができ、電源配置が簡略化される。
【0220】
また、この半導体記憶装置がロジックと同一半導体基板上に混載される場合、メモリセルをロジックトランジスタと同一の絶縁膜膜厚を有するメモリセルトランジスタおよびメモリセルキャパシタで構成することにより、このメモリセルとロジックトランジスタとを同一製造プロセスで製造することができ、製造工程数を低減でき、応じてコストを低減することができる。
【0221】
また、メモリトランジスタをキャパシタ電極と同一製造工程で形成することにより、容易に、キャパシタの段差をなくすための工程が不要となり、製造工程数を低減することができる。
【0222】
また、メモリセルが形成されるウェル領域とビット線分離ゲートが形成されるウェル領域に別々にバイアス電圧を印加する回路を配置することにより、このビット線の振幅を、分離ゲートのしきい値電圧調整により、最適値に容易に調整することができる。
【0223】
また、2ビットのメモリセルを形成する活性領域を行列状に整列して配置し、行方向において隣接する2ビットのメモリセルにより1ビットのデータを記憶するツインセルユニットを構成し、1つのワード線を選択することにより、各活性領域列に対応してビット線を配置するだけでよく、センスアンプのピッチを緩和することができ、余裕を持ってセンスアンプ配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置を含む半導体集積回路装置の全体の構成を概略的に示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置のアレイ部の構成を概略的に示す図である。
【図3】 図2に示すブロック間周辺回路の構成を具体的に示す図である。
【図4】 図3に示すメモリブロックおよびブロック間周辺回路の構成をより詳細に示す図である。
【図5】 図4に示すメモリセルの断面構造を概略的に示す図である。
【図6】 図4に示すビット線分離ゲートのトランジスタの断面構造を概略的に示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置のデータ書込時の動作を示す信号波形図である。
【図8】 この発明の実施の形態1における半導体記憶装置のメモリセルのLレベルデータ記憶セルのリーク電流経路を概略的に示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態1における半導体記憶装置のメモリセルのHレベルデータ記憶セルのリーク電流経路を概略的に示す図である。
【図10】 ストレージノード電位とリーク電流の関係を示す図である。
【図11】 メモリセルトランジスタのサブスレッショルド特性を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態1における非選択メモリセルおよびビット線分離ゲートの印加電圧を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置の内部電圧発生回路を概略的に示す図である。
【図14】 図13に示す行選択回路の構成の一例を示す図である。
【図15】 図13に示すセルプレート電圧の伝達経路を概略的に示す図である。
【図16】 図13に示すウェルバイアス電圧を伝達する経路を概略的に示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置の制御信号発生部の構成を概略的に示す図である。
【図18】 図17に示すセンスアンプ帯に含まれるセンスアンプの構成を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。
【図20】 図19に示す構成の動作を示す信号波形図である。
【図21】 この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置の制御信号を発生する部分の構成を概略的に示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置の選択部の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
PBK0−PBKm+1 ブロック間周辺回路、MBK0−MBKm メモリブロック、BIKL,BIKR,BIKLN,BIKRN ビット線分離回路、MBKL,MBKR メモリブロック、SAB センスアンプ帯、MC1,MC2 メモリセル、TMU ツインセルユニット、WL0−WL3 ワード線、CP セルプレート電極線、BIGL,BIGR ビット線分離ゲート、PTG PチャネルMOSトランジスタ、11 N型ウェル領域、13,15,16 導電層、21 N型ウェル領域、23 ゲート電極層、26 導電層、31 高電圧発生回路、32 セルウェルバイアス発生回路、33 ゲートウェルバイアス発生回路、34 センス電源回路、35 セルプレート電圧発生回路、11a−11c セルウェル領域、21aa−21ac,21ba−21bc 分離ゲートウェル領域、TMU0,TMU1 ツインセルユニット。

Claims (4)

  1. 各々が行列状に配列される複数のメモリセルを有する複数のメモリサブブロックを備え、各前記メモリサブブロックは、各前記行に対応して配置され、各々に対応の行のメモリセルが接続される複数のワード線と、各前記列に対応して配置され、各々に対応の列のメモリセルが接続する複数のビット線とを含み、
    前記複数のメモリサブブロックに対応してかつ隣接メモリサブブロックにおいて共有されるように配置され、各々が対応のメモリサブブロックの各列に対応して配置され、活性化時対応の列のメモリセルデータを検知しかつ増幅する複数のセンスアンプを含む複数のセンスアンプ帯を備え、各前記センスアンプは、ローレベル電源電圧と前記ローレベル電源電圧と論理レベルの異なるハイレベル電源電圧を動作電源電圧として受けてセンス動作を行ない、
    前記センスアンプ帯に対応して配置され、各々が対応のメモリサブブロックの列に対応して配置され、導通時、対応の列のセンスアンプを対応のメモリサブブロックの対応のビット線に接続する複数の分離ゲートを有する複数のビット線分離回路を備え、前記複数のビット線分離回路の各々は、前記複数のメモリサブブロックのウェル領域とは別に設けられるウェル領域内に形成され、対応のメモリサブブロックの列に対応して配置される複数の分離ゲートを含み、各前記分離ゲートはPチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成され、
    第1のアドレス信号に従ってアドレス指定された選択メモリセルを含む選択メモリサブブロックに対して配置されたビット線分離回路に対して前記ローレベル電源電圧レベルの分離制御信号を生成して与え、かつ前記選択メモリサブブロックとセンスアンプ帯を共有するメモリサブブロック対して配置された非選択ビット線分離回路に対しては前記ハイレベル電源電圧以上の電圧レベルの非選択分離制御信号を生成して与えるビット線分離制御回路、および
    第2のアドレス信号に従って前記選択メモリサブブロックにおいてアドレス指定された行に対応して配置された選択ワード線を前記ローレベル電源電圧レベルに駆動し、かつ前記選択ワード線以外のワード線に対しては、前記ハイレベル電源電圧以上の電圧レベルの非選択分離制御信号と同一電圧レベルの電圧を伝達するワード線選択回路を備え、
    前記複数のメモリセルは、2ビットのメモリセルが1ビットのデータを記憶するツインセルユニットを構成するように配置され、
    前記ビット線は対をなして配列され、
    前記ワード線選択回路は、前記ツインセルユニットの2ビットのメモリセルのデータを対応のビット線対の各ビット線にそれぞれ読出すようにワード線を選択し、
    各前記メモリセルは、Pチャネルトランジスタで構成されかつ対応のワード線上の信号に応答して選択的に導通するアクセストランジスタを含み、
    前記複数のメモリサブブロック、前記複数のセンスアンプ帯、前記複数のビット線分離回路、前記ビット線分離制御回路、および前記ワード線選択回路は、所定の論理演算処理を行なうロジックと同一半導体基板上に形成され、
    前記メモリセルは、前記ロジックの構成要素の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一膜厚のゲート絶縁膜を有するメモリトランジスタと、前記メモリトランジスタのゲート絶縁膜と同一組成を有するキャパシタ絶縁膜を有し、データを記憶するためのキャパシタとを有し、
    前記メモリトランジスタは、前記キャパシタの電極と同一製造工程で形成されたゲート電極を有する、半導体記憶装置。
  2. 各々が行列状に配列される複数のメモリセルを有する複数のメモリサブブロックを備え、各前記メモリサブブロックは、各前記行に対応して配置され、各々に対応の行のメモリセルが接続される複数のワード線と、各前記列に対応して配置され、各々に対応の列のメモリセルが接続する複数のビット線とを含み、
    前記複数のメモリサブブロックに対応してかつ隣接メモリサブブロックにおいて共有されるように配置され、各々が対応のメモリサブブロックの各列に対応して配置され、活性 化時対応の列のメモリセルデータを検知しかつ増幅する複数のセンスアンプを含む複数のセンスアンプ帯を備え、各前記センスアンプは、ローレベル電源電圧と前記ローレベル電源電圧と論理レベルの異なるハイレベル電源電圧を動作電源電圧として受けてセンス動作を行ない、
    前記センスアンプ帯に対応して配置され、各々が対応のメモリサブブロックの列に対応して配置され、導通時、対応の列のセンスアンプを対応のメモリサブブロックの対応のビット線に接続する複数の分離ゲートを有する複数のビット線分離回路を備え、前記複数のビット線分離回路の各々は、前記複数のメモリサブブロックのウェル領域とは別に設けられるウェル領域内に形成され、対応のメモリサブブロックの列に対応して配置される複数の分離ゲートを含み、各前記分離ゲートはNチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成され、
    第1のアドレス信号に従ってアドレス指定された選択メモリセルを含む選択メモリサブブロックに対して配置されたビット線分離回路に対して前記ハイレベル電源電圧レベルの分離制御信号を生成して与え、かつ前記選択メモリサブブロックとセンスアンプ帯を共有するメモリサブブロックに対して配置された非選択ビット線分離回路に対しては前記ローレベル電源電圧以下の電圧レベルの非選択分離制御信号を生成して与えるビット線分離制御回路、および
    第2のアドレス信号に従って前記選択メモリサブブロックにおいてアドレス指定された行に対応して配置された選択ワード線を前記ハイレベル電源電圧レベルに駆動し、かつ前記選択ワード線以外のワード線に対しては、前記ローレベル電源電圧以下の電圧レベルの非選択分離制御信号と同一電圧レベルの電圧を伝達するワード線選択回路を備え
    前記複数のメモリセルは、2ビットのメモリセルが1ビットのデータを記憶するツインセルユニットを構成するように配置され、
    前記ビット線は対をなして配列され、
    前記ワード線選択回路は、前記ツインセルユニットの2ビットのメモリセルのデータを対応のビット線対の各ビット線にそれぞれ読出すようにワード線を選択
    各前記メモリセルはNチャネルトランジスタで構成されかつ対応のワード線上の信号に応答して選択的に導通するアクセストランジスタを含み、
    前記複数のメモリサブブロック、前記複数のセンスアンプ帯、前記複数のビット線分離回路、前記ビット線分離制御回路、および前記ワード線選択回路は、所定の論理演算処理を行なうロジックと同一半導体基板上に形成され、
    前記メモリセルは、前記ロジックの構成要素の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一膜厚のゲート絶縁膜を有するメモリトランジスタと、前記メモリトランジスタのゲート絶縁膜と同一組成を有するキャパシタ絶縁膜を有し、データを記憶するためのキャパシタとを有し
    前記メモリトランジスタは、前記キャパシタの電極と同一製造工程で形成されたゲート電極を有する、半導体記憶装置。
  3. 前記メモリセルが配置されるウェル領域にバイアス電圧を印加する第1のウェルバイアス回路と、
    前記分離ゲートが配置されるウェル領域にバイアス電圧を印加する第2のバイアス回路とをさらに備える、請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
  4. 前記メモリセルは、矩形状の活性領域内に形成され、前記活性領域には列方向に整列する2ビットのメモリセルが形成され、
    前記活性領域は行および列方向に整列して配置され、
    行方向において隣接する2ビットのメモリセルにより1ビットのデータを記憶する1つのツインセルユニットが構成され、
    前記ワード線選択回路は、選択メモリサブブロックにおいて1本のワード線を選択して、隣接ビット線にそれぞれメモリセルの記憶情報を伝達する、請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
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