JP4140375B2 - サービス検索装置、サービス検索システム及びサービス検索プログラム - Google Patents
サービス検索装置、サービス検索システム及びサービス検索プログラム Download PDFInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークにおいていずれのサーバがどのようなサービスを提供しているかを示す情報を、サービスを受けようとしているクライアントに対して提供するサービス検索装置およびその方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
インターネットに代表される広域コンピュータネットワークは、均一なひとつのネットワークではない。運用主体が異なる多数のネットワークが相互接続され、かつ、論理的に階層化された集合体として構成されている。広域コンピュータネットワークを構成するネットワークには、ＩＰ（Internet Protocol）サブネット、ドメイン、企業イントラネット、インターネット接続業者（ＩＳＰ：Internet Service Provider）などの種類がある。各ネットワークは、それぞれ異なるネットワークシステム設計と運用ポリシーによって運用されている。ネットワークの相互接続は、ルータやファイアウォールなどのネットワーク中継装置によって行われるが、同時に、それらによってネットワークの相互干渉が防止されている。
【０００３】
ネットワークを介して適用業務を支援するために提供されるサービス（以下、「サービス」と呼ぶ。）は、一般にネットワークに接続されたサーバによって提供される。このため、サービスは、ネットワーク空間におけるサービスという側面と同時に、地理空間におけるサーバという側面とを有している。通常、あるサービスが位置するネットワークと、そのサービスを提供しているサーバが位置する地理的場所とは、直接的な依存関係は無い。ネットワークの相互接続関係は、ネットワークを運用する組織に依存している。従って、仮に、あるサービスを提供しているサーバがクライアントから地理的に近傍に位置していたとしても、それぞれが接続されているネットワークは異なっている場合がある。
【０００４】
サービスは、ネットワーク上の位置（ネットワークアドレス、ドメインネーム、ＵＲＬ（Uniform Resource Locator）など。以下、「サービスロケーション」と呼ぶ。）によって識別されているので、利用者やクライアント機器（例えば、スキャナ、デバイス制御装置）は、サービスロケーションを指定することによって個々のサービスを利用することになる。
【０００５】
サービスは、同種のサービス（例えば、プリントサービス）であっても、サービス又はサーバによってサービスの品質（例えば、解像度）、性能（例えば、排紙速度）、付加機能（例えば、ソータの有無）、通信プロトコル（例えば、各種プリントプロトコル）、使用許諾（例えば、アクセス権の有無）、費用などのサービス属性が異なる。従って、利用者は、所望のサービスを利用する際には、望ましい特定のサービス属性、すなわち制約条件（例えば、サポートされるプロトコル、使用される課金の種類）、または最小化または最大化する測定基準（例えば、費用、品質）など自己が要求すべき内容を明確にして、その要求する内容と各サービスのサービス属性とを比較検討し、要求を満足するひとつのサービスを選出し、そして、そのサービスを受けることのできるサービスロケーションを特定するという段階を経る。
【０００６】
サービス検索装置が提供する検索サービスというのは、各サーバが提供するサービスとは異なり、例えば、ネットワークに初めて接続した場合や、移動先などで一時的にネットワークに接続した場合など、利用者がサービスロケーションやサービス属性に関する知識を有さない場合に、この段階を支援するためのサービスである。つまり、サービス検索装置は、検索サービスを提供することによって利用者が所望するサービスを提供可能な１乃至複数のサーバを利用者に教えてあげることになるが、サービス検索装置がサーバを特定する際、サーバの地理情報、すなわち、サーバが位置する地理的場所がそのサービスを使用したい利用者やクライアント機器の制約条件となる場合がある。そのようなサービスの代表例はプリントサービスである。プリントサービスは、処理結果を紙などの物理的な媒体に出力するため、プリントサービスを提供するサーバを選択する上で、どこに排紙されるかという場所的な問題を考慮する必要がある。
【０００７】
ネットワークに接続されているサーバがそれぞれどのようなサービスを提供しているかという情報を、サービスを受けようとしている利用者に対して提供するための方法が、同一出願人により出願された特願２００１−２８４４８５号（以下、「先行出願」）に記載されている。これに記載されたサービス検索方法では、ネットワークにおいて検索の対象となる範囲を設定し、その設定した検索範囲において公開されているサービス情報を検索し、その検索の結果として得られたサービスロケーション及びサービス属性などの情報を利用者に提供する。
【０００８】
ところで、利用者が指定する検索条件によっては、その条件に設定された検索範囲内に検索条件を満足するサービスが存在しない場合があり得る。この場合、利用者には、検索条件に合致するサービスが存在しない旨を返すことになるが、このような検索結果を得た利用者は、所望のサービスを見つけだすために検索範囲を設定し直したり、検索条件を変更して再度、検索サービスを要求することになる。
【０００９】
その反対に、利用者が指定する検索条件によっては、その条件に設定された検索範囲内に検索条件を満足するサービスが非常に多数存在する場合があり得る。この場合、利用者には、非常に多数のサービスの情報が返されることになるが、このような検索結果を得た利用者は、情報を絞り込むために検索範囲を設定し直したり、検索条件を変更して再度、検索サービスを要求することになる。なお、本願に関連した技術が特許文献１に記載されている。
【００１０】
【特許文献１】
特開２０００−３１２２２２号公報
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、利用者は、要求したことにより得られた検索サービスの処理結果が満足のいく内容でないときには、検索条件を再考し設定し直してから検索要求を再度発しなければならなかったので面倒である。
【００１２】
また、検索サービスの処理結果は、画面や印刷媒体に出力されることによって利用者に確認されることになるが、検索サービスの処理結果が満足のいく内容であっても利用しにくい状態で出力されてしまっては不便である。
【００１３】
本発明は、検索サービスの利用者の便宜を図ることを目的とする。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るサービス検索装置は、クライアントにサービスを提供する複数のサーバそれぞれのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段と、前記サーバが接続されているネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う自己及び他のサービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段と、入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段と、前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する検索手段と、前記検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段と、を有し、前記検索範囲設定手段は、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報を参照して自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、前記検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とする。
【００２０】
また、前記検索範囲設定手段は、前記検索手段が得た検索結果が判定基準を満足していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、既に検索を行った範囲を除く新たな検索範囲を設定することを特徴とする。
【００２１】
本発明に係るサービス検索システムは、サービス検索要求に応じてネットワークに接続されているサーバが提供するサービスを検索し、その検索結果を返す検索サービスを提供する複数のサービス検索装置と、いずれかの前記サービス検索装置に対して前記サービス検索要求を送るクライアントと、を有し、前記各サービス検索装置は、前記各サーバのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段と、前記ネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う前記各サービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段と、入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段と、前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する第１の検索手段と、他の前記サービス検索装置からの検索依頼に応じてサービス検索を実行し、その検索結果を返す第２の検索手段と、前記第１の検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段と、を有し、前記検索範囲設定手段は、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報に基づき自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、前記第１の検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、前記第１の検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、前記第１の検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とする。
【００２２】
本発明に係るサービス検索プログラムは、サービス検索要求に応じてネットワークに接続されているサーバが提供するサービスを検索し、その検索結果を返す検索サービスを提供するサービス検索装置を、クライアントにサービスを提供する複数のサーバそれぞれのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段、前記サーバが接続されているネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う自己及び他のサービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段、入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段、前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する検索手段、前記検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段、として機能させ、前記検索範囲設定手段は、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報に基づき自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、前記検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とする。
【００３０】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【００３１】
図１は、本発明に係るサービス検索装置の一実施の形態を適用したサービス探索システムの概念図である。
【００３２】
サービスがネットワーク空間におけるサービスという側面と、地理空間におけるサーバという側面とを有していることは前述したが、図１では、各側面の対応関係を模式的に表している。なお、サーバは、複数のサービスを提供する場合もあるが、図１では便宜的に１対１に対応付けた。従って、「サーバ」と、当該サーバによって提供される「サービス」という語は、同義として用いることができる。図１において、広域コンピュータネットワーク１は、複数のサブネットワーク２に分割されている。サービス検索装置４は、サブネットワーク２毎に配設され、各サブネットワーク２を自己が行うサービス検索の検索範囲としている。各サブネットワーク２は、ルータなどのネットワーク中継装置６によって接続されており、各サービス検索装置４は、他のサービス検索装置４と情報交換を行うことができる。
【００３３】
また、サービス検索装置４は、管理対象となるサブネットワーク２に含まれているクライアント８ｂからの検索要求に応じて自己のサブネットワーク２に接続されているサーバ１０ａが提供するサービス１０ｂのみならず、他のサービス検索装置４と連係動作することによって他のサブネットワーク２に接続されているサーバ１０ａが提供するサービス１０ｂまでも間接的に検索し、その検索結果をクライアント８ｂに返す検索サービスを提供する。なお、サービス検索装置４は、サーバ１０ａと同一の装置であってもよい。サービス検索装置４は、クライアント装置８ａと同一の装置であってもよい。更に、サービス検索装置４は、ネットワーク中継装置６と同一の装置であってもよい。
【００３４】
更に、図１に示した各構成について詳述する。
【００３５】
最初に、広域コンピュータネットワーク１は、インターネットに相当するＩＰネットワークである。広域コンピュータネットワーク１は、複数のサブネットワーク２がネットワーク中継装置６によって接続されて構築される。各サブネットワーク２は、その内部においてＩＰマルチキャストによる同報通信を可能としている。ネットワーク中継装置６は、ＩＰマルチキャストを通過させないように設定されており、このため、同報通信は他のサブネットワーク２には到達しない。各サブネットワーク２は、その内部に別のネットワーク中継装置を備えることによって複数のサブネットワークを接続して構築されてもよい。しかし、その場合、サブネットワーク２内に配置するネットワーク中継装置は、ＩＰマルチキャストを通過させるように設定され、同報通信は、サブネットワーク２の内部のサブネットワーク全てに到達可能でなければならない。
【００３６】
図２は、本実施の形態におけるクライアント装置のブロック構成図である。図２には、検索結果受信部８１と選択部８２と表示部８３とが示されている。クライアント装置８ａは、ユーザが検索の要求や処理結果の取得に用いるパーソナルコンピュータ、あるいはプリンタやスキャナ、デバイス制御装置などのネットワーク対応機器である。あるいは、動的にサブネットワーク２に接続されるモバイル対応の機器であってもよい。クライアント装置８ａは、サービス１０ｂのクライアント８ｂであるのと同時に、サービス検索装置４のクライアント８ｂとなる。クライアント装置８ａは、ユーザインタフェースを備え、利用者からそのユーザインタフェースを介してサービスの検索条件が入力されると所定の構文で検索式を生成し、該検索式を含む検索要求メッセージを同一サブネットワーク２内のサービス検索装置４に送信する。そして、検索結果受信部８１は、検索要求メッセージに対する返答としてサービス検索装置４から送られてきた検索結果メッセージを受信する。そして、表示部８３は、その検索結果メッセージから検索結果であるサービス情報の一覧を抽出し、検索結果表示画面を生成して利用者に提供する。
【００３７】
利用者は、検索要求時に検索条件としてサービスの属性項目を指定するが、選択部８２は、大小比較のできる数字データで表される属性項目が検索条件に含まれているかどうかを判別し、もし、そのような属性項目が含まれていた場合には、それを選択する。これは、１つでもよいし、優先順位をつけることによって複数選択してもよい。そして、表示部８３は、複数のサービス情報を含む検索結果を受信したとき、各サービス情報に含まれている選択した属性項目に対する値に基づきサービス情報の順序を並べ替える。例えば、利用者が６００ｄｐｉ（dot per inch）以上の出力解像度を有するプリンタを検索するという検索条件を指定した場合、出力解像度という属性項目に対する値が大きい順番にサービスを並べ替えて検索結果表示画面を生成する。あるいは、出力解像度が６００ｄｐｉに近い順番、すなわち数値が小さい順番に並べ替えてもよい。このように、ある属性項目を基準にサービス情報が並べられて表示されるので、利用者は、サービス情報の中から所望のサービス情報を見つけやすくなる。
【００３８】
次に、サーバ１０ａは、少なくとも一つのサービス１０ｂが稼動可能な装置である。サービス１０ｂは、自身のサービス情報を保持している。サービス１０ｂは、サービスの起動時と起動中は一定期間毎に、自身が稼動していることをサービス検索装置４に同報通信によって通知する。本実施の形態では、この通知を「サービス公示」と呼ぶ。また、本実施の形態におけるサービス検索装置４は、サーバ１０ａに対してサービス情報要求メッセージを送信することでサービス情報の送信を要求することができる。従って、サーバ１０ａは、サービス検索装置４からサービス情報要求メッセージを受信すると、この送信要求に応じてサービス情報又はサービス情報の一部を含む応答メッセージを返信する。
【００３９】
ここで、本実施の形態におけるサービス情報について図３を用いて説明する。
【００４０】
サービス情報は、サービス種別と、ネットワーク情報と、地理情報と、使用許諾情報と、サービス属性と、から構成されている。サービス種別は、プリントサービス、スキャンサービスなどサービスの種類を示している。ネットワーク情報は、広域コンピュータネットワーク１上でサービスを一意に識別するサービスロケーションであって、ＩＰアドレス、ＦＱＤＮ（Fully Qualified Domain Name）、ＵＲＩ（Universal Resource Identifier）などで記述される。地理情報は、例えば管理者によってサービス設置時に設定されるサーバ１０ａの地理的な位置を示す情報であって、緯度経度座標を必ず含んでいなければならない。また、同一座標における設置位置の移動を明確にするために設置されたビルの階数なども含めておくことが望ましい。使用許諾情報は、そのサービスを公開する範囲を規定するもので、無制限、ネットワーク限定などがある。
【００４１】
サービス属性は、一般属性と、サービス依存属性と、から構成されている。一般属性は、課金情報と、セキュリティ情報と、転送プロトコル情報と、運営組織情報と、が含まれる。課金情報は、そのサービスの使用料とその支払い方法である。セキュリティ情報は、そのサービスが対応しているセキュリティプロトコルのリストである。転送プロトコル情報は、そのサービスを使用するための通信プロトコルやＡＰＩ（Application Program Interface）などである。運営組織情報は、そのサービスの運用主体である企業や部門、団体、個人などの名前と連絡方法などである。サービス依存属性は、サービス種別毎に定義されており、品質、性能、付加機能、対応文書フォーマットのリスト、対応言語のリスト、対応文字セットのリスト、ドライバ入手先情報などを含んでいる。
【００４２】
次に、サービス検索装置４は、サブネットワーク２毎に分散して配置される。各サービス検索装置４は、他の全てのサービス検索装置４のネットワーク上の位置（ネットワークアドレス）を保持している。これにより、各サービス検索装置４は、相互に通信を行うことができる。サービス検索装置４の連携ネットワークは、このようにして形成される。なお、サービス探索装置同士の通信は、ＨＴＴＰプロトコルに従いＸＭＬ（eXtendable Markup Language）によって記述されたメッセージを転送することによって行う。
【００４３】
サービス検索装置４は、対応サブネットワーク２に存在する各サーバ１０ａから１乃至複数のサービス情報を同報通信を用いて収集し、保持する。本実施の形態では、サーバ１０ａとサービス１０ｂとは１対１の関係にあると設定したので、各サーバ１０ａからはそれぞれ１つずつのサービス情報１０ｂを収集することになる。
【００４４】
サービス検索装置４は、クライアント８ｂから検索式を含むサービス検索要求メッセージを受信すると、検索式を解析し、検索範囲とする少なくとも一つのサブネットワーク２を決定する。そして、サービス検索装置４は、検索範囲として決定した１乃至複数のサブネットワーク２に、自身が接続されているサブネットワーク２が含まれていないときには、決定したサブネットワーク２に対応する各サービス検索装置４に対して、クライアント８ｂからのサービス検索要求メッセージを中継送信する。
【００４５】
サービス検索要求メッセージを受け取ったサービス検索装置４は、自らが保持するサービス情報を参照に、検索式を満足するサービスを抽出し、中間検索結果として中継元のサービス検索装置４に応答メッセージを返す。中継元のサービス検索装置４は、全ての中継先のサービス検索装置４から中間検索結果の応答メッセージを受け取ると、それらをマージして検索結果を生成する。検索結果に含まれるサービス数が、予め設定したサービス下限数以上かつ予め設定したサービス上限数以下である場合には、検索結果メッセージをクライアントに返す。
【００４６】
一方、検索結果メッセージに含まれるサービス数がサービス上限数を超えている場合には、中継先とするサービス検索装置４を削減することでより狭い検索範囲を設定する。より狭い検索範囲を設定するということは、検索要求を中継送信する先のサービス検索装置４の数を削減すると言うことであり、これにより、検索対象とするサブネットワーク２の数を削減し検索領域を狭くすると言うことである。そして、クライアント８ｂから検索要求を受けたサービス検索装置４は、新たに設定した検索範囲に該当するサービス検索装置４に対してサービス検索要求メッセージを改めて中継送信する。このようにして絞り込み検索を行う。
【００４７】
また、検索結果メッセージに含まれるサービス数がサービス下限数に達していない場合には、中継先とするサービス検索装置４を追加することでより広範な検索範囲を設定する。より広範な検索範囲を設定するということは、検索要求を中継送信する先のサービス検索装置４の数を増やすと言うことであり、これにより、検索対象とするサブネットワーク２の数を増やし検索領域を広くすると言うことである。そして、クライアント８ｂから検索要求を受けたサービス検索装置４は、新たに設定した検索範囲に該当するサービス検索装置４に対してサービス検索要求メッセージを改めて中継送信する。例えば、サービス下限数として１を設定しておけば、該当するサービスが存在しないときのみ再度の検索が行われることになる。再度の検索を所定回数若しくは所定時間内で繰り返し実行しても検索結果に含まれるサービス数が０の場合は、「該当サービス無し」を意味するメッセージをクライアントに返答する。
【００４８】
なお、クライアント８ｂから検索要求を受けたサービス検索装置４は、検索要求を再度中継送信するときには、前回の検索範囲を構成するサービス検索装置４に対して追加又は削除するようにしてもよいし、前回の検索範囲を除く新たな検索範囲を設定して、つまり、前回とは異なるサービス検索装置４に検索要求を送信するようにしてもよい。なお、クライアントからの要求通りの検索条件に基づき検索結果が得られなかったときには、検索結果と共にその旨を合わせて返答することが望ましい。
【００４９】
図４は、本実施の形態におけるサービス検索装置を示したブロック構成図である。以下、この図を用いてサービス検索装置の内部構成と各構成要素の動作について説明する。
【００５０】
本実施の形態におけるサービス検索装置４は、サービス情報収集部４１、検索範囲設定部４２、サービス検索部４３及び検索結果判定部４４と、更にサービス情報データベース４５とサービス検索装置データベース４６とを有している。
【００５１】
サービス情報収集部４１は、各サブネットワーク２に散在しているサービスのサービス情報を同報通信によって収集し、サービス情報データベース４５に格納する。この本実施の形態におけるサービス情報収集部４１が行う処理について図５乃至図７を用いて説明する。
【００５２】
図５は、広域コンピュータネットワーク１にはじめて接続されたときなどに実施される初期化処理を示したフローチャートである。サービス情報収集部４１は、サービス検索装置４が広域コンピュータネットワーク１に存在することを一斉同報通信を行うことでサービス検索装置４の存在を公示する（ステップ１０１）。これに応じて、広域コンピュータネットワーク１に接続されているサーバ１０ａは、サービス情報収集部４１に対して自身のサービス情報を返信する。サービス情報収集部４１は、各サーバ１０ａから送られてきたサービス情報を受信し（ステップ１０２）、それをサービス情報データベース４５に登録する（ステップ１０３）。サービス情報収集部４１は、公示してから予め決められた一定期間内にこのデータベースへの登録処理を行う。
【００５３】
図６は、本実施の形態におけるサービス情報収集部４１のサービス情報収集処理を示したフローチャートである。サービス情報収集部４１は、サーバ１０ａからのサービス公示を受信すると（ステップ１１１）、そのサーバ１０ａに対してサービス情報送信要求としてサービス情報要求メッセージを送信する（ステップ１１２）。この要求に応じてサーバ１０ａからサービス情報又はサービス情報の一部を含む応答メッセージが送られてくると、それを受信する（ステップ１１３）。そして、受信したサービス情報がサービス情報データベース４５にすでに登録されていれば、受信した内容でサービス情報データベース４５を更新し（ステップ１１４，１１５）、登録されていなければ、サービス情報データベース４５に新規登録する（ステップ１１６）。
【００５４】
なお、各サービス情報は、サービス情報収集部４１へ各サーバ１０ａから直接送られてくるように説明したが、各サービス検索装置４は、対応サブネットワーク２内のサービス１０ｂのサービス情報を保持しているはずなので、他のサービス検索装置４から対応サブネットワーク２内のサービス１０ｂのサービス情報をまとめて送ってもらうようにしてもよい。
【００５５】
図７は、本実施の形態におけるサービス情報収集部４１のサービス情報削除処理を示したフローチャートである。サービス情報収集部４１は、図６に示した処理手順にてサービス情報データベース４５にサービス情報を登録し、また更新するが、各サービス情報に対してそのサービス情報を最後に登録、又は更新してから予め決められた一定期間経過したときには、そのサービス情報をサービス情報データベース４５から削除する。サービス情報収集部４１は、一定周期で送られてくるサービス公示をトリガにして当該サービス情報の更新を行うが、サービス公示が一定期間経過しても送られてこないということは、サービス公示を行っていたサーバ１０ａが停止したということである。従って、サービス情報収集部４１は、当該サーバ１０ａはサービス１０ｂの提供ができない状態であるとして当該サービス情報をサービス情報データベース４５から削除する。このような理由でサービス情報を削除するので、サービス情報を削除する期限とする一定期間と、サービス公示を送信する周期とは、相互に考慮しながら設定するのが望ましい。
【００５６】
以上のようにして、サービス情報収集部４１は、サービス情報を収集し、サービス情報データベース４５に登録することで保持管理する。サービス情報収集部４１は、また、サービス情報の収集のみならず、サービス検索部４３から送られてきたサービス条件に合致するサービス情報をサービス情報データベース４５を検索することによって取得し、サービス検索部４３へ返答する。
【００５７】
検索範囲設定部４２は、広域コンピュータネットワーク１においてサービスを検索する際の検索範囲を設定する。具体的には、検索範囲は、１乃至複数のサブネットワーク２によって設定されるので、検索範囲設定部４２は、検索範囲に含まれるサブネットワーク２に対応するサービス検索装置４（自身を含む）を決定すればよい。サービス検索装置４は、クライアントからの検索要求に指定された検索条件に該当する検索範囲内においてサービス１０ｂを検索することになるので、検索範囲設定部４２は、そのために全てのサービス検索装置４の位置情報を把握していなければならない。ところで、各サービス検索装置４は、管理者から設定されて、設置位置情報として設置場所の緯度経度座標を含む地理情報、アドレス情報としてネットワーク情報を少なくとも保持している。そこで、検索範囲設定部４２は、他のサービス検索装置４の検索範囲設定部と情報交換をすることで各サービス検索装置４から前述した情報を収集し、サービス検索装置データベース４６に登録する。また、この際、検索範囲設定部４２は、ネットワーク中継装置６のホップ数などを計測し、相手のサービス検索装置４とのネットワーク上における距離を合わせて保持する。
【００５８】
検索範囲設定部４２は、サービス検索部４３により検索条件が指定された検索範囲設定要求を受け付ける。クライアントからの検索要求に対して最初の検索範囲設定要求であれば、サービス検索部４３から送られてきた検索条件は、クライアントからの検索条件と同じである。送られてくる検索条件は、利用者によって検索式中で指定されたサービス種別、検索対象地域、検索対象ネットワークを含む。但し、検索対象地域、検索対象ネットワークは省略可能である。また、クライアントからの検索要求に対して２回目以降の検索範囲設定要求であれば、検索条件には前回の検索結果判定部４４による判定結果が付加される。
【００５９】
検索条件に検索対象地域が指定されていた場合、その地域に含まれるサービス検索装置４をサービス検索装置データベース４６から検索し、該当するサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストをサービス検索部４３に返す。また、検索条件に検索対象ネットワークが指定されていた場合、そのネットワークに含まれるサービス検索装置４をサービス検索装置データベース４６から検索し、該当するサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストをサービス検索部４３に返す。検索条件に検索対象地域、検索対象ネットワークともに省略されていた場合、検索範囲設定部４２は、まずサービス種別から、検索するサービスが地理的な条件が重要な制約条件になるサービスか否かを判別する。例えば、プリントサービスはこれに該当する。判別の結果、地理的な条件が重要な制約条件になるサービスであれば、検索範囲設定部４２は、地理的に近傍の検索範囲を設定する。すなわち、検索範囲設定部４２は、自らの設置場所の緯度経度座標を中心とし、所定の値を半径とする円を定め、設置場所の緯度経度座標がその円の内部に含まれるサービス検索装置４をサービス検索装置データベース４６から検索する。そうでないサービスでは、ホップ数などを参考にネットワーク的に近傍の検索範囲を設定する。地理的に近傍の検索範囲を設定する場合、検索範囲設定部４２は、該地域に含まれるサービス検索装置４をサービス検索装置データベース４６から検索し、該当するサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストをサービス検索部４３に返す。ネットワーク的に近傍の探索範囲を設定する場合、検索範囲設定部４２は、自らのネットワークアドレスと、近隣のサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストをサービス検索部４３に返す。
【００６０】
２回目以降の検索範囲設定要求であることから検索結果判定部４４による判定結果が送られてきた場合、検索範囲設定部４２は、該検索結果判定結果がより広い検索範囲の設定を求めるものである場合には、より遠方のサービス検索装置４が含まれるように検索範囲を設定する。該検索結果判定結果がより狭い検索範囲の設定を求めるものである場合には、より少数のサービス検索装置４が含まれるように、より近い検索範囲を設定する。
【００６１】
検索結果判定部４４は、予め設定されている判定基準を有しており、サービス検索部４３から送られてきた検索結果がこの判定基準を満足しているかどうかを判定する。検索結果判定部４４は、サービス検索部４３による検索処理により得られた検索結果を受け取る。なお、この時点ではこの検索結果がクライアント装置８ａへ返されるとは決まっていないので、この状態の検索結果を「中間検索結果」と称することにする。検索結果判定部４４は、この中間検索検果に含まれるサービス数が判定基準、例えばサービス数がサービス下限数（例えば１）以上かつサービス上限数（例えば３０）以下であること、という判定基準を満足しているときには、中間検索結果を検索結果としてクライアント装置８ａに提示することを求める判定結果を返す。また、サービス数がサービス下限数に満たないときには、より広い検索範囲を設定して再度検索することを求める判定結果を返す。一方、サービス数がサービス上限数を超えているときには、より狭い検索範囲を設定して再度検索することを求める判定結果を返す。
【００６２】
サービス検索部４３は、サービス検索装置４が提供する検索サービス全体の処理制御を行う。サービス検索部４３は、サービス検索を実行するには、クライアント８ｂからの検索要求を受信する場合と、他のサービス検索装置４から検索中継要求を受信する場合とがある。図８は、前者に相当する処理を示したフローチャートであり、図９は、後者に相当する処理を示したフローチャートである。
【００６３】
図８において、サービス検索部４３は、クライアント８ｂから検索要求を受信すると（ステップ２０１）、その内容を解析し（ステップ２０２）、検索条件を生成する。そして、その検索条件を指定して検索範囲設定要求を検索範囲設定部４２へ送る（ステップ２０３）。この要求に応じて設定された検索範囲が検索範囲設定部４２から返答されてくるが、この返答には、検索範囲を構成するサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストが含まれている（ステップ２０４）。
【００６４】
サービス検索部４３は、このリストの順に以下の処理を行う。まず、リストから取り出したネットワークアドレスが自己のであれば、検索条件に合致するサービスを抽出するために検索条件に基づきサービス条件を生成し、サービス情報収集部４１へ送ることでサービス情報検索を要求する（ステップ２０５，２０６）。そして、この要求に応じてサービス情報収集部４１から送られてくるサービス情報を取得する（ステップ２０７）。
【００６５】
一方、リストから取り出したネットワークアドレスが自己のでないとき、サービス検索部４３は、そのネットワークアドレスが設定されているサービス検索装置４に検索要求を中継する（ステップ２０８）。他のサービス検索装置４へ検索要求を送信する場合、この検索要求を特に「検索中継要求」と称することにする。
【００６６】
図９において、サービス検索部４３は、他のサービス検索装置４からの検索中継要求を受信すると（ステップ２２１）、その内容を解析し（ステップ２２２）、ステップ２０６，２０７と同様にしてサービス条件を生成した後、サービス情報収集部４１へ通知する（ステップ２２３）。そして、サービス検索部４３は、検索結果としてサービス情報収集部４１から得られたサービス情報を検索中継結果として応答する（ステップ２２４，２２５）。
【００６７】
図８において、検索中継要求を送信したサービス検索部４３は、その検索中継要求に応じて他のサービス検索装置４から送られてきたサービス情報を受信する（ステップ２０９）。リストに含まれている全てのネットワークアドレスに対して上記処理を行う（ステップ２１０）。そして、ステップ２０５〜２１０の処理によりサービス情報収集部４１から取得したサービス情報と、他のサービス検索装置４から取得したサービス情報とをマージして、検索結果を生成し、それを検索結果判定部４４へ送る（ステップ２１１）。前述したように、検索結果判定部４４は、検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する。サービス検索部４３は、検索結果判定部４４による判定結果を取得するが（ステップ２１２）、その判定結果が判定基準を満足しているようであれば、その検索結果を、検索要求をしたクライアント８ｂへ返答する（ステップ２１４）。
【００６８】
なお、クライアント装置８ａは、複数のサービス情報を含む検索結果を受信したとき、サービス情報の順序を並べ替えて出力できるということについては説明したが、このサービス情報の並べ替えをサービス検索部４３が行ってもよい。このようにすれば、クライアント装置８ａが並べ替えをしなくてすむし、また、並べ替え機能を有していないクライアント装置８ａでも並べ替えた状態でサービス情報を参照することができる。また、この並べ替えは、常に行うのではなく、所定条件、例えばサービス数が予め設定した数（例えば、１０）を超えた場合に実行するなどの条件に合致したときに実行するようにしてもよい。
【００６９】
また、ステップ２１３において、判定結果が判定基準を満足していないようであれば、ステップ２０３に処理を戻す。ステップ２０３では、検索条件を指定して検索範囲設定要求を検索範囲設定部４２へ送るが、検索範囲設定部４２は、２回目以降の検索範囲設定要求を受け取ったときには検索範囲を変更するように動作することは前述したとおりである。
【００７０】
判定結果が判定基準を満足するまで、検索範囲を変更しながらステップ２０３から２１３までの検索処理を繰り返すことになるが、この検索処理を所定回数若しくは所定時間内で繰り返し実行しても判定結果が判定基準を満足しなければ、サービス検索部４３は、「該当サービス無し」を意味するメッセージをクライアントに返答することになる。
【００７１】
本実施の形態によれば、以上のようにクライアントからの検索要求に応じてサービス検索を行うが、このときに判定基準を満足しない検索結果が得られたときには検索範囲を変更して再度検索をやり直すようにしたので、利用者はクライアント装置８ａから検索範囲の変更を自らしなくてすむので便利である。
【００７２】
なお、本実施の形態においては、検索結果判定部４４による判定の結果、中間検索結果が判定基準を満足したときに、その中間検索結果を検索結果としてクライアントへ返すようにした。つまり、判定基準を満足することが利用者を満足させることであるとみなしている。従って、判定基準をどのように設定するかは、本実施の形態の場合、重要な要素となる。本実施の形態では、判定基準を予め設定するようにしたが、これは全て共通の判定基準を設定してもよいし、検索条件により判定基準を切替可能にしてもよい。また、１つとする必要はなく、複数の条件によって判定基準を設定してもよい。
【００７３】
また、本実施の形態においては、検索範囲設定部４２を設けて、検索条件に指定された検索対象地域又は検索対象地域という地理空間又はネットワーク空間における位置関係に関連した条件に基づき検索範囲を設定し、中間検索結果が判定基準を満足していないときに検索範囲を変更するようにした。しかし、変更する検索条件は、検索範囲だけでなく、他の検索条件を変更するようにしてもよい。例えば、サービス検索装置４では、６〜１０という範囲指定による制約条件を５〜１１、６〜１１、７〜９などのように変更するようにしてもよい。また、白黒印刷という指定をカラー印刷などのように機能を拡大する変更を行うようにしてもよい。
【００７４】
また、本実施の形態においては、サービス検索装置４は、ＩＰマルチキャストによる同報通信によってサービス１０ｂからサービス情報を取得するようしているが、ＩＰブロードキャストによる同報通信によって取得するようにしてもよい。あるいは、ＳＮＭＰ（Simple Network Management Protocol; IETF RFC821）による同報通信によってサービス情報をＭＩＢ（Management Information Base）情報として取得するようにしてもよい。
【００７５】
また、本実施の形態では、広域コンピュータネットワーク１を複数のサブネットワーク２に分割し、サービス検索装置４をサブネットワーク２毎に設置するようにした。そして、サービス検索装置４は、他のサービス検索装置と連係動作してクライアント８ｂに対して検索サービスを提供するようにした。しかし、広域コンピュータネットワーク１を複数のサブネットワーク２に分割せずに、すなわち、１台のサービス検索装置４で広域コンピュータネットワーク１全体のサービス１０ｂ個々に対して検索を行うようにしてもよい。
【００７６】
また、サービス１０ｂの設置時に、管理者は、サービス検索装置４に人為的にサービス情報を登録するようにしてもよい。この場合は、サービス情報を各サービス１０ｂが保持していなくてすむ。
【００７７】
また、本実施の形態においては、サービス検索装置４の間の情報交換を相互にできるようにするために、各サービス検索装置４に、他の全てのサービス検索装置４のネットワーク上の設置位置情報を含むサービス検索装置情報を設定するようにしているが、次のように構成してもよい。
【００７８】
第一の変形例として、各サービス検索装置４には、他の少なくとも一つのサービス検索装置のサービス検索装置情報（以下、単に「装置情報」と呼ぶ）が設定されている。例えば、サービス検索装置Ａは、既知のサービス検索装置Ｂに返信要求を送信する。サービス検索装置Ｂは、返信要求に対して応答するとともに、既知のサービス検索装置Ｃに返信要求を中継送信する。サービス検索装置Ｃは、返信要求に対して応答するとともに、既知のサービス検索装置Ｄに返信要求を中継送信する。中継送信した返信要求に対して各サービス検索装置が自己の装置情報を付加して返答することで、サービス検索装置Ａは、既知のサービス検索装置Ｂ以外の装置情報を得ることができる。サービス検索装置は、このようにして取得した装置情報を自装置内にキャッシュデータとして保持していてもよい。
【００７９】
第二の変形例として、各サービス検索装置は、広域コンピュータネットワーク上の専用サービス（例えば、LDAPディレクトリ）に、自己の装置情報を事前に登録しておく。各サービス検索装置は、専用サービスと通信することによって他のサービス検索装置の装置情報を取得する。サービス検索装置は、このようにして取得した装置情報を自装置内にキャッシュデータとして保持していてもよい。
【００８０】
第三の変形例として、サービス検索システムは、サービス検索装置を論理的に階層して管理する。最上位のサービス検索装置は複数のサービス検索装置の装置情報を保持する。一つ下の階層の各サービス検索装置は、複数のサービス検索装置の装置情報を保持する。サービス検索システムは、このようなツリー構造を形成することで、ツリー構造を順に辿っていけば、他のサービス検索装置の装置情報を得ることができる。サービス検索装置は、このようにして取得した装置情報を自装置内にキャッシュデータとして保持していてもよい。
【００８１】
【発明の効果】
本発明によれば、クライアントからの検索要求に対して利用にとって満足のいくような検索結果が得られなかったときに、検索条件を変更して再度検索を行うことで満足のいく検索結果が得られるようにしたので、利用者が検索範囲を設定し直したり、検索条件を変更して再検索する手間を省くことができる。
【００８２】
また、検索結果であるサービス情報が出力される際に、検索条件に含まれていた属性項目の値に基づきサービス情報を並べ替えるようにしたので、利用者が目視によって多数のサービス情報の中からいずれかのサービスを選定する際に要する負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係るサービス検索装置の一実施の形態を適用したサービス探索システムの概念図である。
【図２】 本実施の形態におけるクライアント装置のブロック構成図である。
【図３】 本実施の形態におけるサービス情報のデータ構成例を示した図である。
【図４】 本実施の形態におけるサービス検索装置を示したブロック構成図である。
【図５】 本実施の形態におけるサービス情報収集部の初期化処理を示したフローチャートである。
【図６】 本実施の形態におけるサービス情報収集部のサービス情報収集処理を示したフローチャートである。
【図７】 本実施の形態におけるサービス情報収集部のサービス情報削除処理を示したフローチャートである。
【図８】 本実施の形態におけるサービス検索部がクライアントからの検索要求に応じて実行する処理を示したフローチャートである。
【図９】 本実施の形態におけるサービス検索部が他のサービス探索装置からの検索中継要求に応じて実行する処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
１ 広域コンピュータネットワーク、２ サブネットワーク、４ サービス検索装置、６ ネットワーク中継装置、８ａ クライアント装置、８ｂ クライアント、１０ａ サーバ、１０ｂ サービス、４１ サービス情報収集部、４２ 検索範囲設定部、４３ サービス検索部、４４ 検索結果判定部、４５ サービス情報データベース、４６ サービス検索装置データベース、８１ 検索結果受信部、８２ 選択部、８３ 表示部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークにおいていずれのサーバがどのようなサービスを提供しているかを示す情報を、サービスを受けようとしているクライアントに対して提供するサービス検索装置およびその方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
インターネットに代表される広域コンピュータネットワークは、均一なひとつのネットワークではない。運用主体が異なる多数のネットワークが相互接続され、かつ、論理的に階層化された集合体として構成されている。広域コンピュータネットワークを構成するネットワークには、ＩＰ（Internet Protocol）サブネット、ドメイン、企業イントラネット、インターネット接続業者（ＩＳＰ：Internet Service Provider）などの種類がある。各ネットワークは、それぞれ異なるネットワークシステム設計と運用ポリシーによって運用されている。ネットワークの相互接続は、ルータやファイアウォールなどのネットワーク中継装置によって行われるが、同時に、それらによってネットワークの相互干渉が防止されている。
【０００３】
ネットワークを介して適用業務を支援するために提供されるサービス（以下、「サービス」と呼ぶ。）は、一般にネットワークに接続されたサーバによって提供される。このため、サービスは、ネットワーク空間におけるサービスという側面と同時に、地理空間におけるサーバという側面とを有している。通常、あるサービスが位置するネットワークと、そのサービスを提供しているサーバが位置する地理的場所とは、直接的な依存関係は無い。ネットワークの相互接続関係は、ネットワークを運用する組織に依存している。従って、仮に、あるサービスを提供しているサーバがクライアントから地理的に近傍に位置していたとしても、それぞれが接続されているネットワークは異なっている場合がある。
【０００４】
サービスは、ネットワーク上の位置（ネットワークアドレス、ドメインネーム、ＵＲＬ（Uniform Resource Locator）など。以下、「サービスロケーション」と呼ぶ。）によって識別されているので、利用者やクライアント機器（例えば、スキャナ、デバイス制御装置）は、サービスロケーションを指定することによって個々のサービスを利用することになる。
【０００５】
サービスは、同種のサービス（例えば、プリントサービス）であっても、サービス又はサーバによってサービスの品質（例えば、解像度）、性能（例えば、排紙速度）、付加機能（例えば、ソータの有無）、通信プロトコル（例えば、各種プリントプロトコル）、使用許諾（例えば、アクセス権の有無）、費用などのサービス属性が異なる。従って、利用者は、所望のサービスを利用する際には、望ましい特定のサービス属性、すなわち制約条件（例えば、サポートされるプロトコル、使用される課金の種類）、または最小化または最大化する測定基準（例えば、費用、品質）など自己が要求すべき内容を明確にして、その要求する内容と各サービスのサービス属性とを比較検討し、要求を満足するひとつのサービスを選出し、そして、そのサービスを受けることのできるサービスロケーションを特定するという段階を経る。
【０００６】
サービス検索装置が提供する検索サービスというのは、各サーバが提供するサービスとは異なり、例えば、ネットワークに初めて接続した場合や、移動先などで一時的にネットワークに接続した場合など、利用者がサービスロケーションやサービス属性に関する知識を有さない場合に、この段階を支援するためのサービスである。つまり、サービス検索装置は、検索サービスを提供することによって利用者が所望するサービスを提供可能な１乃至複数のサーバを利用者に教えてあげることになるが、サービス検索装置がサーバを特定する際、サーバの地理情報、すなわち、サーバが位置する地理的場所がそのサービスを使用したい利用者やクライアント機器の制約条件となる場合がある。そのようなサービスの代表例はプリントサービスである。プリントサービスは、処理結果を紙などの物理的な媒体に出力するため、プリントサービスを提供するサーバを選択する上で、どこに排紙されるかという場所的な問題を考慮する必要がある。
【０００７】
ネットワークに接続されているサーバがそれぞれどのようなサービスを提供しているかという情報を、サービスを受けようとしている利用者に対して提供するための方法が、同一出願人により出願された特願２００１−２８４４８５号（以下、「先行出願」）に記載されている。これに記載されたサービス検索方法では、ネットワークにおいて検索の対象となる範囲を設定し、その設定した検索範囲において公開されているサービス情報を検索し、その検索の結果として得られたサービスロケーション及びサービス属性などの情報を利用者に提供する。
【０００８】
ところで、利用者が指定する検索条件によっては、その条件に設定された検索範囲内に検索条件を満足するサービスが存在しない場合があり得る。この場合、利用者には、検索条件に合致するサービスが存在しない旨を返すことになるが、このような検索結果を得た利用者は、所望のサービスを見つけだすために検索範囲を設定し直したり、検索条件を変更して再度、検索サービスを要求することになる。
【０００９】
その反対に、利用者が指定する検索条件によっては、その条件に設定された検索範囲内に検索条件を満足するサービスが非常に多数存在する場合があり得る。この場合、利用者には、非常に多数のサービスの情報が返されることになるが、このような検索結果を得た利用者は、情報を絞り込むために検索範囲を設定し直したり、検索条件を変更して再度、検索サービスを要求することになる。なお、本願に関連した技術が特許文献１に記載されている。
【００１０】
【特許文献１】
特開２０００−３１２２２２号公報
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、利用者は、要求したことにより得られた検索サービスの処理結果が満足のいく内容でないときには、検索条件を再考し設定し直してから検索要求を再度発しなければならなかったので面倒である。
【００１２】
また、検索サービスの処理結果は、画面や印刷媒体に出力されることによって利用者に確認されることになるが、検索サービスの処理結果が満足のいく内容であっても利用しにくい状態で出力されてしまっては不便である。
【００１３】
本発明は、検索サービスの利用者の便宜を図ることを目的とする。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るサービス検索装置は、クライアントにサービスを提供する複数のサーバそれぞれのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段と、前記サーバが接続されているネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う自己及び他のサービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段と、入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段と、前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する検索手段と、前記検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段と、を有し、前記検索範囲設定手段は、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報を参照して自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、前記検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とする。
【００２０】
また、前記検索範囲設定手段は、前記検索手段が得た検索結果が判定基準を満足していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、既に検索を行った範囲を除く新たな検索範囲を設定することを特徴とする。
【００２１】
本発明に係るサービス検索システムは、サービス検索要求に応じてネットワークに接続されているサーバが提供するサービスを検索し、その検索結果を返す検索サービスを提供する複数のサービス検索装置と、いずれかの前記サービス検索装置に対して前記サービス検索要求を送るクライアントと、を有し、前記各サービス検索装置は、前記各サーバのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段と、前記ネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う前記各サービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段と、入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段と、前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する第１の検索手段と、他の前記サービス検索装置からの検索依頼に応じてサービス検索を実行し、その検索結果を返す第２の検索手段と、前記第１の検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段と、を有し、前記検索範囲設定手段は、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報に基づき自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、前記第１の検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、前記第１の検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、前記第１の検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とする。
【００２２】
本発明に係るサービス検索プログラムは、サービス検索要求に応じてネットワークに接続されているサーバが提供するサービスを検索し、その検索結果を返す検索サービスを提供するサービス検索装置を、クライアントにサービスを提供する複数のサーバそれぞれのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段、前記サーバが接続されているネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う自己及び他のサービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段、入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段、前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する検索手段、前記検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段、として機能させ、前記検索範囲設定手段は、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報に基づき自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、前記検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とする。
【００３０】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【００３１】
図１は、本発明に係るサービス検索装置の一実施の形態を適用したサービス探索システムの概念図である。
【００３２】
サービスがネットワーク空間におけるサービスという側面と、地理空間におけるサーバという側面とを有していることは前述したが、図１では、各側面の対応関係を模式的に表している。なお、サーバは、複数のサービスを提供する場合もあるが、図１では便宜的に１対１に対応付けた。従って、「サーバ」と、当該サーバによって提供される「サービス」という語は、同義として用いることができる。図１において、広域コンピュータネットワーク１は、複数のサブネットワーク２に分割されている。サービス検索装置４は、サブネットワーク２毎に配設され、各サブネットワーク２を自己が行うサービス検索の検索範囲としている。各サブネットワーク２は、ルータなどのネットワーク中継装置６によって接続されており、各サービス検索装置４は、他のサービス検索装置４と情報交換を行うことができる。
【００３３】
また、サービス検索装置４は、管理対象となるサブネットワーク２に含まれているクライアント８ｂからの検索要求に応じて自己のサブネットワーク２に接続されているサーバ１０ａが提供するサービス１０ｂのみならず、他のサービス検索装置４と連係動作することによって他のサブネットワーク２に接続されているサーバ１０ａが提供するサービス１０ｂまでも間接的に検索し、その検索結果をクライアント８ｂに返す検索サービスを提供する。なお、サービス検索装置４は、サーバ１０ａと同一の装置であってもよい。サービス検索装置４は、クライアント装置８ａと同一の装置であってもよい。更に、サービス検索装置４は、ネットワーク中継装置６と同一の装置であってもよい。
【００３４】
更に、図１に示した各構成について詳述する。
【００３５】
最初に、広域コンピュータネットワーク１は、インターネットに相当するＩＰネットワークである。広域コンピュータネットワーク１は、複数のサブネットワーク２がネットワーク中継装置６によって接続されて構築される。各サブネットワーク２は、その内部においてＩＰマルチキャストによる同報通信を可能としている。ネットワーク中継装置６は、ＩＰマルチキャストを通過させないように設定されており、このため、同報通信は他のサブネットワーク２には到達しない。各サブネットワーク２は、その内部に別のネットワーク中継装置を備えることによって複数のサブネットワークを接続して構築されてもよい。しかし、その場合、サブネットワーク２内に配置するネットワーク中継装置は、ＩＰマルチキャストを通過させるように設定され、同報通信は、サブネットワーク２の内部のサブネットワーク全てに到達可能でなければならない。
【００３６】
図２は、本実施の形態におけるクライアント装置のブロック構成図である。図２には、検索結果受信部８１と選択部８２と表示部８３とが示されている。クライアント装置８ａは、ユーザが検索の要求や処理結果の取得に用いるパーソナルコンピュータ、あるいはプリンタやスキャナ、デバイス制御装置などのネットワーク対応機器である。あるいは、動的にサブネットワーク２に接続されるモバイル対応の機器であってもよい。クライアント装置８ａは、サービス１０ｂのクライアント８ｂであるのと同時に、サービス検索装置４のクライアント８ｂとなる。クライアント装置８ａは、ユーザインタフェースを備え、利用者からそのユーザインタフェースを介してサービスの検索条件が入力されると所定の構文で検索式を生成し、該検索式を含む検索要求メッセージを同一サブネットワーク２内のサービス検索装置４に送信する。そして、検索結果受信部８１は、検索要求メッセージに対する返答としてサービス検索装置４から送られてきた検索結果メッセージを受信する。そして、表示部８３は、その検索結果メッセージから検索結果であるサービス情報の一覧を抽出し、検索結果表示画面を生成して利用者に提供する。
【００３７】
利用者は、検索要求時に検索条件としてサービスの属性項目を指定するが、選択部８２は、大小比較のできる数字データで表される属性項目が検索条件に含まれているかどうかを判別し、もし、そのような属性項目が含まれていた場合には、それを選択する。これは、１つでもよいし、優先順位をつけることによって複数選択してもよい。そして、表示部８３は、複数のサービス情報を含む検索結果を受信したとき、各サービス情報に含まれている選択した属性項目に対する値に基づきサービス情報の順序を並べ替える。例えば、利用者が６００ｄｐｉ（dot per inch）以上の出力解像度を有するプリンタを検索するという検索条件を指定した場合、出力解像度という属性項目に対する値が大きい順番にサービスを並べ替えて検索結果表示画面を生成する。あるいは、出力解像度が６００ｄｐｉに近い順番、すなわち数値が小さい順番に並べ替えてもよい。このように、ある属性項目を基準にサービス情報が並べられて表示されるので、利用者は、サービス情報の中から所望のサービス情報を見つけやすくなる。
【００３８】
次に、サーバ１０ａは、少なくとも一つのサービス１０ｂが稼動可能な装置である。サービス１０ｂは、自身のサービス情報を保持している。サービス１０ｂは、サービスの起動時と起動中は一定期間毎に、自身が稼動していることをサービス検索装置４に同報通信によって通知する。本実施の形態では、この通知を「サービス公示」と呼ぶ。また、本実施の形態におけるサービス検索装置４は、サーバ１０ａに対してサービス情報要求メッセージを送信することでサービス情報の送信を要求することができる。従って、サーバ１０ａは、サービス検索装置４からサービス情報要求メッセージを受信すると、この送信要求に応じてサービス情報又はサービス情報の一部を含む応答メッセージを返信する。
【００３９】
ここで、本実施の形態におけるサービス情報について図３を用いて説明する。
【００４０】
サービス情報は、サービス種別と、ネットワーク情報と、地理情報と、使用許諾情報と、サービス属性と、から構成されている。サービス種別は、プリントサービス、スキャンサービスなどサービスの種類を示している。ネットワーク情報は、広域コンピュータネットワーク１上でサービスを一意に識別するサービスロケーションであって、ＩＰアドレス、ＦＱＤＮ（Fully Qualified Domain Name）、ＵＲＩ（Universal Resource Identifier）などで記述される。地理情報は、例えば管理者によってサービス設置時に設定されるサーバ１０ａの地理的な位置を示す情報であって、緯度経度座標を必ず含んでいなければならない。また、同一座標における設置位置の移動を明確にするために設置されたビルの階数なども含めておくことが望ましい。使用許諾情報は、そのサービスを公開する範囲を規定するもので、無制限、ネットワーク限定などがある。
【００４１】
サービス属性は、一般属性と、サービス依存属性と、から構成されている。一般属性は、課金情報と、セキュリティ情報と、転送プロトコル情報と、運営組織情報と、が含まれる。課金情報は、そのサービスの使用料とその支払い方法である。セキュリティ情報は、そのサービスが対応しているセキュリティプロトコルのリストである。転送プロトコル情報は、そのサービスを使用するための通信プロトコルやＡＰＩ（Application Program Interface）などである。運営組織情報は、そのサービスの運用主体である企業や部門、団体、個人などの名前と連絡方法などである。サービス依存属性は、サービス種別毎に定義されており、品質、性能、付加機能、対応文書フォーマットのリスト、対応言語のリスト、対応文字セットのリスト、ドライバ入手先情報などを含んでいる。
【００４２】
次に、サービス検索装置４は、サブネットワーク２毎に分散して配置される。各サービス検索装置４は、他の全てのサービス検索装置４のネットワーク上の位置（ネットワークアドレス）を保持している。これにより、各サービス検索装置４は、相互に通信を行うことができる。サービス検索装置４の連携ネットワークは、このようにして形成される。なお、サービス探索装置同士の通信は、ＨＴＴＰプロトコルに従いＸＭＬ（eXtendable Markup Language）によって記述されたメッセージを転送することによって行う。
【００４３】
サービス検索装置４は、対応サブネットワーク２に存在する各サーバ１０ａから１乃至複数のサービス情報を同報通信を用いて収集し、保持する。本実施の形態では、サーバ１０ａとサービス１０ｂとは１対１の関係にあると設定したので、各サーバ１０ａからはそれぞれ１つずつのサービス情報１０ｂを収集することになる。
【００４４】
サービス検索装置４は、クライアント８ｂから検索式を含むサービス検索要求メッセージを受信すると、検索式を解析し、検索範囲とする少なくとも一つのサブネットワーク２を決定する。そして、サービス検索装置４は、検索範囲として決定した１乃至複数のサブネットワーク２に、自身が接続されているサブネットワーク２が含まれていないときには、決定したサブネットワーク２に対応する各サービス検索装置４に対して、クライアント８ｂからのサービス検索要求メッセージを中継送信する。
【００４５】
サービス検索要求メッセージを受け取ったサービス検索装置４は、自らが保持するサービス情報を参照に、検索式を満足するサービスを抽出し、中間検索結果として中継元のサービス検索装置４に応答メッセージを返す。中継元のサービス検索装置４は、全ての中継先のサービス検索装置４から中間検索結果の応答メッセージを受け取ると、それらをマージして検索結果を生成する。検索結果に含まれるサービス数が、予め設定したサービス下限数以上かつ予め設定したサービス上限数以下である場合には、検索結果メッセージをクライアントに返す。
【００４６】
一方、検索結果メッセージに含まれるサービス数がサービス上限数を超えている場合には、中継先とするサービス検索装置４を削減することでより狭い検索範囲を設定する。より狭い検索範囲を設定するということは、検索要求を中継送信する先のサービス検索装置４の数を削減すると言うことであり、これにより、検索対象とするサブネットワーク２の数を削減し検索領域を狭くすると言うことである。そして、クライアント８ｂから検索要求を受けたサービス検索装置４は、新たに設定した検索範囲に該当するサービス検索装置４に対してサービス検索要求メッセージを改めて中継送信する。このようにして絞り込み検索を行う。
【００４７】
また、検索結果メッセージに含まれるサービス数がサービス下限数に達していない場合には、中継先とするサービス検索装置４を追加することでより広範な検索範囲を設定する。より広範な検索範囲を設定するということは、検索要求を中継送信する先のサービス検索装置４の数を増やすと言うことであり、これにより、検索対象とするサブネットワーク２の数を増やし検索領域を広くすると言うことである。そして、クライアント８ｂから検索要求を受けたサービス検索装置４は、新たに設定した検索範囲に該当するサービス検索装置４に対してサービス検索要求メッセージを改めて中継送信する。例えば、サービス下限数として１を設定しておけば、該当するサービスが存在しないときのみ再度の検索が行われることになる。再度の検索を所定回数若しくは所定時間内で繰り返し実行しても検索結果に含まれるサービス数が０の場合は、「該当サービス無し」を意味するメッセージをクライアントに返答する。
【００４８】
なお、クライアント８ｂから検索要求を受けたサービス検索装置４は、検索要求を再度中継送信するときには、前回の検索範囲を構成するサービス検索装置４に対して追加又は削除するようにしてもよいし、前回の検索範囲を除く新たな検索範囲を設定して、つまり、前回とは異なるサービス検索装置４に検索要求を送信するようにしてもよい。なお、クライアントからの要求通りの検索条件に基づき検索結果が得られなかったときには、検索結果と共にその旨を合わせて返答することが望ましい。
【００４９】
図４は、本実施の形態におけるサービス検索装置を示したブロック構成図である。以下、この図を用いてサービス検索装置の内部構成と各構成要素の動作について説明する。
【００５０】
本実施の形態におけるサービス検索装置４は、サービス情報収集部４１、検索範囲設定部４２、サービス検索部４３及び検索結果判定部４４と、更にサービス情報データベース４５とサービス検索装置データベース４６とを有している。
【００５１】
サービス情報収集部４１は、各サブネットワーク２に散在しているサービスのサービス情報を同報通信によって収集し、サービス情報データベース４５に格納する。この本実施の形態におけるサービス情報収集部４１が行う処理について図５乃至図７を用いて説明する。
【００５２】
図５は、広域コンピュータネットワーク１にはじめて接続されたときなどに実施される初期化処理を示したフローチャートである。サービス情報収集部４１は、サービス検索装置４が広域コンピュータネットワーク１に存在することを一斉同報通信を行うことでサービス検索装置４の存在を公示する（ステップ１０１）。これに応じて、広域コンピュータネットワーク１に接続されているサーバ１０ａは、サービス情報収集部４１に対して自身のサービス情報を返信する。サービス情報収集部４１は、各サーバ１０ａから送られてきたサービス情報を受信し（ステップ１０２）、それをサービス情報データベース４５に登録する（ステップ１０３）。サービス情報収集部４１は、公示してから予め決められた一定期間内にこのデータベースへの登録処理を行う。
【００５３】
図６は、本実施の形態におけるサービス情報収集部４１のサービス情報収集処理を示したフローチャートである。サービス情報収集部４１は、サーバ１０ａからのサービス公示を受信すると（ステップ１１１）、そのサーバ１０ａに対してサービス情報送信要求としてサービス情報要求メッセージを送信する（ステップ１１２）。この要求に応じてサーバ１０ａからサービス情報又はサービス情報の一部を含む応答メッセージが送られてくると、それを受信する（ステップ１１３）。そして、受信したサービス情報がサービス情報データベース４５にすでに登録されていれば、受信した内容でサービス情報データベース４５を更新し（ステップ１１４，１１５）、登録されていなければ、サービス情報データベース４５に新規登録する（ステップ１１６）。
【００５４】
なお、各サービス情報は、サービス情報収集部４１へ各サーバ１０ａから直接送られてくるように説明したが、各サービス検索装置４は、対応サブネットワーク２内のサービス１０ｂのサービス情報を保持しているはずなので、他のサービス検索装置４から対応サブネットワーク２内のサービス１０ｂのサービス情報をまとめて送ってもらうようにしてもよい。
【００５５】
図７は、本実施の形態におけるサービス情報収集部４１のサービス情報削除処理を示したフローチャートである。サービス情報収集部４１は、図６に示した処理手順にてサービス情報データベース４５にサービス情報を登録し、また更新するが、各サービス情報に対してそのサービス情報を最後に登録、又は更新してから予め決められた一定期間経過したときには、そのサービス情報をサービス情報データベース４５から削除する。サービス情報収集部４１は、一定周期で送られてくるサービス公示をトリガにして当該サービス情報の更新を行うが、サービス公示が一定期間経過しても送られてこないということは、サービス公示を行っていたサーバ１０ａが停止したということである。従って、サービス情報収集部４１は、当該サーバ１０ａはサービス１０ｂの提供ができない状態であるとして当該サービス情報をサービス情報データベース４５から削除する。このような理由でサービス情報を削除するので、サービス情報を削除する期限とする一定期間と、サービス公示を送信する周期とは、相互に考慮しながら設定するのが望ましい。
【００５６】
以上のようにして、サービス情報収集部４１は、サービス情報を収集し、サービス情報データベース４５に登録することで保持管理する。サービス情報収集部４１は、また、サービス情報の収集のみならず、サービス検索部４３から送られてきたサービス条件に合致するサービス情報をサービス情報データベース４５を検索することによって取得し、サービス検索部４３へ返答する。
【００５７】
検索範囲設定部４２は、広域コンピュータネットワーク１においてサービスを検索する際の検索範囲を設定する。具体的には、検索範囲は、１乃至複数のサブネットワーク２によって設定されるので、検索範囲設定部４２は、検索範囲に含まれるサブネットワーク２に対応するサービス検索装置４（自身を含む）を決定すればよい。サービス検索装置４は、クライアントからの検索要求に指定された検索条件に該当する検索範囲内においてサービス１０ｂを検索することになるので、検索範囲設定部４２は、そのために全てのサービス検索装置４の位置情報を把握していなければならない。ところで、各サービス検索装置４は、管理者から設定されて、設置位置情報として設置場所の緯度経度座標を含む地理情報、アドレス情報としてネットワーク情報を少なくとも保持している。そこで、検索範囲設定部４２は、他のサービス検索装置４の検索範囲設定部と情報交換をすることで各サービス検索装置４から前述した情報を収集し、サービス検索装置データベース４６に登録する。また、この際、検索範囲設定部４２は、ネットワーク中継装置６のホップ数などを計測し、相手のサービス検索装置４とのネットワーク上における距離を合わせて保持する。
【００５８】
検索範囲設定部４２は、サービス検索部４３により検索条件が指定された検索範囲設定要求を受け付ける。クライアントからの検索要求に対して最初の検索範囲設定要求であれば、サービス検索部４３から送られてきた検索条件は、クライアントからの検索条件と同じである。送られてくる検索条件は、利用者によって検索式中で指定されたサービス種別、検索対象地域、検索対象ネットワークを含む。但し、検索対象地域、検索対象ネットワークは省略可能である。また、クライアントからの検索要求に対して２回目以降の検索範囲設定要求であれば、検索条件には前回の検索結果判定部４４による判定結果が付加される。
【００５９】
検索条件に検索対象地域が指定されていた場合、その地域に含まれるサービス検索装置４をサービス検索装置データベース４６から検索し、該当するサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストをサービス検索部４３に返す。また、検索条件に検索対象ネットワークが指定されていた場合、そのネットワークに含まれるサービス検索装置４をサービス検索装置データベース４６から検索し、該当するサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストをサービス検索部４３に返す。検索条件に検索対象地域、検索対象ネットワークともに省略されていた場合、検索範囲設定部４２は、まずサービス種別から、検索するサービスが地理的な条件が重要な制約条件になるサービスか否かを判別する。例えば、プリントサービスはこれに該当する。判別の結果、地理的な条件が重要な制約条件になるサービスであれば、検索範囲設定部４２は、地理的に近傍の検索範囲を設定する。すなわち、検索範囲設定部４２は、自らの設置場所の緯度経度座標を中心とし、所定の値を半径とする円を定め、設置場所の緯度経度座標がその円の内部に含まれるサービス検索装置４をサービス検索装置データベース４６から検索する。そうでないサービスでは、ホップ数などを参考にネットワーク的に近傍の検索範囲を設定する。地理的に近傍の検索範囲を設定する場合、検索範囲設定部４２は、該地域に含まれるサービス検索装置４をサービス検索装置データベース４６から検索し、該当するサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストをサービス検索部４３に返す。ネットワーク的に近傍の探索範囲を設定する場合、検索範囲設定部４２は、自らのネットワークアドレスと、近隣のサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストをサービス検索部４３に返す。
【００６０】
２回目以降の検索範囲設定要求であることから検索結果判定部４４による判定結果が送られてきた場合、検索範囲設定部４２は、該検索結果判定結果がより広い検索範囲の設定を求めるものである場合には、より遠方のサービス検索装置４が含まれるように検索範囲を設定する。該検索結果判定結果がより狭い検索範囲の設定を求めるものである場合には、より少数のサービス検索装置４が含まれるように、より近い検索範囲を設定する。
【００６１】
検索結果判定部４４は、予め設定されている判定基準を有しており、サービス検索部４３から送られてきた検索結果がこの判定基準を満足しているかどうかを判定する。検索結果判定部４４は、サービス検索部４３による検索処理により得られた検索結果を受け取る。なお、この時点ではこの検索結果がクライアント装置８ａへ返されるとは決まっていないので、この状態の検索結果を「中間検索結果」と称することにする。検索結果判定部４４は、この中間検索検果に含まれるサービス数が判定基準、例えばサービス数がサービス下限数（例えば１）以上かつサービス上限数（例えば３０）以下であること、という判定基準を満足しているときには、中間検索結果を検索結果としてクライアント装置８ａに提示することを求める判定結果を返す。また、サービス数がサービス下限数に満たないときには、より広い検索範囲を設定して再度検索することを求める判定結果を返す。一方、サービス数がサービス上限数を超えているときには、より狭い検索範囲を設定して再度検索することを求める判定結果を返す。
【００６２】
サービス検索部４３は、サービス検索装置４が提供する検索サービス全体の処理制御を行う。サービス検索部４３は、サービス検索を実行するには、クライアント８ｂからの検索要求を受信する場合と、他のサービス検索装置４から検索中継要求を受信する場合とがある。図８は、前者に相当する処理を示したフローチャートであり、図９は、後者に相当する処理を示したフローチャートである。
【００６３】
図８において、サービス検索部４３は、クライアント８ｂから検索要求を受信すると（ステップ２０１）、その内容を解析し（ステップ２０２）、検索条件を生成する。そして、その検索条件を指定して検索範囲設定要求を検索範囲設定部４２へ送る（ステップ２０３）。この要求に応じて設定された検索範囲が検索範囲設定部４２から返答されてくるが、この返答には、検索範囲を構成するサービス検索装置４のネットワークアドレスのリストが含まれている（ステップ２０４）。
【００６４】
サービス検索部４３は、このリストの順に以下の処理を行う。まず、リストから取り出したネットワークアドレスが自己のであれば、検索条件に合致するサービスを抽出するために検索条件に基づきサービス条件を生成し、サービス情報収集部４１へ送ることでサービス情報検索を要求する（ステップ２０５，２０６）。そして、この要求に応じてサービス情報収集部４１から送られてくるサービス情報を取得する（ステップ２０７）。
【００６５】
一方、リストから取り出したネットワークアドレスが自己のでないとき、サービス検索部４３は、そのネットワークアドレスが設定されているサービス検索装置４に検索要求を中継する（ステップ２０８）。他のサービス検索装置４へ検索要求を送信する場合、この検索要求を特に「検索中継要求」と称することにする。
【００６６】
図９において、サービス検索部４３は、他のサービス検索装置４からの検索中継要求を受信すると（ステップ２２１）、その内容を解析し（ステップ２２２）、ステップ２０６，２０７と同様にしてサービス条件を生成した後、サービス情報収集部４１へ通知する（ステップ２２３）。そして、サービス検索部４３は、検索結果としてサービス情報収集部４１から得られたサービス情報を検索中継結果として応答する（ステップ２２４，２２５）。
【００６７】
図８において、検索中継要求を送信したサービス検索部４３は、その検索中継要求に応じて他のサービス検索装置４から送られてきたサービス情報を受信する（ステップ２０９）。リストに含まれている全てのネットワークアドレスに対して上記処理を行う（ステップ２１０）。そして、ステップ２０５〜２１０の処理によりサービス情報収集部４１から取得したサービス情報と、他のサービス検索装置４から取得したサービス情報とをマージして、検索結果を生成し、それを検索結果判定部４４へ送る（ステップ２１１）。前述したように、検索結果判定部４４は、検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する。サービス検索部４３は、検索結果判定部４４による判定結果を取得するが（ステップ２１２）、その判定結果が判定基準を満足しているようであれば、その検索結果を、検索要求をしたクライアント８ｂへ返答する（ステップ２１４）。
【００６８】
なお、クライアント装置８ａは、複数のサービス情報を含む検索結果を受信したとき、サービス情報の順序を並べ替えて出力できるということについては説明したが、このサービス情報の並べ替えをサービス検索部４３が行ってもよい。このようにすれば、クライアント装置８ａが並べ替えをしなくてすむし、また、並べ替え機能を有していないクライアント装置８ａでも並べ替えた状態でサービス情報を参照することができる。また、この並べ替えは、常に行うのではなく、所定条件、例えばサービス数が予め設定した数（例えば、１０）を超えた場合に実行するなどの条件に合致したときに実行するようにしてもよい。
【００６９】
また、ステップ２１３において、判定結果が判定基準を満足していないようであれば、ステップ２０３に処理を戻す。ステップ２０３では、検索条件を指定して検索範囲設定要求を検索範囲設定部４２へ送るが、検索範囲設定部４２は、２回目以降の検索範囲設定要求を受け取ったときには検索範囲を変更するように動作することは前述したとおりである。
【００７０】
判定結果が判定基準を満足するまで、検索範囲を変更しながらステップ２０３から２１３までの検索処理を繰り返すことになるが、この検索処理を所定回数若しくは所定時間内で繰り返し実行しても判定結果が判定基準を満足しなければ、サービス検索部４３は、「該当サービス無し」を意味するメッセージをクライアントに返答することになる。
【００７１】
本実施の形態によれば、以上のようにクライアントからの検索要求に応じてサービス検索を行うが、このときに判定基準を満足しない検索結果が得られたときには検索範囲を変更して再度検索をやり直すようにしたので、利用者はクライアント装置８ａから検索範囲の変更を自らしなくてすむので便利である。
【００７２】
なお、本実施の形態においては、検索結果判定部４４による判定の結果、中間検索結果が判定基準を満足したときに、その中間検索結果を検索結果としてクライアントへ返すようにした。つまり、判定基準を満足することが利用者を満足させることであるとみなしている。従って、判定基準をどのように設定するかは、本実施の形態の場合、重要な要素となる。本実施の形態では、判定基準を予め設定するようにしたが、これは全て共通の判定基準を設定してもよいし、検索条件により判定基準を切替可能にしてもよい。また、１つとする必要はなく、複数の条件によって判定基準を設定してもよい。
【００７３】
また、本実施の形態においては、検索範囲設定部４２を設けて、検索条件に指定された検索対象地域又は検索対象地域という地理空間又はネットワーク空間における位置関係に関連した条件に基づき検索範囲を設定し、中間検索結果が判定基準を満足していないときに検索範囲を変更するようにした。しかし、変更する検索条件は、検索範囲だけでなく、他の検索条件を変更するようにしてもよい。例えば、サービス検索装置４では、６〜１０という範囲指定による制約条件を５〜１１、６〜１１、７〜９などのように変更するようにしてもよい。また、白黒印刷という指定をカラー印刷などのように機能を拡大する変更を行うようにしてもよい。
【００７４】
また、本実施の形態においては、サービス検索装置４は、ＩＰマルチキャストによる同報通信によってサービス１０ｂからサービス情報を取得するようしているが、ＩＰブロードキャストによる同報通信によって取得するようにしてもよい。あるいは、ＳＮＭＰ（Simple Network Management Protocol; IETF RFC821）による同報通信によってサービス情報をＭＩＢ（Management Information Base）情報として取得するようにしてもよい。
【００７５】
また、本実施の形態では、広域コンピュータネットワーク１を複数のサブネットワーク２に分割し、サービス検索装置４をサブネットワーク２毎に設置するようにした。そして、サービス検索装置４は、他のサービス検索装置と連係動作してクライアント８ｂに対して検索サービスを提供するようにした。しかし、広域コンピュータネットワーク１を複数のサブネットワーク２に分割せずに、すなわち、１台のサービス検索装置４で広域コンピュータネットワーク１全体のサービス１０ｂ個々に対して検索を行うようにしてもよい。
【００７６】
また、サービス１０ｂの設置時に、管理者は、サービス検索装置４に人為的にサービス情報を登録するようにしてもよい。この場合は、サービス情報を各サービス１０ｂが保持していなくてすむ。
【００７７】
また、本実施の形態においては、サービス検索装置４の間の情報交換を相互にできるようにするために、各サービス検索装置４に、他の全てのサービス検索装置４のネットワーク上の設置位置情報を含むサービス検索装置情報を設定するようにしているが、次のように構成してもよい。
【００７８】
第一の変形例として、各サービス検索装置４には、他の少なくとも一つのサービス検索装置のサービス検索装置情報（以下、単に「装置情報」と呼ぶ）が設定されている。例えば、サービス検索装置Ａは、既知のサービス検索装置Ｂに返信要求を送信する。サービス検索装置Ｂは、返信要求に対して応答するとともに、既知のサービス検索装置Ｃに返信要求を中継送信する。サービス検索装置Ｃは、返信要求に対して応答するとともに、既知のサービス検索装置Ｄに返信要求を中継送信する。中継送信した返信要求に対して各サービス検索装置が自己の装置情報を付加して返答することで、サービス検索装置Ａは、既知のサービス検索装置Ｂ以外の装置情報を得ることができる。サービス検索装置は、このようにして取得した装置情報を自装置内にキャッシュデータとして保持していてもよい。
【００７９】
第二の変形例として、各サービス検索装置は、広域コンピュータネットワーク上の専用サービス（例えば、LDAPディレクトリ）に、自己の装置情報を事前に登録しておく。各サービス検索装置は、専用サービスと通信することによって他のサービス検索装置の装置情報を取得する。サービス検索装置は、このようにして取得した装置情報を自装置内にキャッシュデータとして保持していてもよい。
【００８０】
第三の変形例として、サービス検索システムは、サービス検索装置を論理的に階層して管理する。最上位のサービス検索装置は複数のサービス検索装置の装置情報を保持する。一つ下の階層の各サービス検索装置は、複数のサービス検索装置の装置情報を保持する。サービス検索システムは、このようなツリー構造を形成することで、ツリー構造を順に辿っていけば、他のサービス検索装置の装置情報を得ることができる。サービス検索装置は、このようにして取得した装置情報を自装置内にキャッシュデータとして保持していてもよい。
【００８１】
【発明の効果】
本発明によれば、クライアントからの検索要求に対して利用にとって満足のいくような検索結果が得られなかったときに、検索条件を変更して再度検索を行うことで満足のいく検索結果が得られるようにしたので、利用者が検索範囲を設定し直したり、検索条件を変更して再検索する手間を省くことができる。
【００８２】
また、検索結果であるサービス情報が出力される際に、検索条件に含まれていた属性項目の値に基づきサービス情報を並べ替えるようにしたので、利用者が目視によって多数のサービス情報の中からいずれかのサービスを選定する際に要する負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係るサービス検索装置の一実施の形態を適用したサービス探索システムの概念図である。
【図２】 本実施の形態におけるクライアント装置のブロック構成図である。
【図３】 本実施の形態におけるサービス情報のデータ構成例を示した図である。
【図４】 本実施の形態におけるサービス検索装置を示したブロック構成図である。
【図５】 本実施の形態におけるサービス情報収集部の初期化処理を示したフローチャートである。
【図６】 本実施の形態におけるサービス情報収集部のサービス情報収集処理を示したフローチャートである。
【図７】 本実施の形態におけるサービス情報収集部のサービス情報削除処理を示したフローチャートである。
【図８】 本実施の形態におけるサービス検索部がクライアントからの検索要求に応じて実行する処理を示したフローチャートである。
【図９】 本実施の形態におけるサービス検索部が他のサービス探索装置からの検索中継要求に応じて実行する処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
１ 広域コンピュータネットワーク、２ サブネットワーク、４ サービス検索装置、６ ネットワーク中継装置、８ａ クライアント装置、８ｂ クライアント、１０ａ サーバ、１０ｂ サービス、４１ サービス情報収集部、４２ 検索範囲設定部、４３ サービス検索部、４４ 検索結果判定部、４５ サービス情報データベース、４６ サービス検索装置データベース、８１ 検索結果受信部、８２ 選択部、８３ 表示部。
Claims (4)
- クライアントにサービスを提供する複数のサーバそれぞれのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段と、
前記サーバが接続されているネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う自己及び他のサービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段と、
入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段と、
前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する検索手段と、
前記検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段と、
を有し、
前記検索範囲設定手段は、
入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報を参照して自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、
入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、
前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、
前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、
前記検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とするサービス検索装置。 - 請求項１記載のサービス検索装置において、
前記検索範囲設定手段は、前記検索手段が得た検索結果が判定基準を満足していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、既に検索を行った範囲を除く新たな検索範囲を設定することを特徴とするサービス検索装置。 - サービス検索要求に応じてネットワークに接続されているサーバが提供するサービスを検索し、その検索結果を返す検索サービスを提供する複数のサービス検索装置と、
いずれかの前記サービス検索装置に対して前記サービス検索要求を送るクライアントと、
を有し、
前記各サービス検索装置は、
前記各サーバのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段と、
前記ネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う前記各サービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段と、
入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段と、
前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する第１の検索手段と、
他の前記サービス検索装置からの検索依頼に応じてサービス検索を実行し、その検索結果を返す第２の検索手段と、
前記第１の検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段と、
を有し、
前記検索範囲設定手段は、
入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報に基づき自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、
入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、
前記第１の検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、
前記第１の検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、
前記第１の検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とするサービス検索システム。 - サービス検索要求に応じてネットワークに接続されているサーバが提供するサービスを検索し、その検索結果を返す検索サービスを提供するサービス検索装置を、
クライアントにサービスを提供する複数のサーバそれぞれのネットワーク上におけるサービス提供場所を特定するネットワーク情報及び設置位置情報と当該サーバが提供するサービスの属性情報とを含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段、
前記サーバが接続されているネットワークを複数に分割して形成された各サブネットワークを検索範囲としてサービス検索を行う自己及び他のサービス検索装置のネットワーク情報及び設置位置情報を記憶するサービス検索装置情報記憶手段、
入力された検索条件に基づき前記サービス検索装置情報記憶手段を検索することによって、その検索条件に合致する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した前記サービス検索装置に対応するサブネットワークを当該要求に対する検索範囲として設定する検索範囲設定手段、
前記クライアントからの要求に応じて検索すべき範囲を前記検索範囲設定手段に設定させると共に、その設定された検索範囲に含まれる自己又は他の前記サービス検索装置に対して検索依頼することでサービス検索を実行する検索手段、
前記検索手段による検索結果が予め設定されている判定基準を満足しているかどうかを判定する検索結果判定手段、
として機能させ、
前記検索範囲設定手段は、
入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件になると判断した場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置として、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶された設置位置情報に基づき自己の前記サービス検索装置から所定範囲内に設置された１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、
入力された検索条件に含まれるサービス種別から、当該サービスが地理的な条件が制約条件にならないと判断した場合、前記サービス検索装置情報記憶手段に記憶されたネットワーク情報を参照して求めた自己の前記サービス検索装置と他の前記サービス検索装置とのネットワーク上における距離を基準にネットワーク上において自己の前記サービス検索装置から所定範囲に存在する１又は複数の前記サービス検索装置を特定し、その特定した１又は複数の前記サービス検索装置を検索条件に合致する前記サービス検索装置として特定し、
前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス下限数に達していないと前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より広くなるよう変更し、
前記検索手段が得た検索結果に含まれるサービス数が判定基準として設定されたサービス上限数を超えていると前記検索結果判定手段により判定された場合、検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定した際に参照した設置位置情報又はネットワーク情報を参照して検索条件に合致する前記サービス検索装置を特定することによって、検索範囲を前記クライアントからの要求に応じた検索範囲より狭くなるよう変更し、
前記検索手段は、前記検索範囲設定手段により変更された検索範囲にて再度検索を行うことを特徴とするサービス検索プログラム。
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